説明

シート搬送装置及び画像記録装置

【課題】分離片が給送の抵抗となるおそれが少ない手段を提供する。
【解決手段】プリンタ11は、複数枚の記録用紙が積層されて載置される給紙カセット20と、給紙カセット20に載置された記録用紙を給送向き104へ送り出す給送部29と、給紙カセット20の底板21に対して傾斜された傾斜面26を有する傾斜部材24と、傾斜部材24の傾斜面26から突出されており、給送向き104に沿った方向に並べられて弾性変形可能な複数の分離片51と、分離片51の先端52に、給送向き104と交差する方向を軸方向として回転自在に設けられており、そのローラ面63の一部が分離片51の先端52より搬送経路105側に位置するように配置されたローラ60と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置部に載置されたシートを傾斜部材に沿って給送するときに、分離片によってシートを分離するシート搬送装置、及びこのシート搬送装置が搭載された画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタなどの画像記録装置は、給紙トレイに収容されている記録用紙をローラの回転力によって搬送路へ供給するシート搬送装置を備えている。ローラが給紙トレイ上の記録用紙に当接した状態で回転することにより、ローラの回転力が記録用紙に伝達され、給紙トレイから搬送路へ記録用紙が繰り出される。この種のシート搬送装置において、給紙トレイ上の複数枚の記録用紙が一度に給送される所謂重送を防止するために、給紙トレイの先端側に設けられた傾斜ガイド面に、この傾斜ガイド面から記録用紙の収容側に突出するよう金属製の分離片が設けられた構成が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−182481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述された分離片は、傾斜ガイド面から記録用紙側に突出するように構成されているので、給送される記録用紙の用紙面が分離片に対して摺動することとなる。このため、給送される記録用紙に対して摺動抵抗が発生し、給紙を妨げるおそれがある。
【0005】
本発明は、前述された問題に鑑みてなされたものであり、給送に際にシートを分離しつつ、給送の抵抗となるおそれが少ない手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシート搬送装置は、複数枚のシートが積層されて載置面に載置される載置部と、上記載置部においてシートの先端側に配置されており、上記載置面に対して傾斜された傾斜面を有する傾斜部材と、上記載置部に載置されたシートを上記傾斜部材に案内させながら給送向きへ送り出す給送部と、上記傾斜部材の傾斜面から上記載置部側へ突出され、かつ傾斜面側へ弾性変形可能に設けられており、上記給送部により給送された複数枚のシートの先端と当接して複数枚のシートを分離する分離面をそれぞれ有し、上記給送向きに沿った方向に並べられた複数の分離片と、上記分離片の先端に、給送向きと交差する方向を軸方向として回転自在に設けられており、かつその一部が上記給送部により給送されるシートが通過する経路へ向かって上記分離面から突出されたローラと、を具備する。
【0007】
載置部に載置されたシートは給送部によって給送向きへ送り出される。送り出されたシートは傾斜部材によって斜め上側へ案内される。このとき、シートの先端が傾斜部材の傾斜面に対して摺動する。傾斜面には分離片が突出されているので、シートの先端が分離片によって捌かれて、複数枚のシートが重なって送られる重送が防止される。この分離片の先端にはローラが設けられているので、シートは分離片の先端と接触せずに、ローラに接触しながら送られる。ローラは、シートの動きに合わせて回転する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分離片の先端にローラが設けられているので、シート面が分離片の先端に接触しながら給送されることがなく、分離片の先端によって給送の抵抗が生じるおそれが少ない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プリンタ部11の内部構造を示す模式図である。
【図2】傾斜部材24の外観構成を示す斜視図及び部分拡大図である。
【図3】図2におけるIII-III断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。
【0011】
[プリンタ11の内部構成]
図1に示されるように、プリンタ11は、給紙カセット20から給送された記録用紙が搬送される搬送路23と、搬送路23に設けられた記録部25とを備えている。本実施形態では、プリンタ11は、プリンタ機能のみを有するものとして説明されるが、プリント機能の他に、スキャン機能やファクシミリ機能、コピー機能などの各種の機能を有する複合機としてプリンタ11が実現されてもよい。プリンタ11が本発明に係るシート搬送装置を備えた画像記録装置に相当する。
【0012】
なお、本実施形態においては、矢印101で示される方向がプリンタ11の幅方向であり、矢印102で示される方向がプリンタ11の高さ方向であり、矢印103で示される方向がプリンタ11の奥行き方向である。また、矢印104で示される方向が給送向きである。
【0013】
[給紙カセット20]
図1に示されるように、給紙カセット20は、プリンタ11の正面側(図1における右側)から胴内空間15へ挿抜可能に設けられている。給紙カセット20は、上面の一部が開口された矩形の箱状である。給紙カセット20の底板21上には、複数枚の記録用紙が積層された状態に載置される。給紙カセット20に積載された記録用紙は、給紙ローラ30によって搬送路23に給送される。排紙トレイ22は、給紙カセット20の上面の一部として構成されている。搬送路23から排出された記録用紙は、排紙トレイ22に積載される。この給紙カセット20が、本発明における載置部に相当する。底板21の上面が、本発明における載置面に相当する。また、本実施形態において記録用紙は、本発明におけるシートの一例である。
【0014】
給紙カセット20における装置奥側、つまり給送向き下流側には、底板21に対して起立する傾斜部材24が設けられている。傾斜部材24は、底板21に載置される記録用紙の先端側に配置されて、図1において紙面に直交する方向(図2における幅方向101)に沿って延びる平板形状である。傾斜部材24の上端側は、下端側より奥行き方向103の奥側へ位置するように傾斜されており、この傾斜によって、記録用紙の先端が当接する傾斜面26が、底板21に載置される記録用紙に向かって形成されている。したがって、傾斜面26は、底板21の上面に対して傾斜されている。傾斜部材24の詳細な構成は後述される。
【0015】
[搬送路23]
図1に示されるように、搬送路23は、記録用紙が湾曲されて案内される湾曲部32と、記録用紙が直線状に延びて案内される直線部33とを有する。湾曲部32は、給紙カセット20の奥側から上方へ向かって延びながら装置正面側へ湾曲している。直線部33は、湾曲部32から装置正面側へ向かって排紙トレイ22付近まで直線状に延びている。記録用紙は給紙カセット20から湾曲部32及び直線部33へ順次搬送される。この湾曲部32及び直線部33によって、搬送路23は、いわゆるUターンパスを形成している。
【0016】
[給送部29]
図1に示されるように、給送部29は、給紙ローラ30及びアーム31を有する。給紙ローラ30は、アーム31の先端に回転自在に軸支されている。アーム31は、幅方向101を軸方向とする支軸28周りに回動可能である。給紙ローラ30は、アーム31の回動によって、給紙カセット20の幅方向101に中央において内部空間へ進入して、底板21に積載された最上位置の記録用紙と接触する。給紙ローラ30は、不図示のモータから駆動伝達されて回転される。給紙ローラ30が給紙カセット20の記録用紙に圧接された状態で給紙ローラ30が回転されると、給紙ローラ30との摩擦力によって、最上位置の記録用紙が搬送路23へ給送される。
【0017】
前述された給送部29及び給紙カセット20によって、本発明に係るシート搬送装置が実現されている。
【0018】
[搬送手段]
搬送路23の直線部33には、搬送ローラ41及びピンチローラ42が設けられている。搬送ローラ41及びピンチローラ42は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より上流側に配置されている。搬送ローラ41及びピンチローラ42は対をなしている。ピンチローラ42は、搬送ローラ41に対向して配置され、搬送ローラ41に圧接するようにバネ付勢されている。搬送ローラ41は、不図示のモータから駆動伝達されて回転される。搬送ローラ41及びピンチローラ42に挟持された記録用紙は、搬送ローラ41の回転を受けて記録部25へ向かって搬送される。
【0019】
搬送路23の直線部33には、排紙ローラ43及び拍車44が設けられている。排紙ローラ43及び拍車44は、記録用紙の搬送向きにおいて記録部25より下流側に配置されている。排紙ローラ43及び拍車44は対をなしている。拍車44は、排紙ローラ43に対向して配置され、排紙ローラ43に圧接するようにバネ付勢されている。排紙ローラ43は、不図示のモータから駆動伝達されて回転される。排紙ローラ43の回転は搬送ローラ41の回転と同期されている。排紙ローラ43及び拍車44に挟持された記録用紙は、排紙ローラ43の回転を受けて排紙トレイ22へ向かって搬送される。
【0020】
[記録部25]
図1に示されるように、記録部25は、搬送路23の直線部33に配置されており、キャリッジ46及びプラテン47を備えている。キャリッジ46は、直線部33を挟んでプラテン47の上側に配置されている。キャリッジ46には、記録ヘッド48が搭載されている。同図には現れていないが、記録ヘッド48は、インク滴を吐出するノズルを有している。このノズルの開口がプラテン47側へ露出された状態で、記録ヘッド48がキャリッジ46に搭載されている。
【0021】
キャリッジ46は、不図示のモータから駆動伝達されて、記録ヘッド48とともに幅方向101(図1において紙面に垂直な方向)へ往復移動する。キャリッジ46は、幅方向へ101へ延びるガイドレール35と係合されていることによって奥行き方向103へ移動することがない。
【0022】
キャリッジ46が幅方向101へ移動されながら、記録ヘッド48から微小なインク滴がプラテン47上の記録用紙へ向かって選択的に吐出される。吐出されたインク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に画像が記録される。なお、インクは、図示されていないインクカートリッジから記録ヘッド48へ供給される。この記録部25が、本発明における記録手段に相当する。
【0023】
[傾斜部材24]
図2に示されるように、傾斜部材24は、幅方向101へ細長な平板形状である。傾斜部材24の幅方向101に沿った寸法は、給紙カセット20に積載可能な最大サイズの記録用紙の幅より大きく設定されている。傾斜部材24において、給紙カセット20に積載された記録用紙側を向く面が、本実施形態において傾斜面26と称される。この傾斜面26は、平面であっても、幅方向101に沿って若干湾曲された曲面であってもよい。傾斜面26は、給送部29によって送り出される記録用紙の先端と当接して、記録用紙を給送向き104に沿って案内する。記録用紙の案内を円滑にするために、傾斜面26は、記録用紙と摺動抵抗が低い素材で構成される。
【0024】
傾斜面26が底板21の上面対して傾斜する角度のうちの底板21側の角度は、給紙カセット20の底面21に載置された記録用紙が送り出されて、その先端が当接したときに、記録用紙が停止することなく撓んで、斜め上側へ進行方向を変えるに適した角度に設定されている。傾斜面26が底板21の上面に対してなす角度が90°に近くなると、つまり、傾斜面26が鉛直方向に沿った面に近づくと、記録用紙の先端が当接すると記録用紙が停止しやすくなり、いわゆる記録用紙の空送が生じやすくなる。一方、傾斜面26が底板21の上面に対してなす角度が180°に近くづくと、傾斜面26の高さが低くなり、その結果、給紙カセット20に積載可能な記録用紙の枚数が少なくなる。したがって、傾斜面26の角度は、記録用紙の円滑な案内の実現と、給紙カセット20に積載される枚数とを考慮して、適宜設定されている。
【0025】
図2に示されるように、傾斜部材24の傾斜面26には、複数の分離片51が設けられている。各分離片51は、傾斜部材24と一体に形成されている。例えば、傾斜部材24が合成樹脂製であれば、各分離片51は、傾斜部材24と一体に成形されたものである。各分離片51は、傾斜面26における幅方向101の中央であって、給紙ローラ30の幅方向101における位置と同じ位置において、給送向き104に沿って一列に配置されている。各分離片51は、傾斜面26における底板21付近、つまり下端付近から、給紙カセット20において最大量積載された複数枚のシートのうち最上位置のシートの先端に対応する位置より上側に渡って配置されている。各分離片51は、傾斜面26から給紙カセット20において記録用紙が収容される側(底板21側)へ向かって突出されている。図3及び図4に示されるように、各分離片51は、傾斜面26に対して給送向き104へ向かって斜めに突出されており、その突出向きの先端52側が基端53側より給送向き104の下流側へ向かって延びている。
【0026】
各分離片51の基端53からは2つのアームが延出されて、先端52側において近寄るような先細り形状をなしている。各分離片51が給送向き104へ突出する長さは、その給送向き104の下流側に隣り合って配置された別の分離片51の基端53より、その先端52が給送向き104の下流側となる長さであって、少なくとも先端52は、給送向き104の下流側の別の分離片のアームの間の位置まで延びている。つまり、各分離片51は、傾斜面26に対して鉛直な方向から見たときに、給送向き104の下流側に隣り合って配置された別の分離片51と一部がオーバーラップしている。また、各分離片51は、傾斜面26側へ近寄るように弾性変形可能である。傾斜部材24には、各分離片51が傾斜面26側へ倒れたときに各分離片51が嵌り込む貫通孔55が形成されている。各分離片51において、先端52から基端53に渡って底板21側を向く面が分離面56である。分離面56は、給紙カセット20に載置された記録用紙の先端と当接し得る。
【0027】
各分離片51の2つのアームの先端には、幅方向101へ延びる軸受部54がそれぞれ形成されている。各軸受部54に軸61がそれぞれ支持されて、ローラ60が各分離片51の先端に設けられている。ローラ60は、円柱形状のローラ部62の中心に軸61が貫通されてなる。各軸受部54に支持されて幅方向101へ延びる軸61に対して、ローラ部62が回転自在である。ローラ部62の外径は分離片51の厚みより十分に大きい。ローラ60の周面であるローラ面63のうち、給紙カセット20の底板21側を向く一部分64は、分離面56より記録用紙が通過する搬送経路105側へ膨出している。給送向き104に沿って隣り合うローラ60の各一部分64の間には、分離面56が搬送経路105側へ露出されている。
【0028】
[記録用紙の分離]
給紙カセット20の底板21に載置された複数枚の記録用紙のうち最上位の記録用紙は、給紙ローラ30の回転を受けて給送向き104へ送り出される。このとき、記録用紙間の摩擦や静電気などによって、最上位の記録用紙の下位にある記録用紙も、最上位の記録用紙と共に給送向き104へ送り出されることがある。それら記録用紙の先端は、傾斜面26に沿って斜め上側へ案内される際に各分離片51と当接する。
【0029】
記録用紙の腰が強ければ、記録用紙の先端が当接した分離片51は、傾斜面26側へ倒伏するように弾性変形する。この弾性変形によって分離片51の基端53側は貫通孔54に没入される。一方、記録用紙の腰が弱ければ、記録用紙の先端が当接しても分離片51は殆ど弾性変形しない。
【0030】
記録用紙の先端は、さらに分離片51の基端53側から先端52側までの間の分離面56に対して摺動しながら給送向き104へ進行する。記録用紙の先端が分離片51の先端52側へ移動するときに、分離片51は、その傾きによって、給送向き104に対していわばブレーキ的な役割を果たす。これによって、分離片51に対して摺動する記録用紙に対して、分離片51のブレーキ的な作用がより大きく発揮される。
【0031】
記録用紙の先端が分離片51の先端52に到達すると、先端52より搬送経路105側へ膨出するローラ部62のローラ面63に記録用紙の先端が接触する。そして、記録用紙が更に給紙向き104へ移動するに伴って、傾斜面26と対向する記録用紙の面がローラ部62に接触しながら移動する。この記録用紙の移動によって、ローラ部62が図3において時計回りに回転する。
【0032】
前述された分離片51の作用によっても最上位以外の記録用紙が完全に止められずに、その分離片51を乗り越えると、それらの記録用紙は、給送向き104の下流側に配置された次の分離片51の分離面56と当接する。傾斜面26に設けられた複数の分離片51は、一部オーバーラップしていて、先端52が給送向き104下流側に隣接した次の分離片51の基端53の位置まで延びているので、記録用紙の先端が分離片51を乗り越えると、給送される記録用紙は傾斜面26に接触することなく次の分離片51の分離面56に当接する。したがって、各分離片51間においても、記録用紙に対して前述されたブレーキ的な作用が発揮される。このような作用が、記録用紙の先端が分離片51を乗り越えるたびに繰り返されて、記録用紙の先端が捌かれる。
【0033】
また、記録用紙が捌かれて最上位の1枚のみが分離された後に、その最上位の記録用紙が各分離片51を乗り越えることとなるが、記録用紙において傾斜面と対向する面は、各分離片51の先端52に接触することなく、ローラ部62と接触する。そして、ローラ部62は、記録用紙との接触により回転するので、記録用紙の給送に対して分離片51の先端52が摺動抵抗となることが抑制される。
【0034】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、分離片51の先端52にローラ60が設けられているので、記録用紙が分離片51の先端52に接触しながら給送されることがなく、給送に際して、分離片51の先端52によって給送の抵抗が増加するおそれが少ない。
【0035】
また、分離面56は、給紙カセット20に載置される記録用紙の積層方向、つまり高さ方向102において、傾斜面26からそれぞれ突出する各ローラ60の一部分64の間に配置されて、給送される記録用紙の先端と当接可能なので、分離面56によって記録用紙の分離に必要な抵抗が生じ、分離片51の先端52においては給送の抵抗が生じない。
【0036】
[本実施形態の変形例]
前述された実施形態では、各分離片51の全てにローラ60が設けられているが、ローラ60は、複数の分離片51のうち、給送向き104の最下流側のものを少なくとも含んで、給送向き104の下流側の一部の分離片51にのみ設けられていてもよい。
【0037】
搬送路23においてUターンされるときに記録用紙が湾曲するので、記録用紙の後端側においては、傾斜面26における上側の分離片51と接触しやすいが、この上側の分離片51、つまり給送向き104の下流側の分離片51にローラ60が配置されているので、記録用紙が摺動しやすい分離片51に対しては、先端52が給送に対して抵抗となることが抑制される。
【0038】
なお、前述された実施形態又は変形例における分離片51の形状や数、配置は、適宜変更されてもよい。また、ローラ60の軸方向は、給送向き104に対して交差する方向であればよい。
【0039】
また、分離片51は、傾斜部材24に一体に設けられていなくてもよい。例えば、傾斜部材24が合成樹脂から成形され、分離片51が金属板の打ち抜き加工により形成されるものであってもよい。分離片51が金属板の打ち抜き加工により形成されると、先端52等においてダレが生じ、給送の抵抗を増加させるだけでなく、記録用紙の記録面を傷つけるおそれがある。そのような場合に、ローラ60が設けられることによって、記録用紙の記録面が傷つけられることが防止される。
【符号の説明】
【0040】
11・・・プリンタ(画像記録装置、シート搬送装置)
20・・・給紙カセット(載置部)
21・・・底板(載置面)
23・・・搬送路
24・・・傾斜部材
25・・・記録部(記録手段)
26・・・傾斜面
29・・・給送部
51・・・分離片
52・・・先端
53・・・基端
56・・・分離面
60・・・ローラ
61・・・軸
63・・・ローラ面
64・・・一部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積層されて載置面に載置される載置部と、
上記載置部においてシートの先端側に配置されており、上記載置面に対して傾斜された傾斜面を有する傾斜部材と、
上記載置部に載置されたシートを上記傾斜部材に案内させながら給送向きへ送り出す給送部と、
上記傾斜部材の傾斜面から上記載置部側へ突出され、かつ傾斜面側へ弾性変形可能に設けられており、上記給送部により給送された複数枚のシートの先端と当接して複数枚のシートを分離する分離面をそれぞれ有し、上記給送向きに沿った方向に並べられた複数の分離片と、
上記分離片の先端に、給送向きと交差する方向を軸方向として回転自在に設けられており、かつその一部が上記給送部により給送されるシートが通過する経路へ向かって上記分離面から突出されたローラと、を具備するシート搬送装置。
【請求項2】
上記分離面は、上記載置部に載置されるシートの積層方向おいて、上記傾斜面からそれぞれ突出する各ローラの一部の間に配置されて、上記給送部が給送するシートの先端と当接可能である請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
上記ローラは、上記複数の分離片のうち、給送向きの最下流側のものを含む給送向きの下流側の一部の分離片に設けられたものである請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
上記載置部から給送されたシートを下側から上側へUターンするように案内する搬送路を更に備えた請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
上記分離片は、上記傾斜部材に一体に形成されており、その先端が、給送向き下流側に隣り合って配置された他の分離片の基端よりも、給送向き下流側延出されたものである請求項1から4のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項6】
上記分離片は、上記載置部に載置された最大量のシートのうち最上位置のシートの先端が当接する位置より給送向き下流側の位置を含んで設けられた請求項1から5のいずれかに記載のシート搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のシート搬送装置と、
上記給送部によって搬送路へ供給されたシートに画像を記録する記録手段と、を備える画像記録装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−136777(P2011−136777A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296307(P2009−296307)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】