説明

スクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法

【課題】高精度なスキージの平行調整を行うことができ、かつ安価なスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法を提供する。
【解決手段】スキージ91の両端に接続され、スキージ91を昇降させるとともに、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力により上昇する一対の昇降調整機構3と、昇降調整機構3及びスキージ91を所定位置まで昇降させる一対の昇降機構2と、昇降調整機構3の上昇を検出することにより、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力を検出する一対の検出機構4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷テーブル上面に対するスキージ下端縁の平行及び高さを基準位置、いわゆるゼロ点位置に調節するスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機においては、精密な印刷処理を確保するためには、スキージ下端縁が印刷テーブル上面に対して平行になっていなければならない。そして、印刷処理の継続に伴いスキージが摩耗するため、スキージを交換する必要が生じ、その都度、スキージの平行調整が行われている。
【0003】
このスキージ平行調整装置として、従来、特許文献1に記載されたスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置が知られている。このスキージ平行調整装置は、スキージ下端縁を検出する特別な検出装置、例えば、フォトセンサを用いず、スキージを昇降させるステッピングモータが検出装置を兼ねている。このスキージ平行調整装置では、先ずステッピングモータの最大負荷を電流調整ボリュームにより設定する。そして、スキージ平行調整では、スキージを下降させ、スキージが印刷テーブルに圧接されて最大負荷を超えると、ステッピングモータ制御ドライバからアラーム信号が出力される。この出力信号により、スキージの下降を停止することによって、スキージをゼロ点位置に調節している。このスキージ平行調整装置によれば、スキージ下端縁を検出する検出装置を持っていないため、簡単な構造によりスキージの平行調整を行うことができる。
【0004】
また、特許文献2に記載されたスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置も知られている。このスキージ平行調整装置は、スキージの平行度を検出する平行度検出手段が、印刷テーブルに設けられた流体シリンダのロッドに連結された検出移動板と、流体シリンダに隣接して設けた位置検出センサと、検出移動板に設けた受プレートと、から構成されている。そして、この平行度検出手段は、スキージの長手方向に2箇所設けられている。このスキージ平行調整装置では、スキージが下降して受プレートを押し下げ、2つの位置検出センサが同時に下降位置検出ドグを検出したときにスキージの下降を停止することによって、スキージをゼロ点位置に調節している。このスキージ平行調整装置によれば、位置検出センサが受プレートとともに下降する検出移動板に設けた下降位置検出ドグを検出すること、及び2つの位置検出センサが同時に作動するときにスキージの平行度を判定するため、誤動作が少なく高精度なスキージの平行調整を行うことができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−88469号公報
【特許文献2】特開2005−178012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1記載のスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置では、ステッピングモータ制御ドライバから出力されるアラーム信号によりスキージの下降を停止するため、ステッピングモータが脱調してしまい、実際のスキージの位置とステッピングモータへ出力される駆動パルス数とが一致しない場合が生じ得る。そのため、このスキージ平行調整装置では、常に高精度なスキージの平行調整を行うことができるとは限らない。
【0007】
また、上記特許文献2記載のスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置では、平行度検出手段が、別ユニットとして、スキージの長手方向に2箇所設けられているため、部品点数が増加して高価なものになってしまう。
【0008】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高精度なスキージの平行調整を行うことができ、かつ安価なスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、スクリーン印刷機の印刷テーブル上面に対して、スキージの下端縁が平行になるように調整するスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置において、前記スキージの両端に接続され、該スキージを昇降させるとともに、該スキージが前記印刷テーブルから受ける抗力により上昇する一対の昇降調整機構と、該昇降調整機構及び前記スキージを所定位置まで昇降させる一対の昇降機構と、前記昇降調整機構の上昇を検出することにより、前記スキージが前記印刷テーブルから受ける抗力を検出する一対の検出機構と、を備えることである。
【0010】
請求項2に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、請求項1において、前記昇降調整機構は、前記印刷テーブルの上方で該印刷テーブルと垂直方向に延在し、下方側に開口を有する円筒状のアジャストパイプと、該アジャストパイプの上端に固着された駆動モータと、該駆動モータのモータ軸に連結され、外周に雄ねじが形成されたアジャストボルトと、前記アジャストパイプ内を軸方向に移動自在に下方に突出して設けられたアジャストブロックと、を備え、前記アジャストブロックの上端から軸方向にボルト穴が凹設され、該アジャストブロックの上端には、前記アジャストボルトが該ボルト穴内を軸方向に移動自在になるように、該アジャストボルトの雄ねじと螺合する雌ねじが貫設されたアジャストナットが固着され、該アジャストブロックの下端には、該下端と接続するスキーホルダを介して、前記スキージが連結されていることである。
【0011】
請求項3に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、請求項2において、前記駆動モータは、ステッピングモータであることである。
【0012】
請求項4に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、請求項1乃至3において、前記昇降機構は、前記スキージの平行調整が行われている間は前記印刷テーブルからの高さが一定である基準プレートと、前記アジャストパイプに固着されるジョイントブロックにシリンダロッドの先端が固着されるとともに、該基準プレートに固着されている流体シリンダと、を備えることである。
【0013】
請求項5に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、請求項4において、前記流体シリンダは、複動片ロッドのエアシリンダであることである。
【0014】
請求項6に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置の特徴は、請求項1乃至5において、前記検出機構は、前記昇降調整機構又は前記昇降機構の一方には検出プレートが設けられ、他方には該検出プレートを検出するフォトセンサが設けられることである。
【0015】
請求項7に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法の特徴は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のスキージ平行調整装置を用いたスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法であって、両方の前記昇降機構を同時に作動させることにより、両方の前記昇降調整機構を下降させるとともに前記スキージを所定位置まで下降させる第1工程と、両方の前記昇降調整機構を同時に作動させることにより、前記スキージの両端が前記印刷テーブルから受ける抗力を両方の前記検出機構により検出されるまで、該スキージを下降させる第2工程と、一方の前記昇降調整機構を作動させることにより、前記スキージの一端が前記印刷テーブルから受ける抗力を前記検出機構により検出されなくなるまで該スキージの一端を上昇させた後、該スキージの一端が該印刷テーブルから受ける抗力を該検出機構により検出されるまで該スキージの一端を下降させる第1調整ステップと、他方の前記昇降調整機構を作動させることにより、前記スキージの他端が前記印刷テーブルから受ける抗力を前記検出機構により検出されなくなるまで該スキージの他端を上昇させた後、該スキージの他端が該印刷テーブルから受ける抗力を該検出機構により検出されるまで該スキージの他端を下降させる第2調整ステップと、を交互に所定回数繰り返す第3工程と、両方の前記昇降機構を同時に作動させることにより、両方の前記昇降調整機構を上昇させるとともに前記スキージを所定位置まで上昇させる第4工程と、を有することである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、スキージが印刷テーブルから受ける抗力により、スキージの両端に接続された一対の昇降調整機構が上昇するようになっている。そして、一対の検出機構がこの昇降調整機構の上昇を検出することにより、スキージが印刷テーブルから受ける抗力を検出することができるようになっている。そのため、この一対の検出機構が検出する抗力に基づいてスキージの位置調整をすれば、スキージの平行調整を精度よく行うことができる。また、このスキージ平行調整装置においては、一対の検出機構が検出する対象は昇降調整機構の上昇であり、スキージが印刷テーブルから受ける抗力を検出するための別ユニットとしての別途の部品を設ける必要がないため、部品点数を減少させることができる。したがって、このスキージ平行調整装置によれば、高精度なスキージの平行調整を行うことができ、かつ安価なものとすることができる。
【0017】
請求項2に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、アジャストブロックがアジャストパイプ内を軸方向に移動自在に下方に突出して設けられ、アジャストブロックの下端にはスキージホルダを介してスキージが連結されている。また、アジャストパイプの上端に固着された駆動モータのモータ軸に連結されたアジャストボルトがアジャストブロックのボルト穴内を軸方向に移動自在に設けられ、アジャストブロックの上端にはアジャストナットが固着されている。このアジャストナットの雄ねじとアジャストボルトの雌ねじとが螺合するため、駆動モータを正逆転することによりアジャストブロックを昇降させることができ、その結果、スキージを昇降させることができるようになっている。また、スキージが印刷テーブルに当接した後、さらにスキージを下降させようとしても、印刷テーブルによりスキージ及びアジャストブロック等の下降が妨げられ、そのかわりに印刷テーブルから受ける抗力によりアジャストパイプが上昇する。そのため、アジャストパイプの上昇を検出すれば、スキージが印刷テーブルから受ける抗力を検出することができる。
【0018】
請求項3に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、アジャストパイプの上端に固着された駆動モータがステッピングモータであるため、制御が容易である。
【0019】
請求項4に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、昇降機構の基準プレートがスキージの平行調整が行われている間は印刷テーブルからの高さが一定であるため、この基準プレートに対する昇降調整機構の上昇を検出することにより、スキージが印刷テーブルから受ける抗力を検出することができる。また、流体シリンダのシリンダロッドの先端がジョイントブロックに固着されており、このジョイントブロックがアジャストパイプに固着されているため、流体シリンダのシリンダロッドを昇降させることにより昇降調整機構及びスキージを所定位置まで昇降させることができる。
【0020】
請求項5に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、流体シリンダが複動片ロッドのエアシリンダであるため、一方のポートに高圧エアを供給することにより昇降調整機構及びスキージを所定位置まで下降させることができ、他方のポートに高圧エアを供給することにより昇降調整機構及びスキージを所定位置まで上昇させることができる。また、他方のポートに低圧エアを供給することにより、スキージに加わるアジャストパイプ、駆動モータ、ジョイントブロック等の荷重を相殺することができる。そのため、他方のポートに供給されるエア圧を調整することによって、スキージが印刷テーブルから受ける抗力であって、検出可能な抗力の大きさを調整することができる。
【0021】
請求項6に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、昇降調整機構又は昇降機構の一方には検出プレートが設けられ、他方にはフォトセンサが設けられるため、昇降調整機構の上昇、すなわち、スキージが印刷テーブルから受ける抗力を簡単かつ確実に検出できる。
【0022】
請求項7に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法においては、第3工程において、スキージの一端を上昇させた後、印刷テーブルから抗力を受けるまでスキージの一端を下降させる第1調整ステップと、同様の操作をスキージの他端について行う第2調整ステップとが交互に所定回数繰り返されるため、スキージの平行調整をより精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態のスキージ平行調整装置を用いたスクリーン印刷機の正面概要図。
【図2】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、一部拡大断面図。
【図3】実施形態のスキージ平行調整方法のフローチャート。
【図4】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、スキージが所定位置まで下降した状態の一部拡大断面図。
【図5】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、駆動モータの逆転によりスキージが印刷テーブルに当接した状態の一部拡大断面図。
【図6】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、駆動モータの逆転によりスキージが印刷テーブルから抗力を受けている状態の一部拡大断面図。
【図7】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、図6における検出機構の拡大図。
【図8】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、駆動モータの正転によりスキージの印刷テーブルから抗力を除去した状態の一部拡大断面図。
【図9】実施形態のスキージ平行調整装置に係り、図8における検出機構の拡大図。
【図10】実施形態のスキージ平行調整装方法に係り、スキージと印刷テーブルとの関係を示す概要図。
【図11】実施形態のスキージ平行調整装方法に係り、スキージと印刷テーブルとの関係を詳細に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法を具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、実施形態のスキージ平行調整装置1を用いたスクリーン印刷機の正面概要図である。
【0025】
図1に示すように、このスクリーン印刷機は、印刷テーブル90と、印刷テーブル90上に被印刷物を挟んでセットされるスクリーン印刷版(図示なし)の面上を擦動し、その擦動方向(図1前後方向)と垂直方向(図1左右方向)に延在するスキージ91と、スキージ91と同方向に延在し、スキージ91の上端を固定するスキージホルダ92と、スキージホルダ92の両端に設けられ、スキージ91の印刷テーブル90面との角度を調整する一対の角度調整機構93と、スキージ平行調整装置1とを備えている。なお、本実施形態においては、スキージホルダ92の両端に一対の角度調整機構93が設けられているが、角度調整機構93が設けられていなくてもよい。
【0026】
スキージ平行調整装置1は、スキージ91の平行調整を行うとともに被印刷物に印刷処理を行うものであり、スキージ91の両端に設けられた一対の昇降機構2、一対の昇降調整機構3、一対の検出機構4を有している。また、スキージ平行調整装置1に隣接してスクレッパ平行調整装置(図示なし)が設けられている。このスクレッパは、スキージ91と同方向に延在し、スクリーン印刷版の面上を擦動してインクを均一にするものである。スクレッパ平行調整装置は、スキージ平行調整装置1と同様の機械的構成及び動作をしているため、以下においては、スキージ平行調整装置1のみ説明し、スクレッパ平行調整装置の説明を省略する。
【0027】
図2に示すように、昇降機構2は、昇降調整機構3及びスキージ91を所定位置まで昇降させるものであり、アッパプレート10、ロアプレート11、ガイドプレート12、エアシリンダ14、ジョイントブロック20等を有している。アッパプレート10は、印刷テーブル90上面と平行に配設され、スキージ91の平行調整が行われている間は印刷テーブル90からの高さが一定である。このアッパプレート10は、ガイドプレート12により、印刷テーブル90上面と平行に配設されたロアプレート11と固着されている。したがって、アッパプレート10、ロアプレート11、ガイドプレート12は、スキージ平行調整の間は印刷テーブル90からの高さが一定である。ガイドプレート12には、後述するガイド21を案内するレール13が印刷テーブル90上面と垂直方向に延在して設けられている。ここで、アッパプレート10が「基準プレート」である。
【0028】
アッパプレート10の下面には、シリンダロッド15を下方に突出させて、複動片ロッドのエアシリンダ14が固着されている。エアシリンダ14の下方にはジョイントブロック20が配設され、ジョイントブロック20とシリンダロッド15の先端とがフローティングジョイント16を介して固着されている。また、ジョイントブロック20のガイドプレート12側には、レール13に案内されるガイド21が設けられている。このレール13とガイド21とにより、ジョイントブロック20の滑らかな上下運動が確保される。そして、ジョイントブロック20のガイドプレート12と反対側は、昇降調整機構3の後述するロアパイプ30に固着されている。そのため、エアシリンダ14を作動させることにより、昇降調整機構3及びスキージ91を所定位置まで昇降させることができる。例えば、エアシリンダ14のヘッド側(上方)ポートから高圧エアを供給することにより、昇降調整機構3及びスキージ91を所定位置まで下降させることができる。また、エアシリンダ14のロッド側(下方)ポートから高圧エアを供給することにより、昇降調整機構3及びスキージ91を所定位置まで上昇させることができる。さらには、エアシリンダ14のロッド側(下方)ポートから低圧エアを供給することにより、スキージ91に加わるジョイントブロック20、後述するロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32等の荷重を相殺することができる。また、このロッド側(下方)ポートから供給する低圧エアのエア圧を調整することによって、スキージ91に加わるジョイントブロック20等の荷重を調整することができ、その結果、後述するように、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力であって、検出可能な抗力の大きさを調整することができるようになっている。ここで、エアシリンダ14が「流体シリンダ」である。
【0029】
昇降調整機構3は、スキージ91の両端に各々接続され、ロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、アジャストブロック35、アジャストボルト33、アジャストナット36等を有している。ロアパイプ30は円筒状をなし、印刷テーブル90の上方で印刷テーブル90上面と垂直方向に延在し、その上端にアッパパイプ31が接続されている。アッパパイプ31の上端には、モータ軸をアッパパイプ31内に挿入して、ステッピングモータ32が固着されている。ロアパイプ30内には、ロアパイプ30の下方に突出してアジャストブロック35が設けられている。このアジャストブロック35とロアパイプ30との間にはブッシュ37が設けられ、これによりアジャストブロック35はロアパイプ30内を軸方向に自由に移動できるようになっている。また、アジャストブロック35の上端からは軸方向にボルト穴35aが凹設されている。そして、アジャストブロック35の上端には、軸方向に雌ねじが貫設されたアジャストナット36が固着されている。さらに、ステッピングモータ32のモータ軸には、外周に雄ねじが形成されたアジャストボルト33がスラストベアリング34を介して連結されている。このアジャストボルト33の雄ねじとアジャストナット36の雌ねじが螺合するとともに、アジャストボルト33がボルト穴35a内を軸方向に自由に移動できるようになっている。一方、アジャストブロック35の下端にはスキージホルダ92を介してスキージ91が連結されている。また、ロアパイプ30には、アジャストブロック35の上昇及び下降を規制する上下限センサ38が上下に設けられている。ここで、ロアパイプ30とアッパパイプ31とが「アジャストパイプ」であり、ステッピングモータ32が「駆動モータ」である。なお、「駆動モータ」は、ステッピングモータ32に限られず、例えばサーボモータであってもよい。
【0030】
上記の機械的構成をした昇降調整機構3では、ステッピングモータ32を逆転させると、モータ軸に連結されたアジャストボルト33が逆転する。そして、アジャストボルト33の雄ねじとアジャストナット36の雌ねじが螺合しているため、アジャストナット36が下降する。これにより、アジャストブロック35がロアパイプ30内を下降し、スキージ91が下降することになる。また、ステッピングモータ32を正転させると、モータ軸に連結されたアジャストボルト33が正転して、アジャストナット36が上昇する。これにより、アジャストブロック35がロアパイプ30内を上昇し、スキージ91が上昇することになる。なお、本実施形態においては、ステッピングモータ32側から見たモータ軸が右回転する場合を正転、左回転する場合を逆転としている。
【0031】
また、ステッピングモータ32を逆転させてスキージ91を下降させ、スキージ91が印刷テーブル90に当接した後、さらにステッピングモータ32を逆転させると、印刷テーブル90によりスキージ91及びアジャストブロック35等の下降が妨げられ、そのかわりにスキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力によりロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が上昇する。さらに、この状態、すなわち印刷テーブル90から受ける抗力によりロアパイプ30等が上昇している状態から、ステッピングモータ32を正転させると、ロアパイプ30等が下降し、それに伴って、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力が小さくなる。
【0032】
検出機構4は、ドグ41と検出センサ40とを有している。ドグ41は、鋼板からなり、昇降調整機構3のロアパイプ30の上端側に軸方向に垂直に突出して固着されている。また、検出センサ40は昇降機構2のアッパプレート10の上面に固着されている。ロアパイプ30が移動して、ドグ41が検出センサ40により検出される状態を検出センサ40のON状態といい、ドグ41が検出センサ40により検出されない状態を検出センサ40のOFF状態という。このように、アッパプレート10がスキージ91の平行調整が行われている間は印刷テーブル90からの高さが一定であるため、このアッパプレート10に検出センサ40を固着し、ロアパイプ30にドグ41を固着すれば、アッパプレート10に対するロアパイプ30の上昇を検出することができ、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力を検出することができる。ここで、ドグ41が「検出プレート」である。なお、検出センサ40としては、フォトセンサ、ファイバセンサ、近接スイッチ、リミットスイッチ等を採用することができる。
【0033】
上記の機械的構成をしたスキージ平行調整装置1を用いたスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。スクリーン印刷機の前面に配置された操作パネル(図示なし)上のスキージ平行調整スイッチを押すと、スキージ平行調整装置1が印刷テーブル90上の中央位置(スキージ91の擦動方向の中央位置)に移動される。その際、両方のエアシリンダ14のロッド側(下方)ポートから高圧エアを同時に供給するとともに、両方のステッピングモータ32を同時に正転させる。これにより、両方の昇降調整機構3及びスキージ91が所定位置まで上昇させられ、図1、2に示される状態にされる。なお、スキージ平行調整装置1が移動される位置は、印刷テーブル90上の中央位置に限られず、印刷テーブル90上であれば任意の位置でよい。
【0034】
図1、2に示される状態にされると、図3に示すフローチャートの内容が実行される。ステップS1においては、両方のエアシリンダ14のヘッド側(上方)ポートから高圧エアを同時に供給することにより、図4に示すように、両方の昇降調整機構3及びスキージ91を一体として所定位置まで下降させる。すなわち、ロアパイプ30、アジャストブロック35、スキージ91等がその相対位置が変えられることなく、所定位置まで下降される。その結果、スキージ91の下端縁と印刷テーブル90の上面とは、間隙L1を有して対向する。昇降調整機構3の下降に伴い、ドグ41が検出センサ40の下方に移動する。また、エアシリンダ14のロッド側(下方)ポートから低圧エアを供給する。これにより、スキージ91に加わるジョイントブロック20、ロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32等の荷重を相殺することができる。ここで、ステップS1が「第1工程」である。
【0035】
ステップS2においては、両方の検出センサ40がONになるまで、両方のステッピングモータ32を同時に逆転させる。すなわち、スキージ91の両端が印刷テーブル90から受ける抗力を両方の検出センサ40により検出されるまで、スキージ91を下降させる。詳細に説明すると、まず、ステッピングモータ32を逆転させる。これにより、アジャストボルト33が逆転し、アジャストナット36が下降する。アジャストナット36が下降すると、アジャストブロック35がロアパイプ30内を下降し、スキージ91が下降する。その結果、図5に示すように、スキージ91が印刷テーブル90に当接し、間隙L1がゼロになる。この時点においては、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力はゼロであり、ドグ41は検出センサ40の下方に位置したままである。
【0036】
さらにステッピングモータ32を逆転させると、印刷テーブル90によりスキージ91及びアジャストブロック35等の下降が妨げられ、そのかわりにスキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力によりロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が上昇する。その結果、図6、7に示すように、検出センサ40がONになり、ステッピングモータ32が停止される。以上の動作が、両方の昇降調整機構3について独立に同時に行われる。なお、ロッド側(下方)ポートから供給する低圧エアのエア圧を調整することによって、スキージ91に加わるジョイントブロック20等の荷重を調整することができ、その結果、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力であって、検出センサ40により検出可能な抗力の大きさを調整することができる。また、ステップS2においては、スループットの向上のため、ステッピングモータ32は高速駆動される。ここで、ステップS2が「第2工程」である。
【0037】
ステップS3においては、図1における図面左側(以下、一方という)の検出センサ40がOFFになるまで、一方のステッピングモータ32を正転させる。すなわち、スキージ91の一端(図1におけるスキージ91の左端、以下同じ)が印刷テーブル90から受ける抗力を一方の検出センサ40により検出されなくなるまで、一方のステッピングモータ32を正転させる。この際、アジャストボルト33が正転するが、スキージ91は印刷テーブル90から受ける抗力と等しい大きさの力で印刷テーブル90を押しているため、スキージ91、アジャストブロック35等は上昇しない。そのかわりに、ロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が下降する。その結果、図8、9に示すように、一方の検出センサ40がOFFになり、一方のステッピングモータ32が停止される。
【0038】
ステップS4においては、一方の検出センサ40がONになるまで、一方のステッピングモータ32を逆転させる。すなわち、スキージ91の一端が印刷テーブル90から受ける抗力を一方の検出センサ40により検出されるまで、一方のステッピングモータ32を正転させる。この際、アジャストボルト33が逆転するが、印刷テーブル90によりスキージ91及びアジャストブロック35等の下降が妨げられ、そのかわりにスキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力によりロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が上昇する。その結果、図6、7に示すように、一方の検出センサ40がONになり、一方のステッピングモータ32が停止される。ここで、ステップS3、4が「第1調整ステップ」である。
【0039】
ステップS5においては、図1における図面右側(以下、他方という)の検出センサ40がOFFになるまで、他方のステッピングモータ32を正転させる。すなわち、スキージ91の他端(図1におけるスキージ91の右端、以下同じ)が印刷テーブル90から受ける抗力を他方の検出センサ40により検出されなくなるまで、他方のステッピングモータ32を正転させる。この際、アジャストボルト33が正転するが、スキージ91は印刷テーブル90から受ける抗力と等しい大きさの力で印刷テーブル90を押しているため、スキージ91、アジャストブロック35等は上昇しない。そのかわりに、ロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が下降する。その結果、図8、9と同様に、他方の検出センサ40がOFFになり、他方のステッピングモータ32が停止される。
【0040】
ステップS6においては、他方の検出センサ40がONになるまで、他方のステッピングモータ32を逆転させる。すなわち、スキージ91の他端が印刷テーブル90から受ける抗力を他方の検出センサ40により検出されるまで、他方のステッピングモータ32を正転させる。この際、アジャストボルト33が逆転するが、印刷テーブル90によりスキージ91及びアジャストブロック35等の下降が妨げられ、そのかわりにスキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力によりロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が上昇する。その結果、図6、7と同様に、他方の検出センサ40がONになり、他方のステッピングモータ32が停止される。ここで、ステップS5、6が「第2調整ステップ」である。また、ステップS3〜6においては、さらに高精度なスキージ91の平行調整を確保するため、ステッピングモータ32は低速駆動される。
【0041】
ステップS7においては、ステップS3〜6の処理が所定回数行われた否かが調べられる。この所定回数が少なすぎる場合は高精度なスキージの平行調整が確保できず、多すぎる場合はスループットが低下する。発明者の実験によれば、所定回数は3〜5回が望ましく、本実施形態においては3回である。ステップS3〜6の処理が所定回数行われた場合(Y)はステップS8が実行され、所定回数行われない場合(N)はステップS3に戻される。ここで、ステップS3〜7が「第3工程」である。
【0042】
ステップS8においては、両方のエアシリンダ14のロッド側(下方)ポートから高圧エアを同時に供給することにより、両方の昇降調整機構3及びスキージ91を一体として所定位置まで上昇させる。すなわち、ロアパイプ30、アジャストブロック35、スキージ91等がその相対位置が変えられることなく、所定位置まで上昇される。その結果、図1、2に示される状態にされ、すべての処理が終了される。ここで、ステップS8が「第4工程」である。
【0043】
次に、各ステップにおけるスキージ91と印刷テーブル90との関係を、図10を用いて説明する。ステップS1の終了時においては、図10(1)に示すように、スキージ91と印刷テーブル90とは間隙L1を有して対向している。ステップS2の終了時においては、図10(2)に示すように、スキージ91と印刷テーブル90とは密接しており、スキージ91の両端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けている。また、ステップS3の終了時においては、図10(3)に示すように、スキージ91の一端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けていない。なお、この図においては、便宜的にスキージ91の一端と印刷テーブル90とを離しているが、実際にはスキージ91の一端と印刷テーブル90とは当接した状態である。ステップS4の終了時においては、図10(4)に示すように、スキージ91の一端と印刷テーブル90とは再度密接し、スキージ91の一端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けている。そして、ステップS5の終了時においては、図10(5)に示すように、スキージ91の他端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けていない。なお、この図においては、便宜的にスキージ91の他端と印刷テーブル90とを離しているが、実際にはスキージ91の他端と印刷テーブル90とは当接した状態である。ステップS6の終了時においては、図10(6)に示すように、スキージ91の他端と印刷テーブル90とは再度密接し、スキージ91の他端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けている。そして、ステップS3〜S6(図10(3)〜(6))が所定回数繰り返されて、スキージ91の平行調整が終了する。なお、このスキージ91の平行調整の間、各ステップにおける両ステッピングモータ32の駆動パルス数は、制御装置(図示なし)内のメモリに記憶される。そして、これらの駆動パルス数に被印刷物固有のパルス数、両ドグ41及び検出センサ40の取付け誤差等の補正パルス数を加えた結果に基づいて、その被印刷物の印刷時における両ステッピングモータ32の駆動パルス数が計算される。
【0044】
上記のように、ステップS3〜S6を所定回数繰り返す理由を、図11を用いて説明する。図11において、92a、92bはスキージホルダ92の両端における両昇降調整機構3との接合点である。ステップS2において、一方の検出センサ40が先にONになったとする。このとき、図11の点線で示すように、スキージ91の一端と印刷テーブル90とは密接し、スキージ91の一端は印刷テーブル90から所定の抗力を受けている。次いで、他方の検出センサ40がONになると、図11の実線で示すように、スキージ91の他端と印刷テーブル90とは密接し、スキージ91の他端は印刷テーブル90から所定の抗力を受ける。この際、スキージホルダ92は、接合点92aを中心に回転する状態となり、接合点92aとスキージ91の一端が離れていることから、スキージ91の一端は距離L2だけ下降する。実際には、印刷テーブル90があるため、スキージ91の一端は下降することはできず、距離L2の下降に相当する抗力をさらに受けることになる。そして、ロアパイプ30、アッパパイプ31、ステッピングモータ32、ジョイントブロック20等が、増加した抗力に相当する分だけ上昇する。このように、ステップS2において、両検出センサ40が同時にONしない場合、先にONした検出センサ40側のスキージ91の調整がずれてしまうため、ステップS3〜S6を所定回数繰り返して、スキージ91の平行調整の精度を向上させている。
【0045】
実施形態に係るスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置においては、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力により、スキージ91の両端に接続された一対のロアパイプ30等が上昇するようになっている。そして、一対の検出センサ40がこのロアパイプ30の上昇を検出することにより、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力を検出することができるようになっている。そのため、この一対の検出センサ40が検出する抗力に基づいてスキージ91の位置調整をすれば、スキージ91の平行調整を精度よく行うことができる。また、このスキージ平行調整装置1においては、一対のドグ41及び検出センサ40が検出する対象はロアパイプ30の上昇であり、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力を検出するための別ユニットとしての別途の部品を設ける必要がないため、部品点数を減少させることができる。したがって、このスキージ平行調整装置によれば、高精度なスキージの平行調整を行うことができ、かつ安価なものとすることができる。
【0046】
また、このスキージ平行調整装置においては、アジャストブロック35がロアパイプ30内を軸方向に移動自在に下方に突出して設けられ、アジャストブロック35の下端にはスキージホルダ92を介してスキージ91が連結されている。また、アッパパイプ31の上端に固着されたステッピングモータ32のモータ軸に連結されたアジャストボルト33がアジャストブロック35のボルト穴35a内を軸方向に移動自在に設けられ、アジャストブロック35の上端にはアジャストナット36が固着されている。このアジャストナット36とアジャストボルト33とが螺合するため、ステッピングモータ32を正逆転することによりアジャストブロック35を昇降させることができ、その結果、スキージ91を昇降させることができるようになっている。また、スキージ91が印刷テーブル90に当接した後、さらにスキージ90を下降させようとしても、印刷テーブル90によりスキージ91及びアジャストブロック35等の下降が妨げられ、そのかわりに印刷テーブル90から受ける抗力によりアジャストブロック35が上昇する。そのため、アジャストブロック35の上昇を検出すれば、スキージ91が印刷テーブル90から受ける抗力を検出することができる。
【0047】
さらに、このスキージ平行調整方法においては、第3工程において、スキージ91の一端を上昇させた後、印刷テーブル90から抗力を受けるまでスキージ91の一端を下降させるステップS3、4と、同様の操作をスキージ91の他端について行うステップ5、6とが交互に所定回数繰り返されるため、スキージ91の平行調整をより精度よく行うことができる。
【0048】
なお、本実施形態においては、両検出センサ40がONの状態、すなわち、スキージ91の両端が印刷テーブル90から抗力を受けている状態においてスキージ91の平行調整を終了しているが、両検出センサ40がOFFの状態、すなわち、スキージ91の両端が印刷テーブル90から抗力を受けていない状態においてスキージ91の平行調整を終了することもできる。
【0049】
以上、本発明のスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置及びスキージ平行調整方法を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1…スキージ平行調整機構、3…昇降調整機構、30、31…アジャストパイプ(30…ロアパイプ、31…アッパパイプ)、32…駆動モータ(ステッピングモータ)、33…アジャストボルト、35…アジャストブロック、35a…ボルト穴、36…アジャストナット、2…昇降機構、10…基準プレート(アッパプレート)、14…流体シリンダ(エアシリンダ)、15…シリンダロッド、20…ジョイントブロック、4…検出機構、41…検出プレート(ドグ)、40…検出センサ、90…印刷テーブル、91…スキージ、92…スキージホルダ、S1…第1工程、S2…第2工程、S3〜7…第3工程(S3、4…第1調整ステップ、S5、6…第2調整ステップ)、S8…第4工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン印刷機の印刷テーブル上面に対して、スキージの下端縁が平行になるように調整するスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置において、
前記スキージの両端に接続され、該スキージを昇降させるとともに、該スキージが前記印刷テーブルから受ける抗力により上昇する一対の昇降調整機構と、
該昇降調整機構及び前記スキージを所定位置まで昇降させる一対の昇降機構と、
前記昇降調整機構の上昇を検出することにより、前記スキージが前記印刷テーブルから受ける抗力を検出する一対の検出機構と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記昇降調整機構は、前記印刷テーブルの上方で該印刷テーブルと垂直方向に延在し、下方側に開口を有する円筒状のアジャストパイプと、
該アジャストパイプの上端に固着された駆動モータと、
該駆動モータのモータ軸に連結され、外周に雄ねじが形成されたアジャストボルトと、
前記アジャストパイプ内を軸方向に移動自在に下方に突出して設けられたアジャストブロックと、を備え、
前記アジャストブロックの上端から軸方向にボルト穴が凹設され、
該アジャストブロックの上端には、前記アジャストボルトが該ボルト穴内を軸方向に移動自在になるように、該アジャストボルトの雄ねじと螺合する雌ねじが貫設されたアジャストナットが固着され、
該アジャストブロックの下端には、該下端と接続するスキーホルダを介して、前記スキージが連結されていることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記駆動モータは、ステッピングモータであることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項4】
請求項1乃至3において、
前記昇降機構は、前記スキージの平行調整が行われている間は前記印刷テーブルからの高さが一定である基準プレートと、
前記アジャストパイプに固着されるジョイントブロックにシリンダロッドの先端が固着されるとともに、該基準プレートに固着されている流体シリンダと、を備えることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記流体シリンダは、複動片ロッドのエアシリンダであることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項6】
請求項1乃至5において、
前記検出機構は、前記昇降調整機構又は前記昇降機構の一方には検出プレートが設けられ、他方には該検出プレートを検出するフォトセンサが設けられることを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載のスキージ平行調整装置を用いたスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法であって、
両方の前記昇降機構を同時に作動させることにより、両方の前記昇降調整機構を下降させるとともに前記スキージを所定位置まで下降させる第1工程と、
両方の前記昇降調整機構を同時に作動させることにより、前記スキージの両端が前記印刷テーブルから受ける抗力を両方の前記検出機構により検出されるまで、該スキージを下降させる第2工程と、
一方の前記昇降調整機構を作動させることにより、前記スキージの一端が前記印刷テーブルから受ける抗力を前記検出機構により検出されなくなるまで該スキージの一端を上昇させた後、該スキージの一端が該印刷テーブルから受ける抗力を該検出機構により検出されるまで該スキージの一端を下降させる第1調整ステップと、
他方の前記昇降調整機構を作動させることにより、前記スキージの他端が前記印刷テーブルから受ける抗力を前記検出機構により検出されなくなるまで該スキージの他端を上昇させた後、該スキージの他端が該印刷テーブルから受ける抗力を該検出機構により検出されるまで該スキージの他端を下降させる第2調整ステップと、を交互に所定回数繰り返す第3工程と、
両方の前記昇降機構を同時に作動させることにより、両方の前記昇降調整機構を上昇させるとともに前記スキージを所定位置まで上昇させる第4工程と、を有することを特徴とするスクリーン印刷機におけるスキージ平行調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−110901(P2011−110901A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271657(P2009−271657)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000219783)東海精機株式会社 (18)
【出願人】(000219772)東海商事株式会社 (21)
【Fターム(参考)】