説明

スタンプラリーシステム

【課題】非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムの提供。
【解決手段】非接触ICカードへスタンプラリーポイントの情報を書き込むリーダ/ライタCと、非接触ICカードを具備した携帯端末Aと、スタンプラリーの情報を携帯端末に送信及び受信する管理サーバBと、管理サーバBと携帯端末を接続する通信ネットワークから構成される。携帯端末Aが、管理サーバBからスタンプラリーの情報を受信する受信手段101と、非接触ICカードに書き込まれたスタンプラリーポイントの情報及び管理サーバBから受信したスタンプラリーの情報を所定の規則に従って処理を行う情報処理手段102と、情報処理手段に於いて処理された情報を保存する情報保存手段103と、情報保存手段に於いて保存される情報を閲覧可能にする閲覧手段104と、情報保存手段に於いて保存された情報を管理サーバBに送信する送信手段106を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムに関し、より詳しくは、非接触ICカードを具備する携帯端末を利用してスタンプラリーを行うことにより、スタンプラリー参加者は場所を問わず収集したスタンプを容易に管理できるとともに、スタンプラリーに付帯する懸賞の公平な応募機会を提供する非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスタンプラリーでは、スタンプラリー主催者が訪れてほしいと思う複数の場所にスタンプを設置し、スタンプラリー参加者にスタンプ用紙等を配布して、スタンプラリー参加者がスタンプの設置された場所を訪れてスタンプを押印してスタンプを収集し、収集したスタンプの数に応じて懸賞に応募することができるイベントであった。しかしながら、スタンプ用紙が破れたり、雨等でスタンプ用紙が濡れるとスタンプがにじむ等の問題や、人気のあるスタンプラリーポイントではスタンプを押印する人の行列ができてしまい、スタンプラリー参加者のスタンプを押印する意欲が削がれる問題があった。また、一人のスタンプラリー参加者が一度に複数のスタンプ用紙に押印し、複数応募することが可能等の不公平な問題もあった。
【0003】
上記した問題を解決するためにスタンプ用紙を使用せずに2次元コードを利用したスタンプラリーの発明が創出されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の発明は、スタンプラリー参加者がスタンプを押印する代わりに、2次元コードに保存されるスタンプラリーの情報を携帯端末を利用して取り出し、取り出した情報を管理サーバに送信して管理サーバに於いて処理、保存及び閲覧を行うことによってスタンプラリーを行う発明である。しかしながら、特許文献1記載の発明は、スタンプラリー参加者がスタンプを押印する代わりに2次元コードから取り出したスタンプラリーの情報を管理サーバに送信する必要があるため、ネットワークに接続不可能な場所からは2次元コードから取り出したスタンプラリーの情報を管理サーバーに送信することができないため、ネットワークに接続可能な場所以外に2次元コードを設置できない。また、スタンプラリー参加者のスタンプラリーの情報もホームページを利用して閲覧を行うため、ネットワークに接続不可能な場所からは、スタンプラリーの情報を確認することができなかった。
2次元コードを撮影又はコピーすることによって、不正な参加手段(例えば、5人の人間で1箇所ずつ分担して5箇所の2次元コードを撮影し、撮影した2次元コードを持ち寄って撮影した2次元コードからスタンプラリーの情報を取り出すことによって、5人全員が5箇所のポイントを訪れたかのようにすること)が可能である問題もあった。
【0004】
【特許文献1】特開2005−115642
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、スタンプを押印する感覚に似た動作をスタンプラリー参加者が行うことによってスタンプラリーに参加する楽しみを残しつつスタンプを押印するよりも短い時間で瞬間的にスタンプラリーポイントへの来訪情報を記録し、スタンプの管理を容易にするとともに、スタンプラリー参加者がスタンプラリーの懸賞に当選する機会を公平に得ることができるスタンプラリーシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムであって、非接触ICカードへスタンプラリーポイントの情報を書き込むリーダー/ライターと、非接触ICカードを具備しており、非接触ICカードに書き込まれた情報及びスタンプラリーに関する情報を管理する携帯端末と、スタンプラリーに関する情報を携帯端末に送信及び受信する管理サーバと、管理サーバと携帯端末を接続する通信ネットワークから構成され、前記携帯端末が、管理サーバからスタンプラリーに関する情報を受信する受信手段と、非接触ICカードに書き込まれたスタンプラリーポイントの情報及び管理サーバから受信したスタンプラリーに関する情報を所定の規則に従って処理を行う情報処理手段と、情報処理手段に於いて処理された情報を保存する情報保存手段と、情報保存手段に於いて保存される情報を閲覧可能にする閲覧手段と、情報保存手段に於いて保存された情報を管理サーバに送信する送信手段を有することを特徴とするスタンプラリーシステムを提供する。
請求項2の発明は、前記携帯端末は、前記非接触ICカードに書き込まれた情報に従って、前記管理サーバから所定の条件を満たすスタンプラリーに関する情報を受信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムを提供する。
請求項3の発明は、前記携帯端末は、前記保存手段に於いて保存された情報を閲覧可能にする閲覧手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムを提供する。
請求項4の発明は、前記携帯端末は、前記管理サーバから受信したスタンプラリーに関する情報と前記情報保存手段に於いて保存された情報から、所定の条件を満たすスタンプラリーの懸賞にのみ応募可能とする手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、非接触ICカードを具備する携帯端末を利用してスタンプラリーを行うことによって、スタンプラリー参加者はスタンプを押印するよりも短い瞬間的な時間でスタンプを押印するのに似た感覚を得ることができる一方で、同時にスタンプラリーポイントが混雑することを防ぐことができる。
【0008】
本発明によると、スタンプラリー参加者はネットワークに接続可能か不可能かに関わらずいつでもどこでもスタンプラリーの情報を確認することができる。
【0009】
本発明によると、スタンプラリー主催者は、スタンプ又は2次元コード等をコピーすることによって得たスタンプ又はスタンプラリーの情報を利用して、スタンプラリーに不正に参加する手段を無効にすることができる。
【0010】
本発明によると、スタンプラリー参加者はスタンプラリーの懸賞の応募条件を満たさない無効な応募を行うことがないため、スタンプラリー主催者は、スタンプラリー参加者にスタンプラリーの懸賞に当選する機会を公平に提供することができる。またそのことにより、なかなか懸賞に当選しない等の理由によってスタンプラリーに参加することを敬遠していた人々がスタンプラリーに参加することを期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のスタンプラリーシステムは、図1に示す通り1又は複数の非接触ICカードを具備する携帯端末A(以下、携帯端末A)と、1又は複数の管理サーバBと、1又は複数のリーダ/ライタCからなる。携帯端末Aと管理サーバBはインターネット等のネットワークにより互いに送受信可能である。
【0012】
携帯端末Aは、例えば、ソニーが開発した非接触ICカード技術方式であるFelicaを搭載した携帯電話機であるが、それに限らない。
【0013】
管理サーバBは、1又は複数のスタンプラリーの情報を保持する。
スタンプラリーの情報とは、スタンプラリーの名称、開催期間、スタンプラリーポイントの情報、スタンプラリーの懸賞の情報及びスタンプラリーを一意に識別できるID情報等を指す。
スタンプラリーポイントの情報とは、スタンプラリーポイントの名称、位置情報(例えば、住所又はGPSによる即位情報等、その他位置を特定できる情報)、スタンプ画像情報、該スタンプラリーポイントの通過状態及びスタンプラリーポイントを一意に識別できるID情報等を指す。
スタンプラリーの懸賞の情報とは、懸賞の名称、賞品、懸賞に応募するための条件(例えば、スタンプを5個以上集めること等)、懸賞の応募資格、懸賞の当選者の数、及び懸賞を一意に識別できるID情報等を指す。
【0014】
リーダ/ライタCは、該リーダ/ライタCが設置されたスタンプラリーポイントのID情報を保持し、スタンプラリーポイント1箇所につき1又は複数設置される。リーダ/ライタCは、携帯端末Aが具備する非接触ICカードが書き込み可能な距離まで接近したとき、該非接触ICカードに、該リーダ/ライタCが設置されたスタンプラリーポイントのID情報等を書き込む。
【0015】
携帯端末Aは、情報受信手段101、情報処理手段102、情報保存手段103、情報閲覧手段104、情報入力手段105及び情報送信手段106を備える。
【0016】
情報受信手段101は、管理サーバBからスタンプラリーの情報をダウンロードする。
【0017】
情報処理手段102は、非接触ICカードに書き込まれた情報に従って、スタンプラリーポイントの通過状態を通過済に変更すると共に、スタンプラリーの懸賞の応募条件を満たすか否か判定し、応募条件を満たす場合、該懸賞の応募資格の状態を応募可能に変更する。また、非接触ICカードのメモリ領域の制限等により非接触ICカードに書き込まれた情報にスタンプ画像の情報が含まれない場合は、前記スタンプラリーポイントのスタンプ画像を情報受信手段101に於いてダウンロードするものとする。その場合は、スタンプラリーポイントの情報にスタンプ画像情報のダウンロード可否状態を持つ。
【0018】
情報保存手段103は、情報受信手段101に於いてダウンロードされた情報、情報入力手段105に於いて入力された情報及び情報処理手段102に於いて処理された情報を携帯端末Aに保存する。
【0019】
情報閲覧手段104は、情報保存手段103に於いて保存された情報を閲覧可能とする。閲覧可能な情報としては、例えば、スタンプラリーの情報一覧、スタンプポイントの情報一覧(どのスタンプポイントを通過して、どのスタンプポイントを通過していないかが一目でわかることが望ましい)、スタンプラリーの懸賞の情報一覧(応募可能か、応募済か、あと何個スタンプを集めれば応募可能となるかが一目でわかることが望ましい)があげられる。
【0020】
情報入力手段105は、スタンプラリーの懸賞に応募するために必要な、スタンプラリー参加者の情報を入力するためのものである。
【0021】
情報送信手段106は、情報保存手段103に於いて保存された情報及び情報入力手段105に於いて入力された情報を管理サーバBへ送信する。
【0022】
情報受信手段101及び情報送信手段106に於いて利用するプロトコルは、例えば、HTTPが挙げられるが、それに限らない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明のスタンプラリーシステムによって、スタンプラリー参加者は容易にスタンプ及びスタンプラリーの進行状況を管理することができると同時に、スタンプラリーの懸賞に関して公平な応募条件の元に実施されることから、スタンプラリーの参加者が増加することを期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のスタンプラリーシステムの構成概要を示す図である。
【図2】本発明のスタンプラリーシステムのユースケースを示す図である。
【図3】本発明のスタンプラリーシステムのワークフローを示す図である。
【図4】携帯端末Aの機能を示すブロック線図である。
【符号の説明】
【0025】
101 情報受信手段
102 情報処理手段
103 情報保存手段
104 情報閲覧手段
106 情報入力手段
106 情報送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステムであって、非接触ICカードへスタンプラリーポイントの情報を書き込むリーダー/ライターと、非接触ICカードを具備しており、非接触ICカードに書き込まれた情報及びスタンプラリーに関する情報を管理する携帯端末と、スタンプラリーに関する情報を携帯端末に送信及び受信する管理サーバと、管理サーバと携帯端末を接続する通信ネットワークから構成され、前記携帯端末が、管理サーバからスタンプラリーに関する情報を受信する受信手段と、非接触ICカードに書き込まれたスタンプラリーポイントの情報及び管理サーバから受信したスタンプラリーに関する情報を所定の規則に従って処理を行う情報処理手段と、情報処理手段に於いて処理された情報を保存する情報保存手段と、情報保存手段に於いて保存される情報を閲覧可能にする閲覧手段と、情報保存手段に於いて保存された情報を管理サーバに送信する送信手段を有することを特徴とするスタンプラリーシステム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記非接触ICカードに書き込まれた情報に従って、前記管理サーバから所定の条件を満たすスタンプラリーに関する情報を受信する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステム。
【請求項3】
前記携帯端末は、前記保存手段に於いて保存された情報を閲覧可能にする閲覧手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステム。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記管理サーバから受信したスタンプラリーに関する情報と前記情報保存手段に於いて保存された情報から、所定の条件を満たすスタンプラリーの懸賞にのみ応募可能とする手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載の非接触ICカードを具備する携帯端末を利用したスタンプラリーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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