説明

スチレン系樹脂組成物およびそれから製造される物品

ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンを含むスチレン系樹脂組成物。この樹脂は、反応器中にポリブテンを添加すること、または反応器を出て、脱揮発器に入る前のシロップにポリブテンを添加すること、またはポリマーが脱揮発器を出た後に押出機においてポリマー中にポリブテンを配合することを含む、いくつかの方法によって調製される。ポリブテンは、0.1〜8重量%の範囲であり、数平均分子量900〜2500を有する。ゴムは、4重量%〜20重量%の範囲であり、粒径0.1ミクロン〜11ミクロンを有する。樹脂は、シートに押し出すことおよび物品に熱成形することができ、また共に押し出して、ラミネート物品を製造することができ、これらは、電子オーブン中で加熱することができる包装食品用の容器になり、この容器は、改善された靭性、伸度および耐熱変形特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチレン系樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、ゴム変性スチレン無水マレイン酸(SMA)コポリマーおよびポリブテンを含むスチレン系樹脂組成物に関し;製造された物品、例えば電子オーブン中で加熱されるべきであり、スチレン系樹脂組成物から製造され、改善された特性(例えば強度、伸度および耐熱変形性)を有する、包装された食品に適する熱形成された容器、に関し;およびスチレン系樹脂組成物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スチレンおよび無水マレイン酸が共重合することは知られている。かかるプロセスは、特にBear米国特許第2,971,939号およびHanson米国特許第2,769,804号、および有益には米国特許第3,336,267号において開示されているように溶液として、既に文献に詳細に記載されている。
【0003】
スチレン無水マレイン酸(SMA)コポリマーをゴムで変性することは当技術分野において知られている。一般に、これらコポリマーは、「ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマー」と呼ばれる。ゴム成分は、増大した耐衝撃性を与え、無水マレイン酸成分は高熱変形温度を与える。押出し、および成形に適し、高熱変形温度および所望の耐衝撃性を有するスチレン/無水マレイン酸/ジエンゴム組成物を調製する改善された方法が、Moore等、米国特許第3,191,354(The Dow Chemical Company)において開示されており、これは1975年11月11日に発行されている。
【0004】
1993年6月15日に発行されたHathaway等、米国特許第5,219,628号(The Dow Chemical Company)は、食品のマイクロ波調理において使用するための多層容器を開示している。この容器は、食品に接触するのに適さない熱可塑性ポリマーの基体層と、スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ゴム変性ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、およびその混合物からなる群から選択されるポリマーのブレンドから構成された内層とを含む。また、この特許は、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーも使用することはできるが、好ましくはないことを教示している。
【0005】
ポリスチレンシートまたは耐衝撃変性ポリスチレンシート(すなわち、高耐衝撃性ポリスチレンシート)などの発泡および未発泡熱可塑性材料から、熱形成方法によって種々の付形された物品を製造することが知られている。多くのかかる物品は、包装された食品に使用される容器である。
【0006】
1992年4月21日に発行された、Chundury等、米国特許第5,106,696号(Ferro社に譲渡されている)は、包装材料および食品のための熱成形性多層構造を開示し、特許請求している。この構造の第1層に対するポリマー組成物は:(A)49重量%〜90重量%のポリオレフィン、すなわちポリプロピレン、ポリブテン;(B)10重量%〜30重量%のスチレンおよび無水マレイン酸のコポリマー;(C)2重量%〜20重量の相溶化剤、すなわちスチレンおよびブタジエンのスターブロック、ジブロックまたはその混合物;(D)0〜5重量%のスチレンおよびブタジエンのトリブロックコポリマー;および(E)20重量%のタルクを含む。この構造の第2層は、ポリプロピレンから作製される。
【0007】
高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチック(ABS)およびメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンプラスチックス(MBS)などの他の耐衝撃性変性スチレン系ポリマーの耐環境応力亀裂性(ESCR)を、ポリブテンの添加によって改善することが知られている。Novacor Chemicals(International)S.A.に譲渡されている米国特許第5,543,461号は、
1)(a)4〜15重量%のゴム状基体、好ましくはポリブタジエン、これは6〜12ミクロンの数平均粒径を有する粒子の形で、表板1枚構造(superstrate)ポリマーのマトリックス全体に分布している、および(b)96〜85重量%の表板1枚構造ポリマーを含む99〜96重量%のゴム変性熱可塑性プラスチック;および
2)1〜4重量%の数平均分子量900〜2000を有するポリブテン、を含むゴム変性グラフト熱可塑性組成物を開示している。この特許の請求項10は、表板1枚構造ポリマーは、85〜95重量%のスチレンおよび5〜15重量%の無水マレイン酸を含むことができることを説明している。耐衝撃変性スチレン系ポリマーのESCRは、耐衝撃性改良剤の大きい粒径、すなわち6〜12ミクロン、および低分子量ポリブテンを使用することに帰する。かかる熱可塑性プラスチックは、家庭用品においてかなり重要な市場をもっており、家庭用品は、環境適応力亀裂(ESC)を生じる傾向のある、洗浄剤、およびいくつかの場合には脂肪質または油性食品などの化学品にさらされる。
【0008】
前節において議論した米国特許第5,543,461号は、背景技術の項において最良のESCRを有する熱可塑性プラスチックは、ChevronのHIPSグレード6755であると開示している。このChevron製品は、2〜3重量%のポリブテンを含み、4から4.5ミクロンの体積平均粒子直径をもつ分散されたゴム状相を有する。このChevron製品は、ESCR特性をもつ高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)に関し、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーには関しない。
【0009】
スチレン/無水マレイン酸コポリマー中に無水マレイン酸を組み込むために使用する、重合法、反応器構造および混合方式における多数のプロセスデザインが、特許文献に開示されている。例として、Daicel Chemical Industries,Ltd.,に譲渡されているTanaka等の米国特許第4,328,327号、Stamicarbon B.V.,に譲渡されているMeyer等の米国特許第4,921,906号、およびThe Dow Chemical Companyに譲渡されている上記Moore等の米国特許第3,919,354号が含まれる。
【0010】
後者の文献、すなわち米国特許第3,919,354号は、押出しおよび成形に適し、高熱変形温度および所望の耐衝撃性を有する改善されたスチレン/無水マレイン酸/ジエンゴム組成物を開示している。ポリマーを調製する方法は、ゴムの存在下でスチレンモノマーおよび無水物とを重合させることによって、スチレン−無水マレイン酸コポリマーをジエンゴムで変性するものである。さらに詳細には、ゴムを溶解させたスチレンを提供するプロセスを含む。すなわち、スチレン/ゴム混合物を撹拌し、そのフリーラジカル重合を開始すること、実質上スチレンモノマーの重合の速度未満の速度で、無水マレイン酸を撹拌された混合物に添加すること、およびスチレンモノマーおよび無水マレイン酸を重合すること。このポリマーは、スチレンモノマーおよび無水物のポリマーのマトリックスに分散された0.02〜30ミクロンの範囲のゴム粒子を含み、少なくともゴム粒子の大部分は重合されたスチレンモノマーおよび無水マレイン酸を吸蔵している。この特許は、ポリマーはシートまたはフィルムへの押出しに適し、次いで、容器、包装材料などへの熱成形に使用される。替りに、ポリマーは、食器および加熱できる冷凍食品容器などの様々な成形品に射出成形することができる。
【0011】
しかし、上記米国特許第3,919,354号において開示されたポリマーは、一般に脆く、従ってこれらポリマーは、電子オーブン中で食品を加熱する際に、一般に使用される温度である210°Fを超える温度に耐える熱的特性は有するが、破壊する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
包装食品に適し、特に電子オーブンから容器を取り出した時に、容器が破壊することなしに電子オーブン中で食品を加熱するのに必要とされる温度に耐えることができるような物品を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、食品包装工業におけるこの要求を満足する。ポリブテンを含むゴム変性スチレン/無水マレイン酸(SMA)コポリマーは、熱形成物品、すなわち特に電子オーブン中で食品を加熱する際に使用する食品容器に有用な、スチレン系樹脂組成物を製造することができ、そのスチレン系樹脂組成物は、優れた耐熱特性ならびに優れた靭性および伸度特性を有する。
【0014】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンを含み、この後者はゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーを強化する。この組成物の中で、ポリブテンの重量%は、約0.1重量%〜約8重量%の範囲であり、好ましくは約2重量%〜約6重量%であり、およびさらに好ましくは約3〜約5重量%である。ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーの重量%は、92.0%〜約99.9%の範囲であり、好ましくは約94.0%〜約98%であり、およびさらに好ましくは約95%〜約97%である。ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーの無水マレイン酸含有量は、一般に約2重量%〜約25重量%、および好ましくは約5重量%〜約15重量%であり得る。ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーのスチレン含有量は、約75重量%〜約98重量%、および好ましくは約85重量%〜約95重量%の範囲である。ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーのゴム含有量は、約4重量%〜約20重量%、および好ましくは8重量%〜約15重量%の範囲であり、一般にゴム粒径は、約0.1ミクロン〜約11ミクロンの範囲であろう。
【0015】
スチレン系樹脂組成物は、フリーラジカル重合条件下、ポリブテンの存在下で、適切な反応器中で、ゴム、スチレンモノマーおよび無水マレイン酸を重合させることによって調製することができる。ポリブテンは、ゴム/スチレン/無水マレイン酸供給材料に添加することができ、または重合反応器に、またはその中において添加することができ、またはそれが反応器を出て、脱揮発器(devolatilizer)に入った後に、部分重合されたシロップに添加することができる。また、ポリブテンを配合、すなわちポリマーが脱揮発器を出た後に、押出機、例えば2軸スクリュー押出機により、インラインにおいて、またはゴム変性SMAコポリマーがペレット化された後、別操作としてオフラインにおいて、ポリマー中に混合することも考えられる。
【0016】
また、本発明は、本発明のスチレン系樹脂組成物から作製された押出熱可塑性プラスチックシートならびにそのシートから作製された熱成形された物品を提供する。この物品の例は、特に電子オーブン中で加熱されるべき包装された食品用の容器であり、この物品は、改善された靭性、伸度、および耐熱変形性特性を有する。
【0017】
さらに、基体層および本発明のスチレン系樹脂組成物から作製された層を含む多層熱可塑性プラスチック複合体が提供され、この多層複合材は、物品、例えば電子オーブン中で、加熱する目的に適する容器に熱成形することができ、この物品は、改善された靭性、伸度、および耐熱変形性特性を有する。
【0018】
本発明のこれらおよび他の目的は、以下の記載および添付された特許請求の範囲から、当分野の技術者によって、よりよく評価および理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンを含む。さらに詳細には、スチレン系樹脂組成物は、少なくともゴム、スチレン、無水マレイン酸およびポリブテンから構成される。
【0020】
本明細書では、用語「脱揮発器」および用語「脱揮発(devolatilizing)システム」は、押出機および/または落下ストランドフラッシュ脱揮発器を含む、全ての形状および形態の脱揮発器を含むことを意味する。本明細書では、用語「脱揮発」および用語「脱揮発ステップ」は、押出機および/または落下ストランドフラッシュ脱揮発器を含みうるプロセスのことをいうことを意味する。
【0021】
本発明の実施形態において、本発明者等は、脱揮発ステップの前に、ゴム、スチレンおよび無水マレイン酸の反応混合物に低分子量ポリブテンを添加して、スチレン系樹脂組成物の靭性、伸度および耐熱変形性を改善することができることを見出した。この樹脂組成物は、従来技術の樹脂が脆すぎ、および/または耐熱変形性が不適当であった用途において使用することができる。例えば、本明細書において上に議論した通り、従来技術のゴム変性スチレン/無水マレイン酸樹脂から作製された包装食品用の容器を、210°Fより高い温度で電子オーブン中で加熱した場合、一般に容器はオーブンから取り出す時に破壊する。本発明の樹脂は、通常の使用では容器破壊なしにこれらタイプの容器を作製する際に、今や使用することができる。
【0022】
本発明のスチレン系樹脂組成物において、改善する理由は明らかではなく、本発明者等は、いかなる理論にも拘束されることを望まない。しかし、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーの成分に、特に脱揮発の前にポリブテンを添加することは、ゴム成分の特性を向上させるようにポリブテンを分布させると信じられている。すなわち、ポリブテンは、スチレン/無水マレイン酸マトリックスの極性が高いことから考えて、スチレン/無水マレイン酸成分ではなく、ゴム成分に引き寄せられ、ゴム成分を取り囲むと信じられている。これに反し、本発明者等は、特に米国特許第5,543,461号の教示に従って使用されたポリブテンは、ポリスチレンおよびゴム成分と一緒にマトリックス中に分布していると理論化している。
【0023】
米国特許第5,543,461号は、ゴム変性熱可塑性プラスチック組成物がゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンでありうることを教示している。しかし、この‘461特許は、高耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびESCRにおける改善を示すだけであり、この‘461特許の実施例ならびに教示は、靭性における向上についてはなんら述べていない。
【0024】
この米国特許第5,543,461号は、ポリブテンの量が1〜4重量%の範囲であり、ゴム粒子径が6〜12ミクロンの範囲であることを教示している。本発明者等は、本発明のスチレン系樹脂組成物中に使用されているゴム粒径は、特性においてかなり需要のある改善に悪影響を及ぼすことなしに、6ミクロン未満でありうることを見出した。このことは、実施例において、特に本明細書における実施例1および2において示されており、ここでは6ミクロンより小さい粒径でも改善された靭性および伸度をもたらす。
【0025】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、重合法または配合技法によって調製することができ、両方とも当分野の技術者には知られている。
【0026】
本発明者等は、ポリブテンを、反応器に、または反応器を出て脱揮発器に入る前のシロップに添加ことが、ポリブテンを、押出機において、脱揮発器およびペレタイザーの後に、またはペレタイザーの前であるが脱揮発器の後にポリマーに添加する配合技法における、ポリブテンの添加に比較して、靭性、伸度および耐熱変形性特性においてより高度の改善をもたらすことを見出した。これらは以下、本明細書において議論されるであろう。
【0027】
本発明のスチレン系樹脂組成物の成分を重合する際に使用される重合法は、溶液、マス(mass)、塊状、懸濁液または乳化重合である。塊状重合が好ましい。
【0028】
スチレン系樹脂組成物は、適切な反応器中、フリーラジカル重合条件下で、スチレンモノマー、無水マレイン酸およびゴムを反応させ、反応混合物にポリブテンを添加することによって調製することができる。望ましくは無水マレイン酸は、ほぼ反応する速度で、スチレンモノマーおよびゴムに、撹拌された反応器に添加して、均一な無水マレイン酸を有するポリマー組成物を形成する。
【0029】
反応器に添加されるスチレンモノマーの量は、スチレン系樹脂組成物の成分の総重量に基づいて、約80重量%〜約95重量%の範囲であり、反応器に添加される無水マレイン酸の量は、約5重量%〜約20重量%の範囲であり、反応器に添加されるゴムの量は、約4重量%〜約15重量%の範囲であり、および反応器に添加されるポリブテンの量は、約0.5重量%〜約8.0重量%である。
【0030】
形成されたスチレン系樹脂組成物は、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンを含む。このスチレン系樹脂組成物中のゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーは約99.9重量%〜約92.0重量%の範囲であり、ポリブテンは、約0.1%〜約8%の範囲である。好ましくはポリブテンは、約2重量%〜約6重量%、および最も好ましくは約3重量%〜約5重量%の範囲である。
【0031】
ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマー中の無水マレイン酸含有量は、一般に、約2重量%〜約25重量%の範囲、および好ましくは約5重量%〜約15重量%の範囲であり、一般にゴム含有量は、約4重量%〜約20重量%の範囲、および好ましくは約8重量%〜約15重量%の範囲であり、残量はスチレンである。
【0032】
ポリブテンは、数平均分子量(Mn)約900〜約2500、好ましくは約900〜約1300を有する。ポリブテンは、本発明のスチレン系樹脂組成物の他の成分に、本明細書において教示されている方法において添加される。
【0033】
スチレン系樹脂組成物に適切なゴムは、エチレン−プロピレンコポリマー、他のポリ不飽和モノマーを共重合させたエチレンプロピレンコポリマー、ポリブタジエン、ブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレン、アクリレートゴム、塩素化ポリエチレンゴム、ポリイソプレンおよびシクロ−オレフィンゴムである。ゴム粒子は、粒子の体積平均粒径直径が約0.1ミクロン〜約11ミクロンであるような粒径を有する。ゴム粒径は、6ミクロン未満、すなわち0.1ミクロン〜約5ミクロンの範囲であり、さらにスチレン系樹脂組成物の所望の特性をもたらす。
【0034】
好ましいゴムは、ポリブタジエンである。ポリブタジエンゴムは、中度シスまたは高度シスポリブタジエンであってよい。一般に、高度シスポリブタジエンは、シス−立体配置にあるポリマーを95重量%以上、好ましくは約98重量%を超えて含む。一般に、中度シスポリブタジエンは、シス含有量約60〜80重量%、および好ましくは約65〜75重量%を有する。適切には高度シスポリブタジエンの例には、Bayer Corporationによって作製されたTaktene 1202、およびNippon Zeon Co.,Limitedから市販されているNipol 1220SUおよびNipol 1220SGが含まれる。適切には中度シスポリブタジエンの例には、Firestone Polymersから市販されているDiene 55およびDiene 70、およびAsahi Kasei Corporationから市販されているAsadene 55AEが含まれる。
【0035】
スチレンモノマー、ゴムおよび無水マレイン酸へのポリブテンの添加は、好ましくは重合プロセスによりもたらされる。重合プロセスにおいて、ポリブテンを、溶液の形で供給原料と共に反応器に添加する、または他の成分とは別に反応器に添加する、またはシロップが反応器を出て、シロップが脱揮発器に入る前に部分重合されたシロップに添加する。またポリブテンは、配合技法によってスチレン系組成物に組み込むことができる。
【0036】
重合可能な混合物の重合は、一般に50°Cから200°C、好ましくは70°Cから150°C、最も好ましくは80°Cから140°Cの熱重合によって実施することができる。交互に、フリーラジカル発生開始剤を使用することができる。
【0037】
使用することのできるフリーラジカル開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロ過酸化ベンゾイル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、キュメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、メチルエチルケトンペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、アゾ−ビズ−イソブチロニトリルまたはその混合物である。
【0038】
一般に、開始剤は、モノマーおよび所望の重合サイクルに依存して、重合材料の、0.001〜0.1重量%、および好ましくはほぼ0.005〜0.5重量%の範囲で含まれる。
【0039】
好ましくは必要とされる開始剤の総量は、供給原料を反応器に導入する際に、供給原料と同時に添加される。
【0040】
安定剤、抗酸化剤、潤滑剤、充填剤、顔料、可塑剤等などの通例の添加剤を重合混合物に添加することができる。望ましい場合には、アルキル化フェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、トリノニルフェニルホスファイトおよびトリ(モノおよびジノニルフェニル)ホスフェート含有混合物などのホスフェートなど、少量の抗酸化剤を供給材料ストリーム中に含ませることができる。一般に、かかる材料は、重合プロセスの任意の段階で添加することができる。
【0041】
本発明のスチレン系樹脂組成物製造において使用することができる重合反応器は、前述の米国特許第2,769,804号および2,989,517号において開示されているものと同様であり、これら特許の教示を、参照により全て本明細書に組み込む。これらの構造は、連続的方法において、ビニリデン化合物の、特にモノビニル芳香族化合物の、すなわちスチレンの、固体の成形可能なポリマーおよびコポリマーの製造に適合させる。これら2つの設備の中で、米国特許第2,769,804号のものが特に好ましい。
【0042】
一般に、米国特許第2,769,804号の設備は、重合反応器に結合された、モノマーまたは供給原料のための1つの入口または複数の入口を備えている。この反応器は、ジャケットによって囲まれており、このジャケットは、容器を通る温度制御流体の通過用の入口および出口、および機械的撹拌機を有する。バルブラインは、容器の低い区分から導かれ、脱揮発器に連結される。この脱揮発器は、容器を出ていく形成された樹脂から、揮発性成分を連続的に揮発および除去するための当技術分野において知られている任意の装置であってよい。例えば脱揮発器は、加熱された樹脂材料の薄いストリームが通過する真空チャンバー、または真空チャンバーの内部で加熱されたポリマーを圧延するための1組のロールである。脱揮発器は、反応器の出口を通じて脱揮発器から残存する加熱−可塑化されたポリマーを放出するためのギヤポンプなどの通常の手段を備えている。蒸気ラインは、脱揮発器からポンプに到り、ポンプは、蒸気を圧縮するのに役立ち、回収された揮発物を、例えばモノマー的材料を、ポンプから導かれ、反応器への入口ラインに連結されたラインを通って、好ましくは液体状態において戻される。
【0043】
一般に、スチレン系樹脂組成物を製造するための設備は、少なくとも3つの装置から構成される。これらは、1つまたは複数の反応器、脱揮発システム、およびペレタイザーからなる。本明細書において上に議論した通り、本発明のいくつかの好ましいプロセスにおいて、ポリブテンは、3つの場所の1つにおいてポリマーに添加される。すなわち、ポリブテンは、反応器へ、反応器後および脱揮発システム前に、またはポリマーへのポリブテンの配合または混合が生じるペレタイズ押出機において、添加される。
【0044】
さらに詳細には、本発明のスチレン系樹脂組成物を調製する第1の方法は、成分、すなわちポリブテン、無水マレイン酸、ゴム、および場合によって抗酸化剤の溶液を調製すること、およびスチレンモノマーにこの溶液を溶解することであり、スチレンに溶解された溶液は、前節において記載されたものと同様のタービン揮発機を備えた重合反応器に連続的に供給される。開始剤は、第2ストリームにおいて反応器に添加することができる。内容物がよく混合され、温度が反応器ジャケット中を流れている冷却流体によって維持されるように反応器を撹拌する。出口ストリームは脱揮発器(第1押出機)中に連続的に供給され、最終製品はペレット化される。
【0045】
第2の方法は、ポリブテンおよびスチレン無水マレイン酸ゴム供給材料を別々に重合反応器に添加し、次いでポリブテンおよびゴムの存在下で供給材料を重合させた後に、反応器を出るストリームを脱揮発するものである。最終製品は、脱揮発システムの後、ペレット化することができる。
【0046】
第3の方法は、スチレンモノマー中の無水マレイン酸およびゴムの溶液を形成し、この溶液をスチレンモノマーと共に連続的に重合反応器に供給して、部分的に重合したスチレン系シロップを形成し、部分的に重合したシロップに、それが反応器を出て、このシロップが脱揮発システムに入る前に、ポリブテンを添加するものである。最終製品は、脱揮発システムの後、ペレット化することができる。
【0047】
第4の方法は、スチレンモノマー中の無水マレイン酸およびゴムの溶液を形成し、この溶液をスチレンモノマーと共に連続的に重合反応器に供給して、部分的に重合したスチレン系シロップを形成し、重合反応器を出るストリームを脱揮発し、ポリマーストリーム中に、インライン押出機においてポリブテンを配合または混合した後ペレット化するか、ゴム変性スチレン無水マレイン酸(SMA)コポリマーをペレット化した後に別の押出しステップにおいてポリマーストリーム中にポリブテンを配合または混合するものである。
【0048】
一般に、重合は、20〜95%の転化で生じる。
【0049】
スチレン系樹脂組成物は、シートまたはフィルムに押し出すのに適している。このシートは、特に電子オーブン中で加熱できる食品容器に熱成形するために有益に使用されている。
【0050】
以下の実施例は、本発明を理解することを助けるものであるが、決してこれらの実施例が、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0051】
実施例において、形成された樹脂を試験片に射出成形し、これらを、以下の方法によって試験した。破断伸度はASTM−D638によって求めた;アイゾット(IZOD)ノッチ付耐衝撃はASTM−D256によって求めた;バイカット(VICAT)熱変形温度はASTM−D1525によって求めた;荷重下たわみ温度(Deflection Temperature Under Load(DTUL))は、曲げ応力264psiで、70°Cでアニールされた試験片について、ASTM−D648によって求めた;機器耐衝撃は、直径38mmホールクランプをもつASTMD−3763によって求めた。結果を以下の表に示す。
【実施例】
【0052】
実施例は、ポリブテンを重合反応器中の反応混合物に添加することによって形成されたスチレン系樹脂を示す。ポリブテン H100は、数平均分子量910を有する。ポリブテン H300は、数平均分子量1300を有する。ポリブテン H100ならびにポリブテン H300は、BP−Amocoの製品である。比較例、比較A,B,C,およびDは、ポリブテンを含まない。
【0053】
(実施例1)
無水マレイン酸4.2%、ポリブテン H100(BP−Amoco)1.6%、ブタジエンゴム7.5%および抗酸化剤CANOX PP18、これは、octadecycyl−3−(3’、5’−di−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Great Lakes Chemical Corp.から得られた)0.16%を含む溶液をスチレンモノマー中に溶解し、次いで、米国特許第2,769,804号の反応器と同様なタービン撹拌機を備えた重合反応器に供給し、完全に充填した。主ストリームの0.01%の過酸化ベンゾイル開始剤を、別のストリームにおいて反応器中に添加した。反応物を撹拌して、よく混合した。反応質量は反応器ジャケットにより126℃に維持した。反応器中の平均滞在時間は、2.7時間であった。出口ストリームは、ポリマー52%を含み、次いで、未反応モノマーが除去される脱揮発器中に連続的に供給した。得られた樹脂は、無水マレイン酸8%、ブタジエンゴム15%およびポリブテン2.5%を含んでいた。脱揮発器プロセスにおいていくらかのポリブテンを除去した。最終生成物は、ペレット化され、試験試料片に成形され、上記本明細書において概説した方法を使用して試験した。
【0054】
比較Aおよび実施例1に対する試験試料片の物理特性を表1に示す。比較A試料片を、ポリブテンを組み込まない以外は実施例1に対するのと同様なプロセスにおいて作製した。
【0055】
【表1】

【0056】
ポリブテンの存在は、特性の全体のバランスを改善した。例えば、靭性は、IZODによって示されるように改善され、破断歪、および引張強度および屈曲弾性率にマイナスの影響を与えることなしに、機器衝撃特性が改善される。
【0057】
(実施例2)
最初の溶液においてポリブテン H100(BP−Amoco)2%を使用し、重合中に2つの反応器を直結して使用した以外は、実施例1の手順を繰り返した。実施例2で得られた試験片に対する物理的特性を比較B試験片と比較する。比較B試験片は、ポリブテンを反応プロセスに添加しない以外は実施例2を形成するために使用されたのと同様な方法において形成した。
【0058】
【表2】

【0059】
結果は、ポリブテンを含む実施例2の樹脂の靭性および伸度特性は、ポリブテンを含まない比較Bの試験片に比較して改善されていることを示す。
【0060】
(実施例3)
最初の溶液においてポリブテンH100(BP−Amoco)3%を使用し、全ての無水マレイン酸を第一の反応器に添加した以外は、実施例2の手順を繰り返した。最終樹脂は、ポリブテン3%を含んでいた。実施例3試験片に対する物理的特性を表3に示し、比較C試験片と比較する。比較C試験片は、ポリブテンを反応プロセスに添加しない以外は実施例3を生成するために使用されたのと同様なプロセスにおいて形成した。
【0061】
【表3】

【0062】
結果は、ポリブテンを含む実施例3の樹脂の靭性および伸度特性は、ポリブテンを含まない比較Cに比較して改善されていることを示す。
【0063】
(実施例4〜9)
実施例2に対する手順を表4に示されるパラメターを使用して、繰り返した。また、結果を表4に示す。比較Dの試験片は、ポリブテンを添加しない以外は、実施例2を形成するために使用したのと同様なプロセスにおいて形成された。
【0064】
【表4】

【0065】
実施例4〜9は、ポリブテンH−100およびポリブテンH−300が、改善された特性をもたらすことを示す。ポリブテンは、特性の全体のバランスを改善する。一般に、靭性を、引張り強度およびヤング率にマイナスの影響を与えることなしに改善する。
【0066】
実施例1−9は、ポリブテンは、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーの物理的特性を改善し、この改善は、必ずしもゴム粒径の関数ではないことを示す。すなわち、実施例1におけるゴム粒径4.4ミクロン、実施例2におけるゴム粒径5.0ミクロン、実施例3におけるゴム粒径10.1ミクロン全てが、樹脂の改善された靭性および伸度をもたらす。
【0067】
本発明を、特にその特定の実施形態によって述べてきたが、多数の本発明に関する変形形態が、本発明の範囲内でさらに存在しうることは、ここにある開示にかんがみて理解されるであろう。従って、本発明は、広く解釈されるべきであり、本明細書に現在添付の特許請求の範囲の範囲および精神によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン系樹脂組成物の重量に基づいて、約92.0重量%から約99.9重量%のゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマー:および
約0.1重量%から約8.0重量%のポリブテン
を含む少なくとも改善された靭性特性を有するスチレン系樹脂組成物。
【請求項2】
前記ポリブテンの量が、スチレン系樹脂組成物の重量に基づいて、約2重量%から約6重量%の範囲にある請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリブテンの量が、スチレン系樹脂組成物の重量に基づいて、約3重量%から約5重量%の範囲にある請求項2に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリブテンが、約900から約2500の範囲の数平均分子量を有する請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリブテンが、約900から約1300の範囲の数平均分子量を有する請求項4に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項6】
前記スチレン系樹脂組成物が、フリーラジカル重合法における重合反応器中、ポリブテンをスチレンモノマー、無水マレイン酸およびゴムに添加することによって調製される請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記スチレン系樹脂組成物が、ポリブテンをゴム、スチレンおよび無水マレイン酸からなる部分重合シロップに、シロップが重合反応器から出て、脱揮発器に入った後に添加することによって調製される請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項8】
前記ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーが、前記ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーの重量に基づいて、約2重量%から約25重量%の無水マレイン酸および約4重量%から約20重量%のゴムからなる請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項9】
ゴムの量が、約8重量%から約15重量%の範囲である請求項8に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項10】
ゴムの粒径が、約0.1ミクロンから約11ミクロンの範囲である請求項8に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項11】
ゴムの粒径が、6ミクロン未満である請求項8に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項12】
ゴムの粒径が、約0.1ミクロンと約5ミクロンとの間の範囲である請求項11に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項13】
前記ゴムがポリブタジエンである請求項8に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項14】
前記ゴムが、高度シスポリブタジエンおよび中度シスポリブタジエンからなる群から選択される請求項13に記載のスチレン系樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物から製造された物品。
【請求項16】
食品のマイクロ波加熱における使用に適し、請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物から形成された容器。
【請求項17】
基体層および請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物からなる層を含む、食品のマイクロ波加熱における使用に適する多層容器。
【請求項18】
ポリブテンを、ゴム、スチレンおよび無水マレイン酸からなる部分重合シロップに、シロップが重合反応器から出て、脱揮発器に入った後に添加することを含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項19】
ポリブテン、無水マレイン酸およびゴムを、スチレンモノマー中に溶解することによってポリブテン、無水マレイン酸およびゴムの溶液を形成すること、
前記スチレンモノマーを含む溶液を重合反応器中に、連続的に供給すること、および
重合反応器を出るストリームを脱揮発し、それによってスチレン系樹脂組成物を製造すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項20】
重合反応器中に、ポリブテンおよびスチレン無水マレイン酸ゴム供給材料を別々に添加すること、
重合反応器中で、ポリブテンおよびゴムの存在下に、スチレン無水マレイン酸供給材料を重合させること、および
重合反応器を出るストリームを脱揮発し、それによってスチレン系樹脂組成物を製造すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項21】
スチレンモノマー中の無水マレイン酸およびゴムの溶液を形成すること、
重合反応器中に、前記スチレンモノマーを含む前記溶液を連続的に供給して、部分的に重合したスチレン系シロップを製造すること、
ポリブテンを前記部分的に重合したスチレン系シロップに、それが反応器を出た後に添加すること、および
ポリブテンが部分的に重合したスチレン系シロップに添加された後、ストリームを脱揮発し、それによってスチレン系樹脂組成物を製造すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項22】
スチレンモノマー中の無水マレイン酸およびゴムの溶液を形成すること、
重合反応器中に、前記スチレンモノマーを含む前記溶液を連続的に供給して、部分的に重合したスチレン系シロップを製造すること、
重合反応器から出るストリームを脱揮発すること、および
ポリブテンを押出しプロセスにおいてストリーム中に配合し、それによってスチレン系樹脂組成物を製造すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項23】
脱揮発器およびペレタイザーの後に、前記ポリブテンを前記ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーに添加すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。
【請求項24】
前記ポリブテンを脱揮発器の後、およびペレタイザーの前に、前記ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーに添加すること
を含む請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物の調製方法。

【公表番号】特表2006−528713(P2006−528713A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521047(P2006−521047)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/009010
【国際公開番号】WO2005/016978
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】