説明

スイッチギヤ

【課題】この発明は、シャッターロックキーをキーインターロックすることにより、遮断器の挿入を確実に防止することができるスイッチギヤを提供するものである。
【解決手段】遮断器が断路位置にあるときにシャッターをロックするシャッターロックキーと、シャッターロックキーが挿入されるシャッターロックキー挿入部と、遮断器が断路位置に引き出されたときに作動するレバー片と、レバー片の作動によりシャッターロックキーが回動可能となり、シャッターロックキーの回動により突出されシャッターの開きを阻止するシリンダロッドと、シリンダロッドが突出したときシャッターロックキー挿入部から抜き出されるシャッターロックキーを保管するシャッターロックキー保管部と、シャッターロックキー保管部に保管されたシャッターロックキーをキーインターロックするチェンジキーと、チェンジキーが着脱されるチェンジキー着脱部とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、真空遮断器などの遮断器が断路位置にあるとき、誤った操作を確実に防止するスイッチギヤに関し、特にキーインターロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遮断器として真空遮断器を使用したスイッチギヤとして図15に示すものがあり、図は一例として受電盤からなるスイッチギヤの場合を示している。受電盤1の遮断器室2内の真空遮断器(図示せず)を遮断器室扉3を閉めた状態でその真空遮断器の挿入(投入)および引出(断路)を外部より操作する場合、シャッターレバー5によりシャッター(図示せず)を開いて遮断器操作ハンドル挿入部6に操作ハンドル(図示せず)を挿入する。
【0003】
ところで、真空遮断器が断路位置に引き出されているとき、真空遮断器が挿入されないよう、シャッターを閉じてシャッターロックキー挿入部12に差し込まれたシャッターロックキー(図示せず)でシャッターを施錠し、シャッターロックキーを引き抜き遮断器操作ハンドル挿入口6に操作ハンドルが挿入できないようにしている。
【0004】
遮断器操作ハンドル挿入口6に操作ハンドルが挿入できないので、挿入必要な条件が揃わないときは真空遮断器の挿入を防止するようにしている。
【0005】
また、他の従来例として、遮断器が断路位置にあるとき、鍵を錠前に差し込んで回動させることによりその錠前のロッドを下端側に進出させ、錠前のロッドが下端側に進出することによりロッドピンを下方側に移動させる。
【0006】
ロッドピンが下方側に移動することによりそのロッドピンの先端部が操作片のピン穴に係合して、操作ハンドルが角柱状部に差し込めない状態とする。操作ハンドルが角柱状部に差し込めないので、操作軸を回動できない。したがって、操作軸と連結された遮断器が挿入を防止するようにしている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−193506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来のスイッチギヤのキーインターロック機構は、真空遮断器が断路位置に引き出されているとき、真空遮断器が投入されないようにシャッターロックキー(図示せず)でシャッターを施錠し、シャッターロックキーを引き抜き遮断器操作ハンドル挿入口6に操作ハンドルが挿入できないようにしていたとしても、真空遮断器の状態を充分に確認しないで誤ってそのシャッターロックキーをシャッターロックキー挿入部12に差し込んで回動させ、シャッターを開いて遮断器操作ハンドル挿入口6に操作ハンドルを挿入して真空遮断器を挿入できるという問題点があった。すなわち、シャッターロックキーをキーインターロックする構成とはなっていなかった。
【0009】
また、従来の特許文献1に記載のスイッチギヤのキーインターロック機構は、遮断器が断路位置にあるとき、鍵を錠前に差し込んで回動させることによりその錠前のロッドを上端側に進入させ、錠前のロッドが上端側に進入することによりロッドピンが上方側に移動する。ロッドピンが上方側に移動することによりそのロッドピンの先端部が操作片のピン穴から抜け出て係合状態が解除され、操作ハンドルが角柱状部に差し込める状態となる。したがって、操作ハンドルを角柱状部に差し込んで操作軸を回動してその操作軸と連結された遮断器を挿入できるというという問題点があった。すなわち、鍵をキーインターロックする構成とはなっていなかった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シャッターロックキーをキーインターロックすることにより、遮断器の挿入を確実に防止することができるスイッチギヤを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係わるスイッチギヤは、遮断器が挿入および引出される遮断器室と、前記遮断器室に設けられた遮断器室扉と、前記遮断器室扉に設けられた遮断器操作ハンドル挿入口と、前記遮断器操作ハンドル挿入口を開閉するためのシャッターと、前記遮断器が断路位置にあるときに前記シャッターが開くのをロックするためのシャッターロックキーと、前記遮断器室扉に設けられた前記シャッターロックキーが挿入されるシャッターロックキー挿入部と、前記遮断器が断路位置に引き出されたときに作動するレバー片と、前記レバー片の作動により前記シャッターロックキーが回動可能となり、前記シャッターロックキーの回動により突出され前記シャッターの開きを阻止するシリンダロッドと、前記シリンダロッドが突出したとき前記シャッターロックキー挿入部から抜き出される前記シャッターロックキーを保管するシャッターロックキー保管部と、前記シャッターロックキー保管部に挿入して保管された前記シャッターロックキーをキーインターロックするためのチェンジキーと、前記チェンジキーが着脱されるチェンジキー着脱部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係わるスイッチギヤによれば、シャッターロックキーをキーインターロックするようにしたことにより、遮断器が断路位置にあるときに遮断器の挿入を確実に防止することができるスイッチギヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤを示す正面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤを示す断面側面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤにおけるシャッターロックキー挿入部を示す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤにおける阻止体を示す断面側面図である。
【0014】
【図8】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す正面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す断面側面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。
【図15】従来のスイッチギヤを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図7に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤを示す正面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤを示す断面側面図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤにおけるシャッターロックキー挿入部を示す側面図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。図5はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。図7はこの発明の実施の形態1に係わるスイッチギヤにおける阻止体を示す断面側面図である。
【0016】
これら各図において、1はスイッチギヤであり、図は一例として、受電盤からなる場合を示している。2は例えば真空遮断器からなる遮断器16が配設され、遮断器16が挿入および引出(断路)される遮断器室である。3は遮断器室2に設けられた遮断器室扉である。4は遮断器室扉3を開閉する開閉レバーである。5は遮断器室扉3に設けられ、後述する遮断器操作ハンドル挿入口6を開閉するためのシャッター8と連結されたシャッターレバー、6は遮断器室扉3に設けられた遮断器16を操作するための操作ハンドル(図示せず)が挿入される遮断器操作ハンドル挿入口である。このように、遮断器室扉3を閉じた状態において、真空遮断器からなる遮断器16の挿入および引出(断路)を外部より操作ハンドル(図示せず)により操作する構成となっている。
【0017】
9は種々の制御機器が収納された制御機器室である。10は制御機器室9に設けられた制御機器室扉である。11は制御機器室扉10を開閉する開閉レバーである。
【0018】
12は遮断器室扉3に設けられ、シャッター8が開くのをロックするためのシャッターロックキー24が挿入されるシャッターロックキー挿入部である。なお、遮断器16が挿入されているとき、シャッターロックキー24はシャッターロックキー挿入部12から取り出せないようになっているとともに回動できないようになっている。また、遮断器16が引出(断路)されて断路位置Dにあるとき、シャッターロックキー24は回動してシャッター8が開くのをロックするとともにシャッターロックキー挿入部12から取り出せるように構成されている。
【0019】
13はシャッターロックキー挿入部12から抜き出されるシャッターロックキー24を保管するシャッターロックキー保管部である。14はシャッターロックキー保管部13に挿入して保管されたシャッターロックキー24をキーインターロックするためのチェンジキー(図示せず)が着脱されるチェンジキー着脱部である。
【0020】
15はチェンジキー着脱部14にチェンジキーが挿入され、シャッターロックキー24がシャッターロックキー保管部13に挿入されたとき、アンロック位置からロック位置に回動して遮断器16の挿入側への移動を阻止する阻止体37を回動させるキーインターロック操作ハンドルである。このキーインターロック操作ハンドル15の回動によりチェンジキーとシャッターロックキー24を連動して回動させてキーインターロック操作ハンドル15をロック位置にロックするとともにチェンジキーを抜き取ることによってシャッターロックキー24をシャッターロックキー保管部13にキーインターロックするようにしている。
【0021】
17は母線室、18は三相の母線、19は分岐導体、20はケーブル室、21は遮断器室2の天井放圧フラッパ、22は母線室17の天井放圧フラッパ、23はケーブル室20の天井放圧フラッパである。
【0022】
次に、シャッターロックキー挿入部12周辺の機構について図3に基づいて説明する。図3の実線で示す状態は遮断器16が挿入されている状態であり、シャッターロックキー24はシャッターロックキー挿入部12に挿入されてシリンダ錠25に差し込まれている。シリンダ錠25のシリンダロッド26はレバー片28の下部レバー片28bに当たって突出できないようになっている。すなわち、シャッターロックキー24を回動させるこができないとともにシャッターロックキー24はシャッターロックキー挿入部12から抜き出せない状態となっている。
【0023】
なお、レバー片28は遮断器16が断路位置D側に引き出されたときに作動し、支持金具27に設けられた支軸ピン29により回動可能となっているとともに、固定金具30と支持金具27に跨設されたばね部材31によりレバー片28が復動されるようになっている。
【0024】
図3の実線で示す状態から遮断器16が断路位置D側に引出(断路)されてくると、遮断器16に設けられたロック用ピン16aがレバー片28の上部レバー片28aに当接してその上部レバー片28aを支軸ピン29を中心として回動させ、遮断器16が断路位置Dに引出(断路)されたとき、上部レバー片28aは破線で示す位置まで回動される。
【0025】
遮断器16が断路位置Dに引出(断路)され、上部レバー片28aが破線で示す位置まで回動される動作と連動してレバー片28の下部レバー片28bも支軸ピン29を中心として回動して破線で示す位置まで回動される。
【0026】
レバー片28の下部レバー片28bが支軸ピン29を中心として回動して破線で示す位置まで回動されると、シリンダ錠25のシリンダロッド26は開放状態となる。
【0027】
このように、遮断器16が断路位置Dに引出(断路)されることにより、レバー片28の下部レバー片28bが支軸ピン29を中心として回動して破線で示す位置まで回動されるので、シリンダ錠25のシリンダロッド26は開放状態となってシャッターロックキーが回動可能となり、シャッターロックキー24を時計方向に回動してシリンダロッド26を突出させる。
【0028】
シャッターロックキー24を時計方向に回動してシリンダロッド26を突出させたことにより、シャッター8はシリンダロッド26の突出部により上方向に開くことが阻止される。したがって、遮断器操作ハンドル挿入口6がシャッター8により閉じられた状態となっており、操作ハンドルを遮断器操作ハンドル挿入口6に差し込むことができないので、遮断器16が断路位置Dに引出(断路)されたとき、遮断器16が挿入されるのを防止している。
【0029】
ところで、シャッターロックキー24を時計方向に回動してシリンダロッド26を突出させた状態において、シャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12から抜き出すことができる。
【0030】
しかしながら、遮断器16が断路位置Dに保持しておかなければならない状態において、シャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12に差し込んで、シャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりシリンダ錠25のシリンダロッド26は引っ込まれるので、シャッター8はシリンダロッド26に阻止されることなく上方向に開くことが可能となる。シャッター8が上方向に開くことができれば、遮断器操作ハンドル挿入口6が開放されるので、操作ハンドルを遮断器操作ハンドル挿入口6に差し込むことができ、誤って遮断器16が挿入されてしまうことが考えられる。
【0031】
遮断器16が断路位置Dに保持しておかなければならない状態において、誤って遮断器16が挿入されてしまうことがないように、シャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12に差し込めないようにするキーインターロックする機構について、図4ないし図6に基づいて説明する。
【0032】
まず、遮断器16が断路位置Dに引出(断路)されたとき、レバー片28の下部レバー片28bが回動してシリンダ錠25のシリンダロッド26が開放されるので、シャッターロックキー24を時計方向に回動してシリンダロッド26を突出させてシャッター8上方向に開くことを阻止するとともにそのシャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12から抜き出す。
【0033】
次に、シャッターロックキー挿入部12から抜き出したシャッターロックキー24をシャッターロックキー保管部13に挿入する。このとき、チェンジキー着脱部14にはチェンジキー(図示せず)が挿入されている。
【0034】
そして、キーインターロック操作ハンドル15を時計方向に90度回動させてロック位置で保持する。この状態でシャッターロックキー保管部13に挿入したシャッターロックキー24を時計方向に90度回動させると、このシャッターロックキー24の回動と連動してチェンジキー着脱部14に挿入されたチェンジキーも回動して施錠し、チェンジキー着脱部14からチェンジキーを抜き取ることにより、シャッターロックキー24はシャッターロックキー保管部13にキーインターロックされて抜き出すことができない。
【0035】
以上のように、シャッターロックキー24はシャッターロックキー保管部13にキーインターロックされて抜き出すことができないように構成したことにより、シャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12に差し込むことができないので、遮断器16が断路位置Dに保持しておかなければならない状態において、誤って遮断器16が挿入されてしまうことが全くない安全性に優れた構成とすることができる。
【0036】
また、図6は図4および図5の構成を詳細に示す図であり、シャッターロックキー保管部13およびチェンジキー着脱部14はシリンダ錠32に連結されており、キーインターロック操作ハンドル15はカム34とカム軸35を有しており、カム34はカム軸35を中心として時計方向に90度回動している状態を示している。
【0037】
キーインターロック操作ハンドル15のカム34は図6の実線で示すように時計方向に90度回動してロック位置に保持した状態で、シャッターロックキー保管部13からシリンダ錠32に挿入されているシャッターロックキー24およびチェンジキー着脱部14に挿入されているチェンジキーは連動して回動するので、シャッターロックキー24を時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動してシリンダ錠32のシリンダロッド33を突出させてカム34と係合させる。このように、シリンダロッド33を突出させてカム34と係合させることにより、カム34は反時計方向に回動できないのでロック状態が保持される。
【0038】
また、シャッターロックキー24を時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動することにより施錠され、チェンジキーを抜き取ることにより、シャッターロックキー24はシャッターロックキー保管部13にキーインターロックされて抜き出すことができないように構成したものである。
【0039】
また、キーインターロック操作ハンドル15のカム軸35と同軸上に阻止体収容室36に収容した阻止体37を設けており、遮断器16が挿入されているときは遮断器室床面Yより上方に突出できない構成であるとともに、遮断器16が断路位置Dに引出(断路)されたとき、キーインターロック操作ハンドル15が時計方向に90度回動してロック状態に保持されることにより、キーインターロック操作ハンドル15のカム軸35と同軸上に設けられた阻止体37も連動して回動し、阻止体37の先端部が遮断器室床面Yより上方に突出して保持されるように構成しており、遮断器16が断路位置Dに保持しておかなければならない状態において、誤って遮断器16が挿入されないように阻止しており、さらなる安全性を高めることができる構成としている。
【0040】
ところで、遮断器16を断路位置Dから挿入する場合には、チェンジキーをチェンジキー着脱部14に挿入し、シャッターロックキー保管部13に挿入されたシャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動する。シャッターロックキー24を反時計方向に回動したことにより、シリンダ錠32シリンダロッド33が引っ込んでキーインターロック操作ハンドル15のカム34との係合が外れ、カム34は図6の破線で示す反時計方向に90度回動してアンロック位置に保持された状態となる。
【0041】
そして、キーインターロック操作ハンドル15のカム軸35と同軸上に設けた阻止体37も図7の破線で示す反時計方向に回動して遮断器室床面Y下部の阻止体収容室36に収容され、遮断器16を挿入できる状態となる。
【0042】
シャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動することにより施錠され、シャッターロックキー保管部13からシャッターロックキー24を抜き取ることにより、チェンジキーはチェンジキー着脱部14にキーインターロックされて抜き出すことができない。
【0043】
シャッターロックキー保管部13から抜き取ったシャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12に挿入し、そのシャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりシリンダ錠25のシリンダロッド26は引っ込まれるので、シャッター8はシリンダロッド26に阻止されることなく上方向に開くことが可能となる。
【0044】
そして、シャッターレバー5によりシャッター8を上方向に開いて遮断器操作ハンドル挿入口6を開放し、操作ハンドルを遮断器操作ハンドル挿入口6に差し込んで操作することにより遮断器16を挿入することができる。
【0045】
遮断器16を断路位置Dから挿入することにより、遮断器16に設けられたロック用ピン16aがレバー片28の上部レバー片28aから外れ、レバー片28が支軸ピン29を中心として時計方向に回動する。このレバー片28の回動に伴い下部レバー片28bも時計方向に回動し、シリンダ錠25のシリンダロッド26が突出できない位置に復帰する。なお、この状態においてはシャッターロックキー24がシャッターロックキー挿入部12から抜き出せないようになっている。
【0046】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るスイッチギヤを図8ないし図14に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す正面図である。図9はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す正面図である。図10はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤを示す断面側面図である。図11はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。図12はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を示す正面図である。図13はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。図14はこの発明の実施の形態2に係わるスイッチギヤの要部を詳細に示す正面図である。
【0047】
上述した実施の形態1においては、スイッチギヤが受電盤からなる場合について述べたが、この実施の形態2においては、スイッチギヤはアーシングスイッチ盤が併設された場合を示すとともに、さらに、スイッチギヤは受電盤と同様の構成を有する2つの母線連絡盤が設けられた場合を示している。なお、図8において、各スイッチギヤ101,102,103およびアーシングスイッチ盤104との間が空間を有する状態で図示しているが、一般的には各スイッチギヤ101,102,103およびアーシングスイッチ盤104との間に空間が無く、それぞれが連接されて一体的に構成される。
【0048】
これら各図において、スイッチギヤ101は上述した実施の形態1と同様の受電盤から構成されており、シャッターロックキー24を挿入するシャッターロックキー挿入部12、シャッターロックキー保管部13、チェンジキー着脱部14、キーインターロック操作ハンドル15を具備している。
【0049】
スイッチギヤ102およびスイッチギヤ103はスイッチギヤ101と同様の機構を有する母線連絡盤であり、スイッチギヤ101と同様に、シャッターロックキー24を挿入するシャッターロックキー挿入部12、シャッターロックキー保管部13、チェンジキー着脱部14、キーインターロック操作ハンドル15を具備している。
【0050】
104はスイッチギヤ101,102,103に併設されたアーシングスイッチ盤であり、このアーシングスイッチ盤104には、スイッチギヤ101,102,103の各チェンジキーが挿入される複数のチェンジキー挿入部105,106,107と、アーシングスイッチ盤104のアーシングスイッチ108を投入操作するためのアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109と、アーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109を開閉するためのアーシングスイッチ用シャッター110と、このアーシングスイッチ用シャッター110と連結されたシャッターレバー111と、各チェンジキー挿入部105,106,107にそれぞれに対応した各チェンジキー(図示せず)が挿入されたとき、アンロック位置に回動してアーシングスイッチ108を投入操作できるようにアーシングスイッチ用シャッター110を開放するためのキーインターロック操作ハンドル112とが設けられ、キーインターロック操作ハンドル112の回動により各チェンジキーを連動して回動させてキーインターロック操作ハンドル112をロック位置の状態からアンロック位置の状態に回動するとともに各チェンジキー挿入部105,106,107に各チェンジキーをキーインターロックする構成となっている。
【0051】
次に、アーシングスイッチ盤104のアーシングスイッチ108を投入操作するためには、各スイッチギヤ101,102,103の遮断器が断路位置にある必要がある。すなわち、上述した実施の形態1と同様の動作を行った上で、各スイッチギヤ101,102,103のそれぞれのチェンジキーを各チェンジキー着脱部14から抜き取ってアーシングスイッチ盤104の各チェンジキー挿入部105,106,107に挿入する。
【0052】
例えば、スイッチギヤ101のチェンジキーはチェンジキー挿入部105に挿入し、スイッチギヤ102のチェンジキーはチェンジキー挿入部106に挿入し、スイッチギヤ103のチェンジキーはチェンジキー挿入部107に挿入するように挿入位置を規定している。
【0053】
図12はキーインターロック操作ハンドル112がロック位置の状態に保持されており、図13に示すように、各チェンジキー挿入部105,106,107はシリンダ錠113に連結されており、キーインターロック操作ハンドル112のカム115がカム軸116を中心として図13の実線にて示すように時計方向に90度回動し、各チェンジキーのいずれか1個のチェンジキーを時計方向に90度回動させてシリンダ錠113のシリンダロッド114を突出させその突出部とカム115が係合して反時計方向に回動できないのでロック状態に保持されている。
【0054】
キーインターロック操作ハンドル112がロック状態に保持されたことにより、アーシングスイッチ用シャッター110が閉じてアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109が全閉されており、アーシングスイッチ操作ハンドル(図示せず)がアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109に差し込めないので、アーシングスイッチ108の投入操作ができないように構成されている。
【0055】
そして、アーシングスイッチ盤104の各チェンジキー挿入部105,106,107に各スイッチギヤ101,102,103のそれぞれのチェンジキーを挿入した後、各チェンジキーのいずれか1個のチェンジキーを反時計方向に90度回動させると、3個の各チェンジキーが連動して回動して解錠する。すなわち、シリンダ錠113のシリンダロッド114が引っ込んでキーインターロック操作ハンドル112のカム115との係合が外れ、カム115は図13の破線で示す反時計方向に90度回動してアンロック位置に保持された状態となる。このとき、各チェンジキーは各チェンジキー挿入部105,106,107にキーインターロックされて抜き出せないように構成されている。
【0056】
キーインターロック操作ハンドル112が反時計方向に90度回動してアンロック位置に保持された状態となると、アーシングスイッチ用シャッター110が開いてアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109が全開され、アーシングスイッチ操作ハンドル(図示せず)がアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口109に差し込み、アーシングスイッチ用シャフト117に連結し、アーシングスイッチ操作ハンドルの操作によりアーシングスイッチ108を投入することができる。
【0057】
ところで、図14に示すように、カム軸116と同軸上にリンク機構118の第1カム119が設けられ、アーシングスイッチ用シャフト117と同軸上にリンク機構118の第2カム120が設けられている。図14の実線で示すように、アーシングスイッチ108の開放時はリンク機構118がアーシングスイッチ用シャフト117と同軸上に設けた第2カム120と干渉しないので、各チェンジキーのいずれか1個のチェンジキーを時計方向に90度回動させてシリンダ錠113のシリンダロッド114を突出させその突出部とカム115が係合して反時計方向に回動できないようロック状態に保持されている。
【0058】
また、アーシングスイッチ108の投入時は、図13の破線で示すように、キーインターロック操作ハンドル112が反時計方向に90度回動されてカム115も反時計方向に90度回動されてアンロック位置に保持されており、また、図14の破線で示すように、リンク機構118がアーシングスイッチ用シャフト117と同軸上に設けた第2カム120と干渉し、各チェンジキーのいずれか1個のチェンジキーを時計方向に90度回動させることができないようになっている。
【0059】
ところで、アーシングスイッチ盤104のアーシングスイッチ108を開放した後、各スイッチギヤ101,102,103のそれぞれの遮断器を断路位置Dから挿入する場合には、キーインターロック操作ハンドル112のカム115がカム軸116を中心として図13の実線にて示すように時計方向に90度回動し、各チェンジキーのいずれか1個のチェンジキーを時計方向に90度回動させてシリンダ錠113のシリンダロッド114を突出させその突出部とカム115に係合させて反時計方向に回動できないようにロック状態に保持する。
【0060】
次いで、各スイッチギヤ101,102,103のそれぞれのチェンジキーをアーシングスイッチ盤104の各チェンジキー挿入部105,106,107から抜き出した後、それぞれのチェンジキーをそれぞれに対応した各スイッチギヤ101,102,103のそれぞれのチェンジキー着脱部14に挿入する。そして、シャッターロックキー保管部13に挿入されたシャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動する。シャッターロックキー24を反時計方向に回動したことにより、シリンダ錠32シリンダロッド33が引っ込んでキーインターロック操作ハンドル15のカム34との係合が外れ、カム34は図6の破線で示す反時計方向に90度回動してアンロック位置に保持された状態とする。
【0061】
そして、キーインターロック操作ハンドル15のカム軸35と同軸上に設けた阻止体37も図7の破線で示す反時計方向に回動して遮断器室床面Y下部の阻止体収容室36に収容され、遮断器16を挿入できる状態とする。
【0062】
次に、シャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりチェンジキーも連動して回動することにより施錠され、シャッターロックキー保管部13からシャッターロックキー24を抜き取る。これにより、チェンジキーはチェンジキー着脱部14にキーインターロックされて抜き出すことができなくなる。
【0063】
そして、シャッターロックキー保管部13から抜き取ったシャッターロックキー24をシャッターロックキー挿入部12に挿入し、そのシャッターロックキー24を反時計方向に回動することによりシリンダ錠25のシリンダロッド26を引っ込ませ、シャッター8がシリンダロッド26に阻止されることなく上方向に開くことができるようにする。
【0064】
さらに、シャッターレバー5によりシャッター8を上方向に開いて遮断器操作ハンドル挿入口6を開放し、操作ハンドルを遮断器操作ハンドル挿入口6に差し込んで操作して遮断器16を挿入する。
【0065】
以上のように、各スイッチギヤ101,102,103の遮断器16を断路位置Dから挿入することにより、遮断器16に設けられたロック用ピン16aがレバー片28の上部レバー片28aから外れ、レバー片28が支軸ピン29を中心として時計方向に回動し、このレバー片28の回動に伴い下部レバー片28bも時計方向に回動してシリンダ錠25のシリンダロッド26が突出できない位置に復帰する。なお、この状態においてシャッターロックキー24がシャッターロックキー挿入部12から抜き出せないようになっている。
【0066】
ところで、上述した実施の形態2においては、スイッチギヤが3面とアーシングスイッチ盤が併設された場合について述べたが、これに限定されるものではなく、スイッチギヤが1面とアーシングスイッチ盤が併設された場合や、スイッチギヤが2面あるいは4面以上とアーシングスイッチ盤が併設された場合にも適用することができ、同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明は、シャッターロックキーをキーインターロックするようにしたことにより、遮断器が断路位置にあるときに遮断器の挿入を確実に防止することができるスイッチギヤの実現に好適である。
【符号の説明】
【0068】
1 スイッチギヤ
2 遮断器室
3 遮断器室扉
6 遮断器操作ハンドル挿入口
8 シャッター
12 シャッターロックキー挿入部
13 シャッターロックキー保管部
14 チェンジキー着脱部
15 キーインターロック操作ハンドル
16 遮断器
24 シャッターロックキー
26 シリンダロッド
28 レバー片
101 スイッチギヤ
102 スイッチギヤ
103 スイッチギヤ
104 アーシングスイッチ盤
105 チェンジキー挿入部
106 チェンジキー挿入部
107 チェンジキー挿入部
108 アーシングスイッチ
109 アーシングスイッチ操作ハンドル挿入口
110 アーシングスイッチ用シャッター
112 キーインターロック操作ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断器が挿入および引出される遮断器室と、前記遮断器室に設けられた遮断器室扉と、前記遮断器室扉に設けられた遮断器操作ハンドル挿入口と、前記遮断器操作ハンドル挿入口を開閉するためのシャッターと、前記遮断器が断路位置にあるときに前記シャッターが開くのをロックするためのシャッターロックキーと、前記遮断器室扉に設けられた前記シャッターロックキーが挿入されるシャッターロックキー挿入部と、前記遮断器が断路位置に引き出されたときに作動するレバー片と、前記レバー片の作動により前記シャッターロックキーが回動可能となり、前記シャッターロックキーの回動により突出され前記シャッターの開きを阻止するシリンダロッドと、前記シリンダロッドが突出したとき前記シャッターロックキー挿入部から抜き出される前記シャッターロックキーを保管するシャッターロックキー保管部と、前記シャッターロックキー保管部に挿入して保管された前記シャッターロックキーをキーインターロックするためのチェンジキーと、前記チェンジキーが着脱されるチェンジキー着脱部とを備えたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチギヤにおいて、前記チェンジキー着脱部に前記チェンジキーが挿入されており、前記シャッターロックキーが前記シャッターロックキー保管部に挿入されることにより、前記チェンジキーと前記シャッターロックキーを連動して回動させて前記チェンジキーを抜き取ることによって前記シャッターロックキーを前記シャッターロックキー保管部にキーインターロックするようにしたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチギヤにおいて、前記チェンジキー着脱部に前記チェンジキーが挿入され、前記シャッターロックキーが前記シャッターロックキー保管部に挿入されたとき、ロック位置に回動して前記遮断器の挿入側への移動を阻止する阻止体を回動させるキーインターロック操作ハンドルを設け、前記キーインターロック操作ハンドルの回動により前記チェンジキーと前記シャッターロックキーを回動させて前記キーインターロック操作ハンドルをロックするとともに前記チェンジキーを抜き取ることによって前記シャッターロックキーを前記シャッターロックキー保管部にキーインターロックするようにしたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項4】
前記請求項1ないし前記請求項3のいずれか1項に記載のスイッチギヤにおいて、アーシングスイッチ盤が併設され、前記アーシングスイッチ盤には、前記チェンジキーが挿入されるチェンジキー挿入部と、前記アーシングスイッチ盤のアーシングスイッチを投入操作するためのアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口と、前記アーシングスイッチ操作ハンドル挿入口を開閉するためのアーシングスイッチ用シャッターと、前記チェンジキー挿入部に前記チェンジキーが挿入されたとき、アンロック位置に回動して前記アーシングスイッチを投入操作できるように前記アーシングスイッチ用シャッターを開放するためのキーインターロック操作ハンドルとが設けられ、前記キーインターロック操作ハンドルの回動により前記チェンジキーを回動させて前記キーインターロック操作ハンドルをロック状態からアンロック状態とするとともに前記チェンジキーをキーインターロックするようにしたことを特徴とするスイッチギヤ。
【請求項5】
前記請求項1ないし前記請求項3のいずれか1項に記載のスイッチギヤにおいて、前記スイッチギヤが複数配設されるとともにアーシングスイッチ盤が併設され、前記アーシングスイッチ盤には、前記各スイッチギヤの前記チェンジキーがそれぞれ挿入される複数のチェンジキー挿入部と、前記アーシングスイッチ盤のアーシングスイッチを投入操作するためのアーシングスイッチ操作ハンドル挿入口と、前記アーシングスイッチ操作ハンドル挿入口を開閉するためのアーシングスイッチ用シャッターと、前記各チェンジキー挿入部に前記各チェンジキーが挿入されたとき、アンロック位置に回動して前記アーシングスイッチを投入操作できるように前記アーシングスイッチ用シャッターを開放するためのキーインターロック操作ハンドルとが設けられ、前記キーインターロック操作ハンドルの回動により前記各チェンジキーを回動させて前記キーインターロック操作ハンドルをロック状態からアンロック状態とするとともに前記各チェンジキーをキーインターロックするようにしたことを特徴とするスイッチギヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−234542(P2011−234542A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103569(P2010−103569)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】