説明

ジニトロ−オクチルフェニルエステルの異性体混合物およびこれらから得られる相乗性殺菌剤混合物

本発明は、ジニトロ−オクチルフェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、これらから得られる相乗性殺菌剤混合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジニトロ−オクチルフェニルエステルの異性体組成物および相乗性殺菌剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2,4−ジニトロ−6−オクチルフェニルクロトネートと2,6−ジニトロ−4−オクチルフェニルクロトネートを含んでなる組成物は、うどん粉病またはある種の植物寄生ダニを防除するための殺菌剤として使用されてきた。このような組成物は、ジノキャップとしての知られ、カラセン(商標)殺菌剤/殺ダニ剤中で使用される活性成分である。ジノキャップは、それぞれがシスおよびトランス成分を有する6つの異性体の混合物であり、そして活性成分として2,4−および2,6−ジニトロ−オクチルフェニルクロトネートの混合物をほぼ2:1の比で含有する。ここで「オクチル」は1−メチルヘプチル、1−エチルヘキシルおよび1−プロピルペンチル異性体の混合物をいう。ジノキャップの皮膚吸収および哺乳動物の発育効果についての報告を含めて、2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネートに関して種々の研究が公表されてきた。「Dinocap Dermal Absorption in Female Rabbits and Rhesus Monkeys」, Biological Monitoring for Pesticide Exposure, Chapter 11, pages 137-151, December 4, 1987は、97パーセント純度の2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート異性体についての吸収データに関する研究を開示している。もう一つの研究の「Developmental Toxicity of Dinocap in the Mouse is Not Due to Two Isomers of the Major Active Ingredients」, Teratogenesis, Carcinogenesis, and Mutagenesis 7:341-346(1987)は、ジノキャップを殺菌剤として使用することを報告し、そして95パーセント純度の2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート異性体についての毒性データを報告している。
【0003】
ジノキャップは、WO02/067679および米国特許第6,346,535号で教示されているようにベンゾフェノンとの混合物;米国特許第6,528,536号で教示されているようにフェニルベンジルエーテルおよび/またはカーバメートとの混合物;米国特許第6,515,000号で教示されているようにアミドとの混合物;WO2004091298で教示されているようにベンザアミドキシムとの混合物;米国特許第6,207,691号で教示されているように1−((N−(2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ)−カルボニル)−1−メチルシクロヘキサンとの混合物;FR2445696で教示されているようにクロロタロニルおよびジタリムフォスとの混合物;GB2003032で教示されているようにN−(p−フルオロフェニル)−2,3−ジクロロマレイミドとの混合物;米国特許第3,456,055号で教示されているようにテトラクロロイソフタロニトリルとの混合物;米国特許第6,489,360号で教示されているようにフェニルベンジルエーテルまたはカーバメートとの混合物;米国特許第5,569,656号で教示されているようにアミノメチルヘテロ環化合物との混合物;WO2003103393で教示されているように融合ピリミジノンとの混合物を含む、他の殺菌剤と相乗性混合物を形成することが知られている。ここで、上述の米国特許はすべて引用により本明細書に組み込まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジノキャップは、種々のレベルの毒物学的効果、例えばマウスにおける催奇形性およびイヌにおける網膜症をもたらす異性体の混合物である。したがって、殺菌剤効力を維持あるいは増大させ、そしてこれらから相乗性殺菌剤混合物を開発する一方で、更に好ましい毒物学的性質を有する、類似の殺菌剤を製造する必要性が存在し続ける。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ジニトロ−オクチルフェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、相乗性殺菌剤組成物に関する。
【0006】
驚くべきことには、0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体を含有する本発明の異性体組成物は、殺菌剤効力を維持する一方で極めて好ましい毒物学的性質を有するということが発見された。
【0007】
通常、ジニトロ−オクチルフェニルエステルは、
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステル、
2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル、
2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
の異性体の形を含む異性体の混合物として存在する;ここで、このエステルは、環境条件下で加水分解して、対応するフェノールを形成する能力のあるいかなるエステル官能基としても定義されるものである。環境条件は、水分の存在を含む、農作物の環境中であるいは作物そのもの内で自然に発生する条件を含む。
【0008】
驚くべきことには、異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含んでなる異性体組成物は、殺菌剤効力を維持する一方で、催奇形性あるいは網膜症の効果を有しないということが発見された。
【0009】
例えば、ジノキャップは、
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート、
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネート、
2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネート、
2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート、
2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネートおよび
2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネート
の異性体のシスおよびトランス形の両方を含むジニトロ−オクチルフェニルクロトネートの異性体混合物を参照する異性体組成物である。
【0010】
ジノキャップにおけるように、このクロトネートエステルが植物または環境への暴露により対応するジニトロ−オクチルフェノールに加水分解すること、そしてこのフェノールが殺菌剤効果を有する活性成分であるということは当分野においてよく知られている。それゆえ、このエステルを誘導体化して、植物または環境内でフェノールに変形可能な関連置換基を形成するこれらの化合物のいかなるエステルまたは類似体も本質的に同一の殺菌剤効果を有し、本発明の範囲内のものである。好ましくは、本発明の異性体組成物はジニトロ−オクチルフェニルクロトネートの混合物である。
【0011】
一般に、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルの量が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント以下であり、そして改善された毒性および殺菌剤効力が維持される限り、本発明の異性体組成物は、ジニトロ−オクチルフェニルエステルを異性体のいかなる組み合わせおよび量でも含んでなることができる。言い換えれば、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルの量が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント以下である限り、この異性体組成物は、いかなる量でもある、いかなる数のジニトロ−オクチルフェニルエステル異性体、各異性体も含んでなることができる。一般に、この異性体組成物は、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含んでなる。
【0012】
一つの実施形態においては、本発明の異性体組成物は、組成物中に存在する全異性体の全重量基準で、少なくとも20の、一般に少なくとも30の、更に一般に少なくとも40の、通常少なくとも50の、更に通常少なくとも60の、好ましくは少なくとも70の、更に好ましくは少なくとも80の、なお更に好ましくは少なくとも90の、そして最も好ましくは少なくとも95重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステルを含んでなる。
【0013】
もう一つの実施形態においては、本発明の異性体組成物は、組成物中に存在する全異性体の全重量基準で、1から、一般に1.5から、通常2から、好ましくは2.5から、更に好ましくは3から、そして最も好ましくは5から、45までの、一般に40までの、通常35までの、好ましくは30までの、更に好ましくは27までの、そして最も好ましくは25重量パーセントまでの2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルを含んでなる。
【0014】
もう一つの実施形態においては、本発明の異性体組成物は、組成物中に存在する全異性体の全重量基準で、0.1から、一般に0.5から、通常1から、好ましくは1.5から、更に好ましくは2.0から、そして最も好ましくは2.5から、45までの、一般に40までの、通常35までの、好ましくは30までの、更に好ましくは27までの、そして最も好ましくは25重量パーセントまでの2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含んでなる。
【0015】
更にもう一つの実施形態においては、本発明の異性体組成物は、組成物中に存在する全異性体の全重量基準で、0.1から、一般に0.5から、通常0.7から、好ましくは1.0から、更に好ましくは1.5から、そして最も好ましくは2.0から、45までの、一般に40までの、通常35までの、好ましくは30までの、更に好ましくは27までの、そして最も好ましくは25重量パーセントまでの2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステルを含んでなる。
【0016】
もう一つの実施形態においては、本発明の異性体組成物は、0.1から、一般に0.5から、通常1.0から、好ましくは1.5から、更に好ましくは2.0から、そして最も好ましくは2.5から、45までの、一般に40までの、通常35までの、好ましくは30までの、更に好ましくは27までの、そして最も好ましくは25重量以下パーセントまでの2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルを含んでなる。
【0017】
本発明の異性体組成物は、0.1未満の、一般に0.08未満の、一般に0.06未満の、好ましくは0.04未満の、更に好ましくは0.02未満の、そして最も好ましくは0.001重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含んでなる。最も好ましい実施形態においては、本発明の異性体組成物は、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルの不在下での異性体の混合物である。「不在下」とは、高圧液体クロマトグラフィを用いて測定して検出不能な量をいう。
【0018】
本発明のもう一つの実施形態においては、この異性体組成物は、
80〜98重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
1.5重量パーセント未満の2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステル、
0.1重量パーセント未満の2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル、
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含んでなる。
【0019】
最終の異性体組成物が0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含有する限り、本発明の異性体組成物は種々の方法により調製可能である。当分野においてよく知られ、そして「E.Y. Guide to the Chemicals Used in Crop Protection」7th ed. Publication 1093, Research Institute, Agriculture Canada, Ottawa, Canada: Information Canada,1982.229で述べられているように、ジノキャップは、通常、クロトニルクロリドとの反応によりジニトロ−オクチルフェノールの混合物をジニトロ−オクチルフェニルクロトネートに変換することにより製造される。適切な材料をクロトニルクロリドに置き換えて、異なるエステルをフェニル環に導入することにより、他のエステルも調製可能である。0.1重量パーセント未満の4−(1−プロピルペンチル)フェノールを含有するオクチルフェノールのジニトロ化により調製可能な、0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェノールを含有するジニトロ−オクチルフェノールの混合物を反応において使用することにより、この異性体組成物は上記の方法を用いて入手可能である。所望の純度を得るのに必要な精製および分離方法を含む、いかなる既知の方法によっても高純度の出発材料が入手可能である。例えば、考慮される方法は、2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノールまたは2,4−ジニトロ−6−オクチルフェノール、2,6−ジニトロ−4−オクチルフェノールの任意の異性体、またはこれらの混合物を製造し、引き続き0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェノールを有する所望の極めて純粋な出発材料を入手するために適切な精製および/または分離方法を行う、いかなる既知の方法も含む。別法としては、極めて純粋なメチルヘプチルフェノールをニトロ化して、高純度のジニトロ−オクチルフェノールを製造することができる。高純度のメチルヘプチルフェノールは、フェノールをアルキル化し、続いて精製、例えば蒸留、クロマトグラフィするためのいかなる既知の方法によっても入手可能である。
【0020】
この明細書中で考慮されるなお他の方法は、2,4−ジニトロ−6−オクチルフェニルエステルと2,6−ジニトロ−4−オクチルフェニルエステルの異性体混合物を製造し、続いて適切な精製および/または分離方法を行って、本発明の異性体組成物を得るいかなる既知の方法も含む。精製および分離方法は、蒸留、クロマトグラフィなどを含む、当業者には既知のいかなる方法であることもできる。このような異性体混合物を調製する他の関連する方法は、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第2,810,767号および米国特許第2,526,660号で開示されているものも含む。
【0021】
一つの実施形態においては、少なくとも98.5パーセントの純度を有し、そして0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェノールを有する2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノールが本発明の異性体組成物の調製に使用される。
【0022】
加えて、本発明のもう一つの実施形態は、植物病原体生物による攻撃に対して植物を防護し、そして/あるいは植物病原体生物に感染した植物を処置するのに有用であって、
I)異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルを含有するジニトロ−オクチルフェニルエステルの異性体組成物と、
II)植物学的に許容し得るキャリア材料
を含んでなる殺菌剤組成物である。
本発明の異性体組成物は、異性体組成物を送達のために製剤し、そして殺菌剤として使用することができるすべてのビヒクルを考慮する。通常、製剤は、水性サスペンジョンあるいはエマルジョンとして施される。このようなサスペンジョンまたはエマルジョンは、(1)水和剤または水分散型顆粒として通常知られている固体または(2)異性体組成物を含有する、乳化性濃縮液、水性エマルジョン、サスペンジョン濃縮液および水懸濁カプセルとして通常知られている液体である、水溶性、水懸濁性、あるいは乳化性製剤から製造される。容易に認識されるように、抗菌剤としての異性体組成物の活性を著しく妨害せずに所望の有用性を生じるという前提ならば、異性体組成物を添加することができるいかなる材料も使用され得る。
【0023】
水中のディスパージョンから緻密化、押し出しあるいは加工し、続いて噴霧乾燥または流動床集塊を行って、水分散型顆粒を形成し得る水和剤は、異性体組成物の緊密な混合物、不活性キャリアおよび界面活性剤を含んでなる。水和剤中の異性体組成物の濃度は、通常、水和剤の全重量基準で10パーセント〜90重量パーセント、更に好ましくは25重量パーセント〜75重量パーセントである。水和剤製剤の調製において、この異性体組成物は、任意の微粉砕された固体、例えばパイロフィライト、タルク、白亜、石膏、酸性白土、ベントナイト、アタパルガイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、精製ケイ酸塩などと混練可能である。このような操作においては、この微粉砕されたキャリアと界面活性剤は、通常、異性体組成物とブレンドされ、そしてミル掛けされる。
【0024】
異性体組成物の乳化性濃縮液は、好適な液体中の好都合な濃度の、例えば濃縮液の全重量基準で5重量パーセント〜75重量パーセントの異性体組成物を含んでなる。異性体組成物は、水、水混和性溶剤、水非混和性溶剤、またはこれらの混合物のいずれかである不活性キャリアと、乳化剤に溶解される。濃縮液を水および油により希釈して、噴霧混合物をオイル・イン・水エマルジョンの形で形成し得る。有用な有機溶剤は、芳香族、特に石油の高沸点性ナフタレン系およびオレフィン系部分、例えば重質芳香族ナフサを含む。ロジン誘導体、アリールケトン、例えばシクロヘキサノンおよび複合アルコール、例えば2−エトキシエタノールを含む、他の有機溶剤、例えばテルペン系溶剤も使用し得る。
【0025】
この明細書中で有利に使用可能な乳化剤は、当業者ならば容易に決定可能であり、そして種々の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性乳化剤または2つ以上の乳化剤のブレンドを含む。乳化性濃縮液の製造に有用な非イオン性乳化剤の例は、ポリアルキレングリコールエーテルおよびアルキルおよびアリールフェノール、アリールアルコール、アリールアミンまたは脂肪酸とエチレンオキシド、プロピレンオキシドとの縮合生成物、例えばエトキシル化アルキルフェノールおよびポリオールまたはポリオキシアルキレンにより可溶化されたカルボン酸エステルを含む。カチオン性乳化剤は四級アンモニウム化合物および脂肪アミン塩を含む。アニオン性乳化剤は、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えば、カルシウム)、油溶性塩または硫酸化ポリグリコールエーテルまたはリン酸化ポリグリコールエーテルの適切な塩を含む。
【0026】
異性体組成物の乳化性濃縮液の調製で使用可能な代表的な有機液体は、芳香族液体、例えばキシレン、プロピルベンゼン留分;または混合ナフタレン留分、鉱油、置換芳香族有機液体、例えばジオクチルフタレート;ケロシン;種々の脂肪酸のジアルキルアミド、特に脂肪グリコールおよびグリコール誘導体のジメチルアミド、例えばジエチレングリコールのn−ブチルエーテル、エチルエーテルまたはメチルエーテルおよびトリエチレングリコールのメチルエーテルである。2つ以上の有機液体の混合物も乳化性濃縮液の調製において使用され得る。好ましい有機液体はキシレンおよびプロピルベンゼン留分含み、プロピルベンゼン留分が最も好ましい。界面活性乳化剤は、通常、液体製剤中で、そして乳化剤の異性体組成物との組み合わされた重量基準で0.1〜20重量パーセントの量で使用される。本発明の異性体組成物を含んでなる製剤は、他の適合性の添加物、例えば、殺ダニ剤、殺虫剤、植物生長調整剤、他の殺菌剤および農業で使用される他の生物学的に活性な化合物も含有することができる。
【0027】
水性サスペンジョンは、水性サスペンジョンの全重量基準で5〜50重量パーセントの範囲の濃度で水性ビヒクル中に分散された異性体組成物のサスペンジョンを含んでなる。水性サスペンジョンは、水と上述の同一のタイプから選択される界面活性剤からなるビヒクルの中に本発明の異性体組成物またはこの溶液を激しく混合することにより調製される。水性ビヒクルの密度および粘度を増加させるように、他の成分、例えば無機塩および合成あるいは天然のゴムも添加され得る。水性サスペンジョンの例は、油滴(EW)、固体(SC)およびカプセル(CS)のサスペンジョンを含む。
【0028】
土壌への施用に特に有用である顆粒状製剤としてもこの異性体組成物を施すことができる。顆粒状製剤は、全部あるいは大部分、粗粉砕された不活性材料、例えばアタパルガイト、ベントナイト、珪藻岩、粘土または類似の安価な物質からなる不活性キャリア中に分散された、顆粒状製剤の全重量基準で0.5〜10重量パーセントの異性体組成物を通常含有する。このような製剤は、通常、異性体組成物を好適な溶剤中に希釈し、そしてこれを0.5〜3mmの範囲の適切な粒子サイズに予備成形された顆粒状キャリアに塗布することにより調製される。好適な溶剤は、この化合物が実質的に、あるいは完全に可溶である溶剤である。このような製剤は、キャリアと異性体組成物および溶剤のダウまたはペーストを作製し、そして粉砕、乾燥して、所望の顆粒状粒子を得ることによっても調製され得る。
【0029】
水分散型顆粒または乾燥した流動性製剤としても本発明の異性体組成物を施すことができる。水分散型顆粒は、通常、製剤の全重量基準で10〜70パーセントの異性体組成物を含有する。このような製剤は、通常、異性体混合物をキャリア上に分散剤および/または湿潤剤の添加と共に混合および/または噴霧し、そして水と組み合わせて、よく知られた顆粒化技術、例えばパン顆粒化、押し出し、噴霧乾燥、流動床団結などを用いて更なる加工に好適な混合物を形成することにより得られる。
【0030】
異性体組成物を好適なダスト状農業用キャリア、例えばカオリン粘土、摩砕火山岩などと緊密に混合することにより、異性体組成物を含有するダストを調製することができる。ダストは、好適には、ダストの全重量基準で1〜10重量パーセントの異性体組成物または他の殺菌剤を含有することができる。顆粒について上述したのと類似の方法で異性体組成物をキャリア上に含浸させることによっても、ダストを調製することができる。
【0031】
本発明の製剤は、標的作物および生物上への異性体組成物の堆積、濡れおよび浸透を増進するのに、補助的界面活性剤を追加的に含有し得る。これらの補助的界面活性剤は、場合によっては、製剤の成分として、あるいはタンク混合物として使用され得る。補助的界面活性剤の量は、通常、水の噴霧容積基準で0.01〜1.0容量パーセント、好ましくは0.05〜0.5容量パーセントと変わる。好適な補助的界面活性剤は、限定ではないが、エトキシル化ノニルフェノール、合成あるいは天然のエトキシル化アルコール、スルホコハク酸の塩あるいはエステル、エトキシル化オルガノシリコーン、エトキシル化脂肪アミンおよび界面活性剤と鉱油または植物油とのブレンドを含む。
【0032】
本発明の一つの実施形態は、植物病原体生物による攻撃に対して植物を防護するための、あるいは植物病原体生物に既に感染した植物を処置するためにこれを使用することに関し、本発明の異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤を含んでなる殺菌剤の相乗性混合物と、土壌、植物、植物の一部、葉、花卉および/または果物にこの相乗性混合物を施すことを含んでなる。
【0033】
殺菌剤化合物は、広範囲の種々の望ましくない病気を防除するために往々にして1つ以上の他の殺菌剤と組み合わせて施される。他の殺菌剤と併せて使用する場合、本発明で特許請求される異性体組成物を他の殺菌剤と製剤するか、他の殺菌剤とタンク混合するか、あるいは他の殺菌剤と順次施すことができる。このような他の殺菌剤は、アミスルブロム2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、アンチマイシン、アンペロマイセス、キスクァリス、アザコナゾール、アゾキシストロビン、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカーブ−イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホネート(BABS)塩、重炭酸塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビタータノール、ブラスチシジン−S、ボラックス、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カルシウムポリスルフィド、カプタフォル、カプタン、カーベンダジム、カーボキシン、カルプロパミド、カルボン、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、コニオチリウム・ミニスタンス(Coniothyrium minitans)、水酸化銅、銅オクタノエート、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、クマリン、酸化第一銅、シアゾファミド、シフルフェンアミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカーブ、ジアンモニウムエチレンビス−(ジチオカーバメート)、ジクロロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカーブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾクアットイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドデモルフアセテート、ドジン、ドジン遊離塩基、エディフェンホス、エネストロビン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロオキシド、フェルバム、フェリムゾーン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、ホルムアルデヒド、フォセチル、フォセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、グアザチンアセテート、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリン、イマザリンサルフェート、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イミノクタジントリス(アルベシレート)、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イプロバリカーブ、イソプロチオラン、カスガマイシン、カスガマイシンヒドロクロリドハイドレート、クレソキシム−メチル、マンコッパー、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メパニピリム、メプロニル、塩化水銀、酸化水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メフェノキサム、メタラキシ−M、メタム、メタム−アンモニウム、メタム−カリウム、メタム−ナトリウム、メトコナゾール、メタスルフォカルブ、ヨウ化メチル、メチルイソチオシアネート、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルジオミシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタル−イソプロピル、ナウリモル、オクチリノン、オフラス、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン−銅、オクスポコナゾールフマレート、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、ペンチオピラド、フェニル水銀アセテート、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム、重炭酸カリウム、カリウムヒドロキシキノリンサルフェート、プロベナゾール、プロクロラッツ、プリシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブヒドロクリド、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、オオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)抽出物、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、重炭酸ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、イオウ、SYP−Z071、SYP−048、タール油、テブコナゾール、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアゾロピリミジン、トリアザキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリフォリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、Candida oleophila、Fusarium oxysporum、Gliocladium spp.、Phlebiopsis gigantean、Streptomyces griseoviridis、Trichoderma spp.、(RS)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトンハイドレート、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1,4−ジチイン1,1,4,4−テトラオキシド、2−メトキシエチル水銀アセテート、2−メトキシエチル水銀クロリド、2−メトキシエチル水銀シリケート、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルロダニン、4−(2−ニトロプロプ−1−エニル)フェニルチオシアナテム:アムプロピルフォス、アニラジン、アジチラム、バリウムポリスルフィド、バイエル(Bayer) 32394、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル、ベンザモルフ、ビナパクリル、ビス(メチル水銀)サルフェート、ビス(トリブチルスズ)オキシド、ブチオベート、カドミウムカルシウム銅亜鉛クロメートサルフェート、カーバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロルアニフォルメタン、クロルフェナゾール、クロルキノックス、クリンバゾール、銅ビス(3−フェニルサリシレート)、銅亜鉛クロメート、クフラネブ、第二銅ヒドラジニウムサルフェート、クプロバム、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモル、ジノクトン、ジノスルフォン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムフォス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム、エチリム、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカーバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリネート、Hercules 3944、ヘキシルチオフォス、ICIA 0858、イソパムホス、イソバレジオン、メベニル、メカービンジッド、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチル水銀ジシアンジアミド、メトスルフォバックス、ミルネブ、ムコクロル無水物、ミクロゾリン、N−3,5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタミシン、N−エチル水銀−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカーバメート)、OCH、フェニル水銀ジメチルジチオカーバメート、硝酸フェニル水銀、ホスジフェン、プロチオカルブ;プロチオカルブヒドロクロリド、ピラカーボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル、キンアセトール;キンアセトールサルフェート、キンアザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリシルアニリド、SSF−109、スルトロペン、テコラム、チアジフルオール、チシオフェン、チオクロルフェンフィム、チオファネート、チオキノックス、チオキシミド、トリアミホス、トリアリモル、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシド、XRD−563およびザリラミド、IK−1140、NC−224およびこれらの任意の組み合わせ物も含む。
【0034】
限定ではないが、WO02/067679;WO2003103393;WO2004091298;FR2445696;GB2003032;米国特許第6,346,535号;米国特許第6,528,536号;米国特許第6,515,000号;米国特許第6,207,691号;米国特許第3,456,055号;および米国特許第6,489,360号などのリファレンスで開示されているように、ジノキャップについて相乗性が以前に見出された。しかしながら、本発明の組成物についての相乗性は以前に報告されたことはない。
【0035】
驚くべきことには、本発明のもう一つの態様は、改善された毒性を有する、この明細書中で記述された異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤との相乗性混合物に関する。本発明の相乗性組成物は、1)ジノキャップと相乗性である任意の殺菌剤と、2)この明細書中で詳述されている異性体組成物を含んでなることができる。相乗性効果を示すことが知られている例示の殺菌剤は、限定ではないが、QoI殺菌剤、例えばアゾキシストロビンを含むメトキシアクリレートおよびクレソキシムメチルを含むオキシモアセテート;SBI殺菌剤:クラスI、例えばミクロブタニルを含むトリアゾール;クラスII、例えばスピロキサミンを含むスピロケタール−アミン;およびクラスIII、例えばフェンヘキサミドを含むヒドロキシアニリド;ベンゾフェノン、例えばメトラフェノン;キノリン、例えばキノキシフェン;ジチオカーバメートおよび誘導体、例えばマンコゼブ;クロロニトリル、例えばクロロタロニル;ボスカリドを含む、錯体IIにおける呼吸阻害スクシネートデヒドロゲナーゼカルボキサミドなどを含む。
【0036】
一つの特定の実施形態においては、本発明は、
i)ジニトロ−(オクチル)フェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、
ii)QoI殺菌剤(ストロビルリンおよび関連の化合物と普通呼ばれる)を含んでなる相乗性混合物である。
QoI殺菌剤は、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、クレソキシム−メチル、ファモキサドン、フェナミドンなどの化合物を含む。
【0037】
もう一つの実施形態においては、本発明は、
i)ジニトロ−(オクチル)フェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、
ii)キノリンまたはシノリン
を含んでなる相乗性混合物である。
キノリンおよびシノリン、例えばキノキシフェンは、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,145,843号で報告されている。
【0038】
もう一つの実施形態においては、本発明は、
i)ジニトロ−(オクチル)フェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、
ii)ジチオカーバメート
を含んでなる相乗性混合物である。
ジチオカーバメートは、マンコゼブ(亜鉛およびマンガンエチレンビスジチオカーバメートの配位生成物)、マネブ(マンガンエチレンビスジチオ−カーバメート)およびジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、ジラム(亜鉛ジメチルジチオ−カーバメート)、プロピネブ([[1−メチル−1,2−エタンジイル)ビス[カーバメートチオアト]](2−)]亜鉛ホモポリマー)、メチラム)(トリス[アミン−[エチレンビス(ジチオカーバメート)]−亜鉛(II)−[テトラヒドロ−1,2,4,7−ジチアジア−ゾシン−3,8−ジチオン]ポリマー)、フェルバム(鉄(II)ジメチルジチオカーバメート)、メタム(ナトリウムN−メチルジチオカーバメート)およびチラム(ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド)などの化合物を含む。
【0039】
もう一つの実施形態においては、本発明は、
i)ジニトロ−(オクチル)フェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、
ii)トリアゾール
を含んでなる相乗性混合物である。
トリアゾールは、アザコナゾール、ビタータノール、ブロムコナゾール、クロルフェナゾール、クリンバゾール、シペンダゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エトリジアゾール、フェンブコナゾール、フルオトリマゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、フベリダゾール、フルコナゾールおよびフルコナゾール−シス.ヘキサコナゾール、イマザリン、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロベナゾール、プロクロラッツ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、ラベンザゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリシクラゾール、トリフルマゾール、トリチコナゾールなどの化合物を含む。
【0040】
もう一つの実施形態においては、本発明は、i)ジニトロ−(オクチル)フェニルエステルの異性体を含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル異性体が異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物と、ii)スピロキサミンを含んでなる相乗性混合物である。
【0041】
異性体混合物および相乗性混合物内の他の殺菌剤の量は、所望の施用および防除を所望する病気に依って、変わることができる。一般に、この異性体組成物は、異性体組成物および他の殺菌剤の全重量基準で、0.1から、更に一般に1から、なお更に一般に5から、最も一般に10から、通常15から、通常20から、なお更に通常30から、最も通常40から、そしてごく普通に45重量パーセントから、一般に99.9までの、更に一般に99までの、なお更に一般に95までの、最も一般に90までの、通常85までの、更に通常80までの、なお更に通常70までの、最も通常60までの、そしてごく普通に55重量パーセントまでの量で存在する。
【0042】
一般に、この少なくとも1つの他の殺菌剤は、異性体組成物および他の殺菌剤の全重量基準で、99.9から、更に一般に99から、なお更に一般に95から、最も一般に90から、通常85から、更に通常80から、なお更に通常70から、最も通常60から、そしてごく普通に55から、0.1までの、更に一般に1までの、なお更に一般に5までの、最も一般に10までの、通常15までの、更に通常20までの、なお更に通常30までの、最も通常40までの、そしてごく普通に45重量パーセントまでの量で存在する。
【0043】
加えて、この異性体組成物および相乗性混合物は、施用に選択される媒体中で異性体組成物と適合性であり、異性体組成物の活性に拮抗しない、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺節足動物剤、殺菌剤またはこれらの組み合わせ物を含む、他の農薬と組み合わせ可能である。従って、このような実施形態においては、異なる農薬使用に対する補助的な毒物として他の農薬化合物が使用される。他の農薬と併せて使用する場合、異性体組成物または相乗性混合物を他の農薬と製剤するか、他の農薬とタンク混合するか、あるいは他の農薬と順次施すことができる。通常の殺虫剤は、限定ではないが、抗生物質の殺虫剤、例えばアロサミジンおよびツリンギエンシン;マクロ環状ラクトン殺虫剤、例えばスピノサド;アベルメクチン殺虫剤、例えばアバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチンおよびセラメクチン;ミルベミシン殺虫剤、例えばレピメクチン、ミルベメクチン、ミルベミシンオキシムおよびモキシデクチン;ヒ素系殺虫剤、例えばカルシウムアーセネート、銅アセトアーセナイト、銅アーセネート、鉛アーセネート、カリウムアーセナイトおよびナトリウムアーセナイト;植物用殺虫剤、例えばアナバシン、アザジラキチン、d−リモネン、ニコチン、ピレトリン、シネリン、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレトリンI、ピレトリンII、クアッシア、ロテノン、リアニアおよびサバディラ;カーバメート殺虫剤、例えばベンディオカーブおよびカーブアリール;ベンゾフラニルメチルカーバメート殺虫剤、例えばベンフラカーブ、カーボフラン、カーボスルファン、デカーボフランおよびフラチオカーブ;ジメチルカーバメート殺虫剤、例えばジミタン、ジメチラン、ヒキンカーブおよびピリミカーブ;オキシムカーバメート殺虫剤、例えばアラニカーブ、アルジカーブ、アルドキシカーブ、ブトカーボキシム、ブトキシカーボキシム、メトミル、ニトリラカーブ、オキサミル、タジムカーブ、チオカーブオキシム、チオジカーブおよびチオファノックス;フェニルメチルカーバメート殺虫剤、例えばアリキシカーブ、アミノカーブ、ブフェンカーブ、ブタカーブ、カーバノレート、クロエトカーブ、ジクレジル、ジオキサカーブ、EMPC、エチオフェンカーブ、フェネタカーブ、フェノブカーブ、イソプロカーブ、メチオカーブ、メトールカーブ、メキサカーベート、プロマシル、プロメカーブ、プロポクスル、トリメタカーブ、XMCおよびキシリルカーブ;ジニトロフェノール殺虫剤、例えばディネックス、ジノプロプ、ジノサムおよびDNOC;フッ素殺虫剤、例えばバリウムヘキサフルオロシリケート、クリオライト、フッ化ナトリウム、ナトリウムヘキサフルオロシリケートおよびスルフラミド;ホルマミジン殺虫剤、例えばアミトラッツ、クロルジメホルム、フルメタネートおよびホルムパラネート;燻蒸型殺虫剤、例えばアクリロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、クロロピクリン、パラ−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン、エチルホルメート、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、シアン化水素、ヨードメタン、臭化メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、ナフタレン、ホスフィン、フッ化スルフリルおよび四塩化エタン;無機殺虫剤、例えばボラックス、カルシウムポリスルフィド、銅オレエート、塩化第一水銀、チオシアン酸カリウムおよびチオシアン酸ナトリウム;キチン合成阻害剤、例えばビストリフルロン、ブプロフェジン、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロックスウロン、フルフェノックスウロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロン;幼若ホルモン模倣剤、例えばエポフェノナン、フェノキシカーブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェンおよびトリプレン;幼若ホルモン、例えば幼若ホルモンI、幼若ホルモンIIおよび幼若ホルモンIII;脱皮ホルモン作用剤、例えばクロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジド;脱皮ホルモン、例えばα−エシディソンおよびエシディステロン;脱皮阻害剤、例えばジオフェノラン;プレコセン、例えばプレコセンI、プレコセンIIおよびプレコセンIII;非分類昆虫成長調節剤、例えばジシクラニル;ネレイストキシン類似殺虫剤、例えばベンスルタップ、カルタップ、チオシクラムおよびチオスルタップ;ニコチノイド殺虫剤、例えばフロニカミド;ニトログアニジン殺虫剤、例えばクロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリドおよびチアメトキサム;ニトロメチレン殺虫剤、例えばニテンピラムおよびニチアジン;ピリジルメチルアミン殺虫剤、例えばアセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラムおよびチアクロプリド;有機塩素殺虫剤、例えばブロモ−DDT、カンフェクロル、DDT、pp’−DDT、エチル−DDD、HCH、ガンマ−HCH、リンダン、メトキシクロル、ペンタクロロフェノールおよびTDE;シクロジエン殺虫剤、例えばアルドリン、ブロモシクレン、クロルビシクレン、クロルダン、クロルデコン、ディールドリン、ジロール、エンドスルファン、エンドリン、HEOD、ヘプタクロル、HHDN、イソベンザン、イソドリン、ケレバンおよびミレックス;有機ホスフェート殺虫剤、例えばブロムフェンビンフォス、クロルフェンビンフォス、クロトキシホス、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメチルビンフォス、フォスピレート、ヘプタノホス、メトクロトホス、メビンフォス、モノクロトホス、ナレド、ナフタロフォス、ホスファミドン、プロパホス、TEPPおよびテトラクロルビンフォス;有機チオホスフェート殺虫剤、例えばジオキサベンゾフォス、フォスメチランおよびフェントエート;アリール有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアセチオン、アミトン、カデュサフォス、クロルエトキシフォス、クロルメホス、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−O、デメトン−S、デメトン−メチル、デメトン−O−メチル、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジスルフォトン、エチオン、エトプロホス、IPSP、イソチオエート、マラチオン、メタクリフォス、オキシデメトン−メチル、オキシデプロフォス、オキシジスルフォトン、ホレート、スルフォテップ、テルブフォスおよびチオメトン;アリールアミド有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアミジチオン、シアントエート、ジメトエート、エトエート−メチル、フォルマチオン、メカーバム、オメトエート、プロトエート、ソファミドおよびバミドチオン;オキシム有機チオホスフェート殺虫剤、例えばクロルフォキシム、フォキシムおよびフォキシム−メチル;ヘテロ環有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアザメチホス、クマホス、クミトエート、ジオキサチオン、エンドチオン、メナゾン、モルフォチオン、ホサロン、ピラクロフォス、ピリダフェンチオンおよびキノチオン;ベンゾチオピラン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばジチクロフォスおよびチクロフォス;ベンゾトリアジン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアジンホス−エチルおよびアジンホス−メチル;イソインドール有機チオホスフェート殺虫剤、例えばジアリフォスおよびホスメット;イソキサゾール有機チオホスフェート殺虫剤、例えばイソキサチオンおよびゾラプロフォス;ピラゾロピリミジン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばクロルプラゾホスおよびピラゾホス;ピリジン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばクロルピリフォスおよびクロルピリフォス−メチル;ピリミジン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばブタチオフォス、ジアジノン、エトリムフォス、リリムフォス、ピリミホス−エチル、ピリミホス−メチル、ピリミドホス、ピリミテートおよびテブピリムフォス;キノキサリン有機チオホスフェート殺虫剤、例えばキナルホスおよびキナルホス−メチル;チアジアゾール有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアチダチオン、リチダチオン、メチダチオンおよびプロチアダチオン;トリアゾール有機チオホスフェート殺虫剤、例えばイサゾフォスおよびトリアゾホス;フェニル有機チオホスフェート殺虫剤、例えばアゾトエート、ブロモホス、ブロモホス−エチル、カーボフェノチオン、クロルチオホス、シアノホス、シチオエート、ジカプトン、ジクロロフェンチオン、エタホス、ファムフール、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェンスルフォチオン、フェンチオン、フェンチオン−エチル、ヘテロホス、ヨードフェンホス、メスルフェンフォス、パラチオン、パラチオン−メチル、フェンカプトン、ホスニクロル、プロフェノフォス、プロチオフォス、スルプロフォス、テメホス、トリクロルメタホス−3およびトリフェノフォス;ホスフォネート殺虫剤、例えばブトネートおよびトリクロルフォン;ホスホノチオエート殺虫剤、例えばメカルフォン;フェニルエチルホスホノチオエート殺虫剤、例えばフォノフォスおよびトリクロロナート;フェニルフェニルホスホノチオエート殺虫剤、例えばシアノフェンホス、EPNおよびレプトホス;ホスホラミデート殺虫剤、例えばクルフォメート、フェナミホス、フォスチエタン、メホスフォラン、ホスフォランおよびピリメタホス;ホスフォラミドチオエート殺虫剤、例えばアセフェート、イソカーボホス、イソフェンホス、メタムイドホスおよびプロペタムホス;ホスフォラジアミド殺虫剤、例えばジメフォックス、マジドックス、ミパフォックスおよびシュラダン;オキサジアジン殺虫剤、例えばインドキサカーブ;フタルイミド殺虫剤、例えばジアリフォス、ホスメットおよびテトラメスリン;ピラゾール殺虫剤、例えばアセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、テブフェンピラド、トルフェンピラドおよびバニリプロール;ピレスロイドエステル殺虫剤、例えばアクリナスリン、アレスリン、ビオアレスリン、バルスリン、ビフェンスリン、ビオエタノメスリン、シクロスリン、シクロプロスリン、シフルスリン、ベータ−シフルスリン、シハロスリン、ガンマ−シハロスリン、ラムダ−シハロスリン、シペルメスリン、アルファ−シペルメスリン、ベータ−シペルメスリン、シータ−シペルメスリン、ゼータ−シペルメスリン、シフェノスリン、デルタメスリン、ジメフルスリン、ジメスリン、エンペンスリン、フェンフルスリン、フェンピリスリン、フェンプロパスリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フルシスリネート、フルバリネート、タウ−フルバリネート、フレスリン、イミプロスリン、メトフルスリン、ペルメスリン、ビオペルメスリン、トランスペルメスリン、フェノスリン、プラレスリン、プロフルスリン、ピレスメスリン、レスメスリン、ビオレスメスリン、シスメスリン、テフルスリン、テラレスリン、テトラメスリン、トラロメスリンおよびトランスフルスリン;ピレスロイドエーテル殺虫剤、例えばエトフェンプロックス、フルフェンプロックス、ハルフェンプロックス、プロトリフェンブテおよびシラフロフェン;ピリミジンアミン殺虫剤、例えばフルフェネリムおよびピリミジフェン;ピロール殺虫剤、例えばクロルフェナピル;テトロン酸殺虫剤、例えばスピロメシフェン、スピロジクロフェンおよびスピロテトラメット;チオウレア殺虫剤、例えばジアフェンチウロン;ウレア殺虫剤、例えばフルコフロンおよびスルコフロン;および非分類の殺虫剤、例えばクロサンテル、クロタミトン、EXD、フェナザフロール、フェノキサクリム、フルベンジアミド、ヒドラメチルノン、イソプロチオラン、マロノベン、メタフルミゾン、メトキサジアゾン、ニフルリジド、ピリダベン、ピリダリル、ラフォキサニド、トリアラテンおよびトリアザメートおよびこれらの任意の組み合わせを含む。
【0044】
異性体組成物またはこれらの相乗性混合物および農薬混合物内の他の農薬の量は、所望の用途および所望の防除のための病気に依って、変わることができる。一般に、本発明の異性体組成物または相乗性混合物は、異性体組成物または相乗性混合物および他の農薬の全重量基準で、0.1から、更に一般に1から、なお更に一般に5から、最も一般に10から、通常15から、更に通常20から、なお更に通常30から、最も通常40から、そしてごく普通に45重量パーセントから、一般に99.9までの、更に一般に99までの、なお更に一般に95までの、最も一般に90までの、通常85までの、更に通常80までの、なお更に通常70までの、最も通常60までの、そしてごく普通に55重量パーセントまでの量で存在する。
【0045】
一般に、使用される場合には、他の農薬は、異性体組成物または相乗性混合物および他の殺菌剤の全重量基準で、99.9から、更に一般に99から、なお更に一般に95から、最も一般に90から、通常85から、更に通常80から、なお更に通常70から、最も通常60から、そしてごく普通に55から、0.1までの、更に一般に1までの、なお更に一般に5までの、最も一般に10までの、通常15までの、更に通常20までの、なお更に通常30までの、最も通常40までの、そしてごく普通に45重量パーセントまでの量で存在する。
【0046】
本発明のもう一つの実施形態は、細菌攻撃の防除または防御のための方法である。この方法は、植物、葉、菌の場所に、あるいは感染を防護すべき場所に、殺菌剤的有効量の異性体組成物またはこれらから得られる相乗性殺菌剤組成物を施す(例えば穀物またはブドウ植物に施す)ことを含んでなる。本発明の異性体組成物または相乗性混合物は、催奇形性または網膜症を呈さない一方で、種々の植物を殺菌剤レベルで処置するのに好適である。この異性体組成物または相乗性混合物は防護的、治療的そして/あるいは撲滅的な形で有用である。
【0047】
これらから得られる異性体組成物および相乗性混合物は、特に農業的な使用に著しい殺菌剤効果を有することが判明しており、農作物および園芸植物での使用に特に有効である。特に、これらから得られる異性体組成物および相乗性混合物は、有用な植物作物に伝染する種々の望ましくない菌、例えばナシ果物、核果、かんきつ類果実、柔らかい果物、ブドウ、ウリ、装飾植物、タバコ、ホップおよび一部の野菜におけるうどん粉病およびグーズベリーおよびカラントにおけるアメリカグーズベリーうどん粉病を有効に防除する。
【0048】
これらから得られる異性体組成物および相乗性混合物の厳密な量は、特別な所望の作用、防除対象の菌種、これらの生長段階、ならびに植物の一部または異性体組成物と接触されるべき他の製品に依存する。
【0049】
これらから得られる異性体組成物および相乗性混合物は、病気阻害的および植物学的に許容し得る量で植物に使用することにおいて有効である。用語「病気阻害的および植物学的に許容し得る量」は、防除率が所望されるが、植物に著しく毒性でない植物の病気を鎮静し、あるいは阻害する活性化合物の量を指す。この量は一般に1〜1000ppm(パーツ・パー・ミリオン)であり、10〜500ppmが好ましい。必要とされる異性体組成物または相乗性混合物の厳密な濃度は、防除対象の菌の病気、使用される製剤のタイプ、施用方法、特定の植物種、気候条件などと共に変わる。好適な施用割合は、通常、0.10〜4ポンド/エーカー(0.01〜0.45グラム/平方メートル、g/m2)の範囲にある。
【0050】
驚くべきことには、本発明のこれらから得られる異性体組成物および相乗性混合物は、減少された殺昆虫剤効果を有し、天敵ダニの維持において有利であることも見出されている。
【実施例】
【0051】
これらの実施例は、本発明を更に例示するのに提供されるものであり、限定的と解釈されるように意図されていない。この明細書中で開示されているように、特記しない限り、すべての温度は摂氏度で与えられ、そしてすべてのパーセントはモルパーセントであるパーセント収率を除いて重量パーセントである。
【0052】
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノールの調製
2−(1−メチルヘプチル)フェノール(206.3gm、98.5パーセントアッセイ)を撹拌し、そして60℃まで加熱する。温度を65〜72℃の範囲に維持しながら、濃硫酸(315.2gm)を1時間にわたって滴加する。
【0053】
別な容器中で、35パーセントの硝酸ナトリウムの水溶液(553.2gm)を撹拌し、そして70℃まで加熱する。次に、温度を78℃に維持して、スルホン化フェノール反応混合物をこの硝酸ナトリウム溶液に3時間にわたって滴加する。この混合物を78℃で1時間撹拌し、次に35℃まで冷却する。この混合物を放置し、そして水層を分離させる。この有機層を少量のメタノールを含有する水により2回洗浄し、次に真空下75℃で乾燥して、252gmの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノール生成物を橙色オイルとして残す。
実施例1
【0054】
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネートの調製
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノール(98.5パーセント純度)(252gm)をヘプタン(225gm)に溶解する。この混合物の温度を40℃以下に保ちながら、ベンジルジメチルアミン(140.8gm)を40分にわたって滴加し、そしてこの混合物を15分間撹拌する。次に、温度を60℃以下に保ちながら、クロトニルクロリド(139gm)を30分にわたって滴加し、そしてこの混合物を60℃で30分間撹拌し、そして50℃未満まで冷却する。この混合物を水により2回洗浄し、次に20℃まで冷却する。この混合物をメタノールと水酸化ナトリウム水溶液の混合物により、水とメタノールにより、そして終りに希塩酸により洗浄する。この有機層を真空下70℃でストリッピングして、ヘプタンを除去し、そして2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノール生成物(282.6gm)を橙色/褐色オイルとして残す。
【0055】
分析のために、次の方法を用いて順相液体クロマトグラフィを使用する。
HPLC条件
カラム温度;40℃
流量;lml/分
波長;235nm
注入容積;10マイクロリットル
【0056】
HPLC Milton Royカラム:250×4.6mm、7μのLICHROSORB SI 60(Merck)を充填
検出:検出器Milton Roy SM4000
積分システム:Shimadzu Mega2
【0057】
試料溶液
0.45〜0.50gの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート試料と0.09〜0.11gのアセトフェノンをバイアル中に入れる。ヘキサン(20ml)を添加し、そしてバイアルをキャップし、2分間超音波照射する。この溶液(1ml)をバイアルの中に移し、そして20mlのヘキサンを添加し、バイアルをキャップし、振盪して、試料溶液を製造する。
【0058】
標準溶液
0.48〜0.52gのカラセン(商標)常用標準と0.09〜0.11gのアセトフェノン(I.S.)をバイアルの中に入れる。ヘキサン(20ml)を添加し、そしてバイアルをキャップし、2分間超音波照射する。この溶液(1ml)をバイアルの中に移し、そして20mlのヘキサンを添加し、バイアルをキャップし、振盪して、標準溶液を製造する。10マイクロリットルの標準溶液をHPLCの中に注入して、クロマトグラムを得る。同様に、10マイクロリットルの試料溶液をHPLCの中に注入して、クロマトグラムを得る。このクロマトグラムを比較する。
【0059】
応答ファクターと成分含量を計算するために、ピークを次のようにグループ分けする。
内部標準(I.S.)=アセトフェノン
常用標準=カラセン(商標)
試験試料=異性体含量について評価すべき試料。
【0060】
グループ1:2,4−ジニトロ−6−オクチルフェノールに対する面積の和
グループ2:2,4−ジニトロ−6−オクチルフェニルクロトネートに対する面積の和
グループ3:2,6−ジニトロ−4−オクチルフェニルクロトネートに対する面積の和
【0061】
RF=I.S.ピークの面積×常用標準の重量×(常用標準中のグループのパーセント)/面積グループ×重量I.S.×100
RFファクターを各グループに対して計算する。
【0062】
含量(パーセント)=(グループピークの面積×I.S.の重量×RF×100)/I.S.ピークの面積×試験試料の重量
適切なRFファクターを用いて、パーセント含量を各グループに対して計算する。
【0063】
グループ3に対しては、グループ3と関連するピークが存在しないならば、この含量は0である。次に、相対的なピークをグループ内で比較することにより、グループ2の異性体パーセント、すなわち2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート98.5パーセントおよび2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネート1.2パーセントを求める。
【0064】
この順相液体クロマトグラフ法を用いる生成物の分析は次の通りである。
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート:98.5パーセント
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネート:1.2パーセント
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノール:0.3パーセント
【0065】
実施例2および3
実施例1により調製される試料の更なる異性体分析
別々の分析において、下記に概述する内部標準較正による順相HPLCを用いて、実施例1により調製される2つの更なる試料を活性成分および不純物について分析した。
【0066】
順相高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)
アセトフェノン内部標準溶液の作製
ほぼ1gのアセトフェノンを500mLの定容フラスコの中に秤り込み、この重量をほぼ0.1mgの精度で記録し、そしてこのフラスコをヘキサンにより定容まで充填した。
【0067】
較正溶液の作製
ほぼ50mgの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルクロトネート(DNOP)標準をバイアルに秤り取ることにより、較正溶液#1を二重に作製し、そして定容ピペットを用いて、20mLのアセトフェノン内部標準溶液を添加した。1mLのアリコートを5mLのヘキサンに添加した。
【0068】
2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネート、2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネート(プロピルペンチル異性体)、2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネート(エチルヘキシル異性体)および2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェノールの各ほぼ15mgをバイアルに秤り取り、そして10mLのヘキサンを添加することにより、較正溶液#2を作製した。得られる溶液の1mLのアリコートを20mLのアセトフェノン内部標準溶液を入れたバイアルに添加した。この溶液の1mLのアリコートを5mLのヘキサンに添加した。
【0069】
ほぼ10mgのジノキャップ(12の異性体の混合物、純度95.3パーセント)をバイアルに秤り取り、そして定容ピペットを用いて20mLのアセトフェノン内部標準溶液を添加することにより、較正溶液#3を作製した。得られる溶液の1mLのアリコートを5mLのヘキサンに添加した。
【0070】
較正手順
次の条件を用いて、この較正溶液を試料の前、間および後で注入した。
カラム:Lichrosorb SI−605μm;250mm×4.6mm
オートサンプラー:Alcott 728
ポンプ:Varian 9012
注入:10μL
検出器:Applied Biosystems 757
カラム温度:30℃
カラムオーブン:Phenomenex
データシステム:PE/Nelson Access*Chrom
可動相:720mL ヘキサン/280mL ジクロロメタン/1mLの極性混合物(85mLジクロロメタン/10mL酢酸/5mLエタノール)
【0071】
近似的な保持時間
2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェノール:5.79分
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェノール:5.90分
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘキシル)フェノール:6.13分
不明ピーク:6.42分
2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネートシス:7.49分
2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネートシス:7.92分
2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘキシル)フェニルクロトネートシス:8.15分
2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネートトランス:9.70分
2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネートトランス:10.40分
2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘキシル)フェニルクロトネートトランス:10.89分
2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネートシス:11.30分
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネートシス:11.53分
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘキシル)フェニルクロトネートシス:12.04分
2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルクロトネートトランス:15.50分
2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルクロトネートトランス:16.00分
2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘキシル)フェニルクロトネートトランス:16.98分
アセトフェノン(ISTD):31.82分
【0072】
各々に対して前述したように応答ファクターを計算した。較正のために応答ファクターの平均を使用した。
【0073】
分析用試料の作製
ほぼ0.1mgの精度で記録された、実施例1により作製した実施例2および3のほぼ50mg(±10mg)の二重の秤量物をバイアルの中に入れる。各バイアルに、定容ピペットを用いて20mLのアセトフェノン内部標準溶液を添加した。得られる溶液の1mLのアリコートを5mLのヘキサンに添加した。標準と同一の条件を用いて、試料を分析した。実施例2および#の重量パーセント分析を表Iに示す。

【表1】

【0074】
植物についての試験
植物病原菌(表II)により引き起こされた9つの病気に対する殺菌剤効力について実施例1の組成物を温室中で評価した。この試験で使用された植物品種は、Ugni Blanc(ブドウ)、Bovowinka(野生リンゴ)、HH88(甜菜)、M−9(米)およびYuma(小麦)であった。広葉植物およびコメを無土壌ピートベースの培養土混合物(Metromix)中で育て、そして小麦を鉱質土壌とMetromixの50/50混合物中で育てた。小麦を20℃の温度で育て、そして他の植物をすべて25℃で育てた。リンゴ種子を水に浸漬し、ベンレートの200ppm溶液中で短時間インキュベーションし、そして水により再度洗浄した。この湿った種子を密閉した容器中に7℃(45゜F)で貯蔵し、そして幼根が3mm出るまで(ほぼ30日)、水により一週間に1回洗浄した。次に、この種子を植え、そして通常、4〜6枚の葉の付いた苗を3週間後に植菌するように準備した。
【0075】
高容積施用試験
高容積噴霧施用を用いて、実施例1の組成物を苗に100、50、25および12.5ppmで施した。この組成物を水中で調合し、順次的に希釈し、次に水溶液を添加することにより、定容とした。2個の対向する4JAUPM空気噴霧化ノズル付きのターンテーブル噴霧装置(Spraying Systems)上で15mLの溶液により138kPaの圧力で流出するまで植物を噴霧した。ヘクタール当たり基準での噴霧溶液の容積はほぼ4000L/haである。実施例1の組成物を施用した1日後、植物に病原体を植菌し(1日防護剤試験)、デューチャンバー中で24時間100パーセントの相対湿度によりインキュベーションし、次に試験の間病気の発現に適切な環境に移した。各病原体/組成物の組み合わせに対して3つの複製ポットを噴霧した。植物を植菌7〜14日後のパーセント病気罹患率について評価し、そして平均パーセント病気防除率を求めた。結果を表IIIおよびIVに示す。
【0076】
病原体伝播と宿主植菌
実施例1、4〜5の組成物の施用の1日後(防護剤試験)および実施例6〜7に対する施用の2日前(治療剤試験)に植物を種々の病原体により植菌した。すべての小麦試験に対して、二葉が最終サイズの1/2まで伸びた生長段階1.2で組成物を施した(種子を最初に水やりした12日後)。組成物の施用時点における他の植物種の生長段階および各病原体に関連する伝播および植菌手順の情報を下記に示す。
【表2】

【0077】
ERYSGT:重度に感染した小麦植物を小麦苗の上で振ることにより、小麦苗に偏性病原体ERYSGTからの新しい胞子を感染させた。病気徴候が充分に発現するまで(通常7日)、ERYSGT胞子をまぶした植物を温室中22℃でインキュベーションした。
【0078】
ERYSCI:胞子をキュウリ苗の上で散布することにより、キュウリ苗に偏性病原体ERYSCIからの新しい胞子を感染させた。流出するまで植物を噴霧した。病気徴候が充分に発現するまで(通常10日)、この苗を温室中22℃でインキュベーションした。
【0079】
PUCCRT:偏性病原体PUCCRTの胞子を真空装置により感染した植物から集め、そして4℃で貯蔵した。ほぼ0.1gの新しい胞子(4℃で30日未満貯蔵)を数滴のTween20と混合した。この濃厚な胞子ペーストを水により100mlまで希釈し、そして小麦種子苗上で流出するまで噴霧した。PUCCRTを植菌した植物を20℃デューチャンバー中で一晩保ち、次に20℃生長チャンバーに移し、徴候を8〜9日で発現させた。
【0080】
PYRIOR:植菌材料を白色光下24℃で10〜12日間生長させたPDA上で生じさせた。この菌糸体を水中でかき落とし、ブレンダー中で刻み、そして数層のチーズクロスから絞り出した。胞子濃度を50000/mlに調整し、次に100mlの容積に対して3滴(大滴)のTween20をそれぞれ添加した。発芽12日後の米植物(二葉が充分に伸びた)に胞子の水性サスペンジョンを流出するまで噴霧し、24℃デューチャンバー中に24時間置き、次に病気徴候が充分に発現するまで(7日)、24℃生長チャンバーに移した。
【0081】
VENTIN:感染した葉を水道水中で洗浄し、次にこの溶液を400000胞子/mlの濃度で凍結させることにより予め収穫(6ケ月まで前に)された分生子を植菌に使用した。リンゴ苗にVENTIN植菌材料を流出するまで噴霧し、20℃デューチャンバー中で24時間インキュベーションし、次に病気徴候が充分に発現するまで(8日)、20℃生長チャンバーに移した。古い葉はこの病原体による感染に極めて耐性となるために、植菌の時点で2枚の最も若い葉についてのみ病気の重症度を評価した。
【0082】
UNCINE:感染した植物をブドウ植物の上で振ることにより、2枚の充分に伸びた葉を維持するように刈り込まれた発芽6週後のブドウ植物にこの偏性病原体からの新しい胞子を感染させた。病気徴候が充分に発現するまで(通常10日)、UNCINE胞子をまぶした植物を温室中22℃でインキュベーションした。
【0083】
【表3】

【0084】
【表4】

【0085】
相乗性実施例
実施例1と名前を挙げた殺菌剤の組み合わせは、作物の植物病原体の病気に対して相乗性活性を示す。活性成分の組み合わせ物の作用が個別成分の作用の和よりも大きい場合は、いつでも相乗性効果が存在する。
与えられた活性成分の組み合わせに対して予期される作用Eは、いわゆるCOLBY式に従い、そして次のように計算可能である(COLBY, S.R.「Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination」. Weeds, Vol.15, pages 20-22; 1967)。
【0086】
X=p ppmの活性成分を用いた活性成分Iによるパーセント作用
Y=q ppmの活性成分を用いた活性成分IIによるパーセント作用
Colbyによれば、p+q ppmの活性成分を用いた活性成分I+IIの予期される加成的作用は、
E=X+Y−(X*Y)/100
である。
実際に観測される作用(O)が予期される作用(E)よりも大きい場合には、組み合わせの作用は超加成的であり、すなわち相乗性効果が存在する。
別法としては、相乗性作用は、いわゆるWADLEYの方法(EPPO−Bulletin 16,1986,651−657)を用いて用量応答曲線からも求め得る。
【0087】
実施例4
実施例1とマンコゼブの相乗性組み合わせ
小麦赤さび病(PUCCRT)に抗する組み合わせ物の防護剤活性
1日の防護剤温室試験
【表5】

【0088】
実施例5
実施例1とミクロブタニルの相乗性組み合わせ
小麦赤さび病(PUCCRT)に抗する組み合わせ物の防護剤活性
1日の防護剤温室試験
【表6】

ステロール生合成阻害に対する相乗性活性;C14−デメチラーゼ阻害(SBIクラスI)、例示的な例ミクロブタニル。1:24〜1:4の範囲の比のミクロブタニルと実施例1の組み合わせ物の効力は相乗性活性を示した。
【0089】
実施例6
実施例1とスピロキサミンの相乗性組み合わせ
小麦うどん粉病(ERYSGT)に抗する組み合わせ物の治療剤活性
2日の治療剤温室試験
【表7】

ステロール生合成阻害に対する相乗性活性の確認;ステロール生合成におけるD14レダクターゼおよびD8イソメラーゼ(SBIクラスII)、例示的な例スピロキサミン。
1:4の比のスピロキサミンと実施例1の組み合わせ物の効力は相乗性活性を示した。
【0090】
実施例7
実施例1とアゾキシストロビンの相乗性組み合わせ
小麦うどん粉病(ERYSGT)に抗する組み合わせ物の治療剤活性
2日の治療剤温室試験
【表8】

【0091】
錯体IIIにおける呼吸作用阻害剤として作用する殺菌剤に対する相乗性活性;Qo部位におけるシトクローム(QoI殺菌剤);例示的な例アゾキシストロビン。1:12〜4:3の範囲の比のアゾキシストロビンと実施例1の組み合わせ物の効力は相乗性活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジニトロ−オクチルフェニルエステルを含んでなり、2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステルが異性体組成物の全重量基準で0.1重量パーセント未満の量で存在する異性体組成物。
【請求項2】
異性体組成物の全重量基準で
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
を含んでなる、請求項1に記載の異性体組成物。
【請求項3】
異性体組成物の全重量基準で
−少なくとも95重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
−3重量パーセント未満の2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
−0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
を含んでなる、請求項1に記載の異性体組成物。
【請求項4】
この異性体組成物の各エステルがクロトネートである、請求項1に記載の異性体組成物。
【請求項5】
植物病原体生物による攻撃に対して植物を防護し、そして/あるいは植物病原体生物に感染した植物を処置するのに有用であって、
I)請求項1に記載の異性体組成物と、
II)植物学的に許容し得るキャリア材料
を含んでなる殺菌剤組成物。
【請求項6】
異性体組成物が異性体組成物の全重量基準で
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
0.1〜99.9重量パーセントの2,6−ジニトロ−4−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
を含んでなる、請求項5に記載の殺菌剤組成物。
【請求項7】
異性体組成物が異性体組成物の全重量基準で
−少なくとも95重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
−3重量パーセント未満の2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
−0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
を含んでなる、請求項5に記載の殺菌剤組成物。
【請求項8】
異性体組成物の各エステルがクロトネートである、請求項5に記載の殺菌剤組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤を含んでなる相乗性殺菌剤組成物。
【請求項10】
請求項2に記載の異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤を含んでなる相乗性殺菌剤組成物。
【請求項11】
請求項3に記載の異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤を含んでなる相乗性殺菌剤組成物。
【請求項12】
請求項4に記載の異性体組成物と少なくとも1つの他の殺菌剤を含んでなる相乗性殺菌剤組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの他の殺菌剤がQoI殺菌剤から選択される、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの他の殺菌剤がストロビルリンから選択される、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの他の殺菌剤がステロール生合成阻害剤から選択される、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの他の殺菌剤がベンゾフェノンから選択される、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの他の殺菌剤がキノキシフェンである、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項18】
少なくとも1つの他の殺菌剤がジチオカーバメートから選択される、請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物。
【請求項19】
植物、葉、菌の場所に、あるいは感染を防護すべき場所に、殺菌剤的有効量の請求項1に記載の異性体組成物または請求項9に記載の相乗性殺菌剤組成物を施すことを含んでなる、菌の攻撃を防除あるいは防護するための方法。
【請求項20】
異性体組成物が異性体組成物の全重量基準で
−少なくとも95重量パーセントの2,4−ジニトロ−6−(1−メチルヘプチル)フェニルエステル、
−3重量パーセント未満の2,4−ジニトロ−6−(1−エチルヘキシル)フェニルエステルおよび
−0.1重量パーセント未満の2,6−ジニトロ−4−(1−プロピルペンチル)フェニルエステル
を含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
異性体組成物の各エステルがクロトネートである、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2008−516960(P2008−516960A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536840(P2007−536840)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/036679
【国際公開番号】WO2006/044460
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】