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スキミング防止織物、及びスキミング防止織物を用いて形成した物入れ、布地、当て布、織物用の情報記録糸の製造方法、スキミング防止織物の製造方法
説明

スキミング防止織物、及びスキミング防止織物を用いて形成した物入れ、布地、当て布、織物用の情報記録糸の製造方法、スキミング防止織物の製造方法

【課題】外部のスキミング装置による磁気カードに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好なドレープ性を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった優れたスキミング防止織物を提供する。
【解決手段】織成して成る複数本の経糸A1及び複数本の緯糸A2を具備して成るとともに、これら複数本の経糸A1及び複数本の緯糸A2のうちの少なくとも複数本の糸を磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した情報記録糸で構成することにより、外部のスキミング装置を用いた磁気カードなどの記録媒体への読み取りをする際に、情報記録糸に記録している情報がスキミング装置に作用して、その読み取りを防止するスキミング防止機能を有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用するスキミング防止機能を備えた織物、及び、この織物を使用して成る物入れ、布地、当て布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャッシュカードやクレジットカードに記録されている磁気記録情報を、外部から不正に読み取られることを防止するように構成した財布等の携帯用物入れが知られている。具体的に、この種の携帯用物入れは、例えば、当該携帯用物入れの全面またはカード収容部分の表裏に、磁気遮断シートとして銅や亜鉛などの金属シート等を磁気遮断シートとして内包するように構成されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3110312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の構成の携帯用物入れは、金属シート等を磁気遮断シートとして用いているため、例えば磁気遮断効果を高めるためにシート厚を厚くすると、重量が重くなり且つ折曲がり難くなる。このため、例えば、携帯用物入れを背広などの内ポケットに入れて使用すると、その重量によって背広の型が崩れたり、また、その折曲がり難さによって違和感を感じるなどの問題点を有している。また、磁気遮断シートを内包せずに露出させて使用する場合には、当該磁気遮断シートに塗装等の表面処理をする必要がある等デザイン的な問題点を有している。
【0004】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、非接触でも磁気記録情報を読み取りできる磁気カードなどの情報記録体とともに使用して、その記録媒体に記録している磁気記録情報を、外部から不正に読み取りすることを防止することが可能であり、また、無用に重くならず且つ柔軟性を有しさらにはデザイン性を備えることが容易であるといった、優れたスキミング防止織物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明のスキミング防止織物は、磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物であって、織成して成る複数本の経糸及び複数本の緯糸を具備して成るとともに、これら複数本の経糸及び複数本の緯糸のうちの少なくとも複数本の糸を磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した情報記録糸で構成することにより、外部のスキミング装置を用いた前記記録媒体への読み取りをする際に、情報記録糸に記録している情報がスキミング装置に作用して、その読み取りを防止するスキミング防止機能を有するようにしたことを特徴とする。
【0006】
このようなものであれば、外部のスキミング装置を用いて情報記録体に記録している磁気記録情報を読み取りをする際に、その情報記録糸に記憶している情報が、情報記録体に記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。また、経糸又は緯糸に使用可能な情報記録糸を用いて織成しているため、無用に重くなることを防止し且つ柔軟性を確保できる。また、一般的な織物と同様、その表面に様々なデザインを表出させることも容易に行える。
【0007】
すなわち、外部のスキミング装置による磁気カードに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好なドレープ性を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった優れたスキミング防止織物を提供することができる。
【0008】
なお、経糸及び緯糸のうち、いずれか一方の糸全てに絹糸を用い、他方の糸全てに前記情報記録糸を用いているのであれば、スキミング防止機能、軽量性、及びいわゆるドレープ性のいずれをも有効に兼ね備えるといった優れたスキミング防止織物を提供することができる。
【0009】
前記情報記録糸が、磁性を帯びた糸に対して、外部の磁気記録装置を用いて情報を記録して形成したものであれば、実施態様に応じて所望の情報を情報記録糸に記録することができる。
【0010】
特に、軽さとしなやかさとを兼ね備えたスキミング防止織物を提供するには、前記情報記録糸が、レーヨン等の合成繊維の表面に磁性粉末を塗布或いは磁性薄膜を形成する等の磁性表面処理を施した磁性複合繊維から成るもの、又は、磁性を帯びた金属繊維の表面に合成樹脂コーティング等の樹脂表面処理若しくは錆び難い金属材料で金属表面処理を施した磁性複合繊維から成るものであり、且つ、これら磁性を帯びた磁性複合繊維に対して、外部の磁気記録装置を用いて情報を記録して形成したものであることが好ましい。
【0011】
前記情報記録糸の他の望ましい態様としては、この情報記録糸が、可撓性を有する和紙等の基体層と、この基体層の少なくとも片面側に配され且つ複数の磁性粉体から成る磁性粉体層と、この磁性粉体層を前記基体層に接着するための接着層と、前記磁性粉体層の表面側を保護する保護層とから成る情報記録糸原料部材を、所定幅寸法に裁断加工して得たものであり、且つ、裁断加工前又は後に、外部の磁気記録装置を用いて情報を磁性粉体層へ記録して形成したものが挙げられる。
【0012】
また、上記のスキミング防止織物を、少なくとも一部に用いて形成して成る物入れや、少なくとも一部に用いて形成して成る布地や、少なくとも一部に用いて形成して成り且つ他の布地に取り付けて使用する当て布として有効に活用することができる。
【0013】
上述した織物用の情報記録糸の望ましい製造方法としては、磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物の経糸又は緯糸として用いられ、且つ、磁気を利用して読み取り可能な情報を記憶して成る織物用の情報記録糸を製造する方法であって、磁性を帯びた磁性糸に、磁気ヘッドを近接又は接触させ、磁性糸と磁気ヘッドとを相対移動させることにより、磁性糸に読み取り可能な情報を記録して、織物用の情報記録糸とするものが挙げられる。
【0014】
上述したスキミング防止織物の望ましい製造方法としては、磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物に対して、磁気を利用して読み取り可能な情報を与えることにより、スキミング機能を有するようにしたスキミング防止織物を製造する方法であって、織物を組成する経糸及び緯糸の少なくとも一方の糸を、磁性を帯びた磁性糸で構成し、経糸と緯糸とを織り上げる前、織り上げ途中、又は、織り上げ後に、その磁性糸に対して、磁気ヘッドを近接又は接触させ、磁性糸と磁気ヘッドとを相対移動させることにより、磁性糸に読み取り可能な情報を記録し、スキミング防止織物を製造するようにしたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明のスキミング防止機能によれば、外部のスキミング装置を用いて情報記録体に記録している磁気記録情報を読み取りをする際に、その情報記録糸に記憶している情報が、情報記録体に記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。また、経糸又は緯糸に使用可能な情報記録糸を用いて織成しているため、無用に重くなることを防止し且つ柔軟性を確保できる。また、一般的な織物と同様、その表面に様々なデザインを表出させることも容易に行える。
【0016】
また、情報を記録していない磁気シールド糸の場合では、情報記録体に記録している磁気記録情報を当該磁気シールド糸で磁気を略完全にシールドする必要があるが、本発明の場合は、積極的に情報を書き込んだ情報記録糸の作用により完全にシールドをする必要は無いので、軽量化に特に資すことができる。
【0017】
すなわち、外部のスキミング装置による磁気カードに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好なドレープ性を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった優れたスキミング防止織物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るスキミング防止織物Aは、図1に示すように、平織りして成る複数本の経糸A1及び複数本の緯糸A2を有するものであって、例えば、財布やバッグ等の物入れ、背広等の布地及びワッペン等の当て布など、各種テキスタイル製品に単独で又は応用して用いることができるものである。本実施形態では、全ての経糸A1に、「21中(=約21デニール)の2本もろ」の絹糸を用い、全ての緯糸A2に、「3分(=約108デニール)」の情報記録糸を用いている。
【0020】
この情報記録糸について具体的に説明をすると、本実施形態では、この情報記録糸として、芯材としてのレーヨンの表面に、コバルト・ニッケルの磁性薄膜を形成した磁性複合繊維を用いている。より具体的には、磁性を帯びた磁性複合繊維をより合わせて磁性糸とし、この磁性糸に、磁気ヘッドを近接又は接触させ、磁性糸と磁気ヘッドとを相対移動させることにより、磁性糸をS極又はN極に磁化させることにより読み取り可能な情報を記録して、織物用の情報記録糸として製造したものを、緯糸A2として使用している。なお、本実施形態では、経糸A1と緯糸A2とを織り上げる前に、経糸A1に情報を記録するようにしているが、これに限らず、例えば、織り上げ途中や織り上げ後に、情報を記録するようにしてもよい。
【0021】
次に、これら各部から構成されるスキミング防止織物Aの使用方法について説明をする。
【0022】
例えば、磁気を利用して読み取り可能な磁気記録情報を記録している図示しない磁気カード(本発明の「情報記録体」に相当)を、スキミング防止織物Aで覆う。この状態で、図示しない外部のスキミング装置を用いて磁気カードに記録している磁気記録情報を読み取りしようとしても、緯糸A2として使用している情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。
【0023】
このように、本第1実施形態に係るスキミング防止織物Aは、経糸A1の全てに絹糸を用い、緯糸A2の全てに情報記録糸を用いているため、外部のスキミング装置を用いて磁気カードに記録している磁気記録情報を読み取りをする際に、その情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。
【0024】
また、情報を記録していない磁気シールド糸の場合では、磁気カードに記録している磁気記録情報を当該磁気シールド糸で磁気を略完全にシールドする必要があるが、本実施形態の積極的に情報を書き込んだ情報記録糸を用いれば完全にシールドをする必要は無いので、軽量化に特に資すことができる。
【0025】
すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。また、経糸A1としての絹糸と緯糸A2としての情報記録糸とを織成しているため、無用に重くなることを防止し且つ柔軟性を確保できる。また、一般的な織物と同様、その表面に様々なデザインを表出させることも容易に行える。すなわち、外部のスキミング装置による磁気カードに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好なドレープ性を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった優れたスキミング防止織物Aを提供することができる。
【0026】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るスキミング防止織物Aを用いた物入れ1は、一般に長財布と呼ばれ略中央で折り畳み可能な両開きタイプの財布であって、図2に示すように、平面視略矩形状の外装部材11aと、この外装部材11aの内面の左側半分の領域及び右側半分の領域を略覆う位置にそれぞれ配される左側内装部材11b及び右側内装部材11cとを具備し、これら各部材11a〜11cの全てを、第1実施形態のスキミング防止織物Aを用いて形成している。そして、各内装部材11b、11cの周縁部のうち外装部材11aの四辺と対応しない周縁部に紙幣出し入れ口1aを設定するとともに、前記四辺と対応する他の周縁部を外装部材11aに縫着させることにより、外装部材11aと各内装部材11b、11cとの間に形成される空間を、主として紙幣を収容するための紙幣収容部1Xとしての機能を発揮するようにしている。また、本実施形態では、左側内装部材11bは、その表面側にポケット状の主としてカードを収容するためのカード収容部1Yを2つ備えるようにしている。なお、本実施形態では、各部材11a〜11cにスキミング防止織物Aを用いているが、例えば、外装部材11aにのみスキミング防止織物Aを用い他の部材11b、11cにスキミング機能を有しない織物、皮、布、合成樹脂材等を用いることを妨げない。
【0027】
次に、これら各部から構成される物入れ1の使用方法について説明をする。
【0028】
例えば、カード収容部1Yに、第1実施形態と同様の磁気カードCaを収容し、当該物入れ1を折り畳むと、磁気カードCaは、各部材11a〜11cで挟み込まれた状態となる。この状態で、外部のスキミング装置を用いて磁気カードCaに記録している磁気記録情報を読み取りを行うと、各部材11a〜11cに使用している情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードCaに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードCaに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。
【0029】
このように、本第2実施形態に係る物入れ1は、各部材11a〜11cの経糸A1の全てに絹糸を用い、緯糸A2の全てに情報記録糸を用いているため、外部のスキミング装置を用いて磁気カードCaに記録している磁気記録情報を読み取りをする際に、その情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードCaに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードCaに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。また、経糸A1としての絹糸と緯糸A2としての情報記録糸とを織成しているため、当該物入れ1が無用に重くなることを防止し且つ肌触り感を確保できる。また、一般的な織物と同様、その表面に様々なデザインを表出させることも容易に行える。
【0030】
また、情報を記録していない磁気シールド糸の場合では、磁気カードCaに記録している磁気記録情報を当該磁気シールド糸で磁気を略完全にシールドする必要があるが、本実施形態の積極的に情報を書き込んだ情報記録糸を用いれば完全にシールドをする必要は無いので、軽量化に特に資すことができる。
【0031】
すなわち、外部のスキミング装置による磁気カードCaに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好な肌触り感を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった高機能な物入れ1を提供することができる。
【0032】
なお、本第2実施形態において、物入れ1を、一般に長財布と呼ばれ略中央で折り畳み可能な両開きタイプの財布としているが、二つ折りタイプの財布や他のタイプの財布とすることもできる。
【0033】
また、物入れ1は、財布に限らず、例えば、図6に示すように、天面から両側面にかけて開口する開口部11´aを備えた収納部本体11´と、開口部11´aを開成または閉止するためのファスナー12´とを具備して成るバッグ1´、カードホルダ、収納ケースなど、物を入れられるもので、且つ、少なくとも磁気カードCa等の情報記録体の磁気記録部分を直接又は間接的に覆う位置にスキミング防止織物Aを用いることができるものであれば任意で良く、さらに、物入れ1自体が携帯可能であるか否かも問わない。
【0034】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る背広の上着2は、図3に示すように、左右の前身頃部21、後身頃部22、袖部23などを備えるものであって、これら各部の服地を、第1実施形態のスキミング防止織物Aを用いて形成している。そして、本実施形態では、胸ポケット21x等の複数のポケットを有するようにしている。
【0035】
次に、これら各部から構成される背広の上着2の使用方法について説明をする。
【0036】
例えば、第1実施形態と同様の磁気カード(図示せず)を胸ポケット21xに入れる。このとき、磁気カードは、財布などに収容した状態であるか否かを問わない。そして、この状態で、図示しない外部のスキミング装置を用いて磁気カードに記録している磁気記録情報を読み取りしようとしても、緯糸A2として使用している情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。
【0037】
このように、本第3実施形態に係る上着2は、服地である経糸A1の全てに絹糸を用い、緯糸A2の全てに情報記録糸を用いているため、外部のスキミング装置を用いて磁気カードに記録している磁気記録情報を読み取りをする際に、その情報記録糸に記憶している情報が、磁気カードに記録している磁気記録情報とともにスキミング装置に読み取られることになり、スキミング装置の磁気カードに記録している磁気記録情報の正確な読み取りを妨げることとなる。すなわち、外部のスキミング装置によるスキミングを防止することができる。また、経糸A1としての絹糸と緯糸A2としての情報記録糸とを織成しているため、当該上着2が無用に重くなることを防止し且つ柔軟性を確保できる。また、一般的な織物と同様、その表面に様々なデザインを表出させることも容易に行える。
【0038】
また、情報を記録していない磁気シールド糸の場合では、磁気カードに記録している磁気記録情報を当該磁気シールド糸で磁気を略完全にシールドする必要があるが、本実施形態の積極的に情報を書き込んだ情報記録糸を用いれば完全にシールドをする必要は無いので、軽量化に特に資すことができる。
【0039】
すなわち、外部のスキミング装置による磁気カードに記録している磁気記録情報の不正な読み取りを容易に防止でき、且つ、軽量でありながらも良好なドレープ感を有し、さらにはデザイン性を備えることが容易であるといった高機能な上着2を提供することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、背広の上着2のうち前身頃部21などの表面に現われる部分にスキミング防止織物Aを用いているが、例えば、裏地や芯地のように表面に現われない部分に用いることを妨げない。また、ポケット部分にのみ用いることもできる。
【0041】
また、スキミング防止織物Aを背広のズボンの服地として用いても良い。さらには、このスキミング防止織物Aを、洋服に限らず和服等を含めた衣類全ての布地として用いることもできる。
【0042】
さらに、図4に示すように、第1実施形態のスキミング防止織物Aを用いて形成したワッペン本体31(本発明の「当て布」に相当)を、その縁部32を利用して胸ポケット21xの上から取り付けるといった実施態様も考えられる。このようにすれば、胸ポケット21xに入れた磁気カードに対するスキミング防止効果をさらに高めることができる。また、このようなワッペン本体31を備えるワッペン3を、スキミング防止織物Aを用いない一般的な背広の上着2などに対して使用した場合でも、スキミング防止効果を得られる。また、ワッペン3の形状は任意に設定可能である。
【0043】
なお、本発明は上記したこれらの実施形態に限られるものではない。
【0044】
例えば、織物の組織には、平織りを採用しているがこれに限らず、例えば、綾織り、朱子織り、または、この3種の組織を変化させたり組み合わせたりしたものを採用するなど、複数本の経糸A1及び複数本の緯糸A2を織成して成るものであればよい。また、経糸A1と緯糸A2とが成す角度は直角でなくても良く、斜め織を採用することができる。また、3軸織を採用してもよい。さらには、経糸A1及び緯糸A2のうちいずれか一方若しくは両方を層状にすることを妨げない。
【0045】
また、経糸A1の全てに絹糸を用い、緯糸A2の全てに情報記録糸を用いているが、逆の構成であってもよい。また、経糸A1又は緯糸A2の一部に情報記録糸を採用することができる。また、糸の太さも実施態様に応じて適宜変更可能である。
【0046】
また、絹糸に代えて、他の天然繊維やレーヨン等の合成繊維を用いても良い。
【0047】
また、情報記録糸に、芯材としてのレーヨンの表面に、コバルト・ニッケルの磁性薄膜を形成した磁性複合繊維を用いているが、コバルト・ニッケルの磁性薄膜の磁性薄膜に代えて、蒸着法やスパッタリング法で形成するコバルト・クロムの磁性薄膜を用いても良い。また、芯材もレーヨンに限られるものではない。また、使用時の汗などによる情報記録糸の酸化を効果的に防止するには、例えば、コバルト・ニッケルや鉄・ニッケルといった合金などの磁性材料を芯材とし、その表面をレーヨンなどの合成樹脂材料或いは金、プラチナ、アルミといった錆び難い金属材料で表面処理をした磁性複合繊維を、情報記録糸として用いればよい。
【0048】
また、情報記録糸全体を、例えば、鉄とニッケルとの合金(パーマロイ)等の金属糸とすることもできる。
【0049】
またさらに、情報記録糸に、図5に示すように、可撓性を有する和紙から成る基体層P1と、この基体層P1の少なくとも片面側に配され且つ磁気材料である複数の磁性粉体P31から成る磁性粉体層P3と、この磁性粉体層P3を前記基体層P1に接着するための接着層P2と、前記磁性粉体層P3の表面側を保護する保護層P4とから成る情報記録糸原料部材Pを、所定幅寸法に裁断加工して得たものを用いることができる。
【0050】
より具体的に、基体層P1には厚さ数10μm〜数100μm程度の和紙を使用し、磁性粉体層P3の磁性粉体P31には平均粒度数10μm〜数100μm程度の鉄粉を使用し、接着層P2には適量の漆を使用し、保護層P4には厚さ数10μm〜数100μm程度のポリエステルフィルムを使用することができる。なお、基体層P1の厚さは任意に設定できるし、磁性粉体層P3の磁性粉体P31の粒度も任意に設定できる。また、接着層P2には、漆以外の接着剤を用いることができる。また、保護層P4の厚さは任意に設定できる。
【0051】
また、上記した実施形態では情報記録体を磁気カードとしているが、例えば、この情報記録体に、磁気を利用して読み取り可能な磁気記録情報を記録している磁気フィルムを用いる等、情報記録体の種類は上記した実施形態に限られるものではない。また、情報記録体は、携帯可能であるか否かを問わない。
【0052】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係るスキミング防止織物を示す拡大図。
【図2】同実施形態におけるスキミング防止織物を用いた財布を示す斜視図。
【図3】同実施形態におけるスキミング防止織物を服地として用いた上着を示す斜視図。
【図4】同実施形態におけるスキミング防止織物を用いたワッペンを示す斜視図。
【図5】同実施形態における情報記録糸原料部材の構造断面を模式的に示す図。
【図6】同実施形態におけるスキミング防止織物を用いたバッグを示す斜視図。
【符号の説明】
【0054】
A・・・・・スキミング防止織物
A1・・・・経糸
A2・・・・緯糸
P・・・・・情報記録糸原料部材
P1・・・・基体層
P2・・・・接着層
P3・・・・磁性粉体層
P4・・・・保護層
P31・・・磁性粉体
1・・・・・物入れ(財布)
1´・・・・物入れ(バッグ)
3・・・・・当て布(ワッペン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物であって、
織成して成る複数本の経糸及び複数本の緯糸を具備して成るとともに、これら複数本の経糸及び複数本の緯糸のうちの少なくとも複数本の糸を磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した情報記録糸で構成することにより、外部のスキミング装置を用いた前記記録媒体への読み取りをする際に、情報記録糸に記録している情報がスキミング装置に作用して、その読み取りを防止するスキミング防止機能を有するようにしたことを特徴とするスキミング防止織物。
【請求項2】
経糸及び緯糸のうち、いずれか一方の糸全てに絹糸を用い、他方の糸全てに前記情報記録糸を用いていることを特徴とする請求項1記載のスキミング防止織物。
【請求項3】
前記情報記録糸が、磁性を帯びた糸に対して、外部の磁気記録装置を用いて情報を記録して形成したものであることを特徴とする請求項1または2記載のスキミング防止織物。
【請求項4】
前記情報記録糸が、レーヨン等の合成繊維の表面に磁性粉末を塗布或いは磁性薄膜を形成する等の磁性表面処理を施した磁性複合繊維から成るもの、又は、磁性を帯びた金属繊維の表面に合成樹脂コーティング等の樹脂表面処理若しくは錆び難い金属材料で金属表面処理を施した磁性複合繊維から成るものであり、且つ、これら磁性を帯びた磁性複合繊維に対して、外部の磁気記録装置を用いて情報を記録して形成したものであることを特徴とする請求項1または2記載のスキミング防止織物。
【請求項5】
前記情報記録糸が、可撓性を有する和紙等の基体層と、この基体層の少なくとも片面側に配され且つ複数の磁性粉体から成る磁性粉体層と、この磁性粉体層を前記基体層に接着するための接着層と、前記磁性粉体層の表面側を保護する保護層とから成る情報記録糸原料部材を、所定幅寸法に裁断加工して得たものであり、且つ、裁断加工前又は後に、外部の磁気記録装置を用いて情報を磁性粉体層へ記録して形成したものであることを特徴とする請求項1または2記載のスキミング防止織物。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか記載のスキミング防止織物を、少なくとも一部に用いて形成して成る物入れ。
【請求項7】
請求項1乃至5いずれか記載のスキミング防止織物を、少なくとも一部に用いて形成して成る布地。
【請求項8】
請求項1乃至5いずれか記載のスキミング防止織物を、少なくとも一部に用いて形成して成り且つ他の布地に取り付けて使用する当て布。
【請求項9】
磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物の経糸又は緯糸として用いられ、且つ、磁気を利用して読み取り可能な情報を記憶して成る織物用の情報記録糸を製造する方法であって、
磁性を帯びた磁性糸に、磁気ヘッドを近接又は接触させ、磁性糸と磁気ヘッドとを相対移動させることにより、磁性糸に読み取り可能な情報を記録して、織物用の情報記録糸とすることを特徴とする織物用の情報記録糸の製造方法。
【請求項10】
磁気を利用して読み取り可能な情報を記録した磁気カードなどの情報記録体とともに使用する織物に対して、磁気を利用して読み取り可能な情報を与えることにより、スキミング機能を有するようにしたスキミング防止織物を製造する方法であって、
織物を組成する経糸及び緯糸の少なくとも一方の糸を、磁性を帯びた磁性糸で構成し、経糸と緯糸とを織り上げる前、織り上げ途中、又は、織り上げ後に、その磁性糸に対して、磁気ヘッドを近接又は接触させ、磁性糸と磁気ヘッドとを相対移動させることにより、磁性糸に読み取り可能な情報を記録し、スキミング防止織物を製造するようにしたことを特徴とするスキミング防止織物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−39819(P2007−39819A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222691(P2005−222691)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(505250395)
【Fターム(参考)】