説明

シート状素材張設具

【課題】少ない調整箇所でシート状素材全体に亘って、均一の張力で張設を可能とするシート状素材の張設具を提供する。
【解決手段】四角形の四隅の位置に配置されるL字形状の4個のコーナー部材と、両端がコーナー部材に支持されて、隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ架設される4本の枠材であって、隣接するコーナー部材同士の間を隣接するコーナー部材の方向に移動することが可能で、かつ、対向する枠材との関係では両端を支持している隣接する2つのコーナー部材と共に対向する枠材に近づく方向あるいは離れる方向に移動可能な4本の枠材と、前記各枠材の中を通って、隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ配置される4本のロッドとからなり、各枠材又は各コーナー部材はシート状素材の周縁が掛止される掛止部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート状素材を張設するシート状素材の張設具に関する。例えば、スクリーン印刷で使用される金属、樹脂などからなるシート状あるいは、メッシュ状のシート状素材、油絵などの絵画で使用されるキャンバス地などのシート状素材、太鼓などの打楽器において胴体部に張設される革などのシート状素材などを張設する張設具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクリーン印刷では、金属板などのシート状素材に画像を形成し、当該シート状素材を張設具に張設して印刷を行っている。ここで使用されているシート状素材の張設具としては、四辺の枠辺からなる伸張可能な枠体などが採用されていた。シート状素材の周縁をこの張設具に掛止し、前記の枠体を伸縮させることによって、シート状素材の微妙な張力(テンション)の調節を行っている。
【0003】
この他に、シート状素材には、織物や編み物などにおける布地、油絵などの絵画で使用されるキャンバス地、太鼓などの打楽器において胴体部に張設される革などがあるが、いずれの場合であっても、微妙な張力の調整を行いつつ、シート状素材を、枠体などからなる張設具に張設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−141027号公報
【特許文献2】実開昭55−136533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の伸張可能な枠体からなるシート状素材の張設具においては、四辺の枠辺のそれぞれの位置を個々に調整し、枠辺間の距離を変化させて、当該張設具に張設されたシート状素材の張力(テンション)を調整する形式が一般的であった。
【0006】
このように四辺の枠辺のそれぞれを個々に調整する形式の張設具の場合、調整箇所が多くなる。また、一箇所を調整すると、他の箇所の張力(テンション)も変化し、シート状素材全面に亘って、所望の張力状態に張設することが難しく、張力の調整作業に時間がかかる問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、シート状素材をできるだけ簡易に張設でき、しかも、少ない調整箇所でシート状素材全体に亘って、均一の張力(テンション)で張設を可能とするシート状素材の張設具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、この発明が提案するシート状素材の張設具は、いずれも、四角形の四隅の位置に配置される4個のコーナー部材と、両端がコーナー部材に支持されて、隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ架設される4本の枠材であって、隣接するコーナー部材同士の間を隣接するコーナー部材の方向に移動することが可能で、かつ、対向する枠材との関係では両端を支持している隣接する2つのコーナー部材と共に対向する枠材に近づく方向あるいは離れる方向に移動可能な4本の枠材と、前記各枠材の中を通って、隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ配置される4本のロッドとからなり、各枠材又は各コーナー部材はシート状素材の周縁が掛止される掛止部を備えているという基本的な形態を有するものである。
【0009】
本発明が提案するシート状素材の張設具は、かかる基本的な形態において、一組の対向するコーナー部材の各コーナー部材が、隣接する各コーナー部材との間に配置されている前記ロッドの端に常に当接し、当該ロッドを隣接するコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構をそれぞれ備えているものである。そして、前記移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材に隣接する各コーナー部材に向かって延びている2本のロッドの中のどちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を追随させる伝達機構を備えているものである。
【0010】
本発明が提案する他のシート状素材の張設具は、前述した基本的な形態において、前記4個のコーナー部材の中の一つのコーナー部材が、隣接する各コーナー部材との間に配置されている前記ロッドの端に常に当接し、当該ロッドを隣接するコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構を備えている。また、前記移動機構を備えているコーナー部材に対向する位置のコーナー部材に延びてきている2本のロッドの各端は、当該コーナー部材に固定されている。そして、前記移動機構を備えているコーナー部材に隣接する各コーナー部材に向かって延びている2本のロッドの中のどちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を追随させる伝達機構を備えている。
【0011】
本発明が提案する更に他のシート状素材の張設具は、前述した基本的な形態において、一組の対向するコーナー部材の各コーナー部材は、隣接する各コーナー部材との間に配置されている前記ロッドの端に常に当接し、当該ロッドを隣接する各コーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構をそれぞれ備えている。そして、前記移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材と、隣接する各コーナー部材との間にそれぞれ配置されている各ロッドの、前記隣接するコーナー部材に向かって延びている側の端は、前記隣接するコーナー部材にそれぞれ固定されているものである。
【0012】
前述したいずれの形態の本発明のシート状素材の張設具においても、移動機構は、コーナー部材の角部に取り付けられ、当該角部と前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具と球体とを有し、当該球体は、前記挿入具の先端と、前記移動機構を備えているコーナー部材と隣接する各コーナー部材との間に配置されている各ロッドの当該移動機構を備えているコーナー部材側の端との間に形成される空間内に移動可能に配置され、前記挿入具の先端と、前記各ロッドの当該移動機構を備えているコーナー部材側の端とに、常に、当接するように、前記挿入具の先端と、前記各ロッドの端との間に介装されている形態にすることができる。
【0013】
そして、この場合に、移動機構を備えているコーナー部材には、前記挿入具の前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側に向かう方向の移動を規制するストッパが配備されている形態にすることができる。
【0014】
また、本発明は、前述した基本的形態において、更に、以下の構成を備えたシート状素材の張設具を提案するものである。このシート状素材の張設具では、前記4個のコーナー部材の中の一つのコーナー部材は、隣接する2つのコーナー部材の中の一方のコーナー部材との間に配置されている前記ロッドの端に常に当接し、当該ロッドを当該一方のコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構を備えていると共に、隣接する2つのコーナー部材の中の他方のコーナー部材との間に配置されている前記ロッドの端との間が固定的に接続されている。そして、前記移動機構を備えているコーナー部材以外の各コーナー部材に向かって延びている2本のロッドの中のどちらか一方のロッドの当該各コーナー部材に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該各コーナー部材から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該各コーナー部材から離れる方向への移動に他方のロッドの当該各コーナー部材に向かう方向の移動を追随させる伝達機構を備えている。
【0015】
なお、前述した本発明のいずれの形態のシート状素材の張設具においても、各枠材は内部に中空部を有し、各枠材の中を通って隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ配置される4本のロッドは、隣接する2つのコーナー部材の間で当該枠材の中空部に所定の間隔を開けて配置されている支持体によって、当該中空部内に支持されているようにすることができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明似よれば、スクリーン印刷で使用される金属、樹脂などからなるシート状あるいは、メッシュ状のシート状素材や、油絵などの絵画で使用されるキャンバス地、太鼓などの打楽器において胴体部に張設される革、織物や編み物などにおける布地などのようなシート状素材を、簡単に張設することができ、しかも、少ない調整箇所でシート状素材全体に亘って、均一の張力(テンション)で張設することのできるシート状素材の張設具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の張設具の一例を表す一部を破切し、一部を省略した平面図。
【図2】この発明の張設具の他の一例を表す一部を破切し、一部を省略した平面図。
【図3】図2図示の張設具の他の実施形態を表す一部を破切した平面図。
【図4】図2図示の張設具の更に他の実施形態を表す一部を破切した平面図。
【図5】この発明の張設具の更に他の一例を表す一部を破切し、一部を省略した平面図。
【図6】この発明の張設具の他の一例を表す一部を破切した平面図。
【図7】図1図示の張設具において枠体の内側に掛止部が配備されている形態を表す一部を破切した平面図。
【図8】図2図示の張設具において枠体の内側に掛止部が配備されている形態を表す一部を破切した平面図。
【図9】(a)この発明の張設具に張設されるシート状素材の一例を表す平面図、(b)図9(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の一例を説明する平面図、(c)図9(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の他の一例を説明する平面図、(d)図9(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の更に他の一例を説明する平面図、(e)図9(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の他の一例を説明する平面図。
【図10】シート状素材が張設される前の本発明の張設具の一例を表す平面図。
【図11】図10図示の張設具に図9(a)図示のシート状素材が仮張設された状態を表す平面図。
【図12】図11図示の状態から張力調整を行ってシート状素材を張設する状態を説明する概念図。
【図13】(a)この発明の張設具に張設されるシート状素材の他の一例を表す平面図、(b)図13(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の一例を説明する平面図、(c)図13(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の他の一例を説明する平面図、(d)図13(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の更に他の一例を説明する平面図、(e)図13(a)図示のシート状素材の周縁に穿設されている掛止孔の形状の他の一例を説明する平面図。
【図14】シート状素材が張設される前の本発明の張設具の他の一例を表す平面図。
【図15】図14図示の張設具に図13(a)図示のシート状素材が仮張設された状態を表す平面図。
【図16】図15図示の状態から張力調整を行ってシート状素材を張設する状態を説明する概念図。
【図17】(a)、(b)、(c)は本発明の他の張設具にシート状素材が張設されて張力が調整される工程の一例を説明する側面図。
【図18】(a)、(b)は本発明の他の張設具にシート状素材が張設されて張力が調整される工程の他の一例を説明する側面図。
【図19】(a)、(b)は本発明の他の張設具にシート状素材が張設されて張力が調整される工程の更に他の一例を説明する側面図。
【図20】(a)、(b)は本発明の他の張設具にシート状素材が張設されて張力が調整される工程の他の一例を説明する側面図。
【図21】(a)、(b)は本発明の他の張設具にシート状素材が張設されて張力が調整される工程の他の一例を説明する側面図。
【図22】枠辺の上面に掛止部が形成されている本発明の張設具の一例を説明する斜視図。
【図23】枠辺の上面に掛止部が形成されている本発明の張設具の他の一例を説明する斜視図。
【図24】各コーナー部材の上面に掛止部が形成されている本発明の張設具の一例を説明する斜視図。
【図25】枠辺の内部に採用されているロッド支持体を説明する一部を破切し、一部を省略した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、この発明の張設具の一例を表す一部を破切した平面図である。
【0020】
シート状素材の張設具1は、4個のコーナー部材2、3、4、5と、4本の枠材6、7、8、9と、4本のロッド10、11、12、13とを備えている。
【0021】
4個のコーナー部材2、3、4、5は、図1図示のように、四角形の四隅の位置に配置される。
【0022】
4本の枠材6、7、8、9は、両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材に支持されて、以下のように、隣接する2つのコーナー部材の間に架設される。
【0023】
両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材2、4に支持されている枠材6は、矢印41、42で示すように、隣接するコーナー部材2、4の間を隣接するコーナー部材4、2の方向に移動することが可能に、隣接するコーナー部材2、4の間に架設される。
【0024】
同じように、両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材4、3に支持されている枠材7は、矢印43、44で示すように、隣接するコーナー部材4、3の間を隣接するコーナー部材3、4の方向に移動することが可能に、隣接するコーナー部材4、3の間に架設される。
【0025】
また、両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材3、5に支持されている枠材8は、矢印45、46で示すように、隣接するコーナー部材3、5の間を隣接するコーナー部材5、3の方向に移動することが可能に、隣接するコーナー部材3、5の間に架設される。
【0026】
更に、両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材5、2に支持されている枠材9は、矢印47、48で示すように、隣接するコーナー部材5、2の間を隣接するコーナー部材2、5の方向に移動することが可能に、隣接するコーナー部材5、2の間に架設される。
【0027】
前記のように、各枠材6、7、8、9は、両端が、それぞれ、隣接するコーナー部材に支持されている。そこで、対向する枠材との関係、例えば、枠材6と枠材8との関係では、枠材6は、両端を支持している隣接する2つのコーナー部材2、4と共に対向する枠材8に近づく方向(矢印43、48)、あるいは離れる方向(矢印44、47)に移動する。
【0028】
また、枠材8は、両端を支持している隣接する2つのコーナー部材3、5と共に対向する枠材6に近づく方向(矢印44、47)、あるいは離れる方向(矢印43、48)に移動する。
【0029】
同じように、枠材7は、両端を支持している隣接する2つのコーナー部材4、3と共に対向する枠材9に近づく方向(矢印42、45)、あるいは離れる方向(矢印41、46)に移動する。
【0030】
そして、枠材9は、両端を支持している隣接する2つのコーナー部材5、2と共に対向する枠材7に近づく方向(矢印41、46)、あるいは離れる方向(矢印42、45)に移動する。
【0031】
各枠材6、7、8、9の中には、各枠材の中を通って、隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれロッド10、11、12、13が配置されている。
【0032】
ロッド10は両端側に鍔14、15を備えている。鍔14とコーナー部材2の外縁16との間に弾性体(図示の例では、バネ18)が配置されている。
【0033】
また、鍔15とコーナー部材4の外縁17との間に弾性体(図示の例では、バネ19)が配置されている。
【0034】
これらの弾性体(図示の例では、バネ18、バネ19)の働きによって、ロッド10は、一方では、常に、コーナー部材2の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印42方向へ付勢され、他方では、常に、コーナー部材4の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印41方向へ付勢されている。
【0035】
ロッド11は両端側に鍔20、21を備えている。鍔20とコーナー部材4の外縁22との間に弾性体(図示の例では、バネ24)が配置されている。
【0036】
また、鍔21とコーナー部材3の外縁23との間に弾性体(図示の例では、バネ25)が配置されている。
【0037】
これらの弾性体(図示の例では、バネ24、バネ25)の働きによって、ロッド11は、一方では、常に、コーナー部材4の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印44方向へ付勢され、他方では、常に、コーナー部材3の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印43方向へ付勢されている。
【0038】
ロッド12は両端側に鍔26、27を備えている。
【0039】
鍔26とコーナー部材3の外縁28との間に弾性体(図示の例では、バネ30)が配置されている。
【0040】
また、鍔27とコーナー部材5の外縁29との間に弾性体(図示の例では、バネ31)が配置されている。
【0041】
これらの弾性体(図示の例では、バネ30、バネ31)の働きによって、ロッド12は、一方では、常に、コーナー部材3の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印46方向へ付勢され、他方では、常に、コーナー部材5の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印45方向へ付勢されている。
【0042】
ロッド13は両端側に鍔32、33を備えている。
【0043】
鍔32とコーナー部材5の外縁34との間に弾性体(図示の例では、バネ36)が配置されている。
【0044】
また、鍔33とコーナー部材2の外縁35との間に弾性体(図示の例では、バネ37)が配置されている。
【0045】
これらの弾性体(図示の例では、バネ36、バネ37)の働きによって、ロッド13は、一方では、常に、コーナー部材5の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印48方向へ付勢され、他方では、常に、コーナー部材2の方向に向かって移動するように、すなわち、矢印47方向へ付勢されている。
【0046】
各ロッドの鍔とコーナー部材の外縁との間に介装されている弾性体(図示の例では、バネ18、19、24、25、30、31、36、37、)の弾力(すなわち、各ロッドの鍔とコーナー部材の外縁とを離れる方向に押す力)は、後述する微妙な張力調整を考慮して、いずれも等しい大きさになっている。
【0047】
各枠材6、7、8、9は、シート状素材の周縁が掛止される掛止部を備えている。
【0048】
例えば、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材91が、スクリーン印刷で使用されるメタルシート又はメッシュ状のシートであって、図9(a)図示のように、周縁に掛合孔92、93を備えているものである場合、図7図示のように、各枠材6、7、8、9から内側に向けて内側片6a、7a、8a、9aが延設され、この内側片6a、7a、8a、9a上に、掛合突起90が突設されている形態にすることができる。図7は、図1図示の張設具1の各枠材6、7、8、9にシート状素材の周縁が掛止される掛止部が配備されている実施形態を説明する一部を破切し、一部を省略した平面図である。
【0049】
また、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材91が、スクリーン印刷で使用されるメタルシート又はメッシュ状のシートであって、図22図示のように、周縁に溝97を備えているものである場合、各枠材6、7、8、9の上側に溝97と掛合する突条96が配備されている形態にすることができる。
【0050】
更に、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材91が、スクリーン印刷で使用されるメタルシート又はメッシュ状のシートであって、図23図示のように、周縁に突条99を備えているものである場合、各枠材6、7、8、9の上側に突条99と掛合する溝98が配備されている形態にすることができる。
【0051】
各枠材6、7、8、9に掛止部が配備されている形態に代えて、各コーナー部材2、3、4、5にシート状素材の周縁が掛止される掛止部が配備されている形態にすることができる。
【0052】
例えば、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材が、スクリーン印刷で使用されるメタルシート又はメッシュ状のシートであって、図24図示のように、4つの角部に掛止孔131を備えているものである場合、各コーナー部材2、3、4、5の上側に前記の掛止孔と掛合する突起130が配備されている形態にすることができる。
【0053】
一組の対向するコーナー部材2、3は、それぞれ、隣接する各コーナー部材4、5との間に配置されているロッド10、11、12、13の端に常に当接し、当該ロッド10、11、12、13を隣接するコーナー部材4、5の方向に向けて移動させる移動機構をそれぞれ備えている。
【0054】
すなわち、コーナー部材2は、隣接する各コーナー部材4、5との間に配置されているロッド10、13の端10a、13aに常に当接し、当該ロッド10、13を隣接するコーナー部材4、5の方向に向けてそれぞれ移動させる移動機構を備えている。
【0055】
また、コーナー部材3は、隣接する各コーナー部材4、5との間に配置されているロッド11、12の端11a、12aに常に当接し、当該ロッド11、12を隣接するコーナー部材4、5の方向に向けてそれぞれ移動させる移動機構を備えている。
【0056】
コーナー部材2に配備されている移動機構は、コーナー部材2の角部に取り付けられ、この角部と、4個のコーナー部材2、3、4、5で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向(矢印71、72の方向)で移動可能な挿入具51と球体55とを備えている。挿入具51は、図示の実施形態では、コーナー部材2の角部に設けられている螺子孔に嵌め込まれている螺子で形成されている。
【0057】
球体55は、挿入具51の先端と、ロッド10、ロッド13のコーナー部材2側の端10a、13aとの間に形成される空間内に移動可能に配置されている。そして、球体55は、挿入具51の先端と、各ロッド10、13のコーナー部材2側の端10a、13aとに、図1図示のように、常に、当接するように、挿入具51の先端と、各ロッド10、13の端10a、13aとの間に介装されている。
【0058】
コーナー部材3に配備されている移動機構は、コーナー部材3の角部に取り付けられ、この角部と、4個のコーナー部材2、3、4、5で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向(矢印73、74の方向)で移動可能な挿入具52と球体56とを備えている。挿入具52は、図示の実施形態では、コーナー部材3の角部に設けられている螺子孔に嵌め込まれている螺子で形成されている。
【0059】
球体56は、挿入具52の先端と、ロッド11、ロッド12のコーナー部材2側の端11a、12aとの間に形成される空間内に移動可能に配置されている。そして、球体56は、挿入具52の先端と、各ロッド11、12のコーナー部材3側の端11a、12aとに、図1図示のように、常に、当接するように、挿入具52の先端と、各ロッド11、12の端11a、12aとの間に介装されている。
【0060】
本発明のシート状素材の張設具1は、更に、以下に説明する伝達機構を備えている。
【0061】
この伝達機構は、移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材2、3に隣接する各コーナー部材4、5に向かって延びている2本のロッド10、11、あるいは12、13の中のどちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材4、5に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材4、5から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材4、5から離れる方向への移動に他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材4、5に向かう方向の移動を追随させるものである。
【0062】
移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材2、3に隣接するコーナー部材4におけるこの伝達機構は、コーナー部材4に固定されている支軸64に回転可能に取り付けられているカム63を備えている。そして、カム63の一側面63aにロッド10の先端10bが当接し、カム63の他側面63bにロッド11の先端11bが当接している。
【0063】
移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材2、3に隣接するコーナー部材5におけるこの伝達機構は、コーナー部材5に固定されている支軸68に回転可能に取り付けられているカム67を備えている。そして、カム67の一側面67aにロッド13の先端13bが当接し、カム67の他側面67bにロッド12の先端12bが当接している。
【0064】
前述したように、コーナー部材2に配備されている移動機構は、挿入具51と球体55とを備えている。そして、球体55は、挿入具51の先端と、ロッド10、ロッド13の端10a、13aとの間に形成される空間内に、挿入具51の先端と、ロッド10、13の端10a、13aとに、常に、当接するように、移動可能に、挿入具51の先端と、ロッド10、13の端10a、13aとの間に介装されている。
【0065】
また、ロッド10は、前述したバネ18、19の働きによって、一方では、コーナー部材2の方向(矢印42方向)に向かって移動するように、常に、付勢され、他方では、コーナー部材4の方向(矢印41方向)に向かって移動するように、常に、付勢されている。
【0066】
更に、ロッド13は、前述したバネ36、37の働きによって、一方では、コーナー部材2の方向(矢印47方向)に向かって移動するように、常に、付勢され、他方では、コーナー部材5の方向(矢印48方向)に向かって移動するように、常に、付勢されている。
【0067】
ここで、T型レンチ53を挿入具51に差し込んで挿入具51を回転させ、挿入具51を矢印71方向に前進させる。このとき、矢印41方向にロッド10を移動させるのに要する力よりも、矢印48方向にロッド13を移動させるのに要する力の方が弱いとすると、挿入具51が矢印71方向に前進することによる押込力は、主に、ロッド13を矢印48方向に移動させることに用いられる。このため、ロッド10は、バネ18の働きにより、端10aを球体55に当接させつつ、矢印42方向に移動する。
【0068】
こうして、矢印41方向にロッド10を移動させるのに要する力と、矢印48方向にロッド13を移動させるのに要する力とが釣り合うようになると、挿入具51が矢印71方向に前進することによる押込力は、ロッド13を矢印48方向に移動させる力と、ロッド10を矢印41方向に移動させる力とに均等に分配される。こうして、ロッド10とロッド13とは等しい力で押されて、それぞれ、矢印48、41方向に移動しはじめるようになる。
【0069】
一方、T型レンチ53を挿入具51に差し込んで挿入具51を逆に回転させ、挿入具51を矢印72方向に後退させる。このとき、ロッド10が球体55に当接している力の方が、ロッド13が球体55に当接している力よりも大きいとすると、挿入具51の矢印72方向への後退につれて、ロッド10はその端10aを球体55に当接させたまま、矢印42方向へ移動する。
【0070】
そして、ロッド10が球体55に当接している力と、ロッド13が球体55に当接している力とが釣り合うようになると、挿入具51の矢印72方向への後退に連れて、ロッド10とロッド13とは、それぞれ、矢印42、47方向に均等に移動しはじめる。
【0071】
そこで、前述した伝達機構の働きによって、例えば、ロッド13が矢印48方向に移動すると、カム67が支軸68を中心として矢印70方向に回転し、ロッド12が矢印46方向に移動する。すなわち、コーナー部材5に向かって延びている2本のロッド13、12の中の一方のロッド13のコーナー部材5に向かう方向の移動が、他方のロッド12のコーナー部材5から離れる方向への移動に変換される。
【0072】
本発明の張設具によれば、一組の対向するコーナー部材2、3にそれぞれ配備されていて、隣接する各コーナー部材4、5との間に配置されているロッド10、13、11、12の端10a、13a、11a、12aに常に当接し、ロッド10、13、11、12を隣接するコーナー部材4、5の方向に向けて移動させる移動機構は、前述したように構成されている。すなわち、移動機構は、コーナー部材2、3の角部に取り付けられ、当該角部と4個のコーナー部材2、3、4、5で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具51、52と球体55、56とを有している。この球体55、56は、挿入具51、52の先端と、移動機構を備えているコーナー部材2、3と隣接する各コーナー部材4、5との間に配置されているロッド10、13、11、12の当該移動機構を備えているコーナー部材2、3側の端10a、13a、11a、12aとの間に形成される空間内に移動可能に配置されている。そして、挿入具51、52の先端と、ロッド10、13、11、12の当該移動機構を備えているコーナー部材2、3側の端とに、常に、当接するように、挿入具51、52の先端と、ロッド10、13、11、12の端10a、13a、11a、12aとの間に介装されている。
【0073】
そこで、前述したように、微妙な力のバランスを取りながら、ロッド10、13、11、12に力を加えることができる。
【0074】
なお、移動機構を備えているコーナー部材2、3には、挿入具51、52の4個のコーナー部材2、3、4、5で形成される四角形の中心側に向かう方向(矢印71、73方向)の移動を規制するストッパが配備されている。
【0075】
このストッパは、図示の実施形態では、コーナー部材2の内側の角部に設けられている螺子孔に嵌め込まれている螺子57、58で構成されている。また、コーナー部材3の内側の角部に設けられている螺子孔に嵌め込まれている螺子60、61で構成されている。
T型レンチ59、62を用いて、螺子57、58を矢印75或いは76方向に移動させる、あるいは、螺子60、61を矢印77或いは78方向に移動させることにより、挿入具51、52が矢印71、73に押し込まれる量を調製することができる。
【0076】
なお、前述した伝達機構の働きによって、例えば、ロッド10が矢印42方向に移動すると、カム63が支軸64を中心として矢印66方向に回転し、ロッド11が矢印44方向に移動する。すなわち、コーナー部材4に向かって延びている2本のロッド11、10の中の一方のロッド10のコーナー部材4から離れる方向への移動に他方のロッド11のコーナー部材4に向かう方向の移動が追随することになる。
【0077】
同様に、ロッド13が矢印47方向に移動すると、カム67が支軸68を中心として矢印69方向に回転し、ロッド12が矢印45方向に移動する。すなわち、前記の伝達機構によって、コーナー部材5に向かって延びている2本のロッド12、13の中の一方のロッド13のコーナー部材5から離れる方向への移動に他方のロッド12のコーナー部材5に向かう方向の移動が追随する。
【0078】
また、ロッド10が矢印41方向に移動すると、カム63が支軸64を中心として矢印65方向に回転し、ロッド11が矢印43方向に移動する。すなわち、前記の伝達機構によって、コーナー部材4に向かって延びている2本のロッド10、11の中の一方のロッド10のコーナー部材4に向かう方向の移動が、他方のロッド11のコーナー部材4から離れる方向への移動に変換される。
【0079】
以上は、コーナー部材2に配備されている移動機構を中心として説明したが、コーナー部材2に対向配置されているコーナー部材3にも前述したように同様な移動機構が配備されていて、同様の動作が行われる。
【0080】
そこで、本発明の張設具によれば、例えば、図11、図15図示のようにシート状部材を各枠材などの掛止部に仮掛止し、ついで、前述した移動機構によって、ロッド10、11、12、13を、矢印41、42、43、44、45、46、47、48方向へ移動させることにより、シート状素材を、簡単に張設することができる。
【0081】
しかも、前述した移動機構、伝達機構の動作により、少ない調整箇所で調整する、すなわち、少ない移動機構を動作させるのみで、微妙なバランスをとってロッド10等を移動させ、シート状素材全体に亘って、均一の張力(テンション)で張設することができる。
【0082】
図1、図7図示の張設具1において、各枠材6、7、8、9は内部に中空部を有し、各枠材6、7、8、9の中を通って隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ配置される4本のロッド10、11、12、13は、隣接する2つのコーナー部材の間で当該枠材6、7、8、9の中空部に所定の間隔を開けて配置されている支持体509によって、当該中空部内に支持されている形態にすることができる(図25)。
【0083】
このようにすることによって、ロッド10、11、12、13が長くなってたわみやすくなっても安定して支えることができる。そこで、各ロッド10、11、12、13の重量を軽くし、これに応じて張設具1の重量を軽くし、その一方で、ロッド10、11、12、13を隣接する2つのコーナー部材の間でたわむことなく安定して支持することができる。
【0084】
図25は、断面矩形の中空の枠材6の中に、この枠材6の内壁断面形状に対応する外周形状を有する合成樹脂製の支持体509が、隣接するコーナー部材2、4の間に所定の間隔を開けて配置されているものである。ロッド10は、支持体509の中央に設けられている透孔を通っていることにより支持体509に支持されている。
【実施例2】
【0085】
図2〜図4、図8は、この発明の張設具の他の一例を表す一部を破切した平面図である。図8は、図1図示の実施形態における図7に対応するものであって、図2図示の張設具1の各枠材6、7、8、9にシート状素材の周縁が掛止される掛止部が配備されている実施形態を説明する一部を破切し、一部を省略した平面図である。
【0086】
図2〜図4、図8中、図1、図7を用いて説明した第一の実施例における構成要素と共通する部分には共通する符号を付けてその説明を省略する。
【0087】
図2〜図4の実施形態では、図1図示の実施形態とは異なり、4個のコーナー部材の中の一つのコーナー部材にしか移動機構が配備されていない。図2ではコーナー部材2に、図3ではコーナー部材3に、図4ではコーナー部材113に移動機構が配備されている。
【0088】
図2のコーナー部材2、図3のコーナー部材3に配備されている移動機構は、図1図示の実施形態におけるコーナー部材2、3に配備されていた移動機構と同じものである。
【0089】
図4のコーナー部材113に配備されていて、隣接する各コーナー部材104、105との間に配置されているロッド11、12の端に常に当接し、ロッド11、12を隣接するコーナー部材104、105の方向に向けて移動させる移動機構は、リンク片114、115、120と、ピン116、117、118、119とからなるリンク機構によって構成されている。
【0090】
T型レンチ54を用いて、挿入具52aを矢印73或いは74方向に移動させると、前記のリンク機構により、ロッド11、12が矢印44又は43、あるいは45又は46方向に移動する。
【0091】
すなわち、T型レンチ54を挿入具52aに差し込んで挿入具52aを回転させ、挿入具52aを矢印73方向に前進させる。このとき、矢印44方向にロッド11を移動させるのに要する力よりも、矢印45方向にロッド12を移動させるのに要する力の方が弱いとすると、挿入具52aが矢印73方向に前進することによる押込力は、主に、ロッド12を矢印45方向に移動させることに用いられる。このため、ロッド11は、リンク機構により、矢印43方向に移動する。
【0092】
こうして、矢印45方向にロッド12を移動させるのに要する力と、矢印44方向にロッド11を移動させるのに要する力とが釣り合うようになると、挿入具52aが矢印73方向に前進することによる押込力は、ロッド11を矢印44方向に移動させる力と、ロッド12を矢印45方向に移動させる力とに均等に分配される。こうして、ロッド11とロッド12とは等しい力で押されて、それぞれ、矢印44、45方向に移動しはじめるようになる。
【0093】
一方、T型レンチ54を挿入具52aに差し込んで挿入具52aを逆に回転させ、挿入具52aを矢印74方向に後退させる。このとき、ロッド11がコーナー部材113に向かう方向の力の方が、ロッド12がコーナー部材113に向かう方向の力よりも大きいとすると、挿入具52aの矢印74方向への後退につれて、ロッド11は、矢印43方向へ移動する。
【0094】
そして、ロッド11がコーナー部材113に向かう方向の力と、ロッド12がコーナー部材113に向かう方向の力とが釣り合うようになると、挿入具52aの矢印74方向への後退に連れて、ロッド11とロッド12とは、それぞれ、矢印43、46方向に均等に移動しはじめる。
【0095】
図2〜図4、図8図示の実施形態が、図1、図7図示の実施形態と更に相違している点は、移動機構を備えているコーナー部材に対向する位置のコーナー部材に延びてきている2本のロッドの各端が、当該コーナー部材に固定されている点である。
【0096】
すなわち、図2図示の実施形態では、移動機構を備えているコーナー部材2に対向する位置のコーナー部材103に延びてきている2本のロッド11、12の各端が、コーナー部材103に固定されている。図示の実施形態では、ロッド11、12の端部に形成されている鍔部21、26がそれぞれ嵌装される溝部103b、103aがコーナー部材103に形成されており、ロッド11の端部の鍔部21が溝部103bに嵌装され、ロッド12の端部の鍔部26が溝部103aに嵌装されて、2本のロッド11、12の各端がコーナー部材103に固定されている。
【0097】
図2図示の実施形態の張設具には、図1図示の実施形態と同様の伝達機構が配備されている。
【0098】
図2図示の実施形態の張設具は、図1図示の実施形態の張設具と比較して、構造が簡単になり、部品点数が少なくてすむので、製造コストの低下を図れるという点で有利である。
【0099】
図3図示の実施形態が、図2図示の実施形態と相違している点は、コーナー部材4、5(図2)の形態である。
【0100】
図2図示の実施形態におけるコーナー部材4、5に対応する図3図示の実施形態におけるコーナー部材104、105においては、図2図示の場合のカム機構に代えて、リンク機構が採用されている。
【0101】
すなわち、ロッド10、13とリンク片107とがピン112を介して、ロッド11、12とリンク片106とがピン109を介してそれぞれ結合され、コーナー部材104、105に突設されているピン110にリンク片108が回動可能に取り付けられ、これらのピン109、110、112とリンク片106、107、108及び、ピン111によってリンク機構が形成されている。
【0102】
このように、図2図示の実施形態におけるコーナー部材4、5に対応する図3図示の実施形態におけるコーナー部材104、105に、図2図示の場合のカム機構に代えて、リンク機構が採用されている場合であっても、本発明の張設具に備えられている伝達機構は、図1図示の実施形態で説明した動作を行うことができる。
【0103】
すなわち、例えば、ロッド13が矢印48方向に移動すると、コーナー部材105に配備されているリンク機構によって、ロッド12が矢印46方向に移動する。すなわち、コーナー部材105に向かって延びている2本のロッド13、12の中の一方のロッド13のコーナー部材105に向かう方向の移動が、他方のロッド12のコーナー部材105から離れる方向への移動に変換される また、ロッド10が矢印42方向に移動すると、コーナー部材104に配備されているリンク機構によって、ロッド11が矢印44方向に移動する。すなわち、コーナー部材104に向かって延びている2本のロッド11、10の中の一方のロッド10のコーナー部材104から離れる方向への移動に他方のロッド11のコーナー部材104に向かう方向の移動が追随することになる。
【0104】
同様に、ロッド13が矢印47方向に移動すると、コーナー部材105に配備されているリンク機構によって、ロッド12が矢印45方向に移動する。すなわち、前記の伝達機構によって、コーナー部材105に向かって延びている2本のロッド12、13の中の一方のロッド13のコーナー部材105から離れる方向への移動に他方のロッド12のコーナー部材105に向かう方向の移動が追随する。
【0105】
また、ロッド10が矢印41方向に移動すると、コーナー部材105に配備されているリンク機構によって、ロッド11が矢印43方向に移動する。すなわち、前記の伝達機構によって、コーナー部材104に向かって延びている2本のロッド10、11の中の一方のロッド10のコーナー部材104に向かう方向の移動が、他方のロッド11のコーナー部材104から離れる方向への移動に変換される。
【0106】
図3図示の実施形態の張設具は、図2図示の実施形態の張設具と比較して、使用する弾性部材の数を減らすことができる。
【0107】
図4図示の実施形態は、前述したように、移動機構の形態が、図1〜図3図示の実施形態と相違しているだけで、その他の構造、形態は、図3図示の実施形態と同一である。
【0108】
図4図示の実施形態の張設具は、図3図示の実施形態の張設具と比較して、使用する弾性部材の数を減らすことができる。
【実施例3】
【0109】
図5は、この発明の張設具の更に他の一例を表す一部を破切し、一部を省略した平面図である。
【0110】
図5図示の実施形態が図1図示の実施形態と相違している点は、移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材2、3と、隣接する各コーナー部材204、205との間にそれぞれ配置されている各ロッド10、11、12、13の、前記隣接するコーナー部材204、205に向かって延びている側の端が、前記隣接するコーナー部材に204, 205それぞれ固定されている点である。
【0111】
すなわち、図5図示の実施形態では、移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材2、3と、隣接する各コーナー部材204、205との間にそれぞれ配置されている各ロッド10、11、12、13の、前記隣接するコーナー部材204、205に向かって延びている側の端が、前記隣接するコーナー部材に204, 205それぞれ固定されている。図示の実施形態では、ロッド10、11、12、13の端部に形成されている鍔部15、20、27、32がそれぞれ嵌装される溝部204b、204a、205b、205aがコーナー部材204、205に形成されている。そして、ロッド10の端部の鍔部15が溝部204bに嵌装され、ロッド11の端部の鍔部20が溝部204aに嵌装されて、2本のロッド10、11のコーナー部材204に向かって延びている側の端がコーナー部材204に固定されている。また、ロッド12の端部の鍔部27が溝部205bに嵌装され、ロッド13の端部の鍔部32が溝部205aに嵌装されて、2本のロッド12、13のコーナー部材205に向かって延びている側の端がコーナー部材205に固定されている。
【0112】
したがって、図5図示の実施形態の張設具には、移動機構を備えている一組の対向するコーナー部材に隣接する各コーナー部材に向かって延びている2本のロッドの中のどちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該隣接する各コーナー部材から離れる方向への移動に他方のロッドの当該隣接する各コーナー部材に向かう方向の移動を追随させる伝達機構は配備されていない。
【0113】
その他、図1図示の実施形態における構成要素と共通する部分には共通する符号を付けてその説明を省略する。
【0114】
図5図示の実施形態の張設具は、図1図示の実施形態の張設具と比較して、構造が簡単になり、部品点数が少なくてすむので、製造コストの低下を図れるという点で有利である。
【実施例4】
【0115】
図6は、この発明の張設具の更に他の一例を表す一部を破切した平面図である。
【0116】
図6図示の張設具においては、4個のコーナー部材の中の一つのコーナー部材303に、隣接する2つのコーナー部材104、105の中の一方のコーナー部材105との間に配置されているロッド12の端12aに常に当接し、当該ロッド12を当該一方のコーナー部材105の方向(矢印45方向)に向けて移動させる移動機構が配備されている。そして、隣接する2つのコーナー部材104、105の中の他方のコーナー部材105との間に配置されているロッド11の端と、この移動機構を備えているコーナー部材303との間は固定的に接続されている。
【0117】
すなわち、移動機構を備えているコーナー部材303において、T型レンチ54を挿入具81に差し込んで挿入具81を回転させ、挿入具81を矢印79方向に前進させると、隣接するコーナー部材105との間に配置されているロッド12が、コーナー部材105の方向(矢印45方向)に向けて移動する。また、挿入具81を逆方向に回転させると、挿入具81が矢印80方向に後退し、隣接するコーナー部材105との間に配置されているロッド12が、コーナー部材105から離れる方向(矢印46方向)に向けて移動する。
【0118】
この図6図示の実施形態の張設具では、移動機構を備えているコーナー部材303以外の各コーナー部材105、202、104に、図3図示の実施形態におけるコーナー部材104、105に備えられていたリンク機構が配備されている。
【0119】
そこで、図6図示の実施形態の張設具には、コーナー部材105、202、104に向かって延びている2本のロッドの中のどちらか一方のロッドの当該各コーナー部材105、202、104に向かう方向の移動を、他方のロッドの当該各コーナー部材105、202、104から離れる方向への移動に変換すると共に、前記どちらか一方のロッドの当該各コーナー部材105、202、104から離れる方向への移動に他方のロッドの当該各コーナー部材105、202、104に向かう方向の移動を追随させる伝達機構が配備されていることになっている。
【0120】
その他、図1図示の実施形態における構成要素と共通する部分には共通する符号を付けてその説明を省略する。
【0121】
図6図示の実施形態の張設具は、図1図示の実施形態の張設具と比較して、使用する弾性部材の数を少なくすることができる。
【実施例5】
【0122】
図1、図7図示の本発明のシート状素材の張設具1に、スクリーン印刷で使用されるメタルシートであって、図9(a)図示のように、周縁に掛合孔92、93を備えているシート状素材91を張設する場合について説明する。
【0123】
図9(a)、図13(a)図示のメタルシート91は、四隅が内側に湾曲するように破切されている。この破切部510は、メタルシート91の四周を折り返す場合などに、四隅で折り返し部が重なり合うのを防止する上で有効である。
【0124】
なお、本発明のシート状素材の張設具1には、図10、図14に示すように、4つのコーナー部材2、3、4、5の内側にそれぞれ、前記破切部510に対応する形状の突設片511を配備しておくことができる。
【0125】
この突設片511は、シート状素材91をシート状素材の張設具1に張設する際、作業している者が手などに怪我をする危険を少なくする上で有効である。
【0126】
シート状素材の張設具1の各枠材6、7、8、9から内側に向けて内側片6a、7a、8a、9aが延設され、この内側片6a、7a、8a、9a上に、掛合突起90が突設されている。
【0127】
この掛合突起90が突設されている形態は、図10図示のように、直線状に配置されている形態にすることもできるし、図14図示のように、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている形態にすることもできる。
【0128】
図10図示のように、掛合突起90が、少なくともその外側の端縁の位置が直線になるようにして配置されている場合、シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93は、図9(a)図示のように、少なくともその外側の端縁の位置が、張設具1の内側に向かって凸湾する円弧状に配置されている形態にすることが望ましい。
【0129】
すなわち、図10図示のように、掛合突起90は、少なくともその外側の端縁の位置が、シート状素材の張設具1の中心から各枠材6、7、8、9に下ろした直線に直交する直線状に位置するように配置されている。
【0130】
一方、シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93は、図9(a)図示のように、内側片6a、7a、8a、9aの外側に配置されている掛合孔93の外側の端縁の位置が、より外側に位置し、内側片6a、7a、8a、9aの内側に配置されている掛合孔92の外側の端縁の位置が、より内側に位置している。こうして、掛合孔92、93は、少なくともその外側の端縁の位置が、張設具1の内側に向かって凸湾する円弧状に配置されている。
【0131】
そこで、図9(a)図示のシート状素材91を図10図示の張設具1に仮張設すると、掛合突起90と、掛合孔92、93との関係は、図11に示したようになる。
【0132】
ここで、実施例1で説明したように張設、張力調整動作を行うと、掛合突起90と、掛合孔92、93との関係は、図12に示したようになり、シート状素材91の全体にわたって、均一の張力(テンション)で張設することができる。
【0133】
シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93を、少なくともその外側の端縁の位置が、張設具1の内側に向かって凸湾する円弧状に配置されるようにするために、図9(a)、図9(c)図示のように、内側片6aの外側に配置されている掛合孔93を楕円形状あるいは長円状に形成することができる。この他に、内側片6aの外側に配置されている掛合孔93を、図9(b)図示のように、内側片6aの内側に配置されている掛合孔92より径の大きい真円状にすることができる。また、図9(d)図示のように、大きい径の円の上に小さい径の円が重ねられている形態の雪だるま状にして、小さい径の円の方が、シート状素材91の外周縁に向かうようにすることもできる。更に、図9(e)図示のように、先細の涙状にして、先細の先端が、シート状素材91の外周縁に向かうようにすることもできる。
【0134】
図14図示のように、掛合突起90が、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている形態の場合、シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93は、図13(a)図示のように、その外側の端縁の位置が直線状に位置し、その内側の端縁の位置が、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている形態にすることが望ましい。
【0135】
すなわち、図14図示のように、掛合突起90は、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている。
【0136】
一方、シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93は、図13(a)図示のように、その外側の端縁の位置が、シート状素材の張設具1の中心から各枠材6、7、8、9に下ろした直線に直交する直線状に位置するように配置されている。
【0137】
そして、内側片6a、7a、8a、9aの外側に配置されている掛合孔93の内側の端縁の位置が、より内側に位置し、内側片6a、7a、8a、9aの内側に配置されている掛合孔92の内側の端縁の位置が、より外側に位置している。こうして、掛合孔92、93は、少なくともその内側の端縁の位置が、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている。
【0138】
そこで、図13(a)図示のシート状素材91を図14図示の張設具1に仮張設すると、掛合突起90と、掛合孔92、93との関係は、図15に示したようになる。
【0139】
ここで、実施例1で説明したように張設、張力調整動作を行うと、掛合突起90と、掛合孔92、93との関係は、図16に示したようになり、シート状素材91の全体にわたって、均一の張力(テンション)で張設することができる。
【0140】
シート状素材91の周縁に配備されている掛合孔92、93を、図13(a)図示のように、その外側の端縁の位置が直線状に位置し、その内側の端縁の位置が、張設具1の外側に向かって凸湾する円弧状に配置されている形態にするために、図13(a)、図13(c)図示のように、内側片6aの外側に配置されている掛合孔93を楕円形状あるいは長円状に形成することができる。この他に、内側片6aの外側に配置されている掛合孔93を、図13(b)図示のように、内側片6aの内側に配置されている掛合孔92より径の大きい真円状にすることができる。また、図13(d)図示のように、大きい径の円93bの上に小さい径の円93aが重ねられている形態の雪だるま状にして、小さい径の円93aの方が、シート状素材91の外周縁に向かうようにすることもできる。更に、図9(e)図示のように、先細の涙状にして、先細の先端が、シート状素材91の外周縁に向かうようにすることもできる。
【0141】
シート状素材の張設具1の各枠材6、7、8、9から内側に向けて延設されている内側片6a、7a、8a、9aは、以下に述べるとおり、シート状素材の張設具1の内側上方に向けて斜めに配備されている形態(図17(a)図示)にすることが望ましい。
【0142】
図17(a)図示のように、シート状素材91の掛合孔92を、内側片6a、9a上に突設されている掛合突起90に掛合させ、はめ込み具94で矢印501、502方向に押さえつけ、図17(b)図示のように、矢印503、504方向へ張力調整して張設する。内側片7a、9aがシート状素材の張設具1の内側上方に向けて斜めに配備されているので、図17(c)図示のように、シート状素材91は、内側片7a、9aの上端縁で支持され、水平状態に張設される。そして、このとき、掛合突起90の上端は、図17(c)図示のように、水平状態に張設されたシート状素材91の面より上に突出しないようになる。
【実施例6】
【0143】
図18(a)、(b)、図19(a)、(b)は、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材91が、スクリーン印刷で使用されるメタルシートであって、図22図示のように、周縁に溝97を備えているものであって、各枠材6、7、8、9の上側に溝97と掛合する突条96が配備されている形態においてシート状素材91を張設する場合を説明するものである。
【0144】
図18(a)、(b)の形態と、図19(a)、(b)の形態とでは、各枠材6、7、8、9の上側に配備されている突条96が傾斜する方向が相違し、これに応じて、シート状素材91の周縁に配備されている溝97に係合するのが、図18(a)、(b)図示の形態の場合は外側、図19(a)、(b)図示の形態の場合は内側になっている。
【0145】
いずれにせよ、シート状素材の張設具1の枠材6、7、8、9を矢印501、502方向から押して突条96を溝97内に押し込み、実施例1で説明したように、矢印505、506方向へ張設、張力調整動作を行うと、図18(b)、図19(b)図示のように、シート状素材91の全体にわたって、均一の張力(テンション)で張設することができる。
【0146】
図20(a)、(b)、図21(a)、(b)は、シート状素材の張設具1に張設されるシート状素材91が、スクリーン印刷で使用されるメタルシートであって、図23図示のように、周縁に突条99を備えているものであって、各枠材6、7、8、9の上側に突条99と掛合する溝98が配備されている形態においてシート状素材91を張設する場合を説明するものである。
【0147】
図20(a)、(b)の形態と、図21(a)、(b)の形態とでは、各枠材6、7、8、9の上側に配備されている溝97が傾斜する方向が相違し、これに応じて、シート状素材91の周縁に配備されている突条99に係合するのが、図20(a)、(b)図示の形態の場合は外側、図21(a)、(b)図示の形態の場合は内側になっている。
【0148】
いずれにせよ、シート状素材の張設具1の枠材6、7、8、9を矢印501、502方向から押して突条99を溝98内に押し込み、実施例1で説明したように、矢印507、508、505、506方向へ張設、張力調整動作を行うと、図20(b)、図21(b)図示のように、シート状素材91の全体にわたって、均一の張力(テンション)で張設することができる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
この発明のシート状素材の張設具は、金属、樹脂、皮革などからなるシート状、メッシュ状、板状、線状、等々の素材を張設する道具として用いることができる。
【0150】
たとえば、以下のような用途がある。
【0151】
スクリーン印刷などの印刷の分野において画像を形成する印刷版を形成する道具や、絵画用キャンパスを形成する道具として使用できる。これらの場合、この発明のシート状素材の張設具によれば、張設するシート状素材の脱着を簡単に行うことができるので、省スペース化を図ることができる。
【0152】
看板表示パネルの枠体や、印刷物表示パネルの枠体、額縁の枠体、ポスター・旗を張設する枠体として使用できる。これらの場合も、この発明のシート状素材の張設具によれば、張設するシート状素材の脱着を簡単に行うことができるので、省スペース化を図ることができる。
【0153】
真空密着用シートや、写真フィルムを張設するフレームとして用いる。
【0154】
液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル、有機EL表示パネル、映像投射用スクリーン、ステンドグラス・照明器具等の透過光パネルなどのディスプレイパネルを張設する道具として用いる。
【0155】
窓枠として用いる。
【0156】
テント、窓、ドア、網戸、壁、天井、床、塀、屋根、パーテションなどを張設する道具として用いる。建築、建設関係の用途である。
【0157】
テーブル、棚、物品の乾燥に用いられる台、物品を積載する台、パーテション、カーテンなどを張設する道具として用いる。家具として用いる用途である。
【0158】
ベッドのマットレス部、椅子の座部を張設する道具として用いる。この場合、張力を任意に変更して、ベッドや椅子の堅さを調整することができる。
【0159】
鏡面体を張設する道具として用いる。この発明のシート状素材の張設具によれば、鏡面加工した素材を所望の張力で張設することができる。この場合、良好な平面性を保つことができ、また大型化や軽量化に柔軟に対応することができる。
【0160】
アンテナを張設する道具として用いる。
【0161】
スポーツの分野において、ラケットのガットを張設する際、や、トランポリンのネットを張設する際、標的を張設したり、球技用の反発壁、バリケードなどを張設する際に使用することができる。
【0162】
打楽器の革、弦楽器・鍵盤楽器の共鳴板、スピーカコーンなどを張設する道具として用いる。
【0163】
航空機の羽根やプロペラを張設する道具、風力発電用の回転翼を張設する道具として用いる。
【0164】
養殖などに用いる漁網を張設する道具のように、網状・メッシュ状部材を張設する道具、線状・ひも状体を張設する道具などとして用いる。この場合、このように、網状・メッシュ状部材、線状・ひも状体を張設し、この上に置いた物品を乾燥する用途に使用できる。また、網状・メッシュ状部材を張設して、料理の裏ごしに使用できる。
【0165】
また、航空機用の軽量化パネルを張設する道具として用いることもできる。この発明の張設具によれば、張設するシート状素材に対してあらゆる方向から張力を働かせることができるので有利である。
【0166】
その他、本発明の張設具の機構は、締付け工具、引き離し工具、万力などの機械器具の分野や、トンネル工事、護岸工事、坑木設置などの土木建築分野に応用することができる。
【符号の説明】
【0167】
1 シート状素材の張設具
2,3,4,5 コーナー部材
6,7,8,9 枠材
6a,7a,8a,9a 内側片
10,11,12,13 ロッド
10a ロッド10の端
10b ロッド10の先端
11a ロッド11の端
11b ロッド11の先端
12a ロッド12の端
12b ロッド12の先端
13a ロッド13の端
13b ロッド13の先端
14,15 ロッド10の両端側に配備されている鍔
16 コーナー部材2の外縁
18 弾性体(バネ)
17 コーナー部材4の外縁
19 弾性体(バネ)
20,21 ロッドの両端側に配備されている鍔
22 コーナー部材4の外縁
23 コーナー部材3の外縁
24 弾性体(バネ)
25 弾性体(バネ)
26,27 ロッドの両端側に配備されている鍔
28 コーナー部材の外縁
29 コーナー部材5の外縁
30 弾性体(バネ)31 弾性体(バネ)
32,33 ロッド13の両端側に配備されている鍔
34 コーナー部材5の外縁
35 コーナー部材2の外縁
36 弾性体(バネ)
37 弾性体(バネ)
51 挿入具
51a 挿入具
52 挿入具
52a 挿入具
53,54 T型レンチ
55,56 球体
57,58 螺子
59,62 T型レンチ
60,61 螺子
63 カム
63a カム63の一側面
63b カム63の他側面
64 コーナー部材4に固定されている支軸
67 カム
67a カム67の一側面
67b カム67の他側面
68 コーナー部材5に固定されている支軸
90 掛合突起
91 シート状素材
92,93 掛合孔
96 溝
97と掛合する突条
97 シート状素材91の周縁に配備されている溝
98 突条99と掛合する溝
99 シート状素材91の周縁に配備されている突条
104,105 コーナー部材
114,115,120 リンク片
116,117,118,119 ピン
131 シート状素材91の4つの角部に配備されている掛止孔
130 コーナー部材の上側に配備されている突起
103b,103a 溝部
104,105 コーナー部材
106,107,108 リンク片
109,110,111,112 ピン
204,205 コーナー部材
204a,204b,205a,205b 溝部
303 コーナー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の四隅の位置に配置される2本の脚を有するL字形状の4個のコーナー部材;
両端がコーナー部材に支持されて隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ架設され、隣接するコーナー部材同士の間を隣接するコーナー部材の方向に移動することが可能で、かつ、対向する枠材との関係では両端を支持している隣接する2つのコーナー部材と共に対向する枠材に近づく方向あるいは離れる方向に移動可能な4本の中空の枠材;
前記各枠材の中を通って隣接するコーナー部材の脚に各々挿通される4本のロッド;
前記各枠材はシート状素材の周縁部又はシート状素材が張設された枠体が掛合される掛合部を有し;
前記コーナー部材の対向する2つが隣接する2個のコーナー部材との間に各々配置されている2本のロッドを隣接する各々のコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構を備え;
前記移動機構を備えているコーナー部材に隣接する2個のコーナー部材が各々の脚に挿通されたロッドの移動方向を前記移動機構を備えているコーナー部材に対向するコーナー部材に向かうロッドの移動方向に変換する伝達機構を備えていることを特徴とする;シート状素材張設具。
【請求項2】
前記移動機構が、前記移動機構を備えているコーナー部材の外側の角部と前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具を有し;
前記挿入具の先端と前記隣接する2個のコーナー部材に向かっている2本のロッドとの間に球体が介在していることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項3】
前記移動機構が、前記移動機構を備えているコーナー部材の外側の角部と前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具を有し;
前記コーナー部材の各脚に挿通された2本のロッドが前記挿入具に連結されていることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項4】
前記伝達機構が前記コーナー部材に固定されている支軸に回転可能に取り付けられたカムであり、
前記カムの両面に各々前記2本のロッドの先端が当接していることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項5】
前記伝達機構が前記コーナー部材に固定されている支軸に回転可能に取り付けられたリンク機構であり、
前記リンク機構は3個の連結片の各々の一端が連結され、3個の連結片各々の他端は前記支軸及び前記ロッドに連結されていることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項6】
前記伝達機構は、前記脚に挿通されたロッドの端部を連結固定していることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項7】
前記シート状素材の周縁部が掛合される掛合部が前記枠材に設けられた複数の掛合突起であり、前記複数の掛合突起が前記張設具の内側に凹湾して配置されたことを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項8】
前記枠材の中空部に所定の間隔を開けて配置され透孔が形成された支持体を有し、前記ロッドが前記透孔を通って支持されていることを特徴とする、請求項1のシート状素材張設具。
【請求項9】
四角形の四隅の位置に配置される2本の脚を有するL字形状の4個のコーナー部材;
両端がコーナー部材に支持されて隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ架設され、隣接するコーナー部材同士の間を隣接するコーナー部材の方向に移動することが可能で、かつ、対向する枠材との関係では両端を支持している隣接する2つのコーナー部材と共に対向する枠材に近づく方向あるいは離れる方向に移動可能な4 本の枠材;
前記各枠材の中を通って隣接するコーナー部材の脚に各々挿通される4本のロッド;
前記各枠材はシート状素材の周縁部又はシート状素材が張設された枠体が掛止される掛止部を有し;
前記コーナー部材の1つが隣接する2個のコーナー部材との間に各々配置されている2本のロッドを隣接する各々のコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構を備え;
前記移動機構を備えているコーナー部材に隣接する2個のコーナー部材が各々の脚に挿通されたロッドの移動方向を前記移動機構を備えているコーナー部材に対向するコーナー部材に向かうロッドの移動方向に変換する伝達機構を備え;
前記移動機構を備えているコーナー部材に対向する位置のコーナー部材はその脚に2本のロッドの各端が固定されていることを特徴とする;
シート状素材張設具。
【請求項10】
前記移動機構が、前記移動機構を備えているコーナー部材の外側の角部と前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具を有し;
前記挿入具の先端と前記隣接する2個のコーナー部材に向かっている2本のロッドとの間に球体が介在していることを特徴とする、請求項9のシート状素材張設具。
【請求項11】
前記移動機構が、前記移動機構を備えているコーナー部材の外側の角部と前記4個のコーナー部材で形成される四角形の中心側とを結ぶ方向で移動可能な挿入具を有し;
前記コーナー部材の各脚に挿通された2本のロッドが前記挿入具に連結固定されていることを特徴とする、請求項9のシート状素材張設具。
【請求項12】
前記シート状素材の周縁部が掛合される掛合部が前記枠材に設けられた複数の掛合突起であり、前記複数の掛合突起が前記張設具の内側に凹湾して配置されたことを特徴とする、請求項9のシート状素材張設具。
【請求項13】
前記枠材の中空部に所定の間隔を開けて配置され透孔が形成された支持体を有し、前記ロッドが前記透孔を通って支持されていることを特徴とする、請求項9のシート状素材張設具。
【請求項14】
四角形の四隅の位置に配置される2本の脚を有するL字形状の4個のコーナー部材;
両端がコーナー部材に支持されて隣接する2つのコーナー部材の間にそれぞれ架設され、隣接するコーナー部材同士の間を隣接するコーナー部材の方向に移動することが可能で、かつ、対向する枠材との関係では両端を支持している隣接する2つのコーナー部材と共に対向する枠材に近づく方向あるいは離れる方向に移動可能な4 本の枠材;
前記各枠材の中を通って隣接するコーナー部材の脚に各々挿通される4本のロッド;
前記各枠材はシート状素材の周縁部又はシート状素材が張設された枠体が掛止される掛止部を有し;
前記コーナー部材の1つが隣接する1個のコーナー部材との間に配置されているロッドを前記1個のコーナー部材の方向に向けて移動させる移動機構と隣接するもう一つのコーナー部材との間に配置されるロッドの端部を連結固定し;
前記移動機構を備えているコーナー部材以外の3個のコーナー部材が各々の脚に挿通されたロッドの移動方向を前記移動機構を備えているコーナー部材に対向するコーナー部材に向かうロッドの移動方向に変換する伝達機構を備え;
前記移動機構を備えているコーナー部材に対向する位置のコーナー部材はその脚に2本のロッドの各端が連結固定されていることを特徴とする;シート状素材張設具。
【請求項15】
前記伝達機構が前記コーナー部材に固定されている支軸に回転可能に取り付けられたカムであり、
前記カムの両面に各々前記2本のロッドの先端が当接していることを特徴とする、請求項14のシート状素材張設具。
【請求項16】
前記伝達機構が前記コーナー部材に固定されている支軸に回転可能に取り付けられたリンク機構であり、
前記リンク機構は3個の連結片の各々の一端が連結され、3個の連結片各々の他端は前記支軸及び前記ロッドに連結されていることを特徴とする、請求項14のシート状素材張設具。
【請求項17】
前記シート状素材の周縁部が掛合される掛合部が前記枠材に設けられた複数の掛合突起であり、前記複数の掛合突起が前記張設具の内側に凹湾して配置されたことを特徴とする、請求項14のシート状素材張設具。
【請求項18】
前記枠材の中空部に所定の間隔を開けて配置され透孔が形成された支持体を有し、前記ロッドが前記透孔を通って支持されていることを特徴とする、請求項14のシート状素材張設具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−201939(P2010−201939A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130198(P2010−130198)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【分割の表示】特願2010−106325(P2010−106325)の分割
【原出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(391025431)
【Fターム(参考)】