説明

シート搬送装置、これを用いた原稿処理装置および画像形成装置

【課題】一旦装置から排出された原稿や記録用紙などのシート物が再び搬送路内に逆送されることを防止した機構を有するシート物搬送装置を提供する。
【解決手段】逆送防止弁204は、樹脂シート205からなっており、そのシート排出方向先端に弾性部材206を備えている。弾性部材206は下方を反転ローラの支持軸202に支持され、上方が樹脂シート205を搬送面Qの下側に圧接している。また、シート排出方向の先端位置は、反転ローラ201の圧接部Pよりも距離L以上シート排出方向に位置している。図面右方向から搬送されてきたシートが通過する際は、樹脂シート205がシートの先端によって下方に押し下げられ、シートが図面左方向に搬送されるのを許可するが、反転ローラが時計回りに回転した場合は、弾性部材206の左側の面が、すでに排出されたシートの後端が圧接部Pに再度入りこむことを阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置や発券装置などに使用される搬送装置に関し、一旦装置から排出された原稿や記録用紙などのシート物が再び搬送路内に逆送されることを防止した機構を有するシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、両面読み取りや両面印字を行なうために、排出部に原稿もしくは記録紙を反転するための反転ローラが設けられている。一方、反転ローラは反転時に、排出済みシートの端部を巻き込んでシートを搬送路に逆送させてしまい、ジャムを生じる原因となることがある。
【0003】
これを防止するために、例えば、特許文献1には、シートガイドに排出ローラより排出方向に延びた延長部を設けるとともに、このシートガイドの延長部の媒体走行側にシートガイドを圧接するシートストッパーを設け、排出ローラが逆転した場合でも、シートガイド延長部とシートストッパーとが圧接しているため、シート物が排出ローラのニップ部まで入り込まないようにした逆転防止機構が開示されている。
【特許文献1】実開平5−44951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された逆転防止機構では、シートガイド延長部とシートストッパーの二つの部材を設ける必要があり、両者の圧接力を調整することが難しく、逆送を確実に防止するためには、圧接力調整のための機構をさらに設ける必要があるといった課題を有していた。
【0005】
この発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、シート物の円滑な排出と確実な逆転の防止を可能とした機構を有するシート搬送装置と、これを用いた原稿処理装置および画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、シートを案内する搬送面と、シート排出部の回転軸に取り付けられ、回転方向を正逆切換え可能に設けられた反転ローラと、排出済みシートの端部が前記反転ローラのニップ部へ侵入することを防止する逆送防止弁を備えたシート搬送装置において、前記逆送防止弁は、シート排出方向側の一端に、一面が反転ローラの回転軸に支持されるとともに前記逆送防止弁を前記搬送面に押圧する弾性部材を備えたことを特徴としたものである。
【0007】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記弾性部材のシート排出方向側の端面が前記反転ローラのニップ部よりもシート排出方向側に位置することを特徴としたものである。
【0008】
第3の技術手段は、第1または2の技術手段において、前記逆送防止弁が前記反転ローラの軸方向両端部にそれぞれ設けられていることを特徴としたものである。
【0009】
第4の技術手段は、第1から3のいずれかの技術手段において、前記反転ローラは同軸にカラーを有しており、前記逆送防止弁の弾性部材側面がカラーに当接されていることを特徴としたものである。
【0010】
第5の技術手段は、第1から4のいずれかの技術手段であるシート搬送装置を備えた原稿搬送装置である。
【0011】
第6の技術手段は、第1から4のいずれかの技術手段であるシート搬送装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、逆送防止弁の先端に弾性部材を設け、弾性部材の一面を反転ローラ軸で支持するとともに対向する面で逆送防止弁を搬送面に押圧しているため、逆送防止弁を搬送面に押圧する力を長期にわたって安定化させることができ、簡単な構成で、円滑な排出と確実な逆送の防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のシート搬送装置及び該シート搬送装置を備えた画像形成装置および原稿搬送装置の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置100の構成例を示す図である。
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体200と、自動原稿処理装置300とにより構成されている。装置本体200は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0015】
装置本体200の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置300が取り付けられている。自動原稿処理装置300は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置300は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0016】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0017】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0018】
露光ユニット1は、画像書込み装置に該当するものであり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。なお、露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0019】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0020】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0021】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0022】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0023】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0024】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0025】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0026】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体200の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体200の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0027】
また、装置本体200には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0028】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0029】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0030】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0031】
次に、シート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0032】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0033】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
なお、搬送ローラ12bが、後述する本発明のシート搬送装置の反転ローラに相当する。
【0034】
図2は、自動原稿処理装置300の断面を示す図である。
原稿トレイ101は原稿を載置するためのものであり、原稿トレイ101に載置された原稿の有無は原稿有無検知センサ116で検出され、そのサイズは原稿サイズセンサ120で検出される。
【0035】
ピックアーム123の一端にピックローラ115が設けられており、図示しないソレノイドにより駆動されピックローラ115が原稿最上面に離接する。ピックアーム123のピックローラ115が設けられていない方の端が用紙搬送路と当接してピックローラ115が上方向に移動したときのピックアームの角度を規制する。ピックアーム123のピックローラ115が設けられていない方の端と搬送路の間を原稿が通過するので、原稿が円滑に進行するようにピックアーム123のピックローラ115が設けられていない方の端にはピックアームコロ123aが設けられている。ピックローラ115で最上部の原稿を繰出し、サバキローラ102は、分離パッド103と共に原稿トレイから繰出された原稿を分離して第1搬送路104に送り出す。第1搬送路104に設けられた搬送センサ105は原稿の端部を検出する。
【0036】
上搬送ローラ122により原稿をレジストローラ106に搬送する。レジストローラ106は原稿の先端を突き合わせて整合する。読取ガイド108に沿って搬送された原稿に光源ランプ109から照射された光が照射されて、原稿に反射して読取ガラス107を透過し折り返しミラー110を経由してレンズ111で集光されCCD112で画像データに変換される。読取ガラス107を通過した原稿は下搬送ローラ113により反転ローラ114に搬送される。切換えゲート118は自重で通常は先端が反時計方向に回転して図面上実線の状態にある。読み取りが終わった原稿は排紙トレイ117に排紙される。排紙される原稿の端部は排紙センサ119で検出される。
【0037】
両面読み取りの場合、反転ローラ114が反転し原稿は切換えゲート118により搬送路が切換えられて原稿を第2搬送路121に搬送する。そして原稿は再度第1搬送路104を搬送して読取ガラス7に向けて搬送される。
なお、反転ローラ114が、後述する本発明のシート搬送装置の反転ローラに相当する。
【0038】
本発明に係るシート搬送装置の特徴部である逆送防止弁の構造を、図3、図4、図5を用いて説明する。
図3は逆転防止弁を図1と同じ側面方向から見た断面図であり、図4は逆送防止弁を下側から見た図であり、さらに、図5は図2の矢印Aの方向、すなわちシートの排出される方向から見た図である。
【0039】
駆動ローラである反転ローラ201は回動可能に支持された支持軸202に固定され、従動ローラである反転ローラ203と対向しニップ部である圧接部Pにより両者が圧接している。
逆送防止弁204は、樹脂シート205からなっており、そのシート排出方向側の一端に弾性部材206を備えるとともに、樹脂シート205の他端はシートガイド207に固着されている。
そして、弾性部材206は下方を反転ローラの支持軸202に支持され、上方が樹脂シート205を搬送面Qの下側に圧接するようにその形状と厚み寸法が定められている。このために樹脂シート205が薄くとも十分な押圧力で搬送面に押圧される。また、弾性部材206の厚さを変更したり材質を選定したりすることで押圧力の調整も容易に行うことができる。
【0040】
さらに、樹脂シート205の先端に取り付けた弾性部材206のシート排出方向の先端位置(左側の面)は、反転ローラ201と反転ローラ203との圧接部Pよりも所定の距離L以上、シート排出方向に位置するようにしている。このため、後述するように、シートの逆送が確実に防止できる。
【0041】
また、本実施形態では、図4に示すように、逆転防止弁204は、軸方向に2つ取り付けられた反転ローラ203の外側にそれぞれ設けており、シートの搬送方向と直交する方向(反転ローラの軸方向)の両端が圧接部Pに入り込まないようにしている。このように、反転ローラ201の軸方向両端にそれぞれ逆転防止弁204を設けているので、シートの端部中央が圧接部Pに入り込むことが無い。
【0042】
さらに、図5に示すように、逆送防止弁204の弾性部材206は、反転ローラ201の軸方向外側に同軸に設けられたカラー208の外側に、カラー208に片側側面を接触させた状態で取り付けられている。したがって、逆走防止弁204の取付時の位置決めが容易となり、取付位置のズレが防止できる。
カラー208は、反転ローラ201より若干径が大きい円形で、表面が平滑で摩擦の少ない樹脂製の部材で構成できる。カラー208は、反転ローラ201より径が大きく平滑なカラー208を設けることで、排出されるシートにたわみをつけ(腰を付ける)とともに、逆流防止弁204と同様にシートが圧接部Pに入り込むことを防止している。
【0043】
図6は、シートが排出される際の逆送防止弁の状態を示す図であり、反転ローラ201が反時計方向に回転するとき(通常排出時)に、図面右方向から搬送されてきたシートTが通過する際に、樹脂シート205はシートTの先端によって下方に押し下げられ、反転ローラ201と反転ローラ203によって、シートTが図面左方向に搬送されるのを許可する。
【0044】
一方、シートTが一旦弾性部材206の搬出方向側の端面位置より搬出方向に排出されれば、図7に示すように、樹脂シート205は弾性部材206の弾性によって再び搬送面Qの下側に圧接される。このため、反転ローラ201が時計方向に回転したとき(反転搬送時)には、すでに排出されたシートTの後端が圧接部Pに再度入りこむことが弾性部材206の左側の面で阻止される。そして、弾性部材206の左側の面は圧接部Pから距離L以上搬送方向に離れて設けられているので、シートTが圧接部に再度把持されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置を備えた自動原稿処理装置の断面を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の逆送防止弁の構造を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の逆送防止弁を下側から見た図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置の逆送防止弁をシートの排出される方向から見た図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置においてシートが排出される際の逆送防止弁の状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るシート搬送装置において排出されたシートの逆送が防止される状態を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100…画像形成装置、200…装置本体、300…自動原稿処理装置、1…露光ユニット、2…現像器、3…感光体ドラム、4…クリーナユニット、5…帯電器、6…中間転写ベルトユニット、7…定着ユニット、81…給紙カセット、91…排紙トレイ、10…転写ローラ、11a、11b…ピックアップローラ、12a〜12d…搬送ローラ、13…レジストローラ、101…ピックアーム、102…サバキローラ、103…分離ローラ、104…第1搬送路、105…搬送センサ、106…レジストローラ、107…読取ガラス、108…読取ガイド、109…光源ランプ、110…折り返しミラー、111…レンズ、112…CCD、113…下搬送ローラ、114…反転ローラ、115…ピックローラ、116…原稿有無検知センサ、117…排紙トレイ、118…切換えゲート、119…排紙センサ、120…原稿サイズセンサ、121…第2搬送路、122…上搬送ローラ、123…ピックアーム、123a…ピックアームコロ、201…反転ローラ(駆動ローラ)、202…支持軸、203…反転ローラ(従動ローラ)、204…逆送防止弁、205…樹脂シート、206…弾性部材、207…シートガイド、208…カラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを案内する搬送面と、
シート排出部の回転軸に取り付けられ、回転方向を正逆切換え可能に設けられた反転ローラと、
排出済みシートの端部が前記反転ローラのニップ部へ侵入することを防止する逆送防止弁を備えたシート搬送装置において、
前記逆送防止弁は、シート排出方向側の一端に、一面が反転ローラの回転軸に支持されるとともに前記逆送防止弁を前記搬送面に押圧する弾性部材を備えたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記弾性部材のシート排出方向側の端面が前記反転ローラのニップ部よりもシート排出方向側に位置することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記逆送防止弁が前記反転ローラの軸方向両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記反転ローラは同軸にカラーを有しており、前記逆送防止弁の弾性部材側面がカラーに当接されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1に記載のシート搬送装置を備えた原稿搬送装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1に記載のシート搬送装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−166910(P2009−166910A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3976(P2008−3976)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】