説明

シート搬送装置および画像形成装置

【課題】装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができるシート搬送装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】上流側端部最上位シート検出手段16を基準位置にある最上位シート2Aに接触させた状態から、シート吸着搬送手段12が最上位シート2Aを一定回数吸着して搬送した後の上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御し、従動接触ローラ16Dを最上位シート2Aに接触する検出位置から最上位シート2Aに接触しない非検出位置に退避させた後、シート束2から最上位シート2Aをシート吸着搬送手段12がN(ただし、N=aM、aは1以上の数)枚吸着して搬送するごとに、記憶されたM枚のシートの厚さを用いて算出されるN枚に相当する量だけ積載トレイ11Aを上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート束からエアー吸引により最上位シートを分離して搬送するシート搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルコピー機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、オフセット印刷機等の画像形成装置に搭載され、用紙などの被記録媒体(以下、「シート」という)を給紙するためのシート搬送装置として、例えば、エアー吸引式のシート搬送装置が知られている。
【0003】
エアー吸引式のシート搬送装置の一例を図8および図9に示す。
【0004】
図8に示すように、シート搬送装置101は、シート収納部111の上方にシート搬送ベルト112Cを備えたシート吸着搬送手段112が設けられており、水平面である積載トレイ111A上に積載された複数枚のシート(以下、「シート束」ともいう)102の鉛直方向の最も上部に位置するシート(以下、「最上位シート」という)102Aを、エアー吸引部113によって1枚ずつシート搬送ベルト112Cに吸着して所定の位置に搬送するように構成されている。
【0005】
また、シート搬送方向の下流側(図の右側)には、送風部114が設けられ、シート束102の一端にエアーを送風することにより、最上位シート102Aの近傍のシートを1枚ずつ分離する。一方、送風部114からの送風による影響を受けない上流側の端部には、位置検出センサ116が設けられている。位置検出センサ116は、位置検出部(例えば、デジタルセンサ)116Aと、上面位置検出レバー116Bとを有している。
【0006】
積載トレイ111Aは、シート昇降駆動手段118に接続され、昇降運動可能である。積載トレイ111Aとともにシート束102が上昇し、最上位シート102Aが上面位置検出レバー116Bに接触し、上面位置検出レバー116Bが押し上げられる力を受けることにより、最上位シート102Aの位置が検出されるように構成されている。
【0007】
シート搬送ベルト112Cの表面には、全域に多数の吸引孔(図示せず)が形成されている。エアー吸引部113からのエアー吸引により、吸引孔を介してシート搬送ベルト112Cに最上位シート102Aが吸着されるようになっている。
【0008】
図9を参照して、シート搬送装置101のシート搬送動作を説明する。
【0009】
まず、シート昇降駆動手段118により、積載トレイ111Aを昇降させ、シート束102の最上位シート102Aの搬送方向上流側の端部が、位置検出センサ116により検出されたか否かの判断を行う。検出されない場合、すなわち、最上位シート102Aが上面位置検出レバー116Bに接触していない場合、シート昇降駆動手段118は積載トレイ111Aをさらに上昇させ、最上位シート102Aが上面位置検出レバー116Bに接触した場合、シート昇降駆動手段118は積載トレイ111Aを停止させる。
【0010】
次に、送風部114により、シート束102にエアーを送風し、最上位シート102Aを含む近傍のシートを1枚ずつ分離する。浮揚した最上位シート102Aを、エアー吸引部113からのエアー吸引によりシート搬送ベルト112Cに吸着させ、シート搬送ベルト112Cを駆動装置117により回転させることにより、吸着された最上位シート102Aを所定の位置まで搬送する。
【0011】
このように最上位シート102Aが順次搬送されていき、シート束102のシートが減少するとともに、最上位シート102Aの鉛直方向の位置は低下していく。最上位シート102Aが位置検出センサ116により検出されている間はシート搬送動作を継続するが、検出されない状態まで低下したときには、シート昇降駆動手段118を作動させて、積載トレイ111Aを上昇させる。
【0012】
上述のシート搬送装置においては、最上位シート102Aが、シート搬送ベルトに吸着されるのに好適な位置にあることが重要であり、最上位シート102Aの正確な位置の検出が重要である。
【0013】
そこで、図10に示すように、シート搬送方向下流側に基準位置検出センサ115を設け、シート昇降駆動手段118により上昇した最上位シート102Aが、シート搬送ベルト112Cに吸着される位置に達したことを検出させ、この位置をシート上流側のアナログ式の位置検出センサ116に記憶させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0014】
特許文献1に記載の方法によれば、シート搬送動作中は、最上位シート102Aの吸着や、送風による浮揚が生じる下流側領域ではなく、上流側の端部の位置(高さ)により制御を行うことができ、シートの重送や不送りを防止することができる。
【0015】
また、シート束の最上流と最下流の端部にシート上限位置を検出する検出手段を設け、これらの検出手段が検出した信号によりシート束の高さを制御するようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、図11に示すように、最上位シート202Aが上流側端部最上位シート検出手段216により常に下側に押さえられている状態となるため、シート吸着搬送ベルト212Cのシート吸着搬送手段に最上位シート202Aが吸着したときに、最上位シート202Aが常に平坦ではない変形した状態となり、シートサイズ、シート坪量、シート種類によっては大きな吸引力が必要となり、装置の大型化、電力の大量消費、騒音等の悪影響を招いてしまう恐れがあった。
【0017】
また、特許文献2に記載された技術は、特許文献1より大きな吸引力が必要となってしまい、装置の大型化、電力の大量消費、騒音等の悪影響を招いてしまう恐れがあった。
【0018】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができるシート搬送装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係るシート搬送装置は、シート束を積載トレイ上に積載して収納するシート収納部と、前記積載トレイを鉛直方向に昇降させるシート昇降手段と、前記シート束の最上位シートを吸着して搬送するシート吸着搬送手段と、前記シート束に対し、シート搬送方向下流側から送風し、前記シート束の少なくとも前記最上位シートを含む上位部のシートを浮揚させてシート間を分離させるエアー送風部と、シート搬送方向の下流側に配置され、前記最上位シートを吸着する動作の前に、前記最上位シートに接触することなく前記最上位シートの位置を検出する下流側最上位シート検出手段と、前記最上位シートのシート搬送方向上流側の上面に接触して前記最上位シートの移動とともに従動回転可能な従動接触ローラと、前記従動接触ローラを支持して揺動可能な上面位置検出レバーと、前記上面位置検出レバーの角度を検出する角度検出センサとを有し、前記角度検出センサが検出した角度に基づいて前記最上位シートの鉛直方向の位置を検出する上流側最上位シート検出手段と、前記下流側最上位シート検出手段により前記最上位シートを検出することで、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを吸着する位置まで前記シート昇降手段により前記シート束を上昇して停止し、停止した前記シート束の前記最上位シートの位置を前記上流側最上位シート検出手段により検出して基準位置として記憶するように制御する制御手段と、を備えるシート搬送装置であって、前記制御手段は、前記上流側最上位シート検出手段を前記基準位置にある前記最上位シートに接触させた状態から、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを一定回数吸着して搬送した後の前記上流側最上位シート検出手段による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御し、前記従動接触ローラを前記最上位シートに接触する検出位置から前記最上位シートに接触しない非検出位置に退避させた後、前記シート束から前記最上位シートを前記シート吸着搬送手段がN(ただし、N=aM、aは1以上の数)枚吸着して搬送するごとに、前記記憶された前記M枚のシートの厚さを用いて算出されるN枚に相当する量だけ前記積載トレイを上昇させるように前記シート昇降手段を制御することを特徴とする。
【0020】
この構成により、例えば、上流側端部最上位シート検出手段による検出角度の変動量を、シート1枚の厚さに換算して記憶することにより、従動接触ローラを非検出位置に退避させても、記憶されたシート1枚の厚さに基づいて、シート昇降手段により積載トレイを上昇させることで、最上位シートを基準位置に配置することができるとともに、最上位シートへの従動接触ローラからの負荷を低減して良好にシート搬送を行うことができる。
【0021】
したがって、シート吸着搬送手段による吸引力を低減させても、良好にシート搬送を行うことができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0022】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記制御手段は、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更することを特徴とする。
【0023】
この構成により、最上位シートへの従動接触ローラからの負荷が低減されているので、従動接触ローラが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力を、従動接触ローラが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0024】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記非検出位置での前記従動接触ローラの底部の鉛直方向位置が、前記シート吸着搬送手段の底部の位置と等しいことを特徴とする。
【0025】
この構成により、エアー送風部によりシート束の上位部のシートを浮揚させてシート間を分離させるときに、シートの浮揚したシートのばたつきを従動接触ローラにより抑えることができる。
【0026】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記制御手段は、前記上流側最上位シート検出手段を前記基準位置にある前記最上位シートに接触させた状態から、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを1回吸着して搬送した後の前記上流側最上位シート検出手段による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御することを特徴とする。
【0027】
この構成により、シート吸着搬送手段がシートの吸着と搬送を開始すると同時に、シート1枚の厚さを記憶するので、シート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力を、早期に低減することができる。
【0028】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシートサイズに応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする。
【0029】
この構成により、シート束のシートサイズに応じて、従動接触ローラが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力を、従動接触ローラが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0030】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシート坪量に応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする。
【0031】
この構成により、シート束のシート坪量に応じて、従動接触ローラが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力を、従動接触ローラが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0032】
また、本発明に係るシート搬送装置は、前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシート種類に応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする。
【0033】
この構成により、シート束のシート種類に応じて、従動接触ローラが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力を、従動接触ローラが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段による最上位シートの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0034】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の何れかに記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成により、上記の何れかに記載のシート搬送装置を備える画像形成装置において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0036】
また、本発明に係る画像形成装置は、デジタルコピー機であることを特徴とする。
【0037】
この構成により、デジタルコピー機としての画像形成装置において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0038】
また、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ装置であることを特徴とする。
【0039】
この構成により、プリンタ装置としての画像形成装置において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0040】
また、本発明に係る画像形成装置は、ファクシミリ装置であることを特徴とする。
【0041】
この構成により、ファクシミリ装置としての画像形成装置において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0042】
また、本発明に係る画像形成装置は、オフセット印刷機であることを特徴とする。
【0043】
この構成により、オフセット印刷機としての画像形成装置において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができるシート搬送装置および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置のシート搬送動作を説明する断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置の図3の矢印Z方向からの断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置のシート搬送動作における上流側端部最上位シート検出手段の非検出位置を説明する断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置の制御手段を示すブロック図である。
【図7】(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係るシート搬送装置のエアー吸引部による吸引力を示す図である。
【図8】従来のシート搬送装置の一例を示す概略断面図である。
【図9】図8のシート搬送装置の動作を説明する図である。
【図10】従来のシート搬送装置の他の例として、シート搬送方向下流側に基準位置検出センサを設けた例を示す断面図である。
【図11】図10のシート搬送装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0047】
まず、構成について説明する。
【0048】
図1に示すように、画像形成装置51は、電子写真方式のデジタルコピー機として構成されており、原稿を読取る原稿読取部52と、シート搬送装置1から搬送される最上位シート(記録紙)2Aに対し原稿読取部52が読取った画像を形成する画像形成部53と、シート束2から1枚の最上位シート2Aを分離して画像形成部53に搬送するシート搬送装置1とを備えている。
【0049】
シート搬送装置1により搬送された最上位シート2Aは、搬送ローラ対58により移送され、画像形成部53で形成されたトナー画像が転写装置59により転写され、このトナー画像が定着器60により熱転写され、排紙ローラ対61により排紙トレイ62に排出されるようになっている。
【0050】
以下、図2〜図7を参照して、シート搬送装置1の詳細について説明する。
【0051】
シート搬送装置1は、図2〜図5に示すように、シート収納部11と、シート吸着搬送手段12と、エアー吸引部13と、エアー送風部14と、駆動部17と、シート昇降手段18と、下流側端部最上位シート検出手段15と、上流側端部最上位シート検出手段16と、を備えている。また、シート搬送装置1は、図6に示すように、下流側端部最上位シート検出手段15および上流側端部最上位シート検出手段16の検知信号に基づいて、エアー吸引部13と、エアー送風部14と、駆動部17と、シート昇降手段18と、を制御する制御手段19を備えている。
【0052】
シート収納部11は、水平面である積載トレイ11Aを有しており、積載トレイ11Aに積層された複数枚のシート束2を収納するようになっている。シート収納部11には、制御手段19に接続されたシート昇降手段18が駆動連結されており、シート昇降手段18が駆動することにより積載トレイ11Aが昇降し、シート収納部11内のシート束2が昇降することができるように構成されている。シート昇降手段18は、積載トレイ11Aを任意の量だけ上昇させることができるように、ステッピングモータや、エンコーダが付いたサーボモータを備えて構成されている。
【0053】
シート吸着搬送手段12は、制御手段19に接続された駆動部17に駆動連結されており、2つのローラ12A、12Bを掛け渡すシート吸着搬送ベルト12Cを備えている。シート吸着搬送ベルト12Cには、図4に示すように、全体にわたって多数の吸引孔12Dが形成されており、シート吸着搬送ベルト12Cの内周になる空間には、吸引孔12Dからエアーを吸引するためのエアー吸引部13が設けられている。
【0054】
エアー吸引部13は、制御手段19に接続されており、制御手段19による制御によってエアーを吸引することにより、図3、図4に示すようにシート収納部11に積層されたシート束2のうち、鉛直方向の最も上部に位置する最上位シート2Aを、1枚ずつシート吸着搬送ベルト12Cに吸着して分離するとともに、最上位シート2Aを吸着した状態で駆動部17が制御手段19による制御により駆動されてシート吸着搬送ベルト12Cが回転することにより、この最上位シート2Aをシート搬送装置1から画像形成装置51の内部に搬送するようになっている。
【0055】
シート束2は、第1の辺2Bと第2の辺2Cとからなる一対の辺と、第3の辺2Dと第4の辺2E(図4)とからなる一対の辺とにより規定される長方形状をなしている。第3の辺2Dと第4の辺2Eは、それぞれシート吸着搬送手段12の2つのローラ12A、12Bを結ぶ方向となるように配置されており、第1辺2Bは、図2において右端のシート搬送方向下流側に位置し、第2の辺2Cは、図2において左端のシート搬送方向の上流側に位置している。
【0056】
エアー送風部14は、図3に示すように最上位シート2Aの第1の辺2Bの近傍の位置であって、第1の辺2Bに対向する位置に設けられており、制御手段19に接続されている。エアー送風部14は、シート束2に対してエアーを送風することにより、最上位シート2Aおよび最上位シート2Aの第1の辺2B付近のシートを浮揚させ、最上位シート2Aを含む複数のシートを互いに分離するようになっている。
【0057】
なお、本実施の形態では、第1の辺2Bに対向する位置のみにエアー送風部14を配置しているが、エアー送風部14を、第3の辺2D、第4の辺2Eの対向する位置に配置してもよい。
【0058】
下流側端部最上位シート検出手段15は、反射型光学式フォトセンサ等の非接触タイプのデジタルセンサであり、制御手段19に接続されている。
【0059】
下流側端部最上位シート検出手段15は、図3に示すようにシート束2の第1の辺2B側で最上位シート2Aの鉛直上方に設けられており、エアー吸引部13による最上位シート2Aの吸引に最適な鉛直方向位置に最上位シート2Aが位置することを検知するようになっている。制御手段19は、シート昇降手段18を駆動してシート束2が上昇し、最上位シート2Aの第1の辺2B側端部を下流側端部最上位シート検出手段15が検出すると、シート昇降手段18の駆動を停止するようになっている。
【0060】
上流側端部最上位シート検出手段16は、従動接触ローラ16Dと、上面位置検出レバー16Bと、角度検出センサ16Aとを有している。
【0061】
従動接触ローラ16Dは、最上位シート2Aのシート搬送方向上流側端部の上面に接触して最上位シート2Aの移動とともに従動回転可能となっている。上面位置検出レバー16Bは、一端側で従動接触ローラを支持して、他端側の支点16Cを中心に揺動可能に構成されている。角度検出センサ16Aは、上面位置検出レバー16Bの支点16Cにおける角度を検出するようになっている。
【0062】
上流側端部最上位シート検出手段16は、角度検出センサ16Aが検出した角度に基づいて最上位シート2Aの位置を検出するようになっている。なお、最上位シート2Aの位置は、角度検出センサ16Aが検出した角度に対して、予め判明している上面位置検出レバー16Bの長さを考慮して従動接触ローラ16Dの鉛直方向位置に換算することにより算出される。上流側端部最上位シート検出手段16は、制御手段19に接続されており、制御手段19は、上流側端部最上位シート検出手段16の検出信号により常に最上位シート2Aの第2の辺2C側の鉛直方向における位置を認識することができるようになっている。
【0063】
上述のように、下流側端部最上位シート検出手段15が当該位置に最上位シート2Aが達したことを検出することにより、シート昇降手段18が停止する。次いで、その位置を上流側端部最上位シート検出手段16で検出し、最上位シート2Aが基準位置にあることを示す基準位置データとして記憶する。
【0064】
エアー吸引部13によって最上位シート2Aのシート搬送方向下流側端部がシート吸着搬送ベルト12Cに吸着されていても、従動接触ローラ16Dが最上位シート2Aの上流側端部を押圧して浮揚を抑えているため、上流側端部最上位シート検出手段16により、吸着していない上流側端部の位置を認識することができ、制御手段19が記憶した基準位置データに基づき、安定したシート吸着搬送を行うことができる。
【0065】
制御手段19は、まず、シート搬送動作開始に先立って、シート昇降手段18によりシート束2を上昇させ、下流側端部最上位シート検出手段15が最上位シート2Aを検出すると、エアー吸引部13による最上位シート2Aの吸引に最適な鉛直方向位置でシート昇降手段18を停止させ、このときの最上位シート2Aの位置を、上流側端部最上位シート検出手段16で検出し、基準位置として記憶するようになっている。
【0066】
このため、シート搬送時にエアー吸引部13によって最上位シート2Aがシート吸着搬送ベルト12Cに吸着しており、下流側端部最上位シート検出手段15が最上位シート2Aを正しく検出できない状態であっても、吸着していない最上位シート2Aの第2の辺2C側端部の位置を上流側端部最上位シート検出手段16により検出することができる。そして、上流側端部最上位シート検出手段16により検出する最上位シート2Aの位置が基準位置になるようにシート昇降手段18を制御することによって、安定したシート搬送を行うことができる。
【0067】
次に、本発明の特徴的な構成について説明する。
【0068】
シート束2は、通常は、市販されている包装紙から開封された状態のものであれば、そのシートサイズ、シート坪量、シート種類が、一定のばらつきの範囲内に収まっているので、シート厚さも同一であるとみなすことができる。そこで、本実施の形態では、制御手段19は、上記の基本的な制御動作の他に、以下の制御動作を行うようになっている。
【0069】
制御手段19は、シート束2から最上位シート2Aをシート吸着搬送手段12が吸着して搬送するごとの上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を、シート1枚の厚さに換算して記憶し、一定枚数(例えば、10枚)のシートを搬送した後は、シート束2から最上位シート2Aをシート吸着搬送手段12が吸着して搬送するごとに、記憶されたシート1枚の厚さに応じてシート昇降手段18により積載トレイ11Aを上昇させるよう構成されている。
【0070】
すなわち、制御手段19は、上流側端部最上位シート検出手段16が検出した基準位置を記憶した後に、シート束2のシート1枚当りの厚さを検出および記憶し、シート束2から最上位シート2Aが1枚搬送されるごとに、記憶したシート1枚当りの厚さ分だけシート昇降手段18を駆動してシート束2を上昇させるようになっている。
【0071】
シート1枚の厚さの検出は、シート搬送動作によって最上位シート2Aを1枚ずつ搬送する際に、上流側端部最上位シート検出手段16の検出角度の変動量と、予め把握している上面位置検出レバー16Bの長さ等とに基づいて算出される。
【0072】
また、10枚等の一定枚数のシートに基づいてシート1枚の厚さを算出するのは、一定枚数のシートのそれぞれの厚さの平均値に基づいてシート1枚当りの厚さを算出する等により、シートごとの厚さのばらつきや検出誤差を除去して精度を高めるためである。したがって、「一定枚数」とは、その下限枚数は1枚であるが、上限枚数は、要求される精度に応じて決定される。なお、シート1枚の厚さを、例えば5枚中の最大、最小の平均値から算出してもよい。また、これら以外であっても、シート搬送動作に必要な精度に応じて調整、変更すればよい。
【0073】
また、制御手段19は、上記のシート1枚の厚さの取得のために一定枚数のシートを搬送した後は、従動接触ローラ16Dを、最上位シート2Aに接触する検出位置から最上位シート2Aに接触しない非検出位置に退避させるようになっている。すなわち、制御手段19は、記憶したシート1枚当りの厚さに基づいてシート昇降手段18を駆動して最上位シート2Aを上昇させる際には、図5に示すように、上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dを最上位シート2Aに接触しないよう上方に持ち上げて、エアー吸引部13によるシート吸着搬送ベルト12Cへの最上位シート2Aの吸引に影響しない非検出位置に退避させるようになっている。このため、上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dを非検出位置に退避させたまま、最上位シート2Aを基準位置へ上昇させることができるので、安定したシート搬送を行うことができる。また、上流側端部最上位シート検出手段16が非検出位置に退避することにより、従動接触ローラ16Dによる最上位シート2Aの押さえが無くなるため、従来のように、上流側端部最上位シート検出手段16により最上位シート2Aを検出しながらシート昇降手段18を駆動した場合より、エアー吸引部13による吸引力を小さくすることができる。
【0074】
また、非検出位置での従動接触ローラ16Dの底部の鉛直方向位置は、シート吸着搬送手段12の底部の位置と等しくなっている。すなわち、上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dの非検出位置は、従動接触ローラ16Dの底部(最上位シート2Aとの接触部)の鉛直方向位置がシート吸着搬送ベルト12Cの底部(シート吸着面)と同じ高さとなる位置としている。これにより、図5に示すように、エアー吸引部13やエアー送風部14による最上位シート2Aのばたつきを抑えることができるため、安定したシート搬送を行うことができる。
【0075】
また、制御手段19は、シート搬送動作開始に、すなわちシート吸着搬送手段12がシートの吸着と搬送を開始すると同時に、シート1枚の厚さを記憶するようになっている。すなわち、シート束2の初めの一定枚数に対しては、上流側端部最上位シート検出手段16を退避させずに、従来と同様に接触させて最上位シート2Aの位置を検出しながらシート束2の上昇およびシート搬送を行うとともに、シートごとにシート1枚あたりの厚さを算出して記憶し、以降のシートに対しては、上流側端部最上位シート検出手段16を退避させ、記憶したシート1枚あたりの厚さに基づいてシート束2を上昇させるようになっている。このため、エアー吸引部13の吸引力をより早期に小さく変更することができる。なお、シート収納部11に収納するシート束2が、ユーザが必要とする出力物に応じて必要な種類のものに変更された場合であっても、シート搬送開始と同時にシート1枚の厚さを記憶するので、変更後のシートの種類に対応した正確なシート1枚の厚さを取得してシート束2の上昇を行うことができる。
【0076】
また、制御手段19は、シート収納部11に収納されたシート束2のシートサイズ、シート坪量、シート種類に応じて、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときと非検出位置にあるときとで、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を変更するようになっている。具体的には、エアー吸引部13による吸引力は、例えば図7(a)、図7(b)に示すように、シートサイズ(a、b、c)、シート坪量(x、y、z)、シート種類(塗工紙、非塗工紙)に応じてそれぞれ設定し、制御手段19に記憶されるようになっている。また、エアー吸引部13による吸引力は、検出時、すなわち上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dが最上位シート2Aに接触する検出位置にあるときと、退避時、すなわち、上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dが最上位シート2Aに接触しない非検出位置に退避させるときとに区分して設定されるようになっている。
【0077】
なお、画像形成装置51は、電子写真方式のデジタルコピー機に限らず、例えばインクジェット方式等、他の方式のデジタルコピー機であってもよい。また、画像形成装置51は、デジタルコピー機に限らず、プリンタ装置、ファクシミリ装置、またはオフセット印刷機として構成してもよい。
【0078】
次に、このように構成された画像形成装置51のシート搬送装置1の動作を説明する。
【0079】
まず、制御手段19は、シート束2の最初の一定枚数に対しては、従来と同様に、上流側端部最上位シート検出手段16の従動接触ローラ16Dを最上位シート2Aに常に接触させた状態で、角度検出センサ16Aにより検出する上面位置検出レバー16Bの角度が、シート束2の最初の最上位シート2Aで記憶した基準位置に対応する角度となるように、シート昇降手段18によりシート束2を上昇させる。このとき、制御手段19は、シートを1枚搬送するごとの角度検出センサ16Aの検出角度の変化量から、シート1枚の厚さを検出して記憶する。
【0080】
そして、制御手段19は、シート束2の最初の一定枚数を搬送した後は、従動接触ローラ16Dを非検出位置に持ち上げて、シート1枚を搬送するごとに、記憶しておいたシート1枚あたりの厚さ分だけシート昇降手段18によりシート束2を上昇させる。このとき、制御手段19は、シート束2のシートサイズ、シート坪量、シート種類に応じて、従動接触ローラ16Dが非検出位置にあるときの吸着力となるよう、シート吸着搬送手段12を制御する。なお、上記説明では、シート1枚を搬送するごとに、記憶しておいたシート1枚あたりの厚さ分だけシート昇降手段18によりシート束2を上昇させる例について述べたが、記憶する単位は、必ずしも1枚である必要はなく、これをM枚とすると、N枚ごとに積載トレイ11Aを上昇させるようにすればよい。ここで、MとNの関係は、N=aM(N、Mは正の数、aは1以上の正の数)となる。aは、好ましくは整数であり、この場合、NはMで割り切れるので、演算が容易になるとともに、誤差が少なくなる。例えば、100枚(すなわち、最初の所定枚数)搬送する前後の上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を測定し、これをシートの厚さに換算した後、50で除して2(すなわち、M)枚ごとのシートの厚さに換算して記憶し、10(すなわち、N)枚吸着して搬送するごとに、記憶された2枚のシートの厚さを用いて算出される10枚に相当する量だけ積載トレイ11Aを上昇させるようにシート昇降手段18を制御する。この場合、a=5となる。なお、M枚ごとのシートの厚さを求める方法は上述の方法に限られること無く、例えば最初の所定枚数としての100枚について、1枚ずつ上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を測定した結果を全て加算して平均を求めてもよく、また最大値と最小値を除く残りの値を加算して平均を求めてもよく、また中間値を用いてもよい。
【0081】
以上のように、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、上流側端部最上位シート検出手段16を基準位置にある最上位シート2Aに接触させた状態から、シート吸着搬送手段12が最上位シート2Aを一定回数吸着して搬送した後の上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御し、従動接触ローラ16Dを最上位シート2Aに接触する検出位置から最上位シート2Aに接触しない非検出位置に退避させた後、シート束2から最上位シート2Aをシート吸着搬送手段12がN(ただし、N=aM、aは1以上の数)枚吸着して搬送するごとに、記憶されたM枚のシートの厚さを用いて算出されるN枚に相当する量だけ積載トレイ11Aを上昇させるようにシート昇降手段18を制御するよう構成されている。
【0082】
このため、例えば、上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を、シート1枚の厚さに換算して記憶することにより、従動接触ローラ16Dを非検出位置に退避させても、記憶されたシート1枚の厚さに基づいて、シート昇降手段18により積載トレイ11Aを上昇させることで、最上位シート2Aを基準位置に配置することができるとともに、最上位シート2Aへの従動接触ローラ16Dからの負荷を低減して良好にシート搬送を行うことができる。
【0083】
したがって、シート吸着搬送手段12による吸引力を低減させても、良好にシート搬送を行うことができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときと非検出位置にあるときとで、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を変更することを特徴とする。
【0085】
このため、最上位シート2Aへの従動接触ローラ16Dからの負荷が低減されているので、従動接触ローラ16Dが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0086】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、非検出位置での従動接触ローラ16Dの底部の鉛直方向位置が、シート吸着搬送手段12の底部の位置と等しいことを特徴とする。
【0087】
このため、エアー送風部14によりシート束2の上位部のシートを浮揚させてシート間を分離させるときに、シートの浮揚したシートのばたつきを従動接触ローラ16Dにより抑えることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、上流側端部最上位シート検出手段16を基準位置にある最上位シート2Aに接触させた状態から、シート吸着搬送手段12が最上位シート2Aを一定回数吸着して搬送した後の上流側端部最上位シート検出手段16による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御することを特徴とする。
【0089】
このため、シート吸着搬送手段12がシートの吸着と搬送を開始すると同時に、シート1枚の厚さを記憶するので、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を、早期に低減することができる。
【0090】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、シート収納部11に収納されたシート束2のシートサイズに応じて、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときと非検出位置にあるときとで、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を変更することを特徴とする。
【0091】
このため、シート束2のシートサイズに応じて、従動接触ローラ16Dが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、シート収納部11に収納されたシート束2のシート坪量に応じて、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときと非検出位置にあるときとで、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を変更することを特徴とする。
【0093】
このため、シート束2のシート坪量に応じて、従動接触ローラ16Dが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0094】
また、本実施の形態に係るシート搬送装置1は、制御手段19が、シート収納部11に収納されたシート束2のシート種類に応じて、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときと非検出位置にあるときとで、シート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を変更することを特徴とする。
【0095】
このため、シート束2のシート種類に応じて、従動接触ローラ16Dが非検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力を、従動接触ローラ16Dが検出位置にあるときのシート吸着搬送手段12による最上位シート2Aの吸着力より小さくすることができるので、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る画像形成装置51は、上記のシート搬送装置1を備えることを特徴とする。
【0097】
このため、シート搬送装置1を備える画像形成装置51において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る画像形成装置51は、デジタルコピー機であることを特徴とする。
【0099】
このため、デジタルコピー機としての画像形成装置51において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係る画像形成装置51は、プリンタ装置であることを特徴とする。
【0101】
このため、プリンタ装置としての画像形成装置51において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0102】
また、本実施の形態に係る画像形成装置51は、ファクシミリ装置であることを特徴とする。
【0103】
このため、ファクシミリ装置としての画像形成装置51において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【0104】
また、本実施の形態に係る画像形成装置51は、オフセット印刷機であることを特徴とする。
【0105】
このため、オフセット印刷機としての画像形成装置51において、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
以上説明したように、本発明に係るシート搬送装置および画像形成装置は、装置全体の小型化、低消費電力化、低騒音化を実現することができるという効果を有し、シート束からエアー吸引により最上位シートを分離して搬送するシート搬送装置およびこのシート搬送装置を備える画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0107】
1 シート搬送装置
2 シート束
2A 最上位シート
11 シート収納部
11A 積載トレイ
12 シート吸着搬送手段
12A、12B ローラ
12C シート吸着搬送ベルト
12D 吸引孔
13 エアー吸引部
14 エアー送風部
15 下流側端部最上位シート検出手段(下流側最上位シート検出手段)
16 上流側端部最上位シート検出手段(上流側最上位シート検出手段)
16A 角度検出センサ
16B 上面位置検出レバー
16C 支点
16D 従動接触ローラ
17 駆動部
18 シート昇降手段
19 制御手段
51 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開2007−45630号公報
【特許文献2】特開平11−322101号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束を積載トレイ上に積載して収納するシート収納部と、
前記積載トレイを鉛直方向に昇降させるシート昇降手段と、
前記シート束の最上位シートを吸着して搬送するシート吸着搬送手段と、
前記シート束に対し、シート搬送方向下流側から送風し、前記シート束の少なくとも前記最上位シートを含む上位部のシートを浮揚させてシート間を分離させるエアー送風部と、
シート搬送方向の下流側に配置され、前記最上位シートを吸着する動作の前に、前記最上位シートに接触することなく前記最上位シートの位置を検出する下流側最上位シート検出手段と、
前記最上位シートのシート搬送方向上流側の上面に接触して前記最上位シートの移動とともに従動回転可能な従動接触ローラと、前記従動接触ローラを支持して揺動可能な上面位置検出レバーと、前記上面位置検出レバーの角度を検出する角度検出センサとを有し、前記角度検出センサが検出した角度に基づいて前記最上位シートの鉛直方向の位置を検出する上流側最上位シート検出手段と、
前記下流側最上位シート検出手段により前記最上位シートを検出することで、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを吸着する位置まで前記シート昇降手段により前記シート束を上昇して停止し、停止した前記シート束の前記最上位シートの位置を前記上流側最上位シート検出手段により検出して基準位置として記憶するように制御する制御手段と、を備えるシート搬送装置であって、
前記制御手段は、前記上流側最上位シート検出手段を前記基準位置にある前記最上位シートに接触させた状態から、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを一定回数吸着して搬送した後の前記上流側最上位シート検出手段による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御し、前記従動接触ローラを前記最上位シートに接触する検出位置から前記最上位シートに接触しない非検出位置に退避させた後、前記シート束から前記最上位シートを前記シート吸着搬送手段がN(ただし、N=aM、aは1以上の数)枚吸着して搬送するごとに、前記記憶された前記M枚のシートの厚さを用いて算出されるN枚に相当する量だけ前記積載トレイを上昇させるように前記シート昇降手段を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記非検出位置での前記従動接触ローラの底部の鉛直方向位置が、前記シート吸着搬送手段の底部の位置と等しいことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記上流側最上位シート検出手段を前記基準位置にある前記最上位シートに接触させた状態から、前記シート吸着搬送手段が前記最上位シートを1回吸着して搬送した後の前記上流側最上位シート検出手段による検出角度の変動量を、M(ただし、Mは正の数)枚のシートの厚さに換算して記憶するように制御することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシートサイズに応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシート坪量に応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記シート収納部に収納された前記シート束のシート種類に応じて、前記従動接触ローラが前記検出位置にあるときと前記非検出位置にあるときとで、前記シート吸着搬送手段による前記最上位シートの吸着力を変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置が、デジタルコピー機であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置が、プリンタ装置であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置が、ファクシミリ装置であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置が、オフセット印刷機であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−116625(P2012−116625A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268075(P2010−268075)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】