説明

スピーカ装置

【課題】スピーカ部をスタンド部に強固に固定しつつ、スタンド部に対するスピーカ部の向きを容易に調整可能にするスピーカ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】スピーカ部2と、スピーカ部2と接触する接触部31を有するスタンド部3と、スピーカ部2とスタンド部3とを締結する締結部4と、を備え、スピーカ部2は、締結部3が係合する係合溝部22と、接触部31が当接し、スタンド部3に対するスピーカ部2の角度の調整を可能にする曲面である被接触面27と、を有し、締結部4は、係合溝部22と係合する係合部41と、係合部41に連結され、スタンド部3に設けられるネジ穴32と螺合するネジ部43と、を有し、ネジ部43を回してネジ穴に螺合することで、スタンド部3へのスピーカ部2の固定状態を調整可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカは、音声を出力する際に振動する。このため、音質の向上や周囲への振動を抑制する観点から、スピーカとその周囲の構造物との振動伝達を考慮し、様々な振動伝達を防止する措置が講ぜられる。また、ユーザが好みの音響空間を形成するために、スピーカの位置や向きを自在に調整できることも望まれる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1に開示されているような、円錐状の支持ピンを足パッドに点接触支持させるとともに、これらを覆う防振スリーブを用いる技術や、特許文献2に開示されているような、スピーカを一本の支持棒で支持することで音響性能の低下を防止する技術が提案されている。この他にも、例えば、特許文献3に開示されているような、複数のスピーカを積み重ねて容易に連結可能にする技術が提案されている。
【特許文献1】登録実用新案第3107462号公報
【特許文献2】特開平11−289588号公報
【特許文献3】実開平5−6993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スピーカは、転倒や落下を防ぎ、且つスピーカと周囲の構造物との間における振動伝達に起因する音質の劣化を防ぐため、スタンドに強固に固定される必要がある。他方、ユーザが自己の嗜好にあった音響空間を形成可能にするため、スピーカは位置や向きをユーザが所望する状態に調整できることが求められる。このような要請に応えるものとして、例えば、図7に示すスピーカ装置101のように、スピーカ102の支持部を2点のスパイク103、長さ調整可能な角度調整ネジ106、及び3本の固定用のボルト105で構成されており、角度調整ネジ106の長さを調整することにより、任意に決定された角度でスピーカ102をスタンド104にボルト105で固定するものがある。このスピーカ装置101では、スピーカ102がスパイクと角度調整ネジ106、ボルト105のごく小さい接合面で支えられることにより、振動伝達が低減されるとともに、3本のボルト105によりスタンド104に強固に固定される。しかし、このように、振動の伝達特性の改善とスピーカおよびスタンドの構造的な安定性との両立を図りつつ、スピーカの向きを調整可能とするべく、複数のボルト等を用いてスピーカをスタンドに固定すると、スピーカの向きを調整したい場合に操作が煩わしい。
【0005】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、スピーカ部をスタンド部に強固に固定しつつ、スタンド部に対するスピーカ部の向きを容易に調整可能にするスピーカ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、スタンド部が接触部を介してスピーカ部を支持するようにすると共に、スピーカ部に設けられる係合溝に係合する係合部に連結されるネジをスタンド部のネジ穴に螺合させることで、スタンド部へスピーカ部を固定することとした。これによれば、ネジを回転させるだけでスタンド部へのスピーカ部の固定状態が調整可能となる。
【0007】
詳細には、スピーカ本体を有するスピーカ部と、前記スピーカ部と接触する接触部を有
し、該接触部を介して前記スピーカ部を支持するスタンド部と、前記スピーカ部が前記接触部に接触した状態で前記スタンド部に固定されるように、該スピーカ部と該スタンド部とを締結する締結部と、を備え、前記スピーカ部は、前記スピーカ本体の前後方向に沿って延在する、前記締結部が係合する係合溝部と、前記接触部に当接する被接触面であって、前記スピーカ本体の前後方向に沿った前記スピーカ部と前記スタンド部との相対移動によって、該スタンド部に対する該スピーカ部の角度の調整を可能にする曲面である被接触面と、を有し、前記締結部は、前記係合溝部と係合する係合部と、前記係合部に連結され、前記スタンド部に設けられるネジ穴と螺合するネジ部と、を有し、前記ネジ部を回して前記ネジ穴に螺合することで、前記スタンド部への前記スピーカ部の固定状態を調整可能とする。
【0008】
上記スピーカ装置は、スタンド部に設けられる接触部を介して、スピーカ部がスタンド部に支持される。スタンド部の接触部と接触するスピーカ部の被接触面は、スタンド部に対するスピーカ部の角度を調整可能とする曲面で形成されている。被接触面が曲面となっているため、接触部が被接触面に接触しながら該被接触面内で動くことで、スタンド部に対するスピーカ部の相対的な角度が変わる。
【0009】
ここで、上記スピーカ装置は、スピーカ部が、スタンド部の接触部に接触した状態で固定されるように両者を締結することで、スタンド部にスピーカ部を固定するものであり、両者を締結する締結部を備えている。この締結部は、スピーカ部に設けられる係合溝部に係合部が係合する。係合溝部がスピーカ本体の前後方向に沿って延在するように形成されているため、締結部は、スピーカ本体の前後方向に沿うように係合溝部と相対的に移動可能である。また、締結部は、スタンド部に設けられるネジ穴と羅合するネジ部を有している。このネジ部は係合部に連結されているため、ネジ部がスタンド部のネジ穴と羅合した状態だと、スピーカ部に係合する係合部がスタンド部に対して変位できない。しかし、係合部は、上記したようにスピーカ本体の前後方向に沿うように相対移動が可能な係合溝部に係合している。このため、係合部が係合溝部に係合し、ネジ部がスタンド部のネジ穴に羅合していても、締結部に締結力が作用していなければ、スピーカ部はスタンド部に対して容易に相対移動が可能である。
【0010】
ところで、接触部が接触する被接触面は上記したように曲面で形成されているため、接触部が被接触面に当接した状態で、スピーカ部がスタンド部に対してスピーカ本体の前後方向に沿うように移動されると、スタンド部に対するスピーカ部の角度が変化すると共に、ネジ穴と螺合状態にあるネジ部と連結されている係合部が係合溝部をスピーカ本体の前後方向に沿って移動することになる。従って、締結部にスピーカ部とスタンド部とを締結する締結力が作用していなければ、スピーカ部とスタンド部との相対的に移動による、スタンド部に対するスピーカ部の角度の調整が可能となり、締結部に締結力が作用していれば、スピーカ部がスタンド部に固定されるのでスタンド部に対するスピーカ部の角度も固定されることとなる。
【0011】
締結部の締結力は、ネジ部がネジ穴へ締め付けられることで生ずる。すなわち、スタンド部が接触部を介してスピーカ部を支持している状態においては、スタンド部とスピーカ部とが相対的に移動されない限り、スピーカ部の係合溝部とスタンド部のネジ穴との相対的な位置関係も変化しない。このため、締結部のネジ部がネジ穴と螺合した状態でネジ部が回されると、ネジ部とスタンド部とが相対的に変位するので、ネジ部と連結される係合部も共に変位する。従って、ネジ部を回すことで、スタンド部へのスピーカ部の固定状態を調整することが可能となる。
【0012】
以上のように構成されるスピーカ装置であれば、締結部によってスピーカ部がスタンド部に固定されると共に、ネジ部を回せばスピーカ部の向きの調整が可能となるため、スピ
ーカ部をスタンド部に強固に固定しつつ、スタンド部に対するスピーカ部の向きを容易に調整可能にすることが可能となる。
【0013】
また、前記接触部は、少なくとも3つ以上の突起により前記スピーカ部と接触し、前記スピーカ部は、前記スピーカ本体の前後方向に沿って延在する、前記接触部の突起が嵌る溝部であって、前記スピーカ部に対する前記スタンド部の相対移動を案内する案内溝部を有し、前記被接触面は、前記案内溝部の底面に形成されるものであってもよい。
【0014】
3つ以上の突起がスピーカ部に接触するものであれば、スピーカ部が3点支持されて姿勢が安定的に保たれると共に、スピーカ部とスタンド部との接触部分が小さいため、スピーカ部からスタンド部へ伝わる振動が抑制される。更に、スピーカ本体の前後方向に沿って延在する、スピーカ部に設けられる案内溝部に突起が嵌っているため、スピーカ部をスタンド部に対して相対的に前後方向に移動させた際、突起が案内溝部の長手方向に沿って案内される。従って、スタンド部とスピーカ部とを相対的に変位させる前後方向の操作が容易となり、スタンド部に対するスピーカ部の角度の調整が容易になる。
【0015】
また、前記被接触面は、前記スピーカ部の重心を中心とする円弧に沿った曲面であってもよい。被接触面がこのように構成されていれば、スタンド部に対するスピーカ部の角度を変化させても、スピーカ部の重心がスタンド部に対して相対的に変位することがなくなるため、スタンド部によって支持されるスピーカ部の姿勢が安定する。
【0016】
また、前記締結部は、前記ネジ部を前記スタンド部のネジ穴に螺合する際に該ネジ部を該スタンド部のネジ穴に案内する棒状のネジ案内部を、該ネジ部の先端に有するものであってもよい。このように構成されるスピーカ装置であれば、係合部を係合溝部に係合させた状態でネジ部をネジ穴に螺合する際に、ネジ部がネジ穴に案内されるので、締結部でスピーカ部とスタンド部とを締結させる操作が容易になる。
【0017】
また、前記スタンド部は、前記係合溝部と非係合状態にある前記係合部を、該係合溝部へ係合可能にするための、該係合溝部の長手方向の一端に形成される開口部と、前記開口部に設けられる抵抗部であって、前記係合溝部と係合状態にあり且つ該開口部に接近する前記係合部の動きを抑える抵抗部と、を備えるものであってもよい。このように構成されるスピーカ装置であれば、ネジ部を回して締結部の締結力を解除した状態において、スピーカ部をスタンド部に対して相対的に前後に動かした場合に、係合部が係合溝部から容易に外れなくなる。従って、スピーカ部がスタンド部から簡単に外れてしまうことがなくなる。
【発明の効果】
【0018】
スピーカ部をスタンド部に強固に固定しつつ、スタンド部に対するスピーカ部の向きを容易に調整可能にするスピーカ装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、本願発明の具体的な実施形態を例示的に示すものであり、本願発明の権利範囲を限定するものではない。
【0020】
図1は、実施形態に係るスピーカ装置1の外観図である。スピーカ装置1は、図1に示すように、スピーカ21(本発明でいうスピーカ本体に相当する)を有するスピーカ部2(本発明でいうスピーカ部に相当する)と、スピーカ部2を支持するスタンド3(本発明でいうスタンド部に相当する)とを備えている。スピーカ部2は、電気信号を音声に変換するスピーカ21を内蔵し、外観が略球体状に形成されている。スピーカ部2は、固定機
構5により、スタンド3に固定されている。
【0021】
図2は、スピーカ部2をスタンド3に固定する固定機構5、及びその周辺の構造を示す図である。図2は、左側がスピーカ装置1の前方で、右側がスピーカ装置1の後方となるように、固定機構5及びその周辺をスピーカ装置1の左側から見た場合の構造を示す。図2に示すように、固定機構5は、スピーカ部2に設けられる係合溝22、スタンド3から上方に突設される突起31、スタンド3に設けられるネジ穴32、係合溝22及びネジ穴32に係合するガイドネジ4、ガイドネジ4を係合溝22から着脱可能にする開口23によって形成されている。また、図3は、固定機構5のうち、特にガイドネジ4と係合溝22との係合状態を拡大して示した図である。
【0022】
図2や図3に示されるように、係合溝22は、スピーカ部2の内部の下側部分に形成される中空部24を、スピーカ部2の下側と連通させる細長い穴で形成されている。この係合溝22は、ガイドネジ4の頭に設けられる半球状の係合部41よりも幅が細い穴で形成されることで、ガイドネジ4の係合部41が係合溝22から抜けないで引っ掛かるようになっている。なお、図2や図3に示されるように、係合溝22の長手方向の一端に設けられる、ガイドネジ4を係合溝22から着脱可能にする開口23は、係合部41よりも大きく開口しており、係合部41を出し入れ可能である。係合溝22は、開口23を形成する穴の縁からスピーカ部2の前方に向かって延在する細長い穴で形成されることで、ガイドネジ4の首の部分を形成する軸42の受け入れを可能とし、係合溝22の中空部24側が係合部41を引っ掛ける。なお、開口23の中空部24側の縁は、その周辺よりも隆起した落下防止用リブ25が形成されている。この落下防止用リブ25は、ガイドネジ4が係合溝22の中で動いた際、ガイドネジ4の係合部41がこの隆起した落下防止用リブ25に接触することで係合部41が係合溝22から開口23に容易に移動しないように、係合部41の動きを規制する。なお、係合部41のこのような動きを規制するものとしては、例えば、係合部41が開口23を介して係合溝22の内外を出入りする際の障害物として機能するスポンジやバネといった弾性変形可能なものを適用することも可能である。
【0023】
ネジ穴32は、スタンド3の上端から上方に開口する穴であり、ガイドネジ4のネジ部43と螺合する。ネジ穴32の下側には、ネジ部43をネジ穴32へ案内するガイド46が挿入されるガイド穴33が形成されている。このガイド穴33は、ネジ部43をネジ穴32に入れる際、ネジ部43の中心軸とネジ穴32の中心軸とが一致するように、スタンド3に対するガイドネジ4の相対的な位置合わせを行う。なお、ガイドネジ4には、ユーザがネジ部43を回転操作するための、円盤状のダイヤル部44が設けられている。ネジ部43をネジ穴32に螺合する際は、このダイヤル部44を介してネジ部43を回転させる。ダイヤル部44を介してネジ部43が回転されることにより、係合部41が変位してスタンド3へのスピーカ部2の固定状態が調整される。すなわち、スタンド3へのスピーカ部2の固定状態を、強固に固定した状態にしたり、やや緩めた状態にしたり、或いはネジ部43がネジ穴32から離れてスピーカ部2がスタンド3と分離する状態にする。
【0024】
図4は、スピーカ部2とスタンド3とを離間させた状態の固定機構5を示した図である。図4に示されるように、スタンド3の上端には、3つの突起31(本発明でいう接触部に相当する)が設けられている。3つの突起31は、スピーカ部2に設けられる3つの案内溝26にそれぞれ嵌ることで、スピーカ部2を3点で支持する。また、突起31の先端はスパイク状になっており、突起31とスピーカ部2とが点接触状態となることで、スピーカ部2とスタンド3との間でスピーカ21の振動伝播が抑制される。なお、上述したネジ穴32は、これら3つの突起31の概ね中心付近に位置している。よって、係合部41が係合溝22に係合した状態でネジ部43がネジ穴32にねじ込まれ、ガイドネジ4がスピーカ部2とスタンド3とを締結すると、各突起31にスピーカ部2からの荷重が概ね均等に加わる。これにより、スピーカ部2は、3つの突起31に支持された状態でスタンド
3に固定される。また、上記固定機構5では、スピーカ部2の安定的な支持のため、3つの突起31を備えているが、4つ以上であってもよい。
【0025】
図5は、スピーカ部2の向きを上下に調整できる範囲を示したものである。突起31が嵌る案内溝26は、スピーカ21の前後方向に沿って延在する溝である。よって、突起31が案内溝26において動ける範囲内で、スピーカ部2をスタンド3に対して相対的に前後に動かすことが可能である。よって、ユーザは、スタンド3に支持されたスピーカ部2を好みの角度に調整することが可能である。なお、スピーカ部2を動かすことができる範囲は、水平に対して0°〜12°の範囲である。調整可能な角度の範囲は、係合溝22の長手方向の長さ、及び案内溝26の長手方向の長さに応じて画定されるものであり、これらの長さが長ければ、スピーカ部2を動かすことができる範囲も広がる。係合溝22と案内溝26を長くする場合は、両者が干渉しないように、配置を適宜調整することが望まれる。なお、スピーカ21の前後方向とは、スピーカ21の正面方向、すなわち、スピーカ21の音が進む方向を前方とし、その逆を後方とする方向である。ここで、スピーカ部2に複数のスピーカが、それぞれ異なる向きに取り付けられているような場合は、任意に選択される何れかのスピーカの向きを基準とする。
【0026】
ここで、案内溝26の底面は、図5の符号Aを中心とし、符号Rで示される半径の円弧に沿った曲面27(本発明でいう非接触面に相当する)を形成しており、突起31がこの面に当接することでスピーカ部2が支持される。図5の符号Aは、スピーカ部2の重心の位置を示すものである。曲面27がスピーカ部2の重心を中心とする円弧に沿うように形成されているため、スピーカ部2の姿勢がどのように変化しても、突起31が曲面27に接する状態でスピーカ部2を支持している限り、スピーカ部2の重心は概ね同じ位置になる。また、スピーカ部2の重心は、ネジ部43がネジ穴32に螺合した状態におけるガイドネジ4の中心軸上に位置するように、3つの突起31の高さがそれぞれ調整されている。従って、スタンド3が垂直に立っていれば、ガイドネジ4が緩められた状態であっても、スピーカ部2がスタンド3から落ちないように、3つの突起31によって支持される。
【0027】
図6は、ガイドネジ4の外観図である。図6に示すように、ガイドネジ4の軸42には、軸42を貫通する貫通穴45が設けられている。これは、ガイドネジ4が固く締め付けられており、ダイヤル部44ではユーザが回転操作できない場合に、この貫通穴45に金属の棒等を挿入し、この棒でガイドネジ4を回転操作可能にするものである。これにより、ダイヤル部44ではガイドネジ4を回転操作できなくなってしまったような場合においても、ガイドネジ4を回転させることが可能となる。
【0028】
以上のように構成されるスピーカ装置1であれば、ガイドネジ4を回転操作するだけで、スピーカ部2のスタンド3への組み付けからスピーカ部2の角度調整まで可能であるため、ボルト等でスピーカ装置1を3点で支持するような場合に比べて極めて簡単に組み付けを行うことが可能である。
【0029】
なお、上記実施形態においては、外観が略球体状のスピーカ部2をスタンド3で固定していたが、本発明の適用対象はこのような実施態様に限定されるものではない。本発明は、例えば、外観が方形のスピーカ本体や、垂直方向の高さがほとんど無いスタンドにも適用可能である。但し、外観が方形のスピーカ本体に適用する場合、少なくとも案内溝の底面や係合溝は曲面に形成されている必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係るスピーカ装置の外観図。
【図2】実施形態に係るスピーカ装置の固定機構及びその周辺の構造図。
【図3】実施形態に係るスピーカ装置のガイドネジと係合溝との係合状態を示す図。
【図4】実施形態に係るスピーカ装置の固定機構5を示した図。
【図5】実施形態に係るスピーカ装置のスピーカ本体の可動範囲を示す図。
【図6】実施形態に係るスピーカ装置のガイドネジの外観図。
【図7】従来技術に係るスピーカ装置の外観図。
【符号の説明】
【0031】
1・・スピーカ装置
2・・スピーカ部
21・・スピーカ
22・・係合溝
25・・落下防止用リブ
26・・案内溝
27・・曲面
3・・スタンド
31・・突起
4・・ガイドネジ
41・・係合部
43・・ネジ部
44・・ダイヤル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ本体を有するスピーカ部と、
前記スピーカ部と接触する接触部を有し、該接触部を介して前記スピーカ部を支持するスタンド部と、
前記スピーカ部が前記接触部に接触した状態で前記スタンド部に固定されるように、該スピーカ部と該スタンド部とを締結する締結部と、を備え、
前記スピーカ部は、
前記スピーカ本体の前後方向に沿って延在する、前記締結部が係合する係合溝部と、
前記接触部に当接する被接触面であって、前記スピーカ本体の前後方向に沿った前記スピーカ部と前記スタンド部との相対移動によって、該スタンド部に対する該スピーカ部の角度の調整を可能にする曲面である被接触面と、を有し、
前記締結部は、
前記係合溝部と係合する係合部と、
前記係合部に連結され、前記スタンド部に設けられるネジ穴と螺合するネジ部と、を有し、
前記ネジ部を回して前記ネジ穴に螺合することで、前記スタンド部への前記スピーカ部の固定状態を調整可能とする、
スピーカ装置。
【請求項2】
前記接触部は、少なくとも3つ以上の突起により前記スピーカ部と接触し、
前記スピーカ部は、前記スピーカ本体の前後方向に沿って延在する、前記接触部の突起が嵌る溝部であって、前記スピーカ部に対する前記スタンド部の相対移動を案内する案内溝部を有し、
前記被接触面は、前記案内溝部の底面に形成される、
請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記被接触面は、前記スピーカ部の重心を中心とする円弧に沿った曲面である、
請求項1または2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記締結部は、前記ネジ部を前記スタンド部のネジ穴に螺合する際に該ネジ部を該スタンド部のネジ穴に案内する棒状のネジ案内部を、該ネジ部の先端に有する、
請求項1から3の何れか一項に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記スタンド部は、
前記係合溝部と非係合状態にある前記係合部を、該係合溝部へ係合可能にするための、該係合溝部の長手方向の一端に形成される開口部と、
前記開口部に設けられる抵抗部であって、前記係合溝部と係合状態にあり且つ該開口部に接近する前記係合部の動きを抑える抵抗部と、を備える、
請求項1から4の何れか一項に記載のスピーカ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−154180(P2010−154180A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329571(P2008−329571)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】