説明

スイッチング電源装置

【課題】整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置1は、トランスT1の1次巻線側に配置される1次側整流平滑部2と、スイッチング部3と、スイッチング制御部4とを備える。1次側整流平滑部2は、交流電源5の正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧、他方極性の半サイクルの交流電圧をそれぞれ、半波整流するとともに平滑して第1および第2の直流電圧に変換する第1および第2の半波整流平滑回路2A、2Bからなる。トランスT1は、1次巻線N1が第1および第2の巻線部N1a、N1bからなり、該第1および第2の巻線部のそれぞれの出力を合成して2次巻線の誘起電圧を生成する。スイッチング部3は、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2からなる。スイッチング制御部4は、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作をそれぞれ制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置に関し、特に、トランスを有し、交流電源から供給される交流電圧を整流および平滑して得られた直流電圧をスイッチングして、トランスの2次側に誘起した電圧を整流および平滑して出力電圧を生成するスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチング電源装置として、例えば、図2に示すように、トランスの1次巻線側に配置され、交流電源から供給される交流電圧を整流および平滑して直流電圧に変換する1次側整流平滑部と、1次側整流平滑部によって変換された直流電圧をスイッチングするスイッチング部と、該スイッチング部によりトランスの2次側巻線に誘起される電圧を整流および平滑して得られた出力電圧が所定の電圧となるようにスイッチング部のスイッチング動作を制御するスイッチング制御部とを備えたスイッチング電源装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。なお、本文献中の図4.15は入力側の平滑コンデンサを使用しない入力平滑コンデンサ・レス回路の図であり、本明細書中の図2においては、点線で記された入力平滑コンデンサを用いて説明する。
【0003】
図2を参照して、このスイッチング電源装置10は、一対のラインL1、L2(L(ライブ)相側ラインL1およびN(ニュートラル)相側ラインL2)上に、1次側整流平滑部20と、トランスTと、スイッチング部30と、スイッチング制御部40とを備える。
1次側整流平滑部20は、ダイオードブリッジDBおよび平滑コンデンサCから構成される。ここで、ダイオードブリッジDBは、図3に示すように、一般的に4つの全波整流用ダイオードDa、Db、Dc、Ddから構成される。
トランスTは、1次側に1次巻線N1、2次側に2次巻線N2を有する。また、スイッチング部30は、1次巻線N1に直列接続されるスイッチング素子Qから構成される。ここで、スイッチング素子Qは、スイッチング制御部40からの制御信号(例えば、PWM制御信号など)により制御される。
【0004】
次に、図2および図3を参照して、このスイッチング電源装置10の動作について簡単に説明する。ここでは、L相側にプラス電位、N相側にマイナス電位が印加された場合について説明するが、L相側にマイナス電位、N相側にプラス電位が印加された場合でも印加される交流電圧の極性が反対になるだけで基本的な動作は同様である。
まず、交流電源5から供給される交流電圧が、ダイオードブリッジDBで全波整流され、平滑コンデンサCで平滑されて直流電圧に変換される。この場合、図3に示すように、交流電源5から供給される半サイクルの正の交流電圧が、全波整流用ダイオードDa、平滑コンデンサC、全波整流用ダイオードDbを経由して直流電圧に変換される(実線の矢印で記した経路参照)。また、交流電源5から供給される半サイクルの負の交流電圧が、全波整流用ダイオードDd、平滑コンデンサC、全波整流用ダイオードDcを経由して直流電圧に変換される(点線の矢印で記した経路参照)。
そして、1次側整流平滑部20によって変換された直流電圧は、スイッチング部30によってスイッチングされ、トランスTの2次側に出力電圧が出力される。なお、トランスTの2次側に出力された出力電圧が所定の電圧となるように、スイッチング制御部40によってスイッチング素子Qのスイッチング動作が制御される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】原田耕介著、「スイッチング電源の高調波対策」、日刊工業新聞社出版、1997年2月25日初版1版発行 216ページの図4.15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のスイッチング電源装置10においては、1次側整流平滑部20のダイオードブリッジDBによって全波整流しているため、交流電源5の半サイクル毎に、必ず2カ所の全波整流用ダイオードに電流が流れ、この整流時におけるダイオードの損失(以下、整流損失という)が問題となっていた。
本発明は上記事情に鑑み、整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、トランスの1次巻線側に配置され、交流電源から供給される交流電圧を整流および平滑して直流電圧に変換する1次側整流平滑部と、前記1次側整流平滑部の後段に接続され、前記1次側整流平滑部によって変換された前記直流電圧をスイッチングするスイッチング部と、該スイッチング部により前記トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流および平滑して得られた出力電圧が所定の電圧となるように前記スイッチング部のスイッチング動作を制御するスイッチング制御部と、を備えたスイッチング電源装置において、前記1次側整流平滑部は、第1の整流ダイオードと第1の平滑コンデンサを有し、前記交流電源から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに当該交流電圧を平滑して第1の直流電圧に変換する第1の半波整流平滑回路と、前記第1の半波整流平滑回路に並列接続されるとともに、第2の整流ダイオードと第2の平滑コンデンサを有し、前記交流電源から供給される交流電圧のうち前記一方極性と反対の他方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに当該交流電圧を平滑して第2の直流電圧に変換する第2の半波整流平滑回路と、からなり、前記スイッチング部は、前記第1の直流電圧をスイッチングする第1のスイッチング素子と、前記第2の直流電圧をスイッチングする第2のスイッチング素子と、からなり、前記トランスは、前記1次巻線が、一方端が前記第1の半波整流平滑回路に接続され、他方端が前記第1のスイッチング素子に接続される第1の巻線部と、前記第1の巻線部と絶縁されるとともに、一方端が前記第2の半波整流平滑回路に接続され、他方端が前記第2のスイッチング素子に接続される第2の巻線部と、を有し、前記第1の巻線部の出力と前記第2の巻線部の出力を合成して前記2次巻線の誘起電圧を生成し、前記スイッチング制御部は、前記第1および前記第2のスイッチング素子のスイッチング動作をそれぞれ制御することを特徴とするスイッチング電源装置を提供する。
【0008】
この構成によれば、1次側整流平滑部が、互いに並列接続された、第1および第2の半波整流平滑回路からなる。このため、第1の整流ダイオードと第1の平滑コンデンサを有する第1の半波整流平滑回路によって、交流電源から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流されるとともに、該交流電圧が平滑されて第1の直流電圧に変換される一方で、第2の整流ダイオードと第2の平滑コンデンサを有する第2の半波整流平滑回路によって、交流電源から供給される交流電圧のうち一方極性と反対の他方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流されるとともに、該交流電圧が平滑されて第2の直流電圧に変換される。そして、これら第1および第2の直流電圧が、それぞれ、第1および第2のスイッチング素子によりスイッチングされ、トランスの1次巻線を構成する第1および第2の巻線部に出力されるとともに第1の巻線部の出力と第2の巻線部の出力が合成され、トランスの2次巻線に誘起電圧を生成する。このため、交流電源から供給される電流は、第1の整流ダイオードまたは第2の整流ダイオードのいずれか一方のみに流れることになるので、整流損失を整流ダイオード1個分にすることができる。よって、整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供できる。
【0009】
また、トランスを第1の巻線部および第2の巻線部からなる1次巻線と、2次巻線とが同一のコアに巻回された単一部品から構成することで、整流損失を低減しながらも、装置の小形化を図ることができる。すなわち、2つのスイッチング素子の各々に対してトランスを設け、トランスの後段側で合成する場合に比較して使用部品点数を削減することができ、装置のコンパクト化に有利である。しかも、1次巻線が2つの巻線部を有する一方、2次巻線は1つの巻線で構成しているため、2次側の整流平滑回路が1つで済むという利点がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交流電源から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに該交流電圧を平滑する第1の半波整流平滑回路と、一方極性と反対の他方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに該交流電圧を平滑する第2の半波整流回路とを個別に設け、それぞれ、第1および第2の半波整流平滑回路によって得られた直流電圧を、第1および第2のスイッチング素子によりスイッチングするとともに、第1の巻線部の出力と第2の巻線部の出力を合成し、トランスの2次巻線に誘起電圧を生成している。このため、整流損失を整流ダイオード1個分にすることができ、整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。
【図2】従来のスイッチング電源装置の回路図である。
【図3】図2のダイオードブリッジDBの一般的な概略構成を説明する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい1実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施例)
図1は、本発明の実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。ここで、図2を参照して説明した従来のスイッチング電源装置との対応関係が明確となるように、図2に示す各構成要素と共通する構成要素については同一の符号を付した。
【0014】
図1を参照して、このスイッチング電源装置1は、一対のラインL1、L2(L(ライブ)相側ラインL1およびN(ニュートラル)相側ラインL2)上に、1次側整流平滑部2と、単一のトランスT1と、スイッチング部3と、スイッチング制御部4とを備える。
1次側整流平滑部2は、互いに並列接続された、第1の半波整流平滑回路2Aおよび第2の半波整流平滑回路2Bから構成される。
ここで、第1の半波整流平滑回路2Aは、半波整流ダイオードD1(本願の「第1の整流ダイオード」に相当)および平滑コンデンサC1(本願の「第1の平滑コンデンサ」に相当)から構成され、半波整流ダイオードD1がトランス1次側のL相側ラインL1に介挿され、平滑コンデンサC1が半波整流ダイオードD1のカソードおよびN相側ラインL2間に接続されている。
また、第2の半波整流平滑回路2Bは、半波整流ダイオードD2(本願の「第2の整流ダイオード」に相当)および平滑コンデンサC2(本願の「第2の平滑コンデンサ」に相当)から構成され、半波整流ダイオードD2のアノードがN相側ラインL2に介挿され、平滑コンデンサC2が半波整流ダイオードD2のカソードおよびL相側ラインL1(半波整流ダイオードのアノード側)間に接続されている。
トランスT1は、1次側に1次巻線N1、2次側に2次巻線N2を有し、さらに1次巻線N1が第1の巻線部N1aおよび第2の巻線部N1bから構成されている。ここで、第1の巻線部N1aと第2の巻線部N1bは、互いに絶縁されて並列に巻かれている。
スイッチング部3は、第1の巻線部N1aに直列接続された第1のスイッチング素子Q1と、第2の巻線部N1bに直列接続された第2のスイッチング素子Q2とから構成される。ここで、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2は、スイッチング制御部4からの制御信号(例えば、PWM制御信号など)により制御される。
第1の巻線部N1aの一方端は第1の半波整流平滑回路2A、具体的には半波整流ダイオードD1のカソードに接続され、他方端が第1のスイッチング素子Q1に接続されている。
また、第2の巻線部N1bの一方端は第2の半波整流平滑回路2B、具体的には半波整流ダイオードD2のカソードに接続され、他方端が第2のスイッチング素子Q2に接続されている。
トランス2次側には整流ダイオードD3と平滑コンデンサC3とからなる2次側整流平滑回路が2次巻線N2に接続されている。
【0015】
次に、本発明のスイッチング電源装置1の動作について簡単に説明する。
まず、交流電源5から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の交流電圧が、第1の半波整流平滑回路2Aによって、半波整流されるとともに半波整流された交流電圧が平滑され第1の直流電圧に変換される。一方、交流電源5から供給される交流電圧のうち一方極性と反対極性の他方極性の交流電圧が、第2の半波整流平滑回路2Bによって、半波整流されるとともに半波整流された交流電圧が平滑され第2の直流電圧に変換される。
L相側にプラス電位、N相側にマイナス電位が印加された場合、図1に示すように、交流電源5から供給される半サイクルの正の交流電圧が、半波整流ダイオードD1、平滑コンデンサC1を経由して第1の直流電圧に変換される(実線の矢印で記した経路参照)。一方、交流電源5から供給される半サイクルの負の交流電圧が、半波整流ダイオードD2、平滑コンデンサC2を経由して第2の直流電圧に変換される(点線の矢印で記した経路参照)。反対に、L相側にマイナス電位、N相側にプラス電位が印加された場合、交流電源5から供給される半サイクルの正の交流電圧が、半波整流ダイオードD2、平滑コンデンサC2を経由して第2の直流電圧に変換される。一方、交流電源5から供給される半サイクルの負の交流電圧が、半波整流ダイオードD1、平滑コンデンサC1を経由して第1の直流電圧に変換される。
そして、1次側整流平滑部2によって変換された各々の上記直流電圧は、それぞれ、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2によってスイッチングされ、1次巻線N1を構成する第1および第2の巻線部N1a、N1bに出力されるとともに第1の巻線部N1aの出力と第2の巻線部N1bの出力が合成され、2次巻線N2に誘起電圧を生成する。第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2は、スイッチング制御部4により同時にオン/オフ動作するように制御される。2次巻線N2に誘起された電圧は2次側整流平滑回路にて整流および平滑されて出力電圧として負荷(図示せず)に向けて出力される。なお、出力電圧が所定の電圧となるように、スイッチング制御部4によって第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作がそれぞれ制御される。具体的には、スイッチング制御部4に内蔵されている出力電圧検出回路(図示せず)で出力電圧を検出し、検出信号をトランスT1の1次側にフィードバックし、検出信号に応じて出力電圧が安定化するようにスイッチング素子Q1、Q2のスイッチング動作が制御される。
【0016】
以上のように、この実施形態によれば、第1の半波整流平滑回路2Aによって、交流電源5から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流されるとともに該交流電圧が平滑されて第1の直流電圧に変換される一方で、第2の半波整流平滑回路2Bによって、交流電源5から供給される交流電圧のうち一方極性と反対の他方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流されるとともに該交流電圧が平滑されて第2の直流電圧に変換される。そして、これら第1および第2の直流電圧が、それぞれ、第1および第2のスイッチング素子Q1、Q2によりスイッチングされ、トランスT1の1次巻線N1を構成する第1および第2の巻線部N1a、N1bに出力されるとともに第1の巻線部N1aの出力と第2の巻線部N1bの出力が合成され、トランスT1の2次巻線N2に誘起電圧を生成する。このため、半波整流ダイオードD1およびD2には、交流電源5から供給される交流電圧に同期して交互に電流が流れるため、換言すれば、交流電源5から供給される電流は、半波整流ダイオードD1または半波整流ダイオードD2のいずれか一方のみに流れるため、整流損失を整流ダイオード1個分にすることができる。よって、整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供できる。
【0017】
このように、本発明のスイッチング電源装置1によれば、整流時において、交流電源5の半サイクル毎に1カ所のダイオードのみに電流を流すことができ、従来のスイッチング電源装置10のような、交流電源5の半サイクル毎に必ず2カ所のダイオードに電流が流れることを回避できるので、整流損失の少ないスイッチング電源装置を提供できる。
また、トランスT1を第1の巻線部N1aおよび第2の巻線部N1bからなる1次巻線N1と、2次巻線N2とが同一のコアに巻回された単一部品から構成することで、整流損失を低減しながらも、装置の小形化を図ることができる。すなわち、2つのスイッチング素子の各々に対してトランスを設け、トランスの後段側で合成する場合に比較して使用部品点数を削減することができ、装置のコンパクト化に有利である。しかも、1次巻線N1が2つの巻線部N1a、N1bを有する一方、2次巻線N2は1つの巻線で構成しているため、2次側の整流平滑回路が1つで済むという利点がある。
【0018】
(整流損失の比較)
5Aの電流を流した場合の順方向電圧が0.95Vである整流ダイオードを使用したスイッチング電源装置において、従来回路を用いた場合(図2に示す従来例に係るスイッチング電源装置10)と、本願回路(図1に示す実施例に係るスイッチング電源装置1)を用いた場合とで、整流損失を測定した結果を表1に示す。
【表1】

【0019】
表1から明らかなように、実施例に係るスイッチング電源装置1は、従来例に係るスイッチング電源装置10に比べ、整流ダイオードでの損失を大幅に低減することができた。
【符号の説明】
【0020】
1 スイッチング電源装置
2 1次側整流平滑部
2A 第1の半波整流平滑回路
2B 第2の半波整流平滑回路
3 スイッチング部
4 スイッチング制御部
5 交流電源
10 スイッチング電源装置
20 1次側整流平滑部
30 スイッチング部
40 スイッチング制御部
C 平滑コンデンサ(入力平滑コンデンサ)
C1 平滑コンデンサ(第1の平滑コンデンサ)
C2 平滑コンデンサ(第2の平滑コンデンサ)
C3 平滑コンデンサ(出力平滑コンデンサ)
D1 半波整流ダイオード(第1の整流ダイオード)
D2 半波整流ダイオード(第2の整流ダイオード)
D3 整流ダイオード
Da、Db、Dc、Dd 全波整流用ダイオード
DB ダイオードブリッジ
L1 一対のライン(L(ライブ)相側ライン)
L2 一対のライン(N(ニュートラル)相側ライン)
N1 1次巻線
N1a 第1の巻線部
N1b 第2の巻線部
N2 2次巻線
Q スイッチング素子
Q1 第1のスイッチング素子
Q2 第2のスイッチング素子
T トランス
T1 トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスの1次巻線側に配置され、交流電源から供給される交流電圧を整流および平滑して直流電圧に変換する1次側整流平滑部と、前記1次側整流平滑部の後段に接続され、前記1次側整流平滑部によって変換された前記直流電圧をスイッチングするスイッチング部と、該スイッチング部により前記トランスの2次巻線に誘起される電圧を整流および平滑して得られた出力電圧が所定の電圧となるように前記スイッチング部のスイッチング動作を制御するスイッチング制御部と、を備えたスイッチング電源装置において、
前記1次側整流平滑部は、
第1の整流ダイオードと第1の平滑コンデンサを有し、前記交流電源から供給される交流電圧のうち正または負のいずれか一方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに当該交流電圧を平滑して第1の直流電圧に変換する第1の半波整流平滑回路と、
前記第1の半波整流平滑回路に並列接続されるとともに、第2の整流ダイオードと第2の平滑コンデンサを有し、前記交流電源から供給される交流電圧のうち前記一方極性と反対の他方極性の半サイクルの交流電圧に半波整流するとともに当該交流電圧を平滑して第2の直流電圧に変換する第2の半波整流平滑回路と、からなり、
前記スイッチング部は、
前記第1の直流電圧をスイッチングする第1のスイッチング素子と、
前記第2の直流電圧をスイッチングする第2のスイッチング素子と、からなり、
前記トランスは、
前記1次巻線が、一方端が前記第1の半波整流平滑回路に接続され、他方端が前記第1のスイッチング素子に接続される第1の巻線部と、
前記第1の巻線部と絶縁されるとともに、一方端が前記第2の半波整流平滑回路に接続され、他方端が前記第2のスイッチング素子に接続される第2の巻線部と、を有し、
前記第1の巻線部の出力と前記第2の巻線部の出力を合成して前記2次巻線の誘起電圧を生成し、
前記スイッチング制御部は、
前記第1および前記第2のスイッチング素子のスイッチング動作をそれぞれ制御することを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記トランスが、前記1次巻線と前記2次巻線とが同一のコアに巻回された単一部品からなることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−193580(P2010−193580A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33703(P2009−33703)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】