説明

ストロー端部の成形装置

【課題】 本発明は、外管と内管とから成るストローにおける外管の端部を縮径するストロー端部の成形装置を提供する。
【解決手段】 このストロー端部の成形装置において、成形型3の端部7には、ストロー部材1を挿入でき、ストロー部材1の端部をテーパ状に縮径する成形テーパ面9を有する成形穴8が形成されている。成形穴8には、成形型3の端面12より突出するガイド部11を備えたガイド部材10が固定されている。ガイド部材10は、成形穴8に挿入されたストロー部材1の内径Lsより小さい径Lgに形成されている。成形型3には、外部に開放する放熱穴30が形成され、ストロー部材1がガイド部材10によって熱変形しないように、放熱穴30を通じてガイド部材10が冷却される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可塑性樹脂等の材料から成る飲料等に使用されるストローを成形するストロー端部の成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ストローとしては、外管内に内管を摺動自在の挿入した二重管の構造を持ち、外管の端部を縮径に構成し、内管の端部を拡径に構成したものが知られている。ストローとして使用する場合には、外管から内管を引き出し、外管の縮径端部に内管の拡径端部を係止してストロー自体の長さを長くして飲用等に使用される(例えば、実公平2−31028号公報参照)。
【0003】また、二重管構造のストローを作製する場合に、外管の端部を成形する成形装置として、例えば、特公平5−62059号公報に開示されたものがある。該公報に開示された飲料用ストロー端部の縮径装置は、外管の端部を縮径に成形する装置であり、ストローを保持する保持部材と、前記保持部材に保持されたストローと対向する成形型とから成り、前記成形型のストローと対向する端部には中空雌型を有し、前記中空雌型の形状をその入口を中すぼみとなる傾斜状に形成し、これに連なる内奥部を略直円筒状とすると共に、前記中空雌型の中空部には中子を設け、該成形型とストローとを近接離反作動するように構成されている。上記飲料用ストロー端部の縮径装置では、前記中空雌型内に前記中子が設けてあるから、前記中子によってストローの端部の先細部が内方へすぼまり変形するのが制限され、正確な寸法規制が行われ、前記中子の作用でストローの先端に縮径部と該縮径部に連なる先細部が成形されるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前掲特公平5−62059号公報に開示された飲料用ストロー端部の縮径装置は、ストローの端部内面を成形するために中子が設けられているものであり、中子は成形型の端面から突出することなく、中空雌型の中空部内に収容されているものである。即ち、上記縮径装置における中子は、ストローの成形時に、ストローの端部内面形状を形成する機能を果しているものである。上記中子は、中空雌型の中空部から突出していないので、成形雌型の中空部にストロー端部を挿入する場合に、中子はストローのガイドを行うことができず、しかも、上記中子は、成形雌型の中空部内に位置するため、電熱ヒータで加熱された成形雌型から受熱して成形雌型の温度と同等の温度に加熱され、加熱された成形雌型と同程度に加熱された中子との結合構造によってストローを成形しているものである。従って、上記飲料用ストロー端部の縮径装置では、中子は成形雌型の中空部から突出する必要がないものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、外管内に内管を摺動自在の挿入した二重管の構造を持つストローを作製する場合に、外管を構成するストロー部材の端部を縮径の構造に成形するものであり、成形型をストロー部材の方向に移動させて成形型内にストロー部材を確実にスムースに挿入するために、成形型の成形穴にガイド部材を装着し、ガイド部材のガイド部を成形型から突出させると共に、該ガイド部材が成形されたストロー端部に熱変形を与えないように冷却手段を備えたストロー端部の成形装置に関する。
【0006】この発明は、熱可塑性材料から成るストロー部材を保持するストロー保持体、前記ストロー保持体に対向して配置され且つ成形型を往復動可能に保持する成形型保持体、前記成形型保持体に保持された前記成形型を前記ストロー部材に対して抜き差し可能に往復動させる往復動装置、及び前記ストロー部材の加熱成形のため前記成形型を加熱する加熱装置を備えたストロー端部の成形装置において、前記成形型の端部には前記ストロー部材を挿入でき且つ前記ストロー部材の端部をテーパ状に縮径する成形テーパ面を有する成形穴が形成され、前記成形穴には前記ストロー部材を前記成形穴に挿入するため前記成形型の端面より突出するガイド部を備えたガイド部材が装着され、前記ガイド部材は前記成形型の前記成形穴に挿入された前記ストロー部材の内径より小さい径に形成されていることを特徴とするストロー端部の成形装置に関する。
【0007】また、前記成形型の前記成形穴を形成する前記成形テーパ面は、前記成形穴の先端部側が前記成形穴の奥部側より大きいテーパ角度に形成されているものである。従って、前記成形型で成形された前記ストロー部材の端部は、二段にテーパ角度が変化するテーパ面で縮径された形状に成形される。しかも、前記ストロー部材の端部に形成されている縮径度は、その先端側がテーパ形成開始端側より小さく成形されている。
【0008】また、前記ガイド部材を固定した前記成形型の部分には外部に開放する放熱穴が形成され、前記成形型の前記成形テーパ面によって成形される前記ストロー部材が前記ガイド部材によって熱変形しないように、前記放熱穴を通じて前記ガイド部材が冷却されるものである。
【0009】また、前記ガイド部材の前記ガイド部の先端は、テーパ状に先細り、弧面又はアール付き形状に形成されており、前記ガイド部材の前記ストロー部材への挿入が容易に且つ確実にガイドされて行われる。
【0010】また、前記加熱装置は前記成形型保持体に固定された間接加熱リングから成り、前記成形型は前記間接加熱リングを貫通して往復動するものである。
【0011】また、前記ストロー保持体は多数の前記ストロー部材をそれぞれ支持する溝が形成され且つ駆動軸に取り付けられた溝付き回転ドラムから構成され、前記成形型保持体は前記ストロー保持体の回転に同期して回転するように前記駆動軸に取り付けられた回転ドラムから構成されている。
【0012】また、前記成形型は、前記成形型保持体に対して往復動可能で且つ非回転状態に取り付けられている。
【0013】また、前記成形型は、前記ガイド部材より良好な熱伝導性材で作製されている。また、前記ガイド部材は前記放熱穴を通じて冷却されると共に、前記ガイド部は前記成形型から外部に突出しているので、別体に組み立てられた前記成形型と前記ガイド部材との間での熱伝導が低下し、加熱される前記成形型より前記ガイド部材は低温に保持される。
【0014】この発明によるストロー端部の成形装置は、上記のように構成されているので、ストロー部材を前記成形型の成形穴に挿入する場合に、前記ストロー保持体に保持されている前記ストロー部材が、前記ストロー保持体の前記各溝に傾斜した配置状態で不良であったり、遠心力等で外方に撓んでいたり、或いは前記ストロー部材と前記成形型との中心がずれていたとしても、前記ガイド部材の助けで前記ストロー部材が姿勢制御され、前記ストロー部材が前記成形型に対して確実にガイドされて前記ストロー部材が前記成形型の中心に確実に且つスムースに案内され、前記ストロー部材が加熱されている前記成形型の端面に突き当たったりして異常な熱変形をすることがない。それ故に、前記ストロー部材の端部は、前記成形型の二段の前記成形テーパ面によって確実に且つスムースに二段変化の縮径形状に成形される。また、前記成形型の二段の前記成形テーパ面は、前記ストロー部材を前記成形型の前記成形穴から引き抜く時に、前記ストロー部材の成形端部の全長にわたって抜き勾配の機能を果たし、前記ストロー部材の前記成形穴からの引抜きをスムースに行うことができる。
【0015】しかも、このストロー端部の成形装置において、前記ガイド部材は、前記ガイド部材の前記ガイド部が前記成形型の端面から突出状態であって外気に曝されて冷却されているので、前記ストロー部材に前記ガイド部材が挿入される時に、低温の前記ガイド部材の前記ガイド部で前記ストロー部材が熱変形を起こすことがない。更に、前記成形型に設けられた前記放熱穴を通じて前記ガイド部材が冷却されるので、前記成形型内に前記ストロー部材が挿入されている時でも、前記ガイド部材が前記成形型より低温状態であり、前記ストロー部材が前記ガイド部材に非接触状態であるので、成形されたストロー端部に対して前記ガイド部材が熱変形を与えるようなことがなく、ストロー端部が適正な縮径された形状を維持した状態で前記ストロー部材が前記ガイド部材から抜きとられることになる。言い換えれば、前記ガイド部材は、ストロー部材に対して非接触状態であり、成形型とは成り得ず、前記ストロー部材の前記成形型に対する抜き差しの案内を行う機能を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明によるストロー端部の成形装置の実施例を説明する。図1はこの発明によるストロー端部の成形装置の一実施例を示す概略正面図、図2は図1のストロー端部の成形装置の各溝にストロー部材を装填した状態を示す平面図、及び図3は図1のストロー端部の成形装置において成形型とガイド部材との関係の一実施例を示す断面図である。
【0017】この発明によるストロー端部の成形装置は、例えば、本出願人に係わる前掲実公平2−31028号公報に開示されているような飲料等に使用されるストローを製造する装置であり、特に、外管内に内管を摺動自在の挿入した二重管の構造を持つ伸縮自在のストローを作製する場合に、外管を構成するストロー部材の端部を縮径の構造に成形するものである。
【0018】このストロー端部の成形装置は、主として、熱可塑性材料から成るストロー部材1を保持するストロー保持体2、ストロー保持体2に対向して配置され且つ成形型3を往復動可能に保持する成形型保持体4、成形型保持体4に保持された成形型3をストロー部材1に対して抜き差し可能に往復動させる往復動装置5、及びストロー部材1の加熱成形のため成形型3を加熱する加熱装置6から構成されている。ストロー保持体2は、回転駆動軸13に位置決めロック部材32で固定された溝付き回転ドラムから構成され、多数のストロー部材1をそれぞれ支持する多数の溝17が周方向に並列に形成されている。また、成形型保持体4は、回転駆動軸13に位置決めロック部材33で固定された回転ドラムから構成され、ストロー保持体2の回転に同期して回転するように構成されている。更に、往復動装置5は、回転駆動軸13に軸受15を介して支持された固定カム14から成り、固定カム14はフレーム16にカム位置決め調整ねじ43で固定されている。フレーム16は回転駆動軸13に軸受31を介して支持されている。
【0019】また、このストロー端部の成形装置において、成形型保持体4には周方向に並列して貫通孔18が形成され、貫通孔18には耐熱性のオイルレスメタル19を介して成形型3が摺動自在に支持されている。成形型3にはキー溝20が形成され、キー溝20には成形型保持体4にねじ込まれた回り止めピン44が係止している。従って、成形型3は、成形型保持体4に対してキー溝20の長さ分だけ最大長さ往復動可能であるが、成形型保持体4に対して非回転状態に取り付けられている。また、成形型3の端部近傍にはリング28がねじ等で固定され、成形型3の端部にはローラ27が回転自在に取り付けられている。また、リング28と成形型保持体4の側面との間には、スプリング29が設けられている。従って、成形型3は、スプリング29のばね力でローラ27を介在して固定カム14に常時押し付けられている。
【0020】このストロー端部の成形装置において、加熱装置6は、間接加熱リングから成り、例えば、成形型保持体4の側面に設けた突出部25に形成された雌ねじ26にボルト21によって固定されている。加熱装置6を構成する間接加熱リングには、鋳込みによって加熱ヒータ23が埋め込まれている。また、加熱装置6には貫通孔22が形成され、貫通孔22には隙間24を形成する状態で貫通して成形型3が往復動するように構成されている。成形型3と加熱装置6との間に隙間24が形成されているので、加熱装置6から成形型3への熱伝導が均一に平均して伝達され、成形型3が局部加熱されることがなく、ストロー部材1への熱変形による成形を良好に行うことができる。
【0021】このストロー端部の成形装置は、特に、ストロー部材1に対向する成形型3の端部に形成された中空穴から成る成形穴8に、ガイド部材10を設けたことを特徴としている。ストロー保持体2を構成する溝付き回転ドラムには、順次にストロー部材1をそれぞれ支持する多数の溝17が周方向に並列に形成されているが、溝17の幅はストロー部材1を順次に収容するためストロー部材1の直径より大きく形成されている。そのため、ストロー保持体2の溝17に順次に装填されるストロー部材1は、溝17内に必ずしも正しい姿勢で装填されるとは限らない。そこで、ガイド部材10は、溝17に順次に装填されたストロー部材1を正しい挿入姿勢にそれぞれ姿勢制御すると共に、ストロー部材1の撓み等を強制し、成形型3の成形穴8へガイドし、ストロー部材1の端面が成形型3の端面12に当接することを防止し、ストロー部材1を成形型3の成形穴8へ挿入させる機能を果たす。
【0022】図2に示すように、例えば、ストロー部材1A,1B,1C,1D,1E及び1Fはストロー保持体2の各溝17に順次に装填されるが、ガイド部材10へ挿入前のストロー部材1Aは溝17に対して斜めに装填されており、ガイド部材10へ挿入前のストロー部材1Bは溝17に対して一方の側に片寄って状態で装填されている。もし、従来の成形装置のように、成形型3内にガイド部材10が存在しない構造では、ストロー部材1A,1Bが成形型3の成形穴8に挿入されると、ストロー部材1A,1Bの各端面は成形型3の端面12に当接し、ストロー部材1A,1Bの各端面は成形型3の熱によって異常熱変形を起こすことになる。しかしながら、この発明のストロー端部の成形装置は、成形型3の成形穴8にガイド部材10が設定されているので、ガイド部材10の先端がストロー部材1の端部に挿入され、ストロー部材1C〜1Fのように、各ストロー部材1は溝17内で姿勢制御され、ストロー部材1C〜1Fの端部が成形型3の成形穴8の中心に挿入されることになり、ストロー部材1C〜1Fの端面が成形型3の端面12に当接することがなくなり、ストロー部材1の端部が異常変形されることがない。
【0023】一方、成形型3の端部7には、ストロー部材1を挿入でき、ストロー部材1の端部をテーパ状に縮径するため成形テーパ面9を有する成形穴8が形成されている。成形型3の成形穴8は、全長にわたって成形テーパ面9に形成されている。成形テーパ面9は、成形穴8の先端部側が成形穴8の奥部側より大きいテーパ角度に形成されているものであり、テーパ角度の大きい成形テーパ面9Aとテーパ角度の小さい成形テーパ面9Bから構成されている。成形テーパ面9は、例えば、成形穴8の先端部側の成形テーパ面9Aがテーパ角度5〜10°に形成され、好ましくは7°に形成され、また、成形穴8の奥部側の成形テーパ面9Bがテーパ角度0.2〜2°に形成され、好ましくは0.5°に形成されている。従って、成形型3で成形されたストロー部材1の端部は、二段のテーパ角度で変化する成形テーパ面9Aと9Bで縮径された形状に成形される。従って、このストロー端部の成形装置によってストロー部材1の端部を成形すると、ストロー部材1の端部は、先端部がテーパ角度が小さい形状に且つストロー本体側がテーパ角度が大きい形状から成る二段テーパ面に成形されることになる。
【0024】また、このストロー端部の成形装置では、ストロー部材1を成形のため成形型3の成形穴8へ挿入する成形動作はガイド部材10の作用で的確に姿勢制御されて達成できると共に、成形後に成形されたストロー部材1を成形型3から引き抜く時に、成形穴8の二段テーパ面の抜き勾配の機能によって、ストロー部材1は成形テーパ面9Aと9Bによる拡大している成形穴8の出口へ向かってスムースに引き抜くことができる。しかも、ストロー部材1をストローの外管として使用した場合には、外管に内管を挿入した状態で両者を伸長した時に、外管と内管との間の隙間が外管の先端でリング状線接触となってリング状シール線を形成し、外管と内管との間を極めて良好にシールすることができる。従って、本発明のストロー端部の成形装置で成形したストロー部材1は、従来のような外管の端部内周面に内管の端部外周面が全面的に接触して毛管現象を起こして漏洩が生じるようなものと比較して、シール性を大幅にアップすることができる。
【0025】成形型3の成形穴8には、ストロー部材1を成形穴8に挿入するため、成形型3の端面12より突出するガイド部11を備えたガイド部材10が嵌合装着されている。ガイド部材10は、成形型3の成形穴8に挿入されたストロー部材1の内径Lsより小さい径Lgに形成されている。ガイド部材10は、ガイド部11と装着部34から構成されている。ガイド部11は、同一径の円筒体に形成され、その先端部が半球体40に形成されている。
【0026】このストロー端部の成形装置において、ガイド部材10を固定した成形型3の部分には、外部に開放する放熱穴30が形成されている。従って、ガイド部材10は、放熱穴30を通じて外気開放で冷却され、成形型3の成形テーパ面9によって成形されたストロー部材1がガイド部材10によって熱変形することがない。成形型3とガイド部材10とは、異なった材料で作製されている。例えば、成形型3は良好な熱伝導性材料の黄銅で作製され、ガイド部材10は成形型3より低い熱伝導性材料のステンレスで作製されている。ガイド部材10の先端側のガイド部11の先端には、ストロー部材1の成形型3の成形穴8への挿入を容易にるため、半球体40のアールに形成されている。
【0027】次に、図4を参照して、このストロー端部の成形装置に組み込まれる成形型の別の実施例を説明する。この実施例は、上記実施例と比較して、ガイド部材の形状が相違する以外は、同一の構成であり、同一の機能を有するので、同一部品には同一符号を付して重複する説明は省略する。この実施例のガイド部材35は、ガイド部36と装着部34から構成されている。ガイド部36は装着部34から先端に向かってテーパ状に先細りに形成されている。
【0028】次に、図5を参照して、このストロー端部の成形装置に組み込まれる成形型の更に別の実施例を説明する。この実施例は、上記各実施例と比較して、ガイド部材の形状が相違する以外は、同一の構成であり、同一の機能を有するので、同一部品には同一符号を付して重複する説明は省略する。この実施例のガイド部材37は、ガイド部38と装着部34から構成されている。ガイド部37はほぼ同一径の円筒体から成り、その先端部が裁頭円錐台39に形成されている。
【0029】次に、図6を参照して、このストロー端部の成形装置に組み込まれる成形型の他の実施例を説明する。この実施例は、上記各実施例と比較して、ガイド部材の形状が相違する以外は、同一の構成であり、同一の機能を有するので、同一部品には同一符号を付して重複する説明は省略する。この実施例のガイド部材41は、ガイド部42と装着部34から構成されている。ガイド部42は、ほぼ同一径の円筒体から成り、その先端部がアールRに形成されている。
【0030】
【発明の効果】この発明によるストロー端部の成形装置は、上記のように構成されており、次のような効果を有する。即ち、このストロー端部の成形装置は、上記のように、成形型の端部に形成された成形穴にガイド部材を装着し、ガイド部材の先端のガイド部を前記成形型の端面から突出させているので、前記成形型の前記成形穴にストロー部材が挿入される際に、前記ガイド部材の先端部が外気に晒されて冷却され低温になっており、その低温の前記ガイド部材に前記ストロー部材がガイドされて常に良好に姿勢制御されて前記成形穴に挿入され、前記成形穴の二段式の成形テーパ面で前記ストロー部材の端部が常に的確に二段テーパ面に成形される。また、前記成形型の前記成形テーパ面によってストロー端部が縮径形状に成形された前記ストロー部材は、前記成形型の前記成形穴に形成された放熱穴の作用によって前記ガイド部材が冷却されて低温になっているので、前記ガイド部材から熱影響が与えられて異常変形することがなく、前記ストロー部材を前記成形型の前記成形穴からスムースに抜き出すことができ、端部が縮径された信頼性に富んだストロー製品を得ることができる。
【0031】更に、前記成形型の前記成形穴を形成する前記成形テーパ面は、前記成形穴の先端部側が前記成形穴の奥部側より大きいテーパ角度に形成された二段式の成形テーパ面に形成されているので、前記成形型で成形された前記ストロー部材の端部は、二段のテーパ角度で変化する二段テーパ面の縮径形状に成形されると共に、前記成形穴の二段式の成形テーパ面の抜き勾配作用で前記ストロー部材がスムースに引き抜かれることになる。しかも、前記ストロー部材の端部が縮径のテーパ面で終端になっているので、前記ストロー部材をストローの外管に使用した場合には、前記外管に内管を挿入した状態で両者を伸長した時に、前記外管と前記内管との間の隙間が前記外管の先端でリング状線接触となってリング状シール線を構成し、極めてシール性の良好なストロー製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるストロー端部の成形装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1のストロー端部の成形装置の溝内にストロー部材の装填した状態を示す平面図である。
【図3】図1のストロー端部の成形装置において成形型とガイド部材との関係の一実施例を示す断面図である。
【図4】図1のストロー端部の成形装置において成形型とガイド部材との関係の別の実施例を示す断面図である。
【図5】図1のストロー端部の成形装置において成形型とガイド部材との関係の更に別の実施例を示す断面図である。
【図6】図1のストロー端部の成形装置において成形型とガイド部材との関係の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F ストロー部材
2 ストロー保持体
3 成形型
4 成形型保持体
5 往復動装置
6 加熱装置
7 先端部
8 成形穴
9 成形テーパ面
10,35,37,41 ガイド部材
11,36,38,42 ガイド部
12 端面
13 駆動軸
14 固定カム
17 溝
23 加熱ヒータ
24 隙間
30 放熱穴
34 装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性材料から成るストロー部材を保持するストロー保持体、前記ストロー保持体に対向して配置され且つ成形型を往復動可能に保持する成形型保持体、前記成形型保持体に保持された前記成形型を前記ストロー部材に対して抜き差し可能に往復動させる往復動装置、及び前記ストロー部材の加熱成形のため前記成形型を加熱する加熱装置を備えたストロー端部の成形装置において、前記成形型の端部には前記ストロー部材を挿入でき且つ前記ストロー部材の端部をテーパ状に縮径する成形テーパ面を有する成形穴が形成され、前記成形穴には前記ストロー部材を前記成形穴に挿入するため前記成形型の端面より突出するガイド部を備えたガイド部材が装着され、前記ガイド部材は前記成形型の前記成形穴に挿入された前記ストロー部材の内径より小さい径に形成されていることを特徴とするストロー端部の成形装置。
【請求項2】 前記成形型の前記成形穴を形成する前記成形テーパ面は、前記成形穴の先端部側が前記成形穴の奥部側より大きいテーパ角度に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項3】 前記ガイド部材を装着した前記成形型の部分には外部に開放する放熱穴が形成され、前記成形型の前記成形テーパ面によって成形される前記ストロー部材が前記ガイド部材によって熱変形しないように、前記放熱穴を通じて前記ガイド部材が冷却されることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項4】 前記ガイド部材の前記ガイド部の先端は、テーパ状に先細り、弧面又はアール付き形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項5】 前記加熱装置は前記成形型保持体に固定された間接加熱リングから成り、前記成形型は前記間接加熱リングを貫通して往復動することを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項6】 前記ストロー保持体は多数の前記ストロー部材をそれぞれ支持する溝が形成され且つ駆動軸に取り付けられた溝付き回転ドラムから構成され、前記成形型保持体は前記ストロー保持体の回転に同期して回転するように前記駆動軸に取り付けられた回転ドラムから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項7】 前記成形型は、前記成形型保持体に対して往復動可能で且つ非回転状態に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項8】 前記成形型は前記ガイド部材より良好な熱伝導性材で作製されていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。
【請求項9】 前記ストロー部材の端部に形成されている縮径度は、その先端側がテーパ形成開始端側より小さく成形されていることを特徴とする請求項1に記載のストロー端部の成形装置。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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