説明

ストロー包装体及びストロー付き飲料品

【課題】ストロー等の物品を包蔵している包装体の開封のための開封用カットテープは、その開封とともに包装体から解離して単独の廃棄物となるので、包装体から解離しないようにする。
【解決手段】ストロー3等の物品を包蔵した包装体7において、開封のために用いられた開封用カットテープ4の開封の終端部を包装体7に固着し、始端部を自由な片部6とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロー包装体及びストロー包装体を貼着したストロー付き飲料品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から牛乳やコーヒーやジュース類の飲料入りの容器本体には、1本の管からなるストローや多段に引き延ばし可能な多段式ストローを包装フィルムで包装したストロー包装体がホットメルト接着剤やヒートシールにより貼着されている。
そのストロー包装体からストローを取り出す開封手段は提案されている。例えば(特許文献1)では、ストロー包装体のストロー取り出し側の開封強度を弱くしたり、ストローの取り出し方向を示す表示部を設けたり、フィルムの引裂き強度を特定したり、ストローの取り出し端部側のシール部の寸法を限定したり、シール部の形状を山形形状にしたり、上フィルムと下フィルムとの剥離強度を特定するなどが提案されている。
【0003】
また、(特許文献2)の(ワ)第2389号東京地方裁判所 平成5年12月22日判決(おにぎり海苔包装用フィルム事件)における判決〔理由〕の項3の(二)及び(三)で示されるところによれば、
(二)本件考案の出願当時、包装用フィルムの切り離し手段として(ミシン目)方式、(カットテープ)方式、(方向性フィルム)方式などの技術が当業者において公知であったこと、
(三)(ミシン目)方式はポケットティッシュの包装などのように、フィルムに点線状の穴の列を設ける方式であり、(カットテープ)方式はタバコやキャラメルの包装のように、フィルムに開封用のカットテープを装着する方式であり、(方向性フィルム)方式は酒のつまみ類の包装などのように、一定方向に切れやすく、他方向に切れにくい性質のフィルムを使用したうえ、切り欠き部分などを設ける方式であること、
を記していてフィルム包装の開封技術が対象物品に対応して多数公知であることを示している。
【特許文献1】特開2006−143306号公報
【特許文献2】平成5年(ワ)第2389号 東京地方裁判所 平成5年12月22日判決
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、飲料容器に飲料吸飲用ストローを包蔵した包装体を貼着したものでは、前記(特許文献1及び2)に示すように開封用カットテープ方式が採用されている。
このカットテープ方式では、カットテープを包装体から切り離すことを考え該カットテープの終端部はフィルムに固着されていないので、開封終了とともにフィルムから解離し該カットテープを単独で始末しなければならなかった。
【0005】
ストロー包装体が飲料容器に貼着されていない単独物品である場合でも、カットテープ方式では上記と同様の始末を要する。
これらは開封用カットテープの開封時の終端部がフィルムに固着されていないことに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、ストロー等の物品を包蔵した包装体の開封のために用いられた開封用カットテープの開封時の終端部を包装体に固着することにより、その目的を達成しようとするものである。
本発明はまた、ストローに限らず被覆封入して提供される物品の包装体の開封手段に適用される。
【発明の効果】
【0007】
ストロー等の所要物品を包蔵する合成樹脂等のフィルム包装体の開封用カットテープの終端部が包装体に固着されていることにより、該フィルム包装体が他の容器に固着されるされないを問わず、開封時に開封用カットテープはフィルム包装体に固着して包装体とともに始末でき手数が省ける効果がある。
【実施例】
【0008】
本発明を実施例により説明すると、図1に示すように、ストロー包装体Aは透明な合成樹脂製の下フィルム1に同じく透明な上フィルム2がストロー3を収納した状態で重ね合わされその周縁全周が上下溶着されている。そして、図3に示すように、上フィルム2はその一端(上端)から他端(下端)にかけてストロー3上に沿って切り込まれた引裂きスリット2a、2a上に、透明な合成樹脂製であって上フィルム2の上下端間より長い長さで、前記スリット2a、2a間より幅広い開封用カットテープ4を重ね、開封用カットテープ4の裏面の接着剤(図外)により前記引裂きスリット2a、2a間を封鎖している。
開封用カットテープ4はその一端部(上端部)を前記引裂きスリット2a、2aの上端より上方で上フィルム2に固着して固定部5とし、下端部は前記引裂きスリット2a、2aより下方で二ツ折りに裏返してその部分は接着性のない摘み片6とし自由な片部としている。
【0009】
上記構成のストロ−包装体Aは飲料の包装容器(飲料容器)7に下フィルム1の裏面が接着剤で貼着されて本発明のストロー付き飲料品Bは成っている。
【0010】
飲料を吸飲のためにストロー3を取り出すには、摘み片6を摘んで固定部5へ向けて引くと、前記引裂きスリット2a、2aは開封用カットテープ4の粘着力により切り開かれ上フィルム2は左右へ分離する。図2に示すように開封用カットテープ4は固定部5にて上フィルム2に固定され、ストロー3を抜き取るときにも脱落しない。したがって、ストロー包装体と開封用カットテープ4とを一体に始末できる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明はストローのような吸飲用品に限らず、被覆して提供される物品の包装体に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明ストロー包装体を飲料容器に固着した斜視図。
【図2】図1のストロー包装体の開封用カットテープの開封時の状態を示す斜視図。
【図3】ストロー包装体Aの断面図による説明図で、(a)は広幅の開封用カットテープ4により上フィルム2をストロー3の全幅に渡って開封する実施例を示し、(b)はストロー3の上部を幅の狭い開封用カットテープ4により開封する一実施態様を示す。
【符号の説明】
【0013】
A:ストロー包装体
B:ストロー付き飲料品
1:下フィルム
2:上フィルム
2a:引裂きスリット
3:ストロー
4:開封用カットテープ
5:固定部
6:摘み片
7:包装容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロー等の物品を包蔵した包装体において、包装体開封のための開封用カットテープの開封時の終端部を包装体に固着して成るストロ−包装体。
【請求項2】
請求項1記載のストロー包装体を飲料容器に貼着したストロー付き飲料品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−62076(P2009−62076A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232251(P2007−232251)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(507104027)
【Fターム(参考)】