ジャッキ
【課題】ジャッキの全長が短く、かつ、ジャッキの両側部に設けたフレームの高さが低いジャッキを提供する。
【解決手段】両側にフレーム2、2を設け、該フレーム2、2間にアーム7を設け、該アーム7は両側に腕部7a、7bを有し、該アーム7の一端側を前記ケース2に対して回動可能に固定し、該アーム7の他端側に受皿10を設け、該受皿10及び前記アーム7を昇降動させるシリンダー8を設け、該シリンダー8に油を供給する油タンク25を前記アーム7の収納した状態における前記腕部7a、7b間に配置する。
【解決手段】両側にフレーム2、2を設け、該フレーム2、2間にアーム7を設け、該アーム7は両側に腕部7a、7bを有し、該アーム7の一端側を前記ケース2に対して回動可能に固定し、該アーム7の他端側に受皿10を設け、該受皿10及び前記アーム7を昇降動させるシリンダー8を設け、該シリンダー8に油を供給する油タンク25を前記アーム7の収納した状態における前記腕部7a、7b間に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジャッキに関するもので、より詳しくは、自動車の修理、点検時において自動車をジャッキアップする場合などに使用するジャッキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のジャッキは、シリンダーバレルの外周に油タンクが配置されていた。近年、自動車の低床化によりジャッキのフレームの高さを低くする構造が求められ、油タンクをシリンダーと操作ハンドルの間に別置きとすることで、フレームの高さをシリンダーバレルの外形近くまで低くすることが出来た(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−226490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来のジャッキにおいては、油タンクをシリンダーとハンドルとの間に配置したことから、別置きにした油タンクの長さ分ジャッキの全長が長くなるという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は全長が短く、かつ、フレームの高さが低い低床ジャッキを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、両側にフレームを設け、該フレーム間にアームを設け、該アームは両側に腕部を有し、該アームの一端側を前記フレームに対して回動可能に固定し、該アームの他端側に受皿を設け、該受皿及び前記アームを昇降動させるシリンダーを設け、該シリンダーに油を供給する油タンクを前記アームの収納した状態における前記腕部間に配置したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記油タンクを、前記ケースに対して固定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記油タンクは前記アームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへ油を供給する供給口側を下向きとして傾斜することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アームの腕部間の空間を利用して、油タンクを該空間内に配置したことで、従来のシリンダーと操作ハンドルとの間に油タンクを設けたジャッキと比較して、フレームの高さをそのままに、ジャッキの全長を油タンクの全長分短くすることが出来る。
【0009】
また、従来のジャッキの幅は、油タンクの全長をできるかぎり短くするために油タンクの横幅が大きくなりジャッキの横幅も大きくなっていたが、本発明においては、アームの腕部間の空間を利用して油タンクを設けたことから、ジャッキの幅は油タンクの形状に影響を受けず、従来のものよりも短くすることが出来る。
【0010】
上記のようにジャッキの大きさがコンパクトになったことで、ジャッキの小回り性が向上し、作業性が向上する。また、不使用時の収納スペースも少なく収納性が向上する。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、更に、油タンクをフレームに対して固定したものにおいては、油タンクからシリンダーへの油の供給口より下部の油をくみ出すことは困難であるが、油タンクがアームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへの油の供給口を下向きとして傾斜させたことから、油タンク内の油が、自重により供給口側に移動し容易にくみ出すことが出来、油タンク内の油を有功に利用でき、油タンクの容量を小さくすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1乃至図6は、本発明の実施例1を示す。
図1は受皿を下降(収納)した状態のジャッキ1の側面図、図2は図1の状態における後面図である。以下、操作ハンドル5側を後側とし、他方を前側として説明する。
【0014】
該ジャッキ1は、図4に示すように、両側に設けたフレーム2、2を有し、各フレーム2の側部には前輪3aと後輪3bが設けられている。ジャッキ1の後部におけるフレーム2、2間には、ハンドルケース4が回動可能に設けられ、該ハンドルケース4の上部には操作ハンドル5が起立して設けられている。したがって、操作ハンドル5は、図1、図3に示すように、下側を中心として前後方向(上下方向)に回動(起倒)することができるようになっている。
【0015】
フレーム2、2間にはアーム7が配設されている。該アーム7は、両側に設けられた腕部7a、7bを有し、該腕部7a、7bの端部は、フレーム2、2間の後部のハンドル5の付近で、かつ、後述するシリンダー8の上部に設けられたアーム軸9により、フレーム2に対して回動可能に固定されている。該腕部7a、7bの他端部間には受皿10が支軸11により回転可能に備えられ、アーム7の腕部7a、7bは、図1、図5、図6に示すように、アーム軸9を中心として上下方向に回動するようになっている。
【0016】
受皿10には、2本のアームリンク12、12の端部が支軸13により回転可能に備えられ、該アームリンク12、12の他端部はフレーム2に対して支軸14により回動可能に固定されている。アームリンク12、12は、図4に示すように、アーム7の腕部7a、7bの外側で、腕部7a、7bとフレーム2、2との間に位置するように配置されている。受皿10は地面と略平行に配置され、アーム7、アームリンク12、アーム軸9、支軸11、13、14により構成される平行リンク15により、受皿10が昇降動しても、受皿10は地面と略平行状態に保持されるようになっている。
【0017】
前記フレーム2、2の後部の間には油圧力を発生させるシリンダー8が地面と略平行に配置されており、該シリンダー8のピストンロッド20の先端(前端)には、ナックル21が連結されている。該ナックル21の両側部には、リンクバンド22、22の一端が回動可能に固定されている。該リンクバンド22の他端部には、前記アーム7の腕部7a、7bの端部が支軸23により回動可能に固定されている。
【0018】
また、前記フレーム2、2間には、油タンク25がフレーム2に対して固定して設けられている。該油タンクは、図4、図5に示すように、アーム7の腕部7a、7b間で、ナックル21の前方に位置するように配置されている。
【0019】
次に、動作について説明する。
前記操作ハンドル5の上部に設けたリリースバルブ27を閉め、図1、図3に示すように、前記操作ハンドル5を上下動(起倒)させることにより、操作ハンドル5の下端部に連結された手動ピストン28のピストン軸28aが上下動して、油タンク25内の油を、油ホース25aを通じてシリンダー8内に圧入し、ピストンロッド20が前進駆動する。これにより、ピストンロッド20に連結されたナックル21が前進し、リンクバンド22を介してアーム7に設けた支軸23が前進する。これにより、図1、図6に示すように、アーム7がアーム軸9を中心として上昇し、受皿10が地面と平行状態を保ったまま上昇する。
【0020】
そして、受皿10を自動車のジャッキポイントに当てた状態で更に上昇させ、自動車を所望の位置までジャッキアップさせる。
【0021】
また、図6の状態から、リリースバルブ27を緩めてシリンダー8内の油圧を解除することにより、自動車及びアーム7の等自重によりピストンロッド20が後退し、受皿10は下降する。
【0022】
上記の構造を有するので次のような作用、効果を奏する。
本発明は、前記のように油タンク25をアーム7の腕部7a、7b間で、ナックル21の前方に位置するように配置したことで、従来のシリンダーと操作ハンドルとの間に油タンクを設けていたものと比較して、フレーム2の高さをそのままに、ジャッキの全長を短くすることが出来る。また、従来のジャッキの幅は、油タンクの全長をできるかぎり短くするために横幅が大きくなりジャッキの横幅も大きくなっていた、しかし、本発明においては、アーム7の腕部7a、7b間の空間を利用して油タンク25を設けたことから、ジャッキの幅は油タンク25の形状に影響を受けず、従来のものよりも短くすることが出来る。
【0023】
上記のようにジャッキの大きさがコンパクトになったことで、ジャッキの小回り性が向上し、作業性が向上する。また、不使用時の収納スペースも少なく収納性が向上する。
【実施例2】
【0024】
図7乃至図9は本発明の実施例2を示す。
前記実施例1においては、油タンク25をフレーム2に固定して設けたが、本実施例2では、アーム7の腕部7a、7b間において、アーム7に対して固定して設け、油タンク30をアーム7とともに昇降動するように構成したものである。
【0025】
すなわち、油タンク30を、図7、図9に示すように、アーム7の腕部7a、7bに、これらの間に配置して固定することにより、アーム7に対して固定して設けられ、油タンク30の後部の供給口30bに油ホース30aを接続し、油タンク30内の油を油ホース30a内を通ってシリンダー8内に供給するようになっている。油タンク30は、アーム7とともに昇降動し、図9に示すように、アーム7が上昇した状態では、油タンク30が傾斜し、その油タンク30の供給口30bが下向きになるようになっている。
【0026】
その他の部材、構造は前記実施例1と同様であるため前記実施例1と同様の符号を付し説明を省略する。
【0027】
本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
本実施例2においては、更に、油タンク30をアーム7に対して固定して設けたことで、アーム7がアーム軸9を中心として昇降動すると油タンク30もアーム7とともに昇降動する。
【0028】
アーム7を上昇させると、油タンク30も上昇し、図9に示すように、油タンク30は、その後部(供給口30b)を下向きにして傾斜していく。これにより、油タンク30内の油は自重により油の供給口30b側に移動する。そのため、油タンク30内の油を、手動ピストン28により容易にくみ出すことが出来る。
【0029】
すなわち、前記実施例1のように油タンク25が地面に対して略水平に不動に固定されていると、油タンク25と油ホース25aとの接続部より下部の油をくみ出すことは困難であるが、本実施例2のように油タンク30が、油の供給口30bを下向き(下側)として傾斜することで、油タンク30内の油を有功に利用することが出来、前記実施例1の油タンク25と比較して、油タンク30の容量を小さくすることが出来る。
【実施例3】
【0030】
図10乃至図11は本発明の実施例3を示す。
前記実施例1、2は、操作ハンドル3を手動により上下動することにより、油タンク25内の油を、油ホース25aを通じてシリンダー8内に圧入したが、エアーポンプにより行ってもよい。
【0031】
エアーポンプ35は、図10乃至図12に示すように、フレーム2の後部に配設されている。該エアーポンプ35には、図12に示すように、エアーホース36の一端が接続され、該エアーホース36の他端のエアー口36aは、操作ハンドル5に配置されている。該エアー口36aには、図示しないコンプレッサを接続するようになっている。
【0032】
操作バルブ37をオン操作して、コンプレッサからエアーをエアーポンプ35に供給することにより、エアーポンプ35を駆動して油タンク25、30から油をシリンダー8内に圧入し、ピストンロッド20を前進駆動させ、受皿10、アーム7等が上昇する。
受皿10、アーム7等を下降させる方法は、前記実施例1、2と同様である。
【0033】
その他の部材、構造は前記実施例1と同様であるため前記実施例1、2と同様の符号を付し説明を省略する。
なお、本実施例3においても、前記実施例1、2と同様に、手動で操作ハンドル5を上下させることにより、受皿10、アーム7等を上昇させることができる。
【0034】
本実施例3においても前記実施例1、2と同様の作用、効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1のジャッキを示すもので、操作ハンドルが起立し、受皿が下降(収納)した状態の側面図で、鎖線は受皿が上昇した状態を示す。
【図2】図1の後面図。
【図3】図1の状態から操作ハンドルを倒伏した状態の側面図。
【図4】図1の状態の上面図。
【図5】図1の状態の内部構造を示す部分側断面図。
【図6】図5の状態から受皿を上昇させた状態の部分側断面図。
【図7】本発明の実施例2を示すジャッキの受皿を下降(収納)した状態の上面図。
【図8】図7の状態の内部構造を示す部分側断面図。
【図9】図8の状態から受皿を上昇させた状態の部分側断面図。
【図10】本発明の実施例3を示すジャッキを示すもので、操作ハンドルが起立し、受皿が下降(収納)した状態の側面図で、鎖線は受皿が上昇した状態を示す。
【図11】図10の上面図。
【図12】図10の後面図。
【符号の説明】
【0036】
1 ジャッキ
2 フレーム
7 アーム
7a、7b 腕部
8 シリンダー
10 受皿
25、30 油タンク
30b 油の供給口
【技術分野】
【0001】
本発明はジャッキに関するもので、より詳しくは、自動車の修理、点検時において自動車をジャッキアップする場合などに使用するジャッキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のジャッキは、シリンダーバレルの外周に油タンクが配置されていた。近年、自動車の低床化によりジャッキのフレームの高さを低くする構造が求められ、油タンクをシリンダーと操作ハンドルの間に別置きとすることで、フレームの高さをシリンダーバレルの外形近くまで低くすることが出来た(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−226490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来のジャッキにおいては、油タンクをシリンダーとハンドルとの間に配置したことから、別置きにした油タンクの長さ分ジャッキの全長が長くなるという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は全長が短く、かつ、フレームの高さが低い低床ジャッキを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、両側にフレームを設け、該フレーム間にアームを設け、該アームは両側に腕部を有し、該アームの一端側を前記フレームに対して回動可能に固定し、該アームの他端側に受皿を設け、該受皿及び前記アームを昇降動させるシリンダーを設け、該シリンダーに油を供給する油タンクを前記アームの収納した状態における前記腕部間に配置したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記油タンクを、前記ケースに対して固定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記油タンクは前記アームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへ油を供給する供給口側を下向きとして傾斜することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アームの腕部間の空間を利用して、油タンクを該空間内に配置したことで、従来のシリンダーと操作ハンドルとの間に油タンクを設けたジャッキと比較して、フレームの高さをそのままに、ジャッキの全長を油タンクの全長分短くすることが出来る。
【0009】
また、従来のジャッキの幅は、油タンクの全長をできるかぎり短くするために油タンクの横幅が大きくなりジャッキの横幅も大きくなっていたが、本発明においては、アームの腕部間の空間を利用して油タンクを設けたことから、ジャッキの幅は油タンクの形状に影響を受けず、従来のものよりも短くすることが出来る。
【0010】
上記のようにジャッキの大きさがコンパクトになったことで、ジャッキの小回り性が向上し、作業性が向上する。また、不使用時の収納スペースも少なく収納性が向上する。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、更に、油タンクをフレームに対して固定したものにおいては、油タンクからシリンダーへの油の供給口より下部の油をくみ出すことは困難であるが、油タンクがアームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへの油の供給口を下向きとして傾斜させたことから、油タンク内の油が、自重により供給口側に移動し容易にくみ出すことが出来、油タンク内の油を有功に利用でき、油タンクの容量を小さくすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1乃至図6は、本発明の実施例1を示す。
図1は受皿を下降(収納)した状態のジャッキ1の側面図、図2は図1の状態における後面図である。以下、操作ハンドル5側を後側とし、他方を前側として説明する。
【0014】
該ジャッキ1は、図4に示すように、両側に設けたフレーム2、2を有し、各フレーム2の側部には前輪3aと後輪3bが設けられている。ジャッキ1の後部におけるフレーム2、2間には、ハンドルケース4が回動可能に設けられ、該ハンドルケース4の上部には操作ハンドル5が起立して設けられている。したがって、操作ハンドル5は、図1、図3に示すように、下側を中心として前後方向(上下方向)に回動(起倒)することができるようになっている。
【0015】
フレーム2、2間にはアーム7が配設されている。該アーム7は、両側に設けられた腕部7a、7bを有し、該腕部7a、7bの端部は、フレーム2、2間の後部のハンドル5の付近で、かつ、後述するシリンダー8の上部に設けられたアーム軸9により、フレーム2に対して回動可能に固定されている。該腕部7a、7bの他端部間には受皿10が支軸11により回転可能に備えられ、アーム7の腕部7a、7bは、図1、図5、図6に示すように、アーム軸9を中心として上下方向に回動するようになっている。
【0016】
受皿10には、2本のアームリンク12、12の端部が支軸13により回転可能に備えられ、該アームリンク12、12の他端部はフレーム2に対して支軸14により回動可能に固定されている。アームリンク12、12は、図4に示すように、アーム7の腕部7a、7bの外側で、腕部7a、7bとフレーム2、2との間に位置するように配置されている。受皿10は地面と略平行に配置され、アーム7、アームリンク12、アーム軸9、支軸11、13、14により構成される平行リンク15により、受皿10が昇降動しても、受皿10は地面と略平行状態に保持されるようになっている。
【0017】
前記フレーム2、2の後部の間には油圧力を発生させるシリンダー8が地面と略平行に配置されており、該シリンダー8のピストンロッド20の先端(前端)には、ナックル21が連結されている。該ナックル21の両側部には、リンクバンド22、22の一端が回動可能に固定されている。該リンクバンド22の他端部には、前記アーム7の腕部7a、7bの端部が支軸23により回動可能に固定されている。
【0018】
また、前記フレーム2、2間には、油タンク25がフレーム2に対して固定して設けられている。該油タンクは、図4、図5に示すように、アーム7の腕部7a、7b間で、ナックル21の前方に位置するように配置されている。
【0019】
次に、動作について説明する。
前記操作ハンドル5の上部に設けたリリースバルブ27を閉め、図1、図3に示すように、前記操作ハンドル5を上下動(起倒)させることにより、操作ハンドル5の下端部に連結された手動ピストン28のピストン軸28aが上下動して、油タンク25内の油を、油ホース25aを通じてシリンダー8内に圧入し、ピストンロッド20が前進駆動する。これにより、ピストンロッド20に連結されたナックル21が前進し、リンクバンド22を介してアーム7に設けた支軸23が前進する。これにより、図1、図6に示すように、アーム7がアーム軸9を中心として上昇し、受皿10が地面と平行状態を保ったまま上昇する。
【0020】
そして、受皿10を自動車のジャッキポイントに当てた状態で更に上昇させ、自動車を所望の位置までジャッキアップさせる。
【0021】
また、図6の状態から、リリースバルブ27を緩めてシリンダー8内の油圧を解除することにより、自動車及びアーム7の等自重によりピストンロッド20が後退し、受皿10は下降する。
【0022】
上記の構造を有するので次のような作用、効果を奏する。
本発明は、前記のように油タンク25をアーム7の腕部7a、7b間で、ナックル21の前方に位置するように配置したことで、従来のシリンダーと操作ハンドルとの間に油タンクを設けていたものと比較して、フレーム2の高さをそのままに、ジャッキの全長を短くすることが出来る。また、従来のジャッキの幅は、油タンクの全長をできるかぎり短くするために横幅が大きくなりジャッキの横幅も大きくなっていた、しかし、本発明においては、アーム7の腕部7a、7b間の空間を利用して油タンク25を設けたことから、ジャッキの幅は油タンク25の形状に影響を受けず、従来のものよりも短くすることが出来る。
【0023】
上記のようにジャッキの大きさがコンパクトになったことで、ジャッキの小回り性が向上し、作業性が向上する。また、不使用時の収納スペースも少なく収納性が向上する。
【実施例2】
【0024】
図7乃至図9は本発明の実施例2を示す。
前記実施例1においては、油タンク25をフレーム2に固定して設けたが、本実施例2では、アーム7の腕部7a、7b間において、アーム7に対して固定して設け、油タンク30をアーム7とともに昇降動するように構成したものである。
【0025】
すなわち、油タンク30を、図7、図9に示すように、アーム7の腕部7a、7bに、これらの間に配置して固定することにより、アーム7に対して固定して設けられ、油タンク30の後部の供給口30bに油ホース30aを接続し、油タンク30内の油を油ホース30a内を通ってシリンダー8内に供給するようになっている。油タンク30は、アーム7とともに昇降動し、図9に示すように、アーム7が上昇した状態では、油タンク30が傾斜し、その油タンク30の供給口30bが下向きになるようになっている。
【0026】
その他の部材、構造は前記実施例1と同様であるため前記実施例1と同様の符号を付し説明を省略する。
【0027】
本実施例2においても前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
本実施例2においては、更に、油タンク30をアーム7に対して固定して設けたことで、アーム7がアーム軸9を中心として昇降動すると油タンク30もアーム7とともに昇降動する。
【0028】
アーム7を上昇させると、油タンク30も上昇し、図9に示すように、油タンク30は、その後部(供給口30b)を下向きにして傾斜していく。これにより、油タンク30内の油は自重により油の供給口30b側に移動する。そのため、油タンク30内の油を、手動ピストン28により容易にくみ出すことが出来る。
【0029】
すなわち、前記実施例1のように油タンク25が地面に対して略水平に不動に固定されていると、油タンク25と油ホース25aとの接続部より下部の油をくみ出すことは困難であるが、本実施例2のように油タンク30が、油の供給口30bを下向き(下側)として傾斜することで、油タンク30内の油を有功に利用することが出来、前記実施例1の油タンク25と比較して、油タンク30の容量を小さくすることが出来る。
【実施例3】
【0030】
図10乃至図11は本発明の実施例3を示す。
前記実施例1、2は、操作ハンドル3を手動により上下動することにより、油タンク25内の油を、油ホース25aを通じてシリンダー8内に圧入したが、エアーポンプにより行ってもよい。
【0031】
エアーポンプ35は、図10乃至図12に示すように、フレーム2の後部に配設されている。該エアーポンプ35には、図12に示すように、エアーホース36の一端が接続され、該エアーホース36の他端のエアー口36aは、操作ハンドル5に配置されている。該エアー口36aには、図示しないコンプレッサを接続するようになっている。
【0032】
操作バルブ37をオン操作して、コンプレッサからエアーをエアーポンプ35に供給することにより、エアーポンプ35を駆動して油タンク25、30から油をシリンダー8内に圧入し、ピストンロッド20を前進駆動させ、受皿10、アーム7等が上昇する。
受皿10、アーム7等を下降させる方法は、前記実施例1、2と同様である。
【0033】
その他の部材、構造は前記実施例1と同様であるため前記実施例1、2と同様の符号を付し説明を省略する。
なお、本実施例3においても、前記実施例1、2と同様に、手動で操作ハンドル5を上下させることにより、受皿10、アーム7等を上昇させることができる。
【0034】
本実施例3においても前記実施例1、2と同様の作用、効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1のジャッキを示すもので、操作ハンドルが起立し、受皿が下降(収納)した状態の側面図で、鎖線は受皿が上昇した状態を示す。
【図2】図1の後面図。
【図3】図1の状態から操作ハンドルを倒伏した状態の側面図。
【図4】図1の状態の上面図。
【図5】図1の状態の内部構造を示す部分側断面図。
【図6】図5の状態から受皿を上昇させた状態の部分側断面図。
【図7】本発明の実施例2を示すジャッキの受皿を下降(収納)した状態の上面図。
【図8】図7の状態の内部構造を示す部分側断面図。
【図9】図8の状態から受皿を上昇させた状態の部分側断面図。
【図10】本発明の実施例3を示すジャッキを示すもので、操作ハンドルが起立し、受皿が下降(収納)した状態の側面図で、鎖線は受皿が上昇した状態を示す。
【図11】図10の上面図。
【図12】図10の後面図。
【符号の説明】
【0036】
1 ジャッキ
2 フレーム
7 アーム
7a、7b 腕部
8 シリンダー
10 受皿
25、30 油タンク
30b 油の供給口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側にフレームを設け、該フレーム間にアームを設け、該アームは両側に腕部を有し、該アームの一端側を前記フレームに対して回動可能に固定し、該アームの他端側に受皿を設け、該受皿及び前記アームを昇降動させるシリンダーを設け、該シリンダーに油を供給する油タンクを前記アームの収納した状態における前記腕部間に配置したことを特徴とするジャッキ。
【請求項2】
前記油タンクを、前記フレームに対して固定したことを特徴とする請求項1記載のジャッキ。
【請求項3】
前記油タンクは前記アームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへ油を供給する供給口側を下向きとして傾斜することを特徴とする請求項1記載のジャッキ。
【請求項1】
両側にフレームを設け、該フレーム間にアームを設け、該アームは両側に腕部を有し、該アームの一端側を前記フレームに対して回動可能に固定し、該アームの他端側に受皿を設け、該受皿及び前記アームを昇降動させるシリンダーを設け、該シリンダーに油を供給する油タンクを前記アームの収納した状態における前記腕部間に配置したことを特徴とするジャッキ。
【請求項2】
前記油タンクを、前記フレームに対して固定したことを特徴とする請求項1記載のジャッキ。
【請求項3】
前記油タンクは前記アームとともに昇降動し、油タンクからシリンダーへ油を供給する供給口側を下向きとして傾斜することを特徴とする請求項1記載のジャッキ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−347677(P2006−347677A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175012(P2005−175012)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(394023931)長崎ジャッキ株式会社 (5)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(394023931)長崎ジャッキ株式会社 (5)
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