説明

ジャーナルデータ管理システム及びジャーナルデータ管理プログラム。

【課題】 ジャーナルデータの自動収集を可能とし、資金の効率的な運用等に利用できるようにする。
【解決手段】 自動取引装置4でジャーナルデータが発生する毎に、そのジャーナルデータを暗号化して通信回線6を介してジャーナル管理サーバ1に送信し、ジャーナル管理サーバ1は受信したジャーナルデータを第1の記憶装置2に格納して一括管理する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動取引装置における電子化ジャーナルデータを一括管理する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動取引装置で行われる取引の内容はジャーナルデータとしてジャーナル用紙に印字して保存するようにしていた。一方、最近では、当該データを電子化して、自動取引装置にMO,CD−R等の電子媒体を備え、これにジャーナルデータを記録することで、その記録量の大容量化及び低コスト化が押し進められてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した従来の技術では、以下の問題がある。ジャーナルデータをジャーナル用紙に印字するものでは、そのジャーナル用紙を比較的短いサイクルで交換、回収する必要があるうえ、交換、回収に手間がかかり、特に店舗外等の遠隔地に自動取引装置が設置されている場合は、その設置場所に行かなければならないために不便であった。
【0004】また、MO,CD−R等の電子媒体にジャーナルデータを記録保存する場合、各自動取引装置が個別に行っていたため、装置内に保存される期間が長くなり、しかもデータは取引上のトラブルが発生したときの原因究明等、限られた場合にのみ取り出されるだけでデータとしての有効利用ができていなかった。本発明はこのような問題を解決することが可能なジャーナルデータ管理システムの実現を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため本発明は、複数の自動取引装置でそれぞれジャーナルデータが発生する毎に、そのジャーナルデータを自動取引装置から通信回線を介してジャーナル管理サーバに送信し、ジャーナル管理サーバが受信したジャーナルデータを記憶装置に格納して一括管理することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によるジャーナル管理システムの実施の形態について説明する。図1は実施の形態の構成を示す概略図で、この図に示したシステムは、ジャーナル管理サーバ1、MO等の第1記憶装置2、HD等の第2の記憶装置3、及び複数台の自動取引装置(ATM)4により構成されている。
【0007】ジャーナル管理サーバ1は銀行等のセンタあるいは他の拠点等に設置され、このジャーナル管理サーバ1に第1記憶装置2と第2の記憶装置3がそれぞれ接続されている。また、自動取引装置4は顧客の操作により各種の金融取引を実行するもので、銀行等の営業店や無人店舗等に設置されている。
【0008】これらの自動取引装置4は各々ジャーナルデータ用のHD等の記憶装置5を有し、通信回線6を介してジャーナル管理サーバ1に接続されている。次に、上述した構成の作用について説明する。各々の自動取引装置4は、取引の実行等によりジャーナルデータが発生する毎に当該ジャーナルデータを一旦記憶装置5に書き込んで保存すると共に、通信回線6を介してジャーナル管理サーバ1に送信する。
【0009】図2は取引を実行した場合のジャーナルデータの一例を示す図で、取引の日付及び時刻、店番号、各自動取引装置4に与えられている装置番号(機械番号)、取引種目(支払い、入金等)、顧客の口座番号、取引金額のほか、取引媒体としてカードが用いられた場合はエンボス、自動取引装置4が撮影装置を備えている場合は顧客の画像、更に取引中の装置トラブルの有無等もデータに加えられる。
【0010】このジャーナルデータのジャーナル管理サーバ1への送信に際しては、一般の通信回線6を用いることから、傍受されることを防止する必要があるため、ジャーナルデータは自動取引装置4で暗号化する。ジャーナル管理サーバ1は自動取引装置4から送られてきた暗号化されたジャーナルデータを第1の記憶装置2と第2の記憶装置3に格納するが、このとき第2の記憶装置3は、第1の記憶装置2への書き込み不良等が発生場合のバックアップとして用いられ、従ってジャーナルデータは第2の記憶装置3に格納された後、第1の記憶装置2へ格納される。
【0011】第1の記憶装置2にジャーナルデータが格納されると、ジャーナル管理サーバ1はジャーナルデータを送ってきた自動取引装置4に対して通信回線6を介して格納完了の旨の通知を行う。この通知を受けた自動取引装置4は、自身が保有する記憶装置5に格納してあるジャーナルデータに保存済のデータを付加し、当該ジャーナルデータの消去を可能にする。
【0012】このようにして各自動取引装置4が取引実行等によるジャーナルデータの発生毎に、そのジャーナルデータをジャーナル管理サーバ1に送信し、ジャーナル管理サーバ1で順次第1の記憶装置2に格納して蓄積することで、ジャーナルデータを一括管理する。この第1の記憶装置2に蓄積したジャーナルデータは定期的あるいは必要に応じて取り出し、復号化して店舗毎の取引状況(日、週、月、季節毎の傾向や繁忙帯の割り出し等)や、自動取引装置4毎の現金の入出金状況、顧客の利用率等の統計をとる等、各種の解析を行い、解析結果を該当店舗等にフィードバックしたり、資料として保存する。
【0013】尚、上述した実施の形態では、自動取引装置4として顧客が操作する装置としたが、金融機関の窓口でオペレータが操作する窓口装置や、出納係や渉外員等が利用するオープン出納機と呼ばれる自動取引装置のジャーナルデータもジャーナル管理サーバ1の送信して一括管理することも可能である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の自動取引装置でそれぞれジャーナルデータが発生する毎に、そのジャーナルデータを自動取引装置から通信回線を介してジャーナル管理サーバに送信し、ジャーナル管理サーバが受信したジャーナルデータを記憶装置に格納して一括管理するようにしているため、係員が自動取引装置の設置場所に行かなくともジャーナルデータを収集することができるという効果が得られる。
【0015】また、1個所でデータを集中して管理することがが可能であるため、取引の状況等の統計データを作成して、資金の効率的な運用等に利用することができ、更に、ジャーナルデータは発生する毎に各自動取引装置から通信回線を介してジャーナル管理サーバに送信するため、通信回線回線への付加が軽減され、無理なくジャーナル管理サーバに送信することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の構成を示す概略図。
【図2】ジャーナルデータの一例を示す図。
【符号の説明】
1 ジャーナル管理サーバ
2 第1記憶装置
3 第2の記憶装置
4 自動取引装置(ATM)
5 記憶装置
6 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の自動取引装置でそれぞれジャーナルデータが発生する毎に、そのジャーナルデータを自動取引装置から通信回線を介してジャーナル管理サーバに送信し、ジャーナル管理サーバが受信したジャーナルデータを記憶装置に格納して一括管理することを特徴とするジャーナルデータ管理システム。
【請求項2】 請求項1において、ジャーナル管理サーバには第1記憶装置と、この第1記憶装置をバックアップする第2の記憶装置が接続され、自動取引装置から受信したジャーナルデータを第2の記憶装置に格納した後、第1記憶装置に格納することを特徴とするジャーナルデータ管理システム。
【請求項3】 請求項1において、自動取引装置はジャーナルデータを暗号化してジャーナル管理サーバに送信することを特徴とするジャーナルデータ管理システム。
【請求項4】 複数の自動取引装置でそれぞれ発生するジャーナルデータを一括管理するジャーナルデータ管理システムであって、各自動取引装置に、ジャーナルデータが発生する毎に通信回線を介してジャーナル管理サーバに送信させる手順と、ジャーナル管理サーバに自動取引装置から受信したジャーナルデータを記憶装置に格納して一括管理する手順を、実行させることを特徴とするジャーナルデータ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2003−36463(P2003−36463A)
【公開日】平成15年2月7日(2003.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−224897(P2001−224897)
【出願日】平成13年7月25日(2001.7.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】