説明

シート固定具及びその製造方法

【課題】本発明の目的は、物体に簡単に取り付けることができ、且つシートを物体に簡単に固定することができるシート固定具を提供することである。
【解決手段】本発明は、固定具本体4と、前記固定具本体4の一面16に埋設されて永久磁石20の磁着面を露出させた磁石体18と、前記固定具本体4の他面5に設けられてシートの一部を係止する係止手段6とから構成され、前記シートにより一部が覆われる物体の磁着部に前記磁石体18を磁着させて前記固定具本体4を前記物体に固定し、前記シートの一部を前記係止手段6に係止させて前記物体に前記シートを着脱自在に固定するシート固定具2である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを物体に固定するシート固定具に関し、より詳細には、テーブル等の物体にこれを覆うためのシートを着脱自在に固定するシート固定具及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート固定具として、テーブルにテーブルクロス等を固定する従来の固定具があり、実開昭63−47770号公報(特許文献1)及び実公昭62−4230号公報(特許文献2)に記載されている。特許文献1には、「テーブルクロス止め具」と称される従来のシート固定具として、パーティー用のテーブル等にテーブルクロスやテーブルスカート等を取付けるための止め具が記載されている。
【0003】
図7は、特許文献1に記載される従来のシート固定具の使用状態を示す概略図である。前述のように、特許文献1に記載される従来のシート固定具は、「テーブルクロス止め具」と称され、テーブルクロス止め具102を用いて、テーブル156にテーブルクロス134及びテーブルスカート160が取付けられている。図7では、テーブル156の上面にテーブルクロス134が広げられ、その縁がテーブル156の側面に沿って折り返されて、止め具102によりテーブル156の端部と共に挟み込まれている。テーブルスカート160の内側にはベリクロファスナ167が設けられ、このベリクロファスナ167が止め具102のベリクロファスナ106に係止される。即ち、止め具102により、テーブル156にテーブルクロス134及びテーブルスカート160が取付けられる。
【0004】
特許文献2には、特許文献1と同様のテーブルクロス用スカート取付具が記載されている(図示せず)。特許文献2において、特許文献1のテーブルクロス止め具に相当するテーブルクロス用スカート取付具は、テーブルの側面にテーブルクロスと共に釘で固定され、テーブルスカートに取付けられたピンを前記スカート取付具に掛止させ、テーブルにテーブルスカートとテーブルクロスを固定している。
特許文献1及び2では、テーブルスカートがテーブルクロスとは分離された別部材であった。特開2004−73382号公報(特許文献3)には、テーブルとこのテーブル上に広げたテーブルクロスを共に挟むことにより、テーブルクロスを固定する固定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−47770号公報
【特許文献2】実公昭62−4230号公報
【特許文献3】特開2004−73382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、図7に示した特許文献1のテーブルクロス止め具102では、テーブルクロス止め具102自体をテーブル156に固定することが極めて手間の掛かる作業であった。更に、テーブルスカート160が分離されており、テーブルクロス134のみを用いてテーブルスカート160を設けることができなかった。また、テーブルクロス止め具102の上部がテーブル156の端から露出し、見栄えを悪くしていた。
特許文献2に記載されるテーブルクロス用スカート取付具においても、テーブルの側面にテーブルクロスと共に釘で固定されるから、取付具自体の取り付けが手間の掛かる作業であり、さらにテーブルに釘を刺すことから、テーブルクロスの交換等も手間の掛かる作業となっていた。
また、特許文献3に記載される固定装置では、テーブルとこのテーブル上に広げたテーブルクロスを共に挟むことから、見栄えを悪くし、スカート等により化粧をすることの意味を失わせていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、物体に簡単に取り付けることができ、且つシートを物体に簡単に固定することができ、更に、本体がシートの外側に露出することがないシート固定具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、本発明の第1の形態は、固定具本体と、前記固定具本体の他面に埋設されて永久磁石の磁着面を露出させた磁石体と、前記固定具本体の一面に設けられてシートの一部を係止する係止手段とから構成され、前記シートにより一部が覆われる物体の磁着部に前記磁石体を磁着させて前記固定具本体を前記物体に固定し、前記シートの一部を前記係止手段に係止させて、前記物体に前記シートを着脱自在に固定するシート固定具である。
【0009】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記係止手段は、相互に近設され弾力性を有する複数の係止片からなり、前記係止片の間に前記シートの一部を挿入してロックするシート固定具である。
【0010】
本発明の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記磁石体が前記永久磁石と金属製の磁石取付部材からなり、前記永久磁石が前記磁着面の磁力と前記磁石取付部材を介して作用する磁力により前記物体に磁着するシート固定具である。
【0011】
本発明の第4の形態は、第3の形態において、前記固定具本体に前記磁石体を埋設させる磁石体埋設溝が設けられ、前記磁石取付部材の底板から側方に突起を突出させ、前記磁石体埋設溝は、開口面に開放された小径埋設溝と前記小径埋設溝の底位置から下方に段差面を介して設けられた大径埋設溝から形成され、前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に前記突起を配置して、前記段差面との押接により前記突起を取出し不能にしたシート固定具である。
【0012】
本発明の第5の形態は、第1〜第4のいずれかの形態において、指先を挿入する取外用凹部が前記固定具本体の側面に設けられ、前記取外用凹部に前記指先を挿入させて前記物体に磁着する前記固定具本体を把持し、前記物体から前記シート固定具を取外すことができるシート固定具である。
【0013】
本発明の第6の形態は、第5の形態において、前記取外用凹部が前記固定具本体の両側面に設けられ、前記両側面間の幅が片手で把持できる程度の大きさであるシート固定具である。
【0014】
本発明の第7の形態は、第1〜第6のいずれかの形態において、前記磁着部が前記物体を構成する金属部材であるシート固定具である。
【0015】
本発明の第8の形態は、固定具本体部を形成する本体部形成工程と、前記固定具本体部の他面に形成された大径埋設溝に突起が底板から側方に突出する磁石取付部材を配設する磁石取付部材配設工程と、永久磁石が露出する小径埋設溝が設けられた表面樹脂層を前記他面上に形成して前記永久磁石と前記磁石取付部材からなる磁石体を埋設する磁石体埋設工程と、前記固定具本体部の一面に形成された凹所にシートの一部を係止する係止手段を嵌め込む係止手段嵌込工程とを含むから、前記磁石体埋設工程において、前記小径埋設溝が前記磁石取付部材に取付けられた前記永久磁石が露出するよう前記大径埋設溝の上方に段差面を介して連設され、且つ前記突起が前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に配置され、前記段差面との押接により前記突起が取出し不能にされるシート固定具製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の形態によれば、固定具本体と、前記固定具本体の一面に埋設されて永久磁石の磁着面を露出させた磁石体と、前記固定具本体の他面に設けられてシートの一部を係止する係止手段とから構成され、前記シートにより一部が覆われる物体の磁着部に前記磁石体を磁着させて、前記固定具本体を前記物体に固定するから、シート固定具の着脱を簡単に行うことができる。前記磁着部は、永久磁石が磁着する物質から形成される部材であれば良く、鉄などの強磁性体から形成されることがより好ましい。従って、永久磁石が磁着する部材であれば、前記物体の所望の部位を磁着部とすることができ、物体及びシートの大きさや形状と共に、物体をシートで覆う目的に応じて、前記磁石体を前記磁着部に磁着させることができる。
更に、前記シートの一部を前記係止手段に係止させて前記物体に前記シートを着脱自在に固定するから、前記シートの着脱を簡単に行うことができる。また、永久磁石が磁着する部材であれば、所望の部位を磁着部とすることができることから、好適な位置にシートを固定し、且つシートを容易に取外すことができる。前記係止手段としては、バインダ、面ファスナ、線ファスナ等を利用することができる。柔軟性を有するシート状のものであれば、磁着部を有する物体に種々のシートを固定することができ、例えば、テーブルクロスをテーブルに、自動車用のボディーカバーを自動車に固定することができる。
【0017】
本発明の第2の形態によれば、前記係止手段は、相互に近設され弾力性を有する複数の係止片からなり、前記係止片の間に前記シートの一部を挿入してロックするから、前記シートの着脱をより簡単に行うことができる。弾力性を有する複数の係止片の間にシートの一部を押し込むことにより、それらの復元力によって前記シートが係止片の間に挟持され、前記複数の係止片に前記シートを係止することができる。係止するための特別な部材をシートに付設する必要がなく、前記シートの一部を前記係止片の間に押し込むだけで、前記シートをロックして物体に固定することができる。
【0018】
本発明の第3の形態によれば、前記磁石体が前記永久磁石と金属製の磁石取付部材からなり、前記永久磁石が前記磁着面の磁力と前記磁石取付部材を介して作用する磁力により前記物体に磁着するから、前記永久磁石の磁力を高効率に利用して前記物体にシート固定具を磁着させることができる。前記永久磁石から生じた磁界により、前記永久磁石が取付けられた金属製の磁石取付部材の内部には磁気回路が形成され、前記磁着部に作用する磁力を集中させることができる。即ち、前記永久磁石から生じる磁界が前記磁石取付部材の外側に漏れることが抑制され、前記磁石取付部材内の磁気回路に集中する。
【0019】
本発明の第4の形態によれば、前記固定具本体に前記磁石体を埋設させる磁石体埋設溝が設けられ、前記磁石取付部材の底板から側方に突起を突出させ、前記磁石体埋設溝は、開口面に開放された小径埋設溝と前記小径埋設溝の底位置から下方に段差面を介して設けられた大径埋設溝から形成され、前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に前記突起を配置して、前記段差面との押接により前記突起を取出し不能にするから、前記固定具本体に前記磁石体を強固に固定して埋設することができる。永久磁石の磁力が強力でシート固定具と物体の磁着力が強い場合や長期間使用した場合においても、前記段差面との押接により前記磁石取付部材の前記突起が取出し不能に設けられるから、固定具本体を物体から取外す際に、磁石体が固定具本体から脱離することを防止することができる。
【0020】
本発明の第5の形態によれば、指先を挿入する取外用凹部が前記固定具本体の側面に設けられ、前記取外用凹部に前記指先を挿入させて前記物体に磁着する前記固定具本体を把持するから、前記物体から前記シート固定具を容易に取外すことができる。永久磁石の磁力が強力でシート固定具と物体との磁着力が強い場合、前記固定具本体が使用者にとって把持し難い場所に磁着されている場合などにおいても、前記取外用凹部に指を挿入して前記固定具本体を確実に把持して、シート固定具を取外すことができる。
【0021】
本発明の第6の形態によれば、前記取外用凹部が前記固定具本体の両側面に設けられ、前記両側面間の幅が片手で把持できる程度の大きさであるから、使用者が片手で前記固定具本体を把持し、簡単にシート固定具の着脱を行うことができる。
【0022】
本発明の第7の形態によれば、前記磁着部が前記物体を構成する金属部材であるから、前記物体にシート固定具をより確実に磁着することができる。即ち、前記磁着部が金属製であることから、前記磁着部は強磁性体又は常磁性体からなり、より強固に磁石体を磁着することができる。
【0023】
本発明の第8の形態によれば、固定具本体部を形成する本体部形成工程と、前記固定具本体部の他面に形成された大径埋設溝に突起が底板から側方に突出する磁石取付部材を配設する磁石取付部材配設工程と、永久磁石が露出する小径埋設溝が設けられた表面樹脂層を前記他面上に形成して前記永久磁石と前記磁石取付部材からなる磁石体を埋設する磁石体埋設工程と、前記固定具本体部の一面に形成された凹所にシートの一部を係止する係止手段を嵌め込む係止手段嵌込工程とを含み、前記磁石体埋設工程において、前記小径埋設溝が前記磁石取付部材に取付けられた前記永久磁石が露出するよう前記大径埋設溝の上方に段差面を介して連設され、且つ前記突起が前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に配置されるから、前記段差面との押接により前記突起を取出し不能とすることができる。従って、永久磁石の磁力が強力でシート固定具と物体の磁着力が強い場合や長期間使用した場合においても、固定具本体を物体から取外す際に、磁石体が固定具本体から脱離することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明に係るシート固定具の斜視概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る磁石体の構成概略図である。
【図3】図3は、本発明に係る固定具本体における磁石体の埋設構造を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明に係るシート固定具の断面概略図である。
【図5】図5は、本発明に係るシート固定具の製造工程を示した概略図である。
【図6】図6は、本発明に係るシート固定具の使用状態を示す概略図である。
【図7】図7は、従来のシート固定具の使用状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1の(1A)及び(1B)は、本発明に係るシート固定具2の斜視概略図であり、固定具本体4の一面16に磁石体18、18が埋設され、固定具本体4の他面5には、係止手段6が嵌め込まれている。(1A)は、磁石体18、18が埋設された固定具本体4の一面16からシート固定具2を斜視した斜視概略図である。(1A)に示すように、固定具本体4の一面16には、物体の磁着部に磁着する1対の磁石体18、18が埋設され、固定具本体4の側面12の所定位置15から前記一面に亘って取外用凹部14が4ヶ所設けられている。前記側面12の所定位置15は、前記固定具本体4の一面16を物体に磁着させた状態で、前記取外用凹部14に指が挿入できる程度の位置に設定される。
【0026】
図1の(1B)は、係止手段6が設けられた固定具本体4の他面5からシート固定具2を斜視した斜視概略図である。(1B)に示すように、固定具本体4の他面5には、シートの一部を押し込んで係止させる係止手段6が嵌め込まれている。前記係止手段6は、弾力性を有する複数の係止片10から形成されている。図1の係止手段6では、切れ込み8により分離された5つの係止片10が形成されている。弾力性を有する係止片10の間の切れ込み8にシートの一部を押し込むことにより、それらの復元力によってシートが係止片の間に挟持され、係止される。
【0027】
図2は、本発明に係る磁石体18の構成概略図である。(2A)に示すように、磁石体18は、永久磁石20と磁石取付部材22から構成され、前記磁石取付部材22の底板23から側方に突出する突起36が4ヶ所設けられている。(2B)に示すように、前記永久磁石20が前記磁石取付部材22を構成する底板23の取付面46に磁着及び/又は固着される。前記永久磁石20は、前記磁石取付部材22の側壁25に接着剤等により固着されることが好ましい。
(2C)に示すように、前記永久磁石20から生じた磁界48により、磁石取付部材22の内部には磁気回路が形成され、物体の磁着部に作用する磁力を集中させる。即ち、前記永久磁石20から生じる磁界48が前記磁石取付部材22の外側に漏れることが抑制され、前記磁石取付部材22内の磁気回路に集中する。
【0028】
図3は、本発明に係る固定具本体4における磁石体18の埋設構造を示す概略図である。尚、図3において、固定具本体4は、前記埋設構造を明確に示すため、本体断面52で切取り図示している。(3A)に示す磁石体18は、固定具本体4に設けられた埋設溝21に埋設される。この埋設溝21は上部に開放された小径埋設溝27と埋設溝底面50を有する大径埋設溝29からなり、小径埋設溝27の底位置から下方に段差面を介して大径埋設溝29が形成されている。後述するように、前記段差面は、前記大径埋設溝29の内方側に形成される嵌合溝24の上面となる。
(3C)に示すように、前記磁石取付部材22に設けられた同一側面にある2つの突起36が前記嵌合溝24に配置され、2つの突起36が前記段差面に押接し、磁石体18が取出し不能となっている。
【0029】
図4は、本発明に係るシート固定具2の断面概略図である。(4A)は、図1(1A)のA−A線断面図であり、固定具本体4における磁石体18の埋設構造をより明確に示している。前述のように、埋設溝21は、前記小径埋設溝27の下方に段差面31を介して大径埋設溝29が連設されて形成されている。前記磁石取付部材22の突起36が両サイドの前記嵌合溝24に配置され、両側面の突起36が前記段差面31に押接し、磁石体18が取出し不能となっている。また、固体具本体4の他面5に形成された収容部28には、係止手段6が嵌め込まれている。
(4B)は、図1(1A)のB−B線断面図であり、収容部28に係止手段6が嵌め込まれている。(4C)には、(4B)のシート固定具2に対して、シート34の一部を押し込んだ際のB−B線断面図を示している。シート34は、弾力性を有する係止片10の間に挟持され、それらの復元力によって前記係止片10の先端32がシート34に食い込み、シート34が係止手段6によってロックされる。(4C)において、押し込まれたシート34の一部は、シート34の表面を摘んで突出させたものであるが、シート34の端部を押し込んでも良い。
【0030】
図5は、本発明に係るシート固定具2の製造工程を示した概略図である。(5A)では、樹脂成形により、大径埋設溝29と収容部28が設けられた固定具本体部4aが形成される。(5B)では、磁石取付部材22に永久磁石20が接着された磁石体18が大径埋設溝29に配設される。尚、前記永久磁石は20は、磁石取付部材22を大径埋設溝29に配設した後に、又は磁石取付部材22を固定具本体4に埋設した後に、永久磁石20を磁石取付部材22に接着させても良い。(5C)では、前記固定具本体部4aの磁石体側に表面樹脂層4bが一体形成される。このとき、小径埋設溝27が段差面31を介して大径埋設溝29に連設される。従って、大径埋設溝29の内方には、段差面31を含む嵌合溝24が形成され、突起36は嵌合溝24の段差面31に押接されて取出し不能となる。
(5D)おいて、収容部28には、切れ込み8が設けられた係止片10からなる係止手段6が嵌め込まれる。
【0031】
図6は、本発明に係るシート固定具2の使用状態を示す概略図である。椅子65に人66が座り、テーブル56にはスカート60が形成されるようテーブルクロス64が広げられている。テーブル56の下面57に磁着したシート固定具2には、図4の(4C)と同様に、テーブルクロス64の一部が押し込められ係止されている。従って、テーブルクロス64がスカート60を有する場合に、テーブルクロス34が床面58にずれ落ちることがなく、テーブルクロス64はシート固定具2によりテーブル56に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、物体に簡単に取り付けることができ、且つシートを物体に簡単に固定することができ、更に、本体がシートの外側に露出することがないシート固定具を提供することができる。柔軟性を有するシート状のものであれば、金属等の磁着部を有する物体に種々のシートを固定することができ、例えば、テーブルクロスをテーブルに、自動車用のボディーカバーを自動車に固定することができる。
【符号の説明】
【0033】
2 シート固定具
4 固定具本体
4a 固定具本体部
4b 表面樹脂層
5 他面
6 係止手段
8 切れ込み
10 係止片
12 側面
14 取外用凹部
15 所定位置
16 一面
18 磁石体
20 永久磁石
21 埋設溝
22 磁石取付部材
23 底板
24 嵌合溝
25 側壁
26 被磁着面
27 小径埋設溝
28 収容部
29 大径埋設溝
31 段差面
32 先端
34 シート
36 突起
46 取付面
48 磁界
50 埋設溝底面
52 本体断面
56 テーブル
57 下面
58 床面
60 スカート
62 一部
64 テーブルクロス
65 椅子
66 人
102 止め具
106 ベリクロファスナ
134 テーブルクロス
156 テーブル
160 テーブルスカート
167 ベリクロファスナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定具本体と、前記固定具本体の一面に埋設されて永久磁石の磁着面を露出させた磁石体と、前記固定具本体の他面に設けられてシートの一部を係止する係止手段とから構成され、前記シートにより一部が覆われる物体の磁着部に前記磁石体を磁着させて前記固定具本体を前記物体に固定し、前記シートの一部を前記係止手段に係止させて前記物体に前記シートを着脱自在に固定することを特徴とするシート固定具。
【請求項2】
前記係止手段は、相互に近設され弾力性を有する複数の係止片からなり、前記係止片の間に前記シートの一部を挿入してロックする請求項1に記載のシート固定具。
【請求項3】
前記磁石体が前記永久磁石と金属製の磁石取付部材からなり、前記永久磁石が前記磁着面の磁力と前記磁石取付部材を介して作用する磁力により前記物体に磁着する請求項1又は2に記載のシート固定具。
【請求項4】
前記固定具本体に前記磁石体を埋設させる磁石体埋設溝が設けられ、前記磁石取付部材の底板から側方に突起を突出させ、前記磁石体埋設溝は、開口面に開放された小径埋設溝と前記小径埋設溝の底位置から下方に段差面を介して設けられた大径埋設溝から形成され、前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に前記突起を配置して、前記段差面との押接により前記突起を取出し不能にした請求項3に記載のシート固定具。
【請求項5】
指先を挿入する取外用凹部が前記固定具本体の側面に設けられ、前記取外用凹部に前記指先を挿入させて前記物体に磁着する前記固定具本体を把持し、前記物体から前記シート固定具を取外すことができる請求項1〜4のいずれかに記載のシート固定具。
【請求項6】
前記取外用凹部が前記固定具本体の両側面に設けられ、前記両側面間の幅が片手で把持できる程度の大きさである請求項5に記載のシート固定具。
【請求項7】
前記磁着部が前記物体を構成する金属部材である請求項1〜6のいずれかに記載のシート固定具。
【請求項8】
固定具本体部を形成する本体部形成工程と、前記固定具本体部の一面に形成された大径埋設溝に突起が底板から側方に突出する磁石取付部材を配設する磁石取付部材配設工程と、永久磁石が露出する小径埋設溝が設けられた表面樹脂層を前記一面上に形成して前記永久磁石と前記磁石取付部材からなる磁石体を埋設する磁石体埋設工程と、前記固定具本体部の他面に形成された凹所にシートの一部を係止する係止手段を嵌め込む係止手段嵌込工程とを含み、前記磁石体埋設工程において、前記小径埋設溝が前記磁石取付部材に取付けられた前記永久磁石が露出するよう前記大径埋設溝の上方に段差面を介して連設され、且つ前記突起が前記段差面から前記大径埋設溝の内方側に形成される嵌合溝に配置され、前記段差面との押接により前記突起が取出し不能にされることを特徴とするシート固定具製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−200311(P2012−200311A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65441(P2011−65441)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】