説明

ストリップ供給装置

【課題】
ストリップ供給装置を提供する。
【解決手段】
垂直方向に積層されてなるストリップ列が複数平行に配置され、下側が開口するように形成されたカセット部と、前記カセット部に摺動自在に結合されて前記カセット部の開口部を開閉するカバー部と、を有するストリップ収納部材と、前記一本のストリップの高さと対応する深さに形成されて前記カセット部から自重により落下する前記ストリップを一本ずつ載置する載置部が形成され、前記載置部に載置されたストリップを単位個数だけ引出して特定の位置に移動させる引出モジュールと、前記ストリップ収納部材を一方向に移動させて前記載置部の上に前記ストリップ列のうちいずれか一本が対応するように位置付ける移動モジュールと、を備えることを特徴とするストリップ供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストリップ供給装置に関し、詳しくは、体液などの所定の試料液を分析する試料液自動分析装置に配備されて試料液をテストする過程においてストリップを特定の位置に一本ずつ供給するストリップ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の小便などの試料液の状態を把握する方法として、ユーザーが試料液にストリップを反応させて変化されたストリップの色合いを把握する方法がある。かような方法は、一本の試料液に一本のストリップを反応させることを余儀なくされるため、試料液を分析する時間が長引いてしまうという不都合がある。
【0003】
これを解消するために、試料液自動分析装置が提案されている。通常の試料液自動分析装置は、ストリップ供給装置と、ストリップ搬送装置と、試験管搬送装置と、試料液吸入/搬送/排出装置と、ストリップ撮影部と、制御部と、を備えている。
【0004】
ストリップ供給装置は、複数のストリップが保管されたストリップ収納部材から前記ストリップを一本ずつ引出して特定の位置に供給する。
【0005】
搬送装置は、前記ストリップ供給装置から供給された前記ストリップを試料液と反応させてその反応を検出するための位置に搬送する。
【0006】
試験管搬送装置は、前記試料液が入れられている多数の試験管を搬送する。
【0007】
試料液吸入/搬送/排出装置は、前記試験管搬送装置から搬送される前記試験管試料液をそれぞれ吸入して前記ストリップ搬送装置により搬送されるストリップの各パッドの位置に搬送した後、それぞれのパッドに排出する。
【0008】
ストリップ撮影部は、前記ストリップ搬送装置により搬送される前記ストリップの各パッドの反応を検出するための撮影作業を行う。
【0009】
制御部は、内蔵された動作プログラムにより、前記各装置と機能部の動作を総括的に制御し、前記ストリップ撮影部の撮影情報を分析する。
【0010】
この種の試料液自動分析装置は、上記の如き一連の過程を自動的に処理するため、ユーザーが直接的に試料液をストリップに反応させる方法よりも試料液を分析する時間を短縮させる。
【0011】
前記試料液自動分析装置に配備された従来のストリップ供給装置は、製造社別に試料液自動分析装置に合うように製造されたストリップ収納部材からストリップを一本ずつ引出する引出装置の構造を有しており、クランプ状の機械的な装置や空圧により前記ストリップの両側を把持して前記ストリップ収納部材から取り出すような方法が使用される。ここで、クランプ方式の引出装置は、前記ストリップ収納部材の内部にクランプが入り込んでストリップを把持する必要があるため、ストリップ同士の十分な余裕空間が必要となる。これにより、クランプ方式の引出装置はストリップ収納部材の構造も複雑になり、クランプを駆動するための構造も複雑になって、製造コストが増大してしまうという不都合がある。また、クランプ方式の引出装置は広い余裕空間を必要とするため多量のストリップを保管することができず、その結果、前記ストリップ収納部材を頻繁に交換しなければならないという不都合がある。
【0012】
加えて、空圧方式の引出装置はクランプ方式の引出装置よりもストリップ収納部材の内部の余裕空間をあまり必要としないため、カセット構造の単純化を図ることができる。しかしながら、空圧方式の引出装置にはクランプ方式の引出装置の駆動メカニズムに準ずる装置が組み付けられなければならないため、依然として構造が複雑になるという不都合がある。なお、空圧方式の引出装置は空気を吸入するための空圧部をさらに備える必要があり、前記空圧部の安定性に劣る場合に不良率が高くなるという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、多量のストリップが入れられているストリップ収納部材からストリップを一本ずつ引出することのできる簡単な構造のストリップ供給装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の如き目的を達成するために、本発明によるストリップ供給装置は、垂直方向に積層されてなるストリップ列が複数平行に配置され、下側が開口するように形成されたカセット部と、前記カセット部に摺動自在に結合されて前記カセット部の開口部を開閉するカバー部と、を有するストリップ収納部材と、前記一本のストリップの高さと対応する深さに形成されて前記カセット部から自重により落下する前記ストリップを一本ずつ載置する載置部が形成され、前記載置部に載置されたストリップを単位個数だけ引出して特定の位置に移動させる引出モジュールと、前記ストリップ収納部材を一方向に移動させて前記載置部の上に前記ストリップ列のうちいずれか一つが対応するように位置付ける移動モジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明のストリップ供給装置は、従来のストリップ供給装置よりも構造が単純であるため、故障発生があまりなく、しかも、製造コストを省くことができる。
【0016】
また、本発明のストリップ供給装置は、多量のストリップを収納することができるため、ストリップ保管装置を頻繁に交換しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるストリップ供給装置を示す斜視図
【図2】図1に示すストリップ供給装置の内部を示す分解斜視図
【図3】本発明の一実施形態によるストリップ供給装置において、ストリップ収納部材にストリップが挿入される過程を示す斜視図
【図4】図3に示すストリップ収納部材であって、カバー部がカセット部111の開口部を閉塞した状態においてIV−IV線に沿って切り取った断面図
【図5】図2に示すストリップ供給装置から引出モジュールを抜粋し且つ分解して示す分解斜視図
【図6】図5に示す引出モジュールを示す斜視図
【図7】図5に示すローラー部材の載置部にストリップが載置されることを概略的に示す斜視図
【図8】図2に示すストリップ供給装置から移動モジュールを抜粋して示す斜視図
【図9】図8に示す移動モジュールをX方向から見た左側面図
【図10】本発明の一実施形態によるストリップ供給装置において、ストリップ収納部材が引出モジュールに結合される前の状態を示す斜視図
【図11】本発明の一実施形態によるストリップ供給装置において、ストリップ収納部材が引出モジュールに結合された状態を示す斜視図
【図12】本発明の一実施形態によるストリップ供給装置において、ストリップ収納部材が移動モジュールにより移動される状態を示す斜視図
【図13】図12に示すストリップ供給装置において、XIII−XIII線に沿って切り取った断面図
【図14】図13に示すストリップ供給装置において、一本のストリップが引出モジュールにより下側に排出されることを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態を詳述する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態によるストリップ供給装置を示す斜視図であり、図2は、図1に示すストリップ供給装置の内部を示す分解斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態によるストリップ供給装置において、ストリップ収納部材にストリップが挿入される過程を示す斜視図である。
【0020】
図1から図3を参照すると、本発明の一実施形態によるストリップ供給装置100は、ストリップ収納部材110と、引出モジュール120と、移動モジュール130と、を備えている。
【0021】
ストリップ収納部材110は、複数のストリップ10を収納する役割を果たす。このストリップ収納部材110は、カセット部111と、カバー部117と、を備える。
【0022】
カセット部111は、垂直方向に積層されてなるストリップ10列が複数平行に配置され、下側が開口するように形成される。すなわち、カセット部111の内部には複数の仕切り112が所定の間隔、好ましくは、前記ストリップ10の幅よりも僅かに広い間隔をあけて形成され、前記仕切り112間の積載空間113に前記ストリップ10が積層される。
【0023】
ここで、通常のストリップ10は複数のパッド11が配置され、それぞれのパッド11には相異なる特性を有する生化学物質が塗布または吸収される。これらのパッド11は試料液、例えば、人間の小便などと反応して小便内に含まれている物質と反応して変色されたり変色されなくなる。このようなカセット部111には多量のストリップ10が積載される。例えば、前記カセット部111に積載空間113は約10個形成可能であり、前記積載空間113には約40本のストリップ10が積載可能である。これにより、前記カセット部111は約400本のストリップ10を収納することができるため、試料液をテストする過程においてユーザーがストリップ10の保管装置を頻繁に交換しなくてもよい。
【0024】
カバー部117は、前記カセット部111に摺動自在に結合されて前記カセット部111の開口部を開閉する。本発明においては、前記ストリップ10のパッド11が下側を向くように前記カセット部111内に配置することができるが、この場合、前記カバー部117において前記ストリップ10のパッド11が当接する面は前記カバー部117の異物が前記パッド11と接触されないように、前記カバー部の摺動方向に沿って形成され、前記パッド11と対応する領域が引込んで形成された複数の接触防止溝119が凹設可能である。そして、カバー部117は、前記カセット部111の開口部を閉塞した状態において、外部から前記カセット部111を密閉するように形成されることが好ましい。これは、外部空気が流入して前記パッド11と反応することを防ぐためである。
【0025】
引出モジュール120は、前記ストリップ収納部材110に収納されたストリップ10を単位個数だけ、本発明においては一本ずつ引出して特定の位置に供給する役割を果たす。前記引出モジュール120には載置部126が形成される。前記載置部126は、前記一本のストリップ10の高さと対応する深さに引込んで形成されて前記カセット部111から自重により落下する前記ストリップ10を一本ずつ載置する。前記引出モジュール120は、この載置部126に載置されたストリップ10を単位個数だけ特定の位置に移動させる。
【0026】
移動モジュール130は、前記ストリップ収納部材110を一方向に移動させて前記ストリップ列のうち前記ストリップ収納部材110の進行方向における最前方に位置するストリップ列から前記載置部126の上に順次に対応するように位置付ける。そして、前記移動モジュール130は、前記引出モジュール120に結合されることも可能であり、別途の保管箱140に前記引出モジュール120と前記移動モジュール130をそれぞれ配置することも可能である。
【0027】
以下、上記の如き構造を有するストリップ供給装置100の動作過程を説明する。先ず、ユーザーが前記ストリップ収納部材110を前記引出モジュール120に結合させる。次に、前記移動モジュール130が前記カセット部111の一方の側を把持するように結合させると、前記移動モジュール130が前記カセット部111を一方向に移動させる。前記載置部126が上側に位置した状態において、前記カバー部117が前記カセット部111に対して摺動して、前記カセット部111の開口部が開口される。次に、前記ストリップ10列が自重により落下し、前記ストリップ10のうち一本だけが前記載置部126に載置されて特定の位置に供給される。
【0028】
上記の如き構造を有する本発明の一実施形態によるストリップ供給装置100は、従来のストリップ供給装置よりも構造が単純であるため、故障発生があまりなく、しかも、製造コストを省くことができる。
【0029】
また、本発明のストリップ供給装置100は、ストリップ収納部材110が多量のストリップ10を収納可能であることから、ユーザーがストリップ10保管装置を頻繁に交換しなくてもよくする。
【0030】
一方、図3及び図4に示すように、ストリップ収納部材110は、重量部材118をさらに備えていてもよい。
【0031】
前記重量部材118は、前記ストリップ収納部材110の内側上面と前記ストリップ10との間に配置される。
【0032】
前記ストリップ10は、パッド11と、前記パッド11が貼付された薄い板、例えば、軟性プラスチック材質の長く形成された板から構成されるため、極めて軽量である。このため、前記ストリップ10が前記カセット部111の内壁に収納された状態において、前記カセット部111から一本ずつ取出され、結局として、前記ストリップ10が前記カセット部111内に約1〜3本残ることになる。この場合、前記ストリップ10の自重よりも前記ストリップ10と前記カセット部111の仕切り112との摩擦力がさらに大きいと、前記ストリップ10が前記積載空間113から容易に落下できなくなる可能性がある。
【0033】
前記重量部材118は、自重により前記ストリップ10に向かって重力方向に力を加えて、前記ストリップ10が積載空間113から容易に落下するようにする。この重量部材118は、前記ストリップ10とほとんど同じサイズに形成されて前記ストリップ10の裏面の全体に満遍なく力が加えられるようにする。
【0034】
そして、前記重量部材118の高さは前記ストリップ10の高さよりも大きく形成され、前記重量部材118の下側は丸められて形成可能である。前記ストリップ供給装置100の動作過程中に、前記カセット部111内に積載された前記ストリップ10のうち一本のストリップ列が前記引出モジュール120に落下して消耗されると、前記重量部材118が前記ローラー部材125の載置部126に載置される。前記重量部材118の高さが前記ストリップ10の高さよりも大きく、且つ、前記重量部材118の下側は丸められることにより、前記重量部材118は前記載置部126に完全に収納されないため、前記引出モジュール120の内部に流入することなく、前記引出モジュール120の上面を接触しながら移動する。
【0035】
一方、図4に示すように、前記ストリップ収納部材110は除湿部114をさらに備えていてもよい。
【0036】
前記除湿部114は、前記ストリップ収納部材110の上側に所定の収納空間を有するように形成されたものである。この除湿部114の内部には少なくとも一本の除湿剤115が設けられる。この場合、前記ストリップ収納部材110の上面には除湿用孔116が穿設されたことが好ましい。前記除湿用孔116は前記カセット部111内の仕切り112間の底面に凹設可能である。前記除湿用孔116により、ストリップ収納部材110の内部空気が前記除湿部114に移動可能になる。前記除湿剤115は、前記カセット部111内の空気中に含まれている水分を吸収して前記ストリップ10のパッド11と前記水分が反応することを防止する役割を果たす。
【0037】
図5は、図2に示すストリップ供給装置から引出モジュールを抜粋し且つ分解して示す分解斜視図であり、図6は、図5に示す引出モジュールを示す斜視図であり、図7は、図5に示す引出モジュールのローラー部材の載置部にストリップが載置されることを示す斜視図である。
【0038】
図5から図7に示すように、前記引出モジュール120は、ローラーハウジング121と、ローラー部材125と、アクチュエーター129と、を備えていてもよい。
【0039】
ローラーハウジング121は、前記ストリップ収納部材110の下側に結合され、前記カセット部111の移動を案内する。このローラーハウジング121は、係止爪121aとガイド部121bを備える。
【0040】
係止爪121aは、前記カバー部117が所定の距離以上移動されることを制限する。前記係止爪121aは、前記ローラーハウジング121の上面の一部に引込んで形成されて前記ストリップ収納部材110が結合される結合面121dと隣り合うように形成されたものであり、後述するローラー部材125と隣り合う部分に段差をもって形成されたものである。さらに、前記結合面121dと隣り合う左右側面には固定部121cがさらに設けられていてもよい。前記固定部121cは、前記カバー部117の側面を固定して前記カバー部117を前記結合面121dに結合する。
【0041】
ガイド部121bは、前記カセット部111の移動を案内する。前記ガイド部121bは、前記ローラーハウジング121の上側に形成されたものであり、前記カセット部111の進行方向に沿って形成される。前記ガイド部121bは、前記カセット部111が前記移動モジュール130により一方向に移動される場合、前記カセット部111が後述するローラー部材125の上側を所定の距離だけ離れた状態で移動できるようにする。
【0042】
ローラー部材125は、前記カセット部111から自重により落下する前記ストリップ10を一本ずつ載置するように前記一本のストリップ10の高さと対応する深さに引込んだ載置部126が形成される。このローラー部材125は前記ローラーハウジング121に回転自在に結合される。
【0043】
アクチュエーター129は、前記ローラー部材125を回転させる。前記アクチュエーター129の一方の側には固定ブラケット129aが形成されていてもよい。前記固定ブラケット129aにより、前記アクチュエーター129が前記ローラーハウジング121に固定可能になる。前記ローラー部材125が回転すると、前記載置部126に載置された一本のストリップ10は特定の位置、本発明においては下側に移動される。
【0044】
上記の如き構造を有するストリップ供給装置100は、前記ストリップ収納部材110を前記引出モジュール120に取り付ける前には前記ストリップ収納部材110が常に密閉されるようにして、外部の空気中に含まれている水分が前記ストリップ収納部材110の内部に流入しないようにする。そして、前記ストリップ収納部材110を構成する前記カセット部111と前記カバー部117が結合された状態において引出モジュール120に取り付けたとたんに試料液をテストすることにより、前記ストリップ収納部材110に積載された前記ストリップ10が水分に露出されることを防止する。
【0045】
そして、前記ローラーハウジング121には、収容部122と、上露出孔123及び下露出孔124が形成されていてもよい。
【0046】
収容部122は、前記ローラー部材125が収容された状態において回転できるようにする。この収容部122は、前記ローラー部材125が収容できるように、前記ローラー部材125よりもやや大径に形成される。
【0047】
上露出孔123は、前記ローラー部材125の載置部126が上側に露出されるように前記載置部126と対応する広さに、好ましくは、前記載置部126よりも僅かに広く形成されて前記収容部122の上側を貫通するように形成される。これにより、前記カセット部111から落下するストリップ10が前記上露出孔123を貫通して前記載置部126に載置可能になる。一方、上露出孔123の周りには複数の案内突起123aがさらに形成されていてもよい。前記案内突起123aは前記カセット部111が移動される方向に沿って形成されて前記カセット部111から落下するストリップ10に配置されたパッド11が前記ローラーハウジング121の上面と当接することを防止し、前記ストリップ10が前記案内突起123aに沿って移動できるようにする。
【0048】
下露出孔124(図13参照)は、前記ローラー部材125の載置部126が下側に露出されるように前記収容部122の下側を貫通して形成される。前記ローラー部材125の載置部126が前記上露出孔123と対応するように位置した状態において、前記載置部126にストリップ10が載置されると、前記アクチュエーター129が駆動されて前記ローラー部材125が時計回り方向に所定の角度だけ回転される。例えば、本発明においては、前記ローラー部材125が180°回転すると説明しているが、これに限定されない。前記載置部126に載置された一本のストリップ10は自重により前記載置部126から離脱されて前記下露出孔124(図13参照)を介して特定の位置に落下する。図5から図7に図示はしないが、前記下露出孔124(図13参照)を介して落下したストリップ10は別途の搬送コンベヤーを通じて試料液自動分析装置内の試料液反応部に移動されてテスト対象となる試料液と反応する過程を経てもよい。
【0049】
一方、上述したローラー部材125には引込溝127がさらに凹設されていてもよい。
【0050】
前記引込溝127は、前記載置部126の底面に凹設されたものであり、その一部が前記ストリップ10の幅よりも狭幅に引込んで形成される。この引込溝127は、前記ストリップ10が前記載置部126に載置される場合、前記ストリップ10と前記載置部126との接触面積を狭める役割を果たす。これにより、前記ストリップ10が前記載置部126から離脱し易くなる。
【0051】
一方、前記ローラー部材125は、複数の離隔用の突起128をさらに備えていてもよい。
【0052】
前記離隔用の突起128は、前記ストリップ10に配置された複数のパッド11間の面と対応して接触されるように前記ローラー部材125の周縁から突設される。この離隔用の突起128は、前記ローラー部材125と前記ストリップ10のパッド11とが接触しないようにして、前記ローラー部材125の周縁に埋め込まれている異物と前記パッド11とが接触されて反応することを防止する。
【0053】
一方、本発明のストリップ供給装置100は、ストリップ感知センサー(図示せず)をさらに備えていてもよい。前記ストリップ感知センサーは、前記ストリップ10が前記引出モジュール120から落下するかどうかを検出する。前記ローラー部材125が回転してから、前記ストリップ10が前記引出モジュール120から落下しなければ、前記カセット部111を一方向に移動することを指示する信号を前記移動モジュール130に送信することができる。これにより、前記移動モジュール130が前記カセット部111を所定の距離だけ移動して前記ローラー部材125の前記載置部126の上にストリップ10が積載されたストリップ10列が対応するように位置付ける。
【0054】
図8は、図2に示すストリップ供給装置から移動モジュールを抜粋して示す斜視図であり、図9は、図8に示す移動モジュールを示す左側面図である。
【0055】
図8及び図9に示すように、移動モジュール130は、駆動モーター131と、ローラー132a、132bと、ベルト133と、LMガイド134と、LMブロック135と、を備えていてもよい。
【0056】
駆動モーター131の回転軸にはローラー132aが結合され、前記ローラー132aと所定の距離だけ離れた位置にもう一本のローラー132bが回転自在に配置される。前記ローラーはベルト133により連結され、前記LMブロック135は前記ベルト133の所定の部分に固着される。前記LMガイド134は前記LMブロック135の移動を案内する。前記LMブロック135の一方の側には係止部137が形成され、LMブロック135の他方の側にはグリップ部136が形成される。前記係止部137は前記カセット部の一方の側と接触され、前記グリップ部136は回転自在に形成されて前記カセット部の他方の側と接触される。このような構造により、前記LMブロック135が前記カセット部と脱着自在に結合されて前記カセット部が移動可能になる。移動モジュール130の構造はこれに限定されるものではなく、前記カセット部と脱着自在に結合されて前記カセット部を一方向に移動させる構造であれば、いかなる構造を使用しても構わない。
【0057】
一方、前記移動モジュールは、位置感知板138aと、位置感知センサー139(図13参照)と、をさらに備えていてもよい。
【0058】
位置感知板138aは、前記LMガイド134または前記駆動モーター131に結合され、前記位置感知板138aの下側には所定の間隔をあけて複数の位置感知溝138bが凹設される。
【0059】
位置感知センサー139(図13参照)は前記LMブロック135に結合されたものであり、前記前記LMブロック135と一緒に移動する。前記位置感知板138aと前記位置感知センサー139(図13参照)は前記カセット部の一本のストリップ列が前記ローラー部材の載置溝の上側に正しく位置していることを感知するものである。
【0060】
前記LMブロック135が移動される過程において、位置感知センサー139(図13参照)は前記位置感知板138aの位置感知溝138bの位置を感知する。前記位置感知センサー139(図13参照)が前記位置感知板138aの位置感知溝138bの下側に正しく位置しなければ、これは、前記カセット部の一本のストリップ列が前記ローラー部材の載置溝の上側に正しく位置しなかった状態であることを意味する。このため、前記位置感知センサー139(図13参照)は制御部(図示せず)にモーター駆動信号を送信して駆動モーター131を動作させて、前記位置感知センサー139(図13参照)が前記位置感知板138aの位置感知溝138bの下側に正しく位置するようにする。
【0061】
また、前記位置感知板138aと前記位置感知センサー139(図13参照)は、前記LMブロック135を移動する過程において、前記ローラー132aとベルト133との間において滑りが発生して前記カセット部の一本のストリップ列が前記ローラー部材の載置溝の上側に正しく位置しないことを防止することもできる。
【0062】
一方、前記開閉用のカバー141の一方の側にはロック部142がさらに設けられていてもよい。前記ロック部142は、保管箱140に穿設された孔(図示せず)に嵌入されて前記保管箱140を閉塞することができる。
【0063】
図10から図14は、本発明の一実施形態によるストリップ供給装置の動作過程を説明する斜視図及び断面図である。
【0064】
以下、添付図面に基づき、ストリップ供給装置100の動作過程を詳述する。
【0065】
先ず、図10の状態において、前記ストリップ収納部材110が前記移動モジュール130の前記係止部137に係止して移動しなくなるまで前記引出モジュール120の上側に結合させる。次に、図11に示すように、前記移動モジュール130のグリップ部136を回転させて前記カセット部111の後部を取り囲むようにし、ストリップ供給装置100の開閉用カバー141を閉じる。
【0066】
一方、図12においては、前記開閉用のカバー141が閉じられていない状態を示しているが、これは、前記ストリップ供給装置100の内部を図示し易くするためであり、実際の動作は開閉用カバー141が閉じられた状態において行われる。
【0067】
次に、図12及び図13に示すように、前記移動モジュール130が前記カセット部111を移動させて、前記カセット部111に積載されたストリップ10が前記ローラー部材125の載置部126に載置されるようにする。
【0068】
最後に、図14に示すように、ローラー部材125を回転させて前記ストリップ10が前記引出モジュール120の下側に排出されるようにする。図13に図示はしないが、前記ローラー部材125の下露出孔124を介して落下したストリップ10は、別途のストリップ搬送装置を介して試料液自動分析装置内の試料液吸入/搬送/排出装置に移動されてテスト対象となる試料液と反応する過程を経ることができる。
【符号の説明】
【0069】
10:ストリップ
11:パッド
100:ストリップ供給装置
110:ストリップ収納部材
111:カセット部
112:仕切り
113:積載空間
114:除湿部
115:除湿剤
116:除湿用孔
117:カバー部
118:重量部材
120:引出モジュール
121:ローラーハウジング
122:収容部
123:上露出孔
124:下露出孔
125:ローラー部材
126:載置部
127:引込溝
128:離隔用の突起
129:アクチュエーター
130:移動モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に積層されてなるストリップ列が複数平行に配置され、下側が開口するように形成されたカセット部と、
前記カセット部に摺動自在に結合されて前記カセット部の開口部を開閉するカバー部を有するストリップ収納部材と、
前記一本のストリップの高さと対応する深さに形成されて前記カセット部から自重により落下する前記ストリップを一本ずつ載置する載置部が形成され、前記載置部に載置されたストリップを単位個数だけ引出して特定の位置に移動させる引出モジュールと、
前記ストリップ収納部材を一方向に移動させて前記載置部の上に前記ストリップ列のいずれかが対応するように位置付ける移動モジュールと、
を備えることを特徴とするストリップ供給装置。
【請求項2】
前記引出モジュールは、前記カバー部が所定の距離以上移動されることを制限する係止爪と、前記カセット部の移動を案内する少なくとも一つのガイド部と、を備えるローラーハウジングと、
長手方向に沿って前記載置部が形成されたものであって、前記ローラーハウジングに回転自在に結合されたローラー部材と、
前記ローラー部材を回転させるアクチュエーターと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のストリップ供給装置。
【請求項3】
前記ローラーハウジングには、
前記ローラー部材が収容された状態において回転自在に形成された収容部と、
前記ローラー部材の載置部が上側に露出されるように形成されて、前記カセット部から落下するストリップが載置できるようにする上露出孔と、
前記ローラー部材の載置部が下側に露出されるように形成されて、前記ローラー部材が一方向に回転されると、前記載置部に載置された一本のストリップが前記載置部から離脱できるようにする下露出孔と、
が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のストリップ供給装置。
【請求項4】
前記ローラー部材は、
前記載置部の底面の一部が前記ストリップの幅よりも狭幅に引込んで形成されて前記ストリップと接触される面積を狭める引込溝がさらに凹設されたことを特徴とする請求項2に記載のストリップ供給装置。
【請求項5】
前記ストリップ収納部材は、
前記ストリップ収納部材の内側上面と前記ストリップとの間に配置されて前記ストリップを下側に押し出す重量部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のストリップ供給装置。
【請求項6】
前記ストリップ収納部材は、
前記ストリップ収納部材の上側には除湿剤が収納された除湿部をさらに備え、
前記ストリップ収納部材の上面には内部空気が前記除湿部に移動できるように少なくとも一本の除湿用孔が穿設されたことを特徴とする請求項1に記載のストリップ供給装置。
【請求項7】
前記カバー部は、
前記ストリップのパッドと当接することを防止すべく、前記カバー部の内面には前記カバー部の摺動方向に沿って複数の接触防止溝が凹設されたことを特徴とする請求項1に記載のストリップ供給装置。
【請求項8】
前記ローラー部材は、
前記ストリップに配置された複数のパッド間の面と対応して接触されるように前記ローラー部材の周縁から突設された複数の離隔用突起をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のストリップ供給装置。
【請求項9】
前記ストリップが前記引出モジュールから落下するかどうかを検出するストリップ感知センサーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のストリップ供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−271067(P2009−271067A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105535(P2009−105535)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(509117263)メカシス シーオー エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】MECASYS CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】4Fl,7Fl 550−3 Noeun−Dong,Yuseong−Gu,Daejeon−Si,305−325,Korea
【出願人】(509117274)ヨンドン エレクトロニクス シーオー エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】YEONGDONG ELECTRONICS CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】#172 Seo−Ri,Yidong−Myun,Cheoin−Gu,Yongin−Si,Kyunggi−Do,449−834,Korea
【Fターム(参考)】