説明

スチールベルトの製造方法

【課題】製造工程を少なくすることにより製品コストを低減すると共に、製品の信頼性を向上することができるスチールベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】高張力鋼のシート材12から、スチールベルトを製造する方法であって、高張力鋼のシート材12を有底円筒状に深絞り加工を行い、さらに該深絞り加工における絞り比とは異なる絞り比となる条件でこの加工部材13をさらに少なくとも一回以上の深絞り加工を行う、多工程の深絞り加工工程Aと、該多工程の深絞り加工工程Aにおいて加工された部材15を円周に沿ってベルト状に切断する切断工程Bと、を少なくとも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の無段変速機等に使用されるスチールベルトの製造方法に係り、特に、製造コストを少なくすることにより低コストに製造することができるスチールベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両の無段変速機は、図3(a)に示すように、入力プーリ1と、出力プーリ2と、無端状に形成され入力プーリ1及び出力プーリ2に巻き掛けられたベルト3と、を備えたものが一般的であり、この入力プーリ1または出力プーリ2のベルト巻き付け径を制御して変速比を変化させながら、入力プーリ1の回転トルクをベルト3を介して出力プーリ2に伝達するようになっている。そして、このような無段変速機に用いられるベルト3としては、図3(b)(図3(a)のA部拡大図)に示すように、2つの無端状のスチールベルトを複数枚積層させたスチールバンド3a,3aを並置し、この2つのバンド3a,3aの対向する周縁に、エの字状のブロック(金属エレメント)3bをバンド周方向に沿って複数枚嵌め込んだものが知られている。
【0003】
このようなスチールバンド3aを構成するスチールベルトは、図4に示すように、これまでは、コイル状素材51を帯板52に切断し、該帯板52を塑性変形させて中空円筒体53となるようにロール成形をし、ロール成形された円筒体53の当接端部53aを洗浄後合わせ溶接し、該溶接ビード部54a近辺の熱影響を除去するべく溶体化処理を行い、溶接された中空円筒体54を円周方向に沿ってリング状に切断し、該リング状部材55の切断エッジ55aをバレル研磨し、この部材をスマット除去乾燥し、圧延前洗浄を行った後にリング状部材を円方向に圧延してベルト部材56に加工し、その後、積層してバンド3aとするためにベルト部材56の周長調整を行い、酸化処理などの処理を行い、製造されるのが一般的である。
【0004】
しかし、このスチールベルトの製造方法は、鋼板を溶接する工程を含んでいるため、溶接ビード部の溶接欠陥を予防すべく、当接端部を洗浄する工程、溶接ビード部近傍の熱影響部を除去すべく、溶接後の溶体化処理を行う工程など、多くの工程を含んでおり、製品コストが高くなってしまっていた。さらに、この溶接された円筒体の軸方向の両端は、溶接によるビードのダレ等が発生するため、製品としては使用することができず排除する必要があり、製品の歩留まりが悪くなっていた。
【0005】
このような問題を鑑みて、一般材からなる鋼板に窒化処理を行う工程と、プレス機を用いて該窒化処理鋼板を円形板に打抜く工程と、該円形板をプレス機から取り出して深絞り加工機に配置し、打抜かれた円形板に対して深絞りを行う工程と、該深絞り加工を行った部材をリング体に切断を行う工程と、該リング体に対して時効処理を行う工程と、を含むスチールベルトの製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平03−248730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記に示したような深絞り加工によりスチールベルトを製造する場合には、従来の溶接を行う工程、溶体化処理を行う工程、圧延する工程等を行う必要はないが、例えば、上記特許文献1の如く、窒化処理を行ってから深絞り加工を行うと、鋼板の表面が硬化しているので、加工表面に微小クラックが発生するばかりでなく、深絞り加工機の金型自体も寿命も短くなってしまう。
【0008】
さらに、このような無段変速機のスチールベルトは、近年、車両の更なる高性能化に伴いより高い強度が要求されており、例えば、高張力鋼板などの引張り強さが高い材料を用いて深絞り加工を行った場合には、材料の加工抵抗が大きいので加工が難しく、さらに加工を行うと材料に割れ等が発生して歩留まりも悪く、従来の如き溶接工程を含む製造方法により加工をせざるをえなかった。
【0009】
さらに、この深絞り加工を行う場合には、プレス加工機を用いて鋼板を円形板に打抜いてから、円形板を深絞り加工機に設置して深絞加工を行うので、深絞り加工機に設置をする際には、この円形板の円中心と、絞り加工機側のポンチとダイスとの中心軸とを一致させないと、加工時に押さえられる円形板の耳部に割れ、しわなどが発生することがあり、特に、上記の如き高張力鋼板を深絞り加工する際にはこのような現象が顕著に発生する虞があった。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高張力鋼によりスチールベルトを製造する場合であっても、製品の品質の信頼性を向上させることができるスチールベルトの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、高張力鋼からスチールベルトを製造する場合には、上述したような溶接工程は、製品の歩留まりを低下させるおそれもあり、製造コストも増加すると考え、安価に製造するためには、この溶接工程を行わずにスチールベルトを製造することが重要であると考えた。そこで、発明者らはこの考察に基づいて多くの実験と研究を行うことにより、単に深絞り加工を行うのではなく、絞り比を順に変えた多工程の深絞り加工を行うと、高張力鋼のような材料であっても、厚み精度が良くかつ信頼性の高いスチールベルトを製造することができるとの知見を得た。
【0012】
本発明は、本発明者らが得た上記の新たな知見に基づくものであり、本発明に係るスチールベルトの製造方法は、シート材から、深絞り加工によりスチールベルトを製造する方法であって、前記シート材は、高張力鋼からなり、該シート材を有底円筒状に深絞り加工し、該深絞り加工における絞り比とは異なる絞り比となる条件でこの加工部材をさらに少なくとも一回以上の深絞り加工する、多工程の深絞り加工工程と、該多工程の深絞り加工工程において加工された部材を円周に沿ってベルト状に切断する切断工程と、を少なくとも含むことを特徴としている。
【0013】
本発明の如きスチールベルトの製造方法は、深絞り加工を行いベルトの製造をするので、従来の如き溶接工程およびその工程の前後の処理工程は不要となり、さらには多工程の深絞り加工を行うことにより、たとえ高張力鋼のシートであっても割れ等の品質欠陥なくベルト状に加工することができ、ベルト厚みの精度も向上し、圧延工程も不要となる。この結果、これまでの製造工程に比べて工程数を減らすことができ、熱処理炉、溶接機、洗浄機などの設備投資が不要となり、製品の低コスト化を図ることができる。
【0014】
また、深絞り加工によりベルトを製造しているので継ぎ目がない信頼性の高いベルトを得ることができるばかりでなく、深絞り加工を多工程にわたって行うことにより更に材料が加工硬化してベルトの強度が向上する。
【0015】
さらに、前記多工程の深絞り加工工程におけるシート材を有底円筒状に深絞り加工を行う際に、前記シート材を円板状に打抜き、該円板状のシートを打抜いた状態で保持し、該保持された円板シートを深絞り加工することがより好ましい。このように円板状にシートを打抜く加工と深絞り加工を同時に行うので、シートを円板状に打抜き、打抜き後の円板状のシートを深絞り加工するようなものに比べて、円板状シートと絞り加工機の位置合わせをする必要がなく円板中心を絞り加工の中心軸として深絞り加工を行え、フランジ部(耳部)の割れ、しわなどを回避することができる。そして、このような割れ、しわを回避することにより、2回目以降の深絞り加工を好適に行うことができるばかりでなく、2回目以降の加工時において、さらなる割れ、しわの発生も軽減することができる。
【0016】
より好ましくは、前記製造方法は、前記切断工程後、前記ベルト状の加工部材に窒化処理を行う工程を含んでいる。このような深絞り加工後に窒化処理を行うので、ベルトの耐摩耗性が向上するばかりでなく、深絞り加工前に窒化処理を行うもの比べて、深絞りの型寿命が向上し、加工表面に微小クラックが発生することがないので、ベルトの品質の信頼性が向上する。
【0017】
さらに、前記高張力鋼は、マルエージング鋼からなることが好ましい。このマルエージング鋼は、標準的には引張り強さ900MPa以上、表面硬さHv300以上のじん性のある材料であり、冷間成形性にも優れているので、破断及び磨耗の少ないスチールベルトを得ることができる。
【0018】
また、本発明に係る製造方法は、前記切断工程後かつ窒化処理工程前に、前記ベルト状の加工部材に時効処理を行う工程を含むことが好ましい。このようにマルエージング鋼からなるベルト状の加工部材に、時効処理として450〜600℃、1〜4時間程度の熱処理を行うことにより微細な金属間化合物を析出させることとなり、延性及びじん性を損なうことなく高強度を有したスチールベルトを得ることができる。さらに、窒化処理前に時効処理を行うので、窒化処理により得られた窒化層が内部に拡散してしまうことが無いので、窒化処理における材料強度及び耐磨耗性を確保することができる。
【0019】
さらに、本発明に係るスチールベルトの製造方法は、シート材を有底円筒状にするときの深絞り加工の絞り比を2.15〜1.4の範囲とし、2回目の(有底円筒状の肉厚を薄くするときのはじめの)深絞り加工の絞り比を1.5〜1.1の範囲として深絞り加工を行うことが好ましい。このような範囲の深絞り加工の絞り比の条件で、2回目までの深絞り加工をすることにより、深絞りの回数を最小回数の3回で、破損することなく所望の大きさを有したスチールベルトを製造することができる。
【0020】
また、スチールベルトの製造方法により製造されたスチールベルトは、高いベルト強度があるため、車両の無段変速機を構成するベルトに適用することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、たとえ高張力鋼のような加工し難い材料であっても、この材料から品質の信頼性が高い安価なスチールベルトを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は、本発明によるスチールベルトの製造方法を説明するための製造工程を説明する一例である。尚、既に、図4において説明した従来のスチールベルト製造工程と共通する工程は、その説明を省略する。
【0023】
図1に示すように、マルエージング鋼からなる高張鋼のコイル素材11から、プレスまたはレーザ等を用いて、素材11を矩形のシート材12に切断する。そして、このシート材12を用いて多工程の絞り加工を行う(A)。具体的には、まず、シート材12を円板に打抜く打抜き加工と、該シート材12を打抜いた状態のまま(円板の位置合わせを改めて行わずに)深絞り加工ができる深絞り加工機を用いて、マルエージング鋼のシート材12を円板状に打抜き、該円板状のシートを打抜いた状態で保持し、所定の絞り比の条件で該保持された円板シートを深絞り加工し、耳部13aを有した有底円筒状の加工部材13を製作する(A1)。次に、この有底円筒状の加工部材13を先の絞り比とは異なる所定の絞り比の条件で、2回目の深絞り加工を行い、加工部材14を製作する(A2)。さらに、この加工部材14を先の絞り比とは異なる絞り比の条件で、3回目の深絞り加工を行い、加工部材15を製作する(A3)。
【0024】
このように、多工程の深絞り加工を行ってベルトの製造をするので、高張力鋼であっても継ぎ目のない、ベルト厚みの精度の良い安価なスチールベルトを容易に製造することができる。また、図1のA1に示すように、シート材12を円板状に打抜きながら深絞り加工を行うので、円板状のシート材の円中心と加工機のポンチとダイスの中心軸との芯合わせをすることなく、加工時に、耳部13aの半径方向の幅dを全周に亘って略一定に保つことができるので、芯ずれによる耳部13aの割れ、しわなどを抑制することができ、2回目及び3回目の深絞り加工(図1のA2,A3)を好適に行うことができる。
【0025】
そして、このように多工程に深絞り加工された円筒状の加工部材15を、円周に沿ってベルト状に切断し、複数のベルト部材16,16,・・・を製作する(図1のB)。次に、このベルト部材16のバレル研磨処理を行い、スマット除去乾燥、洗浄、周長調整を行う。さらに、周長調整後、このベルト部材16を炉内に投入して、処理温度450〜600℃、1〜4時間程度の時効処理を行う(図1のC)。このような時効処理は、特にマルエージング鋼を用いた場合には、延性及びじん性を損なうことなくベルトの強度を向上させることができるので、スチールベルトの品質を向上させるに有効な処理である。
【0026】
そして、この時効処理により得られたベルト材の表面にさらに酸化処理を行い、さらに、窒素雰囲気中の炉内に、酸化処理を行ったベルト材を投入し、その表面の窒化処理を行って(図1のD)、スチールベルトを完成させる。
【0027】
ここで、発明者らは、上記多工程の深絞り加工を行う際に、その深絞り回数を最小限に抑えるためには、まず初回の絞り比を決定することが重要であると考え、高張力鋼の1つであるマルエージング鋼を用いて、以下の予備的な試験を行った。
【0028】
(予備試験1)
試験1〜5:マルエージング鋼(YAG300:日立金属製)のコイルを準備し、このコイルの一部を305mm×305mmの矩形状のシートに切断した。次に、このシート材を円板状に打抜き、該円板状のシートを打抜いた状態で保持し、該保持された円板シートを表1に示すブランク径、絞り比の試験条件で深絞り加工を行い、有底円筒部材に加工した。そして、加工時における荷重を測定すると共に、加工品の外観を観察した。その結果を図2及び表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
結果1:図2及び表1に、試験1〜4は、絞り比を大きくすると、深絞り加工に要する荷重が大きくなった。そして、試験1〜4の加工品は、良好に深絞り加工ができたが、試験5の加工品には、有底部の外縁近傍に割れが発生した。
【0031】
考察1:上記結果及び図2から、マルエージング鋼を深絞り加工する場合には、絞り比を2.15以下にすると、良好に加工ができると推定される。また、この結果を考慮して、無段変速機用のスチールベルトのベルト径を得るための絞り比を検討すると、必要深絞り加工の回数は、少なくとも3回以上必要であり、この場合には、1回目の絞り比は、少なくとも1.4以上とし、さらに2回目の絞り比を1.5〜1.1の絞り比にすることにより、3回目の深絞り加工において、割れ等の破損がなく所望のベルト径及びベルト厚みに加工することができる。
【0032】
(予備試験2)
試験6:試験1と同様にして深絞り加工を行った。そして、加工品の外観を観察した。
【0033】
試験7:試験6と同様にして深絞り加工を行った。試験6と異なる点は、プレス機により矩形状のシート材を円板に打抜き、この円板シートを深絞り加工機にセッティング後、同じ条件で深絞り加工を行った点である。そして、加工品の外観を観察した。
【0034】
結果2:試験6の加工品は、良好に深絞り加工ができたが、試験7の加工品には、耳部(フランジ部)高さが均一とならず、割れ、しわ等が発生した。
【0035】
考察2:試験6の場合には、シート材を円板状に打抜き、該円板状のシートを打抜いた状態で保持し、該保持された円板シートを深絞り加工するので、円板状シートと絞り加工機との芯合わせをする必要がなく、円板シートの円中心からの半径方向の耳部の幅はほぼ一定に保つことができるが、試験7の場合には、円板シートの円中心を、加工機のダイスの中心線に正確に芯合わせしないと、この耳部の幅が一定とならず、加工時に耳部全周に不均一な応力が作用して、割れ、しわが発生したと考えられる。
【0036】
(実施例)
このような結果1,2を考慮して、スチールベルトの製造の確認試験を行った。マルエージング鋼(YAG300:日立金属製)のコイルを準備し、このコイルの一部を305mm×305mmの矩形状のシートに切断した。次に、このシート材を円板に打抜きながら絞り比2.0の条件で深絞り加工を行うことにより直径150mm,深さ115mmの有底円筒部材に成形した。そして、この成形部材を絞り比1.25の条件で直径120mm,深さ145mmの有底円筒部材となるように深絞り加工し、さらに、絞り比1.2の条件で、直径100mm,深さ175mmの有底円筒状部材となるように深絞り加工を行った。そして、この有底円筒状部材を円周に沿って切断することにより、ベルト長さ(周長)315mm,ベルト幅17mmのベルト18本のベルト部材を得た。そして、このベルト材に対して上記の如くバレル研磨等を行い、500℃、2時間の条件で時効処理を行い、さらに窒素雰囲気中において430℃×2時間の条件で窒化処理を行った。このようにして得られたスチールベルトの外観及びベルト厚み精度を確認した。
【0037】
(結果)
スチールベルトの表面には微少クラックの発生はなく、ベルト厚み精度は、±0.003mmの範囲内にあった。なお、深絞り時において、割れ、しわ等の発生もなく、良好に加工できた。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるスチールベルトの製造方法を説明するための製造工程を説明する一例を示した図。
【図2】試験1〜5に係る一回目の深絞り加工における絞り比と、該加工に要した荷重との関係を示した図。
【図3】無段変速機に利用されるスチールベルトを説明するための図であり、(a)は、無段変速機の全体構成図であり、(b)は、(a)のA部の拡大図。
【図4】従来のスチールベルトの製造方法を説明するための製造工程を説明する一例を示した図。
【符号の説明】
【0039】
11:コイル素材,12:シート材,13,14,15:加工部材,16:ベルト部材,A:多工程の深絞り工程,B:切断工程,C:時効処理工程,D:窒化処理工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材から、深絞り加工によりスチールベルトを製造する方法であって、
前記シート材は、高張力鋼からなり、該シート材を有底円筒状に深絞り加工し、該深絞り加工における絞り比とは異なる絞り比となる条件でこの加工部材をさらに少なくとも一回以上の深絞り加工する、多工程の深絞り加工工程と、該多工程の深絞り加工工程において加工された部材を円周に沿ってベルト状に切断する切断工程と、を少なくとも含むことを特徴とするスチールベルトの製造方法。
【請求項2】
前記多工程の深絞り加工工程におけるシート材を有底円筒状に深絞り加工する工程は、前記シート材を円板状に打抜き、該円板状のシートを打抜いた状態で保持し、該保持された円板シートを深絞り加工することを特徴とする請求項1に記載のスチールベルトの製造方法。
【請求項3】
前記製造方法は、前記切断工程後、前記ベルト状の加工部材に窒化処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスチールベルトの製造方法。
【請求項4】
前記高張力鋼は、マルエージング鋼からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスチールベルトの製造方法。
【請求項5】
前記製造方法は、前記切断工程後かつ窒化処理工程前に、前記ベルト状の加工部材に時効処理を行う熱処理工程を含むことを特徴とする請求項4に記載のスチールベルトの製造方法。
【請求項6】
シート材を有底円筒状にするときの深絞り加工の絞り比を2.15〜1.4の範囲とし、2回目の深絞り加工の絞り比を1.5〜1.1の範囲として深絞り加工を行うことを特徴とする請求項4または5の記載のスチールベルトの製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のスチールベルトの製造方法により製造されたスチールベルトは、車両の無段変速機を構成するベルトであることを特徴とするスチールベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−152358(P2007−152358A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346994(P2005−346994)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(593055306)岡野工業株式会社 (18)
【出願人】(000241485)豊田通商株式会社 (73)