説明

ジッパーテープの製造方法及びその装置

【技術課題】水冷後のジッパーテープに付着している水滴を完全に除去する。
【解決手段】異形押出機5から押し出して成形された雄条6と雌条7をベーステープ1上に押し出して融着させる。次に、これを水槽9内に通して冷却することにより、ジッパーテープaに付着している水滴Pを圧縮エアーノズル10、10aから噴出するエアーで先ず除去する。次に、吸引用のボックス本体11のスリット14内に雄条6と雌条7を通過させることにより、残留している水滴Pを吸引除去する。このようにすると、雄条6と雌条7の凹部に残留している水滴Pは、完全に除去されるので、水滴Pによるトラブルを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用袋の口内に接合して用いられるジッパーテープの製造方法及びその装置に関し、更に詳しくは、該ジッパーテープの製造工程において行われる水冷時に、ジッパーテープに付着した水滴を完全に除去して水滴残留に伴うトラブルの発生を防止するジッパーテープの製造方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における多列どりジッパーテープの製造方法を特開2003−24113号公報に掲載の図6、図7、図8に基づいて説明すると、ロールから繰り出されたベーステープ100の表面に異形押出機101から押し出された雄条3aと雌条3bを融着した後、これを水槽102内に通して水冷し、その後、乾燥室104内を通し、ここでブロア又は圧縮機で生成された加圧エアーをノズル102を介してジッパーテープ2に吹き付けて付着している水滴を吹き飛ばし、その後、スリッター103により雄条3a側と雌条3b側に分離したのち、対となる雄条3aと雌条3bを対向させて咬合させることにより、一組のジッパーテープ2を製造し、これをロールに捲き取って製品としている。
この製法は、雄条3a側と雌条3b側をそれぞれ独自に成形する所謂単列どりと称されるジッパーテープの製造方法の場合も同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記ジッパーテープの製造方法においては、次のような欠点がある。
1.水槽内で水冷されたジッパーテープにエアーを吹き付けて水滴を吹き飛ばした場合 、表面に付着しているものは吹き飛ぶが、雄条3aと雌条3bにおいて、その凹部や 陰に隠れている部分に付着している水滴は除去されないでそのまま残留してしまう。 そして、この水滴が残留した状態のまま次に雄条3aと雌条3bを咬合して製品と した場合、これを包装用袋の口内に取り付けたのち、この袋内に内容物を充填すると 、水滴の蒸発成分を内容物が吸湿し、例えばパリパリとした食感のポテトチップスの ようなものの場合は、食感を損なうばかりでなく、細菌やカビが発生する原因となり 、衛生的に問題がある。
2.咬合部に水滴が残留していると、滑り易いことから、咬合が不用意に外れてしまう ことがある。
3.咬合部に水滴が残留していると、袋の口にジッパーテープをヒートシールするとき 、水滴が挟雑物となってヒートシールが完全に行われず、ピンホールが発生したりす ることがある。
4.咬合部に水滴が残留した場合、スリッターあるいは製袋機においてトラブルの原因 となる。
5.このようなことから、水滴の除去に十分に時間をかけたり、温風を用いて水滴を完 全に除去することは可能であるが、この方法を採ると、ジッパーテープの生産性が悪 く、コストがかかると共に、インラインの場合には、製袋、自動充填工程全体に影響 が出る。
本発明者は、斯る点からジッパテープの製造工程において、生産性を落とすことなく、水滴を残留させないジッパーテープの製造方法とその装置を鋭意研究して来たところ、実用的に好ましい結果を得ることができたので、ここに提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
先ず、請求項1で提案する本発明は、多列どりジッパーテープの製造方法において、a.1枚のベーステープの表面に異形押出機から対となる雄条と雌条を平行に押し出してベーステープの表面に融着させたのち、これを水冷することにより、雄条と雌条をベーステープに固着し、その後、雄条と雌条の中間においてベーステープをカットして雄条側と雌条側に分離し、その後、前記雄条側と雌条側を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法であって、
b.前記水冷直後にベーステープ及び雄条と雌条部分にエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、ベーステープを雄条側と雌条側にそれぞれカットし、
e.その後、雄条と雌条を咬合して製品とする、
f.ことを特徴とするものである。
【0005】
この発明によると、水冷作用によりジッパーテープに付着した水滴は、吹き飛ばしによる除去に併せて負圧による吸引作用で2重に除去されるため、従来のスピードでジッパーテープを走行させながら、雄条と雌条部分の隅々まで水滴(水分)を完全に除去することができる。
ジッパーテープの水冷方法としては、水槽に水を張り、この水槽内にジッパーテープを通す方法が一般的であるが、別にシャワー方式で水冷することも可能である。使用する水温は常温とするが、強制的に温度を下げた水を使用しても構わない。
【0006】
次に、請求項2で提案する本発明は、単列どりジッパーテープの製造方法において、a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条と雌条をそれぞれ押し出し、これを水冷することにより固化させ、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法において、
b.前記水冷直後に雄条側と雌条側にそれぞれエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、雄条と雌条をそれぞれ咬合して製品とする、
e.ことを特徴とするものである。
【0007】
この発明によると、ジッパーテープの単列どりのジッパーテープにおいても、従来の吹き飛ばし方式では除去しきれなかった水滴を完全に除去することができる。
【0008】
次に、請求項3で提案する本発明は、単列どりジッパーテープの製造方法において、a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条と雌条をそれぞれ押し出し、これを水冷して固化させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法であって、
b.前記水冷直後に雄条側と雌条側にそれぞれエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、雄条と雌条をそれぞれ別々に捲きとって製品とする、
e.ことを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項4で提案する本発明は、請求項1又は2又は3に記載のジッパーテープの製造方法において、前記雄条と雌条部分を負圧化させたスリット内を走行させることにより、雄条及び雌条部分に付着している水滴を吸引し、除去することを特徴とするものである。
【0010】
この発明によると、水滴吸引用のボックス本体内を負圧化し、このボックス本体内と連通するようにスリットを形成し、このスリット内に雄条と雌条をそれぞれ嵌め込むようにして走行させると、負圧化部分を雄条と雌条部分に集中させることができる。この結果、水滴の除去を効率的に行うことができる。
【0011】
次に、請求項5で提案する本発明は、請求項1又は2又は3に記載のジッパーテープの製造方法において、前記雄条と雌条部分を負圧化させたボックス内を通過させることにより、雄条及び雌条部分に付着している水滴を除去することを特徴とするものである。
この発明によると、水滴吸引除去手段を簡素化させることができる。
【0012】
次に、請求項6で提案する本発明は、多列どりジッパーテープの製造装置において、a.ベーステープの表面に異形押出機から対となる雄条と雌条を平行に押し出してベーステープの表面に融着させたのち、これを水冷することにより、雄条と雌条をベーステープに固着し、その後、雄条と雌条の中間をカットして雄条側と雌条側に分離し、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条と雌条を咬合する咬合手段と、
e.から成ることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によると、簡単な設備で水滴の完全除去を行うことができると共に、多列どりにおいて特に実用的である。
【0014】
次に、請求項7で提案する本発明は、単列どりジッパーテープの製造装置において、a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条側と雌条側をそれぞれ押し出して水冷することにより固化を図り、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条と雌条を咬合する咬合手段と、
e.から成ることを特徴とするものである。
【0015】
次に、請求項8で提案する本発明は、単列どりジッパーテープの製造装置において、a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条側と雌条側をそれぞれ押し出し、これを水冷して固化させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条側と雌条側をそれぞれ別々に捲きとる捲き取り手段と、
e.から成ることを特徴とするものである。
【0016】
次に、請求項9で提案する本発明は、請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置において、前記水滴吸引除去手段は、密閉されたボックス本体の上面に雄条と雌条が収まる空間を持ったスリットが形成されていると共に、このスリットは、負圧化されたボックス本体内と連通していることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によると、簡単な設備により、雄条と雌条部分からの水滴の除去を効率的に行うことができると共に、負圧化(吸引)を行う場合に、その動力費の軽減を図ることができる。
【0018】
次に、請求項10で提案する本発明は、請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置において、前記水滴吸引除去手段は、負圧化されたボックスであって、ジッパーテープはこのボックス内を通過することを特徴とするものである。
この発明によると、水滴吸引除去手段を簡素化できる。
【0019】
次に、請求項11で提案する本発明は、請求項9に記載のジッパーテープの製造装置において、前記ボックス本体に形成されたスリットは、対となる雄条と雌条用が単列に、又は交互に固着された多列取りのジッパーテープに対応するために、雄条用と雌条用のスリットが対に、又は対が交互に多列に形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
この発明によると、一対の単列どり、又は複数の多列どりが可能である。そして、万一、多列どりのスリットの数よりも少ない数の雄条と雌条について水滴の吸引を行う場合には、ボックス内の負圧化を損なわないように、不要のスリットは塞ぐことができるように、スリット閉塞手段を設けておくようにしても良い。
ジッパーテープは、その用途によりサイズが異なるため、これに対応できるように吸引ボックスにおいて、サイズの違うスリットを形成した天板を幾つか用意しておき、この天板を交換することで各種サイズに対応できるようにしてもよい。そして、ジッパーテープのサイズが違う場合に、負圧化の度合いも変更する場合があるため、ブロアー又は圧縮機の駆動モータにはインバータ制御のできるものをあらかじめ選択しておくようにしても良い。
【0021】
次に、請求項12で提案する本発明は、請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置において、前記エアーノズル及び水滴吸引除去手段は、ジッパーテープの移動方向に沿ってそれぞれ一ヶ所又は連続して複数箇所に配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
次に、請求項13で提案する本発明は、請求項9又は11又は12に記載のジッパーテープの製造装置において、前記ボックス本体におけるスリットは、ボックス本体の天板の上面に形成されていると共に、この天板の上面には、すべり材が張り付けられていることを特徴とするものである。
【0023】
この発明によると、スリット内を走行する雄条と雌条に摩擦抵抗がかかることはないが、ベーステープは吸引用ボックス本体の天板に接触しながら走行し、更にこのベーステープはスリットを塞ぎ、吸引用ボックス本体内の負圧化の作用で天板に吸いつけられて密着するため、摩擦抵抗が大きく作用してジッパーテープ全体に引っ張りの力が作用し、伸びが発生したり、微細な擦り傷等が表面に発生するが、すべり材で摩擦抵抗を減少させると共に、すべり材に例えば不織布を用いた場合、これにベーステープが密着するため、この不織布の微細な隙間よりベーステープに付着している水滴(水分)を均一に吸引除去する効果が得られる。
【0024】
次に、請求項14で提案する本発明は、請求項13に記載のジッパーテープの製造装置において、前記すべり材には、不織布又はプラスチック材等であって、表面に微細な凹凸があり、エアー及び水滴(水分)が透過する材質であって、ベーステープが密着する材質が最適である。
【0025】
次に、請求項15で提案する本発明は、、請求項9又は10又は11又は13に記載のジッパーテープの製造装置において、前記ボックス本体の天板又はボックス本体全体は、プラスチック材又はアルミ材又は鉄板等で形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
1.ジッパーテープに付着した水滴は、先ずでブロアー又は圧縮機で発生したエアーに より吹き飛ばされたのち、更に水滴吸引除去手段で吸引除去されるため、ジッパーテ ープに水滴が残留することはない。
この結果、包装用袋に取り付けて用いても、残留水滴による商品の加湿あるいはカ ビや雑菌の発生等のような衛生問題が発生することはなく、安全なジッパーテープと しての使用が可能になる。
2.咬合部に水滴が残留してないため、咬合が不用意に外れてしまうことがない。
3.咬合部に水滴が残留していないため、袋の口にジッパーテープをヒートシールする とき、水滴が挟雑物となってヒートシールが不完全となり、ピンホールが発生したり することがない。
4.咬合部に水滴が残留していないため、スリッターあるいは製袋機においてトラブル が発生することがない。
5.水滴を吹き飛ばしに加えて、負圧化により吸引除去するため、設備は簡単で良く、 また、ジッパーテープの生産スピードが低下することはない。
6.温風などを吹きつけて水滴の除去率を高めたりしないため、コストがかからない。
【実施例1】
【0027】
上記した本願発明の実施例を図1〜図11に基づいて詳細に説明する。
図1はジッパーテープの製造方法とその装置の全体を示すもので、符号の1はベーステープを示し、このベーステープ1は、図4に示すように、基本的には三層構造で、図中上面には袋に熱融着するための熱融着フィルム層2が形成され、中間層には遮熱フィルム層2aが形成され、下面には咬合部形成用熱融着フィルム層3が形成されていて、ロール4から繰り出される。
【0028】
因みに、熱融着フィルム層2には、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂及び第三成分としてポリブテン等のオレフィン系樹脂又はポリスチレン樹脂を混合した樹脂あるいは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂とポリエチレン系樹脂及び第三成分としてオレフィン系改質剤を混合した樹脂からなるオレフィン系樹脂を用いることができ、咬合部形成用熱融着フィルム層3には、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂及び第三成分としてポリブテン等のオレフィン系樹脂又はポリスチレン樹脂を混合した樹脂あるいは、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂とポリエチレン系樹脂及び第三成分としてオレフィン系改質剤を混合した樹脂からなるオレフィン系樹脂を用いることができる。
また、遮熱フィルム層2aには、熱融着フィルム2、3より高融点のフィルムが用いられており、例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム又は2軸延伸ナイロンフィルム等のような延伸フィルムである。
【0029】
5は、咬合部となる雄条6と雌条7を押し出す異形押出機であって、雄条6と雌条7は、図2に示すように、異形押出機5のヘッド8から対となるものが交互にベーステープ1上に押し出されて熱融着し、水槽9内に導かれ、ここで水冷されて固着する。水冷により、水滴Pが付着したジッパーテープaは、次に図3に示すように、圧縮エアーノズル10、10aから噴出するエアーにより図4(A)の状態から(B)の状態に示すように吹き飛ばされる。しかし、図4(B)のように、雄条6と雌条7の凹部には、水滴Pがどうしても吹き飛ばされないで残留してしまう。
この残留した水滴Pは、次に水滴吸引用のボックス本体11を通過するときに、図4(C)に示すように、すべて吸引除去されてしまう。
なお、上記咬合部となる雄条6と雌条7には、ポリエチレン又はポリプロピレン系の樹脂フィルムが主に用いられるが、その他、EVO(エバール)系樹脂、あるいは植物由来樹脂等も用いることができる。それ故、この雄条6、雌条7の成形に用いられる樹脂は、上記例示に限定されるものではない。
【0030】
水滴吸引用ボックス本体11について、ここで更に詳しく説明すると、この水滴吸引中のボックス本体11は、密閉されたボックス本体11にバキュームホース12が接続されていて、図外の真空ポンプにより内部が負圧に形成される。
そして、このボックス本体11の天板13の上面には、図5〜図7に示すように、雄条6と雌条7が下向きで嵌合して通過ができるスリット14が多列に形成してあり、このスリット14の底部には、水滴吸引用のボックス本体11内と連通し、スリット14内を負圧化するための連通孔15が図8に示すように、又は図9に示す連通スリット16が形成されている。この結果、雄条6と雌条7部分に付着していた水滴Pは、スリット14から連通孔15又は連通スリット16を介してボックス本体11内に完全に吸引除去される。
なお、天板13の表面には、摩擦を軽減し、かつ水滴をベーステープ全面から吸引するために、図10に示すように、すべり材20、例えば、不織布等を張り合わせておくようにしてもよい(請求項13、14)。
【0031】
そして、水滴Pが除去されたジッパーテープaは、図1において、スリッター17により図11において、X点で雄条側6aと雌条側7aにそれぞれカットされたのち、互いに向い合わせにされ、次に咬合ローラー18により咬合されて一対のジッパーテープaに形成されたのち、捲取機19に捲き取られて製品となる。
なお、水滴の吸引除去手段として、実施例では、吸引用のボックス本体11の天板13にスリット14を形成したが、スリット14ではなく、負圧化されたボックス内にジッパーテープaを入口から出口に向けて通過させることにより、残留している水滴Pを吸引除去することもできる。
【実施例2】
【0032】
図12は、請求項2及び請求項7に記載した単列どりジッパーテープに本発明を実施した例を示すもので、この単列どりは、異形押出機5のヘッド8から図13(A)、(B)に示すように、ベーステープ1aと雄条6aと雌条7aが一体化したものを一緒に押し出して水槽9内で水冷するもので、次のエアーによる水滴の吹き飛ばし、及び水滴吸引除去手段は実施例1の場合と同様にして行う。
なお、この単列どりにおいて、水滴を除去した後、雄条6a側と雌条7a側を咬合して捲きとり、製品とする場合(請求項2、7)と雄条6と雌条7をそれぞれ別々に捲きとり、製品とする場合(請求項3、8)がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るジッパーテープ製造方法及びその装置の全体を示す説明図
【図2】雄条と雌条の成形及び水冷の説明図
【図3】水滴除去方法の説明図
【図4】(A)(B)(C) 水滴除去例の説明図
【図5】水滴吸引用ボックス本体の平面図
【図6】A−A´線断面図
【図7】水滴吸引状態の説明図
【図8】スリットと連通孔の説明図
【図9】スリットと吸引スリットの説明図
【図10】天板の上面にすべり材を取り付けた状態の説明図
【図11】多列どりジッパーテープをスリッターでカットする位置の説明図
【図12】単列どりジッパーテープの製造方法及びその装置の説明図
【図13】単列どりジッパーテープを示すもので、(A)は雄条側、(B)は雌条側の説明図
【符号の説明】
【0034】
1 ベーステープ
6 雄条
7 雌条
10、10a エアーノズル
11 ボックス本体
14 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.1枚のベーステープの表面に異形押出機から対となる雄条と雌条を平行に押し出してベーステープの表面に融着させたのち、これを水冷することにより、雄条と雌条をベーステープに固着し、その後、雄条と雌条の中間においてベーステープをカットして雄条側と雌条側に分離し、その後、前記雄条側と雌条側を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法であって、
b.前記水冷直後にベーステープ及び雄条と雌条部分にエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、ベーステープを雄条側と雌条側にそれぞれカットし、
e.その後、雄条と雌条を咬合して製品とする、
f.ことを特徴とする多列どりジッパーテープの製造方法。
【請求項2】
a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条と雌条をそれぞれ押し出し、これを水冷することにより、固化させ、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法において、
b.前記水冷直後に雄条側と雌条側にそれぞれエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、雄条と雌条をそれぞれ咬合して製品とする、
e.ことを特徴とする単列どりジッパーテープの製造方法。
【請求項3】
a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条と雌条をそれぞれ押し出し、これを水冷して固化させることにより、対となるジッパーテープを製造する方法であって、
b.前記水冷直後に雄条側と雌条側にそれぞれエアーを吹き付けることにより水冷時に付着した水滴を吹き飛ばし、
c.次に、雄条と雌条部分の表面を負圧化して残留している水滴を吸引除去し、
d.その後、雄条と雌条をそれぞれ別々に捲きとって製品とする、
e.ことを特徴とする単列どりジッパーテープの製造方法。
【請求項4】
前記雄条と雌条部分を負圧化させたスリット内を走行させることにより、雄条及び雌条部分に付着している水滴を吸引し、除去する請求項1又は2又は3に記載のジッパーテープの製造方法。
【請求項5】
前記雄条と雌条部分を負圧化させたボックス内を通過させることにより、雄条及び雌条部分に付着している水滴を除去する請求項1又は2又は3に記載のジッパーテープの製造方法。
【請求項6】
a.ベーステープの表面に異形押出機から対となる雄条と雌条を平行に押し出してベーステープの表面に融着させたのち、これを水冷することにより、雄条と雌条をベーステープに固着し、その後、雄条と雌条の中間をカットして雄条側と雌条側に分離し、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条と雌条を咬合する咬合手段と、
e.から成ることを特徴とする多列どりジッパーテープの製造装置。
【請求項7】
a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条側と雌条側をそれぞれ押し出して水冷することにより固化を図り、その後、前記雄条と雌条を対向させて咬合させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条と雌条を咬合する咬合手段と、
e.から成ることを特徴とする単列どりジッパーテープの製造装置。
【請求項8】
a.異形押出機から対となるベーステープと一体化された雄条側と雌条側をそれぞれ押し出して、これを水冷して固化させることにより、対となるジッパーテープを製造する装置であって、
b.前記水冷後のジッパーテープの両面にエアーを吹き付けて水滴を除去するエアーノズルと、
c.前記エアーノズルにより水滴を除去したジッパーテープにおいて、雄条と雌条部分に残留している水滴を吸引して除去する水滴吸引除去手段と、
d.前記水滴吸引後の雄条側と雌条側をそれぞれ別々に捲きとる捲き取り手段と、
e.から成ることを特徴とする単列どりジッパーテープの製造装置。
【請求項9】
前記水滴吸引除去手段は、密閉されたボックス本体の上面に雄条と雌条が収まる空間を持ったスリットが形成されていると共に、このスリットは、負圧化されたボックス本体内と連通していることを特徴とする請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項10】
前記水滴吸引除去手段は、負圧化されたボックスであって、ジッパーテープはこのボックス内を通過することを特徴とする請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項11】
前記ボックス本体に形成されたスリットは、対となる雄条と雌条用が単列に、又は交互に固着された多列取りのジッパーテープに対応するために、雄条用と雌条用のスリットが対に、又は対が交互に多列に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項12】
前記エアーノズル及び水滴吸引除去手段は、ジッパーテープの移動方向に沿ってそれぞれ一ヶ所又は連続して複数箇所に配置されていることを特徴とする請求項6又は7又は8に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項13】
前記ボックス本体におけるスリットは、ボックス本体の天板の上面に形成されていると共に、この天板の上面には、すべり材が張り付けられていることを特徴とする請求項9又は11又は12に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項14】
前記すべり材には、不織布又はプラスチック材が用いられていることを特徴とする請求項13に記載のジッパーテープの製造装置。
【請求項15】
前記ボックス本体の天板又はボックス本体全体は、プラスチック材又はアルミ材又は鉄板等で形成されていることを特徴とする請求項9又は10又は11又は13に記載のジッパーテープの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−125799(P2008−125799A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313928(P2006−313928)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000237787)富士特殊紙業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】