説明

スチームアイロン

【課題】プレス時のバランスがよく、アイロンかけ中にアイロン後端を下にして縦置きした場合の安定性がよく、通電インジケーターなどの表示が見やすい、コードレス・スチームアイロンを提供する。
【解決手段】アイロンベース2、アイロンベースに積み重ねて取り付けられた気化ベース6、気化ベースを覆う断熱板、断熱板の上方を覆う筐体、筐体の上方に筐体に連なって設けられたハンドル8を備え、ハンドル8を握って操作することによりプレスするスチームアイロンにおいて、ハンドル8の前端は一箇所で後端は二股のアーム16により二箇所で筐体7に取り付けられ、二股のアーム16間の筐体7表面に表示装置を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等をプレスするアイロンに関するものであり、コードレス・スチームアイロンに係るものである。
【背景技術】
【0002】
アイロンは、構成を略述すれば、アイロンベース、アイロンベースに重ねて取り付けられたヒータ部、ヒータ部を覆う断熱板、断熱板の上方を覆う筐体、筐体に連なって設けられたハンドルを備え、ハンドルを握って操作することにより衣類等をプレスする。ハンドルにはプレスの対象によって適切な温度範囲を設定する温度設定手段が設けられている。
【0003】
さらに、衣類等をアイロン掛けする際に、しわを伸ばし、形を整えるのを容易にするため、蒸気を吹付けて能率よくプレスできるように、スチーム機能を備えたいわゆるスチームアイロンがある。スチームアイロンの場合は、上記の各部のほかに、スチームを作る気化室を備えた気化ベース、スチーム用の水を蓄えるタンク、スチーム機能とドライ機能の切り替えを行なう切替機構、タンクに設けたスプレー用ノズル等を備えている。その他に、通電状態にあるか電源が切断されているかを示すインジケーターや、設定温度やスチーム量の設定状況などを示す操作パネルが設けられる。
【0004】
アイロンのハンドルは、通常その両端が筐体の上方に筐体に連なって設けられたアーチ型か又はその一端が筐体の前方上方に連なり後端は浮かせて設けられた片持ち梁かである。軽量のアイロンの場合は片持ち梁のハンドルが用いられるが、重量のあるもの、プレスの圧力を必要とするものなどは、強度の関係でアーチ型が用いられる。しかしながら、アーチ型の場合には、アイロン後端部の中心がハンドルのアームで塞がれるために、ON/OFFインジケーターは、アイロンの側面に配置するしかなく、このためにタンクの形状が左右非対称になったり、インジケーターが見えにくくなったり、アイロンがデザイン上バランスを欠いたりする問題があった。
【0005】
従来のこの種アイロンとして下記特許文献1に開示されたスチームアイロンは、図7、図8に示すような構成になっている。
【0006】
アイロン本体101の下部に設けられた加熱手段を有するベース103と、ベースの上方に遮熱板128を介して固定され、空洞を有する取手部を形成したハンドル107と、アイロン本体101に設けられた容器108と、容器108の水をベース103に形成した気化室104に供給または遮断のいずれかに切替える操作部141とを備え、容器108からの水を気化室104に供給することで、気化室104に連通する噴出孔105からスチームを噴出するスチームアイロンにおいて、操作部141は、容器108から気化室104に至る通水路に設けた弁体を操作部141の操作に応じて開閉する開閉制御部142と、操作部141の設定状態を表示する表示装置192を備えたスチームアイロンが開示されている。そして、操作部141はハンドル107の側面に位置し、表示装置192はハンドル107の上面に設けられている。また、表示装置192は操作部141の操作に応じて前後に移動する表示帯150を有し、表示帯150はハンドル107の上面に設けられた窓部より臨んで位置している。171はコードレスアイロンの載置台である。
【0007】
また、下記特許文献2に開示されたものは、図9乃至図10に示すような構成になっている。
【0008】
すなわち、図9、図10には、下から上の順に、加熱用ソールプレート201、ケーシングによって画定された本体202、および、アイロンの本体202に後端が接続された握りハンドル203を有するプレス用アイロンが開示されている。ハンドル203は、アイロンの正中面に関して実質的に対称なように、ハンドル203から本体に外向きに延びる少なくとも2つのアーム205によって、本体202に接続されており、これによって、それらの間に開放空間207またはスペースが造られる。アーム205は、本体202の後部と共に、後面で置かれるアイロンのための支持平面を生成するように配置されている。そして、本体202は、開放空間207内に配置されたアイロンの電源コード引出し口を有しており、開放空間207の寸法は、器具の保管の間、アイロンの電源コードがそこに畳み込まれ又そのプラグと共に格納されるのを可能にする。204は脚であり、208はコード引き出し口、209はハンドル後端に設けたコードを通過させるための凹部である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−93699号公報
【特許文献2】特表2005−503906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のスチームアイロンは、コードレスアイロンであるが、その操作部の設定状態を表示する表示装置は、ハンドル表面に設けられてスチーム操作部の位置すべき場所を占め、さらに、押圧時に力の掛るスチーム操作部がハンドル側面におかれているため、使用上操作は必ずしも容易ではなかった。又、ハンドルの前後はアイロン本体の各一箇所で接続され、プレス時のバランスや、アイロンかけ中にアイロン後端を下にして縦置きした場合の安定性がよいとは言いがたかった。
【0011】
一方、特許文献2のアイロンは、ハンドル203の後部をアイロンの正中面に関して実質的に対称なように、ハンドル203から本体に外向きに延びる少なくとも2つのアーム205によって、本体202に接続されており、それらの間に造られた開放空間207は、給電コードの格納に使用されている。また、アイロンがコードレスの場合には、スペースは支持台のアイロンの接続用の接点を受け入れるために使われる。そのためこのアイロンにおいては、アイロンの操作状況に関する情報を知らせる表示装置に関しては情報がなく、使用上不便であった。
【0012】
本発明は、プレス時のバランスがよく、アイロンかけ中にアイロン後端を下にして縦置きした場合の安定性がよいスチームアイロンを提供するものである。また、通電インジケーターなどの表示が見やすい、スチームアイロンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、課題を解決するために、次のような手段を採るものである。
【0014】
請求項1に記載のスチームアイロンの発明は、アイロンベース、該アイロンベースに積み重ねて取り付けられた気化ベース、該気化ベースを覆う断熱板、該断熱板の上方を覆う筐体、該筐体の上方に該筐体に連なって設けられたハンドルを備え、該ハンドルを握って操作することによりプレスするスチームアイロンにおいて、前記ハンドルの前端は一箇所で後端は二股のアームにより二箇所で前記筐体に取り付けられ、前記二股のアーム間の筐体表面に表示装置を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記アイロンは、コードレスアイロンであることを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、ヒータのON/OFFを示すインジケーターであることを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、通電中を示すインジケーターであることを特徴とする。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のスチームアイロンにおいて、前記インジケーターは、1個以上のLEDであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載のスチームアイロンにおいて、前記インジケーターは、1個以上のネオンランプであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、ヒータの設定温度レベルを表示する操作パネルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。
【0022】
すなわち、請求項1に記載のスチームアイロンの発明によれば、アイロンベース、該アイロンベースに積み重ねて取り付けられた気化ベース、該気化ベースを覆う断熱板、該断熱板の上方を覆う筐体、該筐体の上方に該筐体に連なって設けられたハンドルを備え、該ハンドルを握って操作することによりプレスするスチームアイロンにおいて、前記ハンドルの前端は一箇所で後端は二股のアームにより二箇所で前記筐体に取り付けられ、前記二股のアーム間の筐体表面に表示装置を設けたことによって、プレス時のバランスがよく、アイロンかけ中にアイロン後端を下にして縦置きした場合の安定性がよく、また、二股のアーム間の筐体表面に表示装置を設けた充電インジケーターや操作パネルなどの表示が見やすい、スチームアイロンを提供することができる。
【0023】
また、請求項2に記載のスチームアイロンの発明によれば、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記アイロンは、コードレスアイロンであるので、コードレスアイロン用の載置台に置かれたときにも、二股のアーム間の筐体表面に設けた充電インジケーターなどの表示装置の表示が見やすい効果がある。
【0024】
また、請求項3に記載のスチームアイロンの発明によれば、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、ヒータのON/OFFを示すインジケーターであることにより、アイロンが電源に接続されているか否かが判断しやすい。
【0025】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、通電中を示すインジケーターであることにより、アイロンが通電中か否かが判断しやすい。
【0026】
また、請求項5に記載のスチームアイロンの発明によれば、請求項3に記載のスチームアイロンにおいて、前記インジケーターは、1個以上のLEDであることにより電源に接続されているか否かだけでなく他の表示も出来、しかもLEDであるから低消費電力であり、且つ視認しやすい。
【0027】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項3に記載のスチームアイロンにおいて、前記インジケーターは、1個以上のネオンランプであることにより各種の表示が出来且つ視認しやすい。
【0028】
また、請求項7に記載のスチームアイロンの発明によれば、請求項1に記載のスチームアイロンにおいて、前記表示装置は、ヒータの設定温度レベルを表示する操作パネルであることによって、表示装置は手の握りで隠されることが無いので使用状態が視認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係るスチームアイロンのアイロンベースの平面図である。
【図2】図2は、図1の実施例に係るスチームアイロンの側面図である。
【図3】図3は、図1の実施例に係るスチームアイロンの平面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例に係るスチームアイロンの背面図である図4Aと、同じくその背面の斜視図である図4Bを示す。
【図5】図5は、本発明の一実施例に係るスチームアイロンの斜視図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例に係るスチームアイロンの斜視図である図6Aとその操作パネル図6Bである。
【図7】図7は、従来のスチームアイロンの側断面図である。
【図8】図8は、図7のスチームアイロンの平面図である。
【図9】図9は、他の従来のアイロンの側面図である。
【図10】図10は、図9のアイロンの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのスチームアイロンを例示するものであって、本発明をこのスチームアイロンに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0031】
以下、本発明の一実施例を、添付図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係るスチームアイロンのアイロンベース2の平面図であり、かけ面3から見た図である。金属製のアイロンベース2には、スチームを噴射する複数のスチーム孔4が開口し、スチーム孔4のうちの選択されたものはそれぞれ掛け面3に設けた複数のくぼみ5の中に形成されている。
【0033】
図2は、図1の実施例に係るスチームアイロンの側面図である。図によって明らかなように、アイロンベース2の上には気化ベース6が重ねられている。気化ベース6は、所定長の底辺を有し、前側先端部に尖った頂部を有し、所定の肉厚を有するほぼ三角形状の板状体からなり、アルミ等の熱伝導性の高い金属材料で形成されている。この気化ベース6は、図示しないが、ほぼ中央上部に所定の大きさの開口及び深さを有する凹状穴からなる気化室が形成され、その周囲下方にはヒータが埋設されている。気化室はスチーム孔4に連通しており、スチームが導かれる。
【0034】
気化ベース6の上は、気化ベース6を覆う断熱板が設けられている。その断熱板の上方にはスプレーやショットスチームなどのアイロンの内部機構を備え、内部機構を覆っている樹脂製の筐体7と、筐体7の上部に連続して形成されたハンドル8を有する。筐体7にはタンク14が固定的にあるいは着脱自在に組み合わされて、これらがアイロン本体1を形成している。アイロン本体1の内部においては、タンク14からの水を気化ベース6の気化室に供給することにより、この気化室に連通したアイロンベース2のスチーム孔からスチームを噴出する。さらに、アイロン本体1の前部にはスプレー噴射口9が設けられ、その上部にはタンク14への注水口やスチームドライ切替ダイヤル12、ショットスチームポンプ10、スプレーポンプ11が設けられている。
【0035】
図3は、本実施例に係るスチームアイロンを上から見た平面図である。アイロン本体1の筐体7の上部には、前方に向かって右側タンク14a及び左側タンク14bを有し前部で結合されてU字型をなしているタンク14が組み合わされ、取付けられている。このタンク14は、全体として後方に開いたU字型の形状をなし、その両側の袖部が貯水部となっている。そして、タンク14の前側には注水口が設けられている。タンク14は、空洞内に注水口から注がれる水を貯留できる。15は注水口の蓋であり、22はタンク着脱釦である。
【0036】
上述したように、アイロン本体1の前部からハンドル8にかけては、スプレー噴射口9、注水口蓋15、スチームドライ切替ダイヤル12、並べて設けられたショットスチームポンプ10、スプレーポンプ11及び操作パネル13が設けられている。操作パネル13には、アイロンベース2の設定温度を低、中、高に切り替える設定釦13a及び電源を切断状態にする電源切断釦13bと、設定した温度を表示する温度表示部13cを備えている。
【0037】
図4Aは、本実施例に係るスチームアイロンの背面図である。コードレスアイロンである実施例のアイロンは、図示しない載置台に載せて給電されるが、その際に所定位置に固定されて電源に接続されるように、アイロン本体1の背面に設けた凹部19に、アイロン本体1と一体に形成された給電ガイド20と給電端子21を備えている。アイロン本体1の上部にはハンドル8の後端が二股のアーム16で筐体7に一体に成型固定されている。二股のアーム16によって形成された中央部の空所17の筐体7には、インジケーター18が設けてある。インジケーター18は、LED製でヒータのON/OFFを示し、アイロンが電源に接続されているか否かが判断できる。
【0038】
なお、載置台は、コードレスアイロンにおいて公知のように、アイロン本体1を載せる載置部を備え、その載置部の下側に受け部を設けている。受け部には、アイロン本体1の給電端子21に対応する給電接点が設けられており、アイロン本体1が載置台に載せられると、給電ガイド20で位置決めされた給電端子21が給電接点に当接して、支持台の電源コードから供給される電力をアイロン本体1に給電する。
【0039】
図4Bは、図4Aと同じく本実施例に係るスチームアイロンの背面の斜視図を示す。また、図5は、本実施例に係るスチームアイロンの斜視図である。これらの図により、ハンドル8の後端がアーム16で筐体7に成型固定され、二股のアーム16によって形成された中央部の空所17には、インジケーター18が設けてある様子が理解できる。
【0040】
これらの各図に示したように、本発明のスチームアイロンは、アイロンベース2、アイロンベースに重ねて取り付けられた気化ベース6、気化ベースを覆う断熱板、断熱板の上方を覆う筐体、筐体の上方に筐体に連なって設けられたハンドル8を備え、ハンドルを握って操作することによりプレスするが、ハンドル8の前端は一箇所で筐体7に取り付けられ、後端は二股のアーム16により二箇所で筐体7に取り付けられている。このようなハンドルが3点で支持されたアイロンは、片持ち梁のハンドルや二点支持のハンドルに比較して、ハンドルが丈夫であってプレスする力が加え易いので、プレス時の安定性がよく、圧力を被プレス物に効率的に伝えられる。さらに、アイロン後端の面積が広く採れるので、プレスの途中にアイロンを縦置きする場合に安定性のよいデザインにすることができる。本実施例は、このようなスチームアイロンにおいて、二股のアーム16間にできた空間の筐体表面7aに表示装置を設けたものである。
【0041】
インジケーター18は、例えばLED製でヒータのON/OFFを示し、アイロンが載置台に載置されヒータがONされると点灯し、設定温度に達して保持されると消灯する。また、通電中を示すインジケーターとして、アイロンが電源に接続されているか否かが判断できるようにしてもよい。インジケーター18は、ハンドル後端の二股のアーム間にできた空所17の筐体表面7aに設けてあるので、アイロンの後部中央に位置しており、前方からも後方からも視認が容易である。LEDの色は必要に応じて選択される。又、1個だけでなく表示すべき機能の数に応じ、その色を変えて必要な個数設けることができる。さらに、インジケーターは、LEDに限られず、1個以上のネオンランプであってもよい。
【実施例2】
【0042】
図6は、本発明の他の実施例に係るスチームアイロンの斜視図6Aとその操作パネル図6Bである。アイロン本体1のハンドル8の内部には、図示しない制御基板が収容されている。この制御基板は、アイロンベース2の温度をプレス対象の繊維に応じて低、中、高と段階的あるいは連続的に変えて設定し、気化ベース6のヒータ等を制御する。設定は操作パネル13の設定釦13aによって行なわれ、設定内容は操作パネル13に表示される。制御基板は、アイロン本体1の後部に設けられた給電端子21に接続されている。
【0043】
操作パネル13は、図6Bに示すように、アイロンベース2の設定温度を変更する設定釦13aにより設定される温度レベル、例えば「高」「中」「低」の表示と、複数の発光ダイオード13dやネオンランプにより現在の設定温度を表示する温度表示部13cによって構成されている。又、使用状態がスチームかドライかも示す。操作パネル13は、実施例1においてはハンドル8の上に設けられているが、本実施例では図6Aに示したように、その表示部を二股のアーム16間にできた空所17内の筐体表面7aに設ける。ハンドル8の上に設けた場合には、プレス中にはハンドルを握った手によって隠されることになるが、空所17内の筐体表面7aに設けた場合には、プレス作業中にも操作パネル13を見ることができる。かくして、使用状態を認識し易くなる他、アイロンのデザインの多様化にも役立つ。13bは電源切断釦である。
【0044】
筐体7の前方上部より突出して切り替え可能に設けられたスチームドライ切替ダイヤル12は、タンク14に収容した水を気化ベース6の気化室に供給(スチーム生成開始)または停止(スチーム生成終了)のいずれかに切替えるものである。スチームドライ切替ダイヤル12が、「スチーム」すなわち操作パネル13の「スチーム」側に位置しているときには、タンク14から気化室に水が供給される。スチームドライ切替ダイヤル12が、「ドライ」すなわち操作パネル13の「ドライ」側に位置しているときには、タンク14から気化室への水の供給が遮断される。この「ドライ」,「スチーム」に関わる設定状態の切り替表示は、表示装置を空所17内の筐体表面7aに設けた場合には、プレス作業中にも見ることができる。
【0045】
次に、このスチームアイロンの使用方法は、操作部のスチームドライ切替ダイヤル12を作動させてスチーム或いはドライを選択してアイロンかけを行うが、この使用法は従来のスチームアイロンと同じである。スチームドライ切替ダイヤル12を切り替えてスチーム生成モードとし、ショットスチームボタンを適宜押下することにより、タンクに連結した図示しないノズルの先端部が開放され、このノズルから流出する水滴が気化ベース6の気化室へ滴下され、これにより、気化室で蒸気が生成される。尚、一般的な滴下式の蒸気生成機構は、公知技術であるためここでの詳細な説明は省略する。
【0046】
以上説明したような、本発明のスチームアイロンによれば、プレス時のバランスがよく、アイロンかけ中にアイロン後端を下にして縦置きした場合の安定性がよい。また、通電インジケーターなどの表示装置が見やすくアイロンのデザイン的な可能性を広げることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 アイロン本体
2 アイロンベース
3 掛け面
4 スチーム孔
5 くぼみ
6 気化ベース
7 筐体
8 ハンドル
9 スプレー噴射口
10 ショットスチームポンプボタン
11 スプレーポンプボタン
12 スチームドライ切替ダイヤル
13 操作パネル
14 タンク
15 注水口蓋
16 アーム
17 空所
18 インジケーター
19 凹部
20 給電ガイド
21 給電端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイロンベース、該アイロンベースに積み重ねて取り付けられた気化ベース、該気化ベースを覆う断熱板、該断熱板の上方を覆う筐体、該筐体の上方に該筐体に連なって設けられたハンドルを備え、該ハンドルを握って操作することによりプレスするスチームアイロンにおいて、前記ハンドルの前端は一箇所で後端は二股のアームにより二箇所で前記筐体に取り付けられ、前記二股のアーム間の筐体表面に表示装置を設けたことを特徴とするスチームアイロン。
【請求項2】
前記アイロンは、コードレスアイロンであることを特徴とする請求項1に記載のスチームアイロン。
【請求項3】
前記表示装置は、ヒータのON/OFFを示すインジケーターであることを特徴とする請求項1に記載のスチームアイロン。
【請求項4】
前記表示装置は、通電中を示すインジケーターであることを特徴とする請求項1に記載のスチームアイロン。
【請求項5】
前記インジケーターは、1個以上のLEDであることを特徴とする請求項3に記載のスチームアイロン。
【請求項6】
前記インジケーターは、1個以上のネオンランプであることを特徴とする請求項3に記載のスチームアイロン。
【請求項7】
前記表示装置は、ヒータの設定温度レベルを表示する操作パネルであることを特徴とする請求項1に記載のスチームアイロン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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