説明

スケールアウトシステムおよび方法ならびにプログラム

【課題】不必要なコンピュータリソースの消費を抑制し、効率的に負荷分散を行う事を可能にするサーバのスケールアウトの技術を提供する。
【解決手段】スケールアウトシステムにおいて、複数の仮想サーバから成る仮想サーバ群を有するホストサーバ3と、ホストサーバ3の仮想サーバ群を監視する機能を有する監視サーバ4と、ホストサーバ3の仮想サーバ群のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有する依存関係管理サーバ5と、ホストサーバ3の仮想サーバ群を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有する構成変更サーバ6とで構成され、高負荷の原因となった仮想サーバを監視サーバ4で検知し、この検知された仮想サーバのプロセスに依存するシステムを依存関係管理サーバ5で取得し、この取得したシステムのみを構成変更サーバ6でスケールアウト先の仮想サーバに移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバのスケールアウトの技術に関し、特に、ソフトウェアの依存関係を用いてサーバのスケールアウトを行う為のシステムおよび方法ならびにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複数台のサーバで構成されるサーバシステムでは、高負荷時に負荷分散を行えるように、フロントエンド部分に負荷分散装置を置いて、負荷の少ない状態のサーバに対して優先的にトランザクションを要求する事が行われている。例えば、特許文献1(特開2005−141441号公報)では、負荷分散の対象となるサーバ群へのアクセスのアクセスログを統計処理し、処理結果に基づいてトランザクションの振り分けを行う方法が記載されている。
【0003】
しかし、同特許文献1に示される方法では、トランザクションの量に応じてシステム全体の処理能力を向上させる事は難しく、システムを構成するサーバの処理能力の総和を超えるトランザクションには対応出来ないという課題がある。この課題を解決する仕組みとして、サーバのスケールアウトが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−141441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的なスケールアウトの方式は、パフォーマンスを向上させたいサーバの複製を作成し、負荷分散装置でサーバに対するトランザクションを分散させる事で実現される。このスケールアウト方式で行われるサーバの複製は、対象となるサーバの完全コピーである。例えば、物理サーバの追加であれば、複製元のサーバにインストールされているソフトウェアを全てインストールする事で実現し、仮想サーバであれば、クローンを作成する事で実現する。負荷分散装置によってトランザクションを分散させる為に、ホスト名やIPアドレスの変更が行われるが、インストールされているソフトウェアに関しては、複製元と複製先は同一構成である。
【0006】
つまり、従来のスケールアウトの方式によりサーバの台数を増やす場合、全てのソフトウェアが処理分散の対象となってしまうのである。例えば、2つのシステムが動作するサーバにおいて、一方のシステムにのみ負荷がかかっている状態でスケールアウトを行った場合、負荷がかかっているシステムは勿論の事、負荷がかかっていないシステムについても2台のコンピュータリソースを利用する事になってしまう。ここで言うシステムとは、目的を持って動作する複数のソフトウェア群を指す。
【0007】
上記の従来のスケールアウトの方式の課題は、それぞれのシステム毎にスケールアウト用のサーバを用意しておく事で、必要機能毎のスケールアウトが可能であるが、複数台のサーバを管理する事になり、効率が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明では、従来のスケールアウトの方式の問題を解決して、その代表的な目的は、不必要なコンピュータリソースの消費を抑制し、効率的に負荷分散を行う事を可能にするサーバのスケールアウトの技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
すなわち、前述の目的を達成するために、本発明では、ソフトウェアの依存関係を用いて自動的にサーバのスケールアウトを行う仕組みを実現する。
【0012】
本発明は、複数の仮想サーバから成る仮想サーバ群を有するホストサーバと、ホストサーバの仮想サーバ群を監視する機能を有する監視サーバと、ホストサーバの仮想サーバ群のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有する依存関係管理サーバと、ホストサーバの仮想サーバ群を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有する構成変更サーバとで構成されるスケールアウトを行う為のシステムである。
【0013】
このスケールアウトを行う為のシステムでは、高負荷の原因となった仮想サーバを監視サーバで検知し、この検知された仮想サーバのプロセスに依存するシステムを依存関係管理サーバで取得し、この取得したシステムのみを構成変更サーバでスケールアウト先の仮想サーバに移動させる事により、前述の課題を解決する。
【0014】
また、本発明は、前記スケールアウトを行う為のシステムによる方法や、前記スケールアウトを行う為のシステムとしてコンピュータを機能させるプログラムにも適用する事ができる。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
すなわち、本発明のスケールアウトにより、システム単位の負荷分散が可能になる為、不必要なコンピュータリソースの消費を抑制し、効率的に負荷分散を行う事が可能になる。また、スケールアウトに関わる全ての操作は、本発明のシステムが自動的に行う為、サーバ運用担当者の負担軽減に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスケールアウトシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1のスケールアウトシステムにおいて、依存関係管理データベースの情報項目の一例を示す説明図である。
【図3】図1のスケールアウトシステムにおいて、高負荷発生からサーバスケールアウトが完了するまでのシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1のスケールアウトシステムにおいて、スケールアウトの実現の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
<スケールアウトシステムの構成>
図1を用いて、本発明におけるスケールアウトを行う為のシステム(ここでは、スケールアウトシステムと言う)のシステム構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるスケールアウトシステムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0020】
本実施の形態におけるスケールアウトシステムは、インターネット1に繋がる負荷分散装置2と、この負荷分散装置2に繋がるホストサーバ3と、このホストサーバ3に繋がり、同一ネットワークに繋がる、監視サーバ4、依存関係管理サーバ5、および構成変更サーバ6とから構成されている。また、スケールアウトを行う為の経路として、監視サーバ4は依存関係管理サーバ5に繋がり、さらに依存関係管理サーバ5は構成変更サーバ6に繋がっている。
【0021】
ホストサーバ3は、仮想化機能を有しており、サービスを提供する仮想サーバA7と仮想サーバB8とから成る仮想サーバ群9と、それぞれの仮想サーバA7と仮想サーバB8を複製する為の仮想サーバAテンプレート11と仮想サーバBテンプレート12とから成る仮想サーバ作成用テンプレート10とを備える。
【0022】
監視サーバ4は、仮想サーバ群9を監視する機能を有しており、仮想サーバ群9のそれぞれの仮想サーバA7と仮想サーバB8との高負荷状態などを検知している。
【0023】
依存関係管理サーバ5は、仮想サーバ群9のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有しており、仮想サーバ群9のソフトウェアの依存関係を管理する為の依存関係管理データベース13を備える。
【0024】
構成変更サーバ6は、仮想サーバ群9を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有しており、仮想サーバの複製を実行する仮想サーバ複製スクリプト14と、動作中のプロセス停止を実行するプロセス停止スクリプト15とを備える。
【0025】
このスケールアウトシステムは、例えばCPUおよび各種メモリや周辺機器などのハードウェアを含むコンピュータシステムを用いて構築される。このコンピュータシステムにおいて、CPUの制御により、プログラム格納用のメモリに記憶されているプログラム形式の各種ソフトウェア(スケールアウトプログラム)を実行することで、それぞれの機能を有する、負荷分散装置2、ホストサーバ3、監視サーバ4、依存関係管理サーバ5、および構成変更サーバ6を実現する事ができる。また、仮想サーバ作成用テンプレート10や依存関係管理データベース13は、データ格納用のメモリ上に実現する事ができる。
【0026】
このスケールアウトシステムにおいて、負荷分散装置2が繋がるインターネット1には、図示しないクライアント端末が繋がっており、このクライアント端末からのアクセスに対して、負荷分散装置2でホストサーバ3の仮想サーバ群9に対するトランザクションを分散させるスケールアウトが可能となっている。このスケールアウトにおいて、パフォーマンスを向上させたい仮想サーバの複製を作成する場合は、仮想サーバのクローンを作成する事で実現する事ができる。
【0027】
<依存関係管理データベースの情報項目>
図2を用いて、前述した依存関係管理サーバ5に配置される依存関係管理データベース13について説明する。図2は、依存関係管理データベース13の情報項目の一例を示す説明図である。
【0028】
本実施の形態における依存関係管理データベース13には、仮想サーバ群9のソフトウェアに関する各種情報を保持している。この依存関係管理データベース13は、情報項目として、サーバ名13(1)と、システム名13(2)と、ソフトウェア名13(3)と、プロセス名13(4)を情報として格納している。
【0029】
サーバ名13(1)には、仮想サーバの名称を格納している。この例では、図1に対応して「仮想サーバA」、「仮想サーバB」が格納される。
【0030】
システム名13(2)には、システムの名称を格納している。この例では、「System 01」、「System 02」、「System 03」が格納される。ここで言うシステムとは、仮想サーバ上で目的を持って動作する複数のソフトウェア群を指す。
【0031】
ソフトウェア名13(3)には、ソフトウェアの名称を格納している。この例では、「Soft w」、「Soft x」、「Soft y」、「Soft z」が格納される。ここで言うソフトウェアとは、システム(複数のソフトウェア群)の中のソフトウェアを指す。
【0032】
プロセス名13(4)には、プロセスの名称を格納している。この例では、「Proc α」、「Proc β」、「Proc γ」、「Proc Ω」が格納される。ここで言うプロセスとは、ソフトウェアによる動作を指す。
【0033】
<スケールアウトシステムの動作>
図1と図2を参照しながら、図3を用いて、本発明のスケールアウトで行われる動作について説明する。図3は、高負荷発生からサーバスケールアウトが完了するまでのシステムの動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、スケールアウトの実現の一例を示す説明図である。
【0034】
本実施の形態のスケールアウトで行われる動作は、1つの仮想サーバ、例えば仮想サーバA7で高負荷な状態が発生すると、この一連の動作が開始される。
【0035】
まず、ステップST1において、監視サーバ4は、被監視サーバ、ここでは仮想サーバA7の高負荷状態を検知する。
【0036】
そして、ステップST2において、監視サーバ4は、高負荷の原因となった仮想サーバA7のプロセス、例えばプロセス名「Proc α」を、サーバ名、ここでは「仮想サーバA」と一緒にSNMP(simple network management protocol)トラップのメッセージに入力して、依存関係管理サーバ5に対して送信する。
【0037】
続いて、ステップST3において、依存関係管理サーバ5は、監視サーバ4から送信されたSNMPトラップを受信する。
【0038】
そして、ステップST4において、SNMPトラップを受信した依存関係管理サーバ5は、SNMPトラップに入力された情報の一つである高負荷の原因となったプロセス名、ここでは「Proc α」を利用して、このプロセスが動作するシステム名を依存関係管理データベース13より検索して取得し、この対象のシステムに依存するプロセス一覧を取得する。今回の例では、「仮想サーバA」(13(1)1行目)のプロセス名「Proc α」(13(4)1行目)は、システム名「System 01」(13(2)1行目)で動作するソフトウェア名「Soft w」(13(3)1行目)のプロセスであり、システム名「System 01」(13(2)2行目)では、この他にソフトウェア名「Soft x」(13(3)2行目)が動作している為、プロセス名「Proc α」(13(4)1行目)とプロセス名「Proc β」(13(4)2行目)が一覧として取得される。
【0039】
さらに、ステップST5において、依存関係管理サーバ5は、今度は高負荷の原因となったプロセス、ここではプロセス名「Proc α」に依存しないプロセスを依存関係管理データベース13より検索して取得し、この依存しないプロセス一覧を取得する。今回の例では、「仮想サーバA」(13(1)3行目)ではシステム名「System 02」(13(2)3行目)においてソフトウェア名「Soft y」(13(3)3行目)が動作している為、プロセス名「Proc γ」(13(4)3行目)が一覧として取得される。
【0040】
そして、ステップST6において、依存関係管理サーバ5は、SNMPトラップに入力されたもう一つの情報であるサーバ名、ここでは「仮想サーバA」を利用して、デプロイする仮想サーバのテンプレート、ここでは仮想サーバAテンプレート11を選択して、構成変更要求を構成変更サーバ6に対して送信する。このとき、構成変更要求には、データとして、ステップST4で取得したプロセス一覧(「Proc α」、「Proc β」)、ステップST5で取得したプロセス一覧(「Proc γ」)を入力する。
【0041】
続いて、ステップST7において、構成変更サーバ6は、依存関係管理サーバ5から送信された構成変更要求を受信する。
【0042】
そして、ステップST8において、構成変更サーバ6は、仮想サーバ複製スクリプト14を実行して、仮想サーバAテンプレート11を利用して仮想サーバA7の複製を作成する。
【0043】
さらに、ステップST9において、構成変更サーバ6は、受信した構成変更要求のデータにステップST5で取得したプロセス一覧(「Proc γ」)が入力されているか否か、すなわち高負荷の原因となったプロセスに依存しないプロセスがあるか否かを判断する。依存しないプロセスがある場合(Yes)はステップST10へ、依存しないプロセスがない場合(No)は、スケールアウト完了の状態へ移行する。今回の例では、高負荷の原因となったプロセス(「Proc α」)に依存しないプロセス(「Proc γ」)があるので、ステップST10へ移行する。
【0044】
そして、ステップST10では、構成変更サーバ6は、仮想サーバA7上でプロセス停止スクリプト15を実行して、ステップST5で取得したプロセス一覧、すなわち高負荷の原因となったプロセスに依存しないプロセスを全て停止させる。今回の例では、プロセス(「Proc γ」)を停止させる。
【0045】
この結果、今回の例では、仮想サーバA7について、図4のようなスケールアウトが実現される。すなわち、図4に示すように、仮想サーバA(複製元)7では、プロセス(「Proc α」)とプロセス(「Proc β」)とが動作するシステム(「System 01」)が動作可能で、プロセス(「Proc γ」)が動作するシステム(「System 02」)が停止される。また、仮想サーバA(複製先)7’には、プロセス(「Proc α」)とプロセス(「Proc β」)とが動作するシステム(「System 01」)と、プロセス(「Proc γ」)が動作するシステム(「System 02」)とが複製される。
【0046】
<本実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態におけるスケールアウトシステムによれば、仮想サーバ群9を備えるホストサーバ3に繋がる、監視サーバ4、依存関係管理サーバ5、および構成変更サーバ6を有し、高負荷の原因となった仮想サーバのプロセスに依存するシステムのみをスケールアウト先の仮想サーバに移動させる事により、システム単位の負荷分散が可能になる為、不必要なコンピュータリソースの消費を抑制し、効率的に負荷分散を行う事が可能になる。
【0047】
また、スケールアウトに関わる全ての操作は、本実施の形態におけるスケールアウトシステムが自動的に行う為、サーバ運用担当者の負担軽減に繋がる。
【0048】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のサーバのスケールアウトの技術は、ソフトウェアの依存関係を用いてサーバのスケールアウトを行う為のシステムおよび方法ならびにプログラムに利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 インターネット
2 負荷分散装置
3 ホストサーバ
4 監視サーバ
5 依存関係管理サーバ
6 構成変更サーバ
7 仮想サーバA
8 仮想サーバB
9 仮想サーバ群
10 仮想サーバ作成用テンプレート
11 仮想サーバAテンプレート
12 仮想サーバBテンプレート
13 依存関係管理データベース
14 仮想サーバ複製スクリプト
15 プロセス停止スクリプト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仮想サーバから成る仮想サーバ群を有するホストサーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を監視する機能を有する監視サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有する依存関係管理サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有する構成変更サーバとを有し、
高負荷の原因となった仮想サーバを前記監視サーバで検知し、この検知された仮想サーバのプロセスに依存するシステムを前記依存関係管理サーバで取得し、この取得したシステムのみを前記構成変更サーバでスケールアウト先の仮想サーバに移動させることを特徴とするスケールアウトシステム。
【請求項2】
請求項1記載のスケールアウトシステムにおいて、
前記依存関係管理サーバは、前記高負荷の原因となった仮想サーバと、この仮想サーバのプロセスに依存するシステムとを関連付けるために、前記仮想サーバの仮想サーバ名と、前記仮想サーバで動作する複数のソフトウェア群から成るシステムのシステム名と、前記システムで動作するソフトウェアによるプロセスのプロセス名とから成る情報を格納する依存関係管理データベースを有し、
前記構成変更サーバは、前記仮想サーバの複製を実行する仮想サーバ複製スクリプトと、動作中のプロセス停止を実行するプロセス停止スクリプトとを有し、
前記ホストサーバは、前記仮想サーバ群の各仮想サーバを複製する為の仮想サーバ作成用のテンプレートを有することを特徴とするスケールアウトシステム。
【請求項3】
請求項2記載のスケールアウトシステムにおいて、
前記監視サーバは、前記仮想サーバの高負荷状態を検知し、この高負荷の原因となった仮想サーバのプロセス名をサーバ名と一緒にSNMPトラップのメッセージに入力して、前記依存関係管理サーバに対して送信し、
前記依存関係管理サーバは、前記監視サーバから送信されたSNMPトラップを受信し、このSNMPトラップに入力された高負荷の原因となったプロセス名を利用して、このプロセスが動作するシステム名を前記依存関係管理データベースより検索して取得し、このシステムに依存するプロセス一覧を取得し、さらに、前記高負荷の原因となったプロセスに依存しないプロセスを前記依存関係管理データベースより検索して取得し、この依存しないプロセス一覧を取得し、そして、前記SNMPトラップに入力されたサーバ名を利用して、デプロイする仮想サーバの前記テンプレートを選択して、前記依存するプロセス一覧と前記依存しないプロセス一覧を構成変更要求に入力して前記構成変更サーバに対して送信し、
前記構成変更サーバは、前記依存関係管理サーバから送信された構成変更要求を受信し、前記仮想サーバ複製スクリプトを実行して前記仮想サーバの前記テンプレートを利用して前記仮想サーバの複製を作成し、さらに、前記受信した構成変更要求のデータに前記依存しないプロセスがあるか否かを判断し、依存しないプロセスがある場合は前記仮想サーバ上で前記プロセス停止スクリプトを実行して、前記依存しないプロセス一覧のプロセスを全て停止させてスケールアウトを完了させ、依存しないプロセスがない場合はスケールアウトを完了させることを特徴とするスケールアウトシステム。
【請求項4】
複数の仮想サーバから成る仮想サーバ群を有するホストサーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を監視する機能を有する監視サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有する依存関係管理サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有する構成変更サーバとを有するスケールアウトシステムによるスケールアウト方法であって、
前記依存関係管理サーバは、高負荷の原因となった仮想サーバと、この仮想サーバのプロセスに依存するシステムとを関連付けるために、前記仮想サーバの仮想サーバ名と、前記仮想サーバで動作する複数のソフトウェア群から成るシステムのシステム名と、前記システムで動作するソフトウェアによるプロセスのプロセス名とから成る情報を格納する依存関係管理データベースを有し、
前記構成変更サーバは、前記仮想サーバの複製を実行する仮想サーバ複製スクリプトと、動作中のプロセス停止を実行するプロセス停止スクリプトとを有し、
前記ホストサーバは、前記仮想サーバ群の各仮想サーバを複製する為の仮想サーバ作成用のテンプレートを有し、
前記監視サーバにより、前記仮想サーバの高負荷状態を検知し、この高負荷の原因となった仮想サーバのプロセス名をサーバ名と一緒にSNMPトラップのメッセージに入力して、前記依存関係管理サーバに対して送信するステップと、
前記依存関係管理サーバにより、前記監視サーバから送信されたSNMPトラップを受信し、このSNMPトラップに入力された高負荷の原因となったプロセス名を利用して、このプロセスが動作するシステム名を前記依存関係管理データベースより検索して取得し、このシステムに依存するプロセス一覧を取得し、さらに、前記高負荷の原因となったプロセスに依存しないプロセスを前記依存関係管理データベースより検索して取得し、この依存しないプロセス一覧を取得し、そして、前記SNMPトラップに入力されたサーバ名を利用して、デプロイする仮想サーバの前記テンプレートを選択して、前記依存するプロセス一覧と前記依存しないプロセス一覧を構成変更要求に入力して前記構成変更サーバに対して送信するステップと、
前記構成変更サーバにより、前記依存関係管理サーバから送信された構成変更要求を受信し、前記仮想サーバ複製スクリプトを実行して前記仮想サーバの前記テンプレートを利用して前記仮想サーバの複製を作成し、さらに、前記受信した構成変更要求のデータに前記依存しないプロセスがあるか否かを判断し、依存しないプロセスがある場合は前記仮想サーバ上で前記プロセス停止スクリプトを実行して、前記依存しないプロセス一覧のプロセスを全て停止させてスケールアウトを完了させ、依存しないプロセスがない場合はスケールアウトを完了させるステップとを有することを特徴とするスケールアウト方法。
【請求項5】
複数の仮想サーバから成る仮想サーバ群を有するホストサーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を監視する機能を有する監視サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群のソフトウェアの依存関係を管理する機能を有する依存関係管理サーバと、
前記ホストサーバの前記仮想サーバ群を管理する仮想化ソフトウェアに対して構成変更の要求を行う機能を有する構成変更サーバとを有するスケールアウトシステムとしてコンピュータを機能させるスケールアウトプログラムであって、
前記依存関係管理サーバは、高負荷の原因となった仮想サーバと、この仮想サーバのプロセスに依存するシステムとを関連付けるために、前記仮想サーバの仮想サーバ名と、前記仮想サーバで動作する複数のソフトウェア群から成るシステムのシステム名と、前記システムで動作するソフトウェアによるプロセスのプロセス名とから成る情報を格納する依存関係管理データベースを有し、
前記構成変更サーバは、前記仮想サーバの複製を実行する仮想サーバ複製スクリプトと、動作中のプロセス停止を実行するプロセス停止スクリプトとを有し、
前記ホストサーバは、前記仮想サーバ群の各仮想サーバを複製する為の仮想サーバ作成用のテンプレートを有し、
前記監視サーバにより、前記仮想サーバの高負荷状態を検知し、この高負荷の原因となった仮想サーバのプロセス名をサーバ名と一緒にSNMPトラップのメッセージに入力して、前記依存関係管理サーバに対して送信するステップと、
前記依存関係管理サーバにより、前記監視サーバから送信されたSNMPトラップを受信し、このSNMPトラップに入力された高負荷の原因となったプロセス名を利用して、このプロセスが動作するシステム名を前記依存関係管理データベースより検索して取得し、このシステムに依存するプロセス一覧を取得し、さらに、前記高負荷の原因となったプロセスに依存しないプロセスを前記依存関係管理データベースより検索して取得し、この依存しないプロセス一覧を取得し、そして、前記SNMPトラップに入力されたサーバ名を利用して、デプロイする仮想サーバの前記テンプレートを選択して、前記依存するプロセス一覧と前記依存しないプロセス一覧を構成変更要求に入力して前記構成変更サーバに対して送信するステップと、
前記構成変更サーバにより、前記依存関係管理サーバから送信された構成変更要求を受信し、前記仮想サーバ複製スクリプトを実行して前記仮想サーバの前記テンプレートを利用して前記仮想サーバの複製を作成し、さらに、前記受信した構成変更要求のデータに前記依存しないプロセスがあるか否かを判断し、依存しないプロセスがある場合は前記仮想サーバ上で前記プロセス停止スクリプトを実行して、前記依存しないプロセス一覧のプロセスを全て停止させてスケールアウトを完了させ、依存しないプロセスがない場合はスケールアウトを完了させるステップとを実行させることを特徴とするスケールアウトプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−253371(P2011−253371A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127083(P2010−127083)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)