説明

スイッチング電源

【課題】表面実装型ノイズ抑制素子が実装されたスイッチング電源において、該表面実装型ノイズ抑制素子における磁心の損傷が抑制されると共に、該表面実装型ノイズ抑制素子に挿入されるリードの損傷等も抑制されたスイッチング電源を提供すること。
【解決手段】外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されたコア部と、中心部に孔を有し、前記開放部に嵌め込まれるキャップ部とを有する表面実装型ノイズ抑制素子を具備し、前記表面実装型ノイズ抑制素子が前記内筒部にリードが挿入されて実装されているスイッチング電源。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチング電源に係り、特に内部にリードが挿入されて実装される表面実装型ノイズ抑制素子を具備するスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器等の安定化電源として小型、軽量化が可能なスイッチング電源が多用されている。このようなスイッチング電源においては、スイッチング周波数を基本周波数とする高周波ノイズ等が発生するため、ノイズ対策が重要な課題となっている。
【0003】
上記したノイズ対策の一つとして、例えばノイズ抑制素子が挙げられる。このノイズ抑制素子には、フェライト等の磁性材料からなる環状磁心にリードを複数回巻きつけたものや、円筒形の磁心にリードを挿入するもの等がある。
【0004】
円筒形の磁心にリードを挿入するものとしては、図9に示されるように、円筒形のケース4に、円筒形の磁心8を挿入し、キャップ9等で固定するものがある。このように構成されたノイズ抑制素子の中心軸部分12にリードを挿入することによって、リードに発生したノイズを抑制することが可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のノイズ抑制素子は、キャップの一方の先端部を円筒形磁心の内部に挿入することにより磁心を固定する構造となっている。このため、コアを挿入する際やキャップを設置する際に、ケースの内筒部やキャップの先端部が円筒形磁心の内壁部分と接触し、磁心の内壁部分を破損することがある。このように磁心が破損すると、磁心の特性が変化し十分なノイズ抑制効果が得られないことがある。
【0006】
さらに、従来の構造を有するノイズ抑制素子では、キャップ側からリードを挿入する際、ケースの内部でリードの先端がケースの中心軸からはずれ、リードがケースに設けられている穴に正確に入らないことがある。このため、リードの挿入には高い技術と時間が必要となっている。また、リードが穴に正確に入らずにケースの内壁等に接触することにより、リード自身あるいはケースの内壁等が損傷することがあり、製品の歩留まりが低くなることがある。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、表面実装型ノイズ抑制素子が実装されたスイッチング電源において、該表面実装型ノイズ抑制素子における磁心の損傷が抑制されると共に、該表面実装型ノイズ抑制素子に挿入されるリードの損傷等も抑制されたスイッチング電源を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のスイッチング電源は、外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されたコア部と、中心部に孔を有し、前記開放部に嵌め込まれるキャップ部とを有する表面実装型ノイズ抑制素子を具備し、前記表面実装型ノイズ抑制素子が前記内筒部にリードが挿入されて実装されていることを特徴としている。
【0009】
本発明のスイッチング電源においては、前記表面実装型ノイズ抑制素子における前記ケース部の外筒部の軸長が前記コア部の軸長よりも長いことが好ましい。また、前記内筒部の軸長も前記コア部の軸長よりも長いことが好ましく、前記キャップ部は前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入または嵌合されていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記外筒部の開放部側の端部は中心軸方向へ曲げられていることが好ましい。また、前記コア部は、主として磁性材料からなるものであることが好ましい。
【0011】
表面実装型ノイズ抑制素子を上記構成とすることにより、そのキャップ部装着時におけるコア部の破損を抑制し、特性に優れた表面実装型ノイズ抑制素子とすることができる。また、表面実装型ノイズ抑制素子を上記構成とすることにより、その製造工程を従来に比較して少なくすることができ、作製が容易なものとすることができる。
【0012】
さらに、表面実装型ノイズ抑制素子のケース部における外筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部内側に容易に装着することができる。また、内筒部の軸長をコア部の軸長よりも長くすることによって、キャップ部を外筒部と内筒部の間に装着することも可能となる。そして、外筒部の開放部側の端部を中心軸方向へ曲げることによってキャップ部を固定することで、容易かつ確実にキャップ部を固定することができる。また、コア部を主として磁性材料からなるものとすることで、効率的にノイズを抑制することが可能となる。そして、表面実装型ノイズ抑制素子にリードを挿入して表面実装することで、表面実装を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スイッチング電源における表面実装型ノイズ抑制素子として所定の構成を有する表面実装型ノイズ抑制素子を用いることで、該表面実装型ノイズ抑制素子における磁心の損傷等が抑制され、また該表面実装型ノイズ抑制素子に挿入されたリードの損傷等も抑制されたスイッチング電源とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のスイッチング電源について説明する。本発明のスイッチング電源は、表面実装型ノイズ抑制素子がその内筒部にリードが挿入されて実装されたものである。そして、本発明のスイッチング電源では、表面実装型ノイズ抑制素子として、外筒部及び内筒部からなり、これら外筒部と内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、外筒部と内筒部との間隙に挿入されたコア部と、中心部に孔を有し、開放部に嵌め込まれるキャップ部とを有するものを用いたことを特徴としている。
【0015】
図1は本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子1の一例を示した外観図である。表面実装型ノイズ抑制素子1は、例えば円筒形等の形状をしており、基板2上に基板平面と軸方向が平行になるように設置される。また、内部には、軸方向と平行にリード3が挿入されて、リード3に発生するノイズを抑制するものである。
【0016】
本発明の表面実装型ノイズ抑制素子1は、例えば表面実装型ノイズ抑制素子1から出たリード3を基板2方向に曲げ、さらに基板2に接する個所でさらに基板2と平行にリード3を曲げ、リード3を基板2に固定することによって、基板2上に設置することができる。なお、図1では円筒形形状の例を示したが、例えば四角柱状であってもよい。四角柱などの多角形状の場合、インダクタンス素子の側面に平面ができることから表面実装を行う際の吸着移動や基板に配置する際に転がり難い等の利点がある。
【0017】
図2は、本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図である。表面実装型ノイズ抑制素子1のケース部4は、外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6は一端が封止された封止部7を有し、他端は封止されていない開放部となっている。
【0018】
コア部8は外筒部5および内筒部6の間隙に挿入されている。さらに、キャップ部9は、開放部に挿入され、コア部8の脱落を防止する等の効果を有する。このようにコア部8を外筒部5と内筒部6とで挟みこむことで、コア部8を確実に固定することが可能となる。また、コア部8は内筒部6で保護されるため、リード3を表面実装型ノイズ抑制素子1に挿入する際に、リード3がコア部8を傷つけることを抑制することが可能となる。さらに、リード3の挿入の際、リード3が内筒部6の内側によって案内されるので、容易にリード3を通すことが可能となる。
【0019】
このような表面実装型ノイズ抑制素子1においては、外筒部5の長さはコア部8よりも長くしておくことで、キャップ部9を外筒部5内部に嵌め込むことができる。さらに、外筒部5は、コア部8とキャップ部9を足した長さよりもわずかに長くしておくことで、中心軸方向へ折り曲げることが可能となり、キャップ部9を確実に固定することができる。内筒部6は、コア部8と同じ長さ、あるいは僅かに長くしておくことで、コア部8とリード3の接触を防ぎ、コア部8の損傷を抑制することが可能となる。
【0020】
表面実装型ノイズ抑制素子1におけるケース部4は、成型のしやすさやコア部8の保護の点から、例えば絶縁性樹脂、絶縁性セラミックス等からなるものであることが好ましい。また、キャップ部9も絶縁性樹脂、絶縁性セラミックス等からなるものであることが好ましい。特に、ケース部4およびキャップ部9を絶縁性樹脂である液晶ポリマーで形成することが好ましく、液晶ポリマーは耐熱性に優れることから表面実装時に行われるリフロー工程(ろう付け工程)中の約150〜200℃程度の高温中においても型崩れ等の不具合を示さないで済む。
【0021】
コア部8は磁性材料であることが好ましい。磁性材料としては、例えばフェライト、アモルファス等を用いることが好ましい。これらの材料を用いることによって、ノイズを効率的に抑制することが可能となる。特に、アモルファス合金はフェライトと比較して磁気特性に優れていることからノイズ抑制素子に好適である。一般にアモルファス合金は単ロール法等の急冷ロール法により板厚30μm以下の磁性薄帯として作製される。この磁性薄帯は板厚が薄いことから応力に弱く、必要以上に応力をかけると磁性薄帯が破損しやすいが、上記構成のノイズ抑制素子については磁性材料への応力の負荷が低減されることから、特に板厚30μm以下の磁性薄帯を用いたコア部の場合に効果的であると言える。
【0022】
キャップ部9は、外周の角部分10を落としておくことが好ましい。図2に示されるように、角部分10を落としておくことで、角部分10が外筒部内壁に当たりにくくなり、ケース部4への挿嵌を容易に行うことが可能となる。
【0023】
図3は、本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の他の例を示した断面図である。図3に示される表面実装型ノイズ抑制素子1は、外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6は一端が封止された封止部7を有し、他端は封止されていない開放部となっている。ここで、図3に示した表面実装型ノイズ抑制素子1は、内筒部6の軸方向の長さを、コア部8とキャップ部9を合わせた軸方向の長さと同じ、あるいはそれより長くしたものである。
【0024】
このようにすることで、キャップ部9も外筒部5と内筒部6の間隙に挿入することが可能となる。従って、キャップ部9が内筒部6によりリードに直接触れることがなくなるので、リード3の損傷を抑制することが可能となる。また、従来のようにキャップの孔が中心軸からずれることにより、リードを挿入する際、キャップにリードがぶつかり挿入が困難になるということも抑制することができる。さらに、キャップ部9がコア部8に直接的に接触しないようにすることにより、キャップ部9の挿入時の応力およびリード3の挿入時の応力によりコア部8が破損することを防止しやすくする。
【0025】
次に、本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。図4は表面実装型ノイズ抑制素子1において、コア部8を収容するケース部4を示した断面図である。ケース部4は外筒部5および内筒部6からなり、外筒部5と内筒部6との間隙(W)はコア部8が収容できる程度の間隙とされている。
【0026】
外筒部5の高さ(Ho)は、コア部8の長さ(Hc)とキャップ部9の長さ(Hp)とを合わせた長さ程度とするのがよい。より好ましくは、コア部8の長さ(Hc)とキャップ部9の長さ(Hp)とを合わせた長さよりも若干長くすることがよい。このようにすることで、キャップ部9を嵌め込んだ後、外筒部5の先端を中心方向に折り曲げて、キャップ部9を固定することが可能となる。
【0027】
内筒部6の高さ(Hi)は、コア部8の長さ(Hc)と同じもしくはそれ以上でもよいし、コア部8とキャップ部9を足し合わせた長さ(Hc+Hp)と同じもしくはそれ以上であってもよい。内筒部6の高さ(Hi)をコア部の長さ(Hc)と同じもしくはそれ以上とすることによって、コア部全体を保護することができ、リード3の挿入時の接触による損傷等を抑制することが可能となる。また、内筒部6の高さ(Hi)をコア部8の長さと同じもしくはそれ以上とすることによって、コア部8を確実に固定することが可能となる。
【0028】
一方、内筒部6の高さ(Hi)を、コア部8の長さとキャップ部9の長さとを合わせた長さ(Hc+Hp)と同じもしくはそれ以上にすることによって、コア部8だけでなくキャップ部9も外筒部5と内筒部6との間隙に挿入できるようになり、従来のようにキャップ部の孔が中心軸からずれることにより、リードを挿入する際、キャップ部にリードがぶつかり挿入が困難になるということを抑制することができる。
【0029】
図5はケース部4の外筒部5と内筒部6との間に、コア部8を挿入した状態を示した断面図である。コア部8は外筒部5と内筒部6との間隙の底部まで挿入される。コア部8は間隙に挿入するだけでもよいが、必要に応じて接着剤等で固定することが好ましい。
【0030】
図6はコア部8が収容されたケース部4にキャップ部9を嵌め込んだ状態を示した断面図である。キャップ部9は、例えば外筒部5と内筒部6との間隙に挿入される。キャップ部9の外径は、外筒部5の内径よりも若干大きくすることで、嵌め込み式とすることもでき、作業を簡素化することができる。キャップ部9は、前記したような嵌め込み式に限られず、接着剤等により固定してもよいし、溶着してもよい。
【0031】
また、図7に示されるように、キャップ部9を嵌め込んだ後、外筒部5の開放部側の先端11を中心軸方向に折り曲げてキャップ部9を固定してもよい。このようにすることで、より一層キャップ部9の固定を確実に行うことができるようになる。また、キャップ部9の固定には、外筒部5の内側および/または内筒部6の外側に溝を設けることにより嵌合形式としてもよい。
【0032】
このようにして作製された表面実装型ノイズ抑制素子1は、例えば図8に示すように、リード3を中心に挿入することによって使用される。上記表面実装型ノイズ抑制素子の製造方法によれば、キャップ部9がコア部8の内径部分に接触することがないので、コア部8の破損を抑制することが可能となる。また、コア部8がケース部4の外筒部5と内筒部6との間に確実に固定されるので、キャップ部9の取り付け等を容易に行うことができる。さらには、コア部8がケース部4の内筒部6により保護されるので、リード3の挿入時のコア部8の破損を抑制することが可能となる。なお、リード3の形状は板状、棒状、線状等、特に限定されるものではなく、必要に応じて様々な形状のものを適用することが可能である。
【実施例】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について、実施例を参照して説明する。
【0034】
(実施例1)
外筒部及び内筒部からなり、外筒部と内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部を作製した。内筒部の長さはコア部の長さより1mm長くし、外筒部はコア部とキャップ部とを足した長さにキャップ部を固定するための長さを足したものとした。このケース部に板厚20μmのアモルファス薄帯を巻回した円筒形の磁心を開放部側から、外筒部と内筒部との間隙に挿入した。さらに、キャップ部をケース部の開放部に挿入し、図2に示すような高さ5mm×横5mm×縦4mmの四角柱状(高さがリード挿入方向)の表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。なお、外筒部の開放部側の先端を中心軸方向に折り曲げキャップ部を固定した。
【0035】
(実施例2)
外筒部及び内筒部からなり、外筒部と内筒部が一端で封止され、他端に開放部を有するケース部を作製した。内筒部の長さは、コア部とキャップ部を足した長さとした。外筒部はコア部とキャップ部を足した長さに、キャップ部を固定するための長さを足したものとした。このケース部にアモルファスからなる円筒形の磁心を開放部側から、外筒部と内筒部の間隙に挿入した。さらに、キャップ部をケース部の外筒部と内筒部の間隙に挿入し、図3に示されるような高さ5mm×直径5mmの円柱状(高さがリード挿入方向)の表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。なお、外筒部の開放部側の先端を軸方向に折り曲げキャップ部を固定した。
【0036】
(比較例1)
一端が封止され、他端が開放されている円筒状のケース部を作製した。なお、封止されている部分にはリードを通すためのリード孔が設けてある。次に、このケース部の開放部側より、アモルファスからなる円筒状のコア部を挿入し、さらにキャップ部を挿入した。なお、キャップ部は一部が、円筒状のコア部の内部に挿入される構造とし、図9に示されるような表面実装型ノイズ抑制素子を作製した。
【0037】
なお、実施例1、2および比較例1の表面実装型ノイズ抑制素子において、ケース部に挿入されるコアの形状、材質は同一のものとした。
【0038】
次に、これらの実施例1、2および比較例1の表面実装型ノイズ抑制素子について、コア部の破損状況を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例1、2の表面実装型ノイズ抑制素子では、いずれもコア部の破損はほとんどなく、歩留まりよく表面実装型ノイズ抑制素子を作製できることがわかった。これに対して、比較例1の表面実装型ノイズ抑制素子では、キャップ部が挿入される側のコア部内径部分に破損が多く見られ、歩留まりよく表面実装型ノイズ抑制素子を作製することが困難であることがわかった。これは、キャップ部を挿入する際、キャップ部の中心軸とコア部の中心軸とが正確に揃っていないために、キャップ部挿入時に損傷したものと思われる。
【0041】
次に、これらの実施例1、2および比較例1の表面実装型ノイズ抑制素子について、同一の太さのリードをキャップ部側から挿入し、リードの挿入具合を調べた。さらに、リードを実際の回路に接続し、ノイズ除去特性を調べた。これらの結果を表2に示す。なお、結果は実施例1、2および比較例1のそれぞれにつき、100回ずつ行ったときの平均的なものを示した。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例1、2の表面実装型ノイズ抑制素子では、いずれもリードの挿入具合は良好であり、ノイズ除去特性についても十分な結果が得られた。特に、実施例2の表面実装型ノイズ抑制素子ように、キャップ部を外筒部と内筒部との間隙に挿入したものは、リードを挿入する際の引っかかりがなく、またリード挿入の際に加える圧力もほぼ一定であり、挿入具合が良好であることがわかった。
【0044】
これに対して、比較例1の表面実装型ノイズ抑制素子では、リードの挿入時にリードが中心軸からずれて正確にケースの孔の位置に合わず、ケースの内壁にぶつかるなど挿入具合は不良であった。また、リードがケースの内壁に接触するため、リード自身に傷が発生する等、いくつかの問題があることがわかった。さらに、比較例1では、コア部あるいはリードの損傷により、ノイズ除去特性が低くなることもわかった。
【0045】
以上の結果より、本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子は、リード挿入性に優れるものであるとともに、ノイズ除去特性に優れるものであることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した外観図。
【図2】本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図。
【図3】本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子の他の例を示した断面図。
【図4】本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子のケース部の一例を示した断面図。
【図5】ケース部にコア部を挿入した場合の一例を示した断面図。
【図6】キャップ部を装着した場合の一例を示した断面図。
【図7】外筒部先端を中心軸方向へ折り曲げた場合の一例を示した断面図。
【図8】本発明に用いられる表面実装型ノイズ抑制素子にリードを挿入した場合の一例を示した断面図。
【図9】従来の表面実装型ノイズ抑制素子の一例を示した断面図。
【符号の説明】
【0047】
1……表面実装型ノイズ抑制素子、3……リード、4……ケース部、5……外筒部、6……内筒部、7……封止部、8……コア部、9……キャップ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部及び内筒部からなり、前記外筒部と前記内筒部とが一端で封止され、他端に開放部を有するケース部と、前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されたコア部と、中心部に孔を有し、前記開放部に嵌め込まれるキャップ部とを有する表面実装型ノイズ抑制素子を具備し、前記表面実装型ノイズ抑制素子が前記内筒部にリードが挿入されて実装されていることを特徴とするスイッチング電源。
【請求項2】
前記外筒部の軸長は、前記コア部の軸長よりも長いことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源。
【請求項3】
前記内筒部の軸長は、前記コア部の軸長よりも長いことを特徴とする請求項1または2記載のスイッチング電源。
【請求項4】
前記キャップ部は、前記外筒部と前記内筒部との間隙に挿入されていることを特徴とする請求項3記載のスイッチング電源。
【請求項5】
前記外筒部の開放部側の端部は、中心軸方向へ曲げられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のスイッチング電源。
【請求項6】
前記コア部は主として磁性材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のスイッチング電源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−185098(P2007−185098A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73974(P2007−73974)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【分割の表示】特願2000−137284(P2000−137284)の分割
【原出願日】平成12年5月10日(2000.5.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】