説明

スチレン系エラストマー樹脂ペレットのブロッキング防止方法

【課題】 スチレン系エラストマー樹脂ペレットの製造、輸送及び加工の際に生ずるブロッキングに対し、耐ブロッキング性の良好なペレットを安定的に提供する。
【解決手段】 下記(1)〜(3)の工程からなるエラストマー樹脂ペレットの製造方法により達成される。
(1)芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体の、固形分濃度が10重量%以上40重量%以下である水性乳濁液と、無機塩の混合物を調製する工程、
(2)固形分濃度が0.01重量%以上10重量%以下である、(1)で得られた凝集体、水、及び水溶性高分子の混合物を調製する工程、
(3)スチレン系エラストマー樹脂ペレットに、(2)で得られた混合物を付着させる工程

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチレン系エラストマー樹脂ペレットのブロッキング防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性スチレン系エラストマーは溶融成形可能なゴム状物質であり、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形等、通常熱可塑性樹脂で用いられる成形法により成形することができる。熱可塑性スチレン系エラストマーは、その強度と伸びおよび制振性に優れた性質を有しており、具体的な用途としては、エラストマー材料、樹脂、ゴム、アスファルト等の改質材、制振材、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤の成分として用いることができる。
【0003】
このように優れた性質、加工性を有する熱可塑性スチレン系エラストマーであるが、その反面、軟化点の低さから室温付近でも樹脂同士の付着、すなわちブロッキングが発生しやすい。このブロッキングは熱可塑性樹脂のペレット化、乾燥、梱包、成形に至るまで、あらゆる場面において取り扱いの困難な状況を発生させる。具体的には、樹脂をペレットに成形する段階においては、ペレット同士あるいはペレットが加工設備へ付着することにより運転の支障になる。また、ホッパー内部でペレットが閉塞し、払い出しが不能になることもよく知られた事実である。
【0004】
このような熱可塑性エラストマー樹脂のブロッキングを改善する方法として、特許文献1のように熱可塑性エラストマーを結晶性ポリオレフィンで被覆する方法が開示されている。また特許文献2のように熱可塑性シートに対して親水性高分子化合物、脂肪酸金属塩、界面活性剤、導電性高分子を含有する制電層を積層する方法も開示されている。
【0005】
これらは樹脂をペレット形状に成形する前に配合物を混練するペレットのブロッキング防止方法、あるいは成形シートのブロッキング防止方法である。しかしペレットのブロッキング防止のために添加する配合物、高分子成分によっては、エラストマーの物性自体の悪化が懸念される。また芯鞘型複合押出ダイなどのように専用設備が必要となり、簡便な方法とは言いがたい。
【0006】
一方、特許文献3には熱可塑性エラストマー樹脂ペレットに脂肪酸金属塩粉末、脂肪酸アミド粉末、ポリオレフィン粉末、シリカ粉末等を付着させる方法が開示されている。これらの方法では、ストランドカット中に水槽を用いてブロッキング防止剤を付与する場合や水中カットペレタイザにて付与する場合には、その水溶液に樹脂を接触させても効果的に樹脂表面にブロッキング防止剤が付着せずその効果が十分でないケースがしばしばであった。
【0007】
一方、イソブチレンとスチレン等の芳香族ビニル系単量体とをカチオン重合することにより、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造法については、例えば、特許文献4に、塩化メチルとメチルシクロヘキサンを組み合わせた混合溶媒中での製造方法が開示されている。
【0008】
また特許文献5にも、塩化メチレンとヘキサンからなる混合溶媒中で、イソブチレン重合体ブロックとスチレン重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法が開示されている。
【0009】
一般に、スチレン系エラストマー樹脂の回収方法には、薄膜蒸発機や押出機による溶媒除去後ストランドカット方式や水中カット方式でペレット化する方法やスチームストリッピングによって粉粒体化する方法が採用されているケースが多い。
【0010】
ストランドカット方式や水中カット方式でペレット化する方法においては水中でブロッキング防止剤を付与することが最も効果的で、特許文献6においても脂肪酸アミドを付与する製造方法が開示されている。この製造法によって一定ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレットの安定生産が可能となるが、まだ十分とはいえない場合があった。さらに特許文献7のように、水性乳濁液と無機塩を添加する方法を水中カット方式に応用展開する方法もあるが、この方法では、水中カット循環タンク内の無機塩濃度が高くなり、押出機のダイを腐食させてしまう懸念があった。
【0011】
このようにスチレン系エラストマー樹脂ペレットを製造するにあたっての諸問題を解決し、ブロッキング性の良好な製品を安定的に生産する製造プロセスの開発が望まれていた。
【特許文献1】特開平7−171828号公報
【特許文献2】特開2000−43201号公報
【特許文献3】特開2000−136248号公報
【特許文献4】米国特許第4946899号明細書
【特許文献5】特公平7−59601号公報
【特許文献6】特開2002−293946号公報
【特許文献7】WO2007/007837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記現状に鑑み、ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレット製品を安定的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、スチレン系エラストマー樹脂ペレットの製造方法であって、下記(1)〜(3)の工程からなる製造方法に関するものである。
(1)芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体の、固形分濃度が10重量%以上40重量%以下である水性乳濁液と、無機塩の混合物を調製する工程、
(2)固形分濃度が0.01重量%以上10重量%以下である、(1)で得られた凝集体、水、及び水溶性高分子の混合物を調製する工程、
(3)スチレン系エラストマー樹脂ペレットに、(2)で得られた混合物を付着させる工程
好ましい実施態様としては、前記無機塩が硫酸ナトリウムである製造方法に関する。
【0014】
好ましい実施態様としては、前記水性乳濁液中の水中の無機塩の濃度が20mmol/L以上となるように前記無機塩を加えることで凝集させる製造方法に関する。
【0015】
好ましい実施態様としては、前記水溶性高分子がポリビニルアルコールまたはメチルセルロースあるいはそれらの混合水溶液である製造方法に関する。
【0016】
好ましい実施態様としては、ブロッキング防止剤および水溶性高分子を含有する水溶液中が、さらに無機塩を含有する製造方法に関する。
【0017】
好ましい実施態様としては、前記水槽中の水溶性高分子濃度が0.1〜100ppmである製造方法に関する。
【0018】
好ましい実施態様としては、スチレン系エラストマー樹脂が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である製造方法に関する。
【0019】
本発明の最大の特徴は、ブロッキング防止剤を含有する水溶液中に水溶性高分子を加えることである。水溶性高分子は、一般的には、ブロッキング防止剤としては用いられない。しかし本発明者は、ブロッキング防止剤を含有する水溶液中に水溶性高分子を加えることにより、より効果的にブロッキングが防止されることを発見した。以下で、本発明の水溶性高分子をブロッキング防止助剤と呼ぶことがある。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレットを安定的に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
〔スチレン系エラストマー〕
本発明における「スチレン系エラストマー」とは、スチレン及びその誘導体のモノマー(以後「芳香族ビニル系単量体」と呼ぶ)を重合して得られる重合体ブロックを構成単位として含むブロック共重合体である。スチレン系エラストマーの原料として使用されるスチレン系単量体としては特に限定されないが、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体等が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンからなる群から選ばれた1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
【0022】
本発明の製造方法は、従来公知の「スチレン系エラストマー」、例えば一般にスチレン系熱可塑性エラストマーとよばれているブロック共重合体やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)に適用可能である。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−エチレンブチレン共重合体−スチレン(S−EB−S)、スチレン−エチレンプロピレン共重合体−スチレン(S−EP−S)、スチレン−ブタジエン−スチレン(S−B−S)、スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)、スチレン−イソブチレン−スチレン(S−IB−S)を挙げることができる。
【0023】
また「スチレン系エラストマー」としては、イソブチレンを含むものが好ましく、特に(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと、(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる「イソブチレン系ブロック共重合体」が好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体は比較的粘着性が高く、ブロッキングが発生しやすい場合があるので、本発明の製造方法による改善効果が大きい。さらに強度・伸びに優れるイソブチレン系ブロック共重合体を安定的に生産できるという点から、本発明は、イソブチレンと芳香族ビニル系単量体などの単量体を、ルイス酸触媒および開始剤の存在下でカチオン重合して得られるイソブチレン系ブロック共重合体の製造に適用することが好ましい。
【0024】
(A)のイソブチレンを主体として構成される重合体ブロックは、通常、イソブチレン単位を60重量%以上、イソブチレン系重合体特有のガスバリア性を維持する観点から好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。また、(B)の芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックは、通常、芳香族ビニル系単量体単位を60重量%以上、スチレン系エラストマーとしての強度、伸び等の物性を維持する観点から好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。
【0025】
上記ルイス酸触媒は、カチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、TiCl、BCl、BF、AlCl、SnCl等のハロゲン化金属を挙げることができるが、なかでも四塩化チタン(TiCl)がイソブチレン系ブロック重合体の反応性とその触媒回収の容易さと回収触媒の安全性の観点から好ましい。
【0026】
上記カチオン重合において用いられる重合溶媒としては特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。好ましくは、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒がイソブチレン系ブロック共重合体の溶解性の面から好ましい。
【0027】
上記炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼンなどを挙げることができる。この中でも、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解度、分解による無害化の容易さ、コスト等のバランスから、1−クロロブタンが好適である。
【0028】
また、上記脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上がコストおよびカチオン重合の反応性の観点から特に好ましい。
【0029】
なお、カチオン重合の際に用いる開始剤としては、下記式(I)で表される化合物を用いるのがカチオン重合の反応性の観点から好ましい。
【0030】
(CRX) (I)
[式中、Xは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基若しくはアシロキシ基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基を表し、RとRは同一であっても異なっていてもよい。Rは多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(I)の化合物の具体例としては、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼン[C(C(CHCl)]が挙げられる[なお、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼンはジクミルクロライドとも呼ばれる]。
【0031】
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、更に必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。このような化合物として、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、又は、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
【0032】
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下、例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
【0033】
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、30000〜500000であることが好ましく、50000〜400000であることが特に好ましい。
【0034】
重合後のイソブチレン系ブロック共重合体を含有する重合体溶液は、水またはアルカリ水と接触させて、触媒を失活して反応を停止させた後、引き続き水洗を行い、触媒残査や金属イオンを抽出、除去して、精製ドープを得ることができる。
【0035】
失活及び水洗温度は特に制限されるものではないが、常温〜100℃の範囲が好ましい。また、失活及び水洗に使用する水量は、特に限定されるものではないが、重合体溶液に対する水の体積比が1/10〜10の範囲が触媒失活の効率と生産性のバランスから好ましい。
【0036】
このようにして得られた精製重合体溶液、すなわち触媒を失活、除去したイソブチレン系ブロック共重合体を含有する重合終了後の溶液をフラッシュ蒸発、薄膜式蒸発、撹拌槽、濡れ壁式等の蒸発機を単独あるいは複数用いることにより所望濃度の溶媒量にまで溶媒を除去することができる。このようにして得られたエラストマー樹脂はストランドカットあるいは水中カット方式により、それぞれ求められる形状のペレットに加工することができる。
〔ペレット化設備のフロー例〕
図1は、ペレット化設備のフロー例である。
【0037】
重合体は蒸発操作終了後の溶融状態のまま押出機1を経由してダイス2から押出される。ダイス面には高速で回転するカッターが密着しており、ダイス及びカッターは水中に位置する構造となっている。循環冷却水は冷却水タンク4から循環ポンプ5により循環する。冷却水タンク4にはブロッキング防止剤および水溶性高分子を含有する水溶液を添加しておき、運転中は、好ましい濃度になるように濃度管理を行い適宜追加するのが好ましい。循環冷却水は途中熱交換器6を経由することにより適宜温度調節されるようになっている。
【0038】
カットされたペレットは循環冷却水中を分散したスラリー状態で3の脱水乾燥機へ送られる。脱水乾燥機ではペレットと循環冷却水が分離され、かつペレット表面水の乾燥が行われる。乾燥ペレットは乾燥機上部の開口部より系外に排出される。分離された循環冷却水は脱水乾燥機3から再度冷却水タンク4に戻され再利用される。
〔ブロッキング防止剤〕
本発明のブロッキング防止剤とは、スチレン系エラストマーのブロッキングを防止するために有効であることが当業者に知られている物質、あるいは当業者にとって有効であろうことが合理的に予測されうる物質をいい、特に本発明においては、乳化重合法によって得られる水性乳濁液よりなる各種熱可塑性樹脂をいう。具体的には、芳香族ビニル系単量体からなる重合体(ポリスチレン等)や、アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体からなる共重合体を挙げることができる。
【0039】
本発明でブロッキング防止剤として機能するのは、工程(1)の「芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体の、固形分濃度が10重量%以上40重量%以下である水性乳濁液」である。ここで固形分濃度が10重量%未満だと生産性の観点から好ましくなく、40重量%より高いと乳濁液として長期保管することができないという問題が発生する場合がある。
【0040】
工程(1)での固形分濃度は、120℃の乾燥機中で揮発分を除いた後の残留物の重量から算出した。
〔熱可塑性樹脂〕
熱可塑性樹脂としては、粒子径の制御が比較的容易であることからビニル系ポリマーの乳化重合体またはその凝集体が好ましい。上記ビニル系ポリマーを構成する重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体のうち少なくとも1種類が含まれていることが好ましい。そのほかに、非芳香族ビニル系単量体として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンなどのハロゲン化ビニル化合物が含まれていてもよい。これら非芳香族ビニル系単量体は2種以上を適宜併用してもよい。
【0041】
熱可塑性樹脂の主成分である芳香族ビニル系単量体としては、上述したスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられるが、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、コストの面から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン又はこれらの混合物が特に好ましい。
【0042】
熱可塑性樹脂の芳香族ビニル系単量体の割合は、30重量%以上100重量%以下がそれを付着させる樹脂粉粒体の透明性を維持する観点で好ましく、50重量%以上100重量%以下が特に芳香族ビニル系単量体を含む樹脂粉粒体との親和性の観点からより好ましい。
〔水性乳濁液の調整方法〕
水性乳濁液を調整する方法は特に限定されないが、水性溶媒、重合開始剤、乳化剤等の存在下で、上記重合性モノマーを乳化重合することにより得ることができる。得られた水性乳濁液はそのまま本発明の製造方法において用いることができる。
(重合開始剤)
上記重合開始剤としては公知のラジカル重合開始剤などを使用でき、水溶性や油溶性の重合開始剤、熱分解型やレドックス型の重合開始剤などが使用される。たとえば通常の過硫酸塩などの無機開始剤、あるいは有機過酸化物、アゾ化合物などを単独で用いるか、上記化合物と亜硫酸塩、亜硫酸水素、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどを組み合わせ、レドックス系で用いてもよい。重合開始剤として好ましい過硫酸塩としてはたとえば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどがあげられ、好ましい有機過酸化物としては、たとえばt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどがあげられる。
(乳化剤)
また、上記乳化剤としては公知のものが使用され、たとえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウムなど)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホコハク酸ジエステル塩などのアニオン系界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活性剤などがあげられる。さらに重合開始剤として過硫酸カリウムなどを用いることでソープフリーによって芳香族ビニル系単量体を主成分とする熱可塑性樹脂粒子を含有する水性乳濁液を作製してもよい。
(重合条件)
熱可塑性樹脂を重合する際の温度や時間などにも特に限定はなく、使用目的に応じて所望の比粘度、粒子径になるように適宜調整すればよい。
【0043】
水性乳濁液として添加される熱可塑性樹脂の量は、冷却水槽中の樹脂固形分濃度で0.5重量%から20重量%であるのが好ましい。0.5重量%未満ではブロッキング防止剤としての効果が十分でない場合がある。また、20重量部を超えると、冷却水槽内の粘度上昇、スケールの発生などによるトラブルを招くことがあり好ましくない。
(無機塩)
本発明では、ブロッキング防止剤および水溶性高分子を含有する水溶液中に、さらに無機塩を含有することが好ましい。さらには、芳香族ビニル系単量体を主成分とする熱可塑性樹脂粒子を含有する水性乳濁液を樹脂粉粒体含有水溶液に添加した後、無機塩をさらに加えるのが、樹脂粉粒体含有水性分散液中の熱可塑性樹脂を効率よく樹脂粉粒体表面に付着できる点で好ましい。加える無機塩としては、特に制限はないが、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化ニッケル、塩化アンチモン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化銅、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、塩化バリウム、塩化カルシウム、臭化カリウムなどの無機塩化物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸チタン、硫酸ニッケルアンモニウム、硫酸マンガン、硫酸クロムナトリウム、硫酸水素スズ、硫酸銅、硫酸鉄、過硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどの亜硫酸塩または硫酸塩、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硝酸アンモニウム、硝酸ニッケル、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩などを挙げることができる。その中で、耐ブロッキング性の改善効果の観点から塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムが好ましく、なかでも硫酸ナトリウムが耐ブロッキング性の改善効果と装置への低腐食性、安全性の観点から好ましい。
【0044】
加えられる無機塩の量には特に制限はないが、耐ブロッキング性の改善効果と装置への低腐食性、安全性の観点から、水性乳濁液中の水中の無機塩の濃度が20mmol/L以上となるように前記無機塩を加えることが好ましい。なお本発明において複数の無機塩を併用する場合、「水中の無機塩の濃度」は、水性乳濁液中の水中の全ての無機塩の濃度を足した値をいう。
〔凝集体〕
本発明の工程(1)は、水性乳濁液と無機塩の混合物を調製する工程であるが、この工程により凝集体を得ることができる。そして工程(2)は、「固形分濃度が0.01重量%以上10重量%以下である、(1)で得られた凝集体、水、及び水溶性高分子の混合物」を調製する工程である。工程(2)で水槽中の固形分濃度を0.01重量%以上10重量%以下に調製することが、水中カットダイへの腐食性の観点から好ましい。工程(2)で得られる混合物の固形分濃度が0.01重量%未満だと、ブロッキング防止剤の付着量が少なくなって所望の耐ブロッキング性が発現しないという問題が発生する場合があり、10重量%より高いと乳濁液由来の泡の発生が顕著になり操作できないという問題が発生する場合がある。
【0045】
工程(2)での固形分濃度は、120℃の乾燥機中で揮発分を除いた後の残留物の重量から算出した。
〔水溶性高分子〕
水溶性高分子の例としては、乳化作用、保護コロイド作用、分散作用を持つものであれば特に限定されないが、例えば、アラビアガム、カラギーナン、グアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガント、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)、キサンタンガム、デキストリンなどの多糖類、ゼラチン、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのタンパク質類、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロースなどのセルロース類、リン酸化デンプンなどのデンプン類、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸類、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、アクリルアミド/アクリレート共重合体などのアクリル酸類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、PVP/VA(ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート)共重合体などのビニル系重合体類、その他ポリエチレングリコール、カチオン化グアガム、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、コスト面からメチルセルロース、ポリビニルアルコールが好ましい。加える水溶性高分子の量は、特に制限はないが、冷却水槽中0.1ppmから100ppmが好ましい。0.1ppm未満では効果が十分発揮できず、100ppmを超えると冷却水槽中の泡立ちが顕著になり、処理できない。
【0046】
本発明で得られるスチレン系エラストマー樹脂ペレットは射出成形、押出し成形、カレンダー成形等、通常熱可塑性樹脂で用いられる成形法により成形することができる。また、エラストマー材料、樹脂、ゴム、アスファルト等の改質材、制振材、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤の成分として用いることができる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0048】
本実施例に示す重合体の分子量および引張強度は以下に示す方法で測定した。
【0049】
分子量:Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)。数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。
【0050】
得られた樹脂ペレットの耐ブロッキング性については、樹脂を100℃の箱型乾燥機で乾燥後、内径5cmのシリンダーに30g充填してピストンにて0.03MPaの荷重をかけて85℃雰囲気下2時間保管した後、得られたペレットの流動性を目視で確認することで評価した。
【0051】
芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体粒子の粒子径は(株)堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて体積基準平均粒子径として測定した。
【0052】
(製造例1)
撹拌機付き20L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)5.17kg、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)0.45kg、p−ジクミルクロライド7.77gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド4.49g、イソブチレン1.29kgを添加した。さらに四塩化チタン33.9gを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン552gを添加し、さらに30分間反応を続け、重合体溶液を得た。
【0053】
得られた重合体溶液を大量の水中へあけて反応を停止させた。反応停止後、分液ロートで重合体溶液相と水相を分離した。同様の方法で重合体溶液相の水洗を2回行った後、水層が中性になっているのを確認してから重合体溶液相を払い出し、重合体溶液を得た。
【0054】
GPC分析を行ったところ、数平均分子量が66,000、分子量分布が1.28であった。
【0055】
(製造例2)
撹拌機およびジャケット付き200L反応容器に、スチレンモノマー(苛性水溶液で重合禁止剤を抽出除去したもの)26.9kg、苛性ソーダによりpH10に調製した蒸留水を90.3kg、ドデシル硫酸ナトリウムを150g加え、窒素通気雰囲気下で70℃に加熱しながら60分間撹拌した。その後、過硫酸カリウムを75g添加して4時間反応させることによりポリスチレン粒子を含有する水性乳濁液を得た。
【0056】
得られたポリスチレン粒子の粒子径は、体積基準平均粒子径で0.17μmであった。また水性乳濁液の固形分濃度は23%であった。
【0057】
(実施例1)
製造例2で得られた水性乳濁液1kg(うち固形分230g、水770g)に対し、凝集剤としての芒硝を5.47g(水性乳濁液の水分中の濃度にして50mml/L相当)加え凝集体(1)を作製し、凝集体(1)10.4kgを予め冷却水槽8に添加して全容積を200Lにしておき、水槽中の固形分濃度を1.2重量%とした。さらに冷却水槽8にブロッキング防止助剤としてのメチルセルロース(信越化学工業(株)製SM400)を冷却水槽内濃度15ppmとなるように添加した。このとき冷却水槽8中の芒硝濃度は約2.6mmol/Lとなる。
【0058】
上記製造例1で得られた重合体溶液を図2に示すようなベント口付き横型蒸発機に供給し、溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行った。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.013MPa以下の減圧状態を保持した。
【0059】
蒸発後の重合体は、横型蒸発機に直結する2軸押出機に供給される。重合体は押出機に付帯するダイスを経由して直径6mm程度のストランドとして排出され、冷却水槽8で十分冷却させてから長さ約3mm程度のペレットに加工した。
【0060】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に示すように、ブロック化せず流動性は良好であった。
【0061】
(実施例2)
冷却水槽8にメチルセルロースでなくポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製KH−17)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0062】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に併せて示すように、ブロック化せず流動性は良好であった。
【0063】
(実施例3)
実施例1で得られたペレットを図1に示すようなベント口付き二軸押出機に供給し、胴部バレル及びスクリューを180℃に温度調節しながら、押出機に付帯する孔径2.8mmのダイスから水中カットシステムによって球状ペレットに加工した。
【0064】
このとき、製造例2で得られた水性乳濁液1kg(うち固形分230g、水770g)に対し、凝集剤としての芒硝を5.47g(水性乳濁液の水分中の濃度にして50mml/L相当)加え凝集体(1)を作製し、凝集体(1)10.4kgを予め冷却水タンク4に添加して全容積を200Lにしておき、水槽中の固形分濃度を1.2重量%とした。さらに冷却水タンク4にブロッキング防止助剤としてのメチルセルロース(信越化学工業(株)製SM400)を冷却水槽内濃度15ppmとなるように添加した。このとき冷却水タンク4中の芒硝濃度は約2.6mmol/Lとなる。
【0065】
表1に併せて示すように、得られたペレットはブロック化せず流動性は良好であった。
【0066】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に示すように、ブロック化せず流動性は良好であった。
【0067】
(実施例4)
冷却水タンク4にメチルセルロースでなくポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製KH−17)を用いた以外は実施例3と同様に実施した。
【0068】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に併せて示すように、ブロック化せず流動性は良好であった。
【0069】
(比較例1)
冷却水タンク4にメチルセルロースを添加しなかったこと以外は実施例3と同様に実施した。
【0070】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に併せて示すように、互いに付着しており、流動性は良好ではなかった。
【0071】
(比較例2)
製造例2で得られた水性乳濁液に芒硝を加えず(凝集させず)に冷却水タンク4に添加すること以外は実施例3と同様に実施した。
【0072】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に併せて示すように、互いに付着しており、流動性は良好ではなかった。
【0073】
(比較例3)
冷却水タンク4にブロッキング防止剤、芒硝、メチルセルロースを添加しない、つまり冷却水槽内には水以外は投入しないこと以外は実施例3と同様に実施した。
【0074】
これらを通して得られるペレットの耐ブロッキング性は、表1に併せて示すように、互いに強固に付着しており、ほぐすこともできなかった。
【0075】
(比較例4)
実施例3において、冷却水タンク4には、予め上記製造例2で得られたブロッキング防止剤としてのポリスチレン乳濁液を1.2重量%、凝集剤としての芒硝0.71重量%(50mmol/L)となるように添加しておき(投入量はポリスチレン乳濁液10.4kg、芒硝1.4kgで全容積で200L)、それに、ブロッキング防止助剤としてのメチルセルロース(信越化学工業(株)製SM400)を冷却水槽内濃度15ppmとなるように添加した。
【0076】
表1に併せて示すように、得られたペレットはブロック化せず流動性は良好であったが経時的に押出機のダイス(材質はステライト)が腐食し出し、処理を中断せざるをえなかった。
【0077】
【表1】

【0078】
実施例1〜4および比較例1〜4からわかるように、本発明にかかるエラストマー樹脂ペレットの製造方法によれば、ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレットを安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】

【図1】本発明で用いられる水中カットペレット化装置の概略図である。
【図2】本発明で用いられるストランドカットペレット化装置の概略図である。
【符号の説明】
【0080】
1:押出し機
2:ダイス
3:脱水乾燥機
4:冷却水タンク
5:循環ポンプ
6:熱交換器
7:冷却水槽1
8:冷却水槽2
9:ペレタイザー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(3)の工程からなるエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
(1)芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体の、固形分濃度が10重量%以上40重量%以下である水性乳濁液と、無機塩の混合物を調製する工程、
(2)固形分濃度が0.01重量%以上10重量%以下である、(1)で得られた凝集体、水、及び水溶性高分子の混合物を調製する工程、
(3)スチレン系エラストマー樹脂ペレットに、(2)で得られた混合物を付着させる工程
【請求項2】
前記無機塩が硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記水性乳濁液中の水中の無機塩の濃度が20mmol/L以上となるように前記無機塩を加えることで凝集させることを特徴とする請求項1または2に記載のエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
前記水溶性高分子がポリビニルアルコールまたはメチルセルロースあるいはそれらの混合水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
前記水槽中の水溶性高分子濃度が0.1〜100ppmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
【請求項6】
スチレン系エラストマー樹脂が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー樹脂ペレットの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−197049(P2009−197049A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37193(P2008−37193)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】