スプール
【課題】巻き始めの一端部側から釣糸を誤って引き出してしまうのを防止することができるスプールを提供する。
【解決手段】スプール1は、筒状の胴部2と、胴部2の軸線方向の端部に設けられたフランジ部3と、を備え、胴部2の外周面2aに釣糸Lが巻回される。胴部2には、釣糸Lの巻始め端部Laを挿通させる貫通孔4が形成されている。このスプール1では、釣糸Lを巻回する場合、釣糸Lの巻始め端部Laが貫通孔4に挿通されるため、釣糸Lの巻始め端部Laが胴部2の外周面2a側に露出することがない。よって、巻始め端部Laと巻終わり端部Lbとを互いに確実に区別することができる。
【解決手段】スプール1は、筒状の胴部2と、胴部2の軸線方向の端部に設けられたフランジ部3と、を備え、胴部2の外周面2aに釣糸Lが巻回される。胴部2には、釣糸Lの巻始め端部Laを挿通させる貫通孔4が形成されている。このスプール1では、釣糸Lを巻回する場合、釣糸Lの巻始め端部Laが貫通孔4に挿通されるため、釣糸Lの巻始め端部Laが胴部2の外周面2a側に露出することがない。よって、巻始め端部Laと巻終わり端部Lbとを互いに確実に区別することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸を巻回するためのスプールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスプールとしては、筒状の胴部と、胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、フランジ部に設けられ該フランジ部の両側面に連通する溝部と、を備え、胴部の外周面に釣糸が巻回されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなスプールでは、釣糸を巻回する場合、例えば図4(a)に示すように、まず、釣糸Lの糸巻(不図示)側をフランジ52の溝部53に通し、釣糸Lを胴部51の外周面51aに導く。そして、この外周面51aの軸線方向の一端側から釣糸Lを巻き始める。
【0004】
続いて、図4(b)に示すように、外周面51aの軸線方向の一端側から他端側に向けて順次に釣糸Lを巻回する。そして、この釣糸Lの巻回を繰り返した後、釣糸Lの糸巻側を切断する。これにより、図4(c)に示すように、釣糸Lの巻回が完了する。
【特許文献1】特開2003−333969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したようなスプール50においては、巻回された釣糸Lの巻き始めの一端部La(以下、「巻始め端部」という)と、巻き終わりの一端部Lb(以下、「巻終わり端部」という)と、を互いに区別し難い。そのため、巻き始め端部La側から釣糸Lを引き出してしまうという誤使用のおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、巻き始めの一端部側から釣糸を誤って引き出してしまうのを防止することができるスプールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るスプールは、筒状の胴部と、胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、を備え、胴部の外周面に釣糸が巻回されるスプールであって、胴部には、釣糸の巻き始めの一端部を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】
このスプールでは、胴部の外周面に釣糸を巻回する場合、釣糸の巻始め端部が貫通孔に挿通される。よって、巻始め端部と巻終わり端部とを互いに確実に区別することができる。その結果、巻始め端部側から釣糸を誤って引き出してしまうことを防止することが可能となる。
【0009】
ここで、釣糸の巻き始めの一端部は、貫通孔から径方向内側に所定長さだけ導出されることが好ましい。この場合、釣糸が貫通孔から抜け出るのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、巻き始めの一端部側から釣糸を誤って引き出してしまうのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
まず、本発明の第1実施形態に係るスプールについて説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態に係るスプールを示す正面図、図2は図1のII−II線に沿っての断面図である。図1,2に示すように、本実施形態のスプール1は、釣糸L(図3参照)を巻回するためのものである。釣糸Lとしては、その太さや強さは限定されず種々の糸状を呈するものが用いられる。
【0014】
このスプール1は、例えば樹脂を成形してなる樹脂成形品である。ここでは、スプール1は、巻回される釣糸Lの視認性の点で好ましいとして、透明樹脂により形成されている。スプール1は、胴部2とフランジ部3とを有している。
【0015】
胴部2は、円筒状を呈し、その外周面2aに例えば整列巻きで釣糸Lが巻回される。この胴部2は、その内周面2bより内側が中空とされた非リブ構造とされている。フランジ部3は、所定厚さを有する円環状を呈している。このフランジ部3は、胴部2の軸線方向の両端部に、径方向外側に突出するようにそれぞれ形成されている。
【0016】
ここで、胴部2には、釣糸Lの巻始め端部La(図3参照)を挿通させる貫通孔4が形成されている。貫通孔4は、断面円形状を呈し、胴部2の外周面2a及び内周面2bを貫通するように径方向に沿って延在している。この貫通孔4は、胴部2において軸線方向の一端側の位置に形成されている。具体的には、前側のフランジ部3Fの内側面3aに接するように形成されている。
【0017】
この貫通孔4の内径は、釣糸Lの線径よりも大きいものとされている。なお、貫通孔4の内径は、釣糸L及びスプール1の材質や釣糸Lの線径等によって適宜設定されるものである。ちなみに、この貫通孔4の内径は、種々の線径の釣糸Lを共通して挿通できるような大きさにする場合もある。
【0018】
このスプール1においては、釣糸Lを巻回する場合、まず、図3(a)に示すように、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔4に挿通する。このとき、釣糸Lの巻始め端部Laを、貫通孔4から径方向内側に所定長さだけ導出させる。
【0019】
続いて、図3(b)に示すように、スプール1を回転させながら、該スプール1に対して糸巻(不図示)を軸線方向の一端側(図示左側)から他端側(図示右側)に向けて相対移動させる。これにより、外周面2aの軸線方向の一端側(図示左側)から他端側(図示右側)に向けて順次に釣糸Lを巻回される(整列巻き)。
【0020】
そして、この釣糸Lの巻回を複数回繰り返す。その後、外周面2aの軸線方向の他端側にて釣糸Lを切断する。これにより、図3(c)に示すように、釣糸Lの巻回が完了することとなる。
【0021】
従って、本実施形態によれば、釣糸Lの巻始め端部Laが胴部2の外周面2a側に露出することがなく、巻始め端部Laと巻終わり端部Lbとを互いに確実且つ判然と区別することができる。よって、巻始め端部La側から釣糸Lを誤って引き出してしまうのを防止することが可能となる。その結果、かかる誤使用のために釣糸Lを引き出し難いことを防止することができる。
【0022】
さらに、従来のスプールでは、釣糸Lの巻始め端部Laを固定すべく、巻始め端部Laを結んだりテープでスプールに固定したりする必要がある。この点、本実施形態では、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔4に挿通するだけで足り、釣糸Lをスプール1に容易に巻回することができる。
【0023】
また、本実施形態では、上述したように、釣糸Lの巻始め端部Laが、貫通孔4から径方向内側に所定長さだけ導出される。よって、釣糸Lが貫通孔4から抜け出るのを抑制することができる。その結果、釣糸Lの使い終わりが貫通孔4から抜け出るのを防止でき、釣糸Lを最後まで確実に使い尽くすことが可能となる。
【0024】
なお、本実施形態では、例えば釣糸Lの太さを5号(線径が約0.37mm)とした場合、貫通孔4から釣糸Lが容易に抜き出ないように、貫通孔4の内径は釣糸Lの線径に対して僅かに大きい約0.5mmとされる。また、この場合、貫通孔4から径方向内側に導出される巻始め端部Laの長さは、例えば約1cmとされる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係るスプールについて説明する。
【0026】
図5は本発明の第2実施形態に係るスプールを示す斜視図、図6は図5のスプールの正面図、図7は図1のスプールの平面図、図8は図1のスプールの背面図である。図5〜8に示すように、本実施形態のスプール10は、釣糸Lを巻き付ける本体20と、この本体20の前側に取り付けられ釣糸Lを係止する糸止め部材40と、を備えている。
【0027】
図9は図5のスプールにおける本体の前側を示す斜視図である。図9に示すように、本体20は、例えば樹脂を成形してなる樹脂成形品であり、ここでは、巻回される釣糸Lの視認性の点で好ましいとして、透明樹脂により形成されている。この本体20は、胴部21とフランジ部22とを有している。
【0028】
胴部21は、円筒状を呈している。具体的には、胴部21は、大径部23と小径部24とからなる2重円筒構造とされている。大径部23は、その外周面23aに例えば整列巻きで釣糸Lが巻回される(図11参照)。この大径部23には、釣糸Lの巻始め端部Laを挿通させる貫通孔35が形成されている。小径部24は、大径部23の筒孔内において軸線方向の中央に同軸で配設されている。図8に示すように、この小径部24の後端部には、糸止め部材40を係止するための係止溝25が、周方向に沿う4等配の位置に形成されている。これら大径部23及び小径部24は、それぞれの後端部が円環板状の連結部27で互いに連結され連続されている。また、図9に示すように、大径部23と小径部24との間には、これらを互いに連結するリブ28が、周方向に沿う8等配の位置に設けられている。
【0029】
フランジ部22は、所定の厚さを有する円環状を呈している。このフランジ部22は、胴部21の軸線方向の両端部に、径方向外側に突出するようにそれぞれ形成されている。各フランジ部22の外周面22aにおける周方向の同位置には、径方向外側に開口する溝部29がそれぞれ形成されている。
【0030】
溝部29は、フランジ部22の外周面22a側を矩形状に切り欠くように形成されている。この溝部29は、周方向に複数形成されている。ここでの溝部29は、樹脂成形の容易化のために好ましいとして、互いに対向するように1対形成されている。そして、この溝部29にあっては、その内部に釣糸Lの先端側を通し、該釣糸Lを外側に引き出すと共に、その縁29eに釣糸Lを引っ掛ける(図11参照)。これにより、フランジ部22の周方向長さを基準にして(ここでは、フランジ部22の周方向長さの1/2単位で)、釣糸Lを外側に引き出すことが可能とされる。
【0031】
また、前側のフランジ部22Fにおける外側(前側)の側面22cには、係合溝30が形成されている。係合溝30は、糸止め部材40と周方向に係合するためのものである。この係合溝30は、側面22cの径方向内側において周方向に沿う4等配の位置に形成されている。
【0032】
図5に示すように、糸止め部材40は、円板状の本体部41と、フランジ部22Fの側面22cに当接する当接部47と、を含んで構成されている。また、糸止め部材40は、図8に示すように、本体部41の後面41bに設けられた円筒部42を含んで構成されている。
【0033】
図5に戻り、本体部41の前面の一部には、釣糸Lに関する情報、商品名、使用説明等の様々な文字や図形等を表示する表示部44が設けられている。ここでは、表示部44として、ラベルが接着剤等で貼付されている。
【0034】
当接部47は、板状を呈しており、本体部41の外縁部に連続し、且つ本体部41よりも径方向外側に突出するように設けられている。この当接部47は、周方向に沿う4等配の位置に設けられている。また、当接部47には、フランジ部22Fの係合溝30(図9参照)と係合するためのものとして、後側に突出する係合凸部48が設けられている。図7に示すように、当接部47の後面(当接する側の面)には、径方向に沿って延在し且つ後方に凸の凸条49が複数形成されている(図11参照)。
【0035】
図8に示すように、円筒部42の後端部には、胴部21の係止溝25に係止するものとして、径方向外側に突出する鉤状の係止爪45が設けられている。この係止爪45は、周方向に沿う4等配の位置に形成されている。
【0036】
この糸止め部材40は、その円筒部42が胴部21の小径部24(図9参照)に内挿され、その係止爪45が小径部24の係止溝25に係止される。そして、図5に示すように、フランジ部22Fの係合溝30に係合凸部48が係合されている。これらにより、糸止め部材40は、本体20に対して周方向に位置決めされると共に、胴部21に対して着脱可能に取り付けられる。そして、図7に示すように、当接部47の凸条49が、フランジ部22Fの側面22cに当接されることになる。
【0037】
ここで、本実施形態のスプール10では、上述したように、胴部21の大径部23に貫通孔35が形成されている。
【0038】
図10は、図9のX−X線に沿っての断面拡大図である。図10に示すように、貫通孔35は、上記貫通孔4と同様な構成を有している。すなわち、貫通孔35は、断面円形状を呈し、大径部23の外周面23a及び内周面23bを貫通するように径方向に沿って延在している。そして、この貫通孔35は、胴部21において軸線方向の一端側の位置に形成されている。また、貫通孔35の内径は、釣糸Lの線径よりも大きいものとされている。
【0039】
このスプール10にて釣糸Lを巻回する場合、上記スプール1と同様に、まず、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔35に挿通する。このとき、釣糸Lの巻始め端部Laを、貫通孔35から径方向内側に所定長さだけ導出させる。
【0040】
続いて、外周面23aの軸線方向の一端側から他端側に向けて順次に釣糸Lを巻回する。そして、この釣糸Lの巻回を複数回繰り返す。その後、外周面23aの軸線方向の他端側にて釣糸Lを切断する。これにより、図23に示すように、釣糸Lの巻回が完了することとなる。
【0041】
従って、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、巻始め端部La側から釣糸Lを誤って引き出してしまうのを防止できるという効果を奏する。
【0042】
さらに、本実施形態では、上述したように、糸止め部材40が胴部21に取り付けられている。よって、釣糸Lの巻始め端部Laが貫通孔35から大径部23の筒孔内に導出され露出されても、その巻始め端部Laを糸止め部材40でもって筒孔内に収納することができる。つまり、巻始め端部Laが散在するのを防止することが可能となる。
【0043】
なお、このスプール10にて釣糸Lの糸止めを行う場合、以下の動作が実行される。
【0044】
すなわち、図11に示すように、まず、本体20の外周面23aに巻回された釣糸Lの先端側(巻終わり端部Lb側)を、溝部29内に通して外部に引き出す。これに併せて、溝部29の縁29eに釣糸Lを引っ掛けることで、釣糸Lにテンション(張力)を与え、釣糸Lを張った状態とする。このとき、引き出された釣糸Lの長さ(以下、「引出し長さ」という)を所望な長さとすべく、一対の溝部29,29のうちの一方が適宜選択されると共に、引き出し長さがフランジ部22Fの周方向長さの1/2単位で調整される。
【0045】
続いて、この状態で、フランジ部22Fの側面22cと糸止め部材40における当接部47の凸条49との間に、引き出した釣糸Lを進入させる。これにより、側面22cと凸条49との間でもって、釣糸Lが挟み込まれて掛止される。つまり、糸止め部材40と本体20との圧着、及び当接部47の剛性によって、凸条49が釣糸Lを側面22cに付勢することとなる。その結果、釣糸Lが確実に係止される。
【0046】
従って、本実施形態によれば、釣糸Lを係止するに際し釣糸Lを屈曲させる必要が無く、よって、釣糸Lの表面に凹凸が形成されたり、釣糸Lに係止痕が残ったり、糸撚れが生じたりするのを防止することができる。その結果、釣糸Lを傷つけずに確実に係止することが可能となる。ひいては、釣糸Lの取扱い性を向上できると共に、水中に投入された釣糸Lの「あたり」(魚信)に対する感度が高められる。
【0047】
また、本実施形態では、上述したように、糸止め部材40が、胴部21の大径部23に着脱可能に取り付けられている。よって、糸止め部材40を胴部21に着脱可能に取り付けるだけで釣糸Lが係止可能となり、釣糸Lを簡易に係止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上述したように、当接部47の後面47bには、凸条49が複数設けられている。そして、糸止め部材40は、この凸条49とフランジ部22Fの側面22cとの間で釣糸Lを係止する。よって、釣糸Lを係止する際、釣糸Lに対する当接部47の接触領域が低減するため、釣糸Lが傷つくのを一層抑制できる。これと共に、釣糸Lに対する当接部47の摩擦係数が増加するため、釣糸Lを確実に係止することができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
例えば、上記第2実施形態では、引き出された釣糸Lを係止するために糸止め部材40を備えているが、場合によっては、糸止め部材40は無くてもよい。また、フランジ部22に溝部29を形成したが、場合によっては、この溝部29は無くてもよい。
【0051】
なお、貫通孔から径方向内側に導出された巻始め端部Laの所定長さは、釣糸Lの種類、材質又は太さ等に応じて設定されるものであり、要は、釣糸Lが貫通孔4から抜け出るのを抑制できるよう設定されればよい。かかる所定長さは、巻回完了後に巻始め端部Laを切断することで調整してもよい。また、導出した巻始め端部Laをテープ等でスプールに固定する場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスプールを示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての断面図である。
【図3】図1のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【図4】従来のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るスプールを示す斜視図である。
【図6】図5のスプールの正面図である。
【図7】図5のスプールの平面図である。
【図8】図5のスプールの背面図である。
【図9】図5のスプールにおける本体の前側を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿っての断面拡大図である。
【図11】図5のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
1,10…スプール、2,21…胴部、2a,23a…外周面、3,3F,22,22F…フランジ部、4,35貫通孔、L…釣糸、La…巻始め端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸を巻回するためのスプールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスプールとしては、筒状の胴部と、胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、フランジ部に設けられ該フランジ部の両側面に連通する溝部と、を備え、胴部の外周面に釣糸が巻回されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなスプールでは、釣糸を巻回する場合、例えば図4(a)に示すように、まず、釣糸Lの糸巻(不図示)側をフランジ52の溝部53に通し、釣糸Lを胴部51の外周面51aに導く。そして、この外周面51aの軸線方向の一端側から釣糸Lを巻き始める。
【0004】
続いて、図4(b)に示すように、外周面51aの軸線方向の一端側から他端側に向けて順次に釣糸Lを巻回する。そして、この釣糸Lの巻回を繰り返した後、釣糸Lの糸巻側を切断する。これにより、図4(c)に示すように、釣糸Lの巻回が完了する。
【特許文献1】特開2003−333969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したようなスプール50においては、巻回された釣糸Lの巻き始めの一端部La(以下、「巻始め端部」という)と、巻き終わりの一端部Lb(以下、「巻終わり端部」という)と、を互いに区別し難い。そのため、巻き始め端部La側から釣糸Lを引き出してしまうという誤使用のおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、巻き始めの一端部側から釣糸を誤って引き出してしまうのを防止することができるスプールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るスプールは、筒状の胴部と、胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、を備え、胴部の外周面に釣糸が巻回されるスプールであって、胴部には、釣糸の巻き始めの一端部を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】
このスプールでは、胴部の外周面に釣糸を巻回する場合、釣糸の巻始め端部が貫通孔に挿通される。よって、巻始め端部と巻終わり端部とを互いに確実に区別することができる。その結果、巻始め端部側から釣糸を誤って引き出してしまうことを防止することが可能となる。
【0009】
ここで、釣糸の巻き始めの一端部は、貫通孔から径方向内側に所定長さだけ導出されることが好ましい。この場合、釣糸が貫通孔から抜け出るのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、巻き始めの一端部側から釣糸を誤って引き出してしまうのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
まず、本発明の第1実施形態に係るスプールについて説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態に係るスプールを示す正面図、図2は図1のII−II線に沿っての断面図である。図1,2に示すように、本実施形態のスプール1は、釣糸L(図3参照)を巻回するためのものである。釣糸Lとしては、その太さや強さは限定されず種々の糸状を呈するものが用いられる。
【0014】
このスプール1は、例えば樹脂を成形してなる樹脂成形品である。ここでは、スプール1は、巻回される釣糸Lの視認性の点で好ましいとして、透明樹脂により形成されている。スプール1は、胴部2とフランジ部3とを有している。
【0015】
胴部2は、円筒状を呈し、その外周面2aに例えば整列巻きで釣糸Lが巻回される。この胴部2は、その内周面2bより内側が中空とされた非リブ構造とされている。フランジ部3は、所定厚さを有する円環状を呈している。このフランジ部3は、胴部2の軸線方向の両端部に、径方向外側に突出するようにそれぞれ形成されている。
【0016】
ここで、胴部2には、釣糸Lの巻始め端部La(図3参照)を挿通させる貫通孔4が形成されている。貫通孔4は、断面円形状を呈し、胴部2の外周面2a及び内周面2bを貫通するように径方向に沿って延在している。この貫通孔4は、胴部2において軸線方向の一端側の位置に形成されている。具体的には、前側のフランジ部3Fの内側面3aに接するように形成されている。
【0017】
この貫通孔4の内径は、釣糸Lの線径よりも大きいものとされている。なお、貫通孔4の内径は、釣糸L及びスプール1の材質や釣糸Lの線径等によって適宜設定されるものである。ちなみに、この貫通孔4の内径は、種々の線径の釣糸Lを共通して挿通できるような大きさにする場合もある。
【0018】
このスプール1においては、釣糸Lを巻回する場合、まず、図3(a)に示すように、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔4に挿通する。このとき、釣糸Lの巻始め端部Laを、貫通孔4から径方向内側に所定長さだけ導出させる。
【0019】
続いて、図3(b)に示すように、スプール1を回転させながら、該スプール1に対して糸巻(不図示)を軸線方向の一端側(図示左側)から他端側(図示右側)に向けて相対移動させる。これにより、外周面2aの軸線方向の一端側(図示左側)から他端側(図示右側)に向けて順次に釣糸Lを巻回される(整列巻き)。
【0020】
そして、この釣糸Lの巻回を複数回繰り返す。その後、外周面2aの軸線方向の他端側にて釣糸Lを切断する。これにより、図3(c)に示すように、釣糸Lの巻回が完了することとなる。
【0021】
従って、本実施形態によれば、釣糸Lの巻始め端部Laが胴部2の外周面2a側に露出することがなく、巻始め端部Laと巻終わり端部Lbとを互いに確実且つ判然と区別することができる。よって、巻始め端部La側から釣糸Lを誤って引き出してしまうのを防止することが可能となる。その結果、かかる誤使用のために釣糸Lを引き出し難いことを防止することができる。
【0022】
さらに、従来のスプールでは、釣糸Lの巻始め端部Laを固定すべく、巻始め端部Laを結んだりテープでスプールに固定したりする必要がある。この点、本実施形態では、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔4に挿通するだけで足り、釣糸Lをスプール1に容易に巻回することができる。
【0023】
また、本実施形態では、上述したように、釣糸Lの巻始め端部Laが、貫通孔4から径方向内側に所定長さだけ導出される。よって、釣糸Lが貫通孔4から抜け出るのを抑制することができる。その結果、釣糸Lの使い終わりが貫通孔4から抜け出るのを防止でき、釣糸Lを最後まで確実に使い尽くすことが可能となる。
【0024】
なお、本実施形態では、例えば釣糸Lの太さを5号(線径が約0.37mm)とした場合、貫通孔4から釣糸Lが容易に抜き出ないように、貫通孔4の内径は釣糸Lの線径に対して僅かに大きい約0.5mmとされる。また、この場合、貫通孔4から径方向内側に導出される巻始め端部Laの長さは、例えば約1cmとされる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態に係るスプールについて説明する。
【0026】
図5は本発明の第2実施形態に係るスプールを示す斜視図、図6は図5のスプールの正面図、図7は図1のスプールの平面図、図8は図1のスプールの背面図である。図5〜8に示すように、本実施形態のスプール10は、釣糸Lを巻き付ける本体20と、この本体20の前側に取り付けられ釣糸Lを係止する糸止め部材40と、を備えている。
【0027】
図9は図5のスプールにおける本体の前側を示す斜視図である。図9に示すように、本体20は、例えば樹脂を成形してなる樹脂成形品であり、ここでは、巻回される釣糸Lの視認性の点で好ましいとして、透明樹脂により形成されている。この本体20は、胴部21とフランジ部22とを有している。
【0028】
胴部21は、円筒状を呈している。具体的には、胴部21は、大径部23と小径部24とからなる2重円筒構造とされている。大径部23は、その外周面23aに例えば整列巻きで釣糸Lが巻回される(図11参照)。この大径部23には、釣糸Lの巻始め端部Laを挿通させる貫通孔35が形成されている。小径部24は、大径部23の筒孔内において軸線方向の中央に同軸で配設されている。図8に示すように、この小径部24の後端部には、糸止め部材40を係止するための係止溝25が、周方向に沿う4等配の位置に形成されている。これら大径部23及び小径部24は、それぞれの後端部が円環板状の連結部27で互いに連結され連続されている。また、図9に示すように、大径部23と小径部24との間には、これらを互いに連結するリブ28が、周方向に沿う8等配の位置に設けられている。
【0029】
フランジ部22は、所定の厚さを有する円環状を呈している。このフランジ部22は、胴部21の軸線方向の両端部に、径方向外側に突出するようにそれぞれ形成されている。各フランジ部22の外周面22aにおける周方向の同位置には、径方向外側に開口する溝部29がそれぞれ形成されている。
【0030】
溝部29は、フランジ部22の外周面22a側を矩形状に切り欠くように形成されている。この溝部29は、周方向に複数形成されている。ここでの溝部29は、樹脂成形の容易化のために好ましいとして、互いに対向するように1対形成されている。そして、この溝部29にあっては、その内部に釣糸Lの先端側を通し、該釣糸Lを外側に引き出すと共に、その縁29eに釣糸Lを引っ掛ける(図11参照)。これにより、フランジ部22の周方向長さを基準にして(ここでは、フランジ部22の周方向長さの1/2単位で)、釣糸Lを外側に引き出すことが可能とされる。
【0031】
また、前側のフランジ部22Fにおける外側(前側)の側面22cには、係合溝30が形成されている。係合溝30は、糸止め部材40と周方向に係合するためのものである。この係合溝30は、側面22cの径方向内側において周方向に沿う4等配の位置に形成されている。
【0032】
図5に示すように、糸止め部材40は、円板状の本体部41と、フランジ部22Fの側面22cに当接する当接部47と、を含んで構成されている。また、糸止め部材40は、図8に示すように、本体部41の後面41bに設けられた円筒部42を含んで構成されている。
【0033】
図5に戻り、本体部41の前面の一部には、釣糸Lに関する情報、商品名、使用説明等の様々な文字や図形等を表示する表示部44が設けられている。ここでは、表示部44として、ラベルが接着剤等で貼付されている。
【0034】
当接部47は、板状を呈しており、本体部41の外縁部に連続し、且つ本体部41よりも径方向外側に突出するように設けられている。この当接部47は、周方向に沿う4等配の位置に設けられている。また、当接部47には、フランジ部22Fの係合溝30(図9参照)と係合するためのものとして、後側に突出する係合凸部48が設けられている。図7に示すように、当接部47の後面(当接する側の面)には、径方向に沿って延在し且つ後方に凸の凸条49が複数形成されている(図11参照)。
【0035】
図8に示すように、円筒部42の後端部には、胴部21の係止溝25に係止するものとして、径方向外側に突出する鉤状の係止爪45が設けられている。この係止爪45は、周方向に沿う4等配の位置に形成されている。
【0036】
この糸止め部材40は、その円筒部42が胴部21の小径部24(図9参照)に内挿され、その係止爪45が小径部24の係止溝25に係止される。そして、図5に示すように、フランジ部22Fの係合溝30に係合凸部48が係合されている。これらにより、糸止め部材40は、本体20に対して周方向に位置決めされると共に、胴部21に対して着脱可能に取り付けられる。そして、図7に示すように、当接部47の凸条49が、フランジ部22Fの側面22cに当接されることになる。
【0037】
ここで、本実施形態のスプール10では、上述したように、胴部21の大径部23に貫通孔35が形成されている。
【0038】
図10は、図9のX−X線に沿っての断面拡大図である。図10に示すように、貫通孔35は、上記貫通孔4と同様な構成を有している。すなわち、貫通孔35は、断面円形状を呈し、大径部23の外周面23a及び内周面23bを貫通するように径方向に沿って延在している。そして、この貫通孔35は、胴部21において軸線方向の一端側の位置に形成されている。また、貫通孔35の内径は、釣糸Lの線径よりも大きいものとされている。
【0039】
このスプール10にて釣糸Lを巻回する場合、上記スプール1と同様に、まず、釣糸Lの巻始め端部Laを貫通孔35に挿通する。このとき、釣糸Lの巻始め端部Laを、貫通孔35から径方向内側に所定長さだけ導出させる。
【0040】
続いて、外周面23aの軸線方向の一端側から他端側に向けて順次に釣糸Lを巻回する。そして、この釣糸Lの巻回を複数回繰り返す。その後、外周面23aの軸線方向の他端側にて釣糸Lを切断する。これにより、図23に示すように、釣糸Lの巻回が完了することとなる。
【0041】
従って、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果、すなわち、巻始め端部La側から釣糸Lを誤って引き出してしまうのを防止できるという効果を奏する。
【0042】
さらに、本実施形態では、上述したように、糸止め部材40が胴部21に取り付けられている。よって、釣糸Lの巻始め端部Laが貫通孔35から大径部23の筒孔内に導出され露出されても、その巻始め端部Laを糸止め部材40でもって筒孔内に収納することができる。つまり、巻始め端部Laが散在するのを防止することが可能となる。
【0043】
なお、このスプール10にて釣糸Lの糸止めを行う場合、以下の動作が実行される。
【0044】
すなわち、図11に示すように、まず、本体20の外周面23aに巻回された釣糸Lの先端側(巻終わり端部Lb側)を、溝部29内に通して外部に引き出す。これに併せて、溝部29の縁29eに釣糸Lを引っ掛けることで、釣糸Lにテンション(張力)を与え、釣糸Lを張った状態とする。このとき、引き出された釣糸Lの長さ(以下、「引出し長さ」という)を所望な長さとすべく、一対の溝部29,29のうちの一方が適宜選択されると共に、引き出し長さがフランジ部22Fの周方向長さの1/2単位で調整される。
【0045】
続いて、この状態で、フランジ部22Fの側面22cと糸止め部材40における当接部47の凸条49との間に、引き出した釣糸Lを進入させる。これにより、側面22cと凸条49との間でもって、釣糸Lが挟み込まれて掛止される。つまり、糸止め部材40と本体20との圧着、及び当接部47の剛性によって、凸条49が釣糸Lを側面22cに付勢することとなる。その結果、釣糸Lが確実に係止される。
【0046】
従って、本実施形態によれば、釣糸Lを係止するに際し釣糸Lを屈曲させる必要が無く、よって、釣糸Lの表面に凹凸が形成されたり、釣糸Lに係止痕が残ったり、糸撚れが生じたりするのを防止することができる。その結果、釣糸Lを傷つけずに確実に係止することが可能となる。ひいては、釣糸Lの取扱い性を向上できると共に、水中に投入された釣糸Lの「あたり」(魚信)に対する感度が高められる。
【0047】
また、本実施形態では、上述したように、糸止め部材40が、胴部21の大径部23に着脱可能に取り付けられている。よって、糸止め部材40を胴部21に着脱可能に取り付けるだけで釣糸Lが係止可能となり、釣糸Lを簡易に係止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上述したように、当接部47の後面47bには、凸条49が複数設けられている。そして、糸止め部材40は、この凸条49とフランジ部22Fの側面22cとの間で釣糸Lを係止する。よって、釣糸Lを係止する際、釣糸Lに対する当接部47の接触領域が低減するため、釣糸Lが傷つくのを一層抑制できる。これと共に、釣糸Lに対する当接部47の摩擦係数が増加するため、釣糸Lを確実に係止することができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
例えば、上記第2実施形態では、引き出された釣糸Lを係止するために糸止め部材40を備えているが、場合によっては、糸止め部材40は無くてもよい。また、フランジ部22に溝部29を形成したが、場合によっては、この溝部29は無くてもよい。
【0051】
なお、貫通孔から径方向内側に導出された巻始め端部Laの所定長さは、釣糸Lの種類、材質又は太さ等に応じて設定されるものであり、要は、釣糸Lが貫通孔4から抜け出るのを抑制できるよう設定されればよい。かかる所定長さは、巻回完了後に巻始め端部Laを切断することで調整してもよい。また、導出した巻始め端部Laをテープ等でスプールに固定する場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスプールを示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての断面図である。
【図3】図1のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【図4】従来のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るスプールを示す斜視図である。
【図6】図5のスプールの正面図である。
【図7】図5のスプールの平面図である。
【図8】図5のスプールの背面図である。
【図9】図5のスプールにおける本体の前側を示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線に沿っての断面拡大図である。
【図11】図5のスプールにおいて釣糸を巻回する場合を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
1,10…スプール、2,21…胴部、2a,23a…外周面、3,3F,22,22F…フランジ部、4,35貫通孔、L…釣糸、La…巻始め端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、を備え、前記胴部の前記外周面に釣糸が巻回されるスプールであって、
前記胴部には、前記釣糸の巻き始めの一端部を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とするスプール。
【請求項2】
前記釣糸の巻き始めの前記一端部は、前記貫通孔から径方向内側に所定長さだけ導出されることを特徴とする請求項1記載のスプール。
【請求項1】
筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向の端部に設けられたフランジ部と、を備え、前記胴部の前記外周面に釣糸が巻回されるスプールであって、
前記胴部には、前記釣糸の巻き始めの一端部を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とするスプール。
【請求項2】
前記釣糸の巻き始めの前記一端部は、前記貫通孔から径方向内側に所定長さだけ導出されることを特徴とする請求項1記載のスプール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−278903(P2009−278903A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133465(P2008−133465)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]