説明

シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】複数のシート搬送路がひとつに合流する合流搬送路において、レジスト部へのシートの搬送にともなう搬送音の発生を低減させるシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置90は、合流搬送路44を形成しレジストローラー対12側を回動中心OZとして回動可能な第1ガイド部材45と、第1ガイド部材45のシート搬送方向の下流側にてレジストローラー対12に対向して形成され、レジストローラー対12にシートSを送る送出開口部45aと、を備える。シートSが複数のシート搬送路31〜33の下側から合流搬送路44に搬送された場合、第1ガイド部材45は下側に回動し、シートSが複数のシート搬送路31〜33の上側から合流搬送路44に搬送された場合、第1ガイド部材45は上側に回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを所定の搬送方向へ搬送するシート搬送装置及びそれを備えた複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、複数のシート搬送路がひとつに合流する合流搬送路において、シートを所定の搬送方向へ案内するシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、給紙カセットのシートを転写部に順次一枚ずつ搬送し、トナー像が転写されたシートを定着部へ搬送し、さらに排紙部に送り出すシート搬送装置が設けられている。このシート搬送装置は、複数の搬送ローラー対を備えこの搬送ローラー対の回転によりシートを搬送路に沿って搬送している。このようなシート搬送装置では、シートを所定のタイミングで転写部へ搬送するとともに、画像が転写されるシートの方向を適切に保持している。例えば、レジストローラー対のニップ部にシートの先端が当接し一旦停止するようになっており、さらにシートの先端が停止した後もシートの後方が送り出され、これによりシートが湾曲した形状になる。このときシートの後方が搬送ローラー対により拘束されているので、シートの先端側がニップ部に対して斜めになっているとレジストローラー対のニップ部に沿う方向に倣い、シートの斜め送りが矯正される。
【0003】
このような斜行を矯正する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1のシート搬送装置は、レジストローラー対の上流側のシート搬送路が湾曲して形成されており、湾曲するシート搬送路の凹面側に設けられた固定ガイド部材と、シート搬送路の凸面側で固定ガイド部材と対向して設けられ、上流側端部付近で回動可能に支持される可動ガイド部材と、可動ガイド部材の先端部からシート搬送方向下流側に張り出したフィルム状部材と、可動ガイド部材を固定ガイド部材側に付勢するバネとを有している。シート先端がレジストローラー対に到着したシートはシート搬送路に沿って湾曲し可動ガイド部材側の方向へたわみが生じ、可動ガイド部材は湾曲したシートの凸面側に張り出そうとする力に押されるが、バネによりシートの凸面を押さえつけ、このため、シートの先端がレジストローラー対のニップ部へ押し付けられ、シートの斜行が矯正される。
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1のシート搬送装置では、シートが可動ガイド部材に当接することで搬送負荷が大きくなって、モーターが大型化する。従って高性能のモーターを使用する必要があり、例えばコストアップにつながるという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献2のシート搬送装置では、レジストローラー対の上流側にループ状にたわみ変形可能な可動ガイドが設けられ、シートの先端がレジストローラー対のニップ部に当接すると、シートがループ状にたわむことでシートの斜行が矯正されるとともに、シートのたわみに沿って可動ガイドが押されてループ状に変形し、また、可動ガイドがループを形成する前からシートが可動ガイドに当接するので、シートと可動ガイドとの間で発生する搬送音を抑えている。
【0006】
また、特許文献3のシート搬送装置では、複数のシート搬送路を備え、各シート搬送路から送られるシートがレジストローラー対に当たってたわみを形成するときに発生する搬送音を低減するようにしている。そのために、各シート搬送路のシート搬送方向にガイド部材を設けて、ガイド部材に2枚の弾性体フィルムを接触させて配置している。シートがレジストローラー対に当たってたわみを形成するとき、シートのたわみの最も膨らんだ部分が2枚の弾性体フィルムの接触点辺りに接触することにより、シートが急激にたわむことがなくシートの振動を抑えられ、搬送音を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−309476号公報(段落[0023]〜[0030]、第1図)
【特許文献2】特開2009−40539号公報(段落[0034]〜[0037]、第3図)
【特許文献3】特開2008−24520号公報(段落[0022]〜[0028]、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献2、3のシート搬送装置では、シート搬送路から送られるシートがレジストローラー対に当接するときに、シートとレジストローラー対との間で搬送音が発生するという問題があった。また、特許文献3のシート搬送装置では、複数のシート搬送路が合流するレジストローラー対の直前のガイド部材にシートが搬送されたとき、そのガイド部材とシートとの間で搬送音が発生するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数のシート搬送路がひとつに合流する合流搬送路において、レジスト部へのシートの搬送にともなう搬送音の発生を低減させるシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために第1の発明のシート搬送装置は、シートの先端を当接させて一旦停止した後、所定のタイミングでシートを再び搬送するレジスト部と、該レジスト部のシート搬送方向に対して略直交する二つの搬送方向からシートを搬送する第1シート搬送路及び第2シート搬送路と、シート搬送方向に対し前記レジスト部の上流側にて前記第1シート搬送路及び第2シート搬送路を一つに合流させる合流搬送路と、該合流搬送路内の空間がシート搬送方向の下流側に向けて小さくなるように前記合流搬送路を形成し、前記レジスト部側を回動中心として回動可能な第1ガイド部材と、該第1ガイド部材のシート搬送方向の下流側にて前記レジスト部に対向して前記第1ガイド部材に形成され、前記レジスト部にシートを送る送出開口部と、を備え、シートが前記第1シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動し、シートが前記第2シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は前記第2シート搬送路側に回動することを特徴としている。
【0011】
また、第2の発明では、上記のシート搬送装置において、前記レジスト部は、第1のローラーと、該第1のローラーに圧接され、シートを挟持して搬送するためのニップ部を形成する第2のローラーとを有し、前記第1のローラーは前記第2のローラーに対して表面の摩擦係数が小さく、前記送出開口部から前記レジスト部に送られたシートは、前記第1のローラーに当接した後、前記ニップ部に進入することを特徴としている。
【0012】
また、第3の発明では、上記のシート搬送装置において、前記レジスト部に停止していたシートが前記レジスト部によって再び搬送されるとき、前記シートが前記第1シート搬送路から前記合流搬送路に搬送されてきた場合、前記第1ガイド部材は前記第2シート搬送路側に回動し、前記シートが前記第2シート搬送路から前記合流搬送路に搬送されてきた場合、前記第1ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動することを特徴としている。
【0013】
また、第4の発明では、上記のシート搬送装置において、前記レジスト部のシート搬送方向と略同一方向から前記合流搬送路にシートを搬送する第3シート搬送路を更に備え、シートが前記第3シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は、前記第1シート搬送路側の回動位置と前記第2シート搬送路側の回動位置との間にあることを特徴としている。
【0014】
また、第5の発明では、上記のシート搬送装置において、シート搬送方向に対し前記第1ガイド部材の上流側に配置され、前記第1シート搬送路から搬送されたシートを前記第1ガイド部材に向けて案内する第1ガイド面と、該第1ガイド面の反対側に形成され前記第2シート搬送路から搬送されたシートを前記第1ガイド部材に向けて案内する第2ガイド面と、を有し、前記合流搬送路に対してシート搬送方向上流側の位置を回動中心として回動可能な第2ガイド部材を更に備え、シートが前記第1シート搬送路から搬送された場合、前記第2ガイド部材は第2シート搬送路側に回動して前記第1ガイド面によって前記シートを前記第1ガイド部材に向けて案内し、シートが前記第2シート搬送路から搬送された場合、前記第2ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動して前記第2ガイド面によって前記シートを前記第1ガイド部材に向けて案内することを特徴としている。
【0015】
また、第6の発明では、上記のシート搬送装置において、前記第1ガイド面及び前記第2ガイド面は夫々凹面に形成されることを特徴としている。
【0016】
また、第7の発明では、上記のシート搬送装置において、前記レジスト部はシートを水平方向に搬送し、前記第1及び第2シート搬送路は装置本体の下側或いは上側から前記合流搬送路にシートを搬送することを特徴としている。
【0017】
また、第8の発明では、上記の構成のシート搬送装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、シートが第1シート搬送路から合流搬送路に搬送され、さらに合流搬送路内で送出開口部に向けて搬送されるとき、第1ガイド部材がレジスト部側を回動中心として第1シート搬送路側に回動することで、シートは比較的に小さい角度で第1ガイド部材に当接するために、シートの第1ガイド部材に対する衝突音が軽減される。また、第1ガイド部材によって案内されたシートが送出開口部からレジスト部に送られるが、送出開口部は第1ガイド部材とともに第1シート搬送路側に回動することで、このシートは比較的に小さい角度でレジスト部に当接するために、シートのレジスト部に対する衝突音が軽減される。一方、シートが第2シート搬送路から合流搬送路に搬送され、さらに合流搬送路内で送出開口部に向けて搬送されるとき、第1ガイド部材がレジスト部側を回動中心として第2シート搬送路側に回動することで、シートは比較的に小さい角度で第1ガイド部材に当接するために、シートの第1ガイド部材に対する衝突音が軽減される。また、第1ガイド部材によって案内されたシートが送出開口部からレジスト部に送られるが、送出開口部は第1ガイド部材とともに第2シート搬送路側に回動することで、このシートは比較的に小さい角度でレジスト部に当接するために、シートのレジスト部に対する衝突音が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態であるシート搬送装置を備えた画像形成装置の内部構成を示す側面断面図
【図2】実施形態であるシート搬送装置の下側からのシート搬送時のレジスト部周辺のシート搬送路を示す概略図
【図3】実施形態であるシート搬送装置の下側からのシート搬送時の合流搬送路を示す概略図
【図4】実施形態であるシート搬送路の下側から搬送されたシートのレジスト部による再搬送時の合流搬送路を示す概略図
【図5】実施形態であるシート搬送装置の上側からのシート搬送時のレジスト部周辺のシート搬送路を示す概略図
【図6】実施形態であるシート搬送装置の上側からのシート搬送時の合流搬送路を示す概略図
【図7】実施形態であるシート搬送路の上側から搬送されたシートのレジスト部による再搬送時の合流搬送路を示す概略図
【図8】実施形態であるシート搬送装置の水平方向からのシート搬送時のレジスト部周辺のシート搬送路を示す概略図
【図9】実施形態であるシート搬送装置の水平方向からのシート搬送時の合流搬送路を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例であるインクジェット式プリンター100の内部構成を示す側面断面図である。プリンター100は、装置本体2の内部下方にシート収容部である給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3の内部には、印刷前のカットペーパーなどのシートSが所定枚数(例えば500枚程度)積載して収容されている。給紙カセット3のシート搬送方向下流側、すなわち図1における給紙カセット3の右側の上方には給紙部4が配置されている。この給紙部4により、シートSは図1において給紙カセット3の右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は装置本体2の正面側から水平に引き出してシートSを補充することが可能である。
【0022】
装置本体2の右側面外部には手差し給紙トレイ5が備えられている。手差し給紙トレイ5には給紙カセット3内のシートSとは異なるサイズのシートや、厚紙、OHPシート、封筒、ハガキ、送り状等のシートSが載置される。手差し給紙トレイ5のシート搬送方向下流側、すなわち図1における手差し給紙トレイ5の左側にはシート搬送路6が配置されている。手差し給紙トレイ5上のシートSはシート搬送路6から図1において左方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
【0023】
また、プリンター100はその内部にシート搬送路7を備えている。シート搬送路7は、給紙カセット3の右上方に配置される。給紙カセット3から送り出されたシートSはシート搬送路7により装置本体2の側面に沿って垂直上方に搬送される。また、手差し給紙トレイ5から送り出されたシートSはシート搬送路6により装置本体2の略水平左方に向けて搬送される。
【0024】
シート搬送方向に対しシート搬送路6、7の下流端にはレジストローラー対12が設けられる。さらにレジストローラー対12の下流側直近には第1ベルト搬送部20及び記録部14が配置されている。給紙カセット3から送り出されたシートSはシート搬送路7を通ってレジストローラー対12に到達する。また、手差し給紙トレイ5から送り出されたシートSはシート搬送路6を通ってレジストローラー対12に到達する。レジストローラー対12はシートSの斜め送りを矯正しつつ記録部14が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1ベルト搬送部20に向かってシートSを送り出す。なお、シート搬送路6、7にはシートSを搬送するための搬送ローラー対が適所に設けられている。
【0025】
シート搬送方向に対し第1ベルト搬送部20の下流側(図1の左側)には第2ベルト搬送部15が配置されている。記録部14にてインク画像が記録されたシートSは第2ベルト搬送部15へと送られ、第2ベルト搬送部15を通過する間にシートS表面に吐出されたインクが乾燥される。
【0026】
シート搬送方向に対し第2ベルト搬送部15の下流側であって装置本体2の左側面近傍にはデカーラー部9が備えられている。第2ベルト搬送部15にてインクが乾燥されたシートSはデカーラー部9へと送られ、シート幅方向に並んだ複数のローラーを用いてカールが矯正される。
【0027】
シート搬送方向に対しデカーラー部9の下流側(図1の上方)にはシート搬送路10が備えられている。デカーラー部9を通過したシートSは両面記録を行わない場合、シート搬送路10からプリンター100の左側面外部に設けられたシート排出トレイ11に排出される。
【0028】
装置本体2の上部であって記録部14及び第2ベルト搬送部15の上方には両面記録を行うための反転搬送路13が設けられる。両面記録を行う場合には第一面への記録が終了して第2ベルト搬送部15及びデカーラー部9を通過したシートSがシート搬送路10を通って反転搬送路13へと送られる。反転搬送路13へ送られたシートSは、続いて第二面の記録のために搬送方向が切り替えられ、装置本体2の上部を通過して右側の垂直方向下側に送られ、レジストローラー対12を経て第二面を上向きにした状態で再度第1ベルト搬送部20へと送られる。
【0029】
レジストローラー対12にシートを搬送するシート搬送装置90を図2〜図9を用いて説明する。図2〜図4は、シートSを装置本体2の下側からレジストローラー対12に搬送する場合の構成を示す概略断面図であり、図5〜図7は、シートSを装置本体2の上側からレジストローラー対12に搬送する場合の構成を示す概略断面図であり、さらに図8、図9は、シートSを装置本体2の水平方向からレジストローラー対12に搬送する場合の構成を示す概略断面図である。各方向からシートSを搬送する各図において、図2、図5、図8は、シートSを合流搬送路44に搬送する構成を示す図であり、図3、図6、図9は、シートSを合流搬送路44からレジストローラー対12に搬送する構成を示す図であり、さらに図4、図7はシートSをレジストローラー対12から再搬送する構成を示す図である。
【0030】
図2に示すように、シート搬送装置90は、レジスト部であるレジストローラー対12と、シートSを略下側から搬送する第1シート搬送路である下側搬送路31と、シートSを略上側から搬送する第2シート搬送路である上側搬送路32と、シートSを略水平方向から搬送する第3シート搬送路である水平搬送路33とからなる複数のシート搬送路と、を備える。下側搬送路31及び上側搬送路32は、略水平方向にシートSを搬送するレジストローラー対12に対して略直交する搬送方向からシートSを搬送する。また、シート搬送装置90は、シート搬送方向に対して各搬送路31〜33の下流側で、且つレジストローラー対12の上流側に配置され、各搬送路31〜33が合流し一つの搬送路として形成される合流搬送路44を備える。尚、上記の略直交する搬送方向とは、直交方向に対して20°以内の範囲のことである。
【0031】
給紙カセット3(図1参照)から送り出されたシートSは、下側搬送路31及び合流搬送路44を経由してレジストローラー対12に搬送され、また、両面印刷されるシートSは、表裏面を反転された後、上側搬送路32及び合流搬送路44を経由してレジストローラー対12に搬送される。さらに、手差し給紙トレイ5(図1参照)から送り出されたシートSは、水平搬送路33及び合流搬送路44を経由してレジストローラー対12に搬送される。
【0032】
下側搬送路31は、互いに離間して対向し、シートSを合流搬送路44に案内する下側ガイド部材35と、下側ガイド部材35に対してシート搬送方向の下流側に設けられ、シートSを合流搬送路44に送り出す下搬送ローラー対39とを備えて構成される。下搬送ローラー対39が回転することで、シートSは下側ガイド部材35に案内されて合流搬送路44に搬送され、さらにレジストローラー対12に搬送される。尚、下側ガイド部材35の一方のガイドは、下搬送ローラー対39の下流側に延びてシートSを下側からレジストローラー対12側に湾曲して案内する構成を備える。
【0033】
上側搬送路32は、互いに離間して対向し、シートSを合流搬送路44に案内する上側ガイド部材36と、上側ガイド部材36に対してシート搬送方向の下流側に設けられ、シートSを合流搬送路44に送り出す上搬送ローラー対40とを備えて構成される。上搬送ローラー対40が回転することで、シートSは上側ガイド部材36に案内されて合流搬送路44に搬送され、さらにレジストローラー対12に搬送される。尚、上側ガイド部材36の一方のガイドは、上搬送ローラー対40の下流側に延びてシートSを上側からレジストローラー対12側に湾曲して案内する構成を備える。
【0034】
水平搬送路33は、互いに離間して対向し、シートSを合流搬送路44に案内する水平ガイド部材37と、水平ガイド部材37に対してシート搬送方向の下流側に設けられ、シートSを合流搬送路44に送り出す水平搬送ローラー対41とを備えて構成される。水平搬送ローラー対41が回転することで、シートSは水平ガイド部材37に案内されて合流搬送路44に搬送され、さらにレジストローラー対12に搬送される。
【0035】
合流搬送路44は、レジストローラー対12に対向して設けられ、回動可能な第1ガイド部材45と、第1ガイド部材45に対してシート搬送方向の上流側に配設される固定ガイド部材48とを備えて構成される。
【0036】
固定ガイド部材48は二つのガイドによって断面視ハ字状に配設される。即ち、固定ガイド部材48は、シート搬送方向の各一端が下搬送ローラー対39の近傍と上搬送ローラー対40の近傍とに配置され、シート搬送方向の下流側に向けて合流搬送路44の空間が小さくなるように配置される。従って、固定ガイド部材48は、下側搬送路31から搬送されたシートSを合流搬送路44内に案内し、また上側搬送路32から搬送されたシートSを合流搬送路44内に案内し、さらに水平搬送路33から搬送されたシートSを合流搬送路44内に案内する。
【0037】
第1ガイド部材45は、第1上ガイド部46と第1下ガイド部47によって断面視ハ字状に配設され、固定ガイド部材48によって合流搬送路44内に案内されたシートSをレジストローラー対12に向けて案内する。
【0038】
即ち、第1上ガイド部46はシート搬送方向の一端が固定ガイド部材48の上側ガイドの近傍に配置され、第1上ガイド部46はシート搬送方向の一端部が固定ガイド部材48の下側ガイドの近傍に配置される。第1上ガイド部46及び第1下ガイド部47は一端部から他端部に向けて互いに接近し、第1上ガイド部46及び第1下ガイド部47の各他端部は、比較的に小さい空間を形成してレジストローラー対12に対向する送出開口部45aを形成する。
【0039】
従って、第1上ガイド部46は、固定ガイド部材48内を経由して下側搬送路31から搬送されたシートSを第1上ガイド部46の合流搬送路44内の面によって送出開口部45aに案内し、また、第1下ガイド部47は、固定ガイド部材48内を経由して上側搬送路32から搬送されたシートSを第1下ガイド部47の合流搬送路44内の面によって送出開口部45aに案内する(図5も参照)。シートSが下側搬送路31から搬送されてきた場合、第1ガイド部材45は、シートSの搬送されてきた方向と同じ方向、つまり下側に回動する一方、シートSが上側搬送路32から搬送されてきた場合、第1ガイド部材45は、シートSの搬送されてきた方向と同じ方向、つまり上側に回動することによって、シートSの第1上ガイド部46または第1下ガイド部47に対する衝突音が軽減される。この構成については後述する。
【0040】
合流搬送路44には第2ガイド部材51が配設される。第2ガイド部材51は、下側搬送路31、または上側搬送路32から搬送されたシートSを第1ガイド部材45に向けて案内するものである。第2ガイド部材51は、第1ガイド面である下側ガイド面51bと、下側ガイド面51bの反対側に形成された第2ガイド面である上側ガイド面51aとを有して断面視「へ」字状をした板形に形成される。上側ガイド面51aは第2ガイド部材51の上側の面に形成され、下側ガイド面51bは第2ガイド部材51の下側の面に形成される。また、第2ガイド部材51はシート搬送方向に対して直交する方向(シートSの幅方向)に複数個並べて配置される。さらに、第2ガイド部材51は回動軸52を中心として回動可能に設けられ、回動軸52は合流搬送路44に対してシート搬送方向上流側にて水平搬送路33の近傍に設けられる。尚、第2ガイド部材51が回動したとき、第2ガイド部材51が第1ガイド部材45及び固定ガイド部材48に突き当たるのを防ぐために、第1ガイド部材45及び固定ガイド部材48には、第2ガイド部材51の移動軌跡に合わせて、切り欠き等の溝が形成されている。
【0041】
第2ガイド部材51の下側ガイド面51bは、下側搬送路31から搬送されたシートSを第1ガイド部材45の第1上ガイド部46に案内するためのものであり、凹面に形成される。シートSが下側搬送路31から搬送された場合、下側搬送路31に設けたフォトセンサーまたはカンチレバー等からなるシート検知部材56によってシートSの通過が検知されると、第2ガイド部材51は図示しないモーター等の駆動源によって回動軸52の回りを回動させられ、図2に示すように下側ガイド面51bの端部が第1上ガイド部46に対向する位置に停止する。
【0042】
上記構成により、シートSは、下搬送ローラー対39の回転駆動によって下側ガイド部材35に案内され、下側搬送路31から合流搬送路44に搬送される。合流搬送路44に搬送されたシートSは、比較的に小さい角度で第2ガイド部材51の下側ガイド面51bに当接する。これによって、シートSが下側ガイド面51bに当接するときに発生する衝突音を低減させることができる。シートSが下側ガイド面51bに対して40°以下の角度で当接するように下側ガイド面51bを構成するのがよい。より好ましくは、シートSが下側ガイド面51bに対して30°以下の角度で当接するように下側ガイド面51bを構成するのがよい。また、下側ガイド面51bを凹面に形成することで、シートSが第1上ガイド部46に滑らかに案内される。
【0043】
尚、合流搬送路44に対する下側搬送路31、上側搬送路32及び水平搬送路33の配置や構成に応じて、回動軸52は水平搬送路33のさらに上流側に設けてもよく、或いは固定ガイド部材48が形成する合流搬送路44側に設けてもよく、さらに水平搬送路33に対して上側或いは下側の位置に適宜設けるようにしてもよい。
【0044】
図3に示すように、第1ガイド部材45の周辺にはレジストローラー対12及びシート検知センサー55が設けられる。
【0045】
レジストローラー対12は、第1ガイド部材45の送出開口部45aから送られたシートSの斜行を矯正するものであり、第1のローラーである駆動ローラー12aと、第2のローラーである従動ローラー12bとを備える。従動ローラー12bは、ゴム等の材料からなり、駆動ローラー12aに圧接されニップ部Nを形成しつつ駆動ローラー12aの回転に従動回転する。駆動ローラー12aは、従動ローラー12bに対して表面の摩擦係数が小さいアルミニウムやポリアセタール樹脂等の材料からなり、従動ローラー12bの下側に配設される。
【0046】
レジストローラー対12が回転を停止した状態で、シートSが各搬送ローラー対39〜41(図2参照)によって搬送され、シートSの先端がニップ部Nに当接する。この状態で、各搬送ローラー対39〜41によってシートSの後方がさらに送られることで、シートSが湾曲した形状になる。このときシートSの後方が各搬送ローラー対39〜41により拘束されているので、シートSの先端がニップ部Nに対して斜めになっていると、シートSがレジストローラー対12のニップ部Nに沿う方向に倣い、シートSの斜行が矯正される。シート検知センサー55によってシートSの通過を検知した後、シートSがニップ部Nに到着し斜行を矯正されるまでの第1の所定時間経過後、レジストローラー対12は回転駆動し、各搬送ローラー対39〜41とともにシートSをレジストローラー対12の上流側に搬送する。
【0047】
第1ガイド部材45は、前述のように第1上ガイド部46及び第1下ガイド部47を一体として上下方向に回動する構成になっている。第1ガイド部材45の回動中心OZはレジストローラー対12側に設けられ、詳しくはレジストローラー対12のニップ部Nの下方に設けられる。第1ガイド部材45は、回動中心OZの回りを基準位置Hの下側である図3、図7に示す回動位置と、基準位置Hの上側である図4、図6に示す位置とに回動位置との範囲で回動し、下側の回動位置と上側の回動位置との間の位置で停止する。
【0048】
下側搬送路31(図2参照)に設けたシート検知部材56によってシートSの下側搬送路31での通過が検知されると、第1ガイド部材45は図示しないモーター等の駆動源によって回動中心OZの回りを下側に回動させられ、図3に示す位置に停止する。
【0049】
第1ガイド部材45が下側に回動することにより、第2ガイド部材51(図2参照)に案内されたシートSは、第1上ガイド部46に比較的に小さい角度で当接する。これによって、シートSが第1上ガイド部46に当接するときに発生する衝突音を低減させることができる。シートSが第1上ガイド部46に対して40°以下の角度で当接するように第1上ガイド部46を構成するのがよい。より好ましくは、シートSが第1上ガイド部46に対して30°以下の角度で当接するように構成するのがよい。
【0050】
また、第1ガイド部材45が下側に回動することにより、送出開口部45aが下側に移動する。これによって、第1上ガイド部46に案内され送出開口部45aから送られるシートSは、レジストローラー対12の駆動ローラー12aに対して比較的に小さい角度で当接するために、シートSの駆動ローラー12aに対する衝突音が軽減される。また、シートSがレジストローラー対12の従動ローラー12bに頻繁に当接することで、ゴム等からなる従動ローラー12bは劣化おそれがある。またシートSがゴム製ローラー等の比較的に摩擦係数の大きいローラーに当接することで、ローラーに当接するシートSの先端が折れるおそれがある。しかし、本実施形態では、シートSが比較的に摩擦係数の小さい駆動ローラー12aに当接するために、シートSの当接による上記のようなローラーのダメージは発生せず、またシートSの先端の折れの発生が抑制される。
【0051】
駆動ローラー12aに当接したシートSは、シートSの後方がさらに送り出されることで、駆動ローラー12a表面を滑り、図4に示すようにニップ部Nに当接する。
【0052】
次に、シートSの斜行を矯正するための第1の所定時間より短い、シートSがニップ部Nに到着直後である第2の所定時間経過後に、モーター等の駆動源によって、第1ガイド部材45は、回動中心OZの回りを上側に回動させられ、基準位置Hの上側である図4に示す位置に移動する。
【0053】
シートSがニップ部Nに到着後、第1ガイド部材45が上側に回動することにより、斜行の矯正のためにシートSが上側へ凸状に湾曲しても、シートSの湾曲部が第1上ガイド部46に摺擦することが低減される。従って、シートの斜行矯正時の第1ガイド部材45に対する摺擦音が低減される。また、第2ガイド部材51(図2参照)の下側ガイド面51bが凹面状に形成されているために、シートSの湾曲部が下側ガイド面51bに摺擦することが低減され、摺擦音が低減される。
【0054】
また、シートSがニップ部Nに到着後、第1ガイド部材45が上側に回動することにより、送出開口部45aが上側に移動する。これによって、シートSの斜行矯正後、レジストローラー対12の回転駆動によってシートSを搬送するとき、シートSは送出開口部45aの端部に当接することが低減されるので、シートSの送出開口部45aの端部に対する摺擦音が低減される。
【0055】
図5に示すように、シートSが上側搬送路32から搬送される場合、上側搬送路32に設けたフォトセンサーまたはカンチレバー等からなるシート検知部材57によってシートSの通過が検知されると、第2ガイド部材51は、図示しないモーター等の駆動源によって回動軸52の回りを回動させられ、図5に示すように上側ガイド面51aの端部が第1下ガイド部47に対向する位置に停止する。
【0056】
上記構成により、シートSは、上搬送ローラー対40の回転駆動によって上側ガイド部材36に案内され、上側搬送路32から合流搬送路44に搬送される。合流搬送路44に搬送されたシートSは、比較的に小さい角度で第2ガイド部材51の上側ガイド面51aに当接する。これによって、シートSが上側ガイド面51aに当接するときに発生する衝突音を低減させることができる。シートSが上側ガイド面51aに対して40°以下の角度で当接するように上側ガイド面51aを構成するのがよい。より好ましくは、シートSが上側ガイド面51aに対して30°以下の角度で当接するように上側ガイド面51aを構成するのがよい。また、上側ガイド面51aを凹面に形成することで、シートSが第1下ガイド部47に滑らかに案内される。
【0057】
上側搬送路32に設けたシート検知部材57によってシートSの上側搬送路32への通過が検知されると、第1ガイド部材45は図示しないモーター等の駆動源によって回動中心OZの回りを上側に回動させられ、図6に示す位置に停止する。
【0058】
図6に示すように、第1ガイド部材45が上側に回動することにより、第2ガイド部材51(図5参照)に案内されたシートSは、第1下ガイド部47に比較的に小さい角度で当接する。これによって、シートSが第1下ガイド部47に当接するときに発生する衝突音を低減させることができる。シートSが第1下ガイド部47に対して40°以下の角度で当接するように第1下ガイド部47を構成するのがよい。より好ましくは、シートSが第1下ガイド部47に対して30°以下の角度で当接するように構成するのがよい。
【0059】
また、第1ガイド部材45が上側に回動することにより、送出開口部45aが上側に移動する。これによって、第1下ガイド部47に案内され送出開口部45aから送られるシートSは、レジストローラー対12の駆動ローラー12aに対して比較的に小さい角度で当接するために、シートSの駆動ローラー12aに対する衝突音が軽減される。また、シートSがレジストローラー対12の従動ローラー12bに頻繁に当接することで、ゴム等からなる従動ローラー12bは劣化するおそれがある。またシートSがゴム製ローラー等の比較的に摩擦係数の大きいローラーに当接することで、ローラーに当接するシートSの先端が折れるおそれがある。しかし、本実施形態では、シートSが比較的に摩擦係数の小さい駆動ローラー12aに当接するために、シートSの当接による上記のようなローラーのダメージは発生せず、またシートSの先端の折れの発生が抑制される。
【0060】
駆動ローラー12aに当接したシートSは、シートSの後方がさらに送り出されることで、駆動ローラー12a表面を滑り、図7に示すようにニップ部Nに当接する。
【0061】
次に、シートSの斜行を矯正するための第1の所定時間より短い、シートSがニップ部Nに到着直後である第2の所定時間経過後に、モーター等の駆動源によって、第1ガイド部材45は、回動中心OZの回りを下側に回動させられ、基準位置Hの下側である図7に示す位置に移動する。
【0062】
シートSがニップ部Nに到着後、第1ガイド部材45が下側に回動することにより、斜行の矯正のためにシートSが下側へ凸状に湾曲しても、シートSの湾曲部が第1下ガイド部47に摺擦することがない。従って、シートの斜行矯正時の第1ガイド部材45に対する摺擦音が低減される。また、第2ガイド部材51(図5参照)の上側ガイド面51aが凹面状に形成されているために、シートSの湾曲部が上側ガイド面51aに摺擦することがなく、摺擦音が低減される。
【0063】
また、シートSがニップ部Nに到着後、第1ガイド部材45が下側に回動することにより、送出開口部45aが下側に移動する。これによって、シートSの斜行矯正後、レジストローラー対12の回転駆動によってシートSを搬送するとき、シートSは送出開口部45aの端部に当接することがないので、シートSの送出開口部45aの端部に対する摺擦音が低減される。
【0064】
図8に示すように、シートSが水平搬送路33から搬送される場合、水平搬送路33に設けたフォトセンサーまたはカンチレバー等からなるシート検知部材58によってシートSの水平搬送路33での通過が検知されると、第2ガイド部材51は、図示しないモーター等の駆動源によって回動軸52の回りを上側に回動させられ、図8に示すように退避位置に停止し、また、第1ガイド部材45は、図示しないモーター等の駆動源によって回動中心OZの回りを下側の回動位置と上側の回動位置との間で回動させられ、図9に示す位置(基準位置H)に停止する。
【0065】
従って、第2ガイド部材51が退避位置に停止した状態で、シートSは、水平搬送ローラー対41(図8参照)の回転駆動によって水平ガイド部材37(図8参照)に案内され、水平搬送路33から合流搬送路44に搬送される。合流搬送路44に搬送されたシートSは、比較的に小さい角度で第1ガイド部材45の第1上ガイド部46に当接する。これによって、シートSが第1上ガイド部46に当接するときに発生する衝突音を低減させることができる。
【0066】
さらに第1ガイド部材45が基準位置Hに回動することにより、送出開口部45aが所定位置に移動する。これによって、第1上ガイド部46に案内され送出開口部45aから送られるシートSは、レジストローラー対12の駆動ローラー12aに対して比較的に小さい角度で当接するために、シートSの駆動ローラー12aに対する衝突音が軽減される。また、シートSがレジストローラー対12の従動ローラー12bに頻繁に当接することで、ゴム等からなる従動ローラー12bは劣化するおそれがある。またシートSがゴム製ローラー等の比較的に摩擦係数の大きいローラーに当接することで、ローラーに当接するシートSの先端が折れるおそれがある。しかし、本実施形態では、シートSが比較的に摩擦係数の小さい駆動ローラー12aに当接するために、シートSの当接による上記のようなローラーのダメージは発生せず、またシートSの先端の折れの発生が抑制される。
【0067】
尚、上記実施形態では、レジストローラー対12が水平方向にシートSを搬送し、シートSを下側から搬送する下側搬送路31と、シートSを上側から搬送する上側搬送路32と、シートSを略水平方向から搬送する水平搬送路33とを備えるシート搬送装置90に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、レジストローラー対12が上下方向にシートSを搬送し、シートSを水平方向の両側から搬送するシート搬送路と、シートSを上下方向に搬送するシート搬送路とを備えるシート搬送装置90に適用してもよい。また、レジストローラー対12に対する給紙カセット3、手差し給紙トレイ5、両面印刷のための給紙部、或いは外付けの給紙部等の配置に応じて、これらの給紙部のシート搬送路を適宜、水平方向或いは上下方向に設定すればよい。
【0068】
また、上記実施形態では、シート搬送装置90は、各搬送路31〜33と、合流搬送路44を形成する第1ガイド部材45及び固定ガイド部材48と、第2ガイド部材51とを備える構成を示したが、本発明はこれに限らず、シート搬送装置90は、各搬送路31〜33と、合流搬送路44を形成する第1ガイド部材45及び固定ガイド部材48とを備え、シートSが第2ガイド部材51を介さずに各搬送路31〜33から合流搬送路44に搬送される構成であってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、シート搬送装置90をインクジェット式プリンター100に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、シート搬送装置90は、電子写真方式のプリンター、複写機、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に適用される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、シートを所定の搬送方向へ搬送するシート搬送装置及びそれを備えた複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に利用することができ、特に、複数のシート搬送路がひとつに合流する合流搬送路において、シートを所定の搬送方向へ案内するシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
2 装置本体
3 給紙トレイ
5 手差し給紙トレイ
12 レジストローラー対(レジスト部)
12a 駆動ローラー(第1のローラー)
12b 従動ローラー(第2のローラー)
31 下側搬送路(第1シート搬送路)
32 上側搬送路(第2シート搬送路)
33 水平搬送路(第3シート搬送路)
35 下側ガイド部材
36 上側ガイド部材
37 水平ガイド部材
39 下搬送ローラー対
40 上搬送ローラー対
41 水平搬送ローラー対
44 合流搬送路
45 第1ガイド部材
45a 送出開口部
46 第1上ガイド部
46a 開口部
47 第1下ガイド部
48 固定ガイド部材
51 第2ガイド部材
51a 上側ガイド面(第2ガイド面)
51b 下側ガイド面(第1ガイド面)
52 回動軸
55 シート検知センサー
56、57、58 シート検知部材
90 シート搬送装置
100 画像形成装置
H 基準位置
N ニップ部
OZ 回動中心
S シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの先端を当接させて一旦停止した後、所定のタイミングでシートを再び搬送するレジスト部と、
該レジスト部のシート搬送方向に対して略直交する二つの搬送方向からシートを搬送する第1シート搬送路及び第2シート搬送路と、
シート搬送方向に対し前記レジスト部の上流側にて前記第1シート搬送路及び第2シート搬送路を一つに合流させる合流搬送路と、
該合流搬送路内の空間がシート搬送方向の下流側に向けて小さくなるように前記合流搬送路を形成し、前記レジスト部側を回動中心として回動可能な第1ガイド部材と、
該第1ガイド部材のシート搬送方向の下流側にて前記レジスト部に対向して前記第1ガイド部材に形成され、前記レジスト部にシートを送る送出開口部と、を備え、
シートが前記第1シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動し、
シートが前記第2シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は前記第2シート搬送路側に回動することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記レジスト部は、第1のローラーと、該第1のローラーに圧接され、シートを挟持して搬送するためのニップ部を形成する第2のローラーとを有し、
前記第1のローラーは前記第2のローラーに対して表面の摩擦係数が小さく、
前記送出開口部から前記レジスト部に送られたシートは、前記第1のローラーに当接した後、前記ニップ部に進入することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記レジスト部に停止していたシートが前記レジスト部によって再び搬送されるとき、
前記シートが前記第1シート搬送路から前記合流搬送路に搬送されてきた場合、前記第1ガイド部材は前記第2シート搬送路側に回動し、
前記シートが前記第2シート搬送路から前記合流搬送路に搬送されてきた場合、前記第1ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート搬送装置
【請求項4】
前記レジスト部のシート搬送方向と略同一方向から前記合流搬送路にシートを搬送する第3シート搬送路を更に備え、
シートが前記第3シート搬送路から前記合流搬送路に搬送された場合、前記第1ガイド部材は、前記第1シート搬送路側の回動位置と前記第2シート搬送路側の回動位置との間にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
シート搬送方向に対し前記第1ガイド部材の上流側に配置され、前記第1シート搬送路から搬送されたシートを前記第1ガイド部材に向けて案内する第1ガイド面と、該第1ガイド面の反対側に形成され前記第2シート搬送路から搬送されたシートを前記第1ガイド部材に向けて案内する第2ガイド面と、を有し、前記合流搬送路に対してシート搬送方向上流側の位置を回動中心として回動可能な第2ガイド部材を更に備え、
シートが前記第1シート搬送路から搬送された場合、前記第2ガイド部材は第2シート搬送路側に回動して前記第1ガイド面によって前記シートを前記第1ガイド部材に向けて案内し、
シートが前記第2シート搬送路から搬送された場合、前記第2ガイド部材は前記第1シート搬送路側に回動して前記第2ガイド面によって前記シートを前記第1ガイド部材に向けて案内することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記第1ガイド面及び前記第2ガイド面は夫々凹面に形成されることを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記レジスト部はシートを水平方向に搬送し、前記第1及び第2シート搬送路は装置本体の下側或いは上側から前記合流搬送路にシートを搬送することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載のシート搬送装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−112489(P2013−112489A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261535(P2011−261535)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】