説明

スイッチ装置及びスイッチ装置を有する手摺り

【課題】既設の照明スイッチボックスに、重ねて手摺りを取り付け、この手摺りにスイッチを設けることで、手摺りの取り付け位置の制約を解消し、また高齢者の負担を軽減するスイッチ装置を提供する。
【解決手段】
手摺り本体31a内に発光ダイオード44と、タッチセンサ回路45とを設け、タッチセンサ回路45からの検出信号により点灯させる回路構成とし、既設のスイッチボックス41に手摺り連結部材34aの一端部開口部342の一部を重ね合わせ、タッチセンサ回路45とを電気的に接続する電線55Lを、手摺り連結部材34aの内側340aに挿通させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スイッチ装置及びスイッチ装置を有する手摺りに係り、詳しくは、玄関などの屋内に設けられる照明のスイッチ装置及び該スイッチ装置を有する手摺りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玄関及び玄関に通じる廊下などの照明のスイッチは、玄関の上がり框近傍の壁に設けられているのが一般的である。これらのスイッチは、玄関の履物を置く部分と、玄関ホールの床部分の間に配置され、履物を履いた位置から、或いは履物を脱いだ位置から照明のスイッチ操作ができるように構成されている。
【0003】
一方、近年居住者の高齢化が進み、屋内に手摺りを設けるためのリフォーム工事が行われることが多く、階段や廊下などに手摺りが、後付されている。特に、段差のある玄関の上がり框の位置に手摺りが設けられることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実開平6−82255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既述の通り、玄関に設けられた照明スイッチの位置は、上がり框の近傍に位置しており、高齢者や障害者の歩行を補助するために設けられる手摺りの端も、上がり框近傍に取り付けられる。このため、手摺りの取り付け位置と、照明スイッチの位置が重なってしまうこともあり、後付となる手摺りの取り付け位置を変更しなければならない、といった問題があった。特に、手摺りが取り付けられる高さは、体重をかけて歩行できるような位置に配置される必要があり、設置高さは必然的に決まってくる。これに対してスイッチの設置位置も使い勝手を考慮すると、手摺りの設置高さに近い位置となるため、取り付け位置が重なることが多い。玄関に限らず、階段の上がり口や下がり口においても、手摺りの固定位置とスイッチの位置が重なり、同様の問題が生じていた。
【0006】
また、夜間に帰宅した場合、屋内の照明は消えており、最初に玄関の照明を付ける必要がある。帰宅した高齢者或いは障害者は、玄関の扉を開けてスイッチを探す動作をしつつ、上がり框付近まで、暗がりを歩行しなければならない。このよう動作は、高齢者や障害者にとっては特に負担となり、また危険でもある。
【0007】
この発明は、既設の照明スイッチボックスに、重ねて手摺りを取り付け、この手摺りにスイッチを設けることで、手摺りの取り付け位置の制約を解消し、また高齢者や障害者の負担を軽減するスイッチ装置および手摺りを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
【0009】
(1)壁に沿って取り付けられる手摺りであって、
一端が壁面に固定される手摺り本体と、
前記手摺り本体の他端に一端が接続され、他端が壁内に設けられたスイッチボックスの近傍に固定される連結部材と、
前記手摺り本体の外側に設けられたオン・オフ操作するスイッチ部と、
連結部材の内部を挿通し、前記スイッチ部とスイッチボックス内のスイッチ回路とを電気的に接続する電線とを有し、
前記連結部材は、中空であって、他端開口部の一部がスイッチボックスの開口部に重なる位置で固定されており、該重なった位置を前記電線が挿通していることを特徴とする手摺り。
【0010】
(2)前記スイッチ部は、前記手摺り本体の他端近傍に設けられ、
前記電線は、一端が前記スイッチ部に接続され、他端が第1コネクタに接続された第1導線と、
一端が第2コネクタに接続され、他端が前記スイッチ回路に接続された第2導線とを有し、前記第1コネクタと前記第2コネクタは、相互に着脱自在であって、接続時には導通可能となるものであり、前記第2導線の長さは、前記連結部材の全長よりも長くなっていることを特徴とする上記(1)に記載の手摺り。
【0011】
(3)前記連結部材は、他端開口部の周囲形成されたフランジ状の固着部と、前記固着部と一体に構成され、スイッチボックスの開口部を覆う蓋部とを備えた固定部を有する上記(1)に記載の手摺り。
【0012】
(4) 出入り口の屋内側照明のオン・オフを操作するスイッチを備えたスイッチ装置であって、
壁内に設けられたスイッチボックス内に収容され、電源から前記照明に電力を供給する電力線において、電源と前記照明の間に接続されたスイッチ回路と、
該スイッチ回路に接続され、オン・オフの切換えを行うスイッチ部と、
前記スイッチ部の近傍に位置しスイッチ部の位置を知らせる発光手段と、
壁に固定される手摺り本体と、
一端が前記スイッチボックスに隣接して固定される固定部であり、他端が前記手摺り本体に接続される手摺り連結部材とを備え、
前記スイッチ部と前記発光手段は、前記手摺り本体に設けられ、
前記手摺り連結部材は中空であり、一端はスイッチボックスに連通し、他端は手摺り本体内の中空部に連通しており、
前記固定部は、スイッチボックスを覆う蓋部と、壁側に固定される固着部とを有し、前記スイッチ回路と、スイッチ部及び発光手段とを電気的に接続する電線は、前記手摺り連結部材内を挿通していることを特徴とするスイッチ装置。
【0013】
(5)前記電線には、コネクタが設けられ、スイッチ部及び発光手段は、スイッチ回路に対して、電気的に着脱自在に接続される上記(4)に記載のスイッチ装置。
【0014】
(6)前記スイッチ部は、タッチセンサであり、人体が触れた場合に、スイッチオン動作を行う上記(4)又は(5)に記載のスイッチ装置。
【0015】
(7)前記スイッチ回路は、さらに遅動回路を備え、該遅動回路は、タッチセンサがスイッチオフ動作した後、所定時間スイッチオン状態を維持する上記(6)に記載のスイッチ装置。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、手摺りにスイッチ部が設けられているので、手摺りを握った状態で、照明のオン・オフ操作ができ、操作が容易である。また、既設のスイッチボックスに重ねて手摺りを取り付けることができるので、手摺りの取り付け位置の制約が軽減されるとともに、スイッチボックスを他所に移動させる作業も不要となる。つまり、スイッチボックスは継続使用でき、かつ手摺り側に新たにスイッチ部を設けることができる。
【0017】
連結部材をスイッチボックスと手摺り本体の間に設け、この連結部材内に電線を挿通させる構成としたことで、手摺り本体に設けられたスイッチ部と、スイッチ回路との電気配線の接続作業と、手摺りの取り付け作業とを同時に、かつ効率よく完了させることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第2コネクタの付いた第2導線を連結部材の他端開口部から内部に挿通させ、一端の開口部から引き出した状態で、連結部材を壁側に固定し、その後第2コネクタを第1コネクタに接続し、連結部材の一端を手摺り本体の他端に接続固定することにより、スイッチ部の取り付けと、手摺りの取り付けを容易に完了させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、フランジ状の固定部を壁側に固定させることによって、スイッチボックスに重ねて接続される連結部材を、十分強固に壁側に固定することができる。また、同時に、スイッチボックスは、蓋部によって覆われることとなり、スイッチボックスの閉鎖と連結部材の固定を1つの部材で補うことが可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、手摺りにスイッチ部が設けられているので、手摺りを握った状態で、照明のオン・オフ操作ができ、操作が容易である。また、既設のスイッチボックスに重ねて手摺りを取り付けることができるので、手摺りの取り付け位置の制約が軽減されるとともに、スイッチボックスを他所に移動させる作業も不要となる。
【0021】
また、スイッチ部の近傍で、発光手段が発光しているので、暗闇においてもスイッチの位置が容易に分かり、暗闇でスイッチ部を探す手間が省ける。さらに、スイッチ部は手摺りとなっているので、スイッチ操作と手摺りによって体を支える動作を同時になすことが可能となる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、コネクタによってスイッチ部と発光手段が、スイッチ回路に対して着脱自在に構成されているので、スイッチボックス内に重ねて手摺り連結部材を取り付ける作業と、手摺り本体を取り付ける作業を別個に行うことが可能となり、取り付け作業が容易となる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、スイッチ部をタッチセンサとすることにより、使用者が手摺りに掴まる動作が、そのままスイッチオン動作となり、スイッチ操作と、体を支える動作が一体となり、使用者に対する動作の負担が軽減される。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、使用者が手摺りから離れた後も、遅動回路によって通電状態が維持され、照明が点いた状態が維持されることとなる。このため、出入り口から離れるまで、明るい状態が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】玄関の上がり框付近の状態を示す斜視図である。
【図2】スイッチボックスに取り付けられた手摺り連結部材の側面断面図である。
【図3】手摺り本体の他の構成例を示す斜視図である。
【図4】スイッチボックスの他の取り付け方式を示す斜視図である。
【図5】同じく平面断面図である。
【図6】回路図である。
【図7】他の構成例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明のスイッチ装置1について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、玄関の上がり框付近の状態を示す斜視図である。玄関の土間23と、一段高くなっている廊下24の間には、上がり框21が位置し、壁25において、上がり框21の上方には、手摺り3Aが固定されている。
【0027】
図2は、スイッチボックスに取り付けられた手摺り連結部材の側面断面図である。図示の壁25は、コンクリート製である。この壁25には、箱形状のスイッチボックス41が埋設されており、スイッチボックス41内にスイッチ回路5が内蔵された基板42が収容されている。基板42からは、手動切替スイッチ43に接続される電線43Lと、発光手段である発光ダイオード(LED)44に接続される電線56Lと、スイッチ部としてのタッチセンサ回路45に接続される電線55Lとが伸出されている。電線55Lの先端にはコネクタ551が、電線56Lの先端にはコネクタ561がそれぞれ設けられている。
【0028】
壁25には、手摺り3Aが取り付けられる。手摺り3Aは、手摺り本体3Aと手摺り連結部材34aとを備えている。スイッチボックス41には、手摺り連結部材34aの固定部が取り付けられる。固定部は、手摺り連結部材34aの端部に固定され、手摺り連結部材34aの端部を中心とする円盤状に形成された固着部35aと、固着部35aの一部から延出し、スイッチボックス41の開口を覆う蓋部38aとを備えている。固着部35aには、所定の間隔で孔が形成され、この孔に木ねじ37が挿通して、固着部35aを壁25に固定する。同時に、蓋部38aが、スイッチボックス41の開口を覆う位置で固定される。蓋部38aには、手動切替スイッチ43の操作部分がスイッチボックス41の外側に露出する状態で固定されている。また図示しないが、蓋部38aには、遅動回路の遅動時間を調節する調節摘みを設けてもよい。
【0029】
この状態で、手摺り連結部材34aの一端開口部342は、少なくとも一部がスイッチボックス41の開口と重なる位置となり、スイッチボックス41の内部と手摺り連結部材34aの内部340が連通した状態となっている。この連通部に既述の電線56Lと、電線55Lが挿通する。手摺り連結部材34aは、屈曲した筒形状であり、他端開口部341の外周には、接続管36aが設けられている。接続管36aの内周には雌ネジが形成され、手摺り連結部材34aの外周に形成されている雄ネジに螺合している。
【0030】
一方、手摺り本体31aは、手摺り連結部材34aと同じ太さの筒状部材で構成され、一端は開口し、手摺り連結部材34aの他端開口部341に突き合わされて固定される。また、手摺り本体31aの壁側へ湾曲した端部32aには、円盤状の固定部33aが設けられ、この固定部33aを介して壁25に固定されている。
【0031】
手摺り本体31aの一端開口部の外周には、リブ311が形成され、このリブ311に、接続管36aの内側に形成されたリブ361が当接する構成となっている。接続管36aを回転させると、既述の螺合したネジの作用により接続管36aを軸方向へ移動させ、リブ311を手摺り連結部材34aへ引き付けて、手摺り本体31aと手摺り連結部材34aとの突き合わせ部分を強固に固定する構成となっている。
【0032】
手摺り本体31aの一端開口部近傍の内部310aには、発光ダイオード44の基端部が固定され、発光部分は、手摺り本体31aの外側に露出するように固定されている。また、発光ダイオード44に対向する位置には、タッチセンサ回路45が設けられており、接触を検出する接触端子451が、手摺り本体31aの外側に設けられている。接触端子451は、手摺り本体31aの壁25側に位置しており、手摺りを握った場合にセンサがオンとなり、上がり框21を通る人が手摺りに接触しただけでは、センサが感知しないように構成されている。
【0033】
発光ダイオードの基板からは電線44Lが伸び、先端にはコネクタ562が設けられている。タッチセンサ回路45からは電線45Lが伸び、先端にはコネクタ552が設けられている。そして、コネクタ562はコネクタ561と接続され、コネクタ552はコネクタ551と接続される。
【0034】
以上のように構成されたスイッチ装置1Aを取り付ける際には、以下のような作業により、取り付けが行われる。タッチセンサ回路45と発光ダイオード44は、予め手摺り本体31a内に装着され、タッチセンサ回路45と発光ダイオード44からそれぞれスイッチボックス41内のスイッチ回路に接続する電線44L、45Lを引き出し、その先端のコネクタ552、562を手摺り本体31aの外側に引き出しておく。スイッチボックス41から、電線55L、56Lを引き出し、これらを手摺り連結部材34aの一端開口部342から挿入して内部340aを挿通させ、他端開口部341からコネクタ551、561を引き出しておく。手摺り本体31aの他端を壁25に固定する。コネクタ551とコネクタ552を接続し、コネクタ561とコネクタ562を接続する。この状態で、手摺り連結部材34aの固着部35aを壁25に固定することで、スイッチボックス41は閉じられる。また、引き出されたコネクタ551、552、561、562を手摺り連結部材34aまたは手摺り本体31aの内側に収容し、手摺り本体31aの一端と、手摺り連結部材34aの他端とを突き合わせて、接続管36aで固定し作業を完了する。
【0035】
図3は、手摺り3Bを廊下24に沿って水平方向に配置した例を示すものである。この実施形態では、手摺り本体31bの一端部は、上方に屈曲し、他端部32bは壁側へ水平に屈曲している。そして、両端部の近傍には発光ダイオード44とタッチセンサ回路45の接触端子451がそれぞれ設けられている。上方に屈曲している一端部には、手摺り連結部材34bが接続され、この手摺り連結部材34bを介して、壁面に手摺りの一端が固定される。手摺り連結部材34bの構造及びその取付構造は、図1に示されている手摺り連結部材34aと同様であるので、説明は省略する。
【0036】
手摺りを握って、廊下24の端でいずれかの接触端子451に接触することにより、照明が点灯し、後述する遅動回路(図6、図7の符号54、54a、54b)によって、点灯した照明は、接触端子451から手が離れた後も暫くの間点灯状態が維持されることとなり、利用者が廊下を歩行する間は、廊下24が明るく照らされることとなる。
【0037】
図4は、取り付ける家屋が木造である場合の構成を示す玄関の斜視図、図5は、スイッチボックス49の取り付け位置における平面断面図である。木造家屋の場合、壁25の裏側には本柱26が配置されている。手摺りを確実に固定するには、この本柱26に固定する必要がある。また、スイッチボックス49は、この本柱26に取り付けられている。手摺り連結部材34cの固定部は、スイッチボックス49の側方において、固着部35cが本柱26に木ネジ37で固定される。手摺りの支持強度を確実にするために、手摺り連結部材34cの一端は、本柱26の中央に位置するように固定される。そして、固着部35cから延出している蓋部38cには、外側に隆起した電線挿通部39cが形成されている。電線挿通部39cは、スイッチボックス49側においては、電線が挿通しうる溝となり、この溝に電線55L,56Lが収容される。電線挿通部39cは、一端がスイッチボックス49の開口に位置し、他端は手摺り連結部材34cの内部340cに連通している。このように、電線挿通部39cを設けることにより、木造家屋においても、スイッチ装置を取り付けることが可能となる。
【0038】
図6は、本発明のスイッチ装置の回路図である。スイッチ回路5は、電灯(負荷)51に対して直列に接続された手動切替スイッチ43に対して直列に接続されている。スイッチ回路5は、直列に接続されたトライアック53と遅動回路54とを備えるとともに、トライアック53に駆動パルスを供給するセンサ回路55を有している。センサ回路55には、タッチセンサ45からの検出信号が、電線55L、45Lを介して供給される。手動切替スイッチ43は、常時点灯とする端子43a、スイッチ回路5に接続される端子43b、常時消灯とする端子43cの3つの間で切り換える構成となっている。
【0039】
トライアック53と遅動回路54の直列部分は、手動切替スイッチ43の端子43bに接続され、手動切替スイッチ43が端子43bに接続されている状態では、遅動回路54が通電しうる状態になるように構成されている。また、発光ダイオード44は、スイッチ回路5に対して並列に接続され、スイッチ回路5が通電した場合、及び切替スイッチ43が常時点灯端子43aに接続された場合には、発光ダイオード44は消灯し、常時消灯端子43cに接続された場合には、発光ダイオード44は点灯する構成となっている。
【0040】
センサ回路55は、タッチセンサ45から検出信号が供給されると、トライアック53へ駆動パルスを供給する。トライアック53は、駆動パルスを受けると、通電状態となって、遅動回路54、電灯51で構成される回路が通電状態となり、照明が点灯する。遅動回路54は、通電状態となった後、所定時間経過した時点でオフとなる作用を備える。遅動回路54に接続される発光素子(オンピカ)57は、例えば換気扇に連動し、換気扇が駆動している間は点灯するように構成されている。
【0041】
以上のような回路構成は、図3に示されているように、2か所でスイッチ操作をする場合には、手動切替スイッチ43に対して、もうひとつのスイッチ回路5を追加して、並列に接続すればよい。この場合には、手摺り本体31bの内側を中空(管状)とし、配線は、その内側(中空部分)を挿通させる。さらに、3か所でスイッチ操作する場合には、さらにスイッチ回路5を追加して、並列に接続する。あるいは、トライアック53に対して、並列にトライアックを追加接続し、このトライアックに駆動パルスを供給するタッチセンサを設けてもよい。また、3か所のスイッチの内、1つを赤外線センサとし、人を赤外線を検出して、トライアックに駆動パルスを供給する構成とすることもできる。
【0042】
図3に示されるように、手摺り3Bの両端でスイッチ操作する場合、図7に示されているような、他の回路構成としてもよい。スイッチボックス41内から引き出された電線には、手摺り3Bの両端に設けられているスイッチ部、即ち、タッチセンサ回路の接触端子451、451に接続されるものと、発光ダイオード44、44に接続される、電線56La、55La、56Lb、55Lbがある。そして、電線56Laは、連結部材34b側に設けられた発光ダイオード44に接続されるコネクタ561aに接続され、電線55Laは、連結部材34b側に設けられた接触端子451に接続されるコネクタ561aに接続される。また、電線56Lbは、他端部32b側に設けられた発光ダイオード44に接続されるコネクタ561bに接続され、電線55Lbは、他端部32b側に設けられた接触端子451に接続されるコネクタ561bに接続される。また、電線55Lb、及び電線56Lbに接続される電線は、手摺り本体31b内を挿通し、上記コネクタ561b、551bに接続されるコネクタ562b、552b(図示せず)を、手摺り本体31bの連結部材34bの接合端部から外側に引き出せる程度に十分長く(即ち、手摺り本体31bの全長より長く)構成されている。このように構成することで、コネクタの脱着作業を容易に行うことができる。
【0043】
図7に示されているスイッチ装置の回路図は、3路回路を示す回路図である。3路回路を構成する1対のスイッチの内、一方の第1のスイッチ操作回路は、電源に対して手動切替スイッチ43a、トライアック53a、遅動回路54aが直列に接続され、これに対して発光ダイオード44(コネクタ561a)が並列に接続されており、トライアック53aには駆動パルスを供給するセンサ回路55aが接続されており、センサ回路55aには、コネクタ551aを介してタッチセンサ45からの検出信号が供給される。この第1スイッチ操作回路に対して、他方のスイッチ、即ち、第2のスイッチ操作回路は、電源に対して手動切替スイッチ43b、トライアック53b、遅動回路54bが直列に接続され、これに対して発光ダイオード44(コネクタ561b)が並列に接続されており、トライアック53bには駆動パルスを供給するセンサ回路55bが接続されており、センサ回路55bには、コネクタ551bを介してタッチセンサ45からの検出信号が供給される。
【0044】
上記回路においては、手摺り3Bの両端部で、手動切替スイッチ43a、43bの操作が可能となり、両端の手動切替スイッチ43a、43bをスイッチ回路に接続される端子43ab、43bbに接続してあれば、両端のいずれかの接触端子451、451に身体が接触することで、明かりが点灯されることとなる。つまり、手摺りに■まる動作によって自動的に明かりが点くこととなり、スイッチ操作を不要とすることができる。
【0045】
以上説明した実施形態において、接触端子451は、発光ダイオード44の取り付け位置に対して、近接または隣接して設けることが好ましい。近接して設けるとは、具体的には、例えば、人の手のひらの幅よりも短い距離間隔で、配置されているのがよい。このような位置に設けることで、暗闇で光っている部分(発光ダイオードの取り付け位置)を握ると、手のひらのいずれかの部分が接触端子451に接触することとなり、点灯スイッチがオンとなる構成とすることができ、手摺りに詰まって体を支える動作が、同時にスイッチ操作を兼ねることができる。このような作用を容易に発揮することができるためには、発光ダイオードは、手摺りの上側または、壁に対して反対側の側面に設けられていることが好ましい。視界に入り安いからである。また、タッチセンサの接触端子451は、手摺りの上側に設けられていることが好ましい。体を支えるためには、手摺りにの上側から握る頻度が多いからである。
【0046】
また、スイッチ操作部分は、タッチセンサ45の他、他のスイッチ手段に変えてもよい。例えば、ボタン式のスイッチとして、ボタンを押し込むことでスイッチオンとなるスイッチ回路としてもよい。この場合、ボタン部分に発光ダイオードが埋め込まれ、光っている部分を握ることにより、ボタンが押し込まれ、スイッチオンとなる構成とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0047】
1A スイッチ装置
3A 手摺り
31a 手摺り本体
34a 手摺り連結部材
41 スイッチボックス
44 発光ダイオード
45 タッチセンサ回路
55L 電線
56L 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に沿って取り付けられる手摺りであって、
一端が壁面に固定される手摺り本体と、
前記手摺り本体の他端に一端が接続され、他端が壁内に設けられたスイッチボックスの近傍に固定される連結部材と、
前記手摺り本体の外側に設けられたオン・オフ操作するスイッチ部と、
連結部材の内部を挿通し、前記スイッチ部とスイッチボックス内のスイッチ回路とを電気的に接続する電線とを有し、
前記連結部材は、中空であって、他端開口部の一部がスイッチボックスの開口部に重なる位置で固定されており、該重なった位置を前記電線が挿通していることを特徴とする手摺り。
【請求項2】
前記スイッチ部は、前記手摺り本体の他端近傍に設けられ、
前記電線は、一端が前記スイッチ部に接続され、他端が第1コネクタに接続された第1導線と、
一端が第2コネクタに接続され、他端が前記スイッチ回路に接続された第2導線とを有し、前記第1コネクタと前記第2コネクタは、相互に着脱自在であって、接続時には導通可能となるものであり、前記第2導線の長さは、前記連結部材の全長よりも長くなっていることを特徴とする請求項1に記載の手摺り。
【請求項3】
前記連結部材は、他端開口部の周囲形成されたフランジ状の固着部と、前記固着部と一体に構成され、スイッチボックスの開口部を覆う蓋部とを備えた固定部を有する請求項1に記載の手摺り。
【請求項4】
出入り口の屋内側照明のオン・オフを操作するスイッチを備えたスイッチ装置であって、
壁内に設けられたスイッチボックス内に収容され、電源から前記照明に電力を供給する電力線において、電源と前記照明の間に接続されたスイッチ回路と、
該スイッチ回路に接続され、オン・オフの切換えを行うスイッチ部と、
前記スイッチ部の近傍に位置しスイッチ部の位置を知らせる発光手段と、
壁に固定される手摺り本体と、
一端が前記スイッチボックスに隣接して固定される固定部であり、他端が前記手摺り本体に接続される手摺り連結部材とを備え、
前記スイッチ部と前記発光手段は、前記手摺り本体に設けられ、
前記手摺り連結部材は中空であり、一端はスイッチボックスに連通し、他端は手摺り本体内の中空部に連通しており、
前記固定部は、スイッチボックスを覆う蓋部と、壁側に固定される固着部とを有し、前記スイッチ回路と、スイッチ部及び発光手段とを電気的に接続する電線は、前記手摺り連結部材内を挿通していることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
前記電線には、コネクタが設けられ、スイッチ部及び発光手段は、スイッチ回路に対して、電気的に着脱自在に接続される請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記スイッチ部は、タッチセンサであり、人体が触れた場合に、スイッチオン動作を行う請求項4又は5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記スイッチ回路は、さらに遅動回路を備え、該遅動回路は、タッチセンサがスイッチオフ動作した後、所定時間スイッチオン状態を維持する請求項6に記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−1940(P2012−1940A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136667(P2010−136667)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(510167235)
【出願人】(510167246)
【Fターム(参考)】