説明

ジャンパー線保持具

【課題】ジャンパー線を容易に保持でき、容易な遠隔操作によってジャンパー線の両切断端面を互いに確実に離開状態とさせることができ、ジャンパー線の切断および修復作業を極めて容易に行うことができるジャンパー線保持具を提供する。
【解決手段】碍子33,34に被せて取り付けられる断面ほぼ逆U字状の取付基台2と、碍子33,34の下面側に巻き付ける状態とする固定部材10と、取付基台2が碍子33,34に取り付けられたときにジャンパー線32の水平部32aを挿入させるジャンパー線保持部材19を上端部に備えて取付基台2の一端側の上面に固着され、起伏自在で、且つ伸縮自在となった第1のジャンパー線保持部3と、取付基台2の他端部に設けられて取付基台2が碍子33,34に取り付けられたときにジャンパー線32の傾斜部32bを挿入させる第2のジャンパー線保持部4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接活線工事におけるジャンパー線の切断および修復作業を行うに際してジャンパー線を保持するためのジャンパー線保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電信柱の両側の電線の各々の端部が電信柱を介して互いに接続されている箇所では、前記両側の電線間を導通するためのジャンパー線が設けられている。ジャンパー線は、その両端がそれぞれ電線に圧着接続された状態で絶縁カバーで覆われており、その絶縁カバーの中央部付近が支柱碍子にバインド線で巻き付けられ固定されている。そして、切断および修復の工事に際しては、ジャンパー線の下流側のみを停電させるために、ジャンパー線の湾曲部近傍が切断され、その後に修復が行われる。
【0003】
上述のジャンパー線の切断後、修復によりジャンパー線が接続されるまでの間は、上流側が通電しているので、ジャンパー線の両切断端面間を確実に離開させておく必要があり、そのための好適なジャンパー線ホルダーが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
このジャンパー線ホルダーは、直交した配置で互いに連結された2本の主軸と、これら主軸の各々に保持された一対のジャンパー線把持具とを備え、一方のジャンパー線把持具で把持されるジャンパー線が存在する面から外れる方向に、切断後の一方のジャンパー線を回動させる回動部を有している。このジャンパー線ホルダーでは、両把持部が湾曲したジャンパー線を、その水平部および傾斜部の各々に沿うように把持できるので、ジャンパー線やそれと電線との接続部などに大きな応力を加えずに作業できる。また、前記面から外れる方向に切断後の一方のジャンパー線を傾けて保持できるので、ジャンパー線の両切断端面を確実に離開させることができる。
【特許文献1】特開平9−298815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記ジャンパー線ホルダーは、上述した顕著な特徴を有しているが、未だ解決しなければならい問題が残存している。すなわち、前記ジャンパー線ホルダーでは、先ず、手元で屈曲部の角度をジャンパー線の湾曲部に対応するように設定して固定し、続いて、一対のボルトを操作して固定側把持部および回動側把持部の各々の軸方向位置と軸回り位置とを設定して固定する。つぎに、ジャンパー線ホルダーの第1主軸を遠隔操作ヤットコで挟持し、固定側把持具の二つの凹みの間、および回動側把持具の二つの凹みの間に、それぞれジャンパー線の水平部および傾斜部を挿入し、遠隔操作レンチで両者の六角頭を締めて把持状態とする。ジャンパー線の切断後、遠隔操作フックで操作リングを引いて、回動側把持具の把持部を中間ブロックに対し回動させて係止し、ジャンパー線の両切断端面を互いに離開保持させるようになっている。
【0006】
したがって、前記ジャンパー線ホルダーは、ジャンパー線の水平部および傾斜部を固定側把持部および回動側把持部の各々の凹部に挿入して六角頭を締めて固定する作業と、回動側把持具の把持部を回動させる作業と、この把持部を元の位置まで回動させて戻す作業とを、遠隔操作を行わなければならないので、その遠隔操作が困難であって、作業性が悪い問題がある。
【0007】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ジャンパー線の設置状態に拘らずジャンパー線を容易に保持でき、容易な遠隔操作によってジャンパー線の両切断端面を互いに確実に離開状態とさせることができ、ジャンパー線の切断および修復作業を極めて容易に行うことができるジャンパー線保持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明のジャンパー線保持具は、ジャンパー線の下方に位置する碍子に被せるように取り付けられる断面ほぼ逆U字状の取付基台と、前記碍子の下面側に巻き付ける状態で前記取付基台の下端開口部の両端間を連結する固定部材と、前記取付基台が碍子に取り付けられたときにジャンパー線の水平部を挿入させるジャンパー線保持部材を上端部に備えて前記取付基台の一端側の上面に固着され、起伏自在で、且つ伸縮自在となった第1のジャンパー線保持部と、前記取付基台の他端部に設けられて前記取付基台が碍子に取り付けられたときにジャンパー線の傾斜部を挿入させる第2のジャンパー線保持部と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1の発明のジャンパー線保持具における第1のジャンパー線保持部が、取付基台の上面に固定された土台部と、この土台部に下端が回動自在に連結されて起立状態にロックされるようになった支持部と、この支持部の内部に挿抜自在に挿入された伸縮用部材と、この伸縮用部材を任意の引出し位置にロックするロック機構と、このロック機構を外部操作によりロック解除状態とする操作プレートと、前記伸縮用部材の先端部に設けられてジャンパー線の水平部を挿入させて保持するジャンパー線保持部材と、を備えている。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2の発明のジャンパー線保持具における取付基台の内部に揺動自在に設けられて二つの碍子を繋ぐ接続線を間に嵌まり込ませる一対のチャック部材を有し、この一対のチャック部材が引っ張りばねにより互いに近接する方向に付勢されている。
【0011】
請求項4に係る発明は、取付基台は、遠隔操作ヤットコで把持される被把持部を有し、この被把持部に1対のヤットコ先端の内の一方が嵌め込まれる嵌合凹部が形成され、遠隔操作ヤットコの一方のヤットコ先端が前記嵌合凹部に嵌め込まれただけでジャンパー線保持具全体が支持されるように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、第1のジャンパー線保持部を取付基台上に起立させた状態にロックして、取付基台を遠隔操作ヤットコで把持して持ち上げ、第1のジャンパー線保持部および第2のジャンパー線保持部にそれぞれ、切断すべきジャンパー線の水平部および傾斜部をそれぞれ挿入させたのちに、取付基台をジャンパー線の下方の碍子に被せるように取り付け、固定部材を碍子に巻き付けるようにして取付基台の開口部の両端部を連結すると、ジャンパー線保持具が安定に取り付けられる。つぎに、ジャンパー線の所要の箇所を切断したのち、第1のジャンパー線保持部を伸長させると、この第1のジャンパー線保持部に保持されているジャンパー線の水平部が持ち上げられて傾斜部から確実な離開状態とされる。このように、このジャンパー線保持具では、ジャンパー線の水平部および傾斜部を第1および第2のジャンパー線保持部に単に挿入させるだけで保持でき、回動動作や摺動動作を要することなく切断後のジャンパー線の両切断端面を互いに確実に離開させることができる。また、ジャンパー線の修復に際しては、第1のジャンパー線保持部を縮小させることにより、ジャンパー線の水平部の端面が傾斜部の端面に近接し、ジャンパー線の一方の端面に予め固定されたスリーブに他方の端面を挿入することによりジャンパー線の修復が終了する。
【0013】
請求項2の発明によれば、第1のジャンパー線保持部を、操作プレートを押し上げてロック解除状態とすることにより、伸縮用部材を介して第1のジャンパー線保持部材を支持部に対し上動させることができ、操作プレートへの押し上げ力を解除することにより、切断すべきジャンパー線の状態に応じた任意の位置に伸縮用部材をロックできる。また、操作プレートを押し上げてロック解除状態とすれば、伸縮用部材およびジャンパー線保持部材を元の位置に容易に戻すことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、固定部材で固定する前に、一対のチャック部材の間に、二つの碍子を繋ぐ接続線を嵌まり込ませることにより、ジャンパー線保持具を仮止め状態とできるので、その後のジャンパー線保持具の固定を容易、且つ確実に行うことができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、遠隔操作ヤットコでジャンパー線保持具を把持し、取り付け作業を行うのが通常であるが、把持しなくても、一方のヤットコ先端を被把持部の嵌合凹部に嵌め込むだけで、安定した状態でジャンパー線保持具を保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るジャンパー線保持具を示す斜視図、図2はその正面図である。このジャンパー線保持具1は、構成を大別すると、断面ほぼ逆U字形状となった取付基台2と、この取付基台2の一端部上面にほぼ鉛直の配置で固着された第1のジャンパー線保持部3と、取付基台2の他端部上面からほぼ水平方向外方に突出する配置で固着された第2のジャンパー線保持部4とを備えている。
【0017】
前記取付基台2には、その中央部の両側外面に、遠隔操作ヤットコで把持される被把持部7がそれぞれ設けられており、一方(図1の手前側)の被把持部7の両側箇所に、それぞれ被吸着部8が固着されている。また、取付基台2における他方(図1の向こう側)の被把持部7の両側にはそれぞれ固定用布10の各一端部が取り付けられており、この固定用布10の他端部内面に、前記被吸着部8に吸着する吸着部9が設けられているとともに、他端部外面に操作片11が取り付けられている。さらに、取付基台2の中央部内側には、図3に明示するように、先端部に爪片12aを有する二つのチャック部材12が、支軸15を支点に揺動自在に取り付けられている。これら二つのチャック部材12は、電信柱に設けられた2個の碍子間の接続線を内部に挿入できる間隔で対置されて、引っ張りばね13により互いに近接する方向に付勢されている。
【0018】
前記被把持部7には1対のヤットコ先端の内の一方が嵌め込まれる嵌合凹部7aが形成され、遠隔操作ヤットコの一方のヤットコ先端が前記嵌合凹部7aに嵌め込まれただけでジャンパー線保持具全体が保持されるように構成されている。
【0019】
前記第1のジャンパー線保持部3は、取付基台2にほぼ直交方向の鉛直面で起伏自在に取り付けられて、伸縮自在の構成を有している。すなわち、第1のジャンパー線保持部3は、取付基台2の上面に固定された土台部14と、この土台部14に基端部(下端部)が回動自在に連結された支持部17と、この支持部17の内部に上方へ出入自在に挿入された伸縮用部材18と、伸縮用部材18の上端部に固着されたジャンパー線保持部材19を備えている。ジャンパー線保持部材19は、ジャンパー線を挿入させることのできるU字形状を有している。
【0020】
図5に示すように、第1のジャンパー線保持部3の支持部17の基端部両側には係止片20が突設されており、土台部14には、係止片20よりも大きな直径を有する円形の回動用孔21と、この回動用孔21の下部に連通して形成され係止片20を出入させる幅を有する係止溝22とが形成されている。したがって、第1のジャンパー線保持部3を引き上げる操作を行って係止片20を係止溝22から回動用孔21に引き出すと、第1のジャンパー線保持部3を取付基台2に対し実線位置から2点鎖線位置までの90°の角度範囲内で回動させることができる。未使用時には、2点鎖線で示すように第1のジャンパー線保持部3を倒して取付基台2の受台23上に当接させておくことにより、嵩低くなって取扱いが容易となる。使用時には、実線で示すように、第1のジャンパー線保持部3を起立させて、係止片20を係止溝22内に落とし込むことにより、第1のジャンパー線保持部3が取付基台2にほぼ直交した配置でロックされる。
【0021】
第1のジャンパー線保持部3の要部の内部構造を示した図4において、支持部17の一方の内面には、複数個の係止凹部24が長手方向に沿って等間隔に形成されている。この支持部17に出入自在に挿入された伸縮用部材18には、係止凹部24に択一的に嵌まり込む半球状の頭部27aを有する係止ピン27が設けられている。係止ピン27は引っ張りばね28により頭部27aが係止凹部24から抜け出す方向に付勢されている。また、伸縮用部材18の中央部には、これの長手方向に操作部材29が摺動自在に挿通されており、この操作部材29先端部(上端部)に長い操作プレート30が固着されている。
【0022】
前記操作プレート30の両端部がジャンパー線保持部材19の下方外部に突出して露呈されており、この露呈した操作プレート30の両端部を上方へ持ち上げる操作をすることにより、図4に2点鎖線で示すように操作部材29を伸縮用部材18の上方へ引き上げることができる。この引き上げ操作時に、圧縮コイルばね31により下方に付勢されている操作部材29が圧縮コイルばね31の付勢力に抗して上動することにより、操作部材29の下端部29aが、図4に2点鎖線で示すように、係止ピン27から離間してその上方に移動するので、係止ピン27が引っ張りばね28の付勢力により移動されて、係止ピン27の頭部27aが係止凹部24から抜脱することにより、伸縮用部材18の支持部17によるロックが解除される。したがって、操作プレート30を押し上げた状態で持ち上げる操作を行うことにより、伸縮用部材18が支持部17から抜け出して上動された状態となる。伸縮用部材18を下限まで押し下げたときには、図6に示すように、操作部材29により係止ピン27が引っ張りばね28の付勢力に抗して頭部27aが係止凹部24に入り込み、伸縮用部材18が支持部17にロックされる。
【0023】
つぎに、ジャンパー線保持具1によりジャンパー線の切断および修復作業を行う操作方法について説明する。図7に示すように、第1のジャンパー線保持部3を起立させ、且つ下限位置にロックした状態で、取付基台2の両側の被把持部7を遠隔操作ヤットコ(図示せず)で把持してジャンパー線保持具1を持ち上げて、第1のジャンパー線保持部3のジャンパー線保持部材19にジャンパー線32の水平部32aを挿入させるとともに、第2のジャンパー線保持部4にジャンパー線32の傾斜部32bを挿入させる。したがって、ジャンパー線32の状態に拘らず、単に挿入させるだけであるから、ジャンパー線32の水平部32aおよび傾斜部32bを第1および第2のジャンパー線保持部3,4に容易に挿入させて保持できる。この状態で、取付基台2を、電信柱(図示せず)の近傍箇所に設けられた二つの碍子33,34に被せる。このとき、図8に示すように、二つの碍子33,34を結ぶ接続線37は、一対のチャック部材12を押し広げながら、その間に入り込んだのち、引っ張りばね13の付勢力によって両チャック部材12により把持される。これにより、ジャンパー線保持具1は仮固定された状態となる。
【0024】
つぎに、固定用布10を、操作片11を掴んで図8の実線位置から2点鎖線位置で示すように碍子33,34の外周に巻き付ける状態とし、吸着部9を被吸着部8に吸着させることにより、ジャンパー線保持具1が両碍子33,34に固定された状態となる。この状態で、図7に×印で示した箇所が切断器(図示せず)により切断される。
【0025】
続いて、図10に矢印で示すように、操作プレート30を遠隔操作で上方に押し上げて上述したように伸縮用部材18の支持部17によるロックを解除した状態として、この状態を保持しながら、図9に示すようにジャンパー線保持部材19を持ち上げる。ジャンパー線保持部材19が持ち上げられると、前記係止ピン27の頭部27aが最下段以外の
係止凹部24に係止され、ジャンパー線保持部材19が所定の持ち上げ位置に固定される。これにより、図11に示すように、ジャンパー線32における切断側の導通箇所である水平部32aが持ち上げられて、ジャンパー線32の傾斜部32bに対し確実な離開状態に保持される。間接活線工事終了後にジャンパー線32を修復する際には、操作プレート30を遠隔操作で上方に押し上げて伸縮用部材18の支持部17によるロックを解除した状態として、この状態を保持しながら、図12に示すようにジャンパー線保持部材19を引き下げて、ジャンパー線32の切断端部に予め取り付けられたスリーブ38内にジャンパー線32の傾斜部32bの端部を挿入する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明に係るジャンパー線保持具によれば、ジャンパー線の水平部および傾斜部を第1および第2のジャンパー線保持部に単に挿入させるだけで保持でき、回動動作や摺動動作を要することなく、第1のジャンパー線保持部を伸長させるだけで、切断後のジャンパー線の両切断端面を互いに確実に離開させることができ、ジャンパー線の修復に際しては、第1のジャンパー線保持部を縮小させることにより、ジャンパー線の水平部の端面が傾斜部の端面に近接し、ジャンパー線の一方の端面に予め固定されたスリーブに他方の端面を挿入することによりジャンパー線の修復が終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係るジャンパー線保持具を示す斜視図
【図2】同上のジャンパー線保持具を示す正面図
【図3】同上のジャンパー線保持具の一部の下方から見た斜視図
【図4】同上のジャンパー線保持具における第1のジャンパー線保持部の一部破断した正面図
【図5】同上の第1のジャンパー線保持部の動作状態を示す正面図
【図6】同上の第1のジャンパー線保持部の切断平面図
【図7】同上のジャンパー線保持具の取付状態を示す正面図
【図8】同上のジャンパー線保持具の取付状態を示す左側面図
【図9】同上のジャンパー線保持具における第1のジャンパー線保持部の伸長した状態を示す一部破断した正面図
【図10】同上のジャンパー線保持具における第1のジャンパー線保持部の縮小した状態を示す一部破断した正面図
【図11】同上のジャンパー線保持具で保持したジャンパー線を切断した状態を示す正面図
【図12】同上のジャンパー線保持具で保持したジャンパー線を修復する状態を示す正面図
【符号の説明】
【0028】
1 ジャンパー線保持具
2 取付基台
3 第1のジャンパー線保持部
4 第2のジャンパー線保持部
10 固定用布(固定部材)
12 チャック部材
13 引っ張りばね
14 土台部
17 支持部
18 伸縮用部材
19 ジャンパー線保持部材
30 操作プレート
32 ジャンパー線
32a 水平部
32b 傾斜部
33,34 碍子
37 接続線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャンパー線の下方に位置する碍子に被せるように取り付けられる断面ほぼ逆U字状の取付基台と、
前記碍子の下面側に巻き付ける状態で前記取付基台の下端開口部の両端間を連結する固定部材と、
前記取付基台が碍子に取り付けられたときにジャンパー線の水平部を挿入させるジャンパー線保持部材を上端部に備えて前記取付基台の一端側の上面に固着され、起伏自在で、且つ伸縮自在となった第1のジャンパー線保持部と、
前記取付基台の他端部に設けられて前記取付基台が碍子に取り付けられたときにジャンパー線の傾斜部を挿入させる第2のジャンパー線保持部と、
を備えたことを特徴とするジャンパー線保持具。
【請求項2】
第1のジャンパー線保持部は、
取付基台の上面に固定された土台部と、
この土台部に下端が回動自在に連結されて起立状態にロックされるようになった支持部と、
この支持部の内部に挿抜自在に挿入された伸縮用部材と、
この伸縮用部材を任意の引出し位置にロックするロック機構と、
このロック機構を外部操作によりロック解除状態とする操作プレートと、
前記伸縮用部材の先端部に設けられてジャンパー線の水平部を挿入させて保持するジャンパー線保持部材と、
を備えている請求項1に記載のジャンパー線保持具。
【請求項3】
取付基台の内部に揺動自在に設けられて二つの碍子を繋ぐ接続線を間に嵌まり込ませる一対のチャック部材を有し、この一対のチャック部材が引っ張りばねにより互いに近接する方向に付勢されている請求項1または2に記載のジャンパー線保持具。
【請求項4】
取付基台は、遠隔操作ヤットコで把持される被把持部を有し、この被把持部に1対のヤットコ先端の内の一方が嵌め込まれる嵌合凹部が形成され、遠隔操作ヤットコの一方のヤットコ先端が前記嵌合凹部に嵌め込まれただけでジャンパー線保持具全体が支持されるように構成された請求項1、2または3に記載のジャンパー線保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−17759(P2009−17759A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180113(P2007−180113)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000219820)株式会社トーエネック (51)
【出願人】(591083772)株式会社永木精機 (65)