説明

スクリーン装置

【課題】スクリーンを円滑に周回させることができるとともに、装置全体を小型にすることができるスクリーン装置を提供する。
【解決手段】フレームに一対の回転軸24,25を平行に支持するとともに、それらの回転軸24,25間に無端状のスクリーン26を掛装し、回転軸24,25の回転により、スクリーン26が周回されるように構成する。フレーム11には、スクリーン26の裏面を支持する支持部材31を設ける。その支持部材31を透明材または半透明材によって構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広告等のために屋外や屋内に設置されるスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスクリーン装置としては、例えば、以下の従来構成が知られている。
第1の従来構成においては、フレームに一対の回転軸が間隔をおいて平行に支持されている。両回転軸間には、宣伝広告等の表示を施した無端状のスクリーンが掛装されている。そして、モータの駆動によってスクリーンが回転軸間を周回されるようになっている。
【0003】
また、従来のスクリーン装置としては、例えば特許文献1に開示されるような構成も提案されている。この第2の従来構成においては、箱形のケース内の前面側に一対の前側回転軸が上下に間隔をおいて配設されるとともに、ケース内の後部には、スクリーンの後部周回部に接触して、そのスクリーンを緊張状態に保持するための複数のローラが設けられている。各回転軸及びローラ間には、宣伝広告等の表示を施した無端状のスクリーンが掛装されている。そして、回転軸がモータによって回転されることにより、スクリーンが周回されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−368986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前述した従来のスクリーン装置においては、次のような問題があった。
第1の従来構成では、間隔をおいて平行に延びる一対の回転軸間に無端状のスクリーンが全体として扁平状をなすように掛装されている。このため、スクリーン装置に風が当たると、スクリーンにバタつきが生じたり、スクリーンが雨水によって濡れたときにはバタつきによってスクリーンどうしの貼り付きが生じたりして、モータに大きな負荷がかかるという問題があった。この問題は、スクリーン装置が屋内に設置された場合において、空調装置からの送風を受けた際にも発生するが、特に、スクリーン装置が屋外に設置された場合において、強風を受けたときに顕著に発生する。
【0006】
また、第2の従来構成では、スクリーンの後部側を案内するガイドローラが上下の回転軸間から後方に変位して設けられているため、スクリーンの後部側が前部側から離隔される。その結果、スクリーンどうしの貼り付きは防止できるが、スクリーン装置の前後方向の寸法が大きくなって、装置全体が大型になるという問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、スクリーンをバタつきや貼り付きが生じることなく円滑に周回させることができるとともに、装置全体を小型にすることができ、しかも外観に優れたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、フレームに一対の回転軸を平行に支持するとともに、それらの回転軸間に無端状のスクリーンを掛装し、回転軸の回転により、前記スクリーンが回転軸間を周回されるようにしたスクリーン装置において、前記フレームには前記スクリーンの裏面を支持する支持部材を設け、その支持部材を透明材または半透明材によって構成したことを特徴としている。
【0009】
従って、この発明のスクリーン装置においては、モータにより回転軸が回転されると、スクリーンが回転軸間の位置において裏面側を支持部材により支持された状態で周回される。このため、スクリーン装置が屋内に設置された場合において、空調装置からの送風を受けた際、あるいは、スクリーン装置が屋外に設置された場合において、強風を受けた際等にも、スクリーンにバタつきや貼り付きが生じるおそれはない。よって、モータに負担がかかるおそれを防止することができる。そして、スクリーンの前部側と後部側との間の支持部材によって、スクリーンの裏面が支持されるため、後部側に変位する位置におけるガイドローラは不要である。このため、スクリーン装置の前後方向の寸法が小さくなって、装置全体を小型にすることができる。
【0010】
また、支持部材が透明材または半透明材によって構成されているため、スクリーンの表面側に支持部材やその影が浮き出ることを抑制することができて、スクリーンに施された宣伝広告等の表示機能を良好に維持することができる。
【0011】
前記の構成において、前記フレームには、前記スクリーンの裏面に散水するための散水手段を設けるとよい。
前記の構成において、前記支持部材をフレームの左右の支柱部間に架設し、その支持部材には水抜き孔を上下方向に貫設するとよい。
【0012】
前記支持部材をポリカーボネートによって構成するとよい。
前記支持部材の側面にスクリーンから受ける圧力を検出するための検出手段を設け、その検出手段が所定値以上の圧力を検出したときに、スクリーンを周回させるためのモータが停止されるようにするとよい。
【0013】
前記検出手段が所定値以上の圧力を検出したときに、前記散水手段に対する給水が停止されるようにするとよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、スクリーンを周回させるためのモータに過負荷がかかることを防止できるとともに、装置全体を小型にすることができ、しかも良好な表示機能を維持できるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態のスクリーン装置を示す斜視図。
【図2】図1のスクリーン装置の拡大縦断面図。
【図3】図2の3−3線における断面図。
【図4】図2の4−4線における拡大断面図。
【図5】支持部材及びその取付構造を拡大して示す要部分解斜視図。
【図6】第2実施形態のスクリーン装置を示す斜視図。
【図7】図6のスクリーン装置の拡大縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化したスクリーン装置の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、この実施形態のスクリーン装置10は、フレーム11を備えている。このフレーム11は、上下に平行に延びる左右一対の支柱部12,13と、両支柱部12,13の上端部間に架設された上枠部14と、両支柱部12,13の下端部間に架設された下枠部15とにより、全体として四角枠状をなすように構成されている。
【0018】
図3〜図5に示すように、前記フレーム11における支柱部12,13及び上枠部14の内面の前後両側縁には、後述するスクリーン26の幅方向の両側縁を覆うための一対の断面ほぼL字形の遮蔽板17が溶接固定され、支柱部12,13及び上枠部14の全長にわたって延びている。図2及び図3に示すように、フレーム11の下枠部15は、四角筒状の金属材により構成されている。
【0019】
図1〜図3に示すように、前記フレーム11の両支柱部12,13の下端部には脚板18が溶接固定され、各脚板18には複数の取付孔18aが形成されている。屋外等におけるスクリーン装置10の設置箇所の地面には、基礎コンクリート19が打設されている。基礎コンクリート19の上面には、モルタルよりなる左右一対の支持座20が突出形成されている。基礎コンクリート19及び各支持座20には複数のアンカーボルト21が、それらの先端ネジ部を支持座20の上面から突出させた状態で埋設されている。
【0020】
そして、各支持座20上に支柱部12,13の下端の脚板18が載置されるとともに、脚板18上の各取付孔18aにアンカーボルト21が挿通された状態で、各アンカーボルト21の先端ネジ部にナット22が螺合されている。この螺合により、スクリーン装置10のフレーム11が基礎コンクリート19上に設置固定されている。この状態で、基礎コンクリート19の周囲がフレーム11の下枠部15の上面付近まで埋め戻されるとともに、その埋め戻し部の上面に栗石23が敷設されている。
【0021】
図1〜図3に示すように、前記フレーム11の両支柱部12,13の上端部間には、円筒状の上部回転軸24が水平な軸線上で回転可能に支持されている。両支柱部12,13の下端部間には、円筒状の下部回転軸25が上部回転軸24と平行な水平軸線上で回転可能に支持されている。上部回転軸24及び下部回転軸25の両端部には、一対のフランジ部24a,25aが設けられている。両回転軸24,25間には、塩化ビニール等の合成樹脂よりなる無端帯状のスクリーン26が掛装されている。スクリーン26は経糸と緯糸とよりなる合成樹脂製の布材や網材により構成され、その表面には宣伝広告等の表示が施されている。スクリーン26の経糸と緯糸との間には、0.3〜3mm程度の細隙(糸間の目)が形成されている。
【0022】
図1及び図2に示すように、前記右側の支柱部13の上端内側面には、モータ27がそのほぼ全体を上部回転軸24の内部に収容した状態で支持されている。そして、このモータ27によって上部回転軸24が回転されることにより、スクリーン26が両回転軸24,25間で周回される。この場合、スクリーン26の幅方向の両側縁が両回転軸24,25の両端のフランジ部24a,25aに当接することにより、スクリーン26の左右位置が規制される。また、図4に示すように、スクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bの両側縁が両支柱部12,13上の遮蔽板17の内側に配置されることにより、各周回部26a,26bの両側縁が外部から見えないように覆われるとともに、その両側縁の外側へのバタつきが規制される。
【0023】
図1〜図3に示すように、前記スクリーン26の周回域内において、両支柱部12,13間の上部には散水手段としての散水装置28が支持されている。この散水装置28は、両支柱部12,13間に架設された金属材よりなる四角筒状の導水管29と、その導水管29の下側に長さ方向へ所定間隔おきに突設された複数のミスト噴射ノズル30とを備えている。導水管29の一端には、導水管29内に水を供給するための図示しない給水ホースが接続されている。
【0024】
そして、この給水ホースに接続された図示しない電磁バルブが開放されることにより、散水装置28の導水管29内に水が供給されて、その水が各ミスト噴射ノズル30からスクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bの裏面に向けてミスト状に散布される。また、この水が気化されることにより、空気から気化熱が奪われて、周囲の空気が冷却される。それとともに、スクリーン26の表面が冷熱輻射面になって、周囲に対して輻射冷熱効果が与えられる。
【0025】
図2〜図5に示すように、前記スクリーン26の周回域内において、散水装置28の下方に位置するように、両支柱部12,13間には上下一対の支持部材31が架設されている。すなわち、図5に示すように、両支柱部12,13の内側面にはほぼL字状のブラケット32が複数のネジ33により取り付けられ、そのブラケット32に対して支持部材31の両端部が複数のネジ34により固定されている。各支持部材31は、透明または半透明の硬質合成樹脂材により形成されている。この実施形態において、各支持部材31は耐候性に優れたポリカーボネートによって構成されている。各支持部材31には、その長さ方向に沿って複数の水抜き孔31aが上下方向に貫設されている。そして、両支持部材31によりスクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bが裏面側から支持されて、その前側周回部26a及び後側周回部26bのバタつきや貼り付きを防止できるようになっている。
【0026】
図2〜図4に示すように、前記上側の支持部材31における前後両側面のほぼ中央部には、スクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bのバタつきを検出するための検出手段としてのタッチセンサ35が設けられている。そして、スクリーン26の周回動作中に、タッチセンサ35が、スクリーン26から規定値以上の圧力を受けて、それが検出されたとき、モータ27が停止されて、スクリーン26の周回動作が中断されるとともに、前記電磁バルブが閉じられて前記ミスト噴射ノズル30に対する給水が停止され、ミスト散布が停止されるようになっている。
【0027】
図2に示すように、前記フレーム11の支柱部12,13の両側において、栗石23の下部には一対の排水管36が埋設され、各排水管36の上部には複数の集水孔36aが形成されている。そして、栗石23上に落下した水が、集水孔36aから排水管36内に回収されて、排水処理されるようになっている。
【0028】
次に、前記のように構成されたスクリーン装置の機能を説明する。
さて、このスクリーン装置10が屋外や屋内の所要箇所に設置された状態で、フレーム11の側部,あるいは図示しない制御ボックス等に設けられた図示しない運転開始ボタンがオンされると、モータ27により上部回転軸24が回転されて、両回転軸24,25間に掛装されたスクリーン26が回転軸24,25間において周回移動される。それとともに、図示しない電磁バルブが開放されると、散水装置28のミスト噴射ノズル30からスクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bの裏面に水がミスト状に散布されて、スクリーン26の全面が湿潤される。そして、スクリーン26の周回にともない、スクリーン26に接触する空気によって水が気化されて、その空気から気化熱が奪われることにより、空気が冷却されるとともに、スクリーン26から周囲に輻射冷熱が与えられる。
【0029】
このとき、スクリーン26の前側周回部26a及び後側周回部26bは、上下一対の支持部材31により裏面側から支持された状態で周回移動される。よって、屋内に設置されたスクリーン装置10に対して空調装置から送風が吹き付けた場合、あるいは、屋外に設置されたスクリーン装置10に対して強風が吹き付けた場合でも、スクリーン26がバタつくことなく保持されるとともに、スクリーン26の前後の部分が水を介在して貼り付くことを防止できる。スクリーン26に保持されない余分な水は、支持部材31の水抜き孔31aを通して落下される。
【0030】
また、このスクリーン26の周回動作中に、スクリーン26の前側周回部26aまたは後側周回部26bが規定値を超えて大きくバタついた場合には、タッチセンサ35の検出に基づいてモータ27が停止され、スクリーン26の周回動作が中断されるとともに、ミスト噴射ノズル30からの散水が中断される。タッチセンサ35による検出状態が終了されると、スクリーン26の周回及びミスト噴射ノズル30からの散水が再開される。
【0031】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このスクリーン装置においては、モータ27によって回転軸24,25が回転されることにより、スクリーン26が裏面側を支持部材31によって支持された状態で、一対の回転軸24,25間によって周回されるようになっている。このため、スクリーン装置10が屋内に設置された場合において、空調装置からの送風を受けた際、あるいは、スクリーン装置10が屋外に設置された場合において、強風を受けた際でも、スクリーン26にバタつきや貼り付きが生じるおそれはない。よって、スクリーン26のバタつきや貼り付きにより、モータ27に過負荷がかかるおそれを防止することができる。
【0032】
(2) このスクリーン装置においては、支持部材31が透明材または半透明材によって構成されているため、スクリーン26の表面側から支持部材31を透視しにくくすることができて、スクリーン26に施された宣伝広告等の機能を維持することができる。これに対し、支持部材31が金属等の非透明材によって構成されている場合は、支持部材によって光が遮られる。このため、スクリーン26の表面側に金属製の支持部材や支持部材に対応した影が浮き出て、スクリーン26の外観が損なわれ、表示機能が低下される。
【0033】
(3) このスクリーン装置においては、支持部材31によってスクリーン26のバタつきや貼り付きを防止できるため、前記特許文献1とは異なり、上下一対の回転軸24,25だけでよく、回転軸24,25間のガイドローラは不要である。このため、このスクリーン装置においては、簡単な構成となるばかりでなく、スクリーン装置10の前後方向の寸法が小さくなって、装置全体を小型にすることができる。
【0034】
(4) このスクリーン装置においては、前記支持部材31上に、タッチセンサ35が設けられている。そして、このタッチセンサ35により、スクリーン26から規定値以上の圧力を受けたとき、モータ27が停止されて、スクリーン26の周回動作が中断されるようになっている。このため、スクリーン26に大きなバタつきや貼り付きが発生した場合、モータ27に過大な負荷がかかるおそれを防止することができる。
【0035】
(5) このスクリーン装置においては、フレーム11の上部に、スクリーン26の裏面に対して散水するための散水装置28が設けられている。このため、スクリーン26の周回中に、散水装置28からスクリーン26に対して散水が行われて、スクリーン26の全面が湿潤される。そして、スクリーン26の周回に伴い、スクリーン26に接触する空気により水が気化されて、空気から気化熱が奪われる。よって、屋外や屋内の空間に対する冷却機能を発揮することができる。しかも、スクリーン26がバタついて、スクリーン26の周回が停止されたときには散水が停止されるため、水の無駄な使用を防止できる。
【0036】
(6) このスクリーン装置においては、前記支持部材31がフレーム11の左右の支柱部12,13間に架設され、その支持部材31には水抜き孔31aが上下方向に貫設されている。このため、散水装置28からの散水を支持部材31上に滞留させることなく、水抜き孔31aを通して下方へ円滑に流すことができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化したスクリーン装置の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0038】
この第2実施形態においては、図6及び図7に示すように、スクリーン装置10を屋内または屋外の任意の箇所に設置するための全体としてトラス構造をなす補助枠40が備えられている。すなわち、補助枠40には、四角筒状の金属パイプ材よりなるほぼ四角枠型の支持台41が備えられ、その支持台41の上面前端の両側部に一対の支持板部42が溶接固定されている。そして、両支持板部42上にスクリーン装置10のフレーム11における両支柱部12,13の下端の脚板18が載置された状態で、両脚板18が支持板部42に対して複数のボルト43及びナット44により固定される。この固定により、スクリーン装置10のフレーム11が支持台41の上面前端部に起立状態で取り付けられている。
【0039】
図6及び図7に示すように、前記支持台41の後端には、傾斜状態の支持脚46の下端が支持されている。両支持脚46の中間部と支持台41の両側前部との間には、金属パイプ材よりなる一対の補強脚47が架設されている。支持脚46の上端には、金属材よりなる四角キャップ状の保持部材45が固定されている。この保持部材45は支柱部12,13の上端に着脱可能に取り付けられる。そして、保持部材45が支柱部12,13の上端に取り付けられることにより、両支持脚46及び両補強脚47により、フレーム11が支持台41上において起立状態に支持されるようになっている。
【0040】
なお、この第2実施形態におけるフレーム11及びその内部構造は、前記第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、フレーム11内の下部に水受け構造が設けられている。すなわち、図7に示すように、下部回転軸25の上方において、フレーム11の両支柱部12,13間には、水受け樋48が架設されている。そして、散水装置28のミスト噴射ノズル30から散布されて落下する水が、この水受け樋48内に回収されて、図示しない排水管を介して排水処理されるようになっている。
【0041】
この第2実施形態においては、スクリーン装置10と補助枠40とを分離した状態で所要の箇所に運び、補助枠40をその箇所の地面や床面等に設置して、補助枠40上にスクリーン装置10を載置する。次いで、互いに重ねられたスクリーン装置10の脚板18と支持板部42とをボルト43及びナット44によって固定するとともに、キャップ状の保持部材45をスクリーン装置10の支柱部12,13の上端に被せればよい。このようにすれば、基礎コンクリート19が無い状態の箇所にもスクリーン装置10を安定設置できる。
【0042】
従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(6)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(7) このスクリーン装置においては、補助枠40を使用することにより、スクリーン装置10を基礎コンクリート19が無い屋内または屋外の所要箇所に安定して設置することができる。よって、スクリーン装置10の設置期間が短い場合には、装置の設置作業や撤去作業を簡単に行うことができる。
【0043】
(8) このスクリーン装置においては、フレーム11内の下部に水受け樋48が架設されているため、ミスト噴射ノズル30から落下する水が、この水受け樋48内に回収される。従って、水受け樋48に別の水路や管を連結することにより、水受け樋48内に回収された水を前記別の水路や管を介して所要箇所に排水できるため、地面や床面等の水濡れが厭われる場所にスクリーン装置を設置する場合や、栗石23等を設けることなく、短期間設置する場合等に都合がよい。
【0044】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ スクリーン26の裏面側を支持する支持部材31として、半透明材を用いること。
【0045】
・ スクリーン26の裏面側を支持する支持部材31として、ポリカーボネート以外のもの、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート,アクリルを用いること。
【0046】
・ 散水装置28を上下複数個所に設けること。
・ 一対の回転軸24,25を垂直軸線を中心に回転可能に配設し、それらの回転軸24,25間にスクリーン26を横方向へ周回するように張設すること。
【0047】
・ スクリーン26の内側または外側にLED等よりなる照明装置を設け、装置を屋内に設置した場合や、装置を屋外に設置した場合の夜間等に、スクリーン26を照明するように構成すること。
【0048】
・ スクリーン26の外部下方において、支柱部12,13の下端部間に排水管に接続された水受け樋を設けること。この水受け樋は、前記第2実施形態の水受け樋48と併用してもよく、単独で用いてもよい。また、水受け樋48が支柱部12,13間の下枠部15の機能を兼用するようにしてもよい。
【0049】
・ スクリーン26を白色で無地の布地から構成し、そのスクリーン26にプロジェクタ等で宣伝広告等の表示を投影するように構成すること。
・ フレーム11に温度センサ、湿度センサ、風速センサ等のセンサを付設し、そのセンサの検出に基づいて装置の運転停止を制御するように構成すること。
【0050】
・ 散水装置28を省略すること。
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握されるが請求項に記載されていない技術的思想は以下の通りである。
【0051】
(イ) 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のスクリーン装置を支持するために、スクリーン装置の下部に固定される固定部を有することを特徴とした補助枠。
(ロ) 前記補助枠は、スクリーン装置の下端部に固定される部分と上端に取付けられる部分とを有することを特徴とした前記技術的思想(イ)項に記載の補助枠。
【0052】
(ハ)請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のスクリーン装置と、前記技術的思想(イ)または(ロ)項に記載の補助枠とを備えたことを特徴とするスクリーン装置。
【符号の説明】
【0053】
10…スクリーン装置、11…フレーム、12,13…支柱部、18…脚板、19…基礎コンクリート、21…アンカーボルト、24…上部回転軸、25…下部回転軸、26…スクリーン、26a…前側周回部、26b…後側周回部、27…モータ、28…散水手段としての散水装置、31…支持部材、31a…水抜き孔、35…タッチセンサ、41…支持台、43…ボルト、46…支持脚。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに一対の回転軸を平行に支持するとともに、それらの回転軸間に無端状のスクリーンを掛装し、回転軸の回転により、前記スクリーンが回転軸間を周回されるようにしたスクリーン装置において、
前記フレームには前記スクリーンの裏面を支持する支持部材を設け、その支持部材を透明材または半透明材によって構成したことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
前記フレームには、前記スクリーンの裏面に散水するための散水手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
前記支持部材をフレームの左右の支柱部間に架設し、その支持部材には水抜き孔を上下方向に貫設したことを特徴とする請求項2に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
前記支持部材をポリカーボネートによって構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のスクリーン装置。
【請求項5】
前記支持部材の側面にスクリーンから受ける圧力を検出するための検出手段を設け、その検出手段が所定値以上の圧力を検出したときに、スクリーンを周回させるためのモータが停止されるようにしたことを特徴とする請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載のスクリーン装置。
【請求項6】
前記検出手段が所定値以上の圧力を検出したときに、前記散水手段に対する給水が停止されるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のスクリーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−73355(P2012−73355A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217336(P2010−217336)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(390023353)協立工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】