説明

シールド設計情報管理システム

【課題】 シールド機の構成部品に関するリサイクル情報を共有化して、シールド機製作において経済的かつ効率的な構成部品調達を可能とする情報管理システムを提供する。
【解決手段】 シールド施工後に分解したシールド機の構成部品について、各構成部品の使用点検確認を行う試験手段と、使用可能な構成部品についてリサイクル構成部品情報としてデータベース化しておくリサイクル部品管理システムと、必要とされる構成部品を判断し設計部品情報を決定する設計システムと、リサイクル部品管理システムのデータベースから検索を行い、設計部品情報を含む調達部品情報を決定し構成部品の調達を行う部品調達管理システムと、スケジュール管理を行う製作工程管理システムと、を備えており、該リサイクル部品管理システム、該設計システム、該部品調達管理システムおよび該製作工程管理システムのいずれもが、通信ネットワークにそれぞれ接続されているシールド設計情報管理システム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド施工(トンネル掘削工事)に用いるシールド機の設計情報管理システムに関し、さらに詳しくは、シールド機に用いられる構成部品(構成機器)のリサイクル技術をサポートする情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド機によるシールド施工が終了したら現地で該シールド機を分解し、使用可能な部品をメーカが低価格で買い取り、出来るだけリサイクルを行うことが行われる。しかしながら、シールド機の各構成部品(構成機器)のデータベース管理が十分ではなく、さらに新規製作段階で、リサイクル部品を有効に活用することは未だ出来ていない。
また、CAD、工程管理、部品管理、遠隔監視などは、シールド施工に対してそれぞれ個別に行っている状況であり、データを共有化して、効率化を図る試みは十分になされていない。さたに、顧客(客先)から機器の不具合について連絡があっても、対応する図面、データ、情報を揃えるのにかなりの時間を要し、対応が遅れてしまうのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、シールド機の構成部品に関するリサイクル情報を共有化して、シールド機製作において経済的かつ効率的な構成部品調達を可能とする情報管理システムを開発すべく、鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、シールド施工後に分解したシールド機の構成部品について、その後の調達・設計等の各システムを効果的に通信ネットワークと接続して、情報を共有化することによって、かかる問題点が解決されることを見出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、各構成部品の使用確認を行う点検・試験手段と、使用可能な構成部品についてリサイクル構成部品情報としてデータベース化しておくリサイクル部品管理システムと、設計部品情報を決定する設計システムと、該設計部品情報を含む調達部品情報を決定し構成部品の調達を行う部品調達管理システムと、スケジュール管理を行う製作工程管理システムと、を備えており、該リサイクル部品管理システム、該設計システム、該部品調達管理システムおよび該製作工程管理システムのいずれもが通信ネットワークに接続されているシールド機の設計・情報管理システムを提供するものである。
【0005】
ここで、点検・試験手段では、シールド施工後に分解したシールド機の構成部品について、モータ、減速機、ジャッキ、電装品等の各構成部品の使用確認を行う。リサイクル部品管理システムでは、使用確認後の使用可能な構成部品について、そのデータである各構成部品名、仕様および試験評価結果等をリサイクル構成部品情報としてデータベース化して、登録管理する。設計システムでは、シールド機の設計に際して、設計ツールのCADを用いて必要とされる構成部品を判断し、各構成部品名およびその仕様等の設計部品情報を決定する。部品調達管理システムでは、設計システムによるシールド機製作で用いられる構成部品に関して、該リサイクル部品管理システムのデータベースからリサイクル構成部品情報に基づく構成部品の検索を行い、併せて行う新規購入品の検索との比較から極力リサイクル品を使用するように、該設計部品情報を含む調達部品情報(コスト、納期管理情報等を含む)を決定し、構成部品の調達を行う。製作工程管理システムでは、構成部品の納期をシールド機の製作・製造工程に合わせてスケジュール管理を行う。
【0006】
リサイクル部品管理システムは、データベース化したリサイクル構成部品情報を通信ネットワーク上のホームページに表示する表示手段を備える態様が好適である。この場合、部品調達管理システムにおいて、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報に基づく登録構成部品の検索を行うことができる。また、設計システムにおいて、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報に基づく登録構成部品の検索を行い、設計部品情報を決定することができる。
部品調達管理システムは、設計部品情報を含む調達部品情報を通信ネットワーク上のホームページに表示する表示手段を備えることもできる。表示手段はインターネットにアクセス可能なサーバであり、該サーバは調達部品情報を保存することができる。この場合、製作工程管理システムにおいて、該ホームページにアクセスして設計部品情報を含む調達部品情報の検索を行うことができる。
【0007】
本発明は、更に加えて、シールド機の施工データを収集する、データ記録手段と、該施工データを通信ネットワークを介して送信可能とする、表示手段と、該通信ネットワークにアクセスして施工データに基づいてシールド機の稼働状態を遠隔監視する、遠隔監視手段と、を備えるシールド設計情報管理システムとすることができる。この形態では、遠隔監視システムを設け、現地に設置したデータ記録PCからの施工データ、例えば、カッタトルク、カッタ回転数、推力、方向制御量、冷却水温度、音、作動油汚染等のデータをインターネットを介して、遠隔地で監視できるようにし、遠隔監視システムで施工中の掘進データの評価、不具合確認指示を可能にする。
ここで、表示手段はインターネットにアクセス可能なサーバであり、該サーバは施工データを保存することができると共にホームページに表示可能であることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、更に加えて、納品済みのシールド機に関する問い合わせが有った場合に、電話番号からユーザー名を検索して、過去の顧客名と対応付ける、顧客検索装置と、該顧客に納品済みのシールド機を特定するとともに、該シールド機に関する情報の検索・調査を行う、顧客製品検索システムと、を備えるシールド設計情報管理システムとすることができる。顧客製品検索システムは、通信ネットワークに接続されている。この形態では、顧客製品検索システムにおいて、通信ネットワークを介して前記部品調達管理システムにアクセスして、前記設計部品情報を含む調達部品情報を参照することができる。そして、前記遠隔監視手段により運転状況を確認して、必要とされる構成部品を決定し、前記部品調達管理システムを用いて該構成部品を調達することもできる。
【0009】
本発明は別の側面では、シールド施工後に分解したシールド機の構成部品について、各構成部品の使用点検確認を行う、試験工程と、使用点検確認後の使用可能な構成部品について、そのデータをリサイクル構成部品情報としてデータベース化して、登録管理しておく、リサイクル部品管理工程と、シールド機の設計に際して、設計ツールのCADを用いて必要とされる構成部品を判断し、設計部品情報を決定する、設計工程と、該設計システムによるシールド機製作で用いられる構成部品に関して、該リサイクル部品管理システムのデータベースからリサイクル構成部品情報に基づく構成部品の検索を行い、該設計部品情報を含む調達部品情報を決定し、構成部品の調達を行う、部品調達管理工程と、構成部品の納期をシールド機の製造工程に合わせてスケジュール管理を行う、製作工程管理と、を含むシールド設計情報管理方法でもある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報管理システムを用いれば、点検・試験を行って使用できると判断される構成部品(機器)を、リサイクル部品管理システムでデータ管理することで、部品調達管理システムでリサイクル部品を利用することが可能になる。これにより、低コストで最適な機器を用いてシールド機を製造できるようになる。そして、製作工程管理システムを用いることで、構成部品納期と製作工程が把握できるため、無駄を省き、効率的な製作・製造が可能になる。
また、遠隔監視システムを導入することにより、施工データを監視できるので、不具合の有無を確認できる。そして部品交換が必要になった場合、部品調達管理システムで補充・交換部品の検索が即座に行われるため、効率的なサービスが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係るシールド設計情報管理システムについて、添付図面を参照しながらその具体的な実施形態を詳細に説明する。
実施の形態(その1)
本実施の形態のシールド設計情報管理システムは、試験手段と、リサイクル部品管理システムと、設計システムと、部品調達管理システムと、製作工程管理システムと、を備えており、該リサイクル部品管理システム、該設計システム、該部品調達管理システムおよび該製作工程管理システムのいずれもが、通信ネットワークにそれぞれ接続されている。
図1に、本発明のシールド設計情報管理システムの構成の一例を模式的に示す。
【0012】
ここでは先ず、図4に基づき、本実施形態のシールド設計情報管理システムを適用するトンネル掘削機(シールド機)10の構成について説明する。
図4に示すように、トンネル掘削機10の後方には操作台車21と数台のパワーユニット・動力台車22が連結されており、トンネル掘削機10が見渡せる最前列の操作台車21には、トンネル掘削機10を運転制御するための操作盤23が搭載されている。また、パワーユニット・動力台車22には、トンネル掘削機10に搭載された油圧機器、アクチュエータ、電気モータに油圧及び動力を供給するための油圧供給設備24及び電力供給設備25が搭載されている。
図4に示すトンネル掘削機10の本体は、円筒形状をなす前胴12と後胴13とが連結ジャッキ(中折ジャッキ)により連結されており、前部にはカッタヘッド15が回転自在に装着されている。カッタヘッド15の前面には、多数のカッタビットが取り付けられるとともにコピーカッタが装着されている。一方、カッタヘッド15の後部にはリングギアが固定されている。そして、シールド機本体にはカッタ旋回モータ(図示せず)が取り付けられており、このカッタ旋回モータの駆動ギアと、リングギアとが噛み合っている。従って、カッタ旋回モータの作動により駆動ギアが回転駆動されると、リングギアとともにカッタヘッド15が回転する。
【0013】
また、シールド機10の本体にはカッタヘッド15の後方に位置してバルクヘッドが取り付けられ、このバルクヘッドとカッタヘッド15との間にチャンバ室が形成されている。一方、後部内周辺にはシールドジャッキ(図示せず)が円周方向に沿って複数並設されており、このシールドジャッキが掘進方向後方に伸長してスプレッダを既設セグメントSに押し付けることで、その反力によりシールド機本体を前進させることができる。また、シールド機本体の後部に装備された旋回リングにセグメントSを組立てるセグメントエレクタ装置が装着されている。
このようなトンネル掘削機10では、カッタ旋回モータによりカッタヘッド15を回転させながら、複数のシールドジャッキを伸長してスプレッダを既設セグメントSへ押し付け、その反力によって掘削機本体を前進させる。それにより、カッタヘッド15のカッタビットが前方の地盤を掘削し、掘削土砂がチャンバ内に取り込まれて排泥管またはスクリューコンベアから外部に排出される一方、エレクタ装置がセグメントSを継続して組み立てていく。
【0014】
本実施形態のシールド設計情報管理システムにおいては、図1に示すように、施工されてトンネル掘削工事に使用されたシールド機10を対象とする。
シールド施工(トンネル掘削工事)に使用されたシールド機10は、使用後に各構成部品に分解される(分解工事)。分解されたシールド機の各構成部品については、点検・試験装置(試験手段)1によって使用点検確認が行われる。使用確認を行う構成部品として具体的には、例えばモータ、減速機、ジャッキ、電装品等が挙げられる。試験手段1では、各構成部品について、摩耗量、交換部位の確認、専用装置によるモータ負荷試験、シールドジャッキ作動試験などが行われる。
この試験手段において、各構成部品が再利用可能か否かを判定し、使用可能な場合には、その構成部品について性能・仕様を確定する。
【0015】
使用点検確認後の使用可能な構成部品については、点検・試験装置1に基づく性能・仕様データをリサイクル構成部品情報としてデータベース化して、リサイクル部品管理システム2に登録管理しておく。リサイクル構成部品情報としては、例えば部品名称、型式、仕様、使用実績(使用期間等)、点検結果(出力等)、作動試験評価結果などが挙げられる。このリサイクル部品管理システム2では、データベース化したリサイクル構成部品情報をインターネット50上のホームページに表示する表示手段を備えている。これによって、再利用可能な構成部品についての情報が、インターネットを介して入手可能となる。但し、ホームページへのアクセスに関しては、必要に応じて、端末PCからID及びパスワードをもってホームページにアクセス可能とすることができ、セキュリティ管理を実施して関係者以外への閲覧を許可しないようにできる。
【0016】
一方、設計システム3では、通常シールド機の設計に際し、設計ツールのCADを用いて必要とされる構成部品を判断する。そして、設計部品を決定するわけであるが、この段階において、各構成部品についての具体的な仕様やその有無を確認しておきたい場合がある。本実施の形態のシステムでは、この設計システム3の端末PCがインターネット50に接続されているので、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報を入手可能である。このリサイクル登録された構成部品の検索を用いて、設計部品情報を決定することができる。これにより、実際の発注を行う段階から、かなり前の段階で既にリサイクル部品の使用を考慮に入れることが可能であり、設計の段階において経済性を十分配慮して仕様、性能を予測・決定することができる。設計部品情報としては、例えば構成部品がモータの場合には、定格出力、定格トルク、回転数等が挙げられ、構成部品がジャッキの場合には、ジャッキ圧力、推力、ストローク、スピード等が挙げられる。
【0017】
部品調達管理システム4では、設計システム3によって決定されたシールド機の各構成部品の設計部品情報に関して、リサイクル部品管理システムのデータベースからリサイクル構成部品情報と具体的に対比しながら、構成部品の検索を行う。この際、併せて新規作製購入する構成部品についても検索し、両者の比較検討を行う。比較検討を行う際には、上記した設計部品情報の他に、構成部品の価格(コスト)、在庫状況、発注からの納期(納期管理情報)などの情報を更に加えた、調達部品情報を考慮する必要がある。そして、コストの他、再資源利用や廃棄物減量の観点からも出来るだけリサイクル構成部品を使用するように、調達部品情報を決定する。この調達部品情報に基づいて各構成部品の調達を行う。
【0018】
部品調達管理システム4で用いるPC(パーソナルコンピュータ)は、インターネット50に接続されているので、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報を入手可能である。また、部品調達管理システム4では、設計部品情報を含む調達部品情報(コスト、納期など)をデータベース化して、インターネット50上のホームページに表示する表示手段を備えることもできる。これによって、後の製作工程管理などにおいて、シールド機製作に関する情報が、インターネットを介して何時でも入手可能となる。但し、ホームページへのアクセスに関しては、通常、端末PCからID及びパスワードをもってホームページにアクセス可能とし、セキュリティ管理を十分に実施して関係者以外への閲覧を一切許可しないようにする。
【0019】
製作工程管理システム5では、各構成部品の納期をシールド機の製造工程に合わせてスケジュール管理を行う。このスケジュール管理において、各構成部品についての具体的な発注状況、製作状況、在庫状況などを確認しておきたい場合がある。本実施の形態のシステムでは、この製作工程管理システム5の端末PCがインターネット50に接続されているので、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報あるいは調達部品情報(コスト、納期など)を何時でも入手可能である。この情報に基づいて、再度、シールド機の製造工程の変更や適正な納期管理を行うことができる。このような構成部品納期とシールド機製作工程の的確な把握により、トンネル工事の実施計画に合わせた効率的なシールド製作・製造が可能になる。
【0020】
実施の形態(その2)
本実施の形態のシールド設計情報管理システムは、上記実施の形態(その1)のシステムに更に加えて、トンネル掘削機の施工データを収集するデータ収集手段(データ記録PC7)と、該施工データを通信ネットワークを介して送信可能とする、表示手段と、該通信ネットワークにアクセスして施工データに基づいてシールド機の稼働状態を遠隔監視する、遠隔監視手段と、を備える。ここで、表示手段はインターネットにアクセス可能なサーバであり、該サーバは施工データを保存することができると共にホームページに表示可能である。
図2に、本発明のシールド設計情報管理システムの構成の一例を模式的に示す。
本実施の形態では、上記シールド機10の運転状況を図2に示す遠隔監視システム6により、外部(遠隔)の施工管理事務所又はトンネル掘削機メーカのサービス拠点などの監視場所から遠隔監視することができるようになっている。ここで図2に基づき、この遠隔監視システムについて説明する。
【0021】
シールド機10には、トンネル掘削現場でその稼働状況を監視する現場監視手段としての遠隔監視用のデータ記録PC(パーソナルコンピュータ)7が設置されている。この現地のデータ記録PC7には、操作盤から、上記カッタ旋回モータやシールドジャッキの運転データなどであるシールド機10の施工データが送られるようになっている。そして、データ記録PC7はモデム等を介して、通信ネットワーク(インターネット)50に接続されている。操作盤では、通常、主にカッタ旋回モータやシールドジャッキなどを操作することにより、トンネル掘削機10の掘進速度や掘進方向の制御などを行っている。そして、操作盤からデータ記録PC7へは、シールド機10の施工データとして、カッタ旋回モータのモータ電流、トルク、回転数等と、シールドジャッキのジャッキ圧力、推力、ストローク、スピード等と、チャンバの土圧計測信号、エレクタ操作信号などが送られる。データ記録PC7では、これらの施工データを保存する。また、データ記録PC7では、それぞれの施工データに対するしきい値が設定されており、これらのしきい値と施工データとを比較して、施工データがしきい値を越えたときには、これを警報情報として保存しておく。
【0022】
本実施形態では、シールド機10を用いたトンネル工事を施工するにあたり、工事現場と管理事務所とをインターネット50を介して接続し、必要なときに管理事務所から施工データおよび運転状況を監視できるようにしている。
図2に示すように、データ記録PC7は、通信ネットワークであるインターネット50と、ネットワーク接続手段としてのプロバイダーにより通信回線を介して接続されている。施工データを収集するデータ記録PC7は、施工データをモデム及び通信回線(送信手段)によりインターネット50を介してサーバに送信することができる。この場合、サーバが表示手段であり、施工データを保存することができると共にホームページに表示することができる。
【0023】
一方、トンネル掘削現場から離れた地にある管理事務所又はトンネル掘削機メーカのサービス拠点などの監視場所に設けられた遠隔監視システム6には、監視手段としての監視PCが設けられており、担当者はインターネットを介してサーバのホームページにアクセスし、施工データに基づいてシールド機の稼働状態を遠隔監視することができる。この場合、担当者は、監視PCからID及びパスワードをもってホームページにアクセス可能であり、セキュリティ管理を十分に実施して関係者以外の閲覧を許可しないようにできる。
【0024】
本実施の形態によれば、現地のデータ記録PC7と遠隔監視システム6とをインターネット50を介して接続することから、遠隔地でも施工データがしきい値を越えた場合の警報・異常情報や稼働状況を通知あるいは常時監視できるため、現地での状況を常に把握することができる。また、監視者に運転状況の監視を促すことも可能である。
【0025】
実施の形態(その3)
本実施の形態のシールド設計情報管理システムは、上記実施の形態(その2)のシステムに更に加えて、顧客検索装置8と、シールド機に関する情報の検索・調査を行う顧客製品検索システム9と、を備えている。顧客製品検索システムは、通信ネットワークに接続されている。
図3に、本発明のシールド設計情報管理システムの構成の一例を模式的に示す。
【0026】
本実施の形態では、顧客検索装置8により、納品済みのシールド機に関する問い合わせが有った場合に、電話番号からユーザー名を検索して、過去の顧客名と対応付ける。これにより、電話してきたユーザーが特定の顧客であることが判明する。
顧客製品検索システム9では、顧客検索装置8の結果を受けて、先ず、特定の顧客に関する情報から、問い合わせのあった納品済みのシールド機(型番等)を特定する。この際、顧客が複数のシールド機を購入し使用している場合、問い合わせの内容を詳細に確認して、シールド機の特定を行う。
【0027】
顧客製品検索システム9のPCは、通信ネットワークに接続されているので、インターネット50を介して前記部品調達管理システムのサーバやリサイクル部品管理システムのサーバにアクセスして、リサイクル構成部品情報や調達部品情報を参照することができる
また、遠隔監視システム6のサーバにアクセスすることにより、施工データに基づいたシールド機の稼働状態を遠隔監視することができる。これにより、運転・稼働状況を確認して、必要とされる構成部品を決定することもできる。この場合には、部品調達管理システムを用いて、当該構成部品について納期やコストを十分に考慮して、最適な調達方法を顧客に提案することができる。
【0028】
本実施の形態によれば、顧客製品検索システム9がインターネット50と接続されていることから、客先からの問い合わせに対する図面確認、データ確認等を即座に調達部品情報により行うことができる。また、実際に使用中のシールド機についての情報も、遠隔監視システム6から施工データを取得できるので、現場の不具合発生時の迅速な処理・対応が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態(その1)に係るシールド設計情報管理システムの概略構成図である。
【図2】遠隔監視システムを加えた、本発明の実施形態(その2)に係るシールド設計情報管理システムの概略構成図である。
【図3】顧客製品検索システムを加えた、本発明の実施形態(その3)に係るシールド設計情報管理システムの概略構成図である。
【図4】トンネル掘削設備を表す概略図である。
【符号の説明】
【0030】
1 点検・試験装置(試験手段)
2 リサイクル部品管理システム
3 設計システム
4 部品調達管理システム
5 製作工程管理システム
6 遠隔監視システム(遠隔監視手段)
7 データ記録PC(データ収集手段)
8 顧客検索装置
9 顧客製品検索システム
10 トンネル掘削機(シールド機)
12 前胴
13 後胴
15 カッタヘッド
21 操作台車
22 パワーユニット・動力台車
23 操作盤
24 油圧供給設備
25 電力供給設備
50 通信ネットワーク(インターネット)
S セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド施工後に分解したシールド機の構成部品について、各構成部品の使用点検確認を行う、試験手段と、
使用点検確認後の使用可能な構成部品について、そのデータをリサイクル構成部品情報としてデータベース化して、登録管理しておく、リサイクル部品管理システムと、
シールド機の設計に際して、設計ツールを用いて必要とされる構成部品を判断し、設計部品情報を決定する、設計システムと、
該設計システムによるシールド機製作で用いられる構成部品に関して、該リサイクル部品管理システムのデータベースからリサイクル構成部品情報に基づく構成部品の検索を行い、該設計部品情報を含む調達部品情報を決定し、構成部品の調達を行う、部品調達管理システムと、
構成部品の納期をシールド機の製造工程に合わせてスケジュール管理を行う、製作工程管理システムと、を備えており、
該リサイクル部品管理システム、該設計システム、該部品調達管理システムおよび該製作工程管理システムのいずれもが、通信ネットワークにそれぞれ接続されていることを特徴とするシールド設計情報管理システム。
【請求項2】
前記リサイクル部品管理システムが、データベース化したリサイクル構成部品情報を通信ネットワーク上のホームページに表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項3】
前記部品調達管理システムにおいて、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報に基づく登録構成部品の検索を行うことを特徴とする請求項2記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項4】
前記設計システムにおいて、前記ホームページにアクセスしてリサイクル構成部品情報に基づく登録構成部品の検索を行い、設計部品情報を決定することを特徴とする請求項2記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項5】
前記部品調達管理システムが、設計部品情報を含む調達部品情報を通信ネットワーク上のホームページに表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項6】
更に加えて、シールド機の施工データを収集する、データ記録手段と、
該施工データを通信ネットワークを介して送信可能とする、表示手段と、
該通信ネットワークにアクセスして施工データに基づいてシールド機の稼働状態を遠隔監視する、遠隔監視手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項7】
前記表示手段はインターネットにアクセス可能なサーバであり、該サーバは前記施工データを保存することができると共にホームページに表示可能であることを特徴とする請求項6記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項8】
更に加えて、納品済みのシールド機に関する問い合わせが有った場合に、電話番号からユーザー名を検索して、過去の顧客名と対応付ける、顧客検索装置と、
該顧客に納品済みのシールド機を特定するとともに、該シールド機に関する情報の検索・調査を行う、顧客製品検索システムと、を備えており、
該顧客製品検索システムが通信ネットワークに接続されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のシールド設計情報管理システム。
【請求項9】
前記顧客製品検索システムが、通信ネットワークを介して前記サーバにアクセスして、前記設計部品情報を含む調達部品情報を参照できることを特徴とする請求項8記載のシールド設計情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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