説明

ストリップを巻き付けるための方法及び装置

コイラマンドレル(100)が、マンドレルボディ(120)と、このマンドレルボディ(120)の周囲に配設された半径方向に拡開可能な複数のセグメント(115)と、これらセグメントを半径方向に移動可能にする複数の油圧式のシリンダ(116)とを有する、ストリップ(110)を巻き付けるための方法及びコイラマンドレルおいて、個々のシリンダの摩擦が異なっている場合でも、ストリップを円形のコイルの目を有するように巻き付けることができるようにするために、各シリンダ(116)が個々にコントロールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンドレルボディと、このマンドレルボディの周囲に配設された半径方向に拡大可能もしくは拡開可能な複数のセグメントと、これらセグメントを半径方向に移動可能にする複数の油圧式のシリンダとを有するコイラマンドレルにストリップを巻き付けるための方法に関する。更に、本発明は、ストリップを巻き付けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧延機では、搬送と工場もしくは顧客での次処理を可能にするために、ストリップが、板又は巻束、いわゆるコイルに形成される。真直ぐなストリップが巻取り装置内で半径方向に巻き付けられた時に、コイル又は巻束が生じる。ストリップは、熱間ストリップライン又は冷間ストリップラインからの製品である。これは、ストリップの温度が、装置タイプと熱処理に応じて100°C以下であるか100°C以上であることを意味する。
【0003】
巻取り装置は、原理的に、ストリップが、回転するマンドレル、いわゆるコイラマンドレル上に案内されるように、機能する。コイラマンドレルの周囲へのストリップの案内は、例えば方向転換シェル、方向転換ローラ、ベルト等のコイラマンドレルの長手方向軸の周囲に半径方向に可動に配設されたガイド要素によって行なわれる。コイラマンドレルが、巻付け後にストリップにテンションがかかった状態になった場合、前記ガイド要素は、ストリップから離れて静止位置に移動、例えば旋回される。ガイド要素は、必要時、例えばロールスタンド又は巻取り装置の駆動機構から抜けることによってストリップから張力がなくなりそうになった時に、再び、ストリップへと旋回させることができる。これにより、コイルの形状の喪失もしくはコイルの跳ね上がりが防止される。
【0004】
従来技術による巻取り装置は、例えば、図1及び図2に図示されているように、
・コイラマンドレルを駆動するためのモータ1及びギヤユニット3と、
・駆動機構をコイラマンドレルと結合するカップリング4と、
・拡開ロッド13又は拡開ユニットと結合された回転式又は直立式の油圧シリンダ5と、
・シリンダストロークを測定するための距離測定システム(図示されていない)と、
・後方のマンドレル軸受6及び前方のマンドレル軸受7と、
・巻取り部分8
・拡開ロッド13と加圧体14を支持するマンドレルボディ12と、
・マンドレルボディ12の接合要素(図示されていない)によって保持され、加圧体14によって内方又は外方に移動されるセグメント15と、
・マンドレル支持軸受9と
から成る。
【0005】
従来技術によるコイラマンドレルの機能方式は、図2に正確に図示されている。巻取り時、ストリップ10は、コイラマンドレルに螺旋状に巻き付き、コイル11を構成する。コイラマンドレルは、巻取り体8のその外寸8.1を拡大及び縮小(拡径及び縮径)させるとの状態にある。この機能は、外側に位置するセグメント15が半径方向に移動されることによって得られる。巻付けのため、ストリップ10は、拡径されたコイラマンドレルの周囲に案内される。ストリップをコイル/金属束に巻き付けた後、搬出を可能にするために、コイル/金属束は、コイラマンドレルから取り外さなければならない。このため、コイラマンドレルが縮径される。即ち、セグメント15が、コイラマンドレルの長手方向軸に向かって移動され、巻取り部分8の外寸8.1が縮小される。コイラマンドレルが、コイルを解放する。
【0006】
拡開メカニズムが、図2に図示されている。拡開ロッド13は、少なくとも1つの斜面13.1を、好ましくは複数の斜面を備える。拡開ロッド13をコイラマンドレルの軸方向に左又は右に向かって移動させることによって、斜面13.1が移動され、加圧体14が半径方向に上昇又は降下させられ、半径方向更に外側に位置するセグメント15を上昇又は降下させる。巻取り部分8のセグメント15は、できるだけ均等に拡径及び縮径し、生じる荷重を受け止めなければならないので、巻取り部分8の周囲と全長にわたって複数の斜面が、このましくは均等に、配設されている。拡開ロッド13は、油圧シリンダ5と連結され、この油圧シリンダ5によって駆動力もしくは保持力を受ける。
【0007】
公知のコイラマンドレルは、セグメント15が斜面13.1を介して移動される点で、共通する。この場合、加圧体14が荷重の伝達もしくは運動の伝達を担うことが、必要である。しばしば、セグメント15に斜面13.1が設けられ、これにより、直接的な接触が、拡開ロッド13とセグメント15間にある。回転時に遠心力及び重力に抗してセグメント15を甲羅マンドレル内に保持するため、例えば、拡開ロッド13内とセグメント15内にそれぞれ回転可能に支承された接合要素が設けられる。セグメント15を支持するガイドによって、セグメント15は、他の実施形においても、コイラマンドレル内に保持することができる。
【0008】
拡開ロッド13がマンドレルボディ12の内部に組み立てられているので、このために、マンドレル支持軸受9に開口が設けられている。この開口を通して、拡開ロッド13がマンドレルボディ12内に導入される。支持軸受をマンドレルボディ12に結合可能にするため、ここには結合箇所9.1が設けられている。この結合箇所は、好ましくはネジ結合部として形成されている。
【0009】
熱間ストリップラインにおけるコイラマンドレルは、通常は、0.8mm〜25.4mmの厚さを有するストリップを巻き取るために使用することができる。この場合、強度は、例えば低炭素のように低いものと、例えばチューブ製品(×80、×100等)のように高いものの間で変動することができる。但し、前記従来技術によるコイラマンドレルの場合、適切かつ正確な荷重調整を行なうことができない。この理由は、再現可能でない高い摩擦に基づいて相応のヒステリシスを生じさせる1つもしくは複数の斜面にある。摩擦の非再現性の困難は、加圧体、セグメント及び拡開ロッドの摩耗の存在に理由がある。摩耗は、材料除去、変形表面粗さの変化等の形で現れる。加えて、例えば、グリースが高い圧力に基づいてグリース排出口に流れ出ることができない、又は、高温が生じた時にグリースが燃えたり、炭化したりするので、潤滑条件は不利になることが、加わる。また、グリースが冷却水によって洗い流されることもある。摺動面に侵入する汚れ及びスケールは、これがグリースを汚染した場合及び/又は摺動面もしくは摩擦面間に達した場合に、不利に作用する。変形及び材料除去により、セグメントをもはや所望の外寸にすることができないとのことが生じる。即ち、最大のコイラマンドレル直径とセグメントの水平を、もはや得らことができない。コイラマンドレルの負荷能力にとって決定的であるのは、マンドレル支持軸受のための結合箇所9.1の構造的な構成である。原理的に、結合箇所9.1(もしくは分離箇所)は、脆弱箇所である。
【0010】
特許文献1による従来技術から、1つのドラム体と、このドラム体に旋回可能に取り付けられた2つのテンションセグメントを有し、これらテンションセグメントに、テンションセグメントを互いに引き離すように拡開する、油圧操作されるピストンと、ドラム体又はドラム体と直接的又は間接的に結合された部分内に支承されたボルト等の列が作用を加える、巻上げドラムを制御するための装置が、公知である。両テンションセグメントのそれぞれに、他方のテンションセグメント側の自由端と、枢着された部分間で、油圧操作されるピストンと、ボルト等の列が作用を加える。更に、互いに離れるように拡開されるテンションセグメント間に取り付けられた加圧セグメントが設けられている。
【0011】
セグメントを拡開させるためのピストンシリンダユニットを備える別のコイラマンドレルが、特許文献2、特許文献3及び特許文献4から公知である。
【0012】
特許文献5からは、1つのコアと、このコアの周囲に配設された、半径方向に拡大可能もしくは拡開可能な複数のセグメントと、セグメントを半径方向に移動可能にする、各セグメントのための、複数の油圧式のピストンシリンダユニットとを有する拡大可能なコイラマンドレルが公知である。セグメントは、コア内の油圧式のユニットと結合されている。更に、セグメントは、油圧式のユニットのピストンに固定され、ピストンは、リング状に形成され、ピンの周囲に取り付けられ、このピン自体が、コアに固定され、セグメントの半径方向の上昇運動を制限するためのヘッドを備える。ピストンの半径方向の内側及び外側には、作動油のための第1のチャンバと第2のチャンバが設けられているので、油圧式のユニットは、セグメントを出し入れするために操作可能である。油圧式のユニットの(セグメントを出すための)第1のチャンバは、複数の加圧シリンダと結合されており、これら加圧シリンダのピストンは、共通の移動のために配設されているので、唯一のセグメントに付設された第1のチャンバは、すくなくともそれぞれ、少なくとも2つの加圧シリンダと結合されている。
【0013】
公知のコイラマンドレルにおける欠点は、半径方向に伸長可能なシリンダの全てが互いに油圧連結されていることにある。これは、コイラマンドレルが、少なくとも2つのシリンダのため、しかしながら大抵は2つ以上のシリンダのために共通の供給ラインを備えるということである。公知のコイラマンドレルの場合、常に、シリンダは、最終位置にだけもたらされる(完全な拡径又は縮径がなされる)。予め拡開された位置(セグメントの中間位置)からのセグメントの再拡開は、シリンダ毎に摩擦もしくは負荷が異なっているので、可能でない。従って、シリンダは、セグメントを異なるように伸長させ、コイラマンドレルの外部輪郭によって構成されるコイル穴は、シリンダ状に形成されない。円形でないこのような形成は、コイルの更なる取扱い時に問題になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】オーストリア国特許第219 940号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第26 20 926号明細書
【特許文献3】米国特許第3,273,817号明細書
【特許文献4】米国特許第3,414,210号明細書
【特許文献5】欧州特許第0 017 675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の課題は、前記欠点を回避する方法を提供することにある。更に、ストリップを巻き付けるための装置も提供すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、方法によれば、各シリンダが個々にコントロールされることによって解決される。
【0017】
個々のシリンダの個々のコントロールは、有利なことに、各シリンダに対して個々に設定された基準値への個々の各シリンダの調整を可能にする。加えて、個々のシリンダの個々のコントロールは、既に拡径されたコイラマンドレルから出発した所定の新しい基準値への個々のシリンダの個々の再コントロールを可能にする。特に、その場合、システムによって条件付けられる最大限可能な両基準値(両リミット値)間に位置する任意の基準値を設けることができる。
【0018】
本発明の第1の実施例によれば、シリンダ毎の摩擦もしくは負荷が異なっている場合でも、全てのシリンダもしくはコイラマンドレルのバランス取りシリンダが、同じ所定の基準位置に、特に、コイラマンドレルの長手方向軸から同じ半径方向の間隔に、個々にコントロールされる。このコントロールによって、有利なことに、全てのシリンダが半径方向に同じ距離伸長され、コイルの目がシリンダ状もしくは円形に形成されることが保証される。
【0019】
位置のコントロールに対して選択的に、シリンダは、圧力コントロールもしくは荷重コントロールをすることができる。コイラマンドレルの各シリンダを所定の同じ荷重に調整もしくはコントロールすることによって、同様に、対称な、特に円形のコイルの目を実現することができる。
【0020】
再拡径は、セグメントのコントロールされた圧力及び/又はコントロールされた位置決めによって行なわれ、同様に、モータトルクを確定することによって、コイラマンドレルの拡径に対するストリップの張力の相関が得られる。ストリップの張力とコイラマンドレルの拡開荷重の両方の値の調整は、確実な巻付けを保証し、最小の拡開荷重を使用した時でも、ストリップの損傷を最小化し、コイラマンドレルの部品の寿命を最大化することを助長する。
【0021】
加えて、本発明は、請求項7によるストリップを巻き付けるための装置によって解決される。この装置の利点は、方法に関連して述べた前記利点に相応する。同期ユニットが、所望の場合に、個々のシリンダをコントロールするためにそれぞれ同一の基準値が設定されることを保証するために使用される。
【0022】
方法及び装置の別の利点は、それぞれの従属請求項に記載されている。
【0023】
本発明によるコイラマンドレルによって、比較的大きな拡開シリンダ、拡開ロッド、加圧体、結合箇所、マンドレルボディの孔が省略される。
【0024】
本発明の実施例を、非常に概略的な図面により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】部分的に断面図で図示した従来技術によるコイラマンドレルを長手方向に見た図。
【図2】拡開要素、マンドレルボディ及びテンションロッドと共に図示した図1によるコイラマンドレルの長手方向に見た部分縦断面図。
【図3】本発明によるコイラマンドレルの横断面図。
【図4】部分的に断面図で図示した図3によるコイラマンドレルを長手方向に見た図。
【図5】拡開セグメント、シリンダ、加圧体及び位置センサと共に図示した図3によるコイラマンドレルの長手方向に見た部分断面図。
【図6】装置のコントロール回路。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3〜5に図示されているような本発明によるコイラマンドレル100は、巻取り部分120内にシリンダ116とバランス取りシリンダ121を有するように形成されている。シリンダ116とバランス取りシリンダ121は、セグメント115を移動及び/又は保持する。シリンダ116とバランス取りシリンダ121は、例えば油圧操作される。オイル以外に、例えばグリースのような他の媒体も適用可能である。セグメント115の拡開荷重と運動の伝達もしくは発生を、シリンダ116が行なう。シリンダ116は、図示されているように、そのシリンダカバー116.1及びシリンダピストン116.2と共にマンドレルボディ119内に直接取り付けられている。しかしながらまた、完成状態のシリンダ116をユニットとしてコイラマンドレル100に組み立てることも、考えられる。特に、各シリンダ116は、位置センサ117を備えているので、シリンダピストン116.2の正確な位置が、確定され、制御又はコントロールされる。位置センサ117のケーブル117.1は、ケーブル通路118を通って、ロータリトランスフォーマ123(図4)に伝達され、そこから、制御ユニット、コントロールユニット及び/又は評価ユニット(図示されてない)に伝達される。シリンダ116及びバランス取りシリンダ121への媒体供給は、媒体供給装置122によって行なわれる。
【0027】
媒体供給装置122は、シリンダ116もしくはバランス取りシリンダ121に、必要な媒体を供給し、マンドレルボディ119に、冷却とクリーニングをするための水のような冷却液及び/又はクリーニング液を供給する。更に、コイラマンドレル100は、媒体供給装置122を介して潤滑箇所に潤滑剤を供給する。冷却とクリーニングをするための水は、同様に、媒体供給装置122を介してコイラマンドレル100の消費箇所に搬送される。ロータリトランスフォーマ123は、位置センサ117に電圧もしくは電流を供給する。
【0028】
シリンダ116と同様に、バランス取りシリンダ121は、そのシリンダピストン121.1とシリンダカバー121.2と共に、直接又は完成した交換ユニットとしてマンドレルボディ119に取り付けられる。バランス取りシリンダ121は、シリンダピストン116.2とセグメント115とが常に接触するようにセグメント115を遠心力と重力に抗して保持するとの課題を有する。このシリンダ121も、位置センサ117を備えることができる。他の形成では、圧力センサによりシリンダ121が所定の荷重に制御又はコントロールされ、これにより、位置センサ117が省略されることが考えられる。
【0029】
シリンダ116とバランス取りシリンダ121は、供給ライン又は排出ライン内の圧力を測定する圧力センサ及び/又は位置センサ117を介してコントロール又は制御される。バランス取りシリンダ121は、特に、セグメント115と、噛合い係合による結合を構成するように、形成されている。他の形成では、摩擦係合による結合が考えられる。
【0030】
セグメント115を有するコイラマンドレル100の外径を較正するために、少なくとも2つの較正リングが、長手方向軸の方向に所定の間隔を置いてずらして位置決めされる。較正によって、外径と位置センサが調整される。付加的に、セグメントの水平を、適当な測定ユニット又は検査ユニットにより確定することができる。シリンダ116により、セグメント115の摩耗を補正することができる。
【0031】
図6に、装置の個々の各シリンダを個々にコントロールする装置のためのコントロール回路が、模範的に図示されている。図示されたコントロール回路は、荷重コントロールをベースとした位置コントロールを示す。重ねられる位置コントロールは、コイラマンドレルの全てのシリンダが、同じ基準位置に、即ちコイラマンドレルの長手方向軸から同じ半径方向の間隔に、コントロールされるとのことを生じさせる。この場合、ベースとなる荷重コントロール回路によって、シリンダに対して個々に設定される基準荷重を維持すること、特に越えないことが、保証される。
【0032】
選択的又は付加的に、本発明による各シリンダのためのコントロールユニットは、位置コントロールをベースにした個々の荷重コントロールを備える。その場合、シリンダを巻き付けられたストリップに押し付ける荷重は、重ねられる荷重コントロールによって、所定の、特に同じ荷重にコントロールされる。同時に、ベースとなる一コントロールは、荷重コントロール時にシリンダの所定の基準位置を維持するとのことを保証する。
【0033】
両コントロールメカニズム、即ち、荷重コントロールをベースにした位置コントロール又は位置コントロールをベースにした荷重コントロール、では、荷重コントロールが故障した時に所定の最大荷重の超過を回避し、これにより、コイラマンドレル又は巻き付けられたストリップの損傷を回避するための荷重リミッタを設けることができる。両コントロールメカニズムが使用可能な場合、作業状況に応じて、場合によっては、両メカニズム間で切換えを行なってもよい。特に、荷重コントロールをベースにした位置コントロールは、特に、コイラマンドレルの始動時、即ち巻付け工程の開始時、に、使用される。その後、即ち、巻付け工程の停止中、即ち、コイルが既に巻き付けられた後、は、位置コントロールをベースにした重ねられる荷重コントロールへの切替えを行なってもよい。
【0034】
両コントロールメカニズムにより、位置と作業圧力は、システムリミットの範囲内で、個々のシリンダに対して個々に任意に選択可能/コントロール可能である。これにより、ストリップを予め拡径されたコイラマンドレルに巻き付けるとの可能性が得られる。これは、コイルがゆるいか、できるだけ早い時期に張力を生じさせるべき時に、コイラマンドレルが、巻付け時に、その直径を、所定の巻数に巻きつけた後、更に拡大するとのことを意味する。
【0035】
本発明による装置は、メインシリンダを備えるのではなく、特に高い圧力で個々の各シリンダに必要な作動油を供給する状態にある回転供給装置を備える。コントロールにより、シリンダ116が、セグメントを同期移動し、これにより、セグメントが常に水平に移動されるとのことが、保証される。これは、セグメント115の傾き及び引っかかりを回避するので、運転の信頼性が、常に保証されている。
【0036】
図2による従来技術から知られているような斜面13.1の廃止により、斜面のためのグリース潤滑もなくなる。本発明によるコイラマンドレルにより、コイラマンドレルが水を供給され、従って冷却されるとのことが、可能である。適当な水の案内により、コイラマンドレルは、常に汚れをクリーニングされるか、きれいに洗浄される。
【符号の説明】
【0037】
1 モータ
3 ギヤユニット
4 カップリング
5 油圧シリンダ
6 後方のマンドレル軸受
7 前方のマンドレル軸受
8 巻取り部分
9 マンドレル支持軸受
10 ストリップ
11 コイル
12 マンドレルボディ
13 拡開ロッド
14 加圧体
15 セグメント

100 コイラマンドレル
101 モータ
103 カップリング
104 油圧シリンダ
106 前方のマンドレル軸受
107 後方のマンドレル軸受
110 コイル
111 ストリップ
115 セグメント
116 シリンダ
116.1 シリンダカバー
116.2 シリンダピストン
117 位置センサ
117.1 ケーブル
118 ケーブル通路
119 マンドレルボディ
120 巻取り部分
121 バランス取りシリンダ
121.1 シリンダピストン
121.2 シリンダカバー
122 媒体供給装置
123 ロータリトランスフォーマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンドレルボディ(120)と、このマンドレルボディ(120)の周囲に配設された半径方向に拡大可能もしくは拡開可能な複数のセグメント(115)と、これらセグメントを半径方向に移動可能にする複数の油圧式のシリンダ(116)とを有するコイラマンドレル(100)にストリップ(110)を巻き付けるための方法において、
各シリンダ(116)が個々にコントロールされることを特徴とする方法。
【請求項2】
全てのシリンダ(116)が、同じ所定の基準位置に、特に、コイラマンドレルの長手方向軸から同じ半径方向の間隔に、個々にコントロールされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置のコントロールが、荷重のコントロールに基づいて行なわれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各シリンダ(116)が、所定の基準圧力もしくは所定の基準荷重にコントロールされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
圧力のコントロールもしくは荷重のコントロールが、位置のコントロールに基づいて行なわれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
モータトルクを確定することによって、コイラマンドレル(100)の拡径に対するストリップの張力の相関が得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
マンドレルボディ(120)と、このマンドレルボディ(120)の周囲に配設された半径方向に拡大可能もしくは拡開可能な複数のセグメント(115)と、これらセグメントを半径方向に移動可能にする複数の油圧式のシリンダ(116)とを有する、ストリップ(111)を巻き付けるためのコイラマンドレルにおいて、
油圧式のシリンダ(116)をそれぞれ個々にコントロールするためのコントロールユニットが設けられていることを特徴とするコイラマンドレル。
【請求項8】
各シリンダ(116)に位置センサ(117)が付設されていることを特徴とする請求項7に記載のコイラマンドレル。
【請求項9】
各シリンダ(116)及び/又は各バランス取りシリンダ(121)に圧力センサが付設されていることを特徴とする請求項8に記載のコイラマンドレル。
【請求項10】
各バランス取りシリンダ(121)が、摩擦係合又は噛合い係合によりセグメント(115)と結合されるように形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載のコイラマンドレル。
【請求項11】
コントロールユニットが、個々の油圧式のシリンダのための所定の基準値を同期させるための同期ユニットを備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載のコイラマンドレル。
【請求項12】
必要な媒体を個々のシリンダもしくはバランス取りシリンダ(121)に供給するための媒体供給装置(122)が設けられていることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載のコイラマンドレル。
【請求項13】
媒体供給装置(122)が、コイラマンドレル(100)に媒体を供給し、この媒体が、少なくとも、コイラマンドレル(100)の部品の冷却とクリーニングを同時に行なうための水であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つに記載のコイラマンドレル。
【請求項14】
媒体供給装置(122)が、潤滑箇所にも潤滑剤を供給し、ロータリトランスフォーマ(123)が、測定ユニットに電流及び/又は電圧を供給することを特徴とする請求項13に記載のコイラマンドレル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−525427(P2011−525427A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515208(P2011−515208)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004598
【国際公開番号】WO2009/156159
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】