説明

シールド付屋内配線用ケーブル

【目的】 屋内配線用ケーブルに外来雑音を軽減させ、隣接する通信ケーブルへの影響を低減させる機能を備えるようにする。
【構成】 軟銅単線または軟銅より線にビニルを被覆し、その心線となるビニル絶縁電線を平行に並べて、その上にシールドを施し外部にビニルシースを被覆した電線。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、外来雑音による屋内配線への影響軽減と隣接する通信ケーブルへの誘導障害を低減することが出来る600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)の電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、VVFは電力を運ぶ電線として使用されており、屋内に張りめぐらされたケーブルが雑音を拾った場合接続機器側で防御手段を講じるか、外来雑音の原因を取り除くか、または原因となるものを緩和させる措置(例えば電子機器本体入口に緩和機器を取り付けたり通信ケーブルを遮蔽付にしたりする。)を取る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
屋内配線されたVVFに接続された電子機器の誤動作軽減と、配線用ケーブルを利用した通信信号を外来雑音から防ぐのが課題となる。
【0004】
【課題を解決しようとするための手段】
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)の心線となるビニル絶縁電線に密接して、すずめっき軟銅線を使用して編組遮蔽をほどこし、外部導体を形成しその上にビニルシース被覆を施す。
【0005】
【作用】
遮蔽を施す事により、屋内配線の導体内部に乗ってくる外来雑音を防御することができる。
【0006】
更に隣接された通信ケーブルに対して静電誘導による雑音の影響を軽減できる。
【0007】
【実施例】
一般的なVVFに使用される単線の軟銅線1.6mmに、ビニル絶縁体を被覆した心線2本を並列に配置した上に、シールドを施す(図1)。
【0008】
シールドの方法は、銅編組・銅テープ・鉄テープ・アルミマイラテープ等の種類が有るが、可とう性が有りアースの取りやすい、すずめっき軟銅線を使用した編組方式で実施した。
素線の径は0.12mmを用い5本持ちの16打ち、を行いピッチは30倍とし編組密度を70%とした(図2)。
【0009】
更に、この上にビニルシースを被覆し完成品が得られた(図3)。
【0010】
【考案の効果】
本考案の屋内配線用ケーブルを布設をした場合(片端接地)、図4の布設簡略図より通信ケーブルとの間および対地間の静電容量により数1が発生するが、遮蔽層を接地して有れば、容量C0が小さくなり、従って電圧V1も小さくなる事により隣接した信号線への誘導による障害を抑えられ、また外部から来る雑音の侵入をも抑えられるようになる。
一般に編組遮蔽では、静電誘導に対して−40dB(0〜10KHz)の効果があるが、電磁誘導に対する効果が編組では、望めないので可とう性は悪く成るがシールド方法を銅テープ・鉄テープ・アルミマイラテープ等を採用する事により−3dB(50〜60Hz)の電磁誘導対策の効果が望まれるVVFケーブルも可能となる。
【0011】
【数1】


【図面の簡単な説明】
【図1】シールド付屋内配線用ケーブルの絶縁体を2本並べた状態の傾斜図
【図2】絶縁体上に編組シールドを施した部分の傾斜図
【図3】本考案のシールド付屋内配線用ケーブルの傾斜図
【図4】シールド付屋内配線用ケーブルの布設簡略図
【符号の説明】
1 導体
2 絶縁体
3 編組遮蔽
4 シース
5 本考案のシールド付屋内配線用ケーブル
6 通信ケーブル
C0 線間容量
C1 対地間容量
V0 線間電圧
V1 対地間電圧

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 屋内配線において使用される600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)構造の絶縁体上にシールドを施した電線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3081928号(U3081928)
【登録日】平成13年9月5日(2001.9.5)
【発行日】平成13年11月22日(2001.11.22)
【考案の名称】シールド付屋内配線用ケーブル
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−4079(U2001−4079)
【出願日】平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願人】(594140535)カワイ電線株式会社 (1)