説明

スクリュー圧縮機

【課題】モータにおいて潤滑油に起因するロータの撹拌抵抗を低減すること。
【解決手段】スクリューロータ(40)が収容されたシリンダ部(16)と、モータ(12)が収容されたモータ収容部(31)とが横並びに配置されている。圧縮機構(20)から漏出してモータ収容部(31)に溜まった潤滑油を、圧縮室(23)へ吸入される低圧ガス冷媒の流れによって圧縮室(23)へ導く油排出機構(100)を備えている。油排出機構(100)は、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油とスクリューロータ(40)の吸入側端部(45)とを連通させる油排出路(101)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー圧縮機に関し、特にモータロータの撹拌ロスの低減対策に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷媒を圧縮する圧縮機として、例えば特許文献1に開示されているスクリュー圧縮機が用いられる。このスクリュー圧縮機は、ケーシング内に、スクリューロータと、該スクリューロータと駆動軸を介して連結されたモータとを備えている。スクリューロータは、その外周部に複数の螺旋溝が形成され、その螺旋溝が圧縮室を形成する。モータは、ステータおよびロータを備えている。そして、モータのロータが回転することによってスクリューロータが回転する。スクリューロータが回転すると、ケーシング内へ流入した冷媒は、モータの収容部を流通した後、スクリューロータの螺旋溝(圧縮室)へ吸入されて圧縮される。
【0003】
また、上記スクリュー圧縮機のケーシング内には、圧縮機構へ供給する潤滑油が貯留された油貯留部が形成されている。この油貯留部の潤滑油が圧縮機構へ供給されることで、圧縮機構の潤滑が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−1835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1のようなスクリュー圧縮機では、ケーシング内において、油貯留部から圧縮機構へ供給された潤滑油が漏出してモータの収容部に溜まる。特に、冷媒はモータの収容部を流通してスクリューロータの螺旋溝(圧縮室)へ吸入されるところ、モータの収容部が油貯留部よりも圧力が低くなっているため、圧縮機構へ供給された潤滑油がモータの収容部に溜まりやすい。そして、モータの収容部に溜まった潤滑油は、スクリューロータの回転による巻き込み作用によって、スクリューロータの螺旋溝(圧縮室)へ導かれる。これによって、モータの収容部に溜まった潤滑油が排出される。
【0006】
ところが、低負荷時は、インバータ制御されている圧縮機の場合では、スクリューロータが低速回転に制御されるため、スクリューロータの回転による巻き込み作用が低下し、モータの収容部に溜まった潤滑油が排出されにくくなる。また、一定速の圧縮機の場合では、スクリューロータの螺旋溝(圧縮室)へ導かれた潤滑油は容量制御機構のスライドバルブを通じて冷媒と共に再び低圧側へ導かれるため、結果としてモータの収容部の潤滑油が排出されにくくなる。そうすると、モータの収容部において油面が上昇して、モータのロータが潤滑油に浸漬してしまう。その結果、モータにおけるロータの撹拌抵抗(撹拌ロス)が発生し、運転効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクリュー圧縮機において、モータのロータが潤滑油に浸漬することによって生じるロータの撹拌抵抗を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、流体の圧縮室(23)を形成する複数の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)を有する圧縮機構と、上記スクリューロータ(40)と駆動軸(21)によって連結されたモータ(12)とを備えると共に、上記スクリューロータ(40)が収容されたシリンダ部(16)と、該シリンダ部(16)と横並びに位置し、上記モータ(12)が収容されたモータ収容部(31)とを有するケーシング(11)を備え、上記流体が上記モータ収容部(31)を流通して上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入されるスクリュー圧縮機を対称としている。そして、本発明のスクリュー圧縮機は、上記圧縮機構(20)を潤滑した後上記モータ収容部(31)に溜まった潤滑油を、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体の流れによって、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ導く油排出機構(100)を備えているものである。
【0009】
上記第1の発明では、圧縮機構(20)へ供給されて潤滑した潤滑油がモータ収容部(31)に溜まる。特に、流体がモータ収容部(31)を流通してスクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入されるところ、ケーシング(11)内においてモータ収容部(31)は比較的低い圧力となるため、モータ収容部(31)に潤滑油が溜まりやすい。モータ収容部(31)に溜まった潤滑油は、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体(即ち、スクリュー圧縮機の吸入流体)の流れによって、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ向かって排出される。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記油排出機構(100)が、上記ケーシング(11)に形成され、上記モータ収容部(31)に溜まった潤滑油と上記スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)とを連通させる油排出路(101)を備えているものである。
【0011】
上記第2の発明では、スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)において吸入流体の流速が速くなる。吸入側端部(45)では、この吸入流体の流れによって油排出路(101)の開口部が圧力低下して、油排出路(101)からモータ収容部(31)の潤滑油が引っ張られる(エジェクタ効果)。これにより、モータ収容部(31)の潤滑油がスクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ向かって排出される。
【0012】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記モータ収容部(31)では、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体が、潤滑油の油面を流通する流体通路(37)が形成され、上記油排出機構(100)は、上記流体通路(37)の通路断面積を可変にする通路可変機構(102)を備えているものである。
【0013】
上記第3の発明では、例えばスクリューロータ(40)の低速回転時(低負荷時)において、流体通路(37)の通路断面積が通路可変機構(102)によって減少される。そうすると、流体通路(37)における流体の流速が速くなり、その流体の流れによってモータ収容部(31)の潤滑油が引っ張られる。これにより、モータ収容部(31)の潤滑油がスクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ向かって排出される。
【0014】
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1の発明において、上記ケーシング(11)内において上記圧縮室(23)から圧縮流体が吐出される吐出空間(S2)に設けられ、上記圧縮機構(20)へ潤滑油を供給する油貯留部(28)を備えているものである。
【0015】
上記第4の発明では、ケーシング(11)内において吐出空間(S2)は高圧の状態となるため、油貯留部(28)に貯留された潤滑油も高圧となる。そのため、油貯留部(28)から圧縮機構(20)へ供給された潤滑油は、圧縮機構(20)を潤滑した後、圧力の低いモータ収容部(31)へ向かって漏出しやすくなる。つまり、モータ収容部(31)に潤滑油が溜まりやすくなる。ところが、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油は、油排出機構(100)によってスクリュー圧縮室(23)へ向かって排出される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油を、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体の流れによって、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ導くようにした。そのため、特にスクリューロータ(40)が低速回転する低負荷時において、モータ収容部(31)から潤滑油を排出することができ、モータ収容部(31)において油面の上昇を阻止することができる。その結果、モータ(12)のロータ(14)が潤滑油に浸漬することによって生じるロータ(14)の撹拌抵抗(撹拌ロス)を低減することができる。これによって、モータ(12)ひいてはスクリュー圧縮機(10)の運転効率を向上させることができる。
【0017】
また、第2の発明によれば、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油とスクリューロータ(40)の吸入側端部(45)とを連通させる油排出路(101)をケーシング(11)に形成するといった簡易な構成で、モータ収容部(31)の潤滑油を排出することができる。
【0018】
また、第3の発明によれば、流体通路(37)の通路断面積を可変にする通路可変機構(102)を備えるようにした。そのため、低負荷時においてスクリューロータ(40)の回転による巻き込み作用が低下しても、流体通路(37)の通路断面積を減少させて流体の流速を増加させることで、モータ収容部(31)の潤滑油を確実に排出することができる。一方、スクリューロータ(40)の回転による巻き込み作用が十分であるときは、流体通路(37)の通路断面積を増大させることで、通路抵抗を緩和することができ、流体の圧力損失を低減することができる。
【0019】
第4の発明によれば、ケーシング(11)内の吐出空間(S2)に形成された油貯留部(28)の潤滑油を圧縮機構(20)へ供給するようにした。そのため、油貯留部(28)の潤滑油が高圧となり、油貯留部(28)と圧縮機構(20)との圧力差によって、油貯留部(28)の潤滑油を圧縮機構(20)へ供給することができる。これにより、給油ポンプ等の部品が不要となる。一方、油貯留部(28)の潤滑油が高圧であるため、油貯留部(28)から圧縮機構(20)へ供給された潤滑油は低圧のモータ収容部(31)へ漏出しやすくなる。つまり、圧縮機構(20)を潤滑した潤滑油がモータ収容部(31)に溜まりやすくなる。ところが、本発明では、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油を油排出機構(100)によって排出することができる。これにより、モータ(12)のロータ(14)が潤滑油に浸漬することによって生じるロータ(14)の撹拌抵抗(撹拌ロス)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施形態1に係る空調機の冷媒回路図である。
【図2】図2は、実施形態1に係るスクリュー圧縮機の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】図3は、実施形態1に係るスクリュー圧縮機の要部の構成を示す横断面図である。
【図4】図4は、実施形態1に係るスクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態1に係るスクリュー圧縮機の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図6は、スクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す斜視図であって、(a)〜(c)は吸入行程を示し、(d)および(e)は圧縮行程を示し、(f)は吐出行程を示す。
【図7】図7は、実施形態2に係るスクリュー圧縮機のモータ収容部の概略構成を示す横断面図である。
【図8】図8は、実施形態2に係るモータ収容部の冷媒通路を示す縦断面図である。
【図9】図9は、実施形態2に係るモータ収容部の冷媒通路を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0022】
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態に係るスクリュー圧縮機(10)は、冷凍装置を構成する空調機の冷媒回路(1)に設けられて冷媒を圧縮するためのものである。
【0023】
〈冷媒回路の構成〉
図1に示すように、冷媒回路(1)は、スクリュー圧縮機(10)、四方切換弁(2)、熱源側熱交換器(3)、利用側熱交換器(4)、熱源側膨張弁(5)および利用側膨張弁(6)が接続された閉回路である。この冷媒回路(1)には、冷媒が充填されている。冷媒回路(1)では、充填された冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
【0024】
冷媒回路(1)において、スクリュー圧縮機(10)は、後述する吐出ポート(27a)が吐出管を介して四方切換弁(2)の第1ポートに、後述する吸入ポート(11a)が吸入管を介して四方切換弁(2)の第2ポートにそれぞれ接続されている。熱源側熱交換器(3)の一端は、四方切換弁(2)の第3ポートに接続されている。熱源側熱交換器(3)の他端は、熱源側膨張弁(5)および利用側膨張弁(6)を順に介して利用側熱交換器(4)の一端に接続されている。利用側熱交換器(4)の他端は、四方切換弁(2)の第4ポートに接続されている。
【0025】
四方切換弁(2)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図1に点線で示す状態)とに切り換え可能となっている。四方切換弁(2)が第1状態に切り換わると、熱源側熱交換器(3)が放熱器として機能し、利用側熱交換器(4)が蒸発器として機能する。この場合、熱源側膨張弁(5)は全開状態に設定され、利用側膨張弁(6)は冷媒を膨張させて減圧するように開度調節される。四方切換弁(2)が第2状態に切り換わると、熱源側熱交換器(3)が蒸発器として機能し、利用側熱交換器(4)が放熱器として機能する。この場合、利用側膨張弁(6)は全開状態に設定され、熱源側膨張弁(5)は冷媒を膨張させて減圧するように開度調節される。
【0026】
〈スクリュー圧縮機の全体構成〉
図2〜図4に示すように、このスクリュー圧縮機(10)は、密閉型に構成されている。このスクリュー圧縮機(10)では、圧縮機構(20)と、圧縮機構(20)を駆動するモータ(12)とが金属製のケーシング(11)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介してモータ(12)と連結されている。
【0027】
また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(1)の熱源側熱交換器(3)または利用側熱交換器(4)から低圧のガス冷媒が流入されるとともに低圧ガスを圧縮機構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する吐出通路(67)と、吐出通路(67)を通過したガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが形成されている。吐出通路(67)と高圧空間(S2)とは、区画部材(29)によって区画されている。高圧空間(S2)は、本発明に係る吐出空間を構成している。
【0028】
ケーシング(11)の低圧空間(S1)側には、吸入ポート(11a)が開口している。この吸入ポート(11a)には、吸入側フィルタ(19)が取り付けられており、冷媒回路(1)の熱源側熱交換器(3)または利用側熱交換器(4)から吸入されたガス冷媒に含まれる比較的大きな異物を捕集する。
【0029】
モータ(12)は、ステータ(13)と、ロータ(14)とを備えている。ステータ(13)は、低圧空間(S1)においてケーシング(11)の内周面に固定されている。ロータ(14)には駆動軸(21)の一端部が連結されていて、駆動軸(21)がロータ(14)とともに回転軸(X)回りに回転するように構成されている。モータ(12)は、ケーシング(11)のモータ収容部(31)に収容されている。
【0030】
圧縮機構(20)は、ケーシング(11)の圧縮機構収容部(32)に収容されている。圧縮機構(20)は、ケーシング(11)に形成されたシリンダ部(16)と、シリンダ部(16)の中に配置(収容)された1つのスクリューロータ(40)と、スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。ケーシング(11)において、モータ収容部(31)と圧縮機構収容部(32)とは横並びで位置している。また、モータ収容部(31)の径は、シリンダ部(16)の径よりも大きい。
【0031】
スクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)の外径は、シリンダ部(16)の内径よりも若干小さく設定されており、スクリューロータ(40)の外周面がシリンダ部(16)の内周面と摺接するように構成されている。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の軸方向一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数(本実施形態では、6本)形成されている。
【0032】
図4に示すように、スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、円柱状のスクリューロータ(40)の軸心周りに対称な形状をしている(即ち、スクリューロータ(40)の横断面において、螺旋溝(41)のそれぞれは、スクリューロータ(40)の中心に対して点対称な形状をしている)。そして、複数の螺旋溝(41)が所定の軸周りに対称となるときのその軸を螺旋溝(41)の軸心という。スクリューロータ(40)に対して螺旋溝(41)が精度良く形成されているときには、螺旋溝(41)の軸心はスクリューロータ(40)の軸心と一致する。
【0033】
ここで、スクリューロータ(40)の軸方向一端側が吸入側端部(45)となっており、螺旋溝(41)の一端は吸入側端部(45)の端面(テーパ面)に開口している。各螺旋溝(41)は、吸入側端部(45)に開口する一端部(図2における左端部)が始端部となり、他端部(図2における右端部)が終端部となっている。一方、スクリューロータ(40)の軸方向他端側は吐出側端部(46)となっている。螺旋溝(41)の終端部は、スクリューロータ(40)の吐出側端部(46)においてその側周面に開口している。螺旋溝(41)では、両側の側壁面(42,43)のうち、ゲート(51)の進行方向の前側に位置するものが第1側壁面(42)となり、ゲート(51)の進行方向の後側に位置するものが第2側壁面(43)となっている。なお、スクリューロータ(40)には、図2に示すように、駆動軸(21)を挿通させるための挿通孔(47)が貫通形成されている。
【0034】
図2に示すように、スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が挿通されている。駆動軸(21)の一端部には、モータ(12)のロータ(14)が連結されており、駆動軸(21)の他端部がスクリューロータ(40)の挿通孔(47)に挿通される。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)は、スクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。
【0035】
このように、スクリューロータ(40)とモータ(12)のロータ(14)とが駆動軸(21)に連結された状態でケーシング(11)内に収容される。このとき、スクリューロータ(40)は、シリンダ部(16)に回転可能に嵌合しており、その外周面がシリンダ部(16)の内周面と摺接する。
【0036】
駆動軸(21)の一端部は、コロ軸受(66)によって回転自在に支持されている。コロ軸受(66)は、コロ軸受ホルダ(65)に設置されている。一方、駆動軸(21)の他端部は、圧縮機構(20)の高圧側に位置する軸受部としての玉軸受(61)によって回転自在に支持されている。玉軸受(61)は、ケーシング(11)のシリンダ部(16)に嵌合された軸受ホルダ(60)に設置されている。軸受ホルダ(60)の、スクリューロータ(40)側の端面の周縁部には、スクリューロータ(40)側に突出した環状壁部(62)が設けられている。
【0037】
ゲートロータ(50)は、長方形板状に形成された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(51)が放射状に設けられた樹脂製の部材である。各ゲートロータ(50)は、シリンダ部(16)の外側にスクリューロータ(40)を挟んで対称に配置され、軸心がスクリューロータ(40)の軸心と直交している。各ゲートロータ(50)は、ゲート(51)がシリンダ部(16)の一部を貫通してスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている。
【0038】
ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に立設されている。軸部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50)は、基部(56)およびアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の背面に当接している。
【0039】
図3に示すように、ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ支持部材(55)は、シリンダ部(16)に隣接してケーシング(11)内に区画形成されたゲートロータ室(18)に収容されている。図3におけるスクリューロータ(40)の右側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側となる姿勢で設置されている。一方、図3におけるスクリューロータ(40)の左側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(18)内の軸受ハウジング(52)に玉軸受(53)を介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室(18)は、低圧空間(S1)に連通している。
【0040】
圧縮機構(20)では、シリンダ部(16)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(23)になる(図2参照)。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間(S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構(20)の吸入口(24)になっている。
【0041】
スクリュー圧縮機(10)には、スライドバルブ(88)が設けられている。このスライドバルブ(88)は、シリンダ部(16)がその周方向の2カ所において径方向外側に膨出したスライドバルブ収納部(17)内に設けられている。スライドバルブ(88)は、内面がシリンダ部(16)の内周面の一部を構成するとともに、シリンダ部(16)の軸心方向にスライド可能に構成されている。
【0042】
図2に示すように、スクリュー圧縮機(10)には、スライドバルブ(88)をシリンダ部(16)の軸心方向にスライド駆動させるためのスライドバルブ駆動機構(80)が設けられている。このスライドバルブ駆動機構(80)は、区画部材(29)の右側壁面に形成されたシリンダ(81)と、シリンダ(81)内に装填されたピストン(82)と、ピストン(82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム(84)と、アーム(84)とスライドバルブ(88)とを連結する連結ロッド(85)と、一端がピストンロッド(83)に摺動自在に挿入された駆動バー(86)と、駆動バー(86)の他端に連結された駆動機構(87)とを備えている。
【0043】
駆動機構(87)は、ピストンロッド(83)の軸方向と直交する方向に延びるシャフト(87a)周りに回動するように構成されている。具体的に、シャフト(87a)には図示しないベーンモータが連結しており、このベーンモータの回転角度を変化させることで、ピストン(82)の背圧室内に流入するガス冷媒量を調整して、スライドバルブ(88)の位置を調整するように構成されている。
【0044】
吐出通路(67)は、シリンダ部(16)の外周部を囲むように形成されている。圧縮室(23)の吐出口(23a)から吐出された冷媒は、吐出通路(67)内をスクリューロータ(40)の軸方向と平行に吸入側に向かって流れた後、吸入側の端部で折り返して再び吐出側に向かい、高圧空間(S2)に流入する。
【0045】
図3に示す例では、シリンダ部(16)の外周部の上側に位置する2つの吐出通路(67)のうち、左側の吐出通路(67)が吐出側から吸入側に向かう流路であり、右側の吐出通路(67)が吸入側から高圧空間(S2)に向かう流路である。この左右両側の吐出通路(67)は、吸入側の端部で互いに連通している。また、シリンダ部(16)の外周部の下側に位置する2つの吐出通路(67)では、右側の吐出通路(67)が吐出側から吸入側に向かう流路であり、左側の吐出通路(67)が吸入側から高圧空間(S2)に向かう流路である。
【0046】
図2に示すように、ケーシング(11)の高圧空間(S2)は、中空の円筒状に形成された高圧側ケース(27)で構成されている。この高圧側ケース(27)の底部には、油貯留部(28)が設けられている。この油貯留部(28)には、圧縮機構(20)へ供給される潤滑油が貯留されている。
【0047】
そして、吐出通路(67)と高圧空間(S2)とを区画する区画部材(29)内には、油供給路(29a)が形成されている。この油供給路(29a)には、油貯留部(28)に貯留された潤滑油に含まれる異物を捕集して潤滑油を濾過する油フィルタ(25)が取り付けられている。この油フィルタ(25)で異物が捕集された後の潤滑油は、油供給路(29a)を介して玉軸受(61)やスクリューロータ(40)の圧縮室(23)等へ供給される。
【0048】
高圧側ケース(27)の上部には、吐出ポート(27a)が形成されている。また、高圧側ケース(27)内における油貯留部(28)の上方位置で且つ圧縮室(23)の吐出口(23a)と高圧側ケース(27)の吐出ポート(27a)との間には、デミスタ(26)が配置されている。
【0049】
デミスタ(26)は、ガス冷媒から油を分離するものである。具体的に、スライドバルブ(88)の吐出口(23a)から吐出された冷媒は、デミスタ(26)を通過する際に、冷媒に含まれる油がデミスタ(26)に捕捉される。デミスタ(26)に捕捉された油は、高圧側ケース(27)内の油貯留部(28)に回収される。一方、油が分離された後のガス冷媒は、吐出ポート(27a)を介してケーシング(11)外部に吐出される。なお、ケーシング(11)のモータ収容部(31)の上部には、モータ(12)に給電するためのターミナル(35)が取り付けられている。
【0050】
〈油排出機構の構成〉
本実施形態のスクリュー圧縮機(10)は、図5に示すように、油排出機構(100)を備えている。油排出機構(100)は、圧縮機構(20)から漏出してモータ収容部(31)に溜まった潤滑油を、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入されるガス冷媒の流れによって上記圧縮室(23)へ導くためのものである。油排出機構(100)は、油排出路(101)を備えている。油排出路(101)は、ケーシング(11)に形成されている。油排出路(101)は、一端がモータ収容部(31)に溜まった潤滑油と連通し、他端がスクリューロータ(40)の吸入側端部(45)と連通している。より具体的に言うと、油排出路(101)の他端はスクリューロータ(40)における吸入行程の圧縮室(23)と連通している(図6も参照)。
【0051】
−運転動作−
以下、スクリュー圧縮機(10)の運転動作について説明する。図2に示すように、スクリュー圧縮機(10)においてモータ(12)を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここでは、図6において着色した圧縮室(23)に着目して説明する。なお、図6は、図5に示すスクリューロータ(40)を下方から視て示している。
【0052】
図6(a)において、圧縮室(23)は、低圧空間(S1)に連通している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、図6(a)の下側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされている。図6(b)および(c)に示すように、スクリューロータ(40)が回転すると、ゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。つまり、冷媒回路(1)から吸入ポート(11a)を通じて流入し、モータ収容部(31)を流通した低圧ガス冷媒が、スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)において圧縮室(23)へ吸入される。
【0053】
スクリューロータ(40)がさらに回転すると、図6(d)の状態となる。図6(d)において、圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、図6(d)の上側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られている。そして、図6(e)に示すように、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
【0054】
スクリューロータ(40)がさらに回転すると、図6(f)の状態となる。図6(f)において、圧縮室(23)は、吐出口(23a)を介して吐出通路(67)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮されたガス冷媒が圧縮室(23)から吐出通路(67)へ押し出されてゆく。吐出通路(67)を通過したガス冷媒は、高圧空間(S2)に流入する。
【0055】
−油排出動作−
上述した運転中においては、油貯留部(28)から潤滑油が圧縮機構(20)へ供給される。油貯留部(28)はケーシング(11)内の高圧空間(S2)に設けられているため、油貯留部(28)の潤滑油は高圧となる。この油貯留部(28)の潤滑油は、油貯留部(28)と圧縮機構(20)の圧力差によって、圧縮機構(20)へ供給される。そして、圧縮機構(20)へ供給された潤滑油は、圧縮機構(20)を潤滑した後、モータ収容部(31)へ漏出して溜まる。特に、モータ収容部(31)は低圧状態(低圧空間(S1))であるため、圧力差によって、より一層、圧縮機構(20)から潤滑油がモータ収容部(31)へ漏出して溜まりやすくなる。そして、モータ収容部(31)において、油面が上昇してモータ(12)のロータ(14)が潤滑油に浸漬すると、ロータ(14)の撹拌抵抗(撹拌ロス)が生じてしまう。その結果、モータ(12)ひいてはスクリュー圧縮機(10)の運転効率の低下を招いてしまう。
【0056】
ところが、本実施形態によれば、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油は油排出機構(100)によって排出される。具体的に、吸入ポート(11a)から流入した低圧ガス冷媒、即ち低圧空間(S1)を流通する低圧ガス冷媒は、スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)において流速が最大となる。つまり、低圧ガス冷媒は圧縮室(23)の吸入口(24)付近で流速が増加する。そのため、スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)では、低圧ガス冷媒の速い流れによって、油排出路(101)の開口部が圧力低下する。油排出路(101)の開口部が圧力低下すると、モータ収容部(31)の潤滑油が油排出路(101)を通じて引っ張られる(エジェクタ効果)。これにより、モータ収容部(31)の潤滑油は、油排出路(101)を介して吸入側端部(45)へ流出して、低圧ガス冷媒と共に吸入行程の圧縮室(23)へ吸入される(図6(c)参照)。このように、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油は、油排出機構(100)によって、スクリューロータ(40)における吸入行程の圧縮室(23)へ向かって排出される。
【0057】
なお、低圧ガス冷媒と共に圧縮室(23)へ吸入された潤滑油は、吐出口(23a)から高圧ガス冷媒と共に吐出された後、高圧側ケース(27)内においてデミスタ(26)に捕捉されて油貯留部(28)に再び貯留される。
【0058】
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態では、スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される低圧ガス冷媒の流れによって、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油をスクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ導くようにした。そのため、特にスクリューロータ(40)の巻き込み作用が低下する低速回転時(低負荷時)において、モータ収容部(31)から潤滑油を確実に排出することができる。そのため、モータ収容部(31)において油面の上昇を抑制することができる。その結果、モータ(12)のロータ(14)が潤滑油に浸漬することによって生じるロータ(14)の撹拌抵抗(撹拌ロス)を低減することが可能である。これによって、モータ(12)の運転効率ひいてはスクリュー圧縮機(10)の運転効率を向上させることができる。
【0059】
また、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油をスクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入させるようにしたため、その潤滑油を高圧側ケース(27)において捕捉して油貯留部(28)に再び貯留させることができる。そのため、油貯留部(28)の潤滑油の量が減少して圧縮機構(20)が潤滑不良となるのを阻止することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油とスクリューロータ(40)の吸入側端部(45)とを連通させる油排出路(101)をケーシング(11)に形成するようにした。したがって、簡易な構成で、確実にモータ収容部(31)の潤滑油を圧縮室(23)へ向かって排出させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、ケーシング(11)内の高圧空間(S2)に形成された油貯留部(28)の潤滑油を圧縮機構(20)へ供給するようにした。そのため、油貯留部(28)の潤滑油が高圧となり、油貯留部(28)と圧縮機構(20)との圧力差によって、油貯留部(28)の潤滑油を圧縮機構(20)へ供給することができる。これにより、給油ポンプ等の部品が不要となる。
【0062】
一方、油貯留部(28)の潤滑油が高圧であるため、油貯留部(28)から圧縮機構(20)へ供給された潤滑油は低圧のモータ収容部(31)へ漏出しやすくなる。つまり、圧縮機構(20)を潤滑した潤滑油がモータ収容部(31)に一層溜まりやすくなる。ところが、この場合であっても、本実施形態によれば、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油を油排出機構(100)によって排出することができる。
【0063】
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態のスクリュー圧縮機(10)は、上記実施形態1において油排出機構(100)の構成を変更したものである。ここでは、上記実施形態1の油排出機構(100)と異なる点についてのみ説明する。
【0064】
本実施形態の油排出機構(100)は、上記実施形態1の油排出路(101)に代えて、通路可変機構(102)を備えている。図7〜図9に示すように、通路可変機構(102)は、モータ収容部(31)の内周面とモータ(12)のロータ(14)の外周面との間に形成された冷媒通路(37)に設けられている。本実施形態では、モータ(12)のロータ(14)の外周側に複数の通路形成部材(36)が周方向にほぼ等間隔に設けられることによって、複数の冷媒通路(37)が形成されている。この冷媒通路(37)は、駆動軸(21)の軸方向に延びている。モータ収容部(31)では、吸入ポート(11a)から流入した低圧ガス冷媒が各冷媒通路(37)を通ってスクリューロータ(40)の吸入側端部(45)へ流れる。
【0065】
通路可変機構(102)は、図8および図9に示すように、冷媒通路(37)の通路断面積を可変にする回転羽で構成されている。つまり、油排出機構(100)では、回転羽の開度を調節することによって冷媒通路(37)の通路断面積が変化する。
【0066】
そして、モータ収容部(31)において、圧縮機構(20)から漏出した潤滑油が溜まると、幾つかの冷媒通路(37)は潤滑油で満たされ、また幾つかの冷媒通路(37)は潤滑油の油面が存在する(図7参照)。潤滑油の油面が存在する冷媒通路(37)では、油面の上方を低圧ガス冷媒が流通する。
【0067】
本実施形態の油排出機構(100)では、潤滑油の油面が存在する冷媒通路(37)に設けられた通路可変機構(102)が駆動される。つまり、図9に示すように、潤滑油の油面が存在する冷媒通路(37)では、その通路断面積が減少するように通路可変機構(102)が駆動される。このように通路可変機構(102)が駆動された冷媒通路(37)では、図9に矢印で示すように、低圧ガス冷媒の流速が増加して、その速くなった低圧ガス冷媒の流れによって潤滑油が引っ張られる(吹き飛ばされる)。引っ張られた潤滑油は、低圧ガス冷媒と共に、スクリューロータ(40)における吸入行程の圧縮室(23)へ吸入される。その後の動作は上記実施形態1と同様である。以上により、モータ収容部(31)に溜まった潤滑油は、油排出機構(100)によって排出される。これによって、モータ収容部(31)における油面の上昇が抑制される。よって、モータ(12)のロータ(14)が潤滑油に浸漬することによって生じるロータ(14)の撹拌抵抗(撹拌ロス)を低減することができる。
【0068】
なお、潤滑油が引っ張られて油面が存在しなくなった冷媒通路(37)では、図8に示すように、通路可変機構(102)が全開状態となって通路断面積が最大となる。こうすることで、低圧ガス冷媒の流通抵抗を減少させることができる。また、全く潤滑油が介在しない冷媒通路(37)においても、通路断面積が最大となるように通路可変機構(102)が全開状態となる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、本発明は、モータの収容部とスクリューロータのシリンダ部とが横並びに配置されたスクリュー圧縮機について有用である。
【符号の説明】
【0070】
10 スクリュー圧縮機
11 ケーシング
12 モータ
16 シリンダ部
20 圧縮機構
21 駆動軸
23 圧縮室
28 油貯留部
31 モータ収容部
37 冷媒通路(流体通路)
40 スクリューロータ
41 螺旋溝
45 吸入側端部
100 油排出機構
101 油排出路
102 通路可変機構
S2 高圧空間(吐出空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧縮室(23)を形成する複数の螺旋溝(41)が形成されたスクリューロータ(40)を有する圧縮機構と、上記スクリューロータ(40)と駆動軸(21)によって連結されたモータ(12)とを備えると共に、上記スクリューロータ(40)が収容されたシリンダ部(16)と、該シリンダ部(16)と横並びに位置し、上記モータ(12)が収容されたモータ収容部(31)とを有するケーシング(11)を備え、上記流体が上記モータ収容部(31)を流通して上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入されるスクリュー圧縮機であって、
上記圧縮機構(20)を潤滑した後上記モータ収容部(31)に溜まった潤滑油を、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体の流れによって、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ導く油排出機構(100)を備えている
ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
【請求項2】
請求項1において、
上記油排出機構(100)は、上記ケーシング(11)に形成され、上記モータ収容部(31)に溜まった潤滑油と上記スクリューロータ(40)の吸入側端部(45)とを連通させる油排出路(101)を備えている
ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
【請求項3】
請求項1において、
上記モータ収容部(31)では、上記スクリューロータ(40)の圧縮室(23)へ吸入される流体が、潤滑油の油面を流通する流体通路(37)が形成され、
上記油排出機構(100)は、上記流体通路(37)の通路断面積を可変にする通路可変機構(102)を備えている
ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項において、
上記ケーシング(11)内において上記圧縮室(23)から圧縮流体が吐出される吐出空間(S2)に設けられ、上記圧縮機構(20)へ潤滑油を供給する油貯留部(28)を備えている
ことを特徴とするスクリュー圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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