説明

スイング分析装置

【課題】比較的簡単な構成で取り扱いが容易であるとともにインパクトの状態を客観的に判定することができるスイング分析装置を提供すること。
【解決手段】スイング分析装置1は、少なくとも、角速度センサー100と、インパクト検出部202と、角速度情報算出部203と、インパクト状態判定部204と、を含む。インパクト検出部202は、運動器具のスイングにおけるインパクトのタイミングを検出する。角速度情報算出部203は、角速度センサー100の出力データに基づいて、インパクトのタイミングから所定時間内の所定の軸に対する角速度の変化量及び当該角速度の最大値の少なくとも一方を算出する。インパクト状態判定部204は、角速度情報算出部203の算出結果に基づいて、インパクトの状態を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイング分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テニス、野球、ゴルフなどのスポーツでは、運動器具(打球具)のスイートスポットでボールを捉えることでボールの速度や飛距離を伸ばし、競技力を向上させることができる。これまでは、競技者は、スイングの練習を繰り返し行うことで、スイートスポットでボールを捉えるためのスイングを習得していた。しかし、スイートスポットにボールが当たったか否かは、競技者やコーチの主観的な判断に任されるため、必ずしも効率的な練習とはいえない場合もあった。
【0003】
これに対して、近年、マークがつけられた運動器具をカメラで撮影し、撮影された映像を解析してインパクトの状態を計測する手法が提案されており、この手法によれば、インパクトの状態を客観的に判定することができる。例えば、特許文献1では、ゴルフのクラブヘッドのフェースに複数のマークを設けてインパクト前後の映像をCCDカメラ等で撮影し、撮影されたインパクト時の映像からフェース面上のインパクト位置を算出するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−24488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムは、映像を撮影するためのカメラが必要であるため大がかりなものになってしまうためコストがかかり、また、撮影したい角度に合わせてカメラを配置する必要があるなど取り扱いにくいという問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、比較的簡単な構成で取り扱いが容易であるとともにインパクトの状態を客観的に判定することができるスイング分析装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、角速度センサーと、前記運動器具のスイングにおけるインパクトのタイミングを検出するインパクト検出部と、前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記インパクトのタイミングから所定時間内の所定の軸に対する角速度の変化量及び当該角速度の最大値の少なくとも一方を算出する角速度情報算出部と、前記角速度情報算出部の算出結果に基づいて、前記インパクトの状態を判定するインパクト状態判定部と、を含む、スイング分析装置である。
【0008】
本発明のスイング分析装置によれば、インパクト直後の運動器具の所定の軸に対する回転運動を捉えることができるので、運動器具に応じて所定の軸を適切に選択することにより、インパクトの状態を客観的に判定することができる。また、本発明のスイング分析装置によれば、カメラの代わりに角速度センサーを用いるので簡便な構成にすることができ、取り扱いも容易である。
【0009】
(2)このスイング分析装置において、前記所定の軸は、前記運動器具のスイングの軸及び前記インパクトのタイミングでの前記運動器具の進行方向の軸の両方と直交する軸であるようにしてもよい。
【0010】
例えば、運動器具がテニスラケットであれば、テニスラケットの長軸(中心軸)からずれた位置にボールが当たると、インパクトの直後に、テニスラケットの長軸(テニスラケットのスイングの軸及び進行方向の軸の両方と直交する軸)を回転軸とする回転運動が発生すると考えられる。この回転運動を捉えることで、インパクトの状態を精度よく判定することができる。
【0011】
(3)このスイング分析装置において、前記所定の軸は、前記インパクトのタイミングでの前記運動器具の進行方向の軸であるようにしてもよい。
【0012】
例えば、運動器具が野球のバットであれば、バットの長軸(中心軸)からずれた位置にボールが当たると、インパクトの直後に、バットの進行方向の軸を回転軸とする回転運動が発生すると考えられる。この回転運動を捉えることで、インパクトの状態を精度よく判定することができる。
【0013】
(4)このスイング分析装置において、前記インパクト検出部は、前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさの最大値を検出し、前記インパクトのタイミングとして、前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさが最大となるタイミングを検出するようにしてもよい。
【0014】
一般に、運動器具のスイングの軸に対する角速度はインパクト直前に最大となると考えられるので、このスイング分析装置によれば、インパクトのタイミングを検出することができる。
【0015】
(5)このスイング分析装置において、前記インパクト状態判定部は、前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさの最大値に応じて、前記インパクトの状態の判定基準を可変に設定するようにしてもよい。
【0016】
一般に、運動器具のスイング速度が異なれば、同じ位置にボールが当たったとしても、発生する回転運動の大きさが異なると考えられる。このスイング分析装置によれば、スイング速度に応じた適切な判定基準にすることで、インパクトの状態を誤りなく判定することができる。
【0017】
(6)このスイング分析装置において、前記インパクト状態判定部は、前記インパクトの状態を複数のレベルで判定するようにしてもよい。
【0018】
このようにすれば、使用者は、ミートが成功したか失敗したかの情報だけでなく、失敗した場合にどの程度の失敗であったかといった情報を得ることができる。
【0019】
(7)このスイング分析装置において、前記角速度センサーは、検出軸が前記所定の軸になるように前記運動器具に取り付けられるようにしてもよい。
【0020】
このようにすれば、所定の軸が既知となるので、当該軸を算出する処理が不要になる。
【0021】
(8)このスイング分析装置において、前記角速度センサーは、検出軸が前記運動器具のスイングの軸になるように前記運動器具に取り付けられるようにしてもよい。
【0022】
このようにすれば、運動器具のスイングの軸が既知となるので、当該軸を算出する処理が不要になる。
【0023】
(9)このスイング分析装置は、前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記運動器具の姿勢を算出する姿勢算出部と、前記運動器具の姿勢の情報に基づいて、前記所定の軸及び前記運動器具のスイングの軸の少なくとも一方を算出する回転軸算出部と、をさらに含むようにしてもよい。
【0024】
例えば、野球のバットのように握り方によって打球面が変化するため打球面を特定することができない運動器具では、運動器具を握る角度などにより、所定の軸(すなわち、ミートを失敗した場合に生じる運動器具の回転運動の回転軸)と角速度センサーの検出軸の位置関係はスイング毎に異なる。また、例えば、スイング時の運動器具の傾きなどにより、運動器具のスイングの軸と角速度センサーの検出軸の位置関係もスイング毎に異なる。このスイング分析装置によれば、運動器具の姿勢を算出することにより、運動器具を握る角度やスイング時の運動器具の傾きなどを制限しなくても、所定の軸や運動器具のスイングの軸を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態のスイング分析装置の構成を示す図。
【図2】処理部による処理の一例を示すフローチャート図。
【図3】テニスラケットのスイングにおけるインパクト状態を判定する例の説明図。
【図4】ジャストミートした場合の角速度データの実測例を示す図。
【図5】ミートに失敗した場合の角速度データの実測例を示す図。
【図6】インパクト前後の期間の角速度データを拡大表示した図。
【図7】本実施形態のインパクトの状態を判定する具体例のフローチャート図。
【図8】バットのスイングにおけるインパクト状態を判定する例の説明図。
【図9】ゴルフクラブのスイングにおけるインパクト状態を判定する例の説明図。
【図10】変形例1のインパクトの状態を判定する具体例のフローチャート図。
【図11】変形例2のスイング分析装置の構成を示す図。
【図12】変形例2の処理部による処理の一例を示すフローチャート図。
【図13】変形例2のインパクトの状態を判定する具体例のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0027】
1.スイング分析装置の構成
図1は、本実施形態のスイング分析装置の構成を示す図である。本実施形態のスイング分析装置1は、1又は複数のセンサー部10とホスト端末20を含んで構成されている。センサー部10とホスト端末20は無線接続されていてもよいし、有線接続されていてもよい。
【0028】
センサー部10は、スイング分析の対象となる運動器具に取り付けられる。本実施形態では、センサー部10は、1又は複数の角速度センサー100、データ処理部110、通信部120を含んで構成されている。
【0029】
角速度センサー100は、検出軸回りの角速度を検出し、検出した角速度の大きさに応じた信号(角速度データ)を出力する。
【0030】
データ処理部110は、角速度センサー100の出力データの同期を取り、当該データを時刻情報などと組合せたパケットにして通信部120に出力する処理を行う。さらに、データ処理部110は、角速度センサー100のバイアス補正や温度補正の処理を行うようにしてもよい。なお、バイアス補正や温度補正の機能を角速度センサー100に組み込んでもよい。
【0031】
通信部120は、データ処理部110から受け取ったパケットデータをホスト端末20に送信する処理を行う。
【0032】
ホスト端末20は、処理部(CPU)200、通信部210、操作部220、ROM230、RAM240、不揮発性メモリー250、表示部260を含んで構成されている。ホスト端末20は、パーソナルコンピューター(PC)、あるいはスマートフォンなどの携帯機器などで実現することができる。
【0033】
通信部210は、センサー部10から送信されたデータを受信し、処理部200に送る処理を行う。
【0034】
操作部220は、ユーザーからの操作データを取得し、処理部200に送る処理を行う。操作部220は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどである。
【0035】
ROM230は、処理部200が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。
【0036】
RAM240は、処理部200の作業領域として用いられ、ROM230から読み出されたプログラムやデータ、操作部220から入力されたデータ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する記憶部である。
【0037】
不揮発性メモリー250は、処理部200の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記録する記録部である。
【0038】
表示部260は、処理部200の処理結果を文字やグラフ、その他の画像として表示するものである。表示部260は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などである。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部220と表示部260の機能を実現するようにしてもよい。
【0039】
処理部200は、ROM240に記憶されているプログラムに従って、センサー部10から通信部210を介して受信したデータに対する各種の計算処理や、各種の制御処理(表示部260に対する表示制御等)を行う。
【0040】
本実施形態では、処理部200は、以下に説明するデータ取得部201、インパクト検出部202、角速度情報算出部203、インパクト状態判定部204として機能する。なお、本実施形態の処理部200は、これらの一部の機能を省略した構成としてもよい。
【0041】
データ取得部201は、通信部210を介して受信したセンサー部10の出力データ(角速度データ)を取得する処理を行う。取得したデータは、例えばRAM240に記憶される。
【0042】
インパクト検出部202は、運動器具のスイングにおけるインパクト(以下、単に「インパクト」という)のタイミングを検出する処理を行う。
【0043】
角速度情報算出部203は、センサー部10の出力データ(角速度データ)に基づいて、インパクトのタイミングから所定時間内の所定の軸(以下、「判定軸」という)に対する角速度の変化量及び当該角速度の最大値の少なくとも一方を算出する処理を行う。
【0044】
インパクト状態判定部204は、角速度情報算出部203の算出結果に基づいて、インパクトの状態を判定する処理を行う。
【0045】
なお、データ取得部201、インパクト検出部202、角速度情報算出部203、インパクト状態判定部204の全部又は一部は、センサー部10にあってもよい。
【0046】
図2は、処理部200による処理の一例を示すフローチャート図である。まず、処理部200は、データ取得部201として、センサー部10から角速度データを取得する(S10、角速度データ取得ステップ)。
【0047】
次に、処理部200は、インパクト検出部202として、インパクトのタイミングを検出する(S20、インパクト検出ステップ)。例えば、処理部200(インパクト検出部202)は、センサー部10の出力データ(角速度データ)に基づいて、運動器具のスイングの軸(以下、「スイング軸」という)に対する角速度の大きさの最大値を検出し、インパクトのタイミングとして、スイング軸に対する角速度の大きさが最大となるタイミングを検出するようにしてもよい。
【0048】
次に、処理部200は、角速度情報算出部203として、S10で取得した角速度データに基づいて、インパクトのタイミングから所定時間内の判定軸に対する角速度の変化量及び最大値の少なくとも一方を算出する(S30、角速度情報算出ステップ)。ここで、判定軸としては、運動器具の形状やスイングの方向などに応じて、インパクト直後に発生する運動器具の回転運動の回転軸を適切に選択すればよい。例えば、インパクトのタイミングでの運動器具の進行方向の軸、又は、スイング軸及びインパクトのタイミングでの運動器具の進行方向の軸の両方と直交する軸を判定軸としてもよい。なお、センサー部10を、いずれかの角速度センサー100の検出軸が判定軸になるように運動器具に取り付けてもよい。また、センサー部10を、いずれかの角速度センサー100の検出軸がスイング軸になるように運動器具に取り付けてもよい。
【0049】
最後に、処理部200は、インパクト状態判定部204として、S30における算出結果に基づいて、インパクトの状態を判定する(S40、インパクト状態判定ステップ)。例えば、処理部200(インパクト状態判定部204)は、スイング軸に対する角速度の大きさの最大値に応じて、インパクトの状態の判定基準を可変に設定するようにしてもよい。また、例えば、処理部200(インパクト状態判定部204)は、インパクトの状態を複数のレベルで判定するようにしてもよい。そして、処理部200は、例えば、インパクト状態の判定結果を表示部260に表示するようにしてもよいし、音声として出力してもよい。
【0050】
2.具体例
次に、本実施形態の手法について、テニスラケットのスイングにおけるインパクト状態を判定する例を挙げて説明する。図3(A)は、テニスラケット2のスイングにおいて、テニスラケット2の長軸(一点鎖線で示すz軸)上の位置にテニスボール3が当たった図を示している。一方、図3(B)は、テニスラケット2のスイングにおいて、テニスラケット2の長軸(一点鎖線で示すz軸)上から下方向にずれた位置にテニスボール3が当たった図を示している。テニスラケット2の長軸上の位置にテニスボール3が当たった場合(ジャストミートした場合)は長軸回りの回転はほとんど発生しないが、長軸上からずれた位置にテニスボール3が当たった場合(ミート失敗の場合)はインパクトの直後に長軸回りの回転(図3(B)の矢印)が発生する。従って、インパクト直後の長軸回りの角速度の変化量から長軸上にテニスボール3が当たったか否かを判定することができる。すなわち、テニスラケット2の長軸を判定軸と考えることができる。
【0051】
また、インパクトのタイミングは、スイング軸回りの角速度から判断することができる。テニスラケットのスイングの場合、テニスラケット2の長軸と垂直かつ上向きの軸(図中y軸)をスイング軸と考えればよい。テニスラケットのスイングの場合、スイングを開始してからインパクトの瞬間まではスイング軸回りの角速度の絶対値が徐々に大きくなり、インパクトの瞬間、テニスラケット2にテニスボール3が当たることで、スイング軸回りの角速度の絶対値が小さくなる。すなわち、インパクトの直前にスイング軸回りの角速度の絶対値が最大であることからインパクトのタイミングを検出することができる。
【0052】
そこで、スイング軸回りの角速度と判定軸回りの角速度を捉えるために、例えば、互いに直交する3軸(x軸、y軸、z軸)方向の角速度をそれぞれ検出可能な3つの角速度センサーを含むセンサー部10を、テニスラケット2のグリップエンドの位置に、例えば、x軸が打球面と垂直になり、z軸がテニスラケット2の長軸と一致するように取り付ける。これにより、y軸(スイング軸)回りの角速度の最大値からインパクトのタイミングを検出することができるとともに、インパクト直後のz軸(判定軸)回りの角速度の変化量からインパクトの状態を判定することができる。なお、センサー部10は、テニスラケット2のグリップエンドの位置に限らずスイングに支障を来さない任意の位置に取り付けることができる。
【0053】
図4は、ジャストミートした場合の角速度データの実測例を示す図である。30x、30y、30zは、それぞれ、x軸回りの角速度データ、y軸回りの角速度データ、z軸回りの角速度データを示す。一方、図5は、ミートに失敗した場合の角速度データの実測例を示す図である。40x、40y、40zは、それぞれ、x軸回りの角速度データ、y軸回りの角速度データ、z軸回りの角速度データを示す。図4と図5を比較すると、インパクト直後のz軸回りの角速度の変化量に大きな差が見られ、ミートに失敗した場合の方が変化量が大きいことがわかる。なお、テニスラケット2の重量に応じて、ミートに失敗した際の角速度の変化量が変わる。例えばテニスラケット2の重量が軽ければ、ミートに失敗した時の角速度の変化量は大きくなり、一方、テニスラケットの重量が重ければミートに失敗した時の角速度の変化量は小さくなる。
【0054】
図6は、図5におけるインパクト前後の期間の角速度データを拡大表示した図である。y軸回りの角速度の絶対値が最大になる時刻tがインパクトのタイミングであり、その直後にz軸回りの角速度が大きく変化している。そこで、本実施形態では、インパクトのタイミングtから所定時間T(例えば、0.05秒)だけ経過した時刻tまでの期間におけるz軸回りの角速度の変化量を算出する。具体的には、所定時間Tにおける、インパクトのタイミングtでのz軸回りの角速度ωに対する角速度変化量の最大値Δωmaxを算出する。そして、このΔωmaxの大きさからインパクトの状態を判定する。
【0055】
図7に、処理部200によるインパクトの状態を判定するフローチャートの具体例を示す。図7の例では、インパクトの状態を3段階のレベルにわけて判定する。まず、処理部200は、データ取得期間が終了するまで(S112のN)、センサー部10から新たな角速度データを周期的に取得する(S110)。データ取得期間は、少なくともインパクトの前後を含む所定期間であり、例えば、スイングを開始してから終了するまでの期間であってもよいし、さらに、スイング開始前の静止期間やスイング終了後の静止期間まで含むようにしてもよい。
【0056】
次に、処理部200は、S110で取得した角速度データに基づいて、y軸(スイング軸)回りの角速度の絶対値が最大となるタイミング(インパクトのタイミング)を検出する(S120)。
【0057】
次に、処理部200は、y軸(スイング軸)回りの最大角速度(角速度の絶対値の最大値)に基づいて、インパクト状態の判定レベル(判定基準)L1とL2を決定する(S122)。すなわち、y軸(スイング軸)回りの最大角速度の大きさ(スイングの速さ)と、インパクト直後のz軸(判定軸)回りの角速度の変化量の大きさには相関があると考えられるので、スイングの速さに応じてインパクト状態の判定レベルL1とL2を可変に設定する。
【0058】
次に、処理部200は、S120で検出したインパクトのタイミングから所定時間Tにおけるz軸(判定軸)回りの最大角速度変化量Δωmaxを算出する(S130)。
【0059】
そして、処理部200は、ΔωmaxをステップS122で決定した判定レベルL1、L2と比較し、Δωmax<L1であれば(S140のY)、ミート成功(例えば、ジャストミート)と判定する(S142)。また、処理部200は、L1≦Δωmax<L2であれば(S140のNかつS144のY)、ミート失敗(レベル1)(例えば、ジャストミートから少しずれた)と判定する(S146)。また、処理部200は、Δωmax≧L2であれば(S140のNかつS144のN)、ミート失敗(レベル2)(例えば、ジャストミートからかなりずれた)と判定する(S148)。このように、複数の判定レベルを設定することで、使用者は、ミートが成功したか失敗したかの情報だけでなく、失敗した場合にどの程度の失敗であったかといった情報を得ることができる。
【0060】
なお、図7のフローチャートのS110とS112は、図2のフローチャートのS10(角速度データ取得ステップ)に対応する。また、図7のフローチャートのS120は、図2のフローチャートのS20(インパクト検出ステップ)に対応する。また、図7のフローチャートのS130は、図2のフローチャートのS30(角速度情報算出ステップ)に対応する。また、図7のフローチャートのS140、S142、S144、S146、S148は、図2のフローチャートのS40(インパクト状態判定ステップ)に対応する。
【0061】
なお、本実施形態では、スイング軸と判定軸がいずれかの角速度センサー100の検出軸とそれぞれ一致するものとして説明したが、センサー部10の取り付け位置や取り付け角度によっては、これらが一致しない場合もある。そのような場合は、あらかじめ作成した補正パラメーターを用いて、スイング軸や判定軸と検出軸とのずれを補正するようにしてもよい。
【0062】
以上では、運動器具がテニスラケットである場合を例に挙げて本実施形態の手法を説明したが、その他の運動器具についても、スイング軸と判定軸を運動器具に合わせて適切に定義すれば、本実施形態の手法を適用することができる。
【0063】
例えば、図8(A)は、野球のバット4のスイングにおいて、バット4の長軸(一点鎖線で示すz軸)上の位置にボール5が当たった図を示している。一方、図8(B)は、バット4のスイングにおいて、バット4の長軸(一点鎖線で示すz軸)上から上方向にずれた位置にボール5が当たった図を示している。バット4の長軸上の位置にボール5が当たった場合(ジャストミートした場合)は長軸とスイング軸の両方に直交する軸(バット4の進行方向のx軸)の回りの回転はほとんど発生しないが、長軸上からずれた位置にボール5が当たった場合(ミート失敗の場合)はインパクトの直後にバット4の進行方向の軸回りの回転(図8(B)の矢印)が発生する。従って、インパクト直後のバット4の進行方向の軸回りの角速度の変化量から長軸上にテニスボール3が当たったか否かを判定することができる。すなわち、バット4の進行方向の軸を判定軸と考えることができる。また、インパクトのタイミングは、テニスラケットの場合と同様に、スイング軸回りの角速度から判断することができる。
【0064】
そこで、スイング軸回りの角速度と判定軸回りの角速度を捉えるために、例えば、互いに直交する3軸(x軸、y軸、z軸)方向の角速度をそれぞれ検出可能な3つの角速度センサーを含むセンサー部10を、バット4のグリップエンドの位置に、例えば、z軸がバット4の長軸と一致するように取り付ける。そして、被験者が、インパクトの瞬間にx軸、y軸がそれぞれ判定軸、スイング軸と一致するようにバット4を握ってスイングすることで、y軸(スイング軸)回りの角速度データからインパクトのタイミングを検出することができるとともに、インパクト直後のx軸(判定軸)回りの角速度データからインパクトの状態を判定することができる。なお、センサー部10は、バット4のグリップエンドの位置に限らずスイングに支障を来さない任意の位置に取り付けることができる。
【0065】
また、例えば、図9(A)は、ゴルフクラブ6のスイングにおいて、ゴルフクラブ6のヘッドの中心軸(一点鎖線で示すz軸)上の位置にゴルフボール7が当たった図を示している。一方、図9(B)は、ゴルフクラブ6のスイングにおいて、ゴルフクラブ6のヘッドの中心軸(一点鎖線で示すz軸)上から左方向にずれた位置にゴルフボール7が当たった図を示している。ゴルフクラブ6のヘッドの中心軸上の位置にゴルフボール7が当たった場合(ジャストミートした場合)は中心軸回りの回転はほとんど発生しないが、中心軸上からずれた位置にゴルフボール7が当たった場合(ミート失敗の場合)はインパクトの直後に中心軸回りの回転(図9(B)の矢印)が発生する。従って、インパクト直後のゴルフクラブ6のヘッドの中心軸回りの角速度の変化量から中心軸上にゴルフボール7が当たったか否かを判定することができる。すなわち、ゴルフクラブ6のヘッドの中心軸を判定軸と考えることができる。また、インパクトのタイミングは、テニスラケットの場合と同様に、スイング軸回りの角速度から判断することができる。
【0066】
そこで、スイング軸回りの角速度と判定軸回りの角速度を捉えるために、例えば、互いに直交する3軸(x軸、y軸、z軸)方向の角速度をそれぞれ検出可能な3つの角速度センサーを含むセンサー部10を、ゴルフクラブ6のヘッドに、例えば、x軸が打球面と垂直になり、z軸がゴルフクラブ6のヘッドの中心軸と一致するように取り付ける。これにより、y軸(スイング軸)回りの角速度データからインパクトのタイミングを検出することができるとともに、インパクト直後のz軸(判定軸)回りの角速度データからインパクトの状態を判定することができる。なお、センサー部10は、ゴルフクラブ6のヘッドに限らずスイングに支障を来さない任意の位置に取り付けることができる。
【0067】
以上に説明したように、本実施形態のスイング分析装置によれば、インパクト直後の所定時間における判定軸に対する角速度の最大変化量を算出することで、インパクトにより生じる運動器具の回転運動を捉えることができる。従って、運動器具に応じて判定軸を適切に選択することにより、インパクトの状態を客観的に判定することができる。また、本実施形態のスイング分析装置によれば、従来のシステムで用いられるカメラの代わりに角速度センサーを用いるので、より簡便な構成にすることができ、取り扱いも容易である。
【0068】
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0069】
3−1.変形例1
図7のフローチャートでは、インパクトのタイミングから所定時間Tにおけるz軸(判定軸)回りの最大角速度変化量Δωmaxを判定レベルL1、L2と比較することで、インパクトの状態を判定しているが、変形例1のスイング分析装置では、インパクトのタイミングから所定時間Tにおけるz軸(判定軸)回りの最大角速度(角速度の絶対値の最大値)に基づいて、インパクトの状態を判定する。例えば、図6に示した角速度データの場合、インパクトのタイミングtから所定時間Tにおける、最大角速度ωmaxを算出する。そして、このωmaxの大きさからインパクトの状態を判定する。
【0070】
図10に、テニスラケットのスイングにおける、変形例1の処理部によるインパクトの状態を判定するフローチャートの具体例を示す。図10の例では、インパクトの状態を3段階のレベルにわけて判定する。図10において、S110、S120、S122の処理は、図7と同じであるため、説明を省略する。処理部200は、S120で検出したインパクトのタイミングから所定時間Tにおけるz軸(判定軸)回りの最大角速度ωmaxを算出する(S132)。
【0071】
そして、処理部200は、ωmaxをステップS122で決定した判定レベルL1、L2と比較し、ωmax<L1であれば(S141のY)、ミート成功(例えば、ジャストミート)と判定する(S142)。また、処理部200は、L1≦ωmax<L2であれば(S141のNかつS145のY)、ミート失敗(レベル1)(例えば、ジャストミートから少しずれた)と判定する(S146)。また、処理部200は、ωmax≧L2であれば(S141のNかつS145のN)、ミート失敗(レベル2)(例えば、ジャストミートからかなりずれた)と判定する(S148)。
【0072】
このように、インパクト直後の所定時間における運動器具の判定軸に対する角速度の最大値を算出することで、インパクトにより生じる運動器具の回転運動を捉えることができる。
【0073】
3−2.変形例2
本実施形態では、スイング軸と判定軸がいずれかの角速度センサー100の検出軸とそれぞれ一致するものとして説明したが、運動器具の形状やスイングの状態によってはこれらが一致しない場合もある。例えば、図3(A)及び図3(B)に示したように、テニスラケットのグリップエンドにセンサー部10を取り付けた場合、スイング面に対して打球面を垂直に保ったままスイングをするとy軸と判定軸が一致するが、打球面が傾いたままスイングをすると両者が一致しない場合もある。また、野球のバットのような打球面を特定することができない運動器具の場合、運動器具を握る角度を決めないと、スイング軸と判定軸の少なくとも一方が角速度センサー100の検出軸と一致しない場合もある。そこで、変形例2のスイング分析装置では、運動器具の姿勢変化からスイング軸や判定軸を算出してインパクトの状態を判定する。
【0074】
図11は、変形例2のスイング分析装置の構成を示す図である。変形例2のスイング分析装置1では、処理部200が運動器具の姿勢を算出するために、センサー部10は、例えば、3軸(x軸、y軸、z軸)方向の角速度をそれぞれ検出する3つの角速度センサー100を含む。また、処理部200は、データ取得部201、インパクト検出部202、角速度情報算出部203、インパクト状態判定部204として機能するとともに、さらに、姿勢算出部205と回転軸算出部206として機能する。
【0075】
姿勢算出部205は、センサー部10の出力データ(3軸分の角速度データ)に基づいて、運動器具の姿勢を算出する処理を行う。回転軸算出部206は、姿勢算出部205が算出した運動器具の姿勢の情報に基づいて、判定軸及びスイング軸の少なくとも一方を算出する処理を行う。変形例2のスイング分析装置におけるその他の構成については図1と同じであり、その説明を省略する。
【0076】
なお、データ取得部201、インパクト検出部202、角速度情報算出部203、インパクト状態判定部204、姿勢算出部205、回転軸算出部206の全部又は一部は、センサー部10にあってもよい。
【0077】
図12は、変形例2のスイング分析装置1における処理部200による処理の一例を示すフローチャート図である。まず、処理部200は、データ取得部201として、センサー部10から角速度データを取得する(S10、角速度データ取得ステップ)。
【0078】
次に、処理部200は、姿勢算出部205として、S10で取得した角速度データに基づいて、運動器具の姿勢を算出する(S14、姿勢算出ステップ)。センサー部10は運動器具に固定されているので、運動器具の姿勢としてセンサー部10の姿勢を算出してもよい。
【0079】
次に、処理部200は、回転軸検出部206として、判定軸及びスイング軸の少なくとも一方を算出する(S16、回転軸算出ステップ)。
【0080】
次に、処理部200は、インパクト検出部202として、インパクトのタイミングを検出する(S20、インパクト検出ステップ)。例えば、処理部200(インパクト検出部202)は、S16で算出したスイング軸に対する角速度の大きさが最大となるタイミングをインパクトのタイミングとして検出する。
【0081】
次に、処理部200は、角速度情報算出部203として、S10で取得した角速度データに基づいて、インパクトのタイミングから所定時間内の判定軸回りの角速度の変化量及び最大値の少なくとも一方を算出する(S30、角速度情報算出ステップ)。例えば、処理部200(角速度情報算出部203)は、S16で算出した判定軸に対して角速度の変化量及び最大値の少なくとも一方を算出する。
【0082】
最後に、処理部200は、インパクト状態判定部204として、S30における算出結果に基づいて、インパクトの状態を判定する(S40、インパクト状態判定ステップ)。
【0083】
図13に、変形例2の処理部200によるインパクトの状態を判定するフローチャートの具体例を示す。図13の例では、インパクトの状態を3段階のレベルにわけて判定する。まず、処理部200は、データ取得期間が終了するまで(S212のN)、センサー部10から新たな3軸角速度データを周期的に取得する(S210)。
【0084】
次に、処理部200は、S210で取得した3軸角速度データに基づいて、センサー部10の姿勢を算出する(S214)。例えば、xyz座標系でのセンサー部10の初期姿勢を適当に定義しておき、3軸角速度データの時系列からxyz座標系でのセンサー部10の初期姿勢からの姿勢変化を積算して姿勢を算出する。なお、センサー部10に3軸の加速度センサーを設けて、運動器具の静止時における重力加速度の方向を検出して初期姿勢を決定してもよい。
【0085】
次に、処理部200は、S214で算出したセンサー部10の姿勢の情報に基づいて、スイング軸と判定軸を算出する(S216)。例えば、xyz座標系でのセンサー部10の姿勢変化から、スイングによるセンサー部10の回転運動の中心軸を算出する。この中心軸がスイング軸になる。また、インパクトによってxyz座標系でのセンサー部10の姿勢が変化するので、この姿勢変化の方向から判定軸を算出することができる。
【0086】
次に、処理部200は、S210で取得した3軸角速度データに基づいて、スイング軸回りの角速度と判定軸回りの角速度を算出する(S220)。x軸、y軸、z軸に対する角速度データとxyz座標系におけるスイング軸と判定軸がわかっているので、既知の計算により、スイング軸回りの角速度と判定軸回りの角速度を算出することができる。
【0087】
次に、処理部200は、スイング軸回りの角速度の絶対値が最大となるタイミング(インパクトのタイミング)を検出する(S222)。
【0088】
次に、処理部200は、スイング軸回りの最大角速度(角速度の絶対値の最大値)に基づいて、インパクト状態の判定レベルL1とL2を決定する(S224)。
【0089】
次に、処理部200は、S222で検出したインパクトのタイミングから所定時間Tにおける判定軸回りの最大角速度変化量Δωmaxを算出する(S230)。
【0090】
そして、処理部200は、ΔωmaxをステップS224で決定した判定レベルL1、L2と比較し、Δωmax<L1であれば(S240のY)、ミート成功(例えば、ジャストミート)と判定する(S242)。また、処理部200は、L1≦Δωmax<L2であれば(S240のNかつS244のY)、ミート失敗(レベル1)(例えば、ジャストミートから少しずれた)と判定する(S246)。また、処理部200は、Δωmax≧L2であれば(S240のNかつS244のN)、ミート失敗(レベル2)(例えば、ジャストミートからかなりずれた)と判定する(S248)。
【0091】
このように、センサー部10(すなわち、運動器具の姿勢)を算出することで、運動器具の形状やスイングの状態によらずスイング軸と判定軸を算出することができるので、インパクトの状態を精度よく判定することができる。
【0092】
なお、図13のフローチャートのS210とS212は、図12のフローチャートのS10(角速度データ取得ステップ)に対応する。また、図13のフローチャートのS214は、図12のフローチャートのS14(姿勢算出ステップ)に対応する。また、図13のフローチャートのS216は、図12のフローチャートのS16(回転軸算出ステップ)に対応する。また、図13のフローチャートのS220、S222は、図12のフローチャートのS20(インパクト検出ステップ)に対応する。また、図13のフローチャートのS230は、図12のフローチャートのS30(角速度情報算出ステップ)に対応する。また、図13のフローチャートのS240、S242、S244、S246、S248は、図12のフローチャートのS40(インパクト状態判定ステップ)に対応する。
【0093】
3−3.その他の変形例
例えば、図1に示したように、本実施形態のスイング分析装置は、センサー部10とホスト端末20が無線又は有線で接続されているが、センサー部10とホスト端末20に、そえぞれメモリーカードのインターフェース部を設け、センサー部10が角速度センサー100の出力データをメモリーカードに書き込み、ホスト端末20が当該メモリーカードからデータを読み出してインパクト状態の判定処理を行うようにしてもよい。あるいは、ホスト端末20の処理部200の機能をセンサー部10に組み込んでもよい。
【0094】
また、本実施形態のスイング分析装置では、処理部200が必要な角速度データをすべて取得した後、インパクト状態の判定処理を行っているが、処理部200が角速度データを取得する毎に、インパクト状態の判定処理をリアルタイムに行うようにしてもよい。
【0095】
また、本実施形態のスイング分析装置では、スイング軸回りの角速度に基づいてインパクトのタイミングを検出しているが、加速度センサーを、例えば検出軸が打球面と垂直になるように運動器具に取り付け、当該加速度センサーの出力データに基づいて、例えば最大加速度となるタイミングをインパクトのタイミングとして検出するようにしてもよい。打球面が特定できない運動器具の場合は、3軸加速度センサーを運動器具に取り付け(取り付け位置によっては2軸加速度センサーでもよい)、運動器具の所定位置における加速度ベクトルを算出し、当該加速度ベクトルの大きさに基づいて、インパクトのタイミングを検出することができる。
【0096】
また、本実施形態のスイング分析装置では、インパクト直後の判定軸回りの角速度に基づいて、インパクト状態を判定しているが、ボールがスイートスポットに当たったか否かまで正確に判定できない場合もあり得る。例えば、テニスラケットのスイングの場合、テニスラケットの長軸上のどの位置にボールが当たっても判定軸回りの角速度の変化量は小さいため、ミート成功と判定される可能性がある。一般に、ボールが当たる位置がスイートスポットを外れた場合、運動器具に発生する振動が大きくなると考えられる。そして、この振動の大きさは、インパクト直後のスイング軸回りの角速度の変化から検出できると考えられる。そこで、インパクト直後の判定軸回りの角速度とスイング軸回りの角速度に基づいて、スイートスポットに当たったか否か、あるいは、スイートスポットからどの程度離れた位置にボールが当たったかを判定するようにしてもよい。
【0097】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0098】
1 スイング分析装置、2 テニスラケット、3 テニスボール、4 バット、5 ボール、6 ゴルフクラブ、7 ゴルフボール、10 センサー部、20 ホスト端末、100 角速度センサー、110 データ処理部、120 通信部、200 処理部(CPU)、201 データ取得部、202 インパクト検出部、203 角速度情報算出部、204 インパクト状態判定部、205 姿勢算出部、206 回転軸算出部、210 通信部、220 操作部、230 ROM、240 RAM、250 不揮発性メモリー、260 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角速度センサーと、
前記運動器具のスイングにおけるインパクトのタイミングを検出するインパクト検出部と、
前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記インパクトのタイミングから所定時間内の所定の軸に対する角速度の変化量及び当該角速度の最大値の少なくとも一方を算出する角速度情報算出部と、
前記角速度情報算出部の算出結果に基づいて、前記インパクトの状態を判定するインパクト状態判定部と、を含む、スイング分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記所定の軸は、前記運動器具のスイングの軸及び前記インパクトのタイミングでの前記運動器具の進行方向の軸の両方と直交する軸である、スイング分析装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記所定の軸は、前記インパクトのタイミングでの前記運動器具の進行方向の軸である、スイング分析装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記インパクト検出部は、
前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさの最大値を検出し、前記インパクトのタイミングとして、前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさが最大となるタイミングを検出する、スイング分析装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記インパクト状態判定部は、
前記運動器具のスイングの軸に対する角速度の大きさの最大値に応じて、前記インパクトの状態の判定基準を可変に設定する、スイング分析装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記インパクト状態判定部は、
前記インパクトの状態を複数のレベルで判定する、スイング分析装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記角速度センサーは、検出軸が前記所定の軸になるように前記運動器具に取り付けられる、スイング分析装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記角速度センサーは、検出軸が前記運動器具のスイングの軸になるように前記運動器具に取り付けられる、スイング分析装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記角速度センサーの出力データに基づいて、前記運動器具の姿勢を算出する姿勢算出部と、
前記運動器具の姿勢の情報に基づいて、前記所定の軸及び前記運動器具のスイングの軸の少なくとも一方を算出する回転軸算出部と、をさらに含む、スイング分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130414(P2012−130414A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283279(P2010−283279)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)