説明

スクリーン

【課題】三分級から二分級に切り換え可能な構成にあって、二分級時にはサイドコンベヤにかかる負担を抑えつつサイドコンベヤでオーバ材とミドル材とを搬出することができるスクリーンを提供する。
【解決手段】被選別物を粒径に応じて選別するスクリーンにおいて、トップデッキ47上を移動して当該トップデッキ47の放出端から落下するオーバ材を地上に導くガイド装置61と、ボトムデッキ48上を移動して当該ボトムデッキ48の放出端から落下するミドル材を搬出するサイドコンベヤ5と、ボトムデッキ48を通過したアンダ材を搬出するメインコンベヤ2とを備え、ガイド装置61が、トップデッキ47から放出されたオーバ材を地上に導く三分級姿勢、及びトップデッキ47から放出されたオーバ材をミドル材に合流させる二分級姿勢のいずれかに変位可能な可動シュート62を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂、砕石、木材チップ等の被選別物を粒径(粒度)で選別するスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一つの篩装置に上下二段の篩を装着した場合、上段の篩(トップデッキ)と下段の篩(ボトムデッキ)の双方を通過する最も粒径の小さな選別物(以下「アンダ材」という)、トップデッキのみを通過する中間粒径の選別物(以下「ミドル材」という)、及びトップデッキを通過しない最も粒径の大きな選別物(以下「オーバ材」という)の三つの群に被選別物を分級することができる。この種のスクリーンの中に、篩装置の下方から前方に延ばしたコンベヤ(以下「メインコンベヤ」という)でアンダ材を機体前方に、篩装置の後部から機体側方に延ばした別のコンベヤ(以下「サイドコンベヤ」という)でミドル材を機体側方にそれぞれ搬出し、オーバ材をトップデッキからシュートを介して機体後方に落下させることで、各粒度の選別物を三方に分別して排出するように構成したスクリーンがある(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−279526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなスクリーンにおいては、分級した被選別物を三つの粒度群に分けて搬出(以下「三分級」という)する構成から、二つの粒度群に分けて搬出(以下「二分級」という)する構成に切り換えることがある。二分級の構成に切り換える場合、実情としては、サイドコンベヤやこれを取り付けるためのフレームを機体から取り外し、ミドル材をオーバ材と同様にシュートを介して機体後方に落下させ、ミドル材をオーバ材に合流させる構成としている。
【0005】
ところが、重量物であるサイドコンベヤやそのフレームを着脱する作業には相応の人員や設備を要し多くの労力及び時間を必要とする。また、ミドル材を放出するボトムデッキの放出端はトップデッキの放出端に対して低く、二分級の構成に切り換えると、三分級の構成と比べて機体後部に高く選別物を集積させられなくなってしまい、ショベル等で機体後方の選別物を片付ける作業を頻繁に行わなければならなくなって作業効率が低下してしまう。
【0006】
そこで、サイドコンベヤを取り付けたまま二分級が実施できれば、サイドコンベヤ等の着脱に伴う労力等を不要とするとともに、サイドコンベヤを使って選別物を搬出することによってオーバ材及びミドル材の放出高さを確保することができる。
【0007】
しかしながら、ボトムデッキからのミドル材の落下距離に対してトップデッキからのオーバ材の落下距離が長い上、ミドル材に対してオーバ材は粒径が大きく一粒当たりの質量が大きい。そのため、ミドル材に比べてオーバ材がサイドコンベヤに与える衝撃は大きく、オーバ材とミドル材とをサイドコンベヤで搬出する構成とすると、コンベヤベルトその他のサイドコンベヤの部品に必要以上に負荷がかかる恐れがある。
【0008】
本発明はこうした事情を考慮してなされたものであり、三分級から二分級に切り換え可能な構成にあって、二分級時にはサイドコンベヤにかかる負担を抑えつつサイドコンベヤでオーバ材とミドル材とを搬出することができるスクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被選別物を粒径に応じて選別するスクリーンにおいて、上段篩及び下段篩を有する篩装置と、前記上段篩上を移動して当該上段篩の放出端から落下する選別物であるオーバ材を地上に導くガイド装置と、前記下段篩上を移動して当該下段篩の放出端から落下する選別物であるミドル材を搬出するサイドコンベヤと、前記下段篩を通過した選別物であるアンダ材を搬出するメインコンベヤとを備え、前記ガイド装置は、前記上段篩から放出されたオーバ材を地上に導く三分級姿勢、及び前記上段篩から放出されたオーバ材を前記ミドル材に合流させる二分級姿勢のいずれかに変位可能な可動シュートを有していることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、第1の発明は、前記可動シュートは、上面をシュート面とする平板状の部材であり、前記三分級姿勢のときには、前記シュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜し、前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させ、前記二分級姿勢のときには、前記シュート面の前記移動方向の上流側を下げて前記上段篩から放出されるオーバ材に当該シュート面を対向させ、前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、前記ガイド装置は、前記上段篩と前記可動シュートとの間に位置しそのシュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜した固定シュートを備えており、前記可動シュートは、屈曲した形状をしており、前記三分級姿勢のときに前記固定シュートに連続し前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させる一方で、前記二分級姿勢のときには上方に回動し前記固定シュートから離間する三分級用のシュート面と、前記二分級姿勢のときに前記上段篩から放出されるオーバ材に対向し前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させる一方で、前記三分級姿勢のときには下方に回動し前記ガイド装置の壁面を構成する二分級用のシュート面とを備えていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、前記ガイド装置は、前記上段篩と前記可動シュートとの間に位置しそのシュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜した固定シュートを備えており、前記可動シュートは、屈曲した形状をしており、前記三分級姿勢のときに前記固定シュートに連続し前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させる一方で、前記二分級姿勢のときには下方に回動し前記上段篩から放出されるオーバ材に対向し前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させるシュート面と、前記三分級姿勢のときに前記ガイド装置の壁面を構成するカバー面とを備えていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、前記可動シュートを前記三分級姿勢又は前記二分級姿勢で固定する固定手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、三分級から二分級に切り換え可能な構成にあって、二分級時にはサイドコンベヤにかかる負担を抑えつつサイドコンベヤでオーバ材とミドル材とを搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンの全体構成を表す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンの全体構成を表す図1中の右下側から見た背面図である。
【図3】図2中のIII−III線による断面図であって本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンに備えられたガード付近の構造を表す図面である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の右後方から見た斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の構造を表す図3に相当する断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが三分級姿勢にあるときのガード付近の右後方から見た斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが三分級姿勢にあるときのガード付近の構造を表す図3に相当する断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の右後方から見た斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の構造を表す図3に相当する断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが三分級姿勢にあるときのガード付近の右後方から見た斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが三分級姿勢にあるときのガード付近の構造を表す図3に相当する断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の右後方から見た斜視図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るスクリーンにおいて可動シュートが二分級姿勢にあるときのガード付近の構造を表す図3に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るスクリーンの全体構成を表す斜視図、図2は図1中の右下側から見た背面図である。以下の説明において、図1に示したように図1中の左上方向をスクリーンの前方とする。
【0018】
なお、本実施の形態では自力走行可能な自走式スクリーンに本発明を適用した場合を例に挙げて説明するが、定置式のスクリーンや牽引走行可能なタイプの移動式スクリーンにも本発明は適用可能である。
【0019】
図1及び図2に示したスクリーンは、被選別物を粒径(粒度)に応じて選別するものであって、走行体1と、この走行体1上に設けたメインコンベヤ2と、メインコンベヤ2の上側に設けた篩装置3と、メインコンベヤ2の下側に設けたパワーパック4と、機体後部に取り付けたサイドコンベア5とを備えている。
【0020】
走行体1は、左右1対の走行装置10と、これら走行装置10の上部に設けた本体フレーム11とを備えている。走行装置10は、トラックフレーム12と、トラックフレーム12の前端及び後端の左右両側にそれぞれ設けた従動輪13及び駆動輪14と、出力軸を駆動輪14に連結した走行用油圧モータ15と、左右の従動輪13及び駆動輪14にそれぞれ掛け回した無限軌道履帯16とを備えている。本体フレーム11は、上下・左右・前後の各方向に延びる複数の鋼材で立体的に組み上げたフレームであって、トラックフレーム12の上部に設けられている。
【0021】
メインコンベヤ2は、篩装置3のトップデッキ47及びボトムデッキ48(図3)を通過した選別物を搬送し機体前方に搬出するものであり、前方に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。このメインコンベヤ2は、コンベヤフレーム20と、コンベヤフレーム20の前後両端に回転自在に設けたヘッドプーリ及びテールプーリ(共に不図示)と、ヘッドプーリ及びテールプーリに掛け回したコンベヤベルト23と、ヘッドプーリに連結したメインコンベヤ用油圧モータ24とを備えており、メインコンベヤ用油圧モータ24でヘッドプーリを駆動させることによってヘッドプーリ及びテールプーリ間でコンベヤベルト23を循環駆動させる。
【0022】
コンベヤフレーム20は、後端部が本体フレーム11の後部に回動軸(不図示)を介して連結されていて、前後方向の中央部が支持部材31を介して本体フレーム11の前部に支持されている。支持部材31は、筒状のケーシング部とこれに挿入されたロッド部とで伸縮可能に構成されており、上下両端がコンベヤフレーム20及び本体フレーム11に対してそれぞれピンを介して回動可能に連結されている。この支持部材31のケーシング部とロッド部は篩角度変更シリンダ38で連結されており、篩角度変更シリンダ38の伸縮に伴って、ロッド部がケーシング部に出入りし、本体フレーム11に対してメインコンベヤ2が上下に傾動する。支持部材31のケーシング部はロッド部の出入り方向に並んだ複数のピン穴を有していて、ロッド部の出入の量に応じてロッド部側のピン穴に位置の合ったピン穴にピン(不図示)を挿し込むことでロッド部に対してケーシング部を固定し、篩角度変更シリンダ38によらずにメインコンベヤ2を段階的な傾斜角度で支持する。
【0023】
篩装置3は、投入される被選別物を粒度に応じて選別するものである。この篩装置3は、上下二段の篩部材を備えた二床構造のものであり、コンベヤフレーム20の後半部分上に配設した篩装置フレーム44と、この篩装置フレーム44上に弾性部材45を介して振動可能に支持された枠型の篩装置本体46と、篩装置本体46の内側に固定された上段篩部材であるトップデッキ47と、このトップデッキ47の下方に位置するように篩装置本体46の内側に固定された下段篩部材であるボトムデッキ48(図3)と、篩装置本体46を加振する加振装置49とを備えており、加振装置49を駆動して篩装置本体46とトップデッキ47及びボトムデッキ48を一体に揺さ振る構成である。
【0024】
本実施の形態では弾性部材45としてコイルスプリングを用いているが、ラバースプリング等の他の弾性体でも良い。弾性部材45は篩装置本体46の左右両側においてそれぞれ前後に配置されており、篩装置本体46は計4箇所で篩装置フレーム44に対して支持されている。また、1箇所当たり3本1組の弾性部材45を配置しているが、1箇所当たりの弾性部材45の設置数はこれに限定されない。また、篩装置3の内部のトップデッキ47及びボトムデッキ48は、メインコンベヤ2と同じく後方に向かって下方に傾斜した姿勢で配置されている。篩装置3はメインコンベヤ2のコンベヤフレーム20に支持されているため、前述したようにメインコンベヤ2を傾動させることで、被選別物の性状に応じて傾斜角度を変更し被選別物のトップデッキ47及びボトムデッキ48上での滞留時間等を調整することができる。
【0025】
なお、言うまでもないが、ボトムデッキ48の選別粒径(ボトムデッキ48を通過できる選別物の粒径)は、トップデッキ47の選別粒径(トップデッキ47を通過できる選別物の粒径)よりも小さい。以下の説明において、篩装置3に投入されてトップデッキ47とボトムデッキ48の双方を通過した最も粒径の小さな選別物を「アンダ材」、トップデッキ47のみを通過してボトムデッキ48を通過できずにボトムデッキ48上を移動して当該ボトムデッキ48の下流端の放出端部(シュート部48a)から落下する中間粒径の選別物を「ミドル材」、トップデッキ47を通過できずにトップデッキ47上を移動して当該トップデッキ47の下流端の放出端部(シュート部47a)から落下する最も粒径の大きな選別物を「オーバ材」という。
【0026】
パワーパック4は、エンジンや油圧ポンプ、コントロールバルブ等、機体各所に搭載した作動装置の動力源を内蔵しており、コンベヤフレーム20に垂設されたパワーパックフレーム50上に積載されてメインコンベヤ2の下側に配置されている。パワーパックフレーム50は、支持部材31よりも前方位置でコンベヤフレーム20に垂設されており、パワーパック4は走行体1よりも前側に位置している。したがって、篩角度変更シリンダ38を縮めてメインコンベヤ2を寝かせていくと、パワーパック4は走行体1の上部に重なることなく走行体1の前方のスペースまで下降する。そのためメインコンベヤ2を水平姿勢近くまで寝かせることができ、輸送時には一般道路の輸送制限高さに納まる範囲にまで機体の全高を抑えることができる。
【0027】
なお、輸送制限高さまで余裕があってパワーパック4を走行体1の前方のスペースに下降させる必要がない場合には、本体フレーム11を前方に延ばし、この本体フレーム11の延設部分にパワーパック4を設置する構成とすることも考えられる。
【0028】
また、パワーパック4の側部には、メインコンベヤ2や篩装置3等の動作を指示するための操作盤51が設けられている。操作盤51を操作する場合等に作業者が立つ足場として、パワーパック4には折り畳み式のステップ52が設けられている。
【0029】
サイドコンベヤ5は、篩装置3から排出されるミドル材を機体の側方(本例では左側)に搬出するもので、搬送手段としての基本構成はメインコンベヤ2とほぼ同様であり、本体フレーム11の後端部に支持されている。このサイドコンベヤ5は、トレーラ等により自走式スクリーンを輸送する際に一般道路の輸送制限幅に収まるように折り畳み式になっている。
【0030】
ここで、本体フレーム11の後部には、トップデッキ47の下端から放出されるオーバ材のサイドコンベヤ5やメインコンベヤ2への干渉を抑制したり、サイドコンベヤ5やメインコンベヤ2の上流部分への障害物その他の接触を抑制したりするためのガード60が設けられている。
【0031】
図3は図2中のIII−III線による断面図であってガード60付近の構造を表す図面である。
【0032】
図3に示したように、ガード60の上部にはトップデッキ47のシュート47aから落下するオーバ材を地上に導くガイド装置61が備えられている。ガイド装置61は、天板部に可動シュート62を有している。この可動シュート62は、トップデッキ47から放出されたオーバ材をサイドコンベヤ5の上方を渡して地上に導く姿勢、及びトップデッキ47から放出されたオーバ材をミドル材に合流させる姿勢のいずれかに変位可能な構成となっている。
【0033】
なお、トップデッキ47から放出されたオーバ材を地上に導く場合、オーバ材がミドル材と分別されて機体から搬出されるとともにアンダ材がメインコンベヤ2で別途搬出され、選別物が三方にそれぞれ搬出されるため、以下の説明において、便宜上、サイドコンベヤ5を介さずにオーバ材をトップデッキ47から地上に落下させて選別物を三方に搬出することを「三分級」、またそのときの可動シュート62の姿勢を「三分級姿勢」という。図1−図3は、可動シュート62が三分級姿勢にあるときの構成を表している。他方、オーバ材をミドル材に合流させる場合、サイドコンベヤ5によってオーバ材がミドル材とともに機体から搬出され結果として選別物が二方に搬出されるため、以下の説明において、便宜上、オーバ材をミドル材に合流させて選別物を二方に搬出することを「二分級」、またそのときの可動シュート62の姿勢を「二分級姿勢」という。可動シュート62が二分級姿勢にあるときのガード60付近の右後方から見た斜視図を図4に、図3に相当する断面図を図5にそれぞれ表す。
【0034】
可動シュート62は、上面を平滑なシュート面62a(図3等)とする平板状の部材であり、シュート面62aの裏面である下面にブラケット63を備えている。ブラケット63は、ガード60の左右の内壁に渡されたビーム上のブラケット64と左右方向に水平に延在する回転軸65で連結されており、可動シュート62が回転軸65を支点にして前後に延びる鉛直面に沿って上下方向に回動し前傾の三分級姿勢(図3等)と二分級姿勢(図4等)とに変位可能な構成となっている。このとき、ガード60の左右の内壁には、可動シュート62の可動域を三分級姿勢の位置から二分級姿勢の位置までの間に制限するストッパ66a−66dが設けられている。三分級姿勢においては、例えば図3に示したように、回転軸65よりも後側で可動シュート62のシュート面62aの裏側にストッパ66aが、回転軸65よりも前側でシュート面62aにストッパ66bがそれぞれ接触する。他方、二分級姿勢においては、例えば図4に示したように、回転軸65よりも後側で可動シュート62のシュート面62aにストッパ66cが、回転軸65よりも前側でシュート面62aの裏側にストッパ66dがそれぞれ接触する。これらストッパ66a−66dはボルト等の固定手段とともに三分級姿勢又は二分級姿勢で可動シュート62を固定する固定手段を構成し、ストッパ66a,66bにボルト等で固定することで可動シュート62が三分級姿勢で固定され(図3等)、ストッパ66c,66dにボルト等で固定することで可動シュート62が二分級姿勢で固定される(図4等)。
【0035】
また、三分級姿勢のときには、可動シュート62は、例えば図3に示したように、シュート面62aのトップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の下流側(本実施の形態では後端側)を下げて傾斜し、ボトムデッキ48のシュート48aよりも上方であってトップデッキ47のシュート47aの放出端部のすぐ下方の位置を上流側端部(本実施の形態では前端部)として、この上流側端部からガード60の後壁面位置にあたる下流側端部まで延在している。そのため、三分級姿勢時において、可動シュート62は、ボトムデッキ48に対してサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5aの上方に若干(本実施の形態ではコンベヤベルト5aのベルト幅の1/4〜1/3程度)突出したトップデッキ47のシュート47aとともに、篩装置3の幅程度の範囲においてサイドコンベヤ5の上方を覆い、トップデッキ47のシュート47aからオーバ材が放出された場合には、オーバ材はシュート面62a上を後方に下り、サイドコンベヤ5の上方を通過してミドル材と合流せずに地面に落下する。
【0036】
また、二分級姿勢のときには、可動シュート62は、例えば図4に示したように、シュート面62aのトップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の上流側(本実施の形態では後端側)を下げてトップデッキ47のシュート47aから放出されるオーバ材にシュート面62aを対向させる。このとき、可動シュート62の後端部はガード60の後壁面位置に近傍に位置し、前端部はトップデッキ47のシュート47aよりも下方であってボトムデッキ48のシュート48aの放出端部の上方に位置する。そのため、二分級姿勢時において、トップデッキ47のシュート47aからオーバ材が放出された場合には、オーバ材は可動シュート62のシュート面62aで受け止められ、移動方向を前方に転向させてボトムデッキ48のシュート48a上に落下してミドル材と合流し、ボトムデッキ48のシュート48aの放出端部からミドル材とともにサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5a上に落下する。
【0037】
上記構成のスクリーンの動作を順次説明する。
【0038】
(1)三分級時
油圧ショベル等の投入重機等によって篩装置3に被選別物が投入されると、トップデッキ47による選別粒径よりも小さい被選別物はトップデッキ47を通過し、それよりも大きなオーバ材は、トップデッキ47上を移動してトップデッキ47のシュート47aから放出され、三分級姿勢の可動シュート62上を後方に滑り落ち、サイドコンベヤ5の上方を通過して機体後方に排出される。また、トップデッキ47を通過した被選別物のうち、ボトムデッキ48による選別粒径よりも小さいアンダ材は、ボトムデッキ48を通過してメインコンベヤ2のコンベヤベルト23上に導かれ、メインコンベヤ2によって前方に搬送されて機体前方に排出される。一方、ボトムデッキ48の選別粒径より大きなミドル材は、ボトムデッキ48上を移動してボトムデッキ48のシュート48aから放出され、サイドコンベヤ5によって機体後方に排出される。これによって、篩装置3によって被選別物はオーバ材、ミドル材及びアンダ材の三群の選別物に分級され、オーバ材は機体後方に、ミドル材は機体側方に、アンダ材は機体前方にそれぞれ搬出され、三群の選別物に分けて集積される。
【0039】
(2)二分級時
油圧ショベル等の投入重機等によって篩装置3に被選別物が投入されると、トップデッキ47による選別粒径よりも小さい被選別物はトップデッキ47を通過し、それよりも大きなオーバ材はトップデッキ47上を移動してトップデッキ47のシュート47aから放出されて二分級姿勢の可動シュート62に受け止められる。可能シュート62に受け止められたオーバ材は、転向して可動シュート62上を前方に滑り落ちボトムデッキ48のシュート48a付近に導かれる。トップデッキ47を通過した被選別物のうち、ボトムデッキ48の選別粒径より大きなミドル材は、ボトムデッキ48上を移動して、可動シュート62から放出されたオーバ材と合流してボトムデッキ48のシュート48aから放出され、サイドコンベヤ5によってオーバ材とともに機体後方に排出される。他方、ボトムデッキ48による選別粒径よりも小さいアンダ材は、ボトムデッキ48を通過してメインコンベヤ2のコンベヤベルト23上に導かれ、メインコンベヤ2によって前方に搬送されて機体前方に排出される。これによって、篩装置3によって被選別物はオーバ材、ミドル材及びアンダ材の三群の選別物に一端分級されるが、最終的には、オーバ材及びミドル材は機体側方に、アンダ材は機体前方にそれぞれ搬出され、二群の選別物に分けて集積される。
【0040】
本実施の形態の作用効果を説明する。
【0041】
前述したように、本実施の形態のスクリーンにおいては、可動シュート62を三分級姿勢から二分級姿勢に変位させることで、オーバ材をミドル材に合流させてミドル材とともにサイドコンベヤ5によって搬出することができるので、サイドコンベヤ5を取り外さなくても、篩装置3で分級した被選別物を三つの粒度群に分けて搬出(三分級)する構成から、二つの粒度群に分けて搬出(二分級)する構成に切り換えることができる。当然ながら、二分級する構成から三分級する構成に戻す場合にサイドコンベヤ5を取り付ける作業が必要になることもない。加えて、二分級時には、トップデッキ47の放出端から落下するオーバ材を可動シュート62で受け止めて減速させ、ミドル材とともに低位置にあるボトムデッキ48の放出端からサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5a上にオーバ材を落下させるので、オーバ材がサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5aその他の部品に与える衝撃又は負荷を抑えることができる。これにより、本実施の形態によれば、三分級から二分級に切り換え可能な構成にあって、二分級時にはサイドコンベヤ5にかかる負担を抑えつつサイドコンベヤ5でオーバ材とミドル材とを搬出することができる。
【0042】
そして、三分級作業と二分級作業とを切り換えるにあたって、重量物であるサイドコンベヤ5や本体フレーム11のサイドコンベヤ取付用のフレームを着脱する作業が不要であるため、この切り換え作業に要する人員やクレーン等の設備、労力や時間を省くことができる。加えて、二分級作業時には放出端の高いサイドコンベヤ5によってミドル材をオーバ材とともに搬出することができるので、サイドコンベヤ5を取り外してトップデッキ47及びボトムデッキ48からオーバ材及びミドル材を直接地面に落下させて集積する二分級作業の態様と比べて、ミドル材及びオーバ材を高く集積させることができ、ショベル等でミドル材及びオーバ材を片付ける作業の頻度を下げることができる。よって、作業効率の低下を抑制することができる。
【0043】
(第2の実施の形態)
図6は第2の実施の形態に係るスクリーンの三分級時のガード付近の斜視図、図7は三分級時のガード付近の構造を表す断面図、図8は二分級姿勢時のガード付近の斜視図、図9は二分級時のガード付近の構造を表す断面図である。図6及び図8は第1の実施の形態の図5、図7及び図9は第1の実施の形態の図3及び図4にそれぞれ対応する。第1の実施の形態と同様の部分については、第1の実施の形態と同符号を付して説明を省略する。
【0044】
図6−図9に示した本実施の形態のスクリーンが第1の実施の形態に係るスクリーンと相違する点はガイド装置の構成にあり、本実施の形態のガイド装置61Aは、可動シュート62Aの他、固定シュート67Aを備えている。
【0045】
固定シュート67Aは、上面を平滑なシュート面67Aaとする平板状の部材であり、オーバ材の移動方向(本実施の形態では前後方向)におけるトップデッキ47と可動シュート62Aとの間に位置し、トップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の下流側(本実施の形態では後部側)を下げて傾斜した姿勢でガード60の左右の内壁面に固定されている。
【0046】
可動シュート62Aは、左右方向から見た側面視で「く」の字状(又はL字状)に屈曲した形状をしており、屈曲部に沿って左右に延びる回転軸65A、ガード60の天板の一部を構成する天板部68、及びガード60の後壁を構成する後壁部69を有している。回転軸65Aは屈曲部に位置していて、回転軸65Aの径方向に天板部68と後壁部69とが延在している。また、回転軸65Aはガード60の左右の壁面に対して回転自在に支持されており、可動シュート62Aが回転軸65Aを支点にして前後に延びる鉛直面に沿って上下方向に回動し三分級姿勢(図6及び図7)と二分級姿勢(図8及び図9)とに変位する。可動シュート62Aの天板部68の上面は、三分級姿勢のときに固定シュート67Aに連続しトップデッキ47から放出されるオーバ材をサイドコンベヤ5の上方を渡して地面に落下させる第1のシュート面68aとして機能し(図6及び図7)、二分級姿勢のときには上方に回動し固定シュート67Aから離間する(図8及び図9)。可動シュート62Aの後壁部69は、二分級姿勢のときにトップデッキ47上を移動して固定シュート67Aから放出されるオーバ材に対向し、オーバ材を受け止めて転向させミドル材に合流させる第2のシュート面69aとして機能し(図6及び図7)、三分級姿勢のときには下方に回動しガイド装置61Aの後壁面、すなわちガード60の後壁面を構成する(図8及び図9)。
【0047】
このとき、ガード60の左右の内壁には、可動シュート62Aの可動域を三分級姿勢の位置から二分級姿勢の位置までの間に制限するストッパ66A,66Bが設けられている。三分級姿勢においては、例えば図7に示したように、可動シュート62Aの天板部68の第1のシュート面68aの裏側にストッパ66Aが接触する。他方、二分級姿勢においては、例えば図9に示したように、可動シュート62Aの第2のシュート面69aにストッパ66Bが接触する。これらストッパ66A,66Bはボルト等の固定手段とともに三分級姿勢又は二分級姿勢で可動シュート62Aを固定する固定手段を構成し、ストッパ66Aにボルト等で固定することで可動シュート62Aが三分級姿勢で固定され(図7等)、ストッパ66Bにボルト等で固定することで可動シュート62Aが二分級姿勢で固定される(図9等)。
【0048】
また、三分級姿勢のときには、可動シュート62Aの第1のシュート面68aは、例えば図7に示したように、第1のシュート面68aのトップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の下流側(本実施の形態では後端側)を下げて固定シュート67Aに連続し、固定シュート67Aのシュート面67Aa及び可動シュート62Aの第1のシュート面68aが、トップデッキ47のシュート47aとともに、篩装置3の幅程度の範囲においてサイドコンベヤ5の上方を覆い、トップデッキ47のシュート47aから放出されて固定シュート67Aのシュート面67Aaを滑り落ちたオーバ材は、可動シュート62Aの第1のシュート面68a上を後方に下り、サイドコンベヤ5の上方を通過してミドル材と合流せずに地面に落下する。
【0049】
また、二分級姿勢のときには、例えば図9に示したように、可動シュート62Aの天板部68が上方に回動し、ガイド装置61Aの上部に受入口70(図9等)を開口させるとともに、可動シュート62Aの天板部68は第2のシュート面69aの後端部に起立する。同時に、第2のシュート面69aが、固定シュート67Aの放出端の下方に変位し、トップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の上流側(本実施の形態では後端側)を下げ、固定シュート67Aから放出されるオーバ材に対向する。そのため、二分級姿勢時において、トップデッキ47のシュート47aから放出されて固定シュート67Aのシュート面67Aaを滑り落ちたオーバ材は、受入口70からガイド装置61A内に入り込み、可動シュート62Aの第2のシュート面69aで受け止められ、移動方向を前方に転向させてサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5a上に落下し、ボトムデッキ48から放出されるミドル材と合流してミドル材とともにサイドコンベヤ5によって搬出される。
【0050】
本実施の形態においても、可動シュート62Aを三分級姿勢から二分級姿勢に変位させることで、オーバ材をミドル材に合流させてミドル材とともにサイドコンベヤ5によって搬出することができるので、サイドコンベヤ5を取り外さなくても、篩装置3で分級した被選別物を三つの粒度群に分けて搬出(三分級)する構成から、二つの粒度群に分けて搬出(二分級)する構成に切り換えることができる。当然ながら、二分級する構成から三分級する構成に戻す場合にサイドコンベヤ5を取り付ける作業が必要になることもない。加えて、二分級時には、トップデッキ47の放出端から落下するオーバ材を可動シュート62Aの第2のシュート面69aで受け止めて減速させ、トップデッキ47のシュート47aよりも低位置の第2のシュート面69aからサイドコンベヤ5上にオーバ材を落下させるので、オーバ材がサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5aその他の部品に与える衝撃又は負荷を抑えることができる。よって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、二分級時に第2のシュート面69aの上端部に天板部68が起立するので、この天板部68がガードとして機能し、固定シュート67Aから放出されたオーバ材が第2のシュート面69aを乗り越えて機体後方にこぼれ落ちることを抑制することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
図10は第3の実施の形態に係るスクリーンの三分級時のガード付近の斜視図、図11は三分級時のガード付近の構造を表す断面図、図12は二分級姿勢時のガード付近の斜視図、図13は二分級時のガード付近の構造を表す断面図である。図10及び図12は第1の実施の形態の図5、図11及び図13は第1の実施の形態の図3及び図4にそれぞれ対応する。第1の実施の形態と同様の部分については、第1の実施の形態と同符号を付して説明を省略する。
【0053】
図10−図13に示した本実施の形態のスクリーンが第1の実施の形態に係るスクリーンと相違する点はガイド装置の構成にあり、本実施の形態のガイド装置61Bは、可動シュート62Bの他、固定シュート67Bを備えている。
【0054】
固定シュート67Bは、上面を平滑なシュート面67Baとする平板状の部材であり、オーバ材の移動方向(本実施の形態では前後方向)におけるトップデッキ47と可動シュート62Bとの間に位置し、トップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の下流側(本実施の形態では後部側)を下げて傾斜した姿勢でガード60の左右の内壁面に固定されている。
【0055】
可動シュート62Bは、左右方向から見た側面視で「く」の字状(又はL字状)に屈曲した形状をしており、屈曲部に沿って左右に延びる回転軸65B、ガード60の天板の一部を構成する天板部68’、及びガード60の後壁を構成する後壁部69’を有している。回転軸65Bは屈曲部に位置していて、回転軸65Bの径方向に天板部68’と後壁部69’とが延在している。また、回転軸65Bはガード60の左右の壁面に対して回転自在に支持されており、可動シュート62Bが回転軸65Bを支点にして前後に延びる鉛直面に沿って上下方向に回動し三分級姿勢(図10及び図12)と二分級姿勢(図11及び図13)とに変位する。可動シュート62Bの天板部68’の上面はシュート面68’aとなっており、シュート面68’は、三分級姿勢のときに固定シュート67Bに連続しトップデッキ47から放出されるオーバ材をサイドコンベヤ5の上方を渡して地面に落下させる機能を果たす(図10及び図12)。二分級姿勢のときには、シュート面68’aは、下方に回動し固定シュート67Bから離間して受入口70を開口させるとともに、トップデッキ47上を移動して固定シュート67Bから放出されるオーバ材に対向し、オーバ材を受け止めて転向させミドル材に合流させる(図11及び図12)。一方、可動シュート62Bの後壁部69’は、三分級姿勢のときにガイド装置61Bの後壁面、すなわちガード60の後壁面を構成し(図11及び図13)、二分級姿勢のときには後方に回動する(図10及び図12)。
【0056】
このとき、ガード60の左右の内壁には、可動シュート62Aの可動域を三分級姿勢の位置から二分級姿勢の位置までの間に制限するストッパ66A’,66B’が設けられている。三分級姿勢においては、例えば図11に示したように、可動シュート62Bのシュート面68’aにストッパ66A’が接触する。他方、二分級姿勢においては、例えば図13に示したように、可動シュート62Bのシュート面68’aの裏側にストッパ66B’が接触する。これらストッパ66A’,66B’はボルト等の固定手段とともに三分級姿勢又は二分級姿勢で可動シュート62Bを固定する固定手段を構成し、ストッパ66A’にボルト等で固定することで可動シュート62Bが三分級姿勢で固定され(図11等)、ストッパ66B’にボルト等で固定することで可動シュート62Bが二分級姿勢で固定される(図13等)。
【0057】
三分級姿勢のときには、可動シュート62Bのシュート面68’aは、例えば図11に示したように、そのトップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の下流側(本実施の形態では後端側)を下げて固定シュート67Bに連続し、固定シュート67Bのシュート面67Ba及び可動シュート62Bのシュート面68’aが、トップデッキ47のシュート47aとともに、篩装置3の幅程度の範囲においてサイドコンベヤ5の上方を覆い、トップデッキ47のシュート47aから放出されて固定シュート67Bのシュート面67Baを滑り落ちたオーバ材は、可動シュート62Bのシュート面68’a上を後方に下り、サイドコンベヤ5の上方を通過してミドル材と合流せずに地面に落下する。
【0058】
二分級姿勢のときには、例えば図13に示したように、可動シュート62Bの天板部68’が下方に回動し、ガイド装置61Bの上部に受入口70(図13等)を開口させるとともに、シュート面68’aが、固定シュート67Bの放出端の下方に変位し、トップデッキ47上におけるオーバ材の移動方向の上流側(本実施の形態では後端側)を下げ、固定シュート67Bから放出されるオーバ材に対向する。そのため、二分級姿勢時において、トップデッキ47のシュート47aから放出されて固定シュート67Bのシュート面67Baを滑り落ちたオーバ材は、受入口70からガイド装置61B内に入り込み、可動シュート62Bのシュート面68’aで受け止められ、移動方向を前方に転向させてサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5a上に落下し、ボトムデッキ48から放出されるミドル材と合流してミドル材とともにサイドコンベヤ5によって搬出される。
【0059】
本実施の形態においても、可動シュート62Bを三分級姿勢から二分級姿勢に変位させることで、オーバ材をミドル材に合流させてミドル材とともにサイドコンベヤ5によって搬出することができるので、サイドコンベヤ5を取り外さなくても、篩装置3で分級した被選別物を三つの粒度群に分けて搬出(三分級)する構成から、二つの粒度群に分けて搬出(二分級)する構成に切り換えることができる。当然ながら、二分級する構成から三分級する構成に戻す場合にサイドコンベヤ5を取り付ける作業が必要になることもない。加えて、二分級時には、トップデッキ47の放出端から落下するオーバ材を可動シュート62Bのシュート面68’aで受け止めて減速させ、トップデッキ47のシュート47aよりも低位置のシュート面68’aからサイドコンベヤ5上にオーバ材を落下させるので、オーバ材がサイドコンベヤ5のコンベヤベルト5aその他の部品に与える衝撃又は負荷を抑えることができる。よって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
なお、以上の実施の形態においては、自走式スクリーンに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、定置式のスクリーンや牽引走行可能なタイプの移動式スクリーンにも適用可能であり、同様の効果をそうすることができる。
【符号の説明】
【0061】
2 メインコンベヤ
3 篩装置
5 サイドコンベヤ
47 トップデッキ(上段篩)
48 ボトムデッキ(下段篩)
61,61A,61B ガイド装置
62,62A,62B 可動シュート
62a シュート面
67A,67B 固定シュート
67Aa,67Ba,68’a シュート面
68a シュート面(三分級用のシュート面)
69a シュート面(二分級用のシュート面)
69,69’ 後壁部
66a−66d,66A,66A’,66B,66B’ ストッパ(固定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を粒径に応じて選別するスクリーンにおいて、
上段篩及び下段篩を有する篩装置と、
前記上段篩上を移動して当該上段篩の放出端から落下する選別物であるオーバ材を地上に導くガイド装置と、
前記下段篩上を移動して当該下段篩の放出端から落下する選別物であるミドル材を搬出するサイドコンベヤと、
前記下段篩を通過した選別物であるアンダ材を搬出するメインコンベヤとを備え、
前記ガイド装置は、前記上段篩から放出されたオーバ材を地上に導く三分級姿勢、及び前記上段篩から放出されたオーバ材を前記ミドル材に合流させる二分級姿勢のいずれかに変位可能な可動シュートを有している
ことを特徴とするスクリーン。
【請求項2】
前記可動シュートは、
上面をシュート面とする平板状の部材であり、
前記三分級姿勢のときには、前記シュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜し、前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させ、
前記二分級姿勢のときには、前記シュート面の前記移動方向の上流側を下げて前記上段篩から放出されるオーバ材に当該シュート面を対向させ、前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させる
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項3】
前記ガイド装置は、前記上段篩と前記可動シュートとの間に位置しそのシュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜した固定シュートを備えており、
前記可動シュートは、
屈曲した形状をしており、
前記三分級姿勢のときに前記固定シュートに連続し前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させる一方で、前記二分級姿勢のときには上方に回動し前記固定シュートから離間する三分級用のシュート面と、
前記二分級姿勢のときに前記上段篩から放出されるオーバ材に対向し前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させる一方で、前記三分級姿勢のときには下方に回動し前記ガイド装置の壁面を構成する二分級用のシュート面と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項4】
前記ガイド装置は、前記上段篩と前記可動シュートとの間に位置しそのシュート面の前記上段篩上における前記オーバ材の移動方向の下流側を下げて傾斜した固定シュートを備えており、
前記可動シュートは、
屈曲した形状をしており、
前記三分級姿勢のときに前記固定シュートに連続し前記上段篩から放出されるオーバ材を前記サイドコンベヤの上方を渡して地面に落下させる一方で、前記二分級姿勢のときには下方に回動し前記上段篩から放出されるオーバ材に対向し前記オーバ材を受け止め転向させて前記ミドル材に合流させるシュート面と、
前記三分級姿勢のときに前記ガイド装置の壁面を構成する後壁部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
【請求項5】
前記可動シュートを前記三分級姿勢又は前記二分級姿勢で固定する固定手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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