説明

ジェットポンプのスリップジョイントクランプおよびその使用方法

【課題】入口ミキサと拡散器の間の振動/ぐらつきを防止または低減させるように変動させる。
【解決手段】スリップジョイントクランプ100は、ジェットポンプのスリップジョイントで拡散器46のガイド耳45に接して設置される。クランプは、拡散器に堅く取り付けられないが、スリップジョイント内の振動/動きを防止する。クランプは、ガイド耳を径方向に押し付ける圧縮フリッパ115と、フリッパをガイド耳に押し付ける、圧縮部材とガイド耳45の間の偏倚部材130と、ガイド耳45の周りで入口ミキサ42に対してフリッパおよび偏倚部材を保持する支持構造とを含む。スリップジョイントクランプのシステムは、ガイド耳に接して設置される。各クランプは、入口ミキサの上方への相対的な動きを可能にしながら、拡散器および入口ミキサを径方向に安定化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェットポンプのスリップジョイントクランプおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉(BWR)などの軽水型原子炉内の原子炉圧力容器(RPV)は通常、炉心シュラウドを含み、炉心シュラウドは、核燃料の炉心を取り囲み、シュラウド支持構造によって支持される。図1は、関連技術のBWR向けRPV20の一部を切り取った部分断面図である。RPV20は、概ね円筒形の形状を有し、一方の端部は底部ヘッド(図示せず)によって閉じられ、他方の端部は取り外し可能な上部ヘッド(図示せず)によって閉じられる。RPV20内では、炉心板22の上に上部ガイド(図示せず)が隔置される。シュラウド24は、炉心板22を取り囲み、シュラウド支持構造26によって支持される。RPV20のシュラウド24と側壁30の間には、アニュラス28が形成される。
【0003】
入口ノズル32がRPV20の側壁30を貫通し、ジェットポンプアセンブリ34に結合される。シュラウドのアニュラス内の中空の管状ジェットポンプは、必要な原子炉の炉心の水流を提供する。ジェットポンプアセンブリ34は、ライザ管38と、ジェットポンプの上部部分を構成し、複数の遷移アセンブリ44によって複数のライザ管38に接続される複数の入口ミキサ42と、拡散器46とを含む。各入口ミキサ42は、横方向に位置決めされ、抑制器ブラケット内の2つの対向する剛性コンタクトに対して支持される。抑制器ブラケットは、隣接するジェットポンプのライザ管38に取り付けられることによって、入口ミキサ42を支持する。ライザ管38は、シュラウド24とRPV側壁30の間を、シュラウド24およびRPV側壁30に対して実質上平行に延びる。スリップジョイント48が、各入口ミキサ42と対応する拡散器46を結合させる。拡散器46は、ジェットポンプの下部部分である。ジェットポンプの入口ミキサ42とジェットポンプの拡散器46の間のスリップジョイント48は、ジェットポンプの上部部分と下部部分の間の相対的な軸方向の熱膨張の動きに対応するために、約0.015インチの動作クリアランスを有し、その結果、ポンプ内部の駆動圧力からリーク流が生じる。
【0004】
図2は、関連技術のスリップジョイント48の一部を切り取った部分側面図である。入口ミキサ42は、概ね円筒形であり、外側表面50を含む。入口ミキサ42は、拡散器46内に受け取られる。拡散器46は、入口ミキサの外側表面50に隣接して位置決めされた内側表面52を含む。入口ミキサの外側表面50と拡散器の内側表面52の間の境界面56に、動作クリアランス54を示す。拡散器のガイド耳45が、拡散器46の上部から外側に突出し、拡散器46と入口ミキサ42の間の適正な位置合せを提供する。拡散器46の上部外縁部の周りにいくつかのガイド耳45を位置決めすることができ、たとえば4つのガイド耳45を90度の間隔で位置決めすることができる。
【0005】
スリップジョイント48は、入口ミキサの外側表面50でステンレス鋼とすることができ、コバルト合金の表面硬化処理が境界面56を覆って延びる。拡散器の内側表面52もまた、ステンレス鋼とすることができ、コバルト合金の表面硬化処理の局部的な領域だけが、境界面56内へ延びる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態は、ジェットポンプのスリップジョイントで拡散器のガイド耳に接して設置されたスリップジョイントクランプを含む。例示的な実施形態のジェットポンプのスリップジョイントクランプは、拡散器に堅く取り付けられないが、スリップジョイント内の振動および/または動きを防止することができる。例示的な実施形態のクランプは、拡散器のガイド耳を実質上径方向にまたは他の方向に押し付ける圧縮フリッパと、フリッパをガイド耳に押し付ける、圧縮部材とガイド耳の間のばねなどの偏倚部材とを含むことができる。例示的なクランプはまた、ガイド耳の周りで入口ミキサに対してフリッパおよび偏倚部材を保持する支持構造を含むことができる。
【0007】
例示的な実施形態は、単一の拡散器のいくつかのガイド耳に接して設置されたスリップジョイントクランプのシステムをさらに含む。各クランプは、入口ミキサの上方への相対的な動きを可能にしながら、拡散器および入口ミキサを径方向に安定化させることができる。例示的な実施形態のシステム内のクランプの配置および張力は、入口ミキサと拡散器の間の振動および/またはぐらつきを防止または低減させるように変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ジェットポンプアセンブリを示す一部を切り取った従来技術の原子炉圧力容器の図である。
【図2】従来技術のジェットポンプアセンブリの入口ミキサと拡散器の間のスリップジョイントの詳細図である。
【図3】スリップジョイントに設置された例示的な実施形態のスリップジョイントクランプのプロファイル図である。
【図4】スリップジョイントに設置された例示的な実施形態のスリップジョイントクランプの上面図である。
【図5】スリップジョイントに設置された例示的な実施形態のスリップジョイントクランプシステムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、本明細書に開示する特有の構造上および機能上の詳細は、例示的な実施形態について説明することのみを目的として表す。例示的な実施形態は、多くの代替形式で実施することができ、本明細書に述べる例示的な実施形態だけに限定されると解釈するべきではない。
【0010】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して、様々な要素について説明することができるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、要素同士を区別するためだけに使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書では、「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連する記載項目のあらゆる組合せを含む。
【0011】
ある要素が別の要素に「接続」、「結合」、「嵌合」、「取付け」、または「固定」されるというとき、その要素を他の要素に直接接続もしくは結合することができ、または中間要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続」または「直接結合」されるというとき、中間要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も、同様に解釈されるべきである(たとえば、「間に」と「間に直接」、「隣接する」と「じかに隣接する」など)。
【0012】
本明細書では、数詞がないこと、および「前記」などの冠詞は、その言語が別段明示しない限り、単数に加え複数形も含むものとする。「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0013】
いくつかの代替実装形態では、記載の機能/動作を、図または明細書に記載の順序以外で行うことができることにも留意されたい。たとえば、連続して示す2つの図またはステップを、実際には、関連する機能/動作に応じて、実質上同時に実行することができ、または場合によっては、逆の順序で、もしくは繰返し実行することができる。
【0014】
過度のリーク流は、スリップジョイントの運動にぐらつきを引き起こす可能性がある。ぐらつきは、ジェットポンプアセンブリ内で有害な振動励起の一因となる。スリップジョイントのリーク量は、単一のループ動作、炉心流の増大、またはジェットポンプの汚れの堆積のために増大する可能性がある。その結果増大した振動レベルおよび対応する振動負荷が配管および支持体にかかると、振動負荷によって引き起こされる摩耗および疲労から、ジェットポンプのくさび、止めネジ、およびライザの配管の損傷を含めて、ジェットポンプ構成要素の劣化を引き起こす可能性がある。リーク量が増大したいくつかの異常な動作条件下では、高レベルの流動励起振動(FIV)が生じる可能性がある。
【0015】
図3は、関連技術のスリップジョイント48内に設置された例示的な実施形態のスリップジョイントクランプ100を示す図である。図3に示すように、例示的な実施形態のスリップジョイントクランプは、圧縮フリッパ115および偏倚要素130を含む。圧縮フリッパ115は、拡散器46の上部外周部上でガイド耳45に接して位置決めおよび位置合せされる。
【0016】
偏倚要素130は、ガイド耳45に接して圧縮フリッパ115を付勢する。拡散器46のガイド耳45と入口ミキサ42の間を偏倚することによって、例示的な実施形態のスリップジョイントクランプ100は、拡散器46と入口ミキサ42の間の振動および/またはぐらつきを低減または防止することができる。偏倚要素130は、単一方向の偏倚力または多方向の減衰力を含めて、入口ミキサ42と圧縮フリッパ115の間に力を提供することが可能な任意の構成要素とすることができる。たとえば、偏倚要素130は、圧縮フリッパ115と入口ミキサ42の間を押すばね、弾性棒、変換器などとすることができる。偏倚要素130のばね定数または他の付勢力は、スリップジョイント48内の流動励起振動または他の振動を最小にするように選択することができる。たとえば、偏倚要素130は、スリップジョイント48を通ると予期される流量、これらの構成要素の周波数試験などに基づいて、拡散器46および/もしくは入口ミキサ42の固有周波数を破壊し、またはそれに整合しないように選択されたばね定数を有するばねとすることができる。偏倚要素130は、偏倚要素130の長さを変化させることなく、これらの構造間で垂直方向の熱膨張などのある程度の垂直方向の相対的な動きを可能にするため、圧縮フリッパ115と入口ミキサ42のうちの一方だけに取り付けることができる。
【0017】
圧縮フリッパ115は、ガイド耳45と位置合せされ、ガイド耳45に押し付けられる。圧縮フリッパ115は、枢動ピン120によって、入口ミキサ42の表面に固定された支持体110に回転可能に結合することができる。たとえば、枢動ピン120が入口ミキサ42に対して圧縮フリッパ115を固定することによって、圧縮フリッパ115は、枢動ピン120の周りでガイド耳45に接して回転できることを除いて、ガイド耳45の平面内のみで動かしかつ/または回転させることができる。このようにして、圧縮フリッパ115および偏倚要素130は、拡散器46および入口ミキサ42の中心から実質上径方向の偏倚力を提供することができる。入口ミキサ42と圧縮フリッパ115の間に位置決めされた偏倚要素130を示すが、偏倚要素130はまた、枢動ピン120または別の構造上の巻きばねとすることができ、圧縮フリッパ115を径方向に偏倚できることが理解される。
【0018】
圧縮フリッパ115は、実質上均一なガイド耳45への偏倚力および/または拡散器46と入口ミキサ42の間の減衰力を提供するように成形することができる。たとえば、圧縮フリッパ115は、圧縮フリッパ115が反時計回りに回転し、偏倚要素130が長くなるとき、等しい力を提供するように湾曲させることができ、したがって偏倚要素130がより小さい力で押すとき、ガイド耳45と入口ミキサ42の間の相対的な位置にかかわらず、力はガイド耳45へより直接的に伝えられ、ガイド耳45は、入口ミキサ42から離れる方へ実質上均一な力で押される。そのような湾曲はまた、ガイド耳45に対する径方向の押付けを維持しながら、拡散器46と入口ミキサ42の間である程度の相対的な垂直方向の動きを可能にすることができる。圧縮フリッパ115は、圧縮フリッパ115と入口ミキサ42の間に偏倚要素130のための直線経路を提供するため、および/または流れもしくは破片の侵食のための損傷から偏倚要素130と圧縮フリッパ115の間の接合領域を保護するために、ディボット116をさらに含むことができ、ディボット116に偏倚要素130がつながる。
【0019】
例示的な実施形態のクランプ100は、支持体110に固定された止めピン125をさらに含むことができる。止めピン125は、圧縮フリッパ115のさらなる動きを止めるように、圧縮フリッパ115の動きの経路内に配置することができる。たとえば、圧縮フリッパ115がガイド耳45につながれていない場合、止めピン125は、圧縮フリッパが最大の所望の延長に到達した後、圧縮フリッパ115がガイド耳45に接して偏倚するのを防止するように位置決めすることができる。またはたとえば、止めピン125は、圧縮フリッパ115が偏倚要素130の弛緩した長さを越えて延び、または圧縮フリッパがガイド耳45に引っ掛かる位置まで延びるのを防止するように、枢動ピン120とともに位置決めすることができる。
【0020】
圧縮フリッパ115、偏倚要素130、枢動ピン120、および/または止めピン125は、入口ミキサ42と直接および/または間接的に固定され、したがって入口ミキサ42内の垂直方向の動きの結果、これらの要素もそれぞれ同様に動く。例示的な実施形態のクランプ100は、入口ミキサ42の一体部分として、または入口ミキサ42にじかに隣接して、支持体110を含み、支持体110に、枢動ピン120および/または止めピン125が嵌合される。たとえば、支持体110は、入口ミキサ42に溶接または固定される。このようにして、例示的な実施形態のスリップジョイントクランプ100は、他のスリップジョイント構成要素からさらに分解しなくてすみ、検査中に入口ミキサ42とともに取り外すことができる。
【0021】
圧縮フリッパ115を支持および位置合せするいくつかの代替構成が可能である。たとえば、図4に示すように、例示的な実施形態のクランプ100は、ガイド耳45の周りに位置決めされた2つの支持体110を含むことができ、2つの支持体110間に、枢動ピン120および止めピン125が固定される。このようにして、圧縮フリッパ115は、枢動ピン120に沿って横方向に動くことができ、ガイド耳45の両側の支持体110のため、ガイド耳45と接触したまま、ガイド耳45から滑り落ちない。別法として、図3に示すように、単一の支持体110を使用することができ、圧縮フリッパ115は、枢動ピン120に固定することができる。枢動ピン120は、枢動ピン120が支持体110につながる場合、圧縮フリッパ115をガイド耳45に接して回転させるように回転する。
【0022】
同様に、1つの偏倚要素130だけを図3および4に示すが、例示的な実施形態のクランプは、圧縮フリッパ115をガイド耳45に押し付け、かつ/またはガイド耳45とガイド耳45に固定された圧縮フリッパ115との間に減衰力を提供するいくつかの偏倚要素を含むことができる。さらに、枢動ピン120は、圧縮フリッパ115上の任意の点で接続することができ、異なる回転方向からガイド耳45に接して回転することを可能にする。圧縮フリッパ115がどこでかつどのように偏倚要素130に接続しかつ/または入口ミキサ42に間接的に接続するかに基づいて、圧縮フリッパ115を所望の運動範囲に制限するために、圧縮フリッパ115の周りの任意の位置に1つまたは複数の止めピン125を配置することができる。
【0023】
例示的な実施形態のクランプ100の様々な構成要素は、環境内で受ける高温、変化しやすい化学的性質、および放射線を含めて、稼働している商業用の核原子炉環境に露出されたとき、材料特性を維持する材料から製作される。たとえば、ジルコニウム合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、ステンレス鋼などを、例示的な実施形態のクランプ100で使用することができる。材料は、例示的な実施形態のスリップジョイントクランプの構成要素と入口ミキサ42および/またはガイド耳45の間の付着物および/または電位を低減させるように選択することができる。たとえば、入口ミキサ42がステンレス鋼である場合、例示的な実施形態のクランプは、ステンレス鋼から製作することができる。
【0024】
図5は、スリップジョイント48に設置された例示的な実施形態のスリップジョイントクランプシステム200の上面図である。図5に示すように、例示的な実施形態のシステムは、複数の例示的な実施形態のスリップジョイントクランプ100を含み、スリップジョイントクランプ100はそれぞれ、拡散器46のガイド耳45に位置決めされる。関連技術の拡散器は通常、4つのガイド耳45を含み、各ガイド耳に1つのクランプ100を示すが、他の数のガイド耳およびクランプ100を例示的な実施形態のシステム内で使用できることが理解される。2つの支持体110および他の構造をもつスリップジョイントクランプ100を図4に示すが、上記で論じたように、各クランプ100を変更することができ、互いのクランプ100とは異なってもよいことが理解される。
【0025】
各例示的な実施形態のクランプ100は、ガイド耳45を介して、入口ミキサ42から離れる方へ拡散器46を偏倚する。クランプ100からの圧力は、異なる位置の複数のクランプ100によって提供される対向する複数の力によって、実質上固定された相対的な位置で拡散器46および入口ミキサ42を保持する。上記で論じたように、偏倚部材130の特性、圧縮フリッパ115の形状、枢動ピン120の数または位置などを変化させることによって、例示的な実施形態のクランプ100によって提供される力の量、分散、および方向を変化させることができる。このようにして、例示的な実施形態のシステム200によって印加される安定化させる力の総量を、所望のスリップジョイント48の動作条件に基づいて変化させることができる。たとえば、例示的な実施形態のシステム200によって供給される力の量は、拡散器46と入口ミキサ42の間で知られているまたは起こりうるぐらつきを最もよく抑制するように設定することができる。同様に、特定の次元で知られているまたは予期される損傷を与える振動は、反対側の例示的な実施形態のクランプ100をその次元に配置することによって、または例示的な実施形態のクランプ100から結果として生じる安定化させる力がその次元で十分な程度になるように構成することによって抑制することができる。
【0026】
例示的な実施形態のシステム200は、入口ミキサ42と一体化された例示的な実施形態のクランプ100を含み、入口ミキサ42を拡散器46から取り外すとき、またはスリップジョイント48を検査するとき、さらに分解しなくてすむ。さらに、システム200は入口ミキサ42と固定されるため、熱膨張によって引き起こされる可能性のあるような、入口ミキサ42内の何らかの垂直方向または他の平行移動の結果、例示的な実施形態のシステム200も同様に自由に動く。
【0027】
例示的な実施形態についてこうして説明したが、定期的な実験によって、さらなる発明活動なしで例示的な実施形態を変更できることが、当業者には理解されるであろう。変更形態は、例示的な実施形態の精神および範囲からの逸脱と見なされるものではなく、当業者には明らかであるはずのすべてのそのような修正形態は、以下の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
20 原子炉圧力容器
22 炉心板
24 シュラウド
26 シュラウド支持構造
28 アニュラス
30 側壁
32 入口ノズル
34 ジェットポンプアセンブリ
38 ライザ管
42 入口ミキサ/ジェットポンプの入口ミキサ
44 遷移アセンブリ
45 ガイド耳
46 拡散器/ジェットポンプ拡散器
48 スリップジョイント
50 外側表面
52 内側表面
54 動作クリアランス
56 境界面
100 スリップジョイントクランプ/クランプ
110 支持体
115 圧縮フリッパ
116 ディボット
120 枢動ピン
125 止めピン
130 偏倚要素
200 スリップジョイントクランプシステム/システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)であって、
前記ジェットポンプ内の拡散器(46)のガイド耳(45)に接して偏倚するように構成された圧縮フリッパ(115)と、
前記ガイド耳(45)に接して前記ジェットポンプ内の入口ミキサ(42)から前記圧縮フリッパ(115)を偏倚するように構成された偏倚部材(130)と、
前記入口ミキサ(42)に結合され、前記圧縮フリッパを回転可能に支持する支持構造(110/120)とを備える、ジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項2】
前記支持構造(110/120)が、
前記入口ミキサ(42)に堅く取り付けられるように構成された少なくとも1つの支持体(110)と、
前記支持体(110)につながれた枢動ピン(120)とを含み、前記圧縮フリッパ(115)が、前記枢動ピン(120)に回転可能に結合される、請求項1記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項3】
前記圧縮フリッパ(115)が、前記枢動ピン(120)の周りで回転可能であり、前記偏倚部材(130)が、前記枢動ピン(120)の周りの前記回転の平面内で前記圧縮フリッパ(115)を偏倚するように構成される、請求項2記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項4】
前記支持構造に接続された止めピン(125)をさらに備え、前記止めピン(125)が、前記圧縮フリッパ(115)が前記止めピン(125)を越えて動くのを防止するように、前記圧縮フリッパ(115)の周りに位置決めされる、
請求項1記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項5】
前記圧縮フリッパ(115)がディボット(116)を含み、前記偏倚部材(130)が、前記ディボット(116)内で前記圧縮フリッパ(115)につながる、請求項4記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項6】
前記偏倚部材(130)が、前記圧縮フリッパ(115)には堅く取り付けられ、前記入口ミキサ(42)には堅く取り付けられない、請求項5記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項7】
前記圧縮フリッパ(115)が、前記ガイド耳(45)に接して異なる位置で等しい力で偏倚するように構成されるような湾曲した形状を有する、請求項1記載のジェットポンプのスリップジョイントクランプ(100)。
【請求項8】
ジェットポンプの拡散器(46)と入口ミキサ(42)の間の横方向の動きまたは振動を低減させる安定化システム(200)であって、
前記入口ミキサ(42)に固定され、前記入口ミキサ(42)から離れる方へ前記ジェットポンプの前記拡散器(46)を偏倚する複数のスリップジョイントクランプ(100)を備え、前記クランプ(100)がそれぞれ、前記拡散器(46)に対して径方向だけに偏倚力を印加する、システム(200)。
【請求項9】
各スリップジョイントクランプ(100)が、
前記拡散器(46)のガイド耳(45)の位置で前記入口ミキサ(42)の表面に堅くつながれ、前記表面から径方向に外側に延びる少なくとも1つの支持体(110)と、
前記少なくとも1つの支持体(110)に取り付けられ、前記ガイド耳(45)に接して偏倚するように構成された圧縮フリッパ(115)と、
前記ガイド耳(45)に接して前記ジェットポンプ内の前記入口ミキサ(42)から前記圧縮フリッパ(115)を偏倚するように構成された偏倚部材(130)とを含む、請求項8記載のシステム(200)。
【請求項10】
各スリップジョイントクランプ(100)が、前記支持体(110)につながれた枢動ピン(120)をさらに含み、前記圧縮フリッパ(115)が、前記枢動ピン(120)に回転可能に結合される、請求項9記載のシステム(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−21989(P2012−21989A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155291(P2011−155291)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC