ジャッキベース脱落防止具およびジャッキベース脱落防止具付きジャッキベース

【課題】仮設足場等では、多数の脚柱の下部にそれぞれ設けられる多数のジャッキベース毎にボルト絞めを行う必要があり、非常にその作業に手間と時間が掛かる。
【解決手段】雄ねじ杆を立設するベースプレートと、雄ねじ杆に昇降自在に螺合しハンドルより上部に輪状溝を設けるハンドル付き回転体とからなるジャッキベースと、ジャッキベースのハンドル付き回転体に上方から嵌合してハンドル付き回転体の昇降にしたがって昇降しハンドル付き回転体の輪状溝に対応する位置に対向する取付孔を設ける脚柱等の下部杆に嵌合するジャッキベース脱落防止具であって、一側方向を下部杆への挿入口として広狭自在に開口する板状体からなり、板状体の内面に下部杆の取付孔とハンドル付き回転体の輪状溝に嵌合する突起部を対向して設けることを特徴とするジャッキベース脱落防止具およびジャッキベース脱落防止具付きジャッキベース。

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、仮設足場等に使用する脚柱等の高さ調節のために下端部に設けるジャッキベース脱落防止具およびジャッキベース脱落防止具付きジャッキベースに関する。
【０００２】
【従来の技術】建設現場では仮設足場を組み立てるが、仮設足場の建枠の脚柱は、足場の凹凸などによって高さを徴調整するため、ジャッキベースを取り付けるのが一般的である。
【０００３】従来、ジャッキベースのハンドル付き回転体と、このハンドル付き回転体上に嵌合して、ハンドル付き回転体の昇降にしたがって建枠の脚柱の下部杆とが外れないように、下部杆の取付孔からボルトを差し込みハンドル付き回転体を締め付けて、脚柱をジャッキベースから脱落するのを防止していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】仮設足場等では、多数の脚柱の下部にそれぞれ設けられる多数のジャッキベース毎にボルト絞めを行う必要があり、非常にその作業に手間と時間が掛かる問題点があった。
【０００５】
【課題を解決する為の手段】課題を解決するために、雄ねじ杆を立設するベースプレートと、雄ねじ杆に昇降自在に螺合しハンドルより上部に輪状溝を設けるハンドル付き回転体とからなるジャッキベースと、ジャッキベースのハンドル付き回転体に上方から嵌合してハンドル付き回転体の昇降にしたがって昇降しハンドル付き回転体の輪状溝に対応する位置に対向する取付孔を設ける脚柱等の下部杆に嵌合するジャッキベース脱落防止具であって、一側方向を下部杆への挿入口として広狭自在に開口する板状体からなり、板状体の内面に下部杆の取付孔とハンドル付き回転体の輪状溝に嵌合する突起部を対向して設けることを特徴とするジャッキベース脱落防止具を提案する。
【０００６】雄ねじ杆を立設するベースプレートと、雄ねじ杆に昇降自在に螺合しハンドルより上部に輪状溝を設けるハンドル付き回転体とからなるジャッキベースと、ジャッキベースのハンドル付き回転体に上方から嵌合してハンドル付き回転体の昇降にしたがって昇降しハンドル付き回転体の輪状溝に対応する位置に対向する取付孔を設ける脚柱等の下部杆と、一側方向を下部杆への挿入口として広狭自在に開口する板状体からなり、板状体の内面に下部杆の取付孔とハンドル付き回転体の輪状溝に嵌合する突起部を対向してなるジャッキベース脱落防止具を下部杆の外周に着脱自在に取り付けることを特徴とするジャッキベース脱落防止具付きジャッキベースを提案する。
【０００７】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について、ジャッキベース脱落防止具の平面を示す図１、同じく正面を示す図２、同じく側面を示す図３、ジャッキベースにジャッキベース脱落防止具を取り付けた状態の正面図である図４、ジャッキベースからジャッキベース脱落防止具を取り外した状態の正面図である図５、脚柱等の下部杆の正面を示す図６に基づいて説明する。
【０００８】ジャッキベース脱落防止具１は、脚柱等の下部杆２の下端に嵌合するジャッキベース３が下部杆２より脱落しない目的で取り付けられる。
【０００９】ジャッキベース３は、ベースプレート３０に立設される雄ねじ杆３１と、雄ねじ杆３１に雌ねじで螺合し雄ねじ杆３１に対して昇降自在であるハンドル付き回転体３２からなる。ハンドル付き回転体３２は、内部に雌ねじを螺設した外径の径が異なる下輪３２０ａと上輪３２０ｂからなる雌ねじ部３２０と、ハンドル３２１とからなる。ハンドル３２１は、雌ねじ部３２０の下部に位置する下輪３２０ａの左右に水平方向に突出した棒状体として設けられる。雌ねじ部上輪３２０ｂの中間位置に輪状溝３２２を形成する。輪状溝３２２は、この実施の形態では上下幅１２ｍｍで深さ２〜３ｍｍの溝を杆周面に水平方向に輪状に設ける。
【００１０】ハンドル付き回転体３２の下輪３２０ａの外径は５０ｍｍであり上輪３２０ｂの外径４１．５ｍｍより太く形成してあり、その段差部３２３に嵌合する脚柱等の下部杆２の下端を載置する。上輪３２０ｂの高さは段差部３２３より４０ｍｍである。輪状溝３２２の位置は、溝上下幅中心位置の高さが段差部３２３より２０ｍｍである。
【００１１】脚柱等の下部杆２は、中空の円筒状であり、この実施の形態では内径４８ｍｍ、外径５０ｍｍである。下部杆２は、下端から２０ｍｍの位置に中心がある径１２ｍｍの取付孔２０を対向して設ける。
【００１２】ジャッキベース脱落防止具１は、水平方向の一側方向に下部杆への挿入口１０を設ける帯状板状体からなる。帯状板状体は、幅２０ｍｍの帯状で、左右に曲線部１１、その中間に長さ１９ｍｍの直線部１２を設けている。直線部１２と挿入口１０は、対向する位置にある。帯状板状体の端部は挿入口１０の口端部であり、曲線部１１の曲がり方向とは逆曲線に曲がる。左右の曲線部１１のそれぞれのほぼ中間位置に突起部１３を板状体内側に互いに対向させて設ける。この実施の形態では突起部１３は円柱体で径１０ｍｍ高さ５．６ｍｍである。挿入口１０は静止時で３２ｍｍであり、左右の曲線部１１間の寸法は４７．６ｍｍであるが、帯状の板状体であるので、広狭自在である。
【００１３】次に、ジャッキベース脱落防止具１を取り付ける方法について説明する。脚柱等の下部杆２の下端にジャッキベース３を嵌め込む。下部杆２は、雄ねじ杆３１とは間隔が空いており、その下端はジャッキベース３のハンドル付き回転体３２の段差部３２３上に当接し載置される。段差部３２３に下部杆２が載置されると、取付孔２０は、ハンドル付き回転体２３の輪状溝２３２の高さに対応する位置に位置する。下部杆２の内径はハンドル付き回転体３２の上杆３２５の外径とほぼ同じ程度である。
【００１４】脚柱等の下部杆２の高さは、ハンドル付き回転体３２をどちらかの方向に回転させることによって昇降させる。
【００１５】ジャッキベース脱落防止具１は、下部杆２の対向する２つの取付孔２０に２つの突起部１３が対応するように、水平方向から挿入口１０を押し広げて入れ下部杆２外周に曲線部１１を嵌合させる。突起部１３は、取付孔２０に入ると同時に輪状溝２３２に嵌合する。
【００１６】ジャッキベース脱落防止具１は、下部杆２に嵌合すると、帯状板状体の板バネ作用によって、下部杆２の外周を確実に挟み込むとともに突起部１３が取付孔２０と輪状溝２３２に入るため固定される。そのため、脚柱等の下部杆２からジャッキベース３は、確実に嵌合し脱落することがない。また、解体する場合は、ジャッキベース脱落防止具１の挿入口１０を広げ、突起部１３を取付孔２０から外すことによって、ジャッキベース脱落防止具１を下部杆２から外し、下部杆２をジャッキベース３から外すことができる。
【００１７】ジャッキベース脱落防止具１を取り付けた後でも、ハンドル付き回転体３２を雄ねじ杆３１に対して回転させることが可能なため、このハンドル付き回転体３２の段差部３２３に乗っている脚柱等の下部杆２も昇降する。そのため脚柱等の高さを徴調整することができる。
【００１８】
【発明の効果】したがって、この発明によればジャッキベースにジャッキベース脱落防止具をワンタッチで装着および取り外しすることができ、非常に作業効率が向上する。
【００１９】さらにジャッキベース脱落防止具を取り付けた後でも、安全に脚柱等の下部杆を昇降させ脚柱等の高さを徴調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ジャッキベース脱落防止具の平面図
【図２】同じく正面図
【図３】同じく側面図
【図４】ジャッキベース脱落防止具をジャッキベースと脚柱等の下部杆に取り付けた状態の正面図
【図５】ジャッキベース脱落防止具を取り外した状態のジャッキベースと脚柱等の下部杆の正面図
【図６】下部杆の正面図
【符号の説明】
１ジャッキベース脱落防止具
１０挿入口
１１曲線部
１２直線部
１３突起部
２脚柱等の下部杆
２０取付孔
３ジャッキベース
３０ベースプレート
３１雄ねじ杆
３２ハンドル付き回転体
３２０雌ねじ部
３２０ａ下輪
３２０ｂ上輪
３２１ハンドル
３２２輪状溝
３２３段差部

【特許請求の範囲】
【請求項１】雄ねじ杆を立設するベースプレートと、雄ねじ杆に昇降自在に螺合しハンドルより上部に輪状溝を設けるハンドル付き回転体とからなるジャッキベースと、ジャッキベースのハンドル付き回転体に上方から嵌合してハンドル付き回転体の昇降にしたがって昇降しハンドル付き回転体の輪状溝に対応する位置に対向する取付孔を設ける脚柱等の下部杆に嵌合するジャッキベース脱落防止具であって、一側方向を下部杆への挿入口として広狭自在に開口する板状体からなり、板状体の内面に下部杆の取付孔とハンドル付き回転体の輪状溝に嵌合する突起部を対向して設けることを特徴とするジャッキベース脱落防止具。
【請求項２】雄ねじ杆を立設するベースプレートと、雄ねじ杆に昇降自在に螺合しハンドルより上部に輪状溝を設けるハンドル付き回転体とからなるジャッキベースと、ジャッキベースのハンドル付き回転体に上方から嵌合してハンドル付き回転体の昇降にしたがって昇降しハンドル付き回転体の輪状溝に対応する位置に対向する取付孔を設ける脚柱等の下部杆と、一側方向を下部杆への挿入口として広狭自在に開口する板状体からなり、板状体の内面に下部杆の取付孔とハンドル付き回転体の輪状溝に嵌合する突起部を対向してなるジャッキベース脱落防止具を下部杆の外周に着脱自在に取り付けることを特徴とするジャッキベース脱落防止具付きジャッキベース。

【図２】