説明

シート搬送装置および画像形成装置

【課題】 画像形成装置において、結露を防止し、加圧加熱されたシートのトナー像に発生するローラ跡を低減し、搬送不良の防止及び安定したシートの搬送を実現する。
【解決手段】
少なくとも3本から成るシート搬送ローラ群41によってシートSを摩擦搬送させる。このうち、少なくとも2本のシート搬送ローラ45,46及びその保持部材83の側に、シート搬送方向以外の方向に可動する可動機構85を具備させる。厚いシートSが挿入されても、シートSに過度の圧力を加わらないよう、少なくとも2本の搬送ローラ45,46の位置を変えることができる構成を有する。搬送ローラ45、46及びその保持部材83に駆動手段86を設けて、能動的に少なくとも2本のシート搬送ローラ45、46の位置を変化させる構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真方式を採用した装置がある。この種の装置においては、定着装置によってシートにトナー像を定着させた直後に、このシートがローラやコロなどに接触することによって、ローラ跡やこすれなどが生じる場合があるという問題があった。特に、ローラ跡は、次のようにして発生する。
【0003】
すなわち、まず、シートに高温で加熱定着されたトナー像が冷えきる前に、トナー像が形成された面、またはトナー像の形成面の裏面に、ローラやコロが接触する。このローラやコロの接触によって、接触した部分の表面性が変わったり、その部分が他の部分より早く熱を奪われたりする。そして、この部分のトナー像の色見が変化して、光沢差となって表れる。
【0004】
このようなローラ跡は、普通紙の場合には目立ちにくいが、光沢紙や光沢フィルムなどの、いわゆるトナー像の光沢度が高いシートの場合には目立ちやすい。
【0005】
そこで、このような画像面に部分的に発生するローラ跡を軽減するために、従来の被加熱シート搬送装置においては、シートとの接触部分が同一の径をなす、通しローラ同士から構成された一対のローラ対が用いられる。
【0006】
しかしながら、このような通しローラ対を用いた場合、シートおよびトナーが定着装置によって加熱される際に発生する水蒸気を放出させるのが困難である。そのため、その水蒸気がローラ対のニップ部に溜まり、結露が発生して画像不良の原因となることがある。
【0007】
そこで、水蒸気が溜まることで発生する結露を防ぐために、通しローラ対において、シートの一方の面に位置するローラと他方の面に位置するローラとを、所定の間隙を隔てて非接触に配置する構成が考えられる(構成については、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-020149号公報(第9頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、この場合に次のような問題がある。すなわち、上述した特許文献1に記載された技術の場合、シートを略水平方向に送る場合には、小さな搬送力さえ存在すれば、搬送不良を防止することができる。ところが、シートを略垂直方向(略重力方向)に搬送する場合には、搬送力が不足して搬送不良が生じる。
【0009】
また、本発明者の知見によれば、間隙が固定されていると、搬送される種々のシートの厚さに対応できず、搬送不良が発生する。
【0010】
したがって、この発明の目的は、搬送ローラのシート材と接する部分における結露を防止することができるとともに、シート材の搬送における搬送不良、シート材の折れおよび、シート材への搬送ローラ跡の形成を低減することができるシート搬送装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、シート材が通過可能な間隙を有して配置された複数の搬送ローラを備え、複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが搬送されるシート材の一面側に配置され、複数の搬送ローラのうちの2つ以上の搬送ローラが搬送されるシート材の他面側に配置され、複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが回転駆動されるシート搬送装置であって、シート材の他面側に配置された2つ以上の搬送ローラとシート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙を調整可能に構成されていることを特徴とするシート搬送装置である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、搬送ローラのシート材と接する部分における結露を防止することができるとともに、シート材の搬送における搬送不良、シート材の折れおよび、シート材への搬送ローラ跡の形成を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0014】
(第1の実施形態)
(シート搬送装置)
まず、この第1の実施形態によるシート搬送装置40について説明する。図1に、この第1の実施形態によるシート搬送装置40の搬送方向に沿った断面を示す。
【0015】
図1に示すように、この第1の実施形態によるシート搬送装置40は、3個以上のローラからなる搬送ローラ群41、下部シート搬送ガイド42a,42bおよび上部シート搬送ガイド43を有して構成されている。なお、このシート搬送装置40の上流側には、シートに対して、トナー像を加熱定着させる定着装置30が備えられている。
【0016】
搬送ローラ群41は、第1の搬送ローラ44と、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46とから構成されている。第1の搬送ローラ44は、シートSにおける一方の面である第1の面Saに接触する。第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46は、シートSにおける他方の面である第2の面Sbに接触する。シートSが、これらの第1の搬送ローラ44、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に接した状態でシートSの搬送方向に沿った断面が曲率を有する状態となる。
【0017】
これらの第1の搬送ローラ44、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46は、それぞれシートSの幅方向、すなわち搬送ローラ群41の軸方向で、シートSの幅以上の長さで、連続な円筒側面を有する通しローラから構成されている。これらの搬送ローラのうちの第1の搬送ローラ44の表面は、ゴムなどから構成されている。
【0018】
第1の搬送ローラ44は、その軸の端部が駆動手段(図示せず)に接続されている。そして、この駆動手段による回転力(駆動力)が軸に伝達されて、第1の搬送ローラ44が回転される。そして、軸上に固定された搬送ローラ44の表面とシートSとの間に摩擦力が生じることによって、シートSが搬送される。
【0019】
他方、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46は、芯金と、この芯金の表面に被覆された離型層とから構成される。芯金は、例えばアルミニウム(Al)からなる。離型層は、例えばパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる。
【0020】
第2の搬送ローラ45は、その表面とシートSとの間に生じる摩擦力により従動回転する。同様に、第3の搬送ローラ46は、その表面とシートSとの間に生じる摩擦力により従動回転する。
【0021】
また、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46のそれぞれの両端部は、それぞれ軸受47により支持されている。それぞれの軸受47は、保持部材48によって保持される。すなわち、同一の側に位置する第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46を支持する軸受47が、それぞれ同一の保持部材48によって保持される。
【0022】
この保持部材48は、保持部材ガイド49によって、シートSの搬送方向以外の方向に移動可能に構成されている。すなわち、保持部材ガイド49により、保持部材48のシート搬送方向に沿った移動が規制されるとともに、保持部材48自体が、シート搬送方向以外、ここではシートSの搬送方向に略垂直方向に移動するように案内される。これらの保持部材48および保持部材ガイド49により、可動機構50が構成される。
【0023】
また、保持部材48は、例えばばねなどの弾性体からなる付勢手段51が連結されている。この付勢手段51によって、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に対して外力が作用していないときに、保持部材48は、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46がシートSに当接するように所定位置にとどまる。なお、可動機構50および付勢手段51により本発明の間隙調整手段が構成される。
【0024】
保持部材48は、保持部材ガイド49により、シートSの搬送方向以外、ここでは、シートSの面に対して略法線方向に移動するように構成されている。なお、この移動方向に関しては、必ずしもこの方向や向きに限定されるものではなく、必要に応じて、シートSの搬送方向に対して、斜め方向に移動する構成でも良い。
【0025】
図2に、可動機構50を示す。図2Aに、第1の搬送ローラ44と、第2の搬送ローラ45または第3の搬送ローラ46との間隙が最も狭い状態を示す。図2Bに、第1の搬送ローラ44と第2の搬送ローラ45または第3の搬送ローラ46との間隙が最も広い場合を示す。
【0026】
上述したように保持部材ガイド49は、保持部材48の移動を所定の範囲内に規制する。この保持部材ガイド49によって保持部材48が規制されて移動することにより、軸受47、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46が規制されつつ移動する。
【0027】
また、図1に示すように、下部シート搬送ガイド42としては、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46と、これらを保持する軸受47および保持部材48とをともに可動させる構成を採用することも可能である。
【0028】
(シート搬送装置の動作)
次に、この第1の実施形態によるシート搬送装置40の動作について説明する。まず、シートSが搬送ローラ群41に送り込まれる。搬送ローラ群41に挟まれたシートSの第2の面Sbが、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に均一に当接される。他方、シートSの第1の面Saに第1の搬送ローラ44が均一に当接する。
【0029】
また、定着装置30によってシートSが加熱された場合、シートSに含まれる水分が蒸発し、水蒸気が発生する。この水蒸気が一定以上滞留すると、結露が発生する。そこで、この第1の実施形態においては、搬送ローラ群41に間隙を設けることにより発生した水蒸気を装置外に排出させる。これにより、装置内に水蒸気が溜まらないので、結露の発生を防止することが可能となる。
【0030】
また、搬送ローラ群41に間隙を設けることにより、いわゆるニップ部が形成されない。そのため、搬送ローラ群41は、従来に比してシートSを搬送する力が低下する。そこで、この第1の実施形態においては、搬送ローラ群41の3つ以上の搬送ローラによって、シートSを滑らかに曲げ、曲率を持たせた状態とする。このようにシートSに曲率を持たせることにより、搬送ローラ群41によってシートSを摩擦搬送させることができ、シートSの搬送力を所定の大きさに維持することができる。
【0031】
また、シートSが存在することによって、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に外力が作用する。このとき、シートSの曲げにくさ(いわゆる、シートSの腰)に応じて、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に作用する外力の大きさが変化する。この外力の大きさの変化が、可動機構50および付勢手段51に作用される。これにより、シートの腰に応じて、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46の位置が変化することになる。なお、ここでの第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46の位置の変化は、シートの搬送方向とは異なる方に沿った移動、例えばシートSの面の法線方向に沿った移動である。
【0032】
また、この移動においては、付勢手段51により、外力に対応した抗力が発生し、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46がシートSに当接する。これにより、2つ以上のローラが付勢手段51によって付勢されているため、厚みがある厚いシートが流されても、必要以上の圧力がかからないようになっている。
【0033】
図1Aに、標準的な厚さのシートを搬送する場合を示し、図1Bに、厚いシートを搬送する場合を示す。図1Bに示すように、厚いシートを搬送している場合、第1の搬送ローラ44と第2の搬送ローラ45または第3の搬送ローラ46とのなす間隙は、図1Aに示す場合に比して大きくなっている。
【0034】
したがって、2つ以上のローラが固定されている場合においては、シートSが厚くなるに従ってシートSに加わる圧力が高くなる、という現象によって生じるシートSの折れの可能性を低減することができる。
【0035】
その後、搬送ローラ群41によって摩擦搬送されたシートSは、下部シート搬送ガイド42、および上部シート搬送ガイド43に沿って、シートSの搬送方向の下流に搬送され、シート搬送装置40外に排出される。
【0036】
この第1の実施形態によれば、複数の搬送ローラは、シートSの両面に接し、かつ合計3つ以上の搬送ローラと接しているときに、搬送方向に沿った断面が曲率を有する状態になるように配置されている。これにより、搬送ローラによる搬送力の低下を回避することができる。
【0037】
また、この第1の実施形態によれば、シートSの厚さに応じて、シートの第2の面Sb側に位置する2つ以上の搬送ローラの位置を変化させる間隙調整手段としての可動機構50および付勢手段51を備えていることにより、圧力の増加によるシートSの折れの発生を抑制することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態によるシート搬送装置について説明する。図3および図4に、この第2の実施形態によるシート搬送装置を示す。なお、第1の実施形態によるシート搬送装置40と同一の構成については、その説明を省略する。
【0039】
(シート搬送装置の構成)
図3に示すように、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46の両端部は、それぞれ軸受47により支持される。第2の搬送ローラ45と第3の搬送ローラ46との同一端側のそれぞれの軸受47が、それぞれ同一の保持部材83により保持される。
【0040】
そして、第2の搬送ローラ45、第3の搬送ローラ46、これらの2つのローラの両端部をそれぞれ支持する軸受47、およびこれらの軸受47を支持する保持部材83により、可動側搬送ローラ群87が構成されている。
【0041】
保持部材83は、保持部材ガイド84に従い、シートSの搬送方向以外に移動することができるようになっている。なお、ここで、シートSの搬送方向以外とは、シートSの面に対して、略法線方向であるが、必ずしもこの方向、向きに限定されるものではない。
【0042】
また、保持部材83には、たとえば圧縮ばねなどの弾性体からなる付勢手段82が連結されている。また、駆動手段86は、保持部材83が保持部材ガイド84に沿って移動されて、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46をシートSから離間させる。
【0043】
図4に示すように、駆動手段86は、回動軸86bの両端部に同一形状の駆動カム86aが設けられて構成されている。そして、回動軸86bが所定の角度だけ回転されることによって、第1の搬送ローラ44と、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46との間隙を調整することができる。なお、この回動軸86bを回転させる駆動力としては、手動またはモータ(図示せず)などが用いられる。
【0044】
また、この第2の実施形態においては、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46は、付勢手段82によって、シートSに当接される方向に付勢されている。そして、駆動手段86によって、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46をシートSから離間させる方向に駆動するようにしている。なお、この逆の動作をするような構成を採用することも可能である。すなわち、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46を、付勢手段82によって、シートSから離間させる方向に付勢するようにしてもよい。この場合、駆動手段86による駆動方向は、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46がシートSに当接する方向である。
【0045】
また、この第2の実施形態においては、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に外力が作用していない場合に、保持部材83は、付勢手段82によって、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46がシートSに当接できるように、所定位置で留まるように構成されている。
【0046】
保持部材83は、駆動手段86により、シートSの厚さに対応した所定の移動量だけ移動される。このときの移動量は、保持部材83により保持される搬送ローラを含めて、シートSの搬送に供される3本以上の搬送ローラが、それぞれシートSに接触可能な範囲である必要がある。すなわち、この第2の実施形態において、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46の移動量は、第1の搬送ローラ44との間隔がシートSに接触できる範囲となることが必要である。
【0047】
さらに、付勢手段82と駆動手段86とによる力の作用方向は、図4におけると逆にすることも可能である。すなわち、付勢手段82により、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46を、シートSから離間させる方向に付勢する構成を採用する。この場合、駆動手段86によって、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46を、シートSに当接させる方向に駆動する構成が採用される。
【0048】
(シート搬送装置の動作)
次に、この第2の実施形態によるシート搬送装置80の動作について説明する。
【0049】
この第2の実施形態によるシート搬送装置80においては、第1の実施形態によるシート搬送装置40に加え、第2の面Sb側に配設された2つ以上の搬送ローラの位置を、シート厚に応じて変化させる可動機構85と駆動手段86とを有する。
【0050】
まず、図4Aに示すように、第1の搬送ローラ44と第2の搬送ローラ45または第3の搬送ローラ46とのなす間隙を調節する前の状態では、駆動カム86aの長軸側が上方を向いている。その後、駆動手段86によって、シートSの厚さに対応して、上述した所定の移動量だけ移動される。これにより、図4Bに示すように、可動機構85がシートSの略法線方向に沿って、シートから遠ざかる向きに駆動させる。これにより、間隙が調節される。
【0051】
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができるとともに、さらに駆動手段86によって、第1の搬送ローラ44と第2の搬送ローラ45または第3の搬送ローラ46との間隙を自在に調整することが可能となる。これにより、シートSに加えられる圧力をより確実に調節することができ、シート折れをより一層抑制することが可能となる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態による画像形成装置について説明する。図5に、この第3の実施形態による画像形成装置としてのフルカラーレーザービームプリンタ(以下、プリンタ)のシート搬送方向に沿った断面を示す。また、図6に、この第3の実施形態によるシート搬送装置80のシート搬送方向に沿った断面を示し、図7に、このシート搬送装置80の動作のタイミングチャートを示す。
【0053】
(プリンタの構成)
まず、この第3の実施形態によるプリンタ70の構成について説明する。図5に示すように、プリンタ70は、プリンタ装置本体71、シート供給装置20およびシート搬送装置80を有して構成されている。
【0054】
シート供給装置20は、複数枚のシートSを収納可能なシート供給カセット21から、ピックアップローラ22により、画像形成手段である画像形成部8にシートSを供給可能に構成されている。
【0055】
このピックアップローラ22の下流側におけるプリンタ70のプリンタ装置本体71には、シート材厚み情報検知手段としてのシート厚検知センサ24が設けられている。このシート厚検知センサ24によりシートSの厚さや種類が検知される。また、シート厚検知センサ24の下流側には、レジストローラ対23が設けられている。
【0056】
また、シート厚検知センサ24を搭載することなく同様の効果を得るためには、プリンタ70に搭載されたシート厚の入力手段としての操作部(図示せず)から、シートの厚さをユーザ自身が入力するか、または、プリンタ70に接続されたコンピュータ(図示せず)を用いて、シートSの厚さを入力する手法を採用することも可能である。
【0057】
プリンタ70のプリンタ装置本体71は、垂直方向にイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)およびブラック(BK)のそれぞれの色に対応した4個の感光体ドラム1a,1b,1c,1d(以下、感光体ドラム1)を備えている。感光体ドラム1は、回転手段(図示せず)により、図5においては、反時計回りに回転するように構成されている

【0058】
感光体ドラム1の周囲に回転方向に従って、それぞれ帯電装置2a,2b,2c,2d(帯電装置2)、スキャナユニット3a,3b,3c,3d(スキャナユニット3)、現像装置4a,4b,4c,4d(現像装置4)、クリーニング装置6a,6b,6c,6d(クリーニング装置6)が配設されている。また、プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7d(プロセスカートリッジ7)は、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置4およびクリーニング装置6が一体にカートリッジ化されて構成されたものである。
【0059】
そして、画像形成手段としての画像形成部8は、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置4およびクリーニング装置6を有して構成される。帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させる。スキャナユニット3は、それぞれの色の画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム1上に静電潜像を形成する。現像装置4は、静電潜像にイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックのそれぞれの色のトナーを付着させてトナー像として現像する。クリーニング装置6は、転写後に感光体ドラム1の表面に残ったトナーを除去する。
【0060】
感光体ドラム1a,1b,1c,1dの対向部には、感光体ドラム1a,1b,1c,1dに静電転写ベルト11が接するように静電転写ベルトが配設されている。静電転写ベルト11は、膜厚が例えば約150μmのフィルム状部材から形成されている。このフィルム状部材は、所定の体積固有抵抗を有している。また、この静電転写ベルト11は、駆動ローラ12および従動ローラ13,14,15に掛け渡されており、図5において、時計回りに回転する。
【0061】
駆動ローラ12は、その両端の軸12aに取り付けたボールベアリング16によって、両側面フレーム(図示せず)に支持されている。従動ローラ13,14,15も、同様にして両側面フレーム(図示せず)に支持されている。
【0062】
また、静電転写ベルト装置10の最上流側には、従動ローラ13に静電転写ベルト11を挟んで対向して配設された静電吸着ローラ17が設けられている。静電吸着ローラ17は、シートSを静電転写ベルト11の外周に圧接しつつ、静電転写ベルト11との間に電圧を印加して、シートSが静電転写ベルト11に静電吸着されて搬送可能に構成されている。
【0063】
静電転写ベルト11の内側には、4個の感光体ドラム1a,1b,1c,1dにそれぞれ対向して転写ローラ18a,18b,18c,18d(以下、転写ローラ18)が並設されている。転写ローラ18は、静電転写ベルト11に当接されている。
【0064】
また、定着装置30は、定着ローラ31と、この定着ローラ31に対向して圧接される加圧ローラ32とを備えて構成されている。この定着装置30は、静電転写ベルト装置10から搬送されるシートSを定着ローラ31と加圧ローラ32とのニップNに導くための定着入口ガイド33を備える。
【0065】
この定着装置30の下流側には、後述するシート搬送装置80が設けられている。シート搬送装置80の下流側には、一対の回転手段からなるシート排出ローラ対100が設けられている。シート排出ローラ対100は、定着後のシートSを、プリンタ装置本体71の上面に設置されたシート排出トレイ60上に排出する。
【0066】
(プリンタの動作)
次に、この発明の第3の実施形態によるプリンタ70の動作について説明する。
【0067】
すなわち、図5に示すように、まず、プリンタ70のプリント時に、画像形成動作に応じてピックアップローラ22が駆動回転する。ピックアップローラ22により、シート供給カセット21内のシートSが1枚ずつ分離されてシート供給カセット21から送り出される。送り出されたシートSは、入口ガイド25に沿って進む。入口ガイド25の途中にあるシート厚検知センサ24によりシートの厚さが検知され、後述するシート搬送装置80内に備えられた駆動手段86が制御される。なお、シート厚検知センサ24が搭載されていない場合、上述したようにプリンタ70に搭載されたシート厚入力手段(図示せず)、またはプリンタ70に接続されたコンピュータ(図示せず)から入力されたシート厚に基づいて、後述するシート搬送装置80内に備えられた駆動手段86が制御される。
【0068】
そして、シート厚検知センサ24を通過したシートSは、その先端が回転の停止したレジストローラ対23に突き当てられる。これにより、シートSが一旦停止され、ループが形成させられて斜行が修正される。
【0069】
一方、プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dが、印字タイミングに合わせて順次駆動される。これらの駆動に応じて感光体ドラム1a,1b,1c,1dが、反時計回りに回転駆動される。それぞれのプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3も順次駆動される。この駆動により、帯電装置2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。これとともに、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1の周面に画像信号に応じた露光が行われる。そして、感光体ドラム1周面上に静電潜像が形成される。現像装置4内の現像ローラにより、静電潜像の低電位部にトナーが転移させて感光体ドラム1の周面上にトナー像が形成される。
【0070】
また、最上流にある感光体ドラム1aの周面上のトナー像の先端が静電転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点にシートSの印字開始位置が一致するように、レジストローラ対23の回転が開始され、シートSが静電転写ベルト装置10に給送される。
【0071】
静電吸着ローラ17によって帯電されて静電転写ベルト11に吸着したシートSに対して、それぞれの感光体ドラム1と転写ローラ18との間に形成される電界により、感光体ドラム1のトナー像が順次転写される。4色のトナー像が転写されたシートSは、駆動ローラ12により、その先端が静電転写ベルト11から分離され、定着入口ガイド33に導かれて定着装置30に搬入される。
【0072】
定着ローラ31と加圧ローラ32とから形成されるニップNに、シートSが通過するとき、シートSに熱と圧力とが加えられることによって、転写されたトナー画像がシートS上に定着される。シートSは、ニップNで定着処理された後、シート搬送装置80の搬送ローラ群41に導かれる。さらに、シートSは、上部シート搬送ガイド43に沿って搬送され、シート排出ローラ対100によってシート排出トレイ60に排出される。以上により、シートSに対する画像形成処理が行われる。
【0073】
(シート搬送装置の構成)
次に、この第3の実施形態によるシート搬送装置80の構成について説明する。なお、第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0074】
すなわち、図6に示すように、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46に外力が作用していない場合に、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46が、所定位置にとどまるように構成されている。すなわち、付勢手段82によって保持部材83が付勢されることにより、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46がシートSに
当接するように構成されている。
【0075】
また、保持部材83は、駆動手段86によってシートSの厚さ(シート厚)に対応した所定の移動量だけ移動する。このシート厚は、図5に示すプリンタ70内に装備された、シート厚検知センサ24によるシートSの厚さ、上述したプリンタ70に搭載されたシート厚入力手段(図示せず)またはプリンタ70を接続するコンピュータ(図示せず)により入力されたシート厚である。なお、このときの移動量は3本以上のローラが、それぞれのシートに接することができる範囲内である。
【0076】
また、このシート搬送装置80における間隙調整手段としての保持部材83および保持部材ガイド84による間隙調整量は、シート材厚み情報によって決定される。また、この保持部材83および保持部材ガイド84の間隙調整量は、シート搬送装置80がシートSを搬送していないときに間隙が広く、シート材を搬送しているときに間隙が狭くなるように制御される。
【0077】
(シート搬送装置の動作)
次に、このシート搬送装置80の動作について説明する。図6に、シートSが搬送ローラ群41に送り込まれる様子を示す。
【0078】
図6Aに示すように、定着装置30により、加熱加圧されてトナー像が定着されたシートSは、搬送ローラ群41に給送される。このとき、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46と、第1の搬送ローラ44とは、それらの軸が所定間隔M1となるように待機される。
【0079】
また、可動側搬送ローラ群87は、第2の搬送ローラ45、第3の搬送ローラ46、2つのローラの各両端部を支持する軸受47、および軸受群を支持する保持部材83により構成される。この可動側搬送ローラ群87は、シート搬送装置80内に設けられている。また、可動側搬送ローラ群87は、シート厚検知センサ24(図5参照)によって検知されたシートSの厚さに応じて、その先端が搬送ローラ群41に突き当たって搬送方向が変わらないように構成されている。
【0080】
また、シートSの搬送方向に対して、このシート搬送装置80よりも上流側に設けられたシート位置検知センサ35によって、シートSの通過、例えばシートSの先端の通過が検知されて、所定の時間T1経過するまで、所定間隙M1が保たれる。
【0081】
図6Bに、この所定時間T1の経過後に、間隙が、圧力が最適となる所定間隙M2になった状態を示す。すなわち、シート厚検知センサ24によって検出されたシートSの厚さに準じ、可動側搬送ローラ群87のそれぞれの搬送ローラの間隔が所定間隙M2に制御される。これにより、搬送ローラ群41がシートSに対し加えられる圧力が過度になることで生じるシートSの折れを防止することができる。
【0082】
また、図7に、プリンタ装置本体71およびシート搬送装置80の動作のタイミングチャートを示す。このタイミングチャートの縦軸は、シート搬送装置80に具備された可動機構85の変位であり、横軸は時間である。
【0083】
まず、プリンタ装置本体71において、シートSがシート供給装置20からプリンタ装置本体71の内部に供給される。このシートSのシート厚が、シート厚検知センサ24によって検知される。そして、シート搬送装置80に具備された可動機構85が、駆動手段86により、検知されたシート厚に従って待機位置から所定間隙M1を構成する位置に移動される。これにより、シートSのシート搬送装置80への突入が容易になる。
【0084】
続いて、シートSの先端がシート位置検知センサ35を通過したことが、シート位置検知センサ35により検知される。これにより、第1の搬送ローラ44および第2の搬送ローラ45に確実にシートSが到達する時間T1が経過した段階で、駆動手段86により、可動機構85が所定間隙M2の位置に移動される。
【0085】
その後、シートSがプリンタ装置本体71外に排出されたことを検知する排紙検知センサ(図示せず)によりシートSの排紙が検知されると、駆動手段86によって、可動機構85が再び待機位置に移動される。なお、図7において、待機位置とM1は異なる値として表記されているが、待機位置と所定間隔M1とは同値であってもよい。
【0086】
また、シートSがシート搬送方向を横切る断面において、ループまたはたるみが生じる場合がある。これにより、シート供給装置20からの到達時刻が予定時刻によりずれたとしても、シート位置検知センサ35の情報に基づいて、シート搬送装置80と連動させて制御することにより、予定時刻に対するずれの影響を小さくすることができる。
【0087】
搬送ローラ群41に挟まれたシートSのトナー面Sa側は、第2の搬送ローラ45、および第3の搬送ローラ46に均一に当接する。シートSの第2の面(裏面)Sb側においては、第1の搬送ローラ44が均一に当接する。そして、搬送ローラ群41によって摩擦搬送されたシートSは、上部シート搬送ガイド43に沿ってシート排出ローラ対100に給送される。その後、シートSは排紙され、シートSに対する処理が終了する。
【0088】
以上説明した実施形態によれば、画像形成装置としてのプリンタ70にシート搬送装置80を搭載し、シート位置検知センサ35とシート搬送装置80とを連動させることによって、シートSの搬送の信頼性を高めることができる。
【0089】
また、トナー像のローラ跡を軽減し、通しローラのニップ部分での結露を低減して良好な画像を維持すること、および搬送力不足やシートの厚さに対応できないことで発生する、搬送不良を低減することができる。
【0090】
例えば、シート搬送装置80にシートを突入させる際に、突入するための間隙を大きくとっていることにより、シート搬送途中で先端に大きなカールが生じた場合であっても、シート搬送装置80内に確実にシートを案内することができる。また、その後、駆動手段86によって、シートの摩擦搬送に必要な間隙に調節した少なくとも3つの搬送ローラ群41によって、シートSを摩擦搬送させるので、確実にシート搬送を行うことができる。
【0091】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0092】
例えば、上述した第1の実施形態においては、搬送ローラ群41を3つの搬送ローラから構成した例について説明しているが、必ずしも3つの搬送ローラに限定するものではない。例えば、シートの一方の面(第1の面Sa)側に2個以上のローラ、他方の面(第2の面Sb)側に3個以上のローラを設けるようにしてもよい。また、搬送ローラ群41の連続な円筒面をなす区間を、シートSの幅よりも長くすることも可能である。また、搬送ローラ群41の円筒側面を、連続の区間が複数存在するように構成することも可能である。
【0093】
また、上述した第1の実施形態において、第2の搬送ローラ45と第3の搬送ローラ46との径を同一に表しているが、必ずしも第2の搬送ローラ45の径(半径および直径)と第3の搬送ローラ46の径(半径および直径)とを同一にする必要はない。
【0094】
また、例えば上述の第1の実施形態においては、第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46の芯金をアルミニウム(Al)から構成し、離型層をパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成している。しかしながら、芯金や離型層の材料としては必ずしもこれらの材料に限定されるものでない。すなわち、これらの第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46としては、ポリアセタールなどの樹脂材料から形成されたものを用いることも可能である。
【0095】
また、例えば上述の第1の実施形態においては、付勢手段51としてばねを用いているが、必ずしもばねに限定するものではなく、伸縮可能なゴム材などの弾性体を用いることも可能である。
【0096】
また、図5において、シート位置検知センサ35の効果を高めるために、シート搬送方向に沿った定着装置30の下流側にシート位置検知センサ35を配設しているが、この位置に比して上流側、すなわちシート供給装置20と定着装置30との間におけるいずれの位置に配置してもよい。
【0097】
また、例えば上述の第2の実施形態においては、駆動手段86としてカム機構を採用しているが、リンク機構により駆動する構成や、ソレノイドを用いて第2の搬送ローラ45および第3の搬送ローラ46をシートSから離間させる方向に駆動させる構成を採用することも可能である。
【0098】
例えば、上述の第3の実施形態においては、図5に示すように、シート材厚み情報検知手段としてのシート厚検知センサ24をシートSの搬送方向に対してレジストローラ対23の上流側に配置しているが、必ずしもこれに限定するものではなく、レジストローラ対23の下流側や、シート供給カセット21の内部に配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】この発明の第1の実施形態によるシート搬送装置を示す略線図である。
【図2】この発明の第1の実施形態によるシート搬送装置に具備された可動機構を示す略線図であり、図2Aが搬送ローラ群のなす間隙が最小の場合、図2Bが搬送ローラ群のなす間隙が最大の場合の図である。
【図3】この発明の第2の実施形態によるシート搬送装置を示す略線図である。
【図4】この発明の第2の実施形態によるシート搬送装置の動作を示す略線図であり、図4Aがシートの厚さに基づいてシートの突入しやすい状態の図であり、図4Bがシート搬送装置をシートの厚さに基づいて摩擦搬送するときの図である。
【図5】この発明の第3の実施形態によるプリンタ装置を示す略線図である。
【図6】この発明の第3の実施形態による被加熱シート搬送装置の動作を示す図であり、図6Aがシート搬送装置をシートの厚さに基づいてシートが突入しやすい状態にしたときの図であり、図6Bがシート搬送装置をシートの厚さに基づいて摩擦搬送を行うときの図である。
【図7】この発明の第3の実施形態による画像形成装置およびシート搬送装置の動作に関するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0100】
Sa 第1の面
Sb 第2の面
1,1a,1b,1c,1d 感光体ドラム
2,2a,2b,2c,2d 帯電装置
3,3a,3b,3c,3d スキャナユニット
4,4a,4b,4c,4d 現像装置
6,6a,6b,6c,6d クリーニング装置
7,7a,7b,7c,7d プロセスカートリッジ
8 画像形成部
10 静電転写ベルト装置
11 静電転写ベルト
12 駆動ローラ
12a 軸
13,14,15 従動ローラ
16 ボールベアリング
17 静電吸着ローラ
18,18a,18b,18c,18d 転写ローラ
20 シート供給装置
21 シート供給カセット
22 ピックアップローラ
23 レジストローラ対
24 シート厚検知センサ
25 入口ガイド
30 定着装置
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 定着入口ガイド
35 シート位置検知センサ
40,80 シート搬送装置
41 搬送ローラ群
42,42a,42b 下部シート搬送ガイド
43 上部シート搬送ガイド
44 第1の搬送ローラ
45 第2の搬送ローラ
46 第3の搬送ローラ
47 軸受
48,83 保持部材
49,84 保持部材ガイド
50,85 可動機構
51,82 付勢手段
60 シート排出トレイ
70 プリンタ
71 プリンタ装置本体
86 駆動手段
86a 駆動カム
86b 回動軸
87 可動側搬送ローラ群
100 シート排出ローラ対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材が通過可能な間隙を有して配置された複数の搬送ローラを備え、前記複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが搬送するシート材の一面側に配置され、前記複数の搬送ローラのうちの2つ以上の搬送ローラが搬送するシート材の他面側に配置され、前記複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが回転駆動されるシート搬送装置であって、
シート材の他面側に配置される2つ以上の搬送ローラとシート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙を調整可能に構成されていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
搬送されるシート材の他面側に配置される2つ以上の搬送ローラに、シート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙を調整する間隙調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記間隙調整手段の移動方向が、シート材が搬送される方向と異なる方向であることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ローラとシート材との接触面において、前記搬送ローラの円筒側面が前記搬送ローラの軸方向に沿ってシート材の幅以上の長さ、かつ、連続した同一半径で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記間隙調整手段が、前記搬送ローラをシート材に付勢可能に構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項6】
シートに画像を形成可能に構成された画像形成手段と、
請求項1乃至5のいずれか1項記載のシート搬送装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
搬送されるシート材の他面側に配置された2つ以上の搬送ローラとシート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙の調整量が、シート材の厚さの情報であるシート材厚み情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記シート材厚み情報を入力可能に構成された入力手段を有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
シート材の厚みを検知可能かつ前記シート材厚み情報を出力可能に構成されたシート材厚み情報検知手段を有し、
シート材の他面側に配置された2つ以上の搬送ローラと前記シート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙の調整量が、前記シート材厚み情報検知手段から出力された前記シート材厚み情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
搬送されるシート材の他面側に配置された2つ以上の搬送ローラとシート材の一面側に配置される搬送ローラとの間隙の調整量が、前記シート搬送装置における非シート搬送時とシート搬送時とにおいて異なることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−70016(P2007−70016A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256784(P2005−256784)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】