説明

スノウプラウ取付用架台

【課題】クレーンを用いずにスノウプラウの着脱を可能とする。
【解決手段】除雪車等の道路維持作業車にスノウプラウを取り付ける架台である。本体部枠体10と、この本体部枠体10の4つのコーナー部分に設けられた昇降装置22と、本体部枠体10の周縁部に設けた車輪部25, 29から成る。架台を移動する際は昇降装置22を収縮させた状態で、車輪部25, 29を接地して移動する。架台の高さ調整を行う際は、昇降装置22を伸長させ、車輪部25, 29を地面から離隔してそれぞれの昇降装置22が個別にその高さを調整できる。車輪部25, 29を本体部枠体10に対して着脱自在とし、この車輪部25, 29の代わりに支持脚部30を取り付けできる。昇降装置22も本体部枠体10に対して着脱自在とする。スノウプラウの連結部を載置する連結部載置部15を本体部枠体10に設ける。連結部載置部15は本体部枠体10に回動自在に設けた枠体15から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速道路や一般道等の道路を適正に維持・保全するための各種作業車、例え ば、除雪車、凍結防止剤散布車或いは散水車等の道路維持作業車に着脱自在に取り付けて使用するスノウプラウ(除雪装置、以下「スノウプラウ」又は「プラウ」という。)をこれら道路維持作業車に取り付けるための架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば三つ折れスノウプラウを除雪車等の車両に取り付ける場合には、移動可能なクレーンを用いて以下の手順により行っていた。
(1) スノウプラウをクレーンによりプラウ前方(プラウの車両取付側と反対側)が上がった状態に(傾斜した状態に)吊り下げる。
(2) プラウの中心と車両を合わせながらゆっくりと車両を前進させ、干渉しない位置で停止し、パーキングブレーキを引く。
この際、車両の前輪を5〜10cm程度の木片などに乗り上げると取り付けが容易になる。
【0003】
(3) エンジン始動メインスイッチをON(エンジンは始動させない)にし、運転室内のプラウ操作盤のメインスイッチをONにする。
(4) プラウホイストスイッチを「下」に操作し、車両側に残っている残圧を抜く。メインスイッチをOFFにする。
(5) 車両との連結部に設けられたプラウ固定用穴を車両側に合わせながらクレーンを操作してゆっくりとプラウを下ろす。
プラウ固定用ボルト上方2箇所を手で回し挿入し、プラウの連結部と車両の接続面を密着させる。
上方2箇所挿入後、プラウをクレーンで多少上下させることでより密着させることができる。
【0004】
(6) 車両の接続面とプラウの連結部が密着したら、プラウ固定用ボルト下方2箇所を手で回し挿入する。
固定用ボルト4本が挿入できたら、専用スパナで締め込む。
(7) プラウアングリング「左」、「右」用ホース、「縮小」、「復元」用ホースをセルフシールカップリングにて接続する。
(8) スプリングホルダーに遊びができるまでスノウプラウをクレーンで吊り、プラウ昇降シリンダー用ホースのプラウ下降側をセルフシールカップリングで接続する。次にプラウ上昇側を接続する。(7)、(8) はどちらが先でもよい。
【0005】
(9) フレーム左前端部にてプラウ側の電気用コネクタを接続する。
エンジンを始動させた後、運転室内のプラウ操作盤のメインスイッチをONにする。
(10) プラウの「復元」、「縮小」、「アングリング左」、「アングリング右」、「上昇」、「下降」を操作し、正常に動作することを確認する。
(11)メインスイッチをOFFにし、エンジンを停止する。
以上で取り付けが完了する。
【0006】
次に、プラウを車両から取り外す際は、以下の手順となる。
(1) エンジンを始動して、運転室内のプラウ操作盤のメインスイッチをONにする。
(2) 操作盤のプラウホイストスイッチを「上」に操作し、プラウを上昇させる。
(3) 操作盤のプラウ縮小スイッチを1秒程度「復元」に操作し、僅かにプラウを拡大させることにより油圧ホース内残圧を低下させる。
(4) プラウのシュー若しくはスタンドをカッティングエッジよりも先に接地するように調整する(プラウを接地させた際、カッティングエッジがやや浮いた状態とする。)。
【0007】
(5) 操作盤のプラウホイストスイッチを「下」に操作し、プラウを接地させた後、更にスイッチを5秒程度保持する。
(6) エンジンを停止し、エンジンキーを「ON」の位置とし、プラウ操作盤のメインスイッチをONにする。
(7) 各種スイッチの操作等により、アングリング用油圧ホース内の残圧を減少させ、また復元、縮小用油圧ホース内の残圧を減少させる。
(8) 操作盤メインスイッチ、車両エンジンキー共にOFFにする。
【0008】
(9) フレーム左前端部に接続されているコネクタを分離し、付属キャップを取り付ける。
車両の油圧接続部にあるセルフシールカップリング(6箇所)を外す。
(10)プラウと車両を連結する4本のボルトを外す。
(11)プラウ操作盤のメインスイッチがOFFになっていることを確認し、プラウ連結部の電気配線及び油圧ホースが完全に外れていることを確認した後に、車両を最徐行にて後退させる。
以上で、プラウの取り外しが完了する。
【0009】
このように、従来においては、スノウプラウを取り付け及び取り外す際には、移動クレーンを用いてプラウを移動し、設置個所では、プラウを適宜前方を上げた傾斜した体勢で、且つクレーンを適宜上下させて、車両との接続及び取り付けを行い、取り外す際は、適宜取り外し位置で、プラウのシュー又はスタンドを伸長させて、プラウの最下端のカッティングエッジよりも長い状態として、地面に接地させて、取り外しを行い、その後プラウを移動する際は、やはり移動クレーンを利用して行っていた。
そして、このプラウの取り外し及び取り付けに際して、上記移動クレーンの外に何か特別な装置や手段というものは従来全く存在していなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような移動クレーンを用いた従来の取り付け方法においては、まず、移動クレーン自体が必要となり、またその操作を行う熟練した運転者が必要となる。
クレーンで吊り下げる場合には、適宜本数のワイヤーを用いてプラウを傾斜状態に吊り下げるのであるが、その傾斜状態を修正することは非常に困難である。
例えば、プラウの4つのコーナー部分を個別に高さ調整を行うということは、このクレーンによる吊下によっては先ず不可能といっても過言ではない。
【0011】
そこで、本発明においては、スノウプラウを各種の道路維持作業車両に取り付け及び取り外しをする際に、従来のような移動クレーンを使用しないで可能となる装置又は器具の創案をその第一の目的とする。
これにより、移動クレーン自体が不要となり、尚かつその運転者又は操作者も不要となる。
そして、このような装置又は器具であって、その取扱い及び操作もより簡単なものを提供することもその課題となる。
【0012】
更には、その装置又は器具がプラウの倉庫への格納時にあっても、そのままプラウと同時に格納及び収納が可能なものであることもその課題である。
これにより省力化又は省スペース化が図れる。
更には、本発明に係る装置又は器具の使用の仕方もより便利なものを追求することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、除雪車、凍結防止剤散布車又は散水車等の道路維持作業車に取り付けて使用するスノウプラウをこれら道路維持作業車に着脱自在に取り付ける際に、このスノウプラウをその上に載置して使用する架台であって、本体部枠体と、この本体部枠体の周縁部に設けた少なくとも4つの手動又は自動の昇降装置と、この本体部枠体の周縁部に設けた少なくとも3つの車輪部とから成り、架台を移動する際は、前記昇降装置を収縮させた状態として、前記車輪部を接地した状態で移動することができ、架台の高さ調整を行う際は、前記昇降装置を伸長させて接地した状態として、前記車輪部を地面から離隔した状態で、それぞれの昇降装置が個別にその高さを調整することができることを特徴とするスノウプラウ取付用架台である。
【0014】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、それぞれの車輪部を本体部枠体に対して着脱自在とし、この車輪部の代わりに支持脚部を取り付けできるようにしたことを特徴とするスノウプラウ取付用架台である。
【0015】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、それぞれの昇降装置を本体部枠体に対して着脱自在としたことを特徴とするスノウプラウ取付用架台である。
【0016】
本発明の第4のものは、上記それぞれの発明において、載置するスノウプラウが三つ折れスノウプラウであって、このスノウプラウの中央除雪部(センタープラウ)の背面側に位置する車両との連結部を載置する連結部載置部を本体部枠体に設けたことを特徴とするスノウプラウ取付用架台である。
【0017】
本発明の第5のものは、上記第4の発明において、前記連結部載置部が、本体部枠体に回動自在に設けられた枠体から構成され、これにより当該連結部載置部が起立及び可倒自在に形成されたことを特徴とするスノウプラウ取付用架台である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1のものにおいては、その上にスノウプラウを載置して、このプラウを適宜位置まで移動でき、尚且つ、適宜位置で、即ち道路維持作業車両に取り付ける位置において、架台の周縁部に設けた4つのそれぞれの昇降装置により、その4つの箇所の高さを高低自在に調整でき、スノウプラウを車両に取り付けるに際して、どのような体勢にも高低の高さ調整を行うことができることとなり、容易に車両にプラウを取り付けることができることとなる。
【0019】
即ち、適宜高さ及び体勢にプラウを配置した後、上記段落番号「0002」乃至「0005」に記載した(2) から(10)の操作を行って、プラウを車両に取り付けることが出来るのである。
この際、プラウを上下させる作業は、クレーンでなく架台の昇降装置により行うことと成るが、本発明では、4箇所にあるそれぞれの昇降装置の上下動作で行うことができ、クレーン操作のようなとりわけ熟練した操作は不要となるのである。
【0020】
他方、取り外す際には、車両に取り付けられたプラウを上昇させた状態として、そのプラウの下方に本発明に係る架台を移動させて配置すればよい。その後、プラウを下降させて架台の上に載置させ、上記段落番号「0007」において説明した(7) 以降の操作を行ってプラウを車両から分離でき、その後、昇降装置を収縮させ、車輪部を接地させて適宜場所に移動して、倉庫等に格納又は収納することができるのである。
【0021】
本発明の第2のものにおいては、上記第1の発明の効果に加えて、車輪部を本体部枠体に対して着脱自在とし、この車輪部を取り外して支持脚部を取り付けられるようにしたために、プラウを載置した状態で本発明に係る架台をそのまま倉庫等に格納する際に、車輪部によりその倉庫まで移動させた後、その倉庫内で車輪部に代えて支持脚部を取り付けておくことにより、架台にプラウを乗せた状態のままで倉庫内に格納又は収納しておくことができるのである。
勿論、車輪部を取り付けた状態で格納することも可能であるが、車輪部を取り外すことにより他の架台にこの車輪部を使用することができ、また、支持脚部と交換することにより、車輪部のエアー漏れやパンク等も防止できることとなる。
【0022】
本発明の第3のものにおいては、昇降装置自体も本体部枠体から着脱自在としたものであり、上記の発明と同じ効果を有するばかりでなく、これを着脱自在としたことにより、この昇降装置を他の架台に利用することができる。
更に、昇降装置を不使用時に取り外して置くことができるということは、本発明に係る架台の重量を軽減させることができ、プラウが載置されているか否かに拘わらず、架台を移動する際に、よりその負担が軽減されることとなるのである。そして、架台を昇降させる必要がある時にのみ、これら昇降装置を架台に取り付けることができるようにしたものである。
【0023】
本発明の第4のものにおいては、架台に三つ折れスノウプラウを載置する際に、その連結部を載置するための連結部載置部を設けたものである。
これは、通常スノウプラウの連結部の下端縁部が他の中央除雪部(センタープラウ)や左右のサイドプラウの下端縁部よりも高い位置にあるからである。
これにより、三つ折れスノウプラウを本発明に係る架台に載置する際に便利なものとなる。
勿論、本発明に係る架台はあらゆる方向に車輪部によって移動できるために、多少ずれた位置に載置されていても問題はないのであるが、この連結部載置部が位置決めの役目も果たし、プラウを架台の正位置に配置することができることとなり、本体部枠体の4箇所に設けられた昇降装置の高さ調整がより便宜なものとなるのである。
【0024】
本発明の第5のものにおいては、上記第4の発明と同様の効果を発揮するものであって、その特徴である連結部載置部をより具体化したものである。
これにより、連結部載置部を起立させた状態で、スノウプラウの連結部の載置及び位置決めの効果を発揮し、これを倒した状態にすることによりその突出がなくなり、本体部枠体の載置面が略平面状となり、格納又は収納時に邪魔な突出部が無くなるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るスノウプラウ取付用架台の一実施形態の概略説明図であって、その(A)が本体部枠体を図示し、その(B)及び(C)が車輪部を、その(D)が支持脚部を、その(E)が昇降装置を図示している。
【図2】上記実施形態に係る架台に三つ折れスノウプラウを載置した状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るスノウプラウ取付用架台の一実施形態の概略説明図であって、その(A)が本体部枠体を図示し、その(B)及び(C)が車輪部を、その(D)が支持脚部を、その(E)が昇降装置を図示している。
図中、角型鋼管等の肉厚は図示省略し、各構成部材も簡略表示している。
図中矢印Fが、本発明に係る架台の前方方向を示しており、この架台に載置されたスノウプラウに車両が図面向こう側矢印Vの方向から近付くこととなる。
【0027】
本発明に係るスノウプラウ取付用架台は、その本体部枠体10が平面視略長方形形状を有し、その車両が近付く矢印Vの側に切欠部を有しており、角型鋼管を縦横に組み合わせて構成したものから成る。
即ち、向こう側の横フレーム11f、11fと手前側の横フレーム11gと、右側の縦フレーム12mと左側の縦フレーム12nとを溶接着して、平面視略長方形形状の枠体を形成し、これら枠体の下面には、更に支持フレームを縦横に適宜溶接着する。
【0028】
そして、本体部枠体10の上面の高さを一定にするために、中間横フレーム13、13及び中間縦フレーム14を配設し、更に連結部載置部としての枠体15を回動自在に(起伏自在に)設けている。この枠体15を回動自在に形成する構成は全く自由であるが、この実施形態では、回動レバー16を回動させることによって、枠体15を起立させ或いは倒すことが出来るように構成している。
尚、図ではこの枠体15を回動自在に形成する構成は、図示簡略化して表示しており、その具体的な構成は自由に設計することができる。
これら中間横フレーム13、13、中間縦フレーム14、及び横フレーム11f、11g及び縦フレーム12m、12nの上面が略同一平面を形成している。
即ち、これらの上面がスノウプラウを載置する載置面を構成することとなる。
【0029】
この本体部枠体10に載置されるスノウプラウは、次図で説明するが、三つ折れタイプのものであって、中央部に位置するセンタープラウと、その両側で略90度折り畳み自在に枢着された右サイドプラウと左サイドプラウとから成るものである。
このセンタープラウの背面側に、車両との連結部が設けられており、上記連結部載置部としての枠体15にこの連結部の下端縁部が載置されることとなるのである。
即ち、この枠体15を起立させた状態で、センタープラウの背面側の連結部を載置させることにより、スノウプラウが架台の適正な正位置に載置されることとなるのである。
【0030】
本体部枠体10の左右の縦フレーム12m、12nの下方部で手前側と向こう側にそれぞれ空間部20、20が設けられている。
これらの空間部20に、図1(E)に図示した昇降装置22の爪部23が嵌入するのである。
この昇降装置22は、手動式の油圧ジャッキである。図示していないハンドルを上下に往復動させることにより、上記爪部23が上昇して本体部枠体10を上昇させることができる。
【0031】
この昇降装置22は、本体部枠体10と分離自在であるが、この爪部23を本体部枠体10の前記空間部に嵌入させた状態で、本体部枠体10の下面に接合し、固定しておいてもよいものである。
勿論、この昇降装置22は、電動ジャッキ等の自動のものでもよいし、上記の手動油圧ジャッキでなく、機械式の手動ジャッキでもよい。要するに昇降装置としては、スノウプラウを上昇させることのできる能力を有するジャッキであれば、どのような種類のものでも使用することができる。
また、この昇降装置22は、本体部枠体10に固定されていても、或いは着脱自在のものであってもよいものである。
【0032】
図1(B)及び(C)に図示したものは、車輪部である。
図1(B)に図示した車輪部25は、本体部枠体10の向こう側の両コーナー部に取り付けることができるものである。
この車輪部25は、本体部枠体10の向こう側の2つのコーナー部に設けられている嵌入穴部17に嵌入する嵌入腕部26と、この嵌入腕部26の先端部27側下面に設けられた車輪28とからなる。
【0033】
車輪28は、先端部27下面で回動自在に設けられている。
前記嵌入穴部17は、本体部枠体10の横フレーム11fが角型鋼管から形成されているための、その両端部の開口部から成る。
この嵌入穴部17内に、上記車輪部25の嵌入腕部26を嵌入させて、嵌入腕部26に設けられたピン穴26pと、横フレーム11fの端部に穿設されたピン穴17pとを合致させ、図示はしていないが、ピンにより車輪部25を抜脱不能に結合できる。
【0034】
同様に、図1(C)に図示した車輪部29は、本体部枠体10の手前側の中央部に取り付けることができるものである。
この車輪部29は、本体部枠体10の手前側の中間縦フレーム14の端部にある嵌入穴部17に嵌入する嵌入腕部26と、この嵌入腕部26の先端部27側下面に設けられた2個の車輪28、28とからなる。
車輪28、28は、先端部27下面で回動自在に設けられている。
前記嵌入穴部17は、本体部枠体10の中間縦フレーム14が角型鋼管から形成されているための、その端部の開口部から成る。
【0035】
この嵌入穴部17内に、上記車輪部29の嵌入腕部26を嵌入させて、嵌入腕部26に設けられたピン穴26pと、中間縦フレーム14の端部に穿設されたピン穴17pとを合致させ、図示はしていないが、ピンにより車輪部29を抜脱不能に結合できる。
この車輪部29には、ハンドル29hが設けられており、このハンドル29hを回動させる事により車輪28の向きを変更することができる。
【0036】
以上の構成により、2つの向こう側コーナー部にある嵌入穴部17のそれぞれに車輪部25の嵌入腕部26を嵌入して、ピンによりそれぞれ固定して、同様に手前側の1つの車輪部29を中間縦フレーム14の端部の嵌入穴部17にその嵌入腕部26を嵌入して、本体部枠体10の周縁部3箇所に車輪部25、25、29を取り付け、適宜位置に移動させることができる。
勿論、車輪部は、本体部枠体10の4つのコーナー部に4個設けて実施することもできる。
【0037】
そして、例えばスノウプラウを車両に取り付ける際は、スノウプラウが載置された本体部枠体10を車両の前方に配置させる。
昇降装置22を本体部枠体10の4つのコーナー部の下方空間部20に配置し、その爪部23を前記空間部20に嵌入させて、ジャッキアップさせることにより、本体部枠体10のそれぞれのコーナー部が上昇する。
これにより、車輪部25、29の車輪28は地面から離隔して、本体部枠体10は、4つの昇降装置によりその位置が固定された状態となる。
【0038】
そして、プラウの連結部の中心と車両を適合させながら、ゆっくりと車両を前進させて、干渉しない位置で停止して、パーキングブレーキを引く。これ以降は、前記段落番号「0003」に記載した(3)以降の手順と同じようにして、プラウを車両に取り付けることができる。
プラウが車両に取り付けられた後は、昇降装置22を収縮させて、車輪28を接地させ、昇降装置22を取り除き、本体部枠体10を他の場所に移動するのである。
【0039】
プラウを車両から取り外す際は、上記の逆の手順を踏めばよく、プラウを上昇させた状態で、そのプラウの下方に車輪部25、29が取り付けられた本体部枠体10を移動して配置し、その後昇降装置22で4つのコーナー部を上昇させた後に、プラウを下降させて本体部枠体10の上面にスノウプラウを載置させることができるのである。
【0040】
図1(D)は、支持脚部30を図示している。
この支持脚部30は、前記車輪部25、29の代わりに、本体部枠体10の周縁部に設けられた嵌入穴部17に取り付けて、本体部枠体10を特定の位置に設置させておくものである。
即ち、支持脚部30は、その根元部側に位置する嵌入腕部36と、その先端側37下面から下方に延長する脚部38とから構成されている。
嵌入腕部36及びその先端部37までの形状は、前記車輪部25のものと同一である。
【0041】
この支持脚部30を利用することによって、例えば、スノウプラウを載置した本体部枠体10を車輪部25を利用して倉庫内まで移動し、その後、昇降装置22を用いて本体部枠体10を上昇させて車輪部25を地面から離隔した状態として、車輪部25を嵌入穴部17から取り外して、その代わりに支持脚部30を取り付け(取り付け方法は車輪部と同様である。)、その後昇降装置22を下降させることにより、この支持脚部30がスノウプラウを載置したまま本体部枠体10を支持することができるのである。
車輪部25、29を外すことにより、車輪部25、29の車輪28の空気漏れやパンクの防止をすることができ、或いは、車輪部25、29を他の本発明に係る取付用架台に利用することも出来るのである。
【0042】
図1(E)は、昇降装置を図示しており、この昇降装置22は、手動式の油圧ジャッキからなり、図示はしていながハンドルを上下させることにより、爪部23が上昇又は下降するものである。
この爪部23を左右の縦フレーム12m、12nの下方部の空間部20に挿入して、本体部枠体10の4つのコーナー部でその高さ調整を行うことができるものである。
勿論、この昇降装置22は、電動ジャッキ等の自動のものでもよいし、上記の手動油圧ジャッキでなく、機械式の手動ジャッキでもよい。要するに昇降装置としては、スノウプラウを上昇させることのできる能力を有するジャッキであれば、どのような種類のものでも使用することができる。
また、この昇降装置22は、本体部枠体10に固定されていても、或いは着脱自在のものであってもよいものである。
【0043】
図2は、上記実施形態に係る架台である本体部枠体10にスノウプラウ50を載置した状態を示す概略図である。
このスノウプラウ50は、三つ折れタイプのもので、車両と連結させる連結部51にセンタープラウ52が連結され、このセンタープラウ52の両側でそれぞれ略90度回動するように、左サイドプラウ53と右サイドプラウ54とが連結されたものである。
【0044】
本発明に係る本体部枠体10の上に上記三つ折れスノウプラウ50が載置されるわけであるが、本体部枠体10に回動自在に設けた連結部載置部としての枠体15の上に前記連結部51の下端縁部が載置され、その位置が正位置に載置されることとなる。
この本体部枠体10には、車輪部25(車輪部29は図には現れていない)が取り付けられており、道路維持作業車のフロント部にそのまま移動して、連結部51を車両の接合面に合致させて取り付けるのである。
この図2では、本体部枠体10の向きが丁度図1と反対向きとなっていて、車両は手前側から近付くこととなる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては、以下の通り各種設計変更が可能である。
本体部枠体の平面視形状は、必ずしも長方形でなくともよい。スノウプラウを載置できる形状及び大きさであれば、どのような形状でもよい。
同様に、本体部枠体を構成するフレームも自由に配設することができ、要するに、上面に略水平にスノウプラウを載置できるようにフレームを組み合わせて略平板形態に本体部枠体を自由に設計することができる。
【0046】
連結部載置部も上記実施形態のような回動する枠体による構成でなくともよく、単に本体部枠体上に固定的に設けられたものでもよい。
昇降装置も本体部枠体に着脱自在でなく、固定的に設けることもできるが、その重量等を考慮すると、着脱自在が望ましい。
車輪部も同様に本体部枠体に固定的に設けることもできるが、着脱自在とする方が、車輪のパンク等の故障等を考慮すれば、好ましい。
【0047】
車輪部及び支持脚部を本体部枠体に固定する手段も自由に設計変更することが可能である。
以上、本発明は、構成簡易なものにして、極めて応用性の広いスノウプラウ取付用架台を創案することができ、しかもこのような架台はこれまでに全く存在していなかったものであり、今までクレーンを使用していた取り付け方法と全く別異の画期的な取付架台を提供することができたものである。
【符号の説明】
【0048】
10 本体部枠体
11f、11g 横フレーム
12m、12n 縦フレーム
13 中間横フレーム
14 中間縦フレーム
15 連結部載置部
17 嵌入穴部
20 空間部
22 昇降装置
25、29 車輪部
30 支持脚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除雪車、凍結防止剤散布車又は散水車等の道路維持作業車に取り付けて使用するスノウプラウをこれら道路維持作業車に着脱自在に取り付ける際に、このスノウプラウをその上に載置して使用する架台であって、
本体部枠体と、この本体部枠体の周縁部に設けた少なくとも4つの手動又は自動の昇降装置と、この本体部枠体の周縁部に設けた少なくとも3つの車輪部とから成り、
架台を移動する際は、前記昇降装置を収縮させた状態として、前記車輪部を接地した状態で移動することができ、
架台の高さ調整を行う際は、前記昇降装置を伸長させて接地した状態として、前記車輪部を地面から離隔した状態で、それぞれの昇降装置が個別にその高さを調整することができることを特徴とするスノウプラウ取付用架台。
【請求項2】
それぞれの車輪部を本体部枠体に対して着脱自在とし、この車輪部の代わりに支持脚部を取り付けできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスノウプラウ取付用架台。
【請求項3】
それぞれの昇降装置を本体部枠体に対して着脱自在としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスノウプラウ取付用架台。
【請求項4】
載置するスノウプラウが三つ折れスノウプラウであって、このスノウプラウの中央除雪部(センタープラウ)の背面側に位置する車両との連結部を載置する連結部載置部を本体部枠体に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のスノウプラウ取付用架台。
【請求項5】
前記連結部載置部が、本体部枠体に回動自在に設けられた枠体から構成され、これにより当該連結部載置部が起立及び可倒自在に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のスノウプラウ取付用架台。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−163019(P2011−163019A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27567(P2010−27567)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(000158127)岩崎工業株式会社 (7)
【出願人】(510038706)株式会社ナエムラ自工 (1)
【Fターム(参考)】