説明

スチームトラップ

【課題】復水をガス流混合気から分離しかつ収集するために使用されるスチームトラップを提供する。
【解決手段】スチームトラップ1は、復水収集器3と復水アウトレット8を有しており、その際、復水収集器3は開口部を介してガス流混合気を導く要素と接続されている。復水Kをスチームトラップ1から導き出すために、能動的に操作可能な流体ストッパー9が用いられ、この流体ストッパーは、復水収集器3内の復水水位Cとは機械的に無関係なアーマチャー15によってストップ位置10から開口位置11へと動かすことが可能である。流体センサー25と、付随する位置検出のための手段20を有するパルスジェネレーター19の使用によって、自動化され、動力操作される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流混合気(Gasstromgemisch)から復水(Kondensat)を分離しかつ収集するスチームトラップに関する。
【背景技術】
【0002】
通常の作動状態で、ガスには、蒸気としての水が溶けている。圧力上昇の結果として、またはガスの冷却の結果として水蒸気は凝縮し、流体状の復水が現れる。ガスを案内する導管、例えば燃焼炉および燃焼室からの排ガス導管において、このように復水が低い位置に存在する領域に集積することは、管断面積が狭くなることへと通じ、これはその効率を損なう。その上さらに、復水滴は、ガス流によって運ばれ、そしてその結果後続するコンポーネントは、滴が悪影響を及ぼすことによって損傷を受ける。さらに、凝縮する燃焼ガスは、賛成の雫を形成し、この雫は、硫黄(Schwefel)または炭素を含んだ(kohlenstoffhaltig)粒子と混合されていることがある。賛成の電解質(Elektrolythen)の結果として、これによって、特に金属の導管内に腐食が引き起こされる。
【0003】
この際、ガス流出箇所の近くにある復水が形成する領域が、特に関係する。これは、生じる温度落差と関係しており、その際、燃焼箇所の近くにあり、よって高い温度とされた排ガスの部分を案内する導管はほとんど凝縮する可能性を示さない、というのは、離れて位置し、このため比較的冷却された部材が、まず露点を下回るに至るからである。その後はじめてガス中にとけた水が復水として現れ、そして例えば管の折れ曲がり部分やマフラー内に溜まる。内燃エンジンの暖機段階または冷却段階において特に、整流装置と、排ガスを案内する導管の管開口部の間の露点が変化し、その際復水が発生する。
【0004】
ガスを案内する導管内で生じる復水を連行する方法が公知である。開口部を介して復水を排出することを可能とし、同時に開口部を通じてガスが制御されず漏れ出すのを防止する試みが行われている。
【0005】
特許文献1は、内燃機関のための、自動的な復水除去を行う復水除去装置を開示している。発生する復水はここではハウジングの中にたまり、このハウジングは最も低い位置において排出管を設けられている。排出管の開口部は、ここではハウジングの底のわずかばかり上方にあり、ハウジング内壁に案内される中空のプラスチックボールによって閉じられている。復水水位が上昇した際に、これが浮上し、排出管の開口部を開放し、この開口部を通じて復水は流れ出すことができる。復水水位が下がると、これと並行して動作するプラスチックボールが排出管をふさぐので、復水の残った分は、遮断層としてガス流混合気と開口部の間にとどまる。
【0006】
特許文献2は、ガスの徐水(Gasentwaesserung)のためのガス復水導出器を開示している。その際、復水導出器内で案内されたフロートが、ライジングパイプ(Steigrohr)のための切欠き部の中央に設けられる。上昇する復水とともに、ライジングパイプ外側壁部とフロートの切欠き部の間で上昇する復水が、ライジングパイプの、高く位置するパイプ開口部より連行される。この装置は、復水水位が上昇する際、浮力下にあるフロートが、ときとしてガス圧の形の反力に屈し、これによって純水に開口する要素および閉じる要素としてのフロートの機能方式が、すべての作動状態で保証されないという実践上の問題がある。
【0007】
特許文献3および4は同様に、フロートを使用した解決策を開示しており、その際これらは、構造上制限され複雑で、そして組み込まれた機構の側から、フィリグリー(filigran)としておよび高いメンテナンスコストと結びつくものとしてみなされる。
【0008】
特許文献5は、自動車の排ガス装置を開示する。この自動車の排ガス装置は、スチームトラップが設けられる少なくとも一つのガス導管コンポーネントを有している。ここで、フロートの、側方にある復水アウトレットに対する気密作用は、フロート外周とハウジング内壁の間の周回するシールによって達成されている。ただし実践では、復水排出部へのフロート本体の浮き上がりは、ガスを案内する導管のすべての作動圧力のもとで保証されることはできない。
【0009】
特許文献6および7は、ガス流混合気から復水を分離し、かつ収集するスチームトラップを記載する。このスチームトラップは、このために、復水収集器および流体ストッパー並びに復水アウトレットを有している。復水を導き出すために、流体ストッパーが、復水収集器内の復水水位に機械的に依存しないアーマチャーによってストップ位置から開口位置へ移動されることが可能である。
【0010】
特許文献8は、復水収集器並びに流体ストッパーおよびガスストッパーを有するスチームトラップを示している。流体ストッパーは、ストップ位置から開口位置へと移動可能であり、その際、流体ストッパーはガスストッパーと強固に連結されている。
【0011】
特許文献9は、センサーによって駆動可能であり、電磁駆動可能な排出弁を有するスチームトラップを開示している。スチームトラップのハウジングは、ここでは過熱要素によって凍結から保護される。
【0012】
上述したスチームトラップの構造は、常に満足いくものではない、というのは排ガス装置内部の圧力状況、温度状況または汚染状況(例えばタール、すす、ラッカー)が常に保証されているわけではないからである。時にはまた、必要な取り付け大きさ、たとえば自動車の排ガス装置内で使用さうる際のそれが、「車両に適して」いないとみなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許出願公開 第3519593号明細書
【特許文献2】独国実用新案登録 第7232692号明細書
【特許文献3】米国特許 第2,115,228号明細書
【特許文献4】米国特許 第3,126,877号明細書
【特許文献5】独国特許 第102006020292号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開 第19645815号明細書
【特許文献7】特開2001-173890A号
【特許文献8】英国特許出願公開 第1409023号明細書
【特許文献9】米国特許 第4,336,821号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、先行技術に発して、ガス流混合気から復水を分離しかつ収集するためのスチームトラップをさらに改良し、スチームトラップ内のすべての作動圧力のもとで、収集された復水を自動的に運びだし、そしてその際周囲との間でガスの交換が行われないようすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、請求項1の特徴にしたがうスチームトラップの発明によって解決される。
【0016】
本発明は、ガス流混合気から復水を分離しかつ収集するためのスチームトラップであって、復水収集器と復水アウトレットを有するものを完成させる。一つの開口部を介してガス流混合気を導く要素と接続されている復水収集器は、流体ストッパーを有しており、この流体ストッパーは、復水をスチームトラップから導き出すために、ストップ位置から開口位置に移動させることが可能である。流体ストッパーは、復水収集器内の復水水位と機械的に無関係なアーマチャーによってストップ位置から開口位置へと移動可能である。本発明にしたがいスルースチャンバーが設けられており、このスルースチャンバーは、流体ストッパーおよびガスストッパーによって閉じることが可能である。その際、流体ストッパーは、バネ要素によってガスストッパーと連結されている。これによって作動位置(Schaltstellung)、すなわちストップ位置と開口位置が、間接的に流体ストッパーとガスストッパーの間で伝達される。この際得られる復水が、完全に排出されるか、または、例えば内燃機関からの燃焼空気中で、再使用される。
【0017】
有利な改良形は、従属請求項2から11の主題である。
【0018】
本発明の範囲で、特に有利であるのは、アーマチャーがアクチュエーターから形成されていることである。アクチュエーターは、例えば電子機械式に、空気圧によって、または液圧によって動かされる。これによって流体ストッパーのアクティブな動力操作による移動が行われる。
【0019】
本発明の有利な実施形においては、少なくとも一つの流体センサーが復水収集器内に配置されており、この流体センサーは、復水収集器内の復水水位の高さの検出のために使用され、そしてこれによって自動化された復水の分離プロセスを可能とする。
【0020】
復水アウトレットを介しての意図されていないガス流混合気の流出を防ぐために、本発明の別の有利な実施形では、復水収集器が復水インレットを介してスルースチャンバーと接続されており、その際、復水インレットはガスストッパーを用いて閉じることが可能であるということが意図されている。
【0021】
本発明の意味においては、ガスストッパーがスルースチャンバー内のシール座に対して、復水収集器に向かってシールすると、特に有利である。この方法によって、ガス流混合気を導く要素内の起こりうる負圧(Unterdruck)、及び/又は、スルースチャンバー内の起こりうる超過圧が、望まれていないガスストッパーの開口に至るということがなく、というのはこれらがこの際に、ガスストッパーのストロークを構造的に制限するシール座を支えるからである。
【0022】
別の有利な実施形のバリエーションは、ガスストッパーが、復水インレットをスルースチャンバーに向かって閉じるために、復水収集器内のシール座にシールすることを意図している。これによってスルースチャンバーと、これにともに全スチームトラップが、小さな寸法を保持することができる、というのは復水収集器内にあるガスストッパーが、スルースチャンバーの容量を減少させないからである。
【0023】
発明にしたがいスルースチャンバーは、復水インレットと接続されており、その際、流体ストッパーがスルースチャンバーを復水アウトレットから切り離している。この配置によって復水の放出は、スルースチャンバーから復水アウトレットを介して、アーマチャーによって動力操作される流体ストッパーの開口および閉鎖を通じて、能動的に行われる。
【0024】
これによって、集められた復水が、スルースチャンバー内で制御されずに流体ストッパーを通りすぎ復水アウトレットを介してスチームトラップから現われるということがなく、流体ストッパーはその外側周囲において密閉部を備え、この密閉部が、スチームトラップのハウジングの一部によって形成される内壁に対してシールする。基本的にスチームトラップは、一または複数のハウジング部品から構成されている。
【0025】
スチームトラップの中にまたは傍に、アーマチャーの作動位置の検出のための手段が設けられている。この位置検出のための手段は、たとえば光学的なまたは機械的な手段であり得る。位置検出が非接触で、特に磁気によって行われると、特に有利であると考えられる。位置検出のための手段は、障害、例えば沈殿物からの保護のため、カプセルに入れられたユニットとして形成されることが可能である。
【0026】
スチームトラップは、少なくとも一つのパルスジェネレーター(Impulsgeber)を有しており、このパルスジェネレーターは、位置検出のための手段の操作のために使用される。パルスジェネレーターはここで、一つの操作要素と接続されており、その際流体ストッパーは、操作要素を介してアーマチャーと連結されている。これによって、操作要素を介して流体ストッパーに伝達される作動位置が問合せ可能であり、これは監視と、場合によってはあり得るトラブル報告の出力に使用される。
【0027】
スチームトラップは通常周囲を取り巻く外部温度と接している状態なので、スチームトラップのハウジングが少なくとも部分的に温度調整可能であると、特に有利であると考えられる。このようにして、例えば、スチームトラップの機能方式に影響を与えるか、または完全に妨げる可能性がある、集められた復水の適当な周囲温度における凍結が、回避されることが可能である。好ましくは、温度調整のために排ガスの熱が使用されることが可能である。
【0028】
ガス流混合気を復水から解放するために、一または複数のフロー整流装置及び/又は凝縮器が、ガス流混合気を案内する要素の中にまたは傍らに設けられていることが可能である。この際、凝縮器は、全ての形態バリエーションを取ることが可能である。これは例えば、型状管(Formrohr)、波状管(Wellrohr)、らせん状管(Wellenrohr)、または平滑表面管(Glattrohr)、およびハウジング部品として、さらに管束熱交換機(Rohrbuendel-Waermetauscher)またはプレート状熱交換器(Plantten- Waermetauscher)としてである。
【0029】
示されたスチームトラップは、復水収集器内にたまった復水水位の機械式の分離(Entkopplung)によって、その課題を、厳しい環境下においても満たすことを保証するのに適しており、これらは、例えば自動車の排ガス装置における使用の際に見出される。
【0030】
流体センサーと位置検出のための手段を組合わせた、能動的に動力操作される機能方式によって、自動的な作業方式が達成される。
【0031】
コンパクトな寸法のおかげで、これは、すでに存在する装置に組み込むことが可能である。
【0032】
このため特に、(排)ガス装置、(排)ガス循環装置および自動車のエンジン周辺の製造業者にとって、構造上および形状上の自由度の拡大が生じる。
【0033】
特に、後続する(排)ガス処理のための、(排)ガス品質の向上のほかに、これによって有害物質の放出が減少される。
【0034】
復水として得られた流体を、燃焼空気に戻し案内することも可能であり、これによって特に内燃機関において燃焼の冷却が行われ、この燃焼の冷却は、窒素酸化物の減少へと通ずるということと、そして、全負荷運転中に燃料が制御されずして発火する(ノッキング)ということを回避することに対して貢献をもたらす。
【0035】
とりわけ、ガスを案内する要素における損傷の減少または完全な回避が、機能が全く働かなくなるであるとか、損なわれるといったことや、そして騒音発生という形(例えば腐食による穴(Lochfrass))で快適性が失われるということを防ぐ。これによってまた減少される修理費用または出費は、全体としてより高い価値を有するということへ通ずる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ガス流混合気を案内する要素の部分と接続された発明に係るスチームトラップを、カット図の表現方法で側面図として表した図
【図2】図1に表わされたスチームトラップの、内部コンポーネントの配置を変更したバリエーションとして表わした図
【発明を実施するための形態】
【0037】
図中に簡略的に表わされた実施例に基づいて、本発明を以下に詳細に説明する。
【0038】
図1と2のスチームトラップは、基本的に同じ構造である。図2では、内部要素の変更された配置が示されている。
【0039】
スチームトラップ1は、基本的に回転対称であって縦長のハウジング2を有しており、このハウジングは、漏斗状の復水収集器3に対して一端に形成されている。ハウジング2の中央に配置された球状のスルースチャンバー4は、復水インレット5を介して復水収集器3と接続されており、その際、復水インレット5は、スルースチャンバー4内に配置されたガスストッパー6によって閉ざされている。この際、ガスストッパー6は、シール座7に対してスルースチャンバー4内でシールしている。
【0040】
スルースチャンバー4に引き続いて、ハウジング3の、復水収集器3に向かい合った部分が、側方への復水アウトレット8を有している。スルースチャンバー4は復水アウトレット8の向かい側においては、シリンダー状の流体ストッパー9によってふさがれている。
【0041】
ライナー内でのピストンのように、流体ストッパー9は、ハウジング2の長手軸の方向に直線的に動くことができるよう配置されている。スルースチャンバー4と復水アウトレット8の間の空間的な接続に関して、流体ストッパー9はそれゆえ、ストップ位置10または開口位置11に移動させることができる。この際、流体ストッパー9の外側周囲12は、ハウジング2の内壁13に対してシールしており、これによってストップ位置10は流体ストッパー9のあらゆる動作範囲に及び、この範囲では、ハウジング2の内壁13が、ハウジング2の長手軸に対して軸平行に伸びている。流体ストッパー9は、スルースチャンバー4を貫き通って、バネ要素14を介してガスストッパー6と接続されている。
【0042】
ハウジング2の、復水収集器3に向かい合った側の端部に、アクチュエーター16としてのアーマチャー15が取り付けられている。これは、アクチュエーター16からハウジング2の中へ突き出たロッド状の操作要素17を介して、流体ストッパー9と連結されている。操作要素17は、アクチュエーター16と流体ストッパー9の間で、ハウジング2内に配置された環状のガイド18内において、ハウジング2の長手軸を中心として配置されている。さらに、操作要素17には、アクチュエーター16とガイド18の間で、パルスジェネレーター19が設けられており、その際、ハウジング2内には、操作要素17の軸に平行に非接触の位置検出手段20が配置されている。
【0043】
スチームトラップ1はそのハウジング2により、解除可能な接続要素21を介して、ここでは詳細に表わされていない排ガス装置、特に自動車のものの開口した管部分22と接続されており、これによってガス流混合気Aが導かれる。管部分22は、ここでは、凝縮器23として形成され、内方にあるフロー整流装置24を有している。ガス流混合気Aから凝縮される復水Kは、復水収集器3内において閉じ込められた復水水位Cを有しており、その際、ガス流混合気Aは、フロー整流装置24を通過した後、復水を取り除かれたガス流Bとしてさらに流れる。復水収集器3内では、流体センサー25が、復水水位Cと接触可能であるように配置されている。
【0044】
図2では、バリエーションとして、図1に表わされたガスストッパー6が、スルースチャンバー4の内部に配置されておらず、復水収集器3内に配置されている。ここで、ガスストッパー6aは、復水収集器3内でシール座7aに対してシールしている。ガスストッパー6aは、この際同様に、バネ要素14aを介して、流体ストッパー9aと間接的に連結されており、流体ストッパー9aは、操作要素17を介して、ストップ位置10aから開口位置11aへ移動させることが可能である。
【0045】
動作中は、ここでは詳細に表わされていない排ガス装置から流れるガス流混合気Aが、開口している管部分22を通過し、そして凝縮器23内に存在するフロー整流装置24と接触するに至る。蒸気としてガス流混合気A内に溶けた水は、この際、凝縮器23内のフロー整流装置24において復水Kとして表われ、その際、それによって大幅に復水Kから取り除かれたガス流混合気Aは、復水を取り除かれたガス流Bとしてさらに流れる。
【0046】
復水K自体は、重力にしたがい開口している管部分22を介して、これと接続されるスチームトラップ1へと流れ、そして復水収集器3内に溜まる。ここで、復水インレット5は、ガスストッパー6によってスルースチャンバー4の側から閉じられている。せき止められた復水Kの復水水位Cは、復水収集器3内で、流体センサー25によって検知可能であるまで上昇する。これによって引き起こされた信号は、アクティブアクチュエーター16の形態のアーマチャー15が、操作要素17を引張り、それに続いて、これと連結される流体ストッパー9が同様にアクチュエーター16の方に動かされるきっかけとなる。
【0047】
流体ストッパー9のガスストッパー6からの離れる動作によって、流体ストッパー9とガスストッパー6の間に配置されるバネ要素14が、まず緊張緩和され、そして続く経過の中で、ガスストッパー6が、スルースチャンバー4内のそのシール座7から引っ張られ、そしてそれによって復水インレット5をフリーにする。復水収集器3を介して復水インレット5を通り、スルースチャンバー4内に流れ込む復水Kは、スルースチャンバー4内にたまる、というのは、ストップ位置10の範囲にある流体ストッパー9が、復水アウトレット8を閉じつつ保持しているからである。好ましくは、ここで、とても多くの復水Kがスルースチャンバー4内に入れられるので、この中にあるガスは開口された管部分22に戻って押しやられる。
【0048】
流れ込む復水Kによって下降する復水水位Cが、流体センサー25によって検出される水準を下回るとすぐに、さらなる信号が発せさられ、この信号は、アクチュエーター16が、操作要素17をスルースチャンバー14と反対の方向へと押すきっかけとなる。これによってガスストッパー6はまず、操作要素17との間接的な接続を介して、スルースチャンバー4内のそのシール座7へと動かされ、そして復水インレット5を再び閉じる。
【0049】
いっしょに動く流体ストッパー9は、この際、未だそのストップ位置10にある。
【0050】
さらに、シール座7は、ガスストッパー6の構造上のストローク限界を意味し、これによって操作要素17のさらなる線動作が、バネ要素14の打ち付けへと通じる。操作要素17はこれによってストローク限界を経験しないので、流体ストッパー9は、横断面がより大きいスルースチャンバー4内へと、流体ストッパー9の外側周囲12とハウジング2の内壁13の間のシール作用が破棄されるまで動かされ、そして周りを巡るスリット開口部が表れる。これによってスルースチャンバー4内にとどまっていた復水Kは流体ストッパー9の外側周囲12を通り過ぎ、スルースチャンバー4から復水アウトレット8を介して流れ出す。その際、流体ストッパー9の動作によってスルースチャンバー4内へ移された分の量の復水Kだけが、エアまたはガスが復水アウトレットを介して外から入り込むこと無く、排出される。
【0051】
引き続いてアクチュエーター16は、操作要素17を介して流体ストッパー9を、復水アウトレット8をシールする、ストップ位置10の領域へと引戻し、この領域で、ガスストッパー6はバネ要素14によって未だにそのシール座7内にとどまっており、そして復水インレット5を閉じつつ保持する。
【0052】
操作要素17の動作は、共に動くパルスジェネレーター19と、これに付随する位置検出装置20を用いて把握され、これによって復水アウトレット8の開口状態に関する情報が発生され、この情報は、監視のためと、エラー時におけるトラブル報告の出力のために使用されることが可能である。流体センサー25とともに、動力操作されるスチームトラップ1のための自動化され監視を行う機能シーケンスが作用する。
【0053】
スチームトラップ1の一つのバリエーションでは、復水Kは、ガスストッパー6aによってスルースチャンバー4に対して閉じられている復水収集器3内に溜まる。上昇する復水水位Cを介して流体センサー25によって発せられる信号は、アクチュエーター16を指示し、操作要素17が復水収集器3の方へスライドする。これと連結された流体ストッパー9aは、この際同様に、スルースチャンバー4の方へと動き、これによってバネ要素14aを介して連結されたガスストッパー6aが、復水収集器3内でそのシール座7aから持ち上げられる。
【0054】
これによって開かれた復水インレット5が、復水収集器3内に溜まった復水Kをスルースチャンバー4内へと流れ込ませる。沈下する復水水位Cを介して流体センサー25によって発せられる信号は、アクチュエーター16を指示し、操作要素17を引っ張る。ガスストッパー6aの操作要素17との間接的な接続によって、ガスストッパー6aは、復水収集器3内でそのシール座7aに再び引っ張られ、そして再度復水インレット5を閉じる。さらなる直線動作において、シール座7aは、ガスストッパー6aの構造上のストローク限界に作用し、その際、引張り要素として形成されるバネ要素14aが、流体ストッパー9aの、ストップ位置10aの領域から開口位置11aへの更なる動作を可能とする。
【0055】
流体ストッパー9aの外側周囲12aとハウジング2の内壁13の間に流出する復水Kは、復水アウトレット8を介してスチームトラップ1を去る。引き続いて、アクチュエーター16が、操作要素17を介して流体ストッパー9aを、復水アウトレット8がシールされるストップ位置10aの領域へと再び戻し押さえる。
【符号の説明】
【0056】
1 スチームトラップ
2 1のハウジング
3 復水収集器
4 スルースチャンバー
5 復水インレット
6 ガスストッパー
6a ガスストッパー
7 4の中のシール座
7a 3の中のシール座
8 復水アウトレット
9 流体ストッパー
9a 流体ストッパー
10 9の位置(ストップ位置)
10a 9の位置(ストップ位置)
11 9の位置(開口位置)
11a 9の位置(開口位置)
12 9の外側周囲
12a 9aの外側周囲
13 2の内壁
14 バネ要素
14a バネ要素
15 アーマチャー
16 アクチュエーター
17 操作要素
18 ガイド
19 パルスジェネレーター
20 15の位置検出のための手段
21 接続要素
22 管部分
23 凝縮器
24 フロー整流装置
25 流体センサー

K 復水
A ガス流混合気
B 復水を取り除かれたガス流
C 復水水位


【特許請求の範囲】
【請求項1】
復水収集器(3)および流体ストッパー(9,9a)並びに復水アウトレット(8)を有し、復水(K)をガス流混合気(A)から分離しかつ収集するスチームトラップ(1)であって、流体ストッパー(9,9a)が、復水(K)を導くために、復水収集器(3)内の復水水位(C)と機械的に無関係のアーマチャー(15)によって、ストップ位置(10,10a)から開口位置(11,11a)へと移動させることが可能である前記スチームトラップ(1)において、
スルースチャンバー(4)が設けられており、このスルースチャンバーは流体ストッパー(9,9a)およびガスストッパー(6,6a)によって閉じることが可能であり、流体ストッパー(9,9a)が、バネ要素(14,14a)によってガスストッパー(6,6a)と連結されていることを特徴とする前記スチームトラップ。
【請求項2】
アーマチャー(15)が、一つのアクチュエーター(16)を有することを特徴とする請求項1に記載のスチームトラップ。
【請求項3】
少なくとも一つの流体センサー(25)が、復水収集器(3)内に復水水位(C)の検出のために設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のスチームトラップ。
【請求項4】
復水収集器(3)が、ガスストッパー(6,6a)を用いて閉じることが出来る復水インレット(5)によって、スルースチャンバー(4)と接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項5】
ガスストッパー(6,6a)が、スルースチャンバー(4)内のシール座(7)に対してシールすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項6】
ガスストッパー(6,6a)が、復水収集器(3)内のシール座(7a)にシールすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項7】
スルースチャンバー(4)および復水アウトレット(8)が、流体ストッパー(9,9a)によって互いに分離されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項8】
流体ストッパー(9,9a)が、その外側周囲(12,12a)において、スチームトラップ(1)のハウジング(2)により形成される内壁(13)に対して透き間をふさいでいることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項9】
アーマチャー(15)の作動位置の位置検出のための手段(20)が設けられていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項10】
少なくとも一つのパルスジェネレーター(19)が、操作要素(17)と接続されており、流体ストッパー(9,9a)が操作要素(17)を介してアーマチャー(15)と連結されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のスチームトラップ。
【請求項11】
ハウジング(2)が、すくなくとも部分的に温度調節可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のスチームトラップ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−94796(P2011−94796A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239721(P2010−239721)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany