説明

シート状基板の搬送方法および搬送装置

【課題】掴み部を有するシート状基板を、搬送中に落下および位置ずれを起こすことなく搬送する方法および装置を提供する。
【解決手段】本シート状基板の搬送方法は、第1の主面と第2の主面を有するシート状基板1の搬送方法であって、シート状基板1は、端部に連結されていて第2の主面側に突出している掴み部1gを有し、第2の主面からの掴み部1gの突出長さより大きい厚さを有する基板支持台11に、第2の主面が接触するようにシート状基板1を載置して吸着させるステップと、シート状基板1が吸着された基板支持台11を移動させるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状基板の搬送方法および搬送装置に関する。より詳しくは、端部に掴み部を含むシート状基板の搬送方法および搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、急速に普及が進んでいる太陽電池に用いられているウェハは、主に多結晶シリコンである。最近ではさらなる低コスト化およびシリコン原料節約を目的として、キャスト法に替わって、スライス工程を経ずに、溶融シリコンから直接シート状シリコン基板を得る有望な方法として、シリコンの融点以下に保持された基体(以下、基板成長用基体という)を、シリコンの融液に接触させ、シート状シリコン基板を得る方法が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている通り、基板成長用基体上にシート状シリコン基板を製造する際、このシート状シリコン基板の端部に掴み部を形成することにより、シート状シリコン基板の基板成長用基体からの落下率を低減できることが知られている。また、特許文献1に開示されている通り、特に基板成長用基体を大型化する場合、基板成長用基体の周縁部に沿った溝を設けることで、シート状シリコン基板と、基板成長用基体の周縁部に成長したシリコン(以下、バリという)を分離することができ、剥離性を向上できることが知られている。
【0004】
また、たとえば特許文献2に開示されている通り、板状体を搬送する方法として、真空吸着式ベルトコンベアが知られている。かかる方法によれば、搬送対象となる板状体を吸着しながら搬送することにより、位置ずれ、落下などを抑制することができる。
【特許文献1】国際公開2004/016836号パンフレット
【特許文献2】特開2000−74640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板成長用基体の浸漬表面に結晶成長させたシリコンシート状基板を、太陽電池などの商品に加工する場合など、シート状基板を基板成長用基体から剥離し、剥離したシート状基板を切断装置まで搬送し、切断装置にて商品として必要なサイズにシート状基板を切断する必要がある。
【0006】
しかし、所定の形状を有する基板成長用基体を用いて作製された、高い歩留まりでシート状基板を製造することを可能とする掴み部を有するシート状基板は、商品として使用される主面部と主面部の端部に連結されている掴み部とにより立体的な形状を有するため、例えば特許文献2に開示されているような吸着方法で保持しながら搬送することができず、そのためシート状基板が、搬送中に、落下したり、位置ずれを起こしたりする問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、所定形状の基板成長用基体を用いて作製された掴み部を有するシート状基板を、搬送中に、落下および位置ずれを起こすことなく搬送する方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるシート状基板の搬送方法は、第1の主面と第2の主面を有するシート状基板の搬送方法であって、シート状基板は端部に連結されていて第2の主面側に突出している掴み部を有し、第2の主面からの掴み部の突出長さより大きい厚さを有する基板支持台に、第2の主面が接触するようにシート状基板を載置して吸着させるステップと、シート状基板が吸着された基板支持台を移動させるステップとを含む。かかる搬送方法により、立体的な掴み部を有するシート状基板であっても、搬送中に落下したり位置ずれを起こしたりすることなく所定の位置に搬送することが可能となる。
【0009】
本発明にかかるシート状基板の搬送装置は、第1の主面と第2の主面を有するシート状基板の搬送装置であって、シート状基板は端部に連結されていて第2の主面側に突出している掴み部を有し、搬送装置は、第2の主面からの掴み部の突出長さより大きい厚さを有する基板支持台と、基板支持台にシート状基板を吸着させる基板吸着装置と、基板支持台を移動させる基板移動装置とを含む。かかる搬送装置により、立体的な掴み部を有するシート状基板であっても、搬送中に落下したり位置ずれを起こしたりすることなく所定の位置に搬送することが可能となる。
【0010】
本発明にかかるシート状基板の搬送装置において、基板移動装置は基板支持台を移動させるコンベアベルトを含むことができる。コンベアベルトで基板支持台を移動させることにより、シート状基板を、搬送中に、落下したり位置ずれを起こしたりすることなく所定の位置に搬送することが容易になる。
【0011】
また、本発明にかかる基板移動装置は、基板支持台をシャトル運動させる駆動装置を有することができる。基板支持台をシャトル運動させることにより、シート状基板を、搬送中に落下したり位置ずれを起こしたりすることなく所定の位置に搬送することが容易になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、掴み部を有するシート状基板を、搬送中に落下したり位置ずれを起こしたりすることなく所定の位置に搬送することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による実施の形態について、シート状基板としてシート状シリコン基板を例として説明する。本発明の主眼は、立体的な掴み部を有するシート状基板を、落下および位置ずれを起こすことなく搬送することにある。したがって、本発明の対象となるシート状基板は、立体的な掴み部を有するシート状基板であれば足り、シート状シリコン基板に限定されず、シート状金属基板、シート状プラスチック基板なども含まれる。
【0014】
(実施形態1)
本発明にかかるシート状基板の搬送装置の一実施形態は、図1および図3を参照して、第1の主面1aと第2の主面1bを有するシート状基板1の搬送装置であって、シート状基板1は、端部に連結されていて第2の主面側1bに突出している掴み部1gを有し、搬送装置は、第2の主面1bからの掴み部1gの突出長さLgより大きい厚さLを有する基板支持台11と、基板支持台11にシート状基板1を吸着させる基板吸着装置と、基板支持台11を移動させる基板移動装置とを含む。ここで、基板吸着装置には、基板支持台に設けられた吸着穴12、真空溝14および真空チューブ15が含まれる。また、基板移動装置には、基板支持台11を移動させるコンベアベルト13およびロール16が含まれる。
【0015】
また、本実施形態の搬送装置においては、さらに、基板支持台11にシート状基板1を載置するための載置用吸着ユニット17と、移動後の基板支持台11からシート状基板を取り出すための取り出し用吸着ユニット18とが含まれる。
【0016】
図3を参照して、本実施形態における搬送の対象となるシート状シリコン基板(シート状基板1)は、端部に連結されていて第2の主面側1bに突出している掴み部1gを有している。すなわち、シート状シリコン基板(シート状基板1)の端部が第2の主面1b側に屈曲されて突出した掴み部1gを形成している。ここで、掴み部1gの形状は特に限定されず、図3(a)に示すようにシート状シリコン基板(シート状基板1)の端部が折り曲げられた形状でもよく、図3(b)に示すようにシート状シリコン基板(シート状基板1)の端部が湾曲された形状でもよい。また、ここで、主面とは、太陽電池のセル面など一定の目的のために使用される面をいう。なお、かかるシート状基板を製造する方法および装置については後述する。
【0017】
基板移動装置について、コンベアベルト13は、基板支持台11の移動方向の前後に設けられた一対のロール16により保持され、ロール16の回転によって水平方向に走行する。
【0018】
吸着装置について、コンベアベルト13に固定されている基板支持台11に形成されている複数の吸着穴12は、シート状シリコン基板(シート状基板1)を吸着するために設けられている。シート状シリコン基板(シート状基板1)を吸着する必要がある範囲でコンベアベルト13の下部に設けられた真空溝14を通して吸着穴12に真空が提供される。この真空溝14は、真空チューブ15を通して真空ラインに接続されている。なお図1においては、真空ポンプもしくは真空エジェクタ、圧力計、エアフィルタなどは略してある。
【0019】
載置用吸着ユニット17は、基板支持台11にシート状シリコン基板(シート状基板1)を載置するためのものであり、取り出し用吸着ユニット18は所望の位置まで搬送したシート状シリコン基板(シート状基板1)を、たとえばレーザー切断装置治具などの所定の位置に取り出すためのものである。載置用吸着ユニット17および取り出し用吸着ユニット18は、それぞれ必要な位置にシート状シリコン基板を移載できるよう多軸ロボットなどの移動装置に接続されている。
【0020】
図1に示した本実施形態の搬送装置を用いるシート状シリコン基板(シート状基板1)の搬送方法は、図3に示すような第2の主面1bからの掴み部1gの突出長さLgより大きい厚さLを有する基板支持台11に、第2の主面1bが接触するようにシート状シリコン基板シート状シリコン基板(シート状基板1)を配置して吸着させるステップ(以下、基板吸着ステップいう)と、基板支持台11に(シート状基板1)を吸着させて基板支持台11を移動させるステップ(以下、基板移動ステップという)とを含む。
【0021】
基板吸着ステップにおいては、以下のことが行なわれる。基板支持体11がシート状シリコン基板(シート状基板1)の載置を受け入れる位置(以下、載置位置という)にあるとき、シート状シリコン基板(シート状基板1)が載置用吸着ユニット17によって基板支持台11上に載置される。真空溝14はこの載置位置にまで設けられており、シート状シリコン基板は、基板支持台11に載置されると同時に、真空溝14と連結された基板支持台11の吸着穴12によって吸着される。
【0022】
ここで、基板支持台11はシート状シリコン基板(シート状基板1)の第2の主面1bからの掴み部の突出長さLgより大きい厚さLを有しており、シート状シリコン基板(シート状基板1)の突出部が基板支持台11上に載らないような間隔をあけてコンベアベルト13に設置されている。このようにして、基板支持台11に、第2の主面1bが基板支持台11に接触するようにシート状シリコン基板(シート状基板1)を載置して、容易に吸着させることができる。
【0023】
次にロール16を1ピッチ分回転させることにより、基板支持台11を1ピッチ分移動させる。新たに載置位置に至った基板支持台11に、上述の方法によって新たなシート状シリコン基板(シート状基板1)を載置して吸着させる。
【0024】
基板移動ステップにおいては、シート状シリコン基板(シート状基板1)が吸着された基板支持台11を、ロール16の回転により所望の取り出し位置にまで移動させる。
【0025】
こうして、搬送されたシート状シリコン基板(シート状基板1)は、取り出し用吸着ユニット18により基板支持台11から取り出しされる。真空溝14は、この取り出し位置に基板支持台11があるときに、基板支持台11の吸着穴12の一部が吸着できるように設置されている。このように真空溝14を設けることで、シート状シリコン基板(シート状基板1)は、取り出し位置まで位置ずれを起こさずに搬送されると同時に、取り出し位置では吸着力が弱められているために、取り出し用吸着ユニット18により容易に基板支持台11から取り除かれる。
【0026】
本実施形態においては、基板支持台11としてコンベアベルト13上に固定した箱型の基板支持台11を用いたが、基板支持台11をコンベアベルト13と一体化させることも可能である。たとえば、コンベアベルト13に一定間隔でシート状シリコン基板(シート状基板1)の第2の主面1bからの掴み部の突起長さLgよりも深い溝を形成し、コンベアベルト13に吸着穴(図示せず)を形成して、基板支持台11としてのコンベアベルト13に直接シート状シリコン基板(シート状基板1)を載置して吸着させた後、基板支持台11としてのコンベアベルトを移動させることも可能である。
【0027】
ここで、基板支持台11のシート状シリコン基板(シート状基板1)と接する部分には、耐熱性の高い素材を用いることが好ましい。これは基板成長用基体をシリコン融液に浸漬させて形成された直後のシート状シリコン基板が比較的高温であるため、シリコン融液浸漬直後のシート状シリコン基板(シート状基板1)を搬送する場合、耐熱性の低い材質であれば変形等の恐れがあるためである。さらに基板支持台11のシート状シリコン基板(シート状基板1)と接する部分はしなやかな素材を用いることが好ましい。しなやかな材質を用いることにより、搬送時にシート状シリコン基板に与える衝撃をやわらげるのみならず、シート状シリコン基板に微小な凹凸があっても、変形により微小な凹凸を吸収し、吸着を容易に行うことができるからである。耐熱性としなやかさを兼ね備える素材として、たとえば、フッ素ゴム、シリコンゴムなどが好適に挙げられる。
【0028】
(実施形態2)
本発明にかかるシート状基板の搬送装置の他の実施形態は、図2および図3を参照して、第1の主面1aと第2の主面1bを有するシート状基板1の搬送装置であって、シート状基板1は、端部に連結されていて第2の主面側1bに突出している掴み部1gを有し、搬送装置は、第2の主面1bからの掴み部1gの突出長さLgより大きい厚さLを有する基板支持台11と、基板支持台11にシート状基板1を吸着させる基板吸着装置と、基板支持台11を移動させる基板移動装置とを含む。ここで、基板吸着装置には、基板支持台11に設けられた吸着穴12、真空チューブ25および真空制御ユニット29が含まれる。また、基板移動装置には、ボールねじ23、ガイドレール24およびモータ26が含まれる。
【0029】
また、本実施形態の搬送装置においては、さらに、基板支持台11にシート状基板1を載置するための載置用吸着ユニット17と、移動後の基板支持台11からシート状基板を取り出しするための取り出し用吸着ユニット18とが含まれる。かかる載置用吸着ユニット17および取り出し用吸着ユニット18は、実施形態1におけるものと同様である。
【0030】
また、本実施形態における搬送の対象となるシート状シリコン基板(シート状基板1)は、実施形態1におけるシート状シリコン基板と同様である。
【0031】
基板移動装置について、基板支持台11に連結されているボールねじ23をモータ26により正回転または逆回転させることにより、基板支持台11をシャトル運動させることができる。
【0032】
吸着装置について、基板支持台11に形成されている複数の吸着穴12は、シート状シリコン基板(シート状基板1)を吸着するために設けられている。この吸着穴12は真空チューブ15および真空制御ユニット29を介して真空ラインに接続されている。なお、図2では真空ポンプもしくは真空エジェクタ、圧力計、エアフィルタなどは略してある。
【0033】
図2に示した本実施形態の搬送装置を用いるシート状シリコン基板(シート状基板1)の搬送方法は、図3に示すような第2の主面1bからの掴み部1gの突出長さLgより大きい厚さLを有する基板支持台11に、第2の主面1bが接触するようにシート状シリコン基板シート状シリコン基板(シート状基板1)を配置して吸着させるステップ(基板吸着ステップ)と、基板支持台11に(シート状基板1)を吸着させて基板支持台11を移動させるステップ(基板移動ステップ)とを含む。
【0034】
基板吸着ステップにおいては、以下のことが行なわれる。基板支持体11がシート状シリコン基板(シート状基板1)の載置を受け入れる位置(載置位置)にあるとき、シート状シリコン基板(シート状基板1)が載置用吸着ユニット17によって基板支持台11上に載置される。シート状シリコン基板(シート状基板1)が基板支持台11上に載置されると、真空制御ユニット29を作動させることにより真空チューブ15と連結された基板支持台11の吸着穴12によって吸着される。
【0035】
ここで、基板支持台11はシート状シリコン基板(シート状基板1)の第2の主面1bからの掴み部の突出長さLgより大きい厚さLを有している。このようにして、基板支持台11に、第2の主面1bが基板支持台11に接触するようにシート状シリコン基板(シート状基板1)を載置して、容易に吸着させることができる。
【0036】
基板移動ステップにおいては、モータ26を作動させボールねじ23を正回転させることにより、基板支持台11を所望の取り出し位置にまで移動させる。
【0037】
その後、真空制御ユニット29により吸着穴12の真空状態を開放し、シート状シリコン基板(シート状基板1)は、基板支持台11への吸着が解除されると同時に、取り出し吸着ユニット18により基板支持台11から取り出される。このように吸着穴12の真空状態を制御することで、シート状シリコン基板(シート状基板1)は、取り出し位置まで位置ずれを起こさずに搬送されると同時に、取り出し位置では基板支持台11への吸着が解除されるために、取り出し吸着ユニット18により容易に基板支持台11から取り除かれる。
【0038】
本実施形態の搬送装置によるシート状シリコン基板(シート状基板1)の搬送は、第2の主面1b側に突出した掴み部を有するシート状シリコン基板を、その第2の主面1bを基板支持台11に接触し吸着させて、基板支持台11をシャトル運動させることにより行なうものである。したがって、基板支持台11は、上記の吸着およびシャトル運動が可能なものである限り、図2の示す形状に限定されない。また、基板支持台11をシャトル運動させる駆動装置は、図2に示すようなモータ26およびボールねじ23に限定されず、たとえば、エアシンシリンダなどであってもよい。
【0039】
<シート状基板の製造方法>
実施形態1および2において搬送の対象となるシート状基板の製造方法を、シート状シリコン基板を例として説明する。まず、図4を参照して、シート状シリコン基板(シート状基板1)を成長させるための基板成長用基体41について説明する。かかる基板成長用基体41には、シート状シリコン基板に掴み部1gを形成させるための突起部41gが設けられている。かかる突起部41gを取り囲むようにシート状シリコン基板の掴み部1gが形成され、シート状シリコン基板の製造の際、シート状シリコン基板(シート状基板1)が、基板成長用基体41から剥がれ落ちることを防止し、回収率を向上させることが可能となる。なお、基板成長用基体41に設けられた溝部41dにより、シート状シリコン基板(シート状基板1)からのバリ1nの分離が容易になっている。
【0040】
次に、図5を参照して、シート状基板の製造装置および製造方法について説明する。図5に示すシート状シリコン基板の製造装置は、坩堝昇降台54の上に断熱材53および坩堝台52を介して坩堝51が載せられており、坩堝51の中のシリコン融液50は坩堝51の周囲に配設されたヒータ55によって融点以上に保持されている。かかる断熱材53は、融液温度を均一に保持するためと、坩堝底からの抜熱を抑制するために用いられている。さらに本装置は基体固定脚56に固定された基板成長用基体41の表面がシリコン融液50に浸漬するように設計されている。また前記断熱材53には、坩堝昇降機構を有する坩堝昇降台54が設けられている。これは、基板成長用基体41の表面上でシート状シリコン基板(シート状基板1)が成長するため、常に基板成長用基体41が、シリコン融液50の融液面から同じ深さで浸漬できるように上下動させるためである。
【0041】
かかるシート状シリコン基板の製造装置を用いて、基板成長基体41上でシート状シリコン基板(シート状基板1)を成長させる際に、たとえば図4(b)に示す基板成長基体41を、その第1の主面41aが下向きに、その突起部41gが進行方向の前面になるようにして、図5中の矢印の方向に、左側から右側へ移動させる。このとき、基板成長基体41の第1の主面41aおよび突起部41gが、シリコン融液50に接触するように移動させることにより、基板成長基体41に、掴み部1gを有するシート状シリコン基板(シート状基板1)が成長する。
【0042】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】シート状基板の搬送装置の一実施形態を示す概略図である。
【図2】シート状基板の搬送装置の他の実施形態をを示す概略図である。
【図3】基板支持台上に載置されたシート状基板を示す概略断面図である。ここで、(a)はシート状基板の一実施形態を示し、(b)はシート状基板の他の実施形態を示す。
【図4】(a)は基板成長基体およびシート状基板を示す概略図である。(b)は(a)の線分IVB−IVBにおける概略断面図である。
【図5】シート状シリコン基板の製造装置の一実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0044】
1 シート状基板、1a,41a 第1の主面、1b 第2の主面、1g 掴み部、1n バリ、11 基板支持台、12 吸着穴、13 ベルトコンベア、14 真空溝、15 真空チューブ、16 ロール、17 載置用吸着ユニット、18 取り出し用吸着ユニット、23 ボールねじ、24 ガイドレール、26 モータ、29 真空制御ユニット、41 基板成長用基体、41d 溝部、41g 突起部、50 シリコン融液、51 坩堝、52 坩堝台、53 断熱材、54 坩堝昇降台、55 ヒータ、56 基体固定脚。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面と第2の主面を有するシート状基板の搬送方法であって、
前記シート状基板は、端部に連結されていて前記第2の主面側に突出している掴み部を有し、
前記第2の主面からの前記掴み部の突出長さより大きい厚さを有する基板支持台に、前記第2の主面が接触するように前記シート状基板を載置して吸着させるステップと、
前記シート状基板が吸着された前記基板支持台を移動させるステップとを含むシート状基板の搬送方法。
【請求項2】
第1の主面と第2の主面を有するシート状基板の搬送装置であって、
前記シート状基板は、端部に連結されていて前記第2の主面側に突出している掴み部を有し、
前記搬送装置は、前記第2の主面からの前記掴み部の突出長さより大きい厚さを有する基板支持台と、前記基板支持台に前記シート状基板を吸着させる基板吸着装置と、前記基板支持台を移動させる基板移動装置とを含むシート状基板の搬送装置。
【請求項3】
前記基板移動装置は、前記基板支持台を移動させるコンベアベルトを含む請求項2に記載のシート状基板の搬送装置。
【請求項4】
前記基板移動装置は、前記基板支持台をシャトル運動させる駆動装置を有する請求項2に記載のシート状基板の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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