スペックルパターンを使用した処方箋認証
本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される、処方箋(102)などの医薬品権利トークンの真正性を検証するためのシステム(100)に関する。システムは、少なくとも1つのトークンプロバイダ端末装置(106)、システムサーバ(120)、および検証端末装置(130)を接続するネットワーク(104)を含む。トークンプロバイダ端末装置106は、サーバシステム(120)によって格納されることが可能な医薬品権利トークンから引き出されたスペックルパターンから、シグネチャを提供するように動作可能である。次に、検証端末装置(130)が、医薬品権利トークンを、格納されたシグネチャと比較することにより、医薬品権利トークンの真正性を検証するために、シグネチャを再作成するように遠隔で操作されることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処方箋認証に関する。詳細には、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療システムにおいて、患者が、患者の疾患を治療するのに必要とされる様々な薬剤に関する処方箋を得るために、医者を訪問することが、一般的である。しばしば、処方箋は、医者が、患者と関係する情報(例えば、名前、アドレス、既存のアレルギーなどの個人情報)、および薬剤と関係する情報(例えば、薬剤/医薬品タイプ、投与量、投与計画など)を追加することによって処方され、検証目的で、医者による署名も行われる紙の文書の形態をとる。
【0003】
医者による診断、およびそれに続く処方の後に、有効な処方箋を得た後、患者は、その処方箋を、1つまたは複数の処方された薬剤と交換するために、その処方箋を、医者の診療所から薬局、または他の調剤室に持って行くことを要求される可能性がある。そのような薬局は、医者の診療所から遠隔であるロケーションに位置している可能性があり、したがって、処方箋の提示は、その処方箋が作成されてから相当な時間が経って、初めて行われることが可能であることを意味する可能性がある。作成から提示までの間の期間中、処方箋は、不正操作される、または規制された薬剤を詐欺的に入手するために、置き換えられる可能性がある。これは、特に、詐欺師が、真性の処方箋用紙へのアクセスを有する場合、改変する、または偽造することが相当に容易である、紙ベースの処方箋に関する特別な問題である。
【0004】
患者[3〜6]を識別するのに使用されるセキュリティ態様を組み込む様々な調剤デバイスおよび調剤システムを含め、医薬品[1〜6]を調剤するための処方箋の準備および管理を支援するための、様々なデバイスおよびシステムが、知られている。
【0005】
いくつかの処方箋管理システムは、スマートカードなどの電子デバイスの使用に依拠して、調剤されるべき薬剤[3〜5]のタイプおよび量と関係する情報を薬剤師に伝える。スマートカードは、ある本来的なセキュリティレベルをもたらすことができるため、スマートカードを使用して薬剤へのアクセスを規制することは、スマートカードの保持者が、処方箋情報を容易に改変できることなしに、その情報をセキュアに書くことを可能にするので、処方医薬品への詐欺的なアクセスを防止するのに役立つ可能性がある。
【0006】
しかし、スマートカードシステムは、いくつかの点で、従来の紙ベースの処方システムよりセキュアである可能性があるものの、紙ベースの処方システムは、依然として、いたるところに存在する。したがって、スマートカードベースのシステムが、広く一般に採用されるとすれば、既存の処方箋作成-管理システムの大規模な置き換えが、要求される。このことは、新たな資本設備への大きい投資を要求し、医者が、新たな業務慣行(例えば、電子シグネチャを使用して、スマートカードの中に保持される処方箋データを認証することによる)を採用することを要求する。このため、スマートカードベースのシステムの一般的な採用の見通しは、現在、実際的ではない、または費用対効果が大きくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のタイプの処方箋を使用して、医療品へのアクセスを規制し、管理するための改良されたセキュリティスキームの必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムが、提供される。システムは、ネットワークに動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するためのネットワークと、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合されたトークンプロバイダ端末装置とを含み、トークンプロバイダ端末装置は、第1ロケーションで処方された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能である。様々な実施形態において、医薬品権利トークンは、紙の上に印刷された処方箋を含む。
【0009】
また、システムは、ネットワークに動作上、結合されたシステムサーバも含み、システムサーバは、1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置からネットワークを介して伝送される複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、システムサーバは、ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能である。
【0010】
さらに、システムは、ネットワークに動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供される検証端末装置を含む。検証端末装置は、提示された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャを、ネットワークを介してシステムサーバに伝送することと、ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、その応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である。
【0011】
システムは、医薬品権利トークンの本質的な物理特性に依拠して、作成された各トークンに関して一意のシグネチャを生成する。そうすることは、医薬品権利トークン自体を、偽造するのを非常に困難にし、また、置き換えの医薬品権利トークンが、例えば、本物の処方箋用紙を使用して作成されている場合でさえ、そのようなトークンを棄却することにおいて堅牢なシステムも提供する。さらに、ネットワークを介して伝送されるシグネチャは、患者と関係する詳細をまったく含む必要がなく、そのため、システムによって格納されるシグネチャデータが、プライバシー中立にされることが可能であり、したがって、シグネチャデータが、傍受された、または複製された場合でさえ、そのことが、患者機密保持を危うくすることがない。
【0012】
本発明の第2態様によれば、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法が、提供される。前記方法は、第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方することと、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成することと、前記シグネチャをシステムサーバに伝送することと、前記シグネチャをシステムサーバにおいて格納することと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから、提示された医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく、第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャをシステムサーバに伝送することと、第2シグネチャが、サーバシステムによって格納された、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別することと、第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成することと、前記応答メッセージを第2ロケーションに伝送することと、および応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが、真性であると検証することとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、処方箋102などの医薬品権利トークンの真正性を検証するためのシステム100を示す。システム100は、ネットワーク104を介して一緒に動作上、接続された、トークンプロバイダ端末装置106と、システムサーバ120と、検証端末装置130とを含む。ネットワーク104は、例えば、任意の1つまたは複数の所望される伝送プロトコル(例えば、インターネット(TCP/IP)、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージング、ISDN(国際標準ダイヤル呼び出しネットワーク)など)に準拠して動作する、公衆に利用可能な専用の固定電話サービスもしくは移動電話サービス、プライベート遠隔通信リンクなどに基づくことが可能である。動作の際、ネットワーク104は、ネットワーク104が動作上、結合されたデバイス間で、1つまたは複数の通信チャネルを提供する。
【0014】
トークンプロバイダ端末装置106は、例えば、医者の診療所などの第1ロケーションにおいて提供される。トークンプロバイダ端末装置106は、トークンプロバイダ端末装置106のユーザが、処方箋102を処方することができるようにするユーザインターフェース140を提供するように動作可能なプロセッサ108を含む。ユーザインターフェース140は、ディスプレイデバイス142上でユーザに処方箋テンプレート(図示せず)を提示する。キーボード144やマウス146などの入力デバイスを使用して、ユーザは、ディスプレイデバイス142上に提示された処方箋テンプレートに記入することができる。例えば、医者は、患者の名前、年齢、およびアドレスなどの患者関連データ、ならびに患者に処方されるべき薬剤のタイプ、量、および投薬計画などの医薬品関連データを追加して、テンプレートに記入することができる。
【0015】
処方箋テンプレートが記入されると、プロセッサ108は、処方箋102を作成するのに必要なデータをフォーマットするように動作可能である。フォーマットされたデータは、印刷された患者関連データおよび医薬品関連データのために利用可能なスペースを有する、事前印刷された処方箋フォーム(場合により、診療所詳細、医者の名前、処方箋ID番号などが印刷されている)を完成させるのに使用されることが可能である。フォーマットされたデータは、プロセッサ108によって印刷デバイス122にスプールされ、デバイス122において、データは、紙上、または事前印刷された処方箋フォーム上に印刷されて、処方箋102が作成される。
【0016】
この実施形態では、印刷デバイス122は、リーダ装置110も含む。図9は、そのような印刷デバイス122の構成をさらに詳細に示す。
【0017】
リーダ装置110は、印刷前か印刷中か印刷後のいずれかで、処方箋102をコヒーレント放射で照射し、放射が、処方箋から散乱する際に生成されるスペックルパターンと関係するデータを獲得するように動作可能である。処方箋102を識別するスペックルパターン差別化の使用が、いずれの偽造者も、偽造を真性と識別するようにシステム100を騙すとすれば、スペックルパターンを再現する必要があるので、偽造することは非常に困難になる。
【0018】
スペックルパターンから獲得されるイメージは、例えば、CCD(電荷結合遅延)カメラを使用して得られる、スペックルパターンの2次元イメージに相当することが可能である。しかし、図示される実施形態では、獲得されたデータが、1つまたは複数のスペックルパターンのポイントサンプルとして獲得されたデータポイントセットを形成する、代替のデータ獲得スキームが、使用される。この後者の代替タイプのデータ獲得スキームを使用して動作するリーダ装置の様々な実施例が、図3ないし図10に関連して後段で説明され、これらの実施例は、認識が効果的であるのに、複雑なイメージ処理、または非常に正確なイメージ登録を必要としないので、有利である。
【0019】
プロセッサ108は、獲得されたデータから第1シグネチャを生成するように動作可能である。これを行うためのプロセスは、図13に関連して後段でより詳細に説明される。
【0020】
第1シグネチャが、生成されると、プロセッサ108は、そのシグネチャを、ネットワーク104を介してサーバシステム102に伝送することができる。システム100によって生成されたシグネチャは、処方箋102を形成する(例えば、紙の)基材の本来的な物理特性に依存し、処方箋102上に書かれた、いずれの情報にも、必ずしも依存しないので、ネットワーク104を介して伝送されるデータは、プライバシー中立であり、例えば、シグネチャデータ単独では、患者、または調剤されるべき医薬品に関する情報を明らかにしない。
【0021】
オプションとして、トークンプロバイダ端末装置106は、ネットワーク104を介して、処方箋102と関係する追加情報をサーバシステム120に提供するように動作可能である。例えば、ユーザインターフェース140において入力された情報が、シグネチャと一緒に、例えば、暗号化された形態で伝送されることも可能である。そのような情報は、患者匿名性である、例えば、薬剤タイプ、投与量、処方箋作成日付/時刻、処方箋有効期限の日付/時刻、ロケーション、患者の年齢、番号、既存の病状などであることが可能である。この情報は、システムサーバ120で、または他の場所で、匿名で使用されて、例えば、疫学的研究で使用するために、いくつかのタイプの薬剤の地理的調剤パターンを研究などのために、有用な医療統計が引き出されることが可能である。患者が、直接に、または間接的に識別可能である(例えば、患者番号の割り当てによって)別の実施例において、システムサーバ120が、自動的に使用されて、医療上の禁忌に関して処方箋が調べられ、いずれかの禁忌が見出された場合、トークンプロバイダ端末装置106に警報が発行されることも可能である。
【0022】
別のオプションの動作モードでは、トークンプロバイダ端末装置106が、識別トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成するように動作可能である。保持者識別シグネチャは、リーダ装置110を使用して、または第1ロケーションで提供される別のリーダデバイスによって生成されることが可能である。保持者識別シグネチャは、ネットワーク104を介してサーバシステム120に伝送されることが可能である。
【0023】
保持者識別シグネチャは、このケースでは、処方箋102が作成される患者であることが可能な、保持者に固有のトークンから生成されることが構想される。そのような保持者トークンには、例えば、パスポート、ID(身元証明)カード、医療保険カードなどが含まれることが可能である。これらのトークンは、処方箋が準備される第1ロケーションにおいて、医者によって走査され、処方箋102が提示された際に、再び走査されて、やはり、プライバシー中立な仕方でシグネチャのペアを使用して、患者/保持者トークンが処方箋にリンクされるようにすることが可能である。このモードは、薬剤の調剤などの利益を得るために、オリジナルの保持者トークンが、処方箋102と一緒に提示されることが、要件にされることが可能であるので、追加のセキュリティレベルを提供する。
【0024】
患者が、処方箋を与えられるために、ある形態の身元証明を医者に提示することを要求されることが可能な、オプションの動作モードにおいて、身元証明が必要とされるという事実そのものだけで、処方箋を現物に替えることを所望する人は誰でも、薬局において自身の身元証明を走査のために提示することを強いられる可能性があるので、詐欺を抑止するのに十分である可能性がある。提示された身元証明が、処方箋と合致しない場合、保持者は、保持者の身元証明が本物であった場合、保持者の身元証明を既に行っており、あるいは偽の身元証明を提示している。そのようなケースが、記録されることが可能である。身元証明が、写真身元証明である場合、そのようなシステム動作モードは、抑止力として特に効果的である。さらに、身元証明は、必ずしも、スペックル解析を使用して識別される必要はない(すなわち、処方箋と身元証明を識別する仕方は、同一の技術である必要はない)。例えば、身元証明は、単純なバーコードリーダを使用して調べられることも可能である。
【0025】
システムサーバ120は、ネットワーク104を介して1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置106から伝送される、複数のシグネチャを格納するように動作可能である。システムサーバ120は、シグネチャを格納し、管理するためのデータベース124を含む。この実施形態におけるデータベース124は、例えば、さらなるデータ保全性のために、Oracle(登録商標)データベースソフトウェアおよびRAID(redundant array of independent disks)ストレージデバイスによって提供されることが可能である。サーバシステム102は、ネットワーク104を介して受信された、追加情報、または保持者識別シグネチャを格納し、比較するようにも動作可能である。
【0026】
検証端末装置130が、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、ネットワーク104に動作上、結合される。また、検証端末装置130は、提示された医薬品権利トークンから、提示された処方箋をコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することにより、第2ロケーションにおいて提示された処方箋の真正性を検証するようにも動作可能である。シグネチャは、図3に示されるタイプのリーダ装置134を使用して、提示された処方箋を走査することによって得られたデータから、生成されるが、他のタイプのリーダ装置が、代わりに使用されてもよい。
【0027】
検証端末装置130は、検証プロセッサ132を含む。検証プロセッサ132は、1つまたは複数のスペックルパターンのポイントサンプルとして得られたデータポイントセットとして、リーダ装置134からデータを獲得する。十分なデータが獲得されると、検証プロセッサ132は、獲得されたデータから第2シグネチャを生成するように動作可能である。オプションとして、検証端末装置132は、処方箋102を提示する個人の身元を検証するために、第2シグネチャに加えて、保持者トークンから保持者識別シグネチャを生成するのに使用されることも可能である。これらのシグネチャを生成するためのプロセスは、図13に関連して後段でより詳細に説明される。
【0028】
第2シグネチャ、および、オプションとして、保持者識別シグネチャは、検証端末装置130によって、ネットワーク104を介してシステムサーバ120に伝送される。システムサーバ120は、伝送された第2シグネチャを、データベース124の中に格納されているシグネチャと比較するように動作可能である。第2シグネチャとデータベース124の中に格納されているシグネチャとの間に合致が存在しない場合、その処方箋102は、真性ではないものと見なされる。合致が存在する場合、その処方箋102は、真性であるものと見なされる。
【0029】
保持者識別シグネチャも伝送される場合、システムサーバ120は、保持者識別シグネチャを、データベース124の中に格納されている保持者識別シグネチャと比較するように動作可能である。保持者識別シグネチャとデータベースの中に格納されているシグネチャとの間で合致が存在しない場合、その処方箋の保持者は、その処方箋102を使用する権利がないものと見なされる。合致が存在する場合、場合により、第2ロケーションにおけるオペレータによる保持者トークンの視覚的検査を受けて、またはデータベース124の中に保持されている処方箋または患者情報を、提示された処方箋上の情報、または保持者の資格証明とクロスチェックすることにより、保持者は、処方箋102を使用する権利があるものと見なされることが可能である。
【0030】
シグネチャを照合して、シグネチャが、データベース124の中に格納されているシグネチャと合致するかどうかを判定するプロセスは、図14に関連して後段で詳細に説明する。
【0031】
システムサーバ120は、応答メッセージを生成し、その応答メッセージを、ネットワーク104を介して検証端末装置130に伝送するように動作可能である。応答メッセージの内容は、処方箋102が真性であるか否かを示し、オプションとして、保持者が、その処方箋102を使用する権利を有するかどうかを示す。メッセージの内容は、検証端末装置130のユーザに、ユーザが適切な措置、例えば、真性の処方箋を引き受けること、真性でない処方箋を取り消すまたは破棄すること、および、適宜、適切な法執行機関に通報することを行うように、提示されることが可能である。
【0032】
サーバシステム120は、処方箋を完全にまたは部分的に無効にするようにさらに動作可能である。例えば、処方箋が複数の医薬品の調剤と関係し、品目のすべてが入手可能ではない場合、薬剤師は、入手可能な品目を調剤し、検証端末装置130を使用して、対応する処方箋が部分的にだけ有効なままであることを、サーバシステム120に示すことができる。このようにして、処方箋が残りの品目に関して再び提示された際、サーバシステム120は、メッセージの中で、これから調剤されるべき品目だけを検証端末装置130に示すことができる。
【0033】
また、あるデータ(例えば、出所の医師、およびデータベースへの送信日付/時刻と関係するデータ)が、対応するシグネチャと一緒にデータベース124の中に格納されている場合、任意の指定された日付を超える処方箋をブロックするのが容易である。例えば、細菌感染に関する抗生物質処方箋が、処方箋が作成されて一週間以内に調剤されるように指示されることが可能であるのに対して、慢性症状、例えば、喘息に関する反復処方箋が、処方箋の作成から数カ月まで調剤されることが許されることが可能である。
【0034】
さらに、発行された処方箋と調剤された薬剤または医薬品との間で、1対1の対応が、決定されることが可能である。このことは、監査証跡を作成するためにデータベースの中に患者データを格納する必要がまったくないので、有用な情報を提供するが、プライバシー中立なままである仕方で生成されることが可能な監査証跡を提供する。
【0035】
検証端末装置130またはサーバシステム120は、第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するように動作可能である。例えば、検証端末装置130は、薬剤の供給があるレベルを下回ると、または在庫の薬剤がそれらの薬剤の使用日までに調剤されていない場合、薬剤師に通知することもできる。別の実施例では、サーバシステム120が、インベントリを追跡するのに使用されて、検証端末装置におけるリソースを解放することも可能である。そのようなサーバシステム120は、例えば、製薬会社によって、製品在庫レベル/調剤レベルなどの地理的分析を実行するのに使用されることが可能であり、この分析は、マーケティング目的で、または病気の動向/パターンを突き止めるのに使用されることが可能である。インベントリ追跡が使用される場合、検証端末装置130またはサーバシステム120は、インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、例えば、必要な場合、特定の薬剤納入業者からの薬剤をロットで注文することにより、補充在庫のために、ネットワークを介して、納入業者に自動的に発注を行うように、さらに動作可能である。
【0036】
プロセッサ108または検証プロセッサ132は、第1ロケーションまたは第2ロケーションにおいて提供される、適切に構成されたPC(パーソナルコンピュータ)の一部として提供されてもよい。このように1つまたは複数のPCを構成することにより、様々なリーダ装置をシステムに追加すること以外は、専用ハードウェアの提供を要求することなしに、既存の機器が使用されることが可能である。
【0037】
さらに、デジタル化されたシグネチャは、比較的少量のデータ(例えば、200ビットないし8キロビット)だけしか含まない可能性があるので、システムサーバ120における検証は、相当に迅速なプロセスである可能性がある。加えて、ネットワーク104によって提供される通信チャネルの帯域幅は、比較的低いことが可能である。例えば、56kのダイヤル呼び出しモデムが、トークンプロバイダ端末装置106または検証端末装置130によって、ネットワーク104に接続するのに使用されることが可能であり、第1ロケーションまたは第2ロケーションにおける安価な標準の機器の使用を可能にする。
【0038】
本発明に従って提供されるシステムにおいて使用するのに適した様々なデバイスは、いくつもの本出願人の同時係属特許出願[7〜14]においても説明される。
【0039】
図2は、処方箋の真正性を検証するための方法を示す。
【0040】
ステップD1で、方法は、第1ロケーションにおいて、処方箋102などの医薬品権利トークンを処方することを含む。医薬品権利トークンは、例えば、医者が、ユーザインターフェースを操作して、処方箋に記入するために処方箋情報を入力することにより、または医者が、手書きの処方箋を作成することにより、第1ロケーションにおいて処方されることが可能である。処方が行われるのに、第1ロケーションの外部のロケーションから提供される、外部で生成されるデータが存在する必要性は、まったくない。つまり、医薬品権利トークンを生成するのに必要とされるすべての処方ステップは、第1ロケーションだけで行われることが可能である。
【0041】
ステップD2で、第1シグネチャが、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて生成される。
【0042】
ステップD3で、第1シグネチャがシステムサーバに伝送される。
【0043】
ステップD4で、シグネチャがシステムサーバにおいて格納される。
【0044】
ステップD5で、第2シグネチャが第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから生成される。第2シグネチャは、提示された医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく。
【0045】
ステップD6で、第2シグネチャがシステムサーバに伝送される。
【0046】
ステップD7で、第2シグネチャがサーバシステムによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップが、実行される。
【0047】
ステップD8で、第2シグネチャが格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージが、生成される。
【0048】
ステップD9で、応答メッセージが第2ロケーションに伝送される。
【0049】
ステップD10で、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが真性であることを検証するステップが実行され、応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す。
【0050】
方法ステップD1ないしD10は、図1に示されるシステム100によって実施されることが可能である。例えば、ステップD1ないしD3は、図1に示されるトークンプロバイダ端末装置106によって実行されることが可能であり、ステップD4、D7、D8、およびD9は、システムサーバ120によって実行されることが可能であり、ステップD5、D6、およびD10は、検証端末装置130によって実行されることが可能である。
【0051】
図3は、リーダ装置134の第1実施例を示す。光学リーダ装置134は、例えば、装置の読み取りボリューム内に配置された、印刷された処方箋(図示せず)などの、トークンからのシグネチャを測定することを目的とする。読み取りボリュームは、筐体12におけるスリットである読み取りアパーチャ10によって形成される。筐体12は、装置の主な光学構成要素を含む。スリットは、x方向でより大きい長さを有する(図面における挿入軸を参照)。
【0052】
主要な光学構成要素は、コヒーレントレーザ光線15を生成するためのレーザソース14、および、16a、16b、16c、および16dというラベルが付けられた、この実施例では、k=4である、複数のk個の光検出器要素からなる検出器構成16である。レーザ光線15は、y方向(図面の平面に垂直な)に広がり、読み取りアパーチャの平面に位置する細長い焦点に、円柱レンズ18によって集束させられる。1つの例示的なリーダにおいて、細長い焦点は、約2mmの長軸寸法と、約40マイクロメートルの短軸寸法とを有する。これらの光学構成要素は、サブアセンブリ20内に含まれる。
【0053】
この実施例では、4つの検出器要素16a〜16dは、光線軸に対して様々な角度をなして交互配置で光線軸のいずれの側にも配置されて、読み取りボリューム内に存在するトークンから反射散乱させられた光を収集する。この実施例では、オフセット角は、-70度、-20度、+30度、および+50度である。光線軸のいずれの側でも、これらの角度は、光学構成要素が収集するデータポイントが、可能な限り独立であるように、等しくならないように選択される。4つすべての検出器要素は、共通の平面に配置される。光検出器要素16a〜16dは、コヒーレント光線が、読み取りボリュームから散乱される際に、筐体上に置かれているトークンから散乱された光を検出する。図示されるとおり、ソースは、レーザ光線15の光線軸が、z方向にあり、したがって、レーザ光線16が、垂直入射で読み取りアパーチャ内のトークンに当たるように、レーザ光線15を向けるように取り付けられる。
【0054】
一般に、焦点深度は、z方向におけるトークン位置付けの違いが、読み取りアパーチャの平面における光線のサイズの大きな変化をもたらさないように、大きいことが望ましい。この実施例では、焦点深度は、スキャナに対するトークンの位置が、ある程度、制御されることが可能な、良好な結果をもたらすのに十分なだけ大きい、約0.5mmである。焦点深度、開口数、および作動距離というパラメータは、互いに依存し、スポットサイズと焦点深度との間の、よく知られたトレードオフをもたらす。
【0055】
駆動モータ22が、矢印26で示されるとおり、適切なベアリング24またはその他の手段を介して、光学サブアセンブリ20の直線の動きをもたらすために、筐体12内に配置される。このため、駆動モータ22は、読み取りアパーチャ10にわたるx軸方向でコヒーレント光線を直線的に動かす役割をして、光線15が、細長い焦点の長軸と交差する方向で走査させられるようにする。コヒーレント光線15は、光線15の焦点において、前記コヒーレント光線と垂直な平面、すなわち、読み取りアパーチャが設けられている筐体の壁の平面における読み取りボリュームの投影よりはるかに小さい、xz平面(図面の平面)における断面を有するようなサイズにされるので、駆動モータ22の走査は、コヒーレント光線15に、駆動モータ22の作用の下で、読み取りボリュームの多数の異なる部分をサンプリングさせる。
【0056】
図4は、このサンプリングを例示するように含められ、読み取り領域が、その領域にわたって細長い光線を走査させることにより、どのようにn回サンプリングされるかを示す概略透視図である。集束させられたレーザ光線が、駆動の作用の下で、読み取りアパーチャに沿って走査させられるにつれての、レーザ光線のサンプリング位置が、長さ「l」、幅「w」の領域をサンプリングする、1からnまで番号が付けられた隣接する長方形によって表される。データ収集は、ドライブがスリットに沿って走査させられるにつれ、n個の位置の各位置において信号を収集するように行われる。したがって、読み取りボリュームの、図示されるn個の異なる部分からの散乱と関係するk×n個のデータポイントのシーケンスが収集される。
【0057】
概略で示されるのもまた、x方向、すなわち、走査方向に沿って、スリット10に隣接して、筐体12の下面に形成されたオプションの距離マーク28である。x方向におけるこれらのマーク間の例示的な間隔は、300マイクロメートルである。これらのマークは、細長い焦点の末端によってサンプリングされ、後段でさらに詳細に説明するとおり、x方向におけるデータの線形化を、そのような線形化が要求される場合に提供する。測定は、スリットに隣接したマーク28の領域から光を収集するように構成された方向性検出器である、さらなるフォトトランジスタ19によって実行される。
【0058】
代替の実施例において、マーク28は、光学サブアセンブリ20の一部である専用の符号器エミッタ/検出器モジュール19によって読み取られることが可能である。符号器エミッタ/検出器モジュールは、バーコードリーダにおいて使用される。一実施例では、集束LED(発光ダイオード)および光検出器に基づくAgilent HEDS-1500モジュールが使用されることが可能である。モジュール信号は、追加の検出器チャネルとしてPIC ADCに送り込まれる(後段の図5の説明を参照)。
【0059】
40マイクロメートルという焦点の例示的な小さい方のサイズ、および2cmというx方向における走査長で、n=500であり、k=4で2000のデータポイントが与えられる。k×nに関する値の通常の範囲は、所望されるセキュリティレベル、トークンタイプ、検出器チャネルの数「k」、およびその他の要因に依存して、100<k×n<10000であるものと見込まれる。また、検出器kの数を増やすことにより、扱い、印刷などを介したトークンの表面劣化に対する、測定値の影響されにくさを向上させることも分かっている。実際、今日まで使用された試作品で、経験則は、多種多様な表面に関して、まずまず高いセキュリティレベルをもたらすのに、独立したデータポイントの合計数、すなわち、k×nが、500以上でなければならないことである。スキャナが、1つの特定の表面タイプ、または1つの表面タイプグループだけに対して使用されることが意図される場合、他の最小値(より高い、またはより低い)が、適用されることも可能である。
【0060】
図5は、図3のリーダ装置134の機能構成要素の概略ブロック図である。モータ22が、電気的リンク23を介してPIC(プログラマブル割り込みコントローラ)30に接続される。検出器モジュール16の検出器16a〜16dが、それぞれの電気接続線17a〜17dを介して、PIC30の一部であるADC(アナログ-デジタル変換器)に接続される。同様の電気接続線21が、マーカ読み取り検出器19をPIC30に接続する。光リンクまたは無線リンクが、電気的リンクの代わりに、または電気的リンクと組合せで使用されてもよいことを理解されたい。PIC30は、データ接続32を介してプロセッサ34とインターフェースをとる。
【0061】
前述したシステム100において、プロセッサ34および検証プロセッサ132によって提供される機能は、しかるべくプログラミングされた同一の電子デバイスによって提供されることが可能である。プロセッサ34は、例えば、デスクトップコンピュータシステムまたはラップトップコンピュータシステムの一部であることが可能である。代替として、他のインテリジェントデバイス、例えば、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)または専用の電子ユニットが使用されてもよい。PIC30とプロセッサ34は、検出器16a〜16dによって収集されたデータポイントセットから、トークンのシグネチャを特定するためのデータ獲得-処理モジュール36を共同で形成する。
【0062】
一部の実施例において、プロセッサ34は、ネットワーク104を介して提供される光学ネットワークインターフェース接続38を介して、システムサーバデータベース124にアクセスを有することが可能である。ネットワーク104を介した、そのようなアクセスは、例えば、移動電話サービス、あるいはインターネットと組み合わせた無線LAN(ローカルエリアネットワーク)を使用する、無線通信によることが可能である。
【0063】
図6は、リーダ装置134の透視図であり、リーダ装置134の外形を示す。筐体12およびスリット形状の読み取りアパーチャ10が、見て取れる。また、物理的ロケーション補助42もはっきり見え、所与の形状のトークンを、読み取りアパーチャ10に対するある固定位置に位置付けるために提供される。この実施例では、物理的ロケーション補助42は、処方箋文書などのトークンの隅が位置付けられることが可能な直角ブラケットの形状である。そのような補助42は、トークンが走査される必要がある場合にはいつでも、トークンの同一の部分が読み取りアパーチャ10内に位置付けられることが可能であることを確実にする。単純な角ブラケットまたは均等物で、紙、パスポート、IDカードなどの、明確な隅を有するトークンには、十分である。しかし、他の形状の位置ガイドが提供されて、円形のトークンまたは曲面を有するトークンなどの様々な形状のトークンを受け入れることも可能である。1つのサイズおよび形状だけのトークンが走査されるべき場合、そのトークンを受けるためのスロットが設けられることが可能である。
【0064】
図7は、トークン位置付けが一貫していることを確実にする文書フィーダが提供される、リーダ装置の代替の物理的構成を示す。この実施例では、トークン供給トレー61が取り付けられた筐体60が、提供される。トレー61は、リーダによる走査のために1つまたは複数のトークン62を保持することができる。モータが、前述したとおり、供給ローラ64を駆動して、デバイスの中を通り、光学サブアセンブリ20の走査アパーチャの横断するようにトークン62を運ぶことができる。このため、トークン62は、光学サブアセンブリとトークンとの間の相対的な動きが、トークンの動きによってもたられるような仕方で、前述したように光学サブアセンブリ20によって走査されることが可能である。
【0065】
そのようなリーダ装置を使用して、走査されるアイテムの動きは、十分な線形性を有するモータを使用して制御されることが可能であり、したがって、距離マークおよび線形化処理の使用は、不必要である可能性がある。リーダ装置は、文書スキャナ、写真複写機、または文書管理システムのための任意の従来のフォーマットに従うことが可能である。例えば、そのようなリーダ装置は、単独シート、両面トークンなどを扱うことともに、またはそうする代わりに、ラインフィードシート(例えば、ミシン目の継ぎ目で複数のシートが一緒につなげられている)を扱うように構成されてもよい。
【0066】
このように、以上、自動化されたフィーダタイプのデバイスにおいてトークンを走査するのに適したリーダ装置を説明してきた。供給構成の物理的構成に依存して、デバイスは、単独シートの材料、つながったシートの材料、あるいは例えば、紙またはプラスチックなどの異なる材料でできたトークンの1つまたは複数を走査することができることが可能である。
【0067】
図8は、リーダ装置のさらなる代替の物理的構成を示す。この実施例では、トークンは、ユーザによってリーダ装置を通るように動かされる。図8Aに示されるとおり、リーダ筐体70が、走査のためにトークンを挿入するためのスロット71を備えることが可能である。光学サブアセンブリ20が、そのスロットを通過させられるトークン62を走査することができるように、スロット71内に向けられた走査アパーチャを備えることが可能である。さらに、ガイド要素72が、スロット71内に備えられて、光学サブアセンブリ20から正しい焦点距離にトークンを導くのを助け、かつ/またはスロットの中をトークンが一定の速度で通過することをもたらすことが可能である。
【0068】
図8Bに示されるとおり、リーダ装置は、矢印によって示されるとおり、筐体70の中を長軸方向のスロットに沿って動かされる際に、トークンを走査するように構成されることが可能である。代替として、図8Cに示されるとおり、リーダは、矢印によって示されるとおり、リーダ筐体70内に入り込むスロットの中に挿入される、またはそこから出される際に、トークンを走査するように構成されてもよい。このタイプのデバイスは、カード、プラスチックシート、または金属シートなどの、少なくとも部分的に剛性であるトークンを走査するのに特に適していることが可能である。
【0069】
図9は、印刷デバイス122に組み込まれたリーダ装置110の概略図を示す。リーダ装置は、前述したタイプの光学サブアセンブリ20を組み込むことができる。プリンタ122は、光学サブアセンブリや、関連するエレクトロニクスなどの、リーダ装置110を形成する構成要素を含むこと以外は、従来どおりであることが可能である。
【0070】
紙供給機構を概略で示すのに、最終ローラペア109だけが、図示される。紙供給機構は、さらなるローラ、および他の機械部品を含むと認識されよう。試作品の実施例では、リーダ装置110の一部を形成するスキャンヘッドは、便宜上、図示されるとおり、最終ローラペアの直後に取り付けられている。スキャンヘッドは、紙の供給パスに沿った多くの異なる位置に取り付けられることが可能であると認識されよう。さらに、例示は、レーザプリンタであるが、任意の種類の印刷デバイスが使用されることが可能であると認識されよう。インクジェットプリンタ、感熱プリンタ、またはドットマトリックスプリンタなどの他のタイプのプリンタとともに、印刷デバイスは、例えば、ネットワーク化された写真複写機などの従来プリンタと見なされていない他の任意の種類の印刷デバイスであることも可能である。
【0071】
このように、以上、トークンを印刷することおよび走査することに適した装置の実施例を説明してきた。このため、トークンは、トークンが作成から走査までの間に改変される可能性を回避するように、作成中に走査されることが可能である。また、走査ユニットをプリンタに追加することの増大する費用は、専用の走査デバイスの費用より低いことが可能であるので、この構成は、そのようなデバイスを所有するより低い費用を可能にする可能性もある。
【0072】
前述の実施例は、小さい断面のコヒーレント光線を使用した局所的励起を、励起の局所領域を含むはるかに大きい領域にわたって散乱する光信号を受け入れる検出器と組み合わせることに基づく。はるかに大きい領域の励起との組合せで、局所的領域からだけの光を収集する方向性検出器に代わりに基づく、機能的に均等の光学系を設計することも可能である。
【0073】
図10Aは、方向性光収集と、コヒーレント光線を使用した全面的照明とに基づくリーダ装置のための、代替イメージング構成を概略で示す側面図である。アレイ検出器48が、円柱マイクロレンズアレイ46と組合せで配置され、したがって、検出器アレイ48の隣接するストリップは、読み取りボリュームにおける、対応する隣接するストリップからの光だけを収集する。図4を参照すると、各円柱マイクロレンズが、n個のサンプリングストリップの1つから光信号を収集するように配置される。すると、コヒーレント照明は、読み取りボリューム(図示せず)全体の全面的な照明で行われることが可能である。
【0074】
また、局所的励起と局所的検出の組合せを有する混成システムも、一部のケースにおいて有用である可能性がある。
【0075】
図10Bは、方向性検出器が、細長い光線を使用した局所的照明と組合せで使用されるリーダ装置に関する、さらなる代替イメージング構成の光学フットプリントを概略で示す平面図である。この実施例は、方向性検出器が提供される図3の実施例の発展形態と考えることができる。
【0076】
この実施例では、方向性検出器の3つのバンクが提供され、各バンクは、「l×w」励起ストリップに沿った異なる部分からの光を収集することを目標にする。読み取りボリュームの平面からの収集領域が、点線の円で示されており、したがって、第1検出器バンク、例えば、2は、励起ストリップの上側部分からの光信号を収集し、第2検出器バンクは、励起ストリップの中央部分からの光を収集し、第3の検出器バンクは、励起ストリップの下側部分からの光信号を収集する。各検出器バンクは、約l/mの直径の円形収集領域を有するように示される。ただし、mは、励起ストリップの下位区分の数であり、この実施例において、m=3である。このようにして、独立したデータポイントの数が、所与の走査長lに関して、m倍に増加されることが可能である。後段でさらに説明するとおり、異なる方向性検出器バンクの1つまたは複数が、スペックルパターンをサンプリングする光信号を収集すること以外の目的で使用されることが可能である。例えば、バンクの1つを使用して、バーコード走査のために最適化された仕方で光信号が収集されてもよい。これが該当する場合、コントラストだけに関して走査している際、相互相関を得ることに利点はまったく存在しないので、そのバンクは、1つだけの検出器を含むことで、一般に、十分である。
【0077】
図11は、約0.5×0.2mmの領域に及ぶイメージを有する紙表面の顕微鏡イメージである。この図は、紙などからの巨視的に平坦な表面が微視的なスケールにおいて多くの場合に、非常に構造化されていることを例示するために、含められている。紙の場合、表面は、紙を構成する木繊維または他の繊維の互いに絡み合う網目の結果、微視的に非常に構造化されている。
【0078】
また、この図は、およそ10ミクロンである木繊維に関する特徴的な長さスケールも例示する。この寸法は、回折を生じさせ、したがって、スペックルを生じさせ、さらに、繊維の向きに依存するプロファイルを有する散漫散乱も生じさせる、この実施例のコヒーレント光線の光波長に対する正しい関係を有する。このため、リーダが、特定のクラスのトークンのために設計されるべき場合、レーザの波長は、走査されるべきクラスのトークンの構造特徴サイズに合わせられることが可能であると認識されよう。
【0079】
また、この図から、各紙の局所表面構造は、個々の木繊維がどのように並んでいるかに、その構造が依存するという点で、一意であることが明白である。このため、紙は、自然の法則によって支配されるプロセスによって作られている結果、一意である構造を有するという点で、特別に作成されたトークンとまったく異ならない。同じことは、他の多くのタイプのトークンにも当てはまる。
【0080】
つまり、様々な日常的なトークンから、一意の特性が、単純明快な仕方で測定可能である時に、特別に加工されたトークンを作成する労力および費用を引き受けるのは、基本的に無意味である。次に、トークンの表面(または、透過の場合、内部)の自然な構造を利用する散乱信号のデータ収集および数値処理を説明する。
【0081】
以上、様々なリーダ装置の主要な構造的構成要素、および機能的構成要素を説明したので、次に、シグネチャを特定するのに使用される数値処理について説明する。この数値処理は、様々な実施形態においてPICに従属させられた、いくつかの要素を有する、プロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムにおいて、大部分、実施されることが可能であることが理解されよう。代替の実施例では、数値処理は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの様々な組合せで実施される専用の数値処理デバイスまたは数値処理デバイス群によって実行されることが可能である。
【0082】
図12Aは、図3のリーダ装置の単一の光検出器16a〜16dからの生のデータを示す。グラフは、ポイント数n(図4参照)に対する信号強度Iをa.u.(任意の単位)でプロットする。I=0〜250の間で変動する高い方のトレースは、光検出器16aからの生の信号データである。低い方のトレースは、およそI=50における、マーカ28(図4参照)からピックアップされた符号器信号である。
【0083】
図12Bは、符号器信号で線形化された後の図12Aの光検出器データを示す(x軸は、図12Aとは異なるスケール上にあるものの、このことは重要ではないことに注意されたい)。前述したとおり、スキャナに対するトークンの動きが十分に線形である場合、アラインメントマークに対する線形化を利用する必要はまったくない可能性がある。さらに、強度の平均が計算され、強度値から引かれている。このため、処理されたデータ値は、0を挟んで上下に変動する。
【0084】
図12Cは、デジタル化の後の図12Bのデータを示す。採用されるデジタル化スキームは、あらゆる正の強度値がa.u.1に設定され、あらゆる負の強度値がa.u.0に設定される単純なバイナリスキームである。代わりに、多状態デジタル化、または他の多くのデジタル化アプローチの任意のアプローチが使用されることも可能であると認識されよう。デジタル化の最も重要な特徴は、単に、同一のデジタル化スキームが一貫して適用されることである。
【0085】
図13は、シグネチャがトークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンから、どのように生成されるかを示す流れ図である。
【0086】
ステップS1は、光検出器のそれぞれにおける光強度が、走査の全時間中、およそ1ミリ秒ごとに獲得される、データ獲得ステップである。同時に、符号器信号が、時間に応じて獲得される。走査モータが高い度合いの線形化精度を有する場合(ステップモータの場合のように)、データの線形化は、要求されない可能性があることに留意されたい。データは、ADC31からのデータを取り込んでPIC30によって獲得される。データポイントは、PIC30からプロセッサ34にリアルタイムで転送される。代替として、データポイントは、PIC30内部のメモリの中に格納され、その後、走査の終了時にプロセッサ34に送られることも可能である。各回の走査において収集される検出器チャネル当たりのデータポイントの数nは、以下においてNと定義される。さらに、値ak(i)が光検出器kからの格納された第i番の強度値と定義される。ただし、iは、1からNまでに及ぶ。そのような走査から得られた2つの生のデータセットの例が、図12Aに示される。
【0087】
ステップS2は、数値補間を使用して、ak(i)の拡大および縮小を局所的に行って、符号器遷移が、時間的に均等に離隔しているようにする。これにより、モータ速度の局所的変動が補正される。このステップは、プロセッサ34においてコンピュータプログラムによって実行されることが可能である。
【0088】
ステップS3は、オプションのステップである。実行された場合、このステップは、時間に関してデータを数値的に差別化する。また、弱い平滑化関数をデータに適用することも望ましい可能性がある。差別化は、信号からの互いに関係していない寄与を、互いに関係する(スペックル)寄与に比べて弱める役割をするので、非常に構造化された表面に関して役立つ可能性がある。
【0089】
ステップS4は、各光検出器に関して、N個のデータポイントにわたる記録された信号の平均値がとられるステップである。各光検出器に関して、この平均値が、データポイントのすべてから引かれて、データが、0の強度を中心に分布しているようにする。線形化が行われ、計算された平均値が引かれた後の走査データセットの例を示す、図12Bを参照する。
【0090】
ステップS5は、アナログの光検出器データをデジタル化して、走査を表すデジタルシグネチャを計算する。デジタルシグネチャは、次の規則を適用することによって得られる。すなわち、ak(i)>0は、バイナリ「1」にマップされ、ak(i)<=0は、バイナリ「0」にマップされる。デジタル化されたデータセットは、dk(i)と定義される。ただし、iは、1からNまでに及ぶ。トークンのシグネチャは、説明したばかりの強度データのデジタル化されたシグネチャに加えて、さらなる成分を組み込むことが可能である。次に、これらのさらなるオプションのシグネチャ成分を説明する。
【0091】
ステップS6は、より小さい「サムネイル」デジタルシグネチャが作成されるオプションのステップである。このステップは、m個の読み取り値の隣接するグループを一緒に平均することにより、または、より好ましくは、第c番ごとのデータポイントを選ぶことによって行われる。ただし、cは、サムネイルの圧縮係数である。平均することはノイズを不釣合いに増幅するので、第c番ごとのデータポイントを選ぶことの方が好ましい。次に、ステップS5で使用されるのと同一のデジタル化則が、縮小されたデータセットに適用される。サムネイルデジタル化は、tk(i)と定義される。ただし、iは、1からN/cまでに及び、cは、圧縮係数である。
【0092】
ステップS7は、複数の検出器チャネルが存在する場合に適用可能な、オプションのステップである。追加の成分は、異なる光検出器から得られた強度データ間で計算される相互相関成分である。2つのチャネルでは、可能な1つの相互相関係数が存在し、3つのチャネルでは、3つまでの相互相関係数が存在し、4つのチャネルでは、6つまでの相互相関係数が存在するといった具合である。相互相関係数は、材料タイプの良好な標識であることが分かっているので、有用である。例えば、所与のタイプのパスポート、またはレーザプリンタ用紙などの、ある特定のタイプの文書に関して、相互相関係数は、常に、予測可能な範囲内に入るように見受けられる。正規化された相互相関が、ak(i)とal(i)の間で計算されることが可能である。ただし、k≠lであり、かつk、lは、光検出器チャネル数のすべてにわたって変化する。正規化された相互相関関数Γは、以下のとおり定義される。すなわち、
【0093】
【数1】
【0094】
後の検証において使用するために格納されることが可能な相互相関関数の別の態様は、相互相関関数におけるピークの幅、例えば、FWHM(半値全幅)である。検証処理における相互相関係数の使用については、後段でさらに説明する。
【0095】
ステップS8は、信号強度分布を示す単純な強度平均値を計算することである別のオプションのステップである。この計算は、異なる検出器に関する平均値の各値の全体的な平均であっても、ak(i)のrms(自乗平均)値などの、各検出器に関する平均であってもよい。検出器が、前述したリーダの場合のように、ペアで垂直入射のいずれの側にも配置される場合、各検出器ペアに関する平均が使用されてもよい。強度値は、サンプルの全体的な反射率および粗さの単純な示度であるので、材料タイプに関する良好な粗いフィルタとなることが分かっている。例えば、強度値として、平均値、すなわち、DCバックグラウンドを除去した後の正規化されていないrms値を使用することができる。
【0096】
トークンを走査することから得られたシグネチャデータは、検証目的でシグネチャデータベースの中に保持されるレコードと比較され、かつ/またはデータベースに書き込まれて、シグネチャの新たなレコードが追加されて、既存のデータベースが拡張されることが可能である。
【0097】
新たなデータベースレコードは、ステップS5で獲得されたデジタルシグネチャを含む。このレコードは、オプションとして、各光検出器チャネルに関してステップS6で獲得されるより小さいサムネイルバージョン、ステップS7で獲得される相互相関係数、およびステップS8で獲得される平均値の1つまたは複数によって補足されることが可能である。代替として、サムネイルは、高速検索のために最適化されたサムネイル独自の別個のデータベースに格納され、残りのデータ(サムネイルを含む)が、メインデータベース上に格納されてもよい。
【0098】
前述したシグネチャを生成する処理は、トークンプロバイダ端末装置106または検証端末装置130においてシグネチャを生成するのに使用されることが可能である。
【0099】
図14は、提示された処方箋から獲得されたシグネチャが、どのようにシグネチャデータベースに照らして検証されて、提示された処方箋が真性であるかどうかが判定されることが可能であるかを示す流れ図である。
【0100】
単純な実施形態では、データベース124は、シグネチャデータの完全なセットに基づいて、単に検索されて、合致が見出されることが可能である。しかし、検証プロセスをスピードアップするのに、プロセスは、前述したとおりの計算された平均値および相互相関係数に基づく、より小さいサムネイル、および事前スクリーニングを使用することができる。
【0101】
検証ステップV1は、検証プロセスの第1ステップである。ステップ1で、システムサーバ120が、検証端末装置130から走査ステップS1ないしS8と関係して、前述したプロセスに従って生成されたシグネチャ、またはシグネチャのサムネイルを受信する。
【0102】
検証ステップV2は、サムネイルエントリのそれぞれを取り上げ、前記エントリとtk(i+j)との間の合致するビットの数を評価する。ただし、jは、走査される領域の位置付けの誤差を補償するように変えられるビットオフセットである。jの値が特定され、次に、最大数の合致するビットをもたらすサムネイルエントリが特定される。このエントリが、さらなる処理のために使用される「ヒット」である。
【0103】
検証ステップV3は、走査されたデジタルシグネチャに照らして、記録のために格納された完全なデジタルシグネチャを解析する前に実行される、オプションの事前スクリーニング試験である。この事前スクリーニングにおいて、走査ステップS8で得られたrms値が、ヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値と比較される。この「ヒット」は、それぞれの平均値が事前定義された範囲内に適合しない場合、さらなる処理から棄却される。すると、トークンは、検証されないものとして棄却される(すなわち、検証ステップV6にジャンプし、トークンが認証されることが可能でなかったことを示す応答メッセージを発行する)。
【0104】
検証ステップV4は、完全なデジタルシグネチャを解析する前に実行される、さらなるオプションの事前スクリーニング試験である。この事前スクリーニングにおいて、走査ステップS7で獲得された相互相関係数が、ヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値と比較される。この「ヒット」は、それぞれの相互相関係数が、事前定義された範囲内に適合しない場合、さらなる処理から棄却される。すると、トークンは、検証されないものとして棄却される(すなわち、検証ステップV6にジャンプし、トークンが認証されることが可能でなかったことを示す応答メッセージを発行する)。
【0105】
検証ステップV4において実行されることが可能な相互相関係数を使用する別の検査は、相互相関関数におけるピークの幅を検査することである。ただし、相互相関関数は、以下のとおり、前述の走査ステップS7における最初の走査から格納された値と、再走査された値とを比較することによって評価される。すなわち、
【0106】
【数2】
【0107】
再走査されたピークの幅が、最初の走査の幅より相当に高い場合、そのことは、再走査されたトークンが、不正操作されている、または、それ以外で疑わしいことを示すものとして解釈されることが可能である。例えば、このチェックは、走査される表面から光検出器によって予期されるのと同一の強度変化を有するバーコード、またはその他のパターンを印刷することにより、システムを騙そうと試みる詐欺師を打ち負かさなければならない。
【0108】
検証ステップV5は、ステップS5で獲得された、走査されたデジタルシグネチャとヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値との間の主な比較である。格納されたデジタル化された完全なシグネチャ、dkdb(i)が、k個の検出器チャネル上のq個の隣接するビットのn個のブロックに分割される。すなわち、ブロック当たりqk個のビットが、存在する。qの通常の値は、4であり、kの通常の値は、4であり、通常、ブロック当たり16ビットとなる。次に、そのqk個のビットが、格納されたデジタルシグネチャdkdb(i+j)の中の対応するqk個のビットと照合される。そのブロック内の合致するビットの数が、何らかの事前定義された閾値zthresh以上である場合、合致するブロックの数が、インクリメントされる。zthreshの通常の値は、13である。以上が、n個すべてのブロックに関して繰り返される。このプロセス全体が、jの異なるオフセット値に関して繰り返されて、最大数の合致するブロックが見出されるまで、走査される領域の位置付けの誤差が補償される。Mを、合致するブロックの最大数と定義すると、偶然の合致の確率は、以下を評価することによって計算される。すなわち、
【0109】
【数3】
【0110】
ただし、sは、任意の2つのブロック間の偶然の合致の確率(この確率は、zthreshの選択された値に依存する)であり、Mは、合致するブロックの数であり、p(M)は、M個以上のブロックが偶然に合致する確率である。sの値は、類似した材料の異なる物体の走査、例えば、紙の文書の数回の走査からのデータベース内のブロックを比較することによって決定される。
【0111】
q=4、k=4、およびzthreshold=13の場合、sの通常の値は、0.1である。qk個のビットが、完全に独立である場合、確率理論は、zthreshold=13に関してs=0.01を与える。経験的には、より高い値が見出されるという事実は、k個の検出器チャネルの相互関係のため、および有限のレーザスポット幅に起因するブロック内の隣接するビット間の相互関係のためでもある。紙の通常の走査は、その紙に関するデータベースエントリに照らして比較されると、総数510ブロックのうち約314個の合致するブロックをもたらす。前述の数式に関してM=314、n=510、s=0.1に設定することにより、10-177という偶然の合致の確率がもたらされる。
【0112】
検証ステップV6が、応答メッセージで検証プロセスの結果を発行する。検証ステップV5で得られた確率結果が、ベンチマークが事前定義された確率閾値である合格/不合格試験において使用されることが可能である。このケースでは、確率閾値は、システムによってあるレベルに設定されても、システムサーバの管理者によって選択されたレベルに設定される可変パラメータであってもよい。代替として、確率結果は、確率自体として生の形態で、または相対的な用語(例えば、合致なし/不良な合致/良好な合致/非常によい合致)もしくは他の分類を使用する、変形された形態で、信頼度レベルを示すように出力されることが可能である。
【0113】
多くの変種が可能であることが、認識されよう。例えば、相互相関係数を事前スクリーニング成分として扱う代わりに、相互相関係数が、メインシグネチャの一部として、デジタル化された強度データと一緒に扱われることも可能である。例えば、相互相関係数は、デジタル化されて、デジタル化された強度データに加えられることも可能である。また、相互相関係数は、独自にデジタル化されて、ビットストリングなどを生成するのに使用されることも可能であり、次に、それらのビットストリングなどが、ヒットを見出すためにデジタル化された強度データのサムネイルに関して前述したのと同じ仕方で検索されることも可能である。
【0114】
このように、以上、処方箋などのトークンを走査して、そのトークンの本質的特性に基づくシグネチャを獲得するための構成の、いくつかの実施例を説明してきた。また、そのシグネチャが、走査中に収集されたデータから、どのように生成されることが可能であるか、およびシグネチャが、どのように、同一のトークン、または異なるトークンからの後の走査と比較されて、提示されたトークンの真正性を検証するために、同一のトークンが、その後の走査において走査されたもっともらしさがどれぐらいであるかという測度が提供されることが可能であるかの実施例も、説明してきた。
【0115】
一部の実施例では、走査された物品からシグネチャを抽出するための方法は、例えば、延伸または収縮によって引き起こされた物品の変形にかかわらず、その物品の確実な認識を提供するように最適化されることが可能である。物品のそのような延伸および収縮は、例えば、紙ベースの、またはボール紙ベースの物品に対する水害によって引き起こされる可能性がある。
【0116】
また、スキャナ内部のセンサに対する物品の相対速度が非線形である場合、物品は、スキャナには延伸されてまたは収縮して見える可能性がある。例えば、物品がコンベアシステムに沿って動かされている場合、または物品がその物品を把持する人間によってスキャナを通るように動かされている場合、これは、生じる可能性がある。これが生じる可能性の高いシナリオの例は、人間が、例えば、前述の図8A、図8B、および図8Cに関連して説明したようなスキャナを使用して、銀行カードを走査する場合である。
【0117】
前述したとおり、スキャナが、スキャナユニット内部で、スキャナに対してまたはスキャナ内で静止状態に保たれている物品に対して動くスキャンヘッドに基づく場合、線形化誘導が、オプションの距離マーク28によって提供されて、スキャンヘッドの動きの非線形性に対処することが可能である。物品が人間によって動かされる場合、これらの非線形性は、大幅に大きくなる可能性がある。
【0118】
これらの非線形効果によって引き起こされる可能性がある認識問題に対処するのに、物品の走査の解析段階を調整することが可能である。このため、次に、変形された検証手続きを、図15を参照して説明する。この実施例において実施されるプロセスは、データのブロックに関する解析を使用して、非線形性に対処する。
【0119】
図15に従って実行されるプロセスは、図10に関連して説明したが、この図の内容を分かりにくくしないように、図15には示されていない、データを平滑化し、差別化するステップと、平均値を計算し、引くステップと、シグネチャおよびサムネイルを獲得するためのデジタル化のステップとのいくつか、またはすべてを含むことが可能である。
【0120】
図15に示されるとおり、ブロックに関する解析を使用する検証走査のための走査プロセスは、物品の走査を実行して、物品の本質的な特性を記述するデータを獲得することにより、ステップS21で始まる。この走査されたデータが、次に、ステップS22で、隣接するブロックに分割される(この分割は、デジタル化、および平滑化/差別化などの前、または後に実行されることが可能である)。一実施例では、54mmという走査長が、8つの等しい長さのブロックに分割される。したがって、各ブロックは、走査された物品の走査された領域のサブセクションを表す。
【0121】
ブロックのそれぞれに関して、ステップS23で、物品が比較されることが意図される格納された各シグネチャに関する均等のブロックに照らして、相互相関が、実行される。この相互相関は、各ブロックに関して1つのサムネイルを用いるサムネイルアプローチを使用して実行されることが可能である。次に、これらの相互相関計算の結果が、解析されて、相互相関ピークのロケーションが識別される。次に、ステップS24で、相互相関ピークの、そのロケーションが、完全に線形の関係が、物品の最初の走査と後の走査との間で存在するとした場合の、ピークの予期されるロケーションと比較される。
【0122】
この関係は、図16A、図16B、および図16Cで示されるとおり、グラフで表現されることが可能である。図16Aの実施例では、相互相関ピークは、まさに予期されるとおりの場所にあり、したがって、物品に対するスキャンヘッドの動きは、完全に線形であり、物品は、延伸または収縮を経験していない。このため、予期されるピークに対する実際のピーク位置のプロットは、原点を通り、1という勾配を有する直線をもたらす。
【0123】
図16Bの実施例では、相互相関ピークは、予期されるよりも近寄っており、したがって、最良適合の線の勾配は、1より小さい。このため、物品は、最初の走査時の物品の物理的特性と比べて、収縮している。また、最良適合線は、プロットの原点を通らない。このため、物品は、最初の走査時の物品の位置と比べて、スキャンヘッドに対して偏移している。
【0124】
図16Cの実施例では、相互相関ピークは、直線を形成しない。この実施例では、相互相関ピークは、y2関数を表す曲線に近似的に合う。このため、スキャンヘッドに対する物品の動きは、走査中に遅くなっている。また、最良適合曲線は、原点を通らないので、物品は、最初の走査時の物品の位置と比べて偏移していることが明らかである。
【0125】
様々な関数が、相互相関ピークの点のプロットに試験的に合わせられて、最もよく適合する関数が見出されることが可能である。このため、延伸、収縮、位置合わせ不良、加速、減速、および以上の組合せを考慮に入れる曲線が、使用されることが可能である。
【0126】
ステップS25で、最良適合の関数が識別されると、ステップS26で、各相互相関ピークが、そのピークの予期される位置からどれだけ偏移しているかを表す変化パラメータセットが、算出されることが可能である。次に、ステップS27で、これらの補償パラメータが、走査からのデータに対する収縮、延伸、位置合わせ不良、加速、または減速の効果を実質的に逆にするために、ステップS21で取り込まれた走査からのデータに適用されることが可能である。認識されるとおり、ステップS25で獲得される最良適合関数が、走査データによく合うほど、補償効果は、良好になる。
【0127】
次に、ステップS28で、ステップS22の場合と同様に、補償された走査データが、隣接するブロックに細分される。次に、ステップS29で、これらのブロックが、格納されたシグネチャからのデータのそれぞれのブロックと個々に相互相関させられて、相互相関係数が得られる。今回は、相互相関ピークの大きさが、解析されて、ステップS29において一意性ファクタが算出される。このため、走査された物品が、格納されたシグネチャが作成された際に走査された物品と同一であるかどうかが判定されることが可能である。
【0128】
したがって、以上、走査される物品の物理的変形、およびスキャナに対する物品の動きの非線形性を補償するための方法の実施例を説明してきた。この方法を使用すると、走査される物品は、その物品の、より早期の走査から得られた、その物品に関する格納されたシグネチャと照らして検査されて、高い確度レベルで、その後の走査において同一の物品が存在するか否かが判定されることが可能である。その結果、容易に歪められる材料で作られた物品が、確実に認識されることが可能である。また、物品に対するスキャナの動きが非線形であることが可能なスキャナが、使用されて、その結果、動き制御要素を有さない低価格のスキャナが使用可能にされることも可能である。
【0129】
また、一部のスキャナ装置において、走査される領域がどこで始まり、どこで終わるかを特定することが困難である可能性があることも可能である。前述した実施例のうち、このことは、走査されるべき物品が、スロットの中を通過し、したがって、スキャンヘッドが、意図される走査領域よりも多く、物品を「見る」ことが可能な図8Bの実施例に関して、最も問題である。この困難に対処する1つのアプローチは、走査領域を、物品の端部で始まるものとして定義することである。スキャンヘッドにおいて受け取られるデータは、物品が、それまで自由空間であったところを通過させられると、明確なステップ変化を受けるので、スキャンヘッドにおいて取得されたデータを使用して、スキャンがどこで始まるかが特定されることが可能である。
【0130】
この実施例では、スキャンヘッドは、スキャナへの物品の適用に先立って機能可能である。このため、最初に、スキャンヘッドは、スキャンヘッドの前方の占有されていない空間に対応するデータを受け取る。物品が、スキャンヘッドの前方を通過させられるにつれ、スキャンヘッドによって受け取られるデータは、物品を記述するデータに即時に変化する。このため、このデータを監視して、物品がどこで始まるかが特定されることが可能であり、それに先立つすべてのデータは、破棄されることが可能である。物品最先端を基準とする走査領域の位置および長さが、いくつかの仕方で特定されることが可能である。最も簡単なのは、物品の全長を走査領域として、スキャンヘッドが、自由空間に対応するデータを再び拾い上げることにより、終端が検出されることが可能であるようにすることである。別の方法は、最先端から所定の回数の走査読み取り値で、記録されるデータを開始すること、および/または停止することである。物品が、常に、ほぼ同一の速度でスキャンヘッドを通り過ぎるものと想定すると、これにより、一貫した走査領域がもたらされる。別の代替は、物品上の実際のマークを使用して、走査領域を開始し、停止することであるが、そうすることは、キャプチャされたいずれのデータが、走査領域に対応し、いずれのデータが、破棄されることが可能であるかを特定する、さらなる作業を、データ処理の点で、要求する可能性がある。
【0131】
このように、以上、アイテムを走査して、その物品の本質的な特性に基づくデータを収集するため、必要な場合、その物品の損傷、または走査プロセスにおける非線形性を補償するため、およびその物品を、物品の以前の走査に基づく格納されたシグネチャと比較して、両方の走査に関して同一の物品が存在するかどうかを判定するための、いくつかの技術を説明してきた。
【0132】
また、一部のスキャナ装置において、走査される領域がどこで始まり、どこで終わるかを特定することが困難である可能性があることも可能である。前述した実施例のうち、このことは、走査されるべき物品が、スロットの中を通過し、したがって、スキャンヘッドが、意図される走査領域よりも多く、物品を「見る」ことが可能な図8Bの実施例に関して、最も問題である。この困難に対処する1つのアプローチは、走査領域を、物品の端部で始まるものとして定義することである。スキャンヘッドにおいて受け取られるデータは、物品が、それまで自由空間であったところを通過させられると、明確なステップ変化を受けるので、スキャンヘッドにおいて取得されたデータを使用して、スキャンがどこで始まるかが特定されることが可能である。
【0133】
この実施例では、スキャンヘッドは、スキャナへの物品の適用に先立って機能可能である。このため、最初に、スキャンヘッドは、スキャンヘッドの前方の占有されていない空間に対応するデータを受け取る。物品が、スキャンヘッドの前方を通過させられるにつれ、スキャンヘッドによって受け取られるデータは、物品を記述するデータに即時に変化する。このため、このデータを監視して、物品がどこで始まるかが特定されることが可能であり、それに先立つすべてのデータは、破棄されることが可能である。物品最先端を基準とする走査領域の位置および長さが、いくつかの仕方で特定されることが可能である。最も簡単なのは、物品の全長を走査領域として、スキャンヘッドが、自由空間に対応するデータを再び拾い上げることにより、終端が検出されることが可能であるようにすることである。別の方法は、最先端から所定の回数の走査読み取り値で、記録されるデータを開始すること、および/または停止することである。物品が、常に、ほぼ同一の速度でスキャンヘッドを通り過ぎるものと想定すると、これにより、一貫した走査領域がもたらされる。別の代替は、物品上の実際のマークを使用して、走査領域を開始し、停止することであるが、そうすることは、キャプチャされたいずれのデータが、走査領域に対応し、いずれのデータが、破棄されることが可能であるかを特定する、さらなる作業を、データ処理の点で、要求する可能性がある。
【0134】
このように、以上、アイテムを走査して、その物品の本質的な特性に基づくデータを収集するため、必要な場合、その物品の損傷、または走査プロセスにおける非線形性を補償するため、およびその物品を、物品の以前の走査に基づく格納されたシグネチャと比較して、両方の走査に関して同一の物品が存在するかどうかを判定するための、いくつかの技術を説明してきた。
【0135】
物品の本質的な特性に基づいて生成されたシグネチャのブロックに関する解析を使用して検出されることが可能な物品の別の特徴が、物品の局所的損傷の特徴である。例えば、そのような技術は、最初の記録走査の後に物品に行われた変更を検出するのに使用されることが可能である。
【0136】
例えば、パスポート、IDカード、および運転免許証などの多くの文書が、保持者の写真を含む。そのような物品の真正性走査が、その写真の一部分を含む場合、その写真に行われた改変は、検出される。シグネチャを10のブロックに分割する恣意的な例をとると、それらのブロックの3つが、文書上の写真を範囲に含み、残りの7つが、背景材料などの、その文書の別の部分を範囲に含むことが可能である。写真が置き換えられた場合、その文書の後の再走査は、変更がまったく生じていない7つのブロックに関して良好な合致をもたらすものと予期されることが可能であるが、置き換えられた写真は、非常に不良な合致をもたらす。それら3つのブロックが、写真に対応することを知っていることにより、3つすべてが非常に不良な合致をもたらすという事実は、シグネチャ全体にわたる平均スコアにかかわらず、その文書の検証を自動的に不合格にするのに使用されることが可能である。
【0137】
また、多くの文書は、1名または複数名の個人の書かれた指示、例えば、パスポート、運転免許証、またはIDカードによって身元確認される個人の名前、または銀行口座保持者の名前を含む。また、多くの文書は、保持者または証明者の書かれた署名が加えられる箇所も含む。検証のために、そこから得られたシグネチャのブロックに関する解析を使用することにより、文書上に印刷された、または書かれた名前、または他の重要な語もしくは番号を改変する変更が、検出されることが可能である。改変された印刷または書き込みの位置に対応するブロックは、変更がまったく生じていないブロックよりも、はるかに低い品質の合致をもたらすものと予期されることが可能である。このため、変更された名前もしくは書かれた署名が、検出されることが可能であり、その文書の全体的な合致が、合格結果を得るだけ十分に高い場合でも、その文書が、検証試験において不合格にされることが可能である。
【0138】
IDカード300の例が、図17に示される。IDカード300は、印刷された保持者名302、保持者の写真304、保持者の署名306(この署名は、カード上に書かれても、書かれた署名の走査から印刷されても、あるいは電子的にキャプチャされた署名であってもよい)、および印刷されたカード番号308を含む。IDカードの詐欺的な改変から保護するため、カードの本質的な特性に基づいてシグネチャを生成するための走査領域は、それらの要素の1つまたは複数を含むことが可能である。様々な例示的な走査領域に、図15においてマークが付けられて、それらの可能性を例示している。例示的な走査領域321は、印刷された名前302の一部、および写真304の一部を含む。例示的な走査領域322は、印刷された名前の一部を含む。例示的な走査領域323は、署名306の一部を含む。例示的な走査領域324は、カード番号308の一部を含む。
【0139】
走査領域のために選択される領域および要素は、詐欺師が改変しようと試みる可能性が最も高い文書の要素を含め、いくつかの要因に依存することが可能である。例えば、写真を含むいずれの文書に関しても、最も可能性の高い改変標的は、その写真が、保持者を視覚的に特定するので、通常、その写真である。このため、そのような文書に関する走査領域は、有利には、その写真の一部分を含むように選択されることが可能である。詐欺的な変更を受ける可能性がある別の要素は、ある個人が、自身の名前以外の名前を有するふりをすることは容易であるが、別の個人の署名を複製することは、より難しいので、保持者の署名である。したがって、署名された文書に関して、特に、写真を含まない、そのような文書に関して、走査領域は、有利には、文書上の署名の一部分を含むことが可能である。
【0140】
したがって、一般的なケースにおいて、物品の真正性に関する試験は、シグネチャの全体に関する、検証シグネチャとレコードシグネチャとの間の十分に高い品質の合致、およびシグネチャの少なくとも選択されたブロックにわたる十分に高い一致を含むことが可能であることを見て取ることができる。このため、物品の真正性を評価することに重要な領域が、決定的な真正性結果に達するのにクリティカルなものとして選択されることが可能である。
【0141】
一部の実施例では、クリティカルなブロックとして選択されたブロック以外のブロックが、不良な合致結果を示すことが許されてもよい。このため、文書は、クリティカルなブロックが、良好な合致をもたらし、シグネチャが全体として、良好な合致をもたらす限り、いくつかの部分で破れている、またはそれ以外で損傷を受けているにもかかわらず、真性であるとして受け入れられてもよい。
【0142】
このように、以上、物品の局所的損傷を識別するための、および物品の所定の領域に局所的損傷または改変を有する物品を真性ではないとして棄却するためのシステム、方法、および装置の、いくつかの実施例を説明してきた。他の領域における損傷または改変は、無視されて、文書が真性として認識されることを可能にしてもよい。
【0143】
物品の真正性または素性の検証のために、前述の図1から図17までを参照して説明した識別技術などのバイオメトリック技術を使用する際、バイオメトリック特性に基づくシグネチャの再現性に関して、困難が生じる可能性がある。詳細には、物品が、異なるシグネチャ生成装置、および異なる時刻においてシグネチャ生成プロセスを受ける場合、バイオメトリックシグネチャ生成システムが、物品から生成される各シグネチャにおいて、わずかに異なる結果を戻す持ち前の傾向と並んで、物品のわずかに異なる部分が、各回に提示されて、確実な検証をより困難にする可能性が、存在する。
【0144】
次に、これらの困難に対処するためのシステム、方法、および装置の実施例を説明する。最初に、図18を参照して、データベース作成のためのマルチスキャンヘッドシグネチャ生成装置について説明する。
【0145】
図18に示されるとおり、リーダユニット400が、リーダユニットの読み取りボリューム402内に提示される物品に関するシグネチャを作成するようにそれぞれ動作可能な、2つの光学サブアセンブリ20を含むことが可能である。このため、アイテムが、後に照合されて検証されることが可能なアイテムデータベースの中で、アイテムの記録のためのシグネチャを作成するように、走査のために提示されるアイテムは、2回、走査されて、もっともらしい位置合わせ誤差の量だけ互いに空間的にオフセットされた、2つのシグネチャが作成されることが可能である。このため、識別または真正性検証のためのアイテムの後の走査は、格納された両方のシグネチャと照合されることが可能である。一部の実施例では、その格納された2つシグネチャのいずれかとの合致が、合致の成功と考えられることが可能である。
【0146】
一部の実施例では、さらなる読み取りヘッドが、使用されることが可能であり、したがって、3つ、4つ、またはそれより多くのシグネチャが、各アイテムに関して作成される。各スキャンヘッドは、意図される走査ロケーションに隣接する位置からのシグネチャをもたらすために、その他のスキャンヘッドからオフセットされていることが可能である。このため、検証走査上の物品位置合わせ不良に対するより高い堅牢性が、提供されることが可能である。
【0147】
スキャンヘッド間のオフセットは、物品の走査される部分の幅、物品全体サイズに対する、走査される領域のサイズ、検証走査中のもっともらしい位置合わせ不良の量、および物品材料などの要因に依存して、選択されることが可能である。
【0148】
このように、以上、物品が照合されて調べられて、その物品の素性および/または真正性が検証されることが可能なシグネチャデータベースを作成するように、物品を走査するためのシステムを説明してきた。
【0149】
次に、物品データベースの中の複数のシグネチャを提供するための別のシステムの実施例を、図19を参照して説明する。
【0150】
図16に示されるとおり、リーダユニット400'が、単一の光学サブアセンブリ20と、位置合わせ調整ユニット404とを有することができる。使用の際、位置合わせ調整ユニット404は、リーダユニットの読み取りボリューム402に対する光学サブアセンブリ20の位置合わせを変更することができる。このため、読み取りボリュームの中に入れられた物品は、物品に関する複数のシグネチャを作成するように、異なる位置において光学サブアセンブリ20によって複数回、走査されることが可能である。この実施例では、位置合わせ調整ユニット404は、2つの異なるロケーションから読み取るように光学サブアセンブリを調整することができる。このため、識別または真正性検証のためのアイテムの後の走査は、格納された両方のシグネチャと照合されることが可能である。一部の実施例では、一部の実施例では、その格納された2つシグネチャのいずれかとの合致が、合致の成功と考えられることが可能である。
【0151】
一部の実施例では、さらなる読み取りヘッド位置が、使用されることが可能であり、したがって、3つ、4つ、またはそれより多くのシグネチャが、各アイテムに関して作成される。各走査ヘッド位置は、意図される走査ロケーションに隣接する位置からのシグネチャを提供するために、その他の位置からオフセットされることが可能である。このため、検証走査上の物品位置合わせ不良に対する、より高い堅牢性が、提供されることが可能である。
【0152】
走査ヘッド位置間のオフセットは、物品の走査される部分の幅、物品全体サイズに対する、走査される領域のサイズ、検証走査中のもっともらしい位置合わせ不良の量、および物品材料などの要因に依存して、選択されることが可能である。
【0153】
このように、以上、物品が照合されて調べられて、その物品の素性および/または真正性が検証されることが可能なシグネチャデータベースを作成するように、物品を走査するためのシステムの別の実施例を説明してきた。
【0154】
記録走査(すなわち、物品が後に照合されて、検証されることが可能な参照シグネチャを作成する物品の走査)のために使用されるスキャナが、複数のスキャンヘッドおよび/または複数のスキャンヘッド位置を使用して、物品に関する複数のシグネチャを作成することができることを説明してきたが、後の検証走査のために同様のシステムを使用することも可能である。
【0155】
例えば、検証において使用するためのスキャナは、複数の検証走査シグネチャが生成されることを可能にする複数の読み取りヘッドを有することが可能である。これらの複数のシグネチャのそれぞれが、記録されたシグネチャのデータベースと比較されることが可能であり、このデータベース自体、記録された各アイテムに関して複数のシグネチャを含むことが可能である。各アイテムに関する、これらの異なるシグネチャは、様々である可能性があるが、これらのシグネチャはすべて、それでも、他のいずれのアイテムに関するいずれのシグネチャとも極めて異なるという事実のため、任意の1つの記録走査シグネチャと任意の1つの検証走査シグネチャとの間の合致は、アイテムの素性および/または真正性に対する十分な信頼度をもたらすはずである。
【0156】
複数の読み取りヘッド検証スキャナは、前述の図18に関連して説明したのとほぼ同様に構成されることが可能である。同様に、複数の読み取りヘッド位置検証スキャナは、前述の図18に関連して説明したのとほぼ同様に構成されることが可能である。また、記録スキャナと検証スキャナの両方に関して、複合の複数スキャンヘッドのシステムと、スキャンヘッド当たり複数のスキャンヘッド位置を組み合わせて、単一のデバイスにすることができる。
【0157】
本発明は、様々な変形形態および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が、例として、図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、図面、および対応する詳細な説明は、本発明を、開示される特定の形態に限定することを意図しておらず、それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれるすべての変形形態、均等形態、および代替形態を含むものとされることを理解されたい。
【0158】
例えば、システムによって実行される、または本明細書で説明される方法によって実施される様々な動作は、ハードウェア要素、ファームウェア要素、またはソフトウェア要素の1つまたは複数によって提供されることも可能であることが、当業者には認められよう。例えば、従来のコンピュータシステムが、検証プロセッサ、システムサーバ、およびトークンプロバイダ端末装置を実施するためにプログラミングされることも可能である。
【0159】
また、トークンプロバイダ端末装置は、トークンプロバイダ端末装置自体が、トークンを作成するのに使用されることなしに、シグネチャを提供するために、医者によって手書きされた処方箋などの、トークンを走査するのに使用されることが可能であることも、当業者には認められよう。例えば、トークンプロバイダ端末装置は、シグネチャ走査モードだけで動作することも可能である。
【0160】
また、様々な異なるロケーションにおける多くのトークンプロバイダ端末装置が、ネットワークに接続されることが可能であることも理解されよう。例えば、多くの薬局がそれぞれ、トークンプロバイダ端末装置を備えることが可能である。そのようなトークンプロバイダ端末装置は、本発明によるシステムの一環として動作するように必要な機能を追加するソフトウェアによって構成された既存のコンピュータシステムであることも可能である。
【0161】
さらに、さらなるセキュリティのため、シグネチャは、トークンのある領域から、その領域に処方が行われた後に、獲得されてもよいことが、当業者には明確であろう。例えば、シグネチャは、処方箋のある領域から、その領域に情報が印刷された後に、または医者が、その領域に手書きの署名を行った後に、獲得されてもよい。
【0162】
別の態様から見ると、本発明は、処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するためのシステムを提供し、システムは、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合された処方箋発行端末装置を含み、処方箋発行端末装置は、第1ロケーションで書かれた、印刷された、またはそれ以外で処方された処方箋から、処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように、第1ロケーションにおいて動作可能であり、ネットワークに動作上、結合された認証サーバを含み、認証サーバは、1つまたは複数の処方箋発行端末装置から、ネットワークを介して伝送された複数の処方箋シグネチャを格納するように動作可能であり、認証サーバは、ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能であり、ネットワークに動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供される調剤端末装置を含み、調剤端末装置は、提示された処方箋から第2シグネチャを生成すること、第2シグネチャを、ネットワークを介して認証サーバに伝送すること、ネットワークを介して応答メッセージを受信すること、および第2シグネチャと合致するシグネチャが、認証サーバにおいて存在する場合、提示された処方箋を真性であると識別することにより、第2ロケーションにおいて提示された処方箋の真正性を検証するように動作可能である。
【0163】
さらなる態様から見て、本発明は、処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するための方法を提供し、前記方法は、第1ロケーションにおいて処方箋を処方することと、その処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成することと、そのシグネチャを認証サーバに伝送することと、そのシグネチャを認証サーバにおいて格納することと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された処方箋から、提示された処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャを認証サーバに伝送することと、第2シグネチャが、認証サーバによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別することと、および認証サーバにおいて合致するシグネチャが存在する場合、提示された処方箋が、真性であると検証することとを含む。
【0164】
別の態様から見ると、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、ネットワーク手段に動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するためのネットワーク手段と、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワーク手段に動作上、結合された、第1ロケーションにおいて処方された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能なトークンプロバイダ手段と、ネットワーク手段に動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ手段から、ネットワーク手段を介して伝送された複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、ネットワーク手段を介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能なシステムサーバ手段と、ネットワーク手段に動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、提示された医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成すること、第2シグネチャを、ネットワーク手段を介してシステムサーバ手段に伝送すること、ネットワーク手段を介して応答メッセージを受信すること、および応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することにより、第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証手段とを含むシステムを提供する。
【0165】
さらなる態様から見ると、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法を提供し、前記方法は、第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、システムサーバにおいてシグネチャを格納するステップと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから第2シグネチャを生成するステップと、第2シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、第2シグネチャが、サーバシステムによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、応答メッセージを第2ロケーションに伝送するステップと、応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが真性であることを検証するステップとを含む。
【0166】
さらに別の態様から見ると、本発明は、薬剤処方箋から、薬剤処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、シグネチャを生成し、そのシグネチャを、薬剤処方箋が、処方薬剤を得るために提示された際、その薬剤処方箋を後に識別するのに使用するように格納するために、遠隔サーバに伝送するように動作可能なトークンプロバイダ端末装置を提供する。
【0167】
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6. GB-A-2 398 270
7. GB 0420524.1
8. US 60/610,075
9. GB 0405641.2
10. US 60/601,463
11. GB 0418138.4
12. GB 0509635.9
13. GB 0418178.0
14. GB 0418173.1
許される場合、前述した参考文献の内容も、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の実施形態による処方箋の真正性を検証するためのシステムを示す図である。
【図2】本発明による処方箋の真正性を検証するための方法を示す図である。
【図3】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置を示す図である。
【図4】図3のリーダ装置の読み取りボリュームが、どのようにサンプリングされるかを示す概略透視図である。
【図5】図3のリーダ装置の機能構成要素の概略ブロック図である。
【図6】図3のリーダ装置の外形を示す透視図である。
【図7】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置の代替の物理的構成を示す図である。
【図8】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置のさらなる代替の物理的構成を示す図である。
【図9】本発明の様々な実施形態において使用するための印刷デバイスに組み込まれたリーダ装置を示す概略図である。
【図10A】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置に関する代替のイメージング配置を概略で示す側面図である。
【図10B】方向性検出器が、細長い光線による局所的照明と組み合わせて使用される、本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置に関するさらなる代替のイメージング配置の光学フットプリントを概略で示す平面図である。
【図11】約0.5×0.2mmの面積を覆うイメージを有する紙表面の顕微鏡イメージを示す図である。
【図12A】光検出器信号および符号器信号からなる図3のリーダ装置の単一の光検出器からの生のデータを示す図である。
【図12B】符号器信号で線形化し、振幅を平均した後の図12Aの光検出器データを示す図である。
【図12C】シグネチャを獲得するのに使用されることが可能なデータを提供する平均信号レベルによるデジタル化の後の、図12Bのデータを示す図である。
【図13】本発明の様々な実施形態による、処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンから、シグネチャが、どのように生成されるかを示す流れ図である。
【図14】本発明の様々な実施形態による、提示された処方箋から獲得されたシグネチャが、どのようにシグネチャデータベースに照らして検証されて、提示された処方箋が真性であるかどうかが判定されることが可能であるかを示す流れ図である。
【図15】図14の検証プロセスが、どのように改変されて、走査における理想的でない性質を見込むことが可能かを示す流れ図である。
【図16A】走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図16B】走査される物品が歪んでいる走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図16C】走査される物品が、非線形の速度で走査される走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図17】真正性検証のための物品の概略図である。
【図18】マルチスキャンヘッドスキャナを概略で示す破断透視図である。
【図19】マルチスキャンヘッド位置スキャナを概略で示す破断透視図である。
【符号の説明】
【0169】
100 システム
102 処方箋
104 ネットワーク
106 トークンプロバイダ端末装置
120 サーバシステム
130 検証端末装置
300 IDカード
302 保持者名
304 保持者の写真
308 カード番号
322、323、324 走査領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、処方箋認証に関する。詳細には、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療システムにおいて、患者が、患者の疾患を治療するのに必要とされる様々な薬剤に関する処方箋を得るために、医者を訪問することが、一般的である。しばしば、処方箋は、医者が、患者と関係する情報(例えば、名前、アドレス、既存のアレルギーなどの個人情報)、および薬剤と関係する情報(例えば、薬剤/医薬品タイプ、投与量、投与計画など)を追加することによって処方され、検証目的で、医者による署名も行われる紙の文書の形態をとる。
【0003】
医者による診断、およびそれに続く処方の後に、有効な処方箋を得た後、患者は、その処方箋を、1つまたは複数の処方された薬剤と交換するために、その処方箋を、医者の診療所から薬局、または他の調剤室に持って行くことを要求される可能性がある。そのような薬局は、医者の診療所から遠隔であるロケーションに位置している可能性があり、したがって、処方箋の提示は、その処方箋が作成されてから相当な時間が経って、初めて行われることが可能であることを意味する可能性がある。作成から提示までの間の期間中、処方箋は、不正操作される、または規制された薬剤を詐欺的に入手するために、置き換えられる可能性がある。これは、特に、詐欺師が、真性の処方箋用紙へのアクセスを有する場合、改変する、または偽造することが相当に容易である、紙ベースの処方箋に関する特別な問題である。
【0004】
患者[3〜6]を識別するのに使用されるセキュリティ態様を組み込む様々な調剤デバイスおよび調剤システムを含め、医薬品[1〜6]を調剤するための処方箋の準備および管理を支援するための、様々なデバイスおよびシステムが、知られている。
【0005】
いくつかの処方箋管理システムは、スマートカードなどの電子デバイスの使用に依拠して、調剤されるべき薬剤[3〜5]のタイプおよび量と関係する情報を薬剤師に伝える。スマートカードは、ある本来的なセキュリティレベルをもたらすことができるため、スマートカードを使用して薬剤へのアクセスを規制することは、スマートカードの保持者が、処方箋情報を容易に改変できることなしに、その情報をセキュアに書くことを可能にするので、処方医薬品への詐欺的なアクセスを防止するのに役立つ可能性がある。
【0006】
しかし、スマートカードシステムは、いくつかの点で、従来の紙ベースの処方システムよりセキュアである可能性があるものの、紙ベースの処方システムは、依然として、いたるところに存在する。したがって、スマートカードベースのシステムが、広く一般に採用されるとすれば、既存の処方箋作成-管理システムの大規模な置き換えが、要求される。このことは、新たな資本設備への大きい投資を要求し、医者が、新たな業務慣行(例えば、電子シグネチャを使用して、スマートカードの中に保持される処方箋データを認証することによる)を採用することを要求する。このため、スマートカードベースのシステムの一般的な採用の見通しは、現在、実際的ではない、または費用対効果が大きくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のタイプの処方箋を使用して、医療品へのアクセスを規制し、管理するための改良されたセキュリティスキームの必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムが、提供される。システムは、ネットワークに動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するためのネットワークと、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合されたトークンプロバイダ端末装置とを含み、トークンプロバイダ端末装置は、第1ロケーションで処方された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能である。様々な実施形態において、医薬品権利トークンは、紙の上に印刷された処方箋を含む。
【0009】
また、システムは、ネットワークに動作上、結合されたシステムサーバも含み、システムサーバは、1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置からネットワークを介して伝送される複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、システムサーバは、ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能である。
【0010】
さらに、システムは、ネットワークに動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供される検証端末装置を含む。検証端末装置は、提示された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャを、ネットワークを介してシステムサーバに伝送することと、ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、その応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である。
【0011】
システムは、医薬品権利トークンの本質的な物理特性に依拠して、作成された各トークンに関して一意のシグネチャを生成する。そうすることは、医薬品権利トークン自体を、偽造するのを非常に困難にし、また、置き換えの医薬品権利トークンが、例えば、本物の処方箋用紙を使用して作成されている場合でさえ、そのようなトークンを棄却することにおいて堅牢なシステムも提供する。さらに、ネットワークを介して伝送されるシグネチャは、患者と関係する詳細をまったく含む必要がなく、そのため、システムによって格納されるシグネチャデータが、プライバシー中立にされることが可能であり、したがって、シグネチャデータが、傍受された、または複製された場合でさえ、そのことが、患者機密保持を危うくすることがない。
【0012】
本発明の第2態様によれば、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法が、提供される。前記方法は、第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方することと、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成することと、前記シグネチャをシステムサーバに伝送することと、前記シグネチャをシステムサーバにおいて格納することと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから、提示された医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく、第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャをシステムサーバに伝送することと、第2シグネチャが、サーバシステムによって格納された、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別することと、第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成することと、前記応答メッセージを第2ロケーションに伝送することと、および応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが、真性であると検証することとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、処方箋102などの医薬品権利トークンの真正性を検証するためのシステム100を示す。システム100は、ネットワーク104を介して一緒に動作上、接続された、トークンプロバイダ端末装置106と、システムサーバ120と、検証端末装置130とを含む。ネットワーク104は、例えば、任意の1つまたは複数の所望される伝送プロトコル(例えば、インターネット(TCP/IP)、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージング、ISDN(国際標準ダイヤル呼び出しネットワーク)など)に準拠して動作する、公衆に利用可能な専用の固定電話サービスもしくは移動電話サービス、プライベート遠隔通信リンクなどに基づくことが可能である。動作の際、ネットワーク104は、ネットワーク104が動作上、結合されたデバイス間で、1つまたは複数の通信チャネルを提供する。
【0014】
トークンプロバイダ端末装置106は、例えば、医者の診療所などの第1ロケーションにおいて提供される。トークンプロバイダ端末装置106は、トークンプロバイダ端末装置106のユーザが、処方箋102を処方することができるようにするユーザインターフェース140を提供するように動作可能なプロセッサ108を含む。ユーザインターフェース140は、ディスプレイデバイス142上でユーザに処方箋テンプレート(図示せず)を提示する。キーボード144やマウス146などの入力デバイスを使用して、ユーザは、ディスプレイデバイス142上に提示された処方箋テンプレートに記入することができる。例えば、医者は、患者の名前、年齢、およびアドレスなどの患者関連データ、ならびに患者に処方されるべき薬剤のタイプ、量、および投薬計画などの医薬品関連データを追加して、テンプレートに記入することができる。
【0015】
処方箋テンプレートが記入されると、プロセッサ108は、処方箋102を作成するのに必要なデータをフォーマットするように動作可能である。フォーマットされたデータは、印刷された患者関連データおよび医薬品関連データのために利用可能なスペースを有する、事前印刷された処方箋フォーム(場合により、診療所詳細、医者の名前、処方箋ID番号などが印刷されている)を完成させるのに使用されることが可能である。フォーマットされたデータは、プロセッサ108によって印刷デバイス122にスプールされ、デバイス122において、データは、紙上、または事前印刷された処方箋フォーム上に印刷されて、処方箋102が作成される。
【0016】
この実施形態では、印刷デバイス122は、リーダ装置110も含む。図9は、そのような印刷デバイス122の構成をさらに詳細に示す。
【0017】
リーダ装置110は、印刷前か印刷中か印刷後のいずれかで、処方箋102をコヒーレント放射で照射し、放射が、処方箋から散乱する際に生成されるスペックルパターンと関係するデータを獲得するように動作可能である。処方箋102を識別するスペックルパターン差別化の使用が、いずれの偽造者も、偽造を真性と識別するようにシステム100を騙すとすれば、スペックルパターンを再現する必要があるので、偽造することは非常に困難になる。
【0018】
スペックルパターンから獲得されるイメージは、例えば、CCD(電荷結合遅延)カメラを使用して得られる、スペックルパターンの2次元イメージに相当することが可能である。しかし、図示される実施形態では、獲得されたデータが、1つまたは複数のスペックルパターンのポイントサンプルとして獲得されたデータポイントセットを形成する、代替のデータ獲得スキームが、使用される。この後者の代替タイプのデータ獲得スキームを使用して動作するリーダ装置の様々な実施例が、図3ないし図10に関連して後段で説明され、これらの実施例は、認識が効果的であるのに、複雑なイメージ処理、または非常に正確なイメージ登録を必要としないので、有利である。
【0019】
プロセッサ108は、獲得されたデータから第1シグネチャを生成するように動作可能である。これを行うためのプロセスは、図13に関連して後段でより詳細に説明される。
【0020】
第1シグネチャが、生成されると、プロセッサ108は、そのシグネチャを、ネットワーク104を介してサーバシステム102に伝送することができる。システム100によって生成されたシグネチャは、処方箋102を形成する(例えば、紙の)基材の本来的な物理特性に依存し、処方箋102上に書かれた、いずれの情報にも、必ずしも依存しないので、ネットワーク104を介して伝送されるデータは、プライバシー中立であり、例えば、シグネチャデータ単独では、患者、または調剤されるべき医薬品に関する情報を明らかにしない。
【0021】
オプションとして、トークンプロバイダ端末装置106は、ネットワーク104を介して、処方箋102と関係する追加情報をサーバシステム120に提供するように動作可能である。例えば、ユーザインターフェース140において入力された情報が、シグネチャと一緒に、例えば、暗号化された形態で伝送されることも可能である。そのような情報は、患者匿名性である、例えば、薬剤タイプ、投与量、処方箋作成日付/時刻、処方箋有効期限の日付/時刻、ロケーション、患者の年齢、番号、既存の病状などであることが可能である。この情報は、システムサーバ120で、または他の場所で、匿名で使用されて、例えば、疫学的研究で使用するために、いくつかのタイプの薬剤の地理的調剤パターンを研究などのために、有用な医療統計が引き出されることが可能である。患者が、直接に、または間接的に識別可能である(例えば、患者番号の割り当てによって)別の実施例において、システムサーバ120が、自動的に使用されて、医療上の禁忌に関して処方箋が調べられ、いずれかの禁忌が見出された場合、トークンプロバイダ端末装置106に警報が発行されることも可能である。
【0022】
別のオプションの動作モードでは、トークンプロバイダ端末装置106が、識別トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成するように動作可能である。保持者識別シグネチャは、リーダ装置110を使用して、または第1ロケーションで提供される別のリーダデバイスによって生成されることが可能である。保持者識別シグネチャは、ネットワーク104を介してサーバシステム120に伝送されることが可能である。
【0023】
保持者識別シグネチャは、このケースでは、処方箋102が作成される患者であることが可能な、保持者に固有のトークンから生成されることが構想される。そのような保持者トークンには、例えば、パスポート、ID(身元証明)カード、医療保険カードなどが含まれることが可能である。これらのトークンは、処方箋が準備される第1ロケーションにおいて、医者によって走査され、処方箋102が提示された際に、再び走査されて、やはり、プライバシー中立な仕方でシグネチャのペアを使用して、患者/保持者トークンが処方箋にリンクされるようにすることが可能である。このモードは、薬剤の調剤などの利益を得るために、オリジナルの保持者トークンが、処方箋102と一緒に提示されることが、要件にされることが可能であるので、追加のセキュリティレベルを提供する。
【0024】
患者が、処方箋を与えられるために、ある形態の身元証明を医者に提示することを要求されることが可能な、オプションの動作モードにおいて、身元証明が必要とされるという事実そのものだけで、処方箋を現物に替えることを所望する人は誰でも、薬局において自身の身元証明を走査のために提示することを強いられる可能性があるので、詐欺を抑止するのに十分である可能性がある。提示された身元証明が、処方箋と合致しない場合、保持者は、保持者の身元証明が本物であった場合、保持者の身元証明を既に行っており、あるいは偽の身元証明を提示している。そのようなケースが、記録されることが可能である。身元証明が、写真身元証明である場合、そのようなシステム動作モードは、抑止力として特に効果的である。さらに、身元証明は、必ずしも、スペックル解析を使用して識別される必要はない(すなわち、処方箋と身元証明を識別する仕方は、同一の技術である必要はない)。例えば、身元証明は、単純なバーコードリーダを使用して調べられることも可能である。
【0025】
システムサーバ120は、ネットワーク104を介して1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置106から伝送される、複数のシグネチャを格納するように動作可能である。システムサーバ120は、シグネチャを格納し、管理するためのデータベース124を含む。この実施形態におけるデータベース124は、例えば、さらなるデータ保全性のために、Oracle(登録商標)データベースソフトウェアおよびRAID(redundant array of independent disks)ストレージデバイスによって提供されることが可能である。サーバシステム102は、ネットワーク104を介して受信された、追加情報、または保持者識別シグネチャを格納し、比較するようにも動作可能である。
【0026】
検証端末装置130が、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、ネットワーク104に動作上、結合される。また、検証端末装置130は、提示された医薬品権利トークンから、提示された処方箋をコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することにより、第2ロケーションにおいて提示された処方箋の真正性を検証するようにも動作可能である。シグネチャは、図3に示されるタイプのリーダ装置134を使用して、提示された処方箋を走査することによって得られたデータから、生成されるが、他のタイプのリーダ装置が、代わりに使用されてもよい。
【0027】
検証端末装置130は、検証プロセッサ132を含む。検証プロセッサ132は、1つまたは複数のスペックルパターンのポイントサンプルとして得られたデータポイントセットとして、リーダ装置134からデータを獲得する。十分なデータが獲得されると、検証プロセッサ132は、獲得されたデータから第2シグネチャを生成するように動作可能である。オプションとして、検証端末装置132は、処方箋102を提示する個人の身元を検証するために、第2シグネチャに加えて、保持者トークンから保持者識別シグネチャを生成するのに使用されることも可能である。これらのシグネチャを生成するためのプロセスは、図13に関連して後段でより詳細に説明される。
【0028】
第2シグネチャ、および、オプションとして、保持者識別シグネチャは、検証端末装置130によって、ネットワーク104を介してシステムサーバ120に伝送される。システムサーバ120は、伝送された第2シグネチャを、データベース124の中に格納されているシグネチャと比較するように動作可能である。第2シグネチャとデータベース124の中に格納されているシグネチャとの間に合致が存在しない場合、その処方箋102は、真性ではないものと見なされる。合致が存在する場合、その処方箋102は、真性であるものと見なされる。
【0029】
保持者識別シグネチャも伝送される場合、システムサーバ120は、保持者識別シグネチャを、データベース124の中に格納されている保持者識別シグネチャと比較するように動作可能である。保持者識別シグネチャとデータベースの中に格納されているシグネチャとの間で合致が存在しない場合、その処方箋の保持者は、その処方箋102を使用する権利がないものと見なされる。合致が存在する場合、場合により、第2ロケーションにおけるオペレータによる保持者トークンの視覚的検査を受けて、またはデータベース124の中に保持されている処方箋または患者情報を、提示された処方箋上の情報、または保持者の資格証明とクロスチェックすることにより、保持者は、処方箋102を使用する権利があるものと見なされることが可能である。
【0030】
シグネチャを照合して、シグネチャが、データベース124の中に格納されているシグネチャと合致するかどうかを判定するプロセスは、図14に関連して後段で詳細に説明する。
【0031】
システムサーバ120は、応答メッセージを生成し、その応答メッセージを、ネットワーク104を介して検証端末装置130に伝送するように動作可能である。応答メッセージの内容は、処方箋102が真性であるか否かを示し、オプションとして、保持者が、その処方箋102を使用する権利を有するかどうかを示す。メッセージの内容は、検証端末装置130のユーザに、ユーザが適切な措置、例えば、真性の処方箋を引き受けること、真性でない処方箋を取り消すまたは破棄すること、および、適宜、適切な法執行機関に通報することを行うように、提示されることが可能である。
【0032】
サーバシステム120は、処方箋を完全にまたは部分的に無効にするようにさらに動作可能である。例えば、処方箋が複数の医薬品の調剤と関係し、品目のすべてが入手可能ではない場合、薬剤師は、入手可能な品目を調剤し、検証端末装置130を使用して、対応する処方箋が部分的にだけ有効なままであることを、サーバシステム120に示すことができる。このようにして、処方箋が残りの品目に関して再び提示された際、サーバシステム120は、メッセージの中で、これから調剤されるべき品目だけを検証端末装置130に示すことができる。
【0033】
また、あるデータ(例えば、出所の医師、およびデータベースへの送信日付/時刻と関係するデータ)が、対応するシグネチャと一緒にデータベース124の中に格納されている場合、任意の指定された日付を超える処方箋をブロックするのが容易である。例えば、細菌感染に関する抗生物質処方箋が、処方箋が作成されて一週間以内に調剤されるように指示されることが可能であるのに対して、慢性症状、例えば、喘息に関する反復処方箋が、処方箋の作成から数カ月まで調剤されることが許されることが可能である。
【0034】
さらに、発行された処方箋と調剤された薬剤または医薬品との間で、1対1の対応が、決定されることが可能である。このことは、監査証跡を作成するためにデータベースの中に患者データを格納する必要がまったくないので、有用な情報を提供するが、プライバシー中立なままである仕方で生成されることが可能な監査証跡を提供する。
【0035】
検証端末装置130またはサーバシステム120は、第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するように動作可能である。例えば、検証端末装置130は、薬剤の供給があるレベルを下回ると、または在庫の薬剤がそれらの薬剤の使用日までに調剤されていない場合、薬剤師に通知することもできる。別の実施例では、サーバシステム120が、インベントリを追跡するのに使用されて、検証端末装置におけるリソースを解放することも可能である。そのようなサーバシステム120は、例えば、製薬会社によって、製品在庫レベル/調剤レベルなどの地理的分析を実行するのに使用されることが可能であり、この分析は、マーケティング目的で、または病気の動向/パターンを突き止めるのに使用されることが可能である。インベントリ追跡が使用される場合、検証端末装置130またはサーバシステム120は、インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、例えば、必要な場合、特定の薬剤納入業者からの薬剤をロットで注文することにより、補充在庫のために、ネットワークを介して、納入業者に自動的に発注を行うように、さらに動作可能である。
【0036】
プロセッサ108または検証プロセッサ132は、第1ロケーションまたは第2ロケーションにおいて提供される、適切に構成されたPC(パーソナルコンピュータ)の一部として提供されてもよい。このように1つまたは複数のPCを構成することにより、様々なリーダ装置をシステムに追加すること以外は、専用ハードウェアの提供を要求することなしに、既存の機器が使用されることが可能である。
【0037】
さらに、デジタル化されたシグネチャは、比較的少量のデータ(例えば、200ビットないし8キロビット)だけしか含まない可能性があるので、システムサーバ120における検証は、相当に迅速なプロセスである可能性がある。加えて、ネットワーク104によって提供される通信チャネルの帯域幅は、比較的低いことが可能である。例えば、56kのダイヤル呼び出しモデムが、トークンプロバイダ端末装置106または検証端末装置130によって、ネットワーク104に接続するのに使用されることが可能であり、第1ロケーションまたは第2ロケーションにおける安価な標準の機器の使用を可能にする。
【0038】
本発明に従って提供されるシステムにおいて使用するのに適した様々なデバイスは、いくつもの本出願人の同時係属特許出願[7〜14]においても説明される。
【0039】
図2は、処方箋の真正性を検証するための方法を示す。
【0040】
ステップD1で、方法は、第1ロケーションにおいて、処方箋102などの医薬品権利トークンを処方することを含む。医薬品権利トークンは、例えば、医者が、ユーザインターフェースを操作して、処方箋に記入するために処方箋情報を入力することにより、または医者が、手書きの処方箋を作成することにより、第1ロケーションにおいて処方されることが可能である。処方が行われるのに、第1ロケーションの外部のロケーションから提供される、外部で生成されるデータが存在する必要性は、まったくない。つまり、医薬品権利トークンを生成するのに必要とされるすべての処方ステップは、第1ロケーションだけで行われることが可能である。
【0041】
ステップD2で、第1シグネチャが、医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて生成される。
【0042】
ステップD3で、第1シグネチャがシステムサーバに伝送される。
【0043】
ステップD4で、シグネチャがシステムサーバにおいて格納される。
【0044】
ステップD5で、第2シグネチャが第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから生成される。第2シグネチャは、提示された医薬品権利トークンをコヒーレント放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく。
【0045】
ステップD6で、第2シグネチャがシステムサーバに伝送される。
【0046】
ステップD7で、第2シグネチャがサーバシステムによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップが、実行される。
【0047】
ステップD8で、第2シグネチャが格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージが、生成される。
【0048】
ステップD9で、応答メッセージが第2ロケーションに伝送される。
【0049】
ステップD10で、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが真性であることを検証するステップが実行され、応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す。
【0050】
方法ステップD1ないしD10は、図1に示されるシステム100によって実施されることが可能である。例えば、ステップD1ないしD3は、図1に示されるトークンプロバイダ端末装置106によって実行されることが可能であり、ステップD4、D7、D8、およびD9は、システムサーバ120によって実行されることが可能であり、ステップD5、D6、およびD10は、検証端末装置130によって実行されることが可能である。
【0051】
図3は、リーダ装置134の第1実施例を示す。光学リーダ装置134は、例えば、装置の読み取りボリューム内に配置された、印刷された処方箋(図示せず)などの、トークンからのシグネチャを測定することを目的とする。読み取りボリュームは、筐体12におけるスリットである読み取りアパーチャ10によって形成される。筐体12は、装置の主な光学構成要素を含む。スリットは、x方向でより大きい長さを有する(図面における挿入軸を参照)。
【0052】
主要な光学構成要素は、コヒーレントレーザ光線15を生成するためのレーザソース14、および、16a、16b、16c、および16dというラベルが付けられた、この実施例では、k=4である、複数のk個の光検出器要素からなる検出器構成16である。レーザ光線15は、y方向(図面の平面に垂直な)に広がり、読み取りアパーチャの平面に位置する細長い焦点に、円柱レンズ18によって集束させられる。1つの例示的なリーダにおいて、細長い焦点は、約2mmの長軸寸法と、約40マイクロメートルの短軸寸法とを有する。これらの光学構成要素は、サブアセンブリ20内に含まれる。
【0053】
この実施例では、4つの検出器要素16a〜16dは、光線軸に対して様々な角度をなして交互配置で光線軸のいずれの側にも配置されて、読み取りボリューム内に存在するトークンから反射散乱させられた光を収集する。この実施例では、オフセット角は、-70度、-20度、+30度、および+50度である。光線軸のいずれの側でも、これらの角度は、光学構成要素が収集するデータポイントが、可能な限り独立であるように、等しくならないように選択される。4つすべての検出器要素は、共通の平面に配置される。光検出器要素16a〜16dは、コヒーレント光線が、読み取りボリュームから散乱される際に、筐体上に置かれているトークンから散乱された光を検出する。図示されるとおり、ソースは、レーザ光線15の光線軸が、z方向にあり、したがって、レーザ光線16が、垂直入射で読み取りアパーチャ内のトークンに当たるように、レーザ光線15を向けるように取り付けられる。
【0054】
一般に、焦点深度は、z方向におけるトークン位置付けの違いが、読み取りアパーチャの平面における光線のサイズの大きな変化をもたらさないように、大きいことが望ましい。この実施例では、焦点深度は、スキャナに対するトークンの位置が、ある程度、制御されることが可能な、良好な結果をもたらすのに十分なだけ大きい、約0.5mmである。焦点深度、開口数、および作動距離というパラメータは、互いに依存し、スポットサイズと焦点深度との間の、よく知られたトレードオフをもたらす。
【0055】
駆動モータ22が、矢印26で示されるとおり、適切なベアリング24またはその他の手段を介して、光学サブアセンブリ20の直線の動きをもたらすために、筐体12内に配置される。このため、駆動モータ22は、読み取りアパーチャ10にわたるx軸方向でコヒーレント光線を直線的に動かす役割をして、光線15が、細長い焦点の長軸と交差する方向で走査させられるようにする。コヒーレント光線15は、光線15の焦点において、前記コヒーレント光線と垂直な平面、すなわち、読み取りアパーチャが設けられている筐体の壁の平面における読み取りボリュームの投影よりはるかに小さい、xz平面(図面の平面)における断面を有するようなサイズにされるので、駆動モータ22の走査は、コヒーレント光線15に、駆動モータ22の作用の下で、読み取りボリュームの多数の異なる部分をサンプリングさせる。
【0056】
図4は、このサンプリングを例示するように含められ、読み取り領域が、その領域にわたって細長い光線を走査させることにより、どのようにn回サンプリングされるかを示す概略透視図である。集束させられたレーザ光線が、駆動の作用の下で、読み取りアパーチャに沿って走査させられるにつれての、レーザ光線のサンプリング位置が、長さ「l」、幅「w」の領域をサンプリングする、1からnまで番号が付けられた隣接する長方形によって表される。データ収集は、ドライブがスリットに沿って走査させられるにつれ、n個の位置の各位置において信号を収集するように行われる。したがって、読み取りボリュームの、図示されるn個の異なる部分からの散乱と関係するk×n個のデータポイントのシーケンスが収集される。
【0057】
概略で示されるのもまた、x方向、すなわち、走査方向に沿って、スリット10に隣接して、筐体12の下面に形成されたオプションの距離マーク28である。x方向におけるこれらのマーク間の例示的な間隔は、300マイクロメートルである。これらのマークは、細長い焦点の末端によってサンプリングされ、後段でさらに詳細に説明するとおり、x方向におけるデータの線形化を、そのような線形化が要求される場合に提供する。測定は、スリットに隣接したマーク28の領域から光を収集するように構成された方向性検出器である、さらなるフォトトランジスタ19によって実行される。
【0058】
代替の実施例において、マーク28は、光学サブアセンブリ20の一部である専用の符号器エミッタ/検出器モジュール19によって読み取られることが可能である。符号器エミッタ/検出器モジュールは、バーコードリーダにおいて使用される。一実施例では、集束LED(発光ダイオード)および光検出器に基づくAgilent HEDS-1500モジュールが使用されることが可能である。モジュール信号は、追加の検出器チャネルとしてPIC ADCに送り込まれる(後段の図5の説明を参照)。
【0059】
40マイクロメートルという焦点の例示的な小さい方のサイズ、および2cmというx方向における走査長で、n=500であり、k=4で2000のデータポイントが与えられる。k×nに関する値の通常の範囲は、所望されるセキュリティレベル、トークンタイプ、検出器チャネルの数「k」、およびその他の要因に依存して、100<k×n<10000であるものと見込まれる。また、検出器kの数を増やすことにより、扱い、印刷などを介したトークンの表面劣化に対する、測定値の影響されにくさを向上させることも分かっている。実際、今日まで使用された試作品で、経験則は、多種多様な表面に関して、まずまず高いセキュリティレベルをもたらすのに、独立したデータポイントの合計数、すなわち、k×nが、500以上でなければならないことである。スキャナが、1つの特定の表面タイプ、または1つの表面タイプグループだけに対して使用されることが意図される場合、他の最小値(より高い、またはより低い)が、適用されることも可能である。
【0060】
図5は、図3のリーダ装置134の機能構成要素の概略ブロック図である。モータ22が、電気的リンク23を介してPIC(プログラマブル割り込みコントローラ)30に接続される。検出器モジュール16の検出器16a〜16dが、それぞれの電気接続線17a〜17dを介して、PIC30の一部であるADC(アナログ-デジタル変換器)に接続される。同様の電気接続線21が、マーカ読み取り検出器19をPIC30に接続する。光リンクまたは無線リンクが、電気的リンクの代わりに、または電気的リンクと組合せで使用されてもよいことを理解されたい。PIC30は、データ接続32を介してプロセッサ34とインターフェースをとる。
【0061】
前述したシステム100において、プロセッサ34および検証プロセッサ132によって提供される機能は、しかるべくプログラミングされた同一の電子デバイスによって提供されることが可能である。プロセッサ34は、例えば、デスクトップコンピュータシステムまたはラップトップコンピュータシステムの一部であることが可能である。代替として、他のインテリジェントデバイス、例えば、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)または専用の電子ユニットが使用されてもよい。PIC30とプロセッサ34は、検出器16a〜16dによって収集されたデータポイントセットから、トークンのシグネチャを特定するためのデータ獲得-処理モジュール36を共同で形成する。
【0062】
一部の実施例において、プロセッサ34は、ネットワーク104を介して提供される光学ネットワークインターフェース接続38を介して、システムサーバデータベース124にアクセスを有することが可能である。ネットワーク104を介した、そのようなアクセスは、例えば、移動電話サービス、あるいはインターネットと組み合わせた無線LAN(ローカルエリアネットワーク)を使用する、無線通信によることが可能である。
【0063】
図6は、リーダ装置134の透視図であり、リーダ装置134の外形を示す。筐体12およびスリット形状の読み取りアパーチャ10が、見て取れる。また、物理的ロケーション補助42もはっきり見え、所与の形状のトークンを、読み取りアパーチャ10に対するある固定位置に位置付けるために提供される。この実施例では、物理的ロケーション補助42は、処方箋文書などのトークンの隅が位置付けられることが可能な直角ブラケットの形状である。そのような補助42は、トークンが走査される必要がある場合にはいつでも、トークンの同一の部分が読み取りアパーチャ10内に位置付けられることが可能であることを確実にする。単純な角ブラケットまたは均等物で、紙、パスポート、IDカードなどの、明確な隅を有するトークンには、十分である。しかし、他の形状の位置ガイドが提供されて、円形のトークンまたは曲面を有するトークンなどの様々な形状のトークンを受け入れることも可能である。1つのサイズおよび形状だけのトークンが走査されるべき場合、そのトークンを受けるためのスロットが設けられることが可能である。
【0064】
図7は、トークン位置付けが一貫していることを確実にする文書フィーダが提供される、リーダ装置の代替の物理的構成を示す。この実施例では、トークン供給トレー61が取り付けられた筐体60が、提供される。トレー61は、リーダによる走査のために1つまたは複数のトークン62を保持することができる。モータが、前述したとおり、供給ローラ64を駆動して、デバイスの中を通り、光学サブアセンブリ20の走査アパーチャの横断するようにトークン62を運ぶことができる。このため、トークン62は、光学サブアセンブリとトークンとの間の相対的な動きが、トークンの動きによってもたられるような仕方で、前述したように光学サブアセンブリ20によって走査されることが可能である。
【0065】
そのようなリーダ装置を使用して、走査されるアイテムの動きは、十分な線形性を有するモータを使用して制御されることが可能であり、したがって、距離マークおよび線形化処理の使用は、不必要である可能性がある。リーダ装置は、文書スキャナ、写真複写機、または文書管理システムのための任意の従来のフォーマットに従うことが可能である。例えば、そのようなリーダ装置は、単独シート、両面トークンなどを扱うことともに、またはそうする代わりに、ラインフィードシート(例えば、ミシン目の継ぎ目で複数のシートが一緒につなげられている)を扱うように構成されてもよい。
【0066】
このように、以上、自動化されたフィーダタイプのデバイスにおいてトークンを走査するのに適したリーダ装置を説明してきた。供給構成の物理的構成に依存して、デバイスは、単独シートの材料、つながったシートの材料、あるいは例えば、紙またはプラスチックなどの異なる材料でできたトークンの1つまたは複数を走査することができることが可能である。
【0067】
図8は、リーダ装置のさらなる代替の物理的構成を示す。この実施例では、トークンは、ユーザによってリーダ装置を通るように動かされる。図8Aに示されるとおり、リーダ筐体70が、走査のためにトークンを挿入するためのスロット71を備えることが可能である。光学サブアセンブリ20が、そのスロットを通過させられるトークン62を走査することができるように、スロット71内に向けられた走査アパーチャを備えることが可能である。さらに、ガイド要素72が、スロット71内に備えられて、光学サブアセンブリ20から正しい焦点距離にトークンを導くのを助け、かつ/またはスロットの中をトークンが一定の速度で通過することをもたらすことが可能である。
【0068】
図8Bに示されるとおり、リーダ装置は、矢印によって示されるとおり、筐体70の中を長軸方向のスロットに沿って動かされる際に、トークンを走査するように構成されることが可能である。代替として、図8Cに示されるとおり、リーダは、矢印によって示されるとおり、リーダ筐体70内に入り込むスロットの中に挿入される、またはそこから出される際に、トークンを走査するように構成されてもよい。このタイプのデバイスは、カード、プラスチックシート、または金属シートなどの、少なくとも部分的に剛性であるトークンを走査するのに特に適していることが可能である。
【0069】
図9は、印刷デバイス122に組み込まれたリーダ装置110の概略図を示す。リーダ装置は、前述したタイプの光学サブアセンブリ20を組み込むことができる。プリンタ122は、光学サブアセンブリや、関連するエレクトロニクスなどの、リーダ装置110を形成する構成要素を含むこと以外は、従来どおりであることが可能である。
【0070】
紙供給機構を概略で示すのに、最終ローラペア109だけが、図示される。紙供給機構は、さらなるローラ、および他の機械部品を含むと認識されよう。試作品の実施例では、リーダ装置110の一部を形成するスキャンヘッドは、便宜上、図示されるとおり、最終ローラペアの直後に取り付けられている。スキャンヘッドは、紙の供給パスに沿った多くの異なる位置に取り付けられることが可能であると認識されよう。さらに、例示は、レーザプリンタであるが、任意の種類の印刷デバイスが使用されることが可能であると認識されよう。インクジェットプリンタ、感熱プリンタ、またはドットマトリックスプリンタなどの他のタイプのプリンタとともに、印刷デバイスは、例えば、ネットワーク化された写真複写機などの従来プリンタと見なされていない他の任意の種類の印刷デバイスであることも可能である。
【0071】
このように、以上、トークンを印刷することおよび走査することに適した装置の実施例を説明してきた。このため、トークンは、トークンが作成から走査までの間に改変される可能性を回避するように、作成中に走査されることが可能である。また、走査ユニットをプリンタに追加することの増大する費用は、専用の走査デバイスの費用より低いことが可能であるので、この構成は、そのようなデバイスを所有するより低い費用を可能にする可能性もある。
【0072】
前述の実施例は、小さい断面のコヒーレント光線を使用した局所的励起を、励起の局所領域を含むはるかに大きい領域にわたって散乱する光信号を受け入れる検出器と組み合わせることに基づく。はるかに大きい領域の励起との組合せで、局所的領域からだけの光を収集する方向性検出器に代わりに基づく、機能的に均等の光学系を設計することも可能である。
【0073】
図10Aは、方向性光収集と、コヒーレント光線を使用した全面的照明とに基づくリーダ装置のための、代替イメージング構成を概略で示す側面図である。アレイ検出器48が、円柱マイクロレンズアレイ46と組合せで配置され、したがって、検出器アレイ48の隣接するストリップは、読み取りボリュームにおける、対応する隣接するストリップからの光だけを収集する。図4を参照すると、各円柱マイクロレンズが、n個のサンプリングストリップの1つから光信号を収集するように配置される。すると、コヒーレント照明は、読み取りボリューム(図示せず)全体の全面的な照明で行われることが可能である。
【0074】
また、局所的励起と局所的検出の組合せを有する混成システムも、一部のケースにおいて有用である可能性がある。
【0075】
図10Bは、方向性検出器が、細長い光線を使用した局所的照明と組合せで使用されるリーダ装置に関する、さらなる代替イメージング構成の光学フットプリントを概略で示す平面図である。この実施例は、方向性検出器が提供される図3の実施例の発展形態と考えることができる。
【0076】
この実施例では、方向性検出器の3つのバンクが提供され、各バンクは、「l×w」励起ストリップに沿った異なる部分からの光を収集することを目標にする。読み取りボリュームの平面からの収集領域が、点線の円で示されており、したがって、第1検出器バンク、例えば、2は、励起ストリップの上側部分からの光信号を収集し、第2検出器バンクは、励起ストリップの中央部分からの光を収集し、第3の検出器バンクは、励起ストリップの下側部分からの光信号を収集する。各検出器バンクは、約l/mの直径の円形収集領域を有するように示される。ただし、mは、励起ストリップの下位区分の数であり、この実施例において、m=3である。このようにして、独立したデータポイントの数が、所与の走査長lに関して、m倍に増加されることが可能である。後段でさらに説明するとおり、異なる方向性検出器バンクの1つまたは複数が、スペックルパターンをサンプリングする光信号を収集すること以外の目的で使用されることが可能である。例えば、バンクの1つを使用して、バーコード走査のために最適化された仕方で光信号が収集されてもよい。これが該当する場合、コントラストだけに関して走査している際、相互相関を得ることに利点はまったく存在しないので、そのバンクは、1つだけの検出器を含むことで、一般に、十分である。
【0077】
図11は、約0.5×0.2mmの領域に及ぶイメージを有する紙表面の顕微鏡イメージである。この図は、紙などからの巨視的に平坦な表面が微視的なスケールにおいて多くの場合に、非常に構造化されていることを例示するために、含められている。紙の場合、表面は、紙を構成する木繊維または他の繊維の互いに絡み合う網目の結果、微視的に非常に構造化されている。
【0078】
また、この図は、およそ10ミクロンである木繊維に関する特徴的な長さスケールも例示する。この寸法は、回折を生じさせ、したがって、スペックルを生じさせ、さらに、繊維の向きに依存するプロファイルを有する散漫散乱も生じさせる、この実施例のコヒーレント光線の光波長に対する正しい関係を有する。このため、リーダが、特定のクラスのトークンのために設計されるべき場合、レーザの波長は、走査されるべきクラスのトークンの構造特徴サイズに合わせられることが可能であると認識されよう。
【0079】
また、この図から、各紙の局所表面構造は、個々の木繊維がどのように並んでいるかに、その構造が依存するという点で、一意であることが明白である。このため、紙は、自然の法則によって支配されるプロセスによって作られている結果、一意である構造を有するという点で、特別に作成されたトークンとまったく異ならない。同じことは、他の多くのタイプのトークンにも当てはまる。
【0080】
つまり、様々な日常的なトークンから、一意の特性が、単純明快な仕方で測定可能である時に、特別に加工されたトークンを作成する労力および費用を引き受けるのは、基本的に無意味である。次に、トークンの表面(または、透過の場合、内部)の自然な構造を利用する散乱信号のデータ収集および数値処理を説明する。
【0081】
以上、様々なリーダ装置の主要な構造的構成要素、および機能的構成要素を説明したので、次に、シグネチャを特定するのに使用される数値処理について説明する。この数値処理は、様々な実施形態においてPICに従属させられた、いくつかの要素を有する、プロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムにおいて、大部分、実施されることが可能であることが理解されよう。代替の実施例では、数値処理は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの様々な組合せで実施される専用の数値処理デバイスまたは数値処理デバイス群によって実行されることが可能である。
【0082】
図12Aは、図3のリーダ装置の単一の光検出器16a〜16dからの生のデータを示す。グラフは、ポイント数n(図4参照)に対する信号強度Iをa.u.(任意の単位)でプロットする。I=0〜250の間で変動する高い方のトレースは、光検出器16aからの生の信号データである。低い方のトレースは、およそI=50における、マーカ28(図4参照)からピックアップされた符号器信号である。
【0083】
図12Bは、符号器信号で線形化された後の図12Aの光検出器データを示す(x軸は、図12Aとは異なるスケール上にあるものの、このことは重要ではないことに注意されたい)。前述したとおり、スキャナに対するトークンの動きが十分に線形である場合、アラインメントマークに対する線形化を利用する必要はまったくない可能性がある。さらに、強度の平均が計算され、強度値から引かれている。このため、処理されたデータ値は、0を挟んで上下に変動する。
【0084】
図12Cは、デジタル化の後の図12Bのデータを示す。採用されるデジタル化スキームは、あらゆる正の強度値がa.u.1に設定され、あらゆる負の強度値がa.u.0に設定される単純なバイナリスキームである。代わりに、多状態デジタル化、または他の多くのデジタル化アプローチの任意のアプローチが使用されることも可能であると認識されよう。デジタル化の最も重要な特徴は、単に、同一のデジタル化スキームが一貫して適用されることである。
【0085】
図13は、シグネチャがトークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンから、どのように生成されるかを示す流れ図である。
【0086】
ステップS1は、光検出器のそれぞれにおける光強度が、走査の全時間中、およそ1ミリ秒ごとに獲得される、データ獲得ステップである。同時に、符号器信号が、時間に応じて獲得される。走査モータが高い度合いの線形化精度を有する場合(ステップモータの場合のように)、データの線形化は、要求されない可能性があることに留意されたい。データは、ADC31からのデータを取り込んでPIC30によって獲得される。データポイントは、PIC30からプロセッサ34にリアルタイムで転送される。代替として、データポイントは、PIC30内部のメモリの中に格納され、その後、走査の終了時にプロセッサ34に送られることも可能である。各回の走査において収集される検出器チャネル当たりのデータポイントの数nは、以下においてNと定義される。さらに、値ak(i)が光検出器kからの格納された第i番の強度値と定義される。ただし、iは、1からNまでに及ぶ。そのような走査から得られた2つの生のデータセットの例が、図12Aに示される。
【0087】
ステップS2は、数値補間を使用して、ak(i)の拡大および縮小を局所的に行って、符号器遷移が、時間的に均等に離隔しているようにする。これにより、モータ速度の局所的変動が補正される。このステップは、プロセッサ34においてコンピュータプログラムによって実行されることが可能である。
【0088】
ステップS3は、オプションのステップである。実行された場合、このステップは、時間に関してデータを数値的に差別化する。また、弱い平滑化関数をデータに適用することも望ましい可能性がある。差別化は、信号からの互いに関係していない寄与を、互いに関係する(スペックル)寄与に比べて弱める役割をするので、非常に構造化された表面に関して役立つ可能性がある。
【0089】
ステップS4は、各光検出器に関して、N個のデータポイントにわたる記録された信号の平均値がとられるステップである。各光検出器に関して、この平均値が、データポイントのすべてから引かれて、データが、0の強度を中心に分布しているようにする。線形化が行われ、計算された平均値が引かれた後の走査データセットの例を示す、図12Bを参照する。
【0090】
ステップS5は、アナログの光検出器データをデジタル化して、走査を表すデジタルシグネチャを計算する。デジタルシグネチャは、次の規則を適用することによって得られる。すなわち、ak(i)>0は、バイナリ「1」にマップされ、ak(i)<=0は、バイナリ「0」にマップされる。デジタル化されたデータセットは、dk(i)と定義される。ただし、iは、1からNまでに及ぶ。トークンのシグネチャは、説明したばかりの強度データのデジタル化されたシグネチャに加えて、さらなる成分を組み込むことが可能である。次に、これらのさらなるオプションのシグネチャ成分を説明する。
【0091】
ステップS6は、より小さい「サムネイル」デジタルシグネチャが作成されるオプションのステップである。このステップは、m個の読み取り値の隣接するグループを一緒に平均することにより、または、より好ましくは、第c番ごとのデータポイントを選ぶことによって行われる。ただし、cは、サムネイルの圧縮係数である。平均することはノイズを不釣合いに増幅するので、第c番ごとのデータポイントを選ぶことの方が好ましい。次に、ステップS5で使用されるのと同一のデジタル化則が、縮小されたデータセットに適用される。サムネイルデジタル化は、tk(i)と定義される。ただし、iは、1からN/cまでに及び、cは、圧縮係数である。
【0092】
ステップS7は、複数の検出器チャネルが存在する場合に適用可能な、オプションのステップである。追加の成分は、異なる光検出器から得られた強度データ間で計算される相互相関成分である。2つのチャネルでは、可能な1つの相互相関係数が存在し、3つのチャネルでは、3つまでの相互相関係数が存在し、4つのチャネルでは、6つまでの相互相関係数が存在するといった具合である。相互相関係数は、材料タイプの良好な標識であることが分かっているので、有用である。例えば、所与のタイプのパスポート、またはレーザプリンタ用紙などの、ある特定のタイプの文書に関して、相互相関係数は、常に、予測可能な範囲内に入るように見受けられる。正規化された相互相関が、ak(i)とal(i)の間で計算されることが可能である。ただし、k≠lであり、かつk、lは、光検出器チャネル数のすべてにわたって変化する。正規化された相互相関関数Γは、以下のとおり定義される。すなわち、
【0093】
【数1】
【0094】
後の検証において使用するために格納されることが可能な相互相関関数の別の態様は、相互相関関数におけるピークの幅、例えば、FWHM(半値全幅)である。検証処理における相互相関係数の使用については、後段でさらに説明する。
【0095】
ステップS8は、信号強度分布を示す単純な強度平均値を計算することである別のオプションのステップである。この計算は、異なる検出器に関する平均値の各値の全体的な平均であっても、ak(i)のrms(自乗平均)値などの、各検出器に関する平均であってもよい。検出器が、前述したリーダの場合のように、ペアで垂直入射のいずれの側にも配置される場合、各検出器ペアに関する平均が使用されてもよい。強度値は、サンプルの全体的な反射率および粗さの単純な示度であるので、材料タイプに関する良好な粗いフィルタとなることが分かっている。例えば、強度値として、平均値、すなわち、DCバックグラウンドを除去した後の正規化されていないrms値を使用することができる。
【0096】
トークンを走査することから得られたシグネチャデータは、検証目的でシグネチャデータベースの中に保持されるレコードと比較され、かつ/またはデータベースに書き込まれて、シグネチャの新たなレコードが追加されて、既存のデータベースが拡張されることが可能である。
【0097】
新たなデータベースレコードは、ステップS5で獲得されたデジタルシグネチャを含む。このレコードは、オプションとして、各光検出器チャネルに関してステップS6で獲得されるより小さいサムネイルバージョン、ステップS7で獲得される相互相関係数、およびステップS8で獲得される平均値の1つまたは複数によって補足されることが可能である。代替として、サムネイルは、高速検索のために最適化されたサムネイル独自の別個のデータベースに格納され、残りのデータ(サムネイルを含む)が、メインデータベース上に格納されてもよい。
【0098】
前述したシグネチャを生成する処理は、トークンプロバイダ端末装置106または検証端末装置130においてシグネチャを生成するのに使用されることが可能である。
【0099】
図14は、提示された処方箋から獲得されたシグネチャが、どのようにシグネチャデータベースに照らして検証されて、提示された処方箋が真性であるかどうかが判定されることが可能であるかを示す流れ図である。
【0100】
単純な実施形態では、データベース124は、シグネチャデータの完全なセットに基づいて、単に検索されて、合致が見出されることが可能である。しかし、検証プロセスをスピードアップするのに、プロセスは、前述したとおりの計算された平均値および相互相関係数に基づく、より小さいサムネイル、および事前スクリーニングを使用することができる。
【0101】
検証ステップV1は、検証プロセスの第1ステップである。ステップ1で、システムサーバ120が、検証端末装置130から走査ステップS1ないしS8と関係して、前述したプロセスに従って生成されたシグネチャ、またはシグネチャのサムネイルを受信する。
【0102】
検証ステップV2は、サムネイルエントリのそれぞれを取り上げ、前記エントリとtk(i+j)との間の合致するビットの数を評価する。ただし、jは、走査される領域の位置付けの誤差を補償するように変えられるビットオフセットである。jの値が特定され、次に、最大数の合致するビットをもたらすサムネイルエントリが特定される。このエントリが、さらなる処理のために使用される「ヒット」である。
【0103】
検証ステップV3は、走査されたデジタルシグネチャに照らして、記録のために格納された完全なデジタルシグネチャを解析する前に実行される、オプションの事前スクリーニング試験である。この事前スクリーニングにおいて、走査ステップS8で得られたrms値が、ヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値と比較される。この「ヒット」は、それぞれの平均値が事前定義された範囲内に適合しない場合、さらなる処理から棄却される。すると、トークンは、検証されないものとして棄却される(すなわち、検証ステップV6にジャンプし、トークンが認証されることが可能でなかったことを示す応答メッセージを発行する)。
【0104】
検証ステップV4は、完全なデジタルシグネチャを解析する前に実行される、さらなるオプションの事前スクリーニング試験である。この事前スクリーニングにおいて、走査ステップS7で獲得された相互相関係数が、ヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値と比較される。この「ヒット」は、それぞれの相互相関係数が、事前定義された範囲内に適合しない場合、さらなる処理から棄却される。すると、トークンは、検証されないものとして棄却される(すなわち、検証ステップV6にジャンプし、トークンが認証されることが可能でなかったことを示す応答メッセージを発行する)。
【0105】
検証ステップV4において実行されることが可能な相互相関係数を使用する別の検査は、相互相関関数におけるピークの幅を検査することである。ただし、相互相関関数は、以下のとおり、前述の走査ステップS7における最初の走査から格納された値と、再走査された値とを比較することによって評価される。すなわち、
【0106】
【数2】
【0107】
再走査されたピークの幅が、最初の走査の幅より相当に高い場合、そのことは、再走査されたトークンが、不正操作されている、または、それ以外で疑わしいことを示すものとして解釈されることが可能である。例えば、このチェックは、走査される表面から光検出器によって予期されるのと同一の強度変化を有するバーコード、またはその他のパターンを印刷することにより、システムを騙そうと試みる詐欺師を打ち負かさなければならない。
【0108】
検証ステップV5は、ステップS5で獲得された、走査されたデジタルシグネチャとヒットのデータベースレコードの中の対応する格納された値との間の主な比較である。格納されたデジタル化された完全なシグネチャ、dkdb(i)が、k個の検出器チャネル上のq個の隣接するビットのn個のブロックに分割される。すなわち、ブロック当たりqk個のビットが、存在する。qの通常の値は、4であり、kの通常の値は、4であり、通常、ブロック当たり16ビットとなる。次に、そのqk個のビットが、格納されたデジタルシグネチャdkdb(i+j)の中の対応するqk個のビットと照合される。そのブロック内の合致するビットの数が、何らかの事前定義された閾値zthresh以上である場合、合致するブロックの数が、インクリメントされる。zthreshの通常の値は、13である。以上が、n個すべてのブロックに関して繰り返される。このプロセス全体が、jの異なるオフセット値に関して繰り返されて、最大数の合致するブロックが見出されるまで、走査される領域の位置付けの誤差が補償される。Mを、合致するブロックの最大数と定義すると、偶然の合致の確率は、以下を評価することによって計算される。すなわち、
【0109】
【数3】
【0110】
ただし、sは、任意の2つのブロック間の偶然の合致の確率(この確率は、zthreshの選択された値に依存する)であり、Mは、合致するブロックの数であり、p(M)は、M個以上のブロックが偶然に合致する確率である。sの値は、類似した材料の異なる物体の走査、例えば、紙の文書の数回の走査からのデータベース内のブロックを比較することによって決定される。
【0111】
q=4、k=4、およびzthreshold=13の場合、sの通常の値は、0.1である。qk個のビットが、完全に独立である場合、確率理論は、zthreshold=13に関してs=0.01を与える。経験的には、より高い値が見出されるという事実は、k個の検出器チャネルの相互関係のため、および有限のレーザスポット幅に起因するブロック内の隣接するビット間の相互関係のためでもある。紙の通常の走査は、その紙に関するデータベースエントリに照らして比較されると、総数510ブロックのうち約314個の合致するブロックをもたらす。前述の数式に関してM=314、n=510、s=0.1に設定することにより、10-177という偶然の合致の確率がもたらされる。
【0112】
検証ステップV6が、応答メッセージで検証プロセスの結果を発行する。検証ステップV5で得られた確率結果が、ベンチマークが事前定義された確率閾値である合格/不合格試験において使用されることが可能である。このケースでは、確率閾値は、システムによってあるレベルに設定されても、システムサーバの管理者によって選択されたレベルに設定される可変パラメータであってもよい。代替として、確率結果は、確率自体として生の形態で、または相対的な用語(例えば、合致なし/不良な合致/良好な合致/非常によい合致)もしくは他の分類を使用する、変形された形態で、信頼度レベルを示すように出力されることが可能である。
【0113】
多くの変種が可能であることが、認識されよう。例えば、相互相関係数を事前スクリーニング成分として扱う代わりに、相互相関係数が、メインシグネチャの一部として、デジタル化された強度データと一緒に扱われることも可能である。例えば、相互相関係数は、デジタル化されて、デジタル化された強度データに加えられることも可能である。また、相互相関係数は、独自にデジタル化されて、ビットストリングなどを生成するのに使用されることも可能であり、次に、それらのビットストリングなどが、ヒットを見出すためにデジタル化された強度データのサムネイルに関して前述したのと同じ仕方で検索されることも可能である。
【0114】
このように、以上、処方箋などのトークンを走査して、そのトークンの本質的特性に基づくシグネチャを獲得するための構成の、いくつかの実施例を説明してきた。また、そのシグネチャが、走査中に収集されたデータから、どのように生成されることが可能であるか、およびシグネチャが、どのように、同一のトークン、または異なるトークンからの後の走査と比較されて、提示されたトークンの真正性を検証するために、同一のトークンが、その後の走査において走査されたもっともらしさがどれぐらいであるかという測度が提供されることが可能であるかの実施例も、説明してきた。
【0115】
一部の実施例では、走査された物品からシグネチャを抽出するための方法は、例えば、延伸または収縮によって引き起こされた物品の変形にかかわらず、その物品の確実な認識を提供するように最適化されることが可能である。物品のそのような延伸および収縮は、例えば、紙ベースの、またはボール紙ベースの物品に対する水害によって引き起こされる可能性がある。
【0116】
また、スキャナ内部のセンサに対する物品の相対速度が非線形である場合、物品は、スキャナには延伸されてまたは収縮して見える可能性がある。例えば、物品がコンベアシステムに沿って動かされている場合、または物品がその物品を把持する人間によってスキャナを通るように動かされている場合、これは、生じる可能性がある。これが生じる可能性の高いシナリオの例は、人間が、例えば、前述の図8A、図8B、および図8Cに関連して説明したようなスキャナを使用して、銀行カードを走査する場合である。
【0117】
前述したとおり、スキャナが、スキャナユニット内部で、スキャナに対してまたはスキャナ内で静止状態に保たれている物品に対して動くスキャンヘッドに基づく場合、線形化誘導が、オプションの距離マーク28によって提供されて、スキャンヘッドの動きの非線形性に対処することが可能である。物品が人間によって動かされる場合、これらの非線形性は、大幅に大きくなる可能性がある。
【0118】
これらの非線形効果によって引き起こされる可能性がある認識問題に対処するのに、物品の走査の解析段階を調整することが可能である。このため、次に、変形された検証手続きを、図15を参照して説明する。この実施例において実施されるプロセスは、データのブロックに関する解析を使用して、非線形性に対処する。
【0119】
図15に従って実行されるプロセスは、図10に関連して説明したが、この図の内容を分かりにくくしないように、図15には示されていない、データを平滑化し、差別化するステップと、平均値を計算し、引くステップと、シグネチャおよびサムネイルを獲得するためのデジタル化のステップとのいくつか、またはすべてを含むことが可能である。
【0120】
図15に示されるとおり、ブロックに関する解析を使用する検証走査のための走査プロセスは、物品の走査を実行して、物品の本質的な特性を記述するデータを獲得することにより、ステップS21で始まる。この走査されたデータが、次に、ステップS22で、隣接するブロックに分割される(この分割は、デジタル化、および平滑化/差別化などの前、または後に実行されることが可能である)。一実施例では、54mmという走査長が、8つの等しい長さのブロックに分割される。したがって、各ブロックは、走査された物品の走査された領域のサブセクションを表す。
【0121】
ブロックのそれぞれに関して、ステップS23で、物品が比較されることが意図される格納された各シグネチャに関する均等のブロックに照らして、相互相関が、実行される。この相互相関は、各ブロックに関して1つのサムネイルを用いるサムネイルアプローチを使用して実行されることが可能である。次に、これらの相互相関計算の結果が、解析されて、相互相関ピークのロケーションが識別される。次に、ステップS24で、相互相関ピークの、そのロケーションが、完全に線形の関係が、物品の最初の走査と後の走査との間で存在するとした場合の、ピークの予期されるロケーションと比較される。
【0122】
この関係は、図16A、図16B、および図16Cで示されるとおり、グラフで表現されることが可能である。図16Aの実施例では、相互相関ピークは、まさに予期されるとおりの場所にあり、したがって、物品に対するスキャンヘッドの動きは、完全に線形であり、物品は、延伸または収縮を経験していない。このため、予期されるピークに対する実際のピーク位置のプロットは、原点を通り、1という勾配を有する直線をもたらす。
【0123】
図16Bの実施例では、相互相関ピークは、予期されるよりも近寄っており、したがって、最良適合の線の勾配は、1より小さい。このため、物品は、最初の走査時の物品の物理的特性と比べて、収縮している。また、最良適合線は、プロットの原点を通らない。このため、物品は、最初の走査時の物品の位置と比べて、スキャンヘッドに対して偏移している。
【0124】
図16Cの実施例では、相互相関ピークは、直線を形成しない。この実施例では、相互相関ピークは、y2関数を表す曲線に近似的に合う。このため、スキャンヘッドに対する物品の動きは、走査中に遅くなっている。また、最良適合曲線は、原点を通らないので、物品は、最初の走査時の物品の位置と比べて偏移していることが明らかである。
【0125】
様々な関数が、相互相関ピークの点のプロットに試験的に合わせられて、最もよく適合する関数が見出されることが可能である。このため、延伸、収縮、位置合わせ不良、加速、減速、および以上の組合せを考慮に入れる曲線が、使用されることが可能である。
【0126】
ステップS25で、最良適合の関数が識別されると、ステップS26で、各相互相関ピークが、そのピークの予期される位置からどれだけ偏移しているかを表す変化パラメータセットが、算出されることが可能である。次に、ステップS27で、これらの補償パラメータが、走査からのデータに対する収縮、延伸、位置合わせ不良、加速、または減速の効果を実質的に逆にするために、ステップS21で取り込まれた走査からのデータに適用されることが可能である。認識されるとおり、ステップS25で獲得される最良適合関数が、走査データによく合うほど、補償効果は、良好になる。
【0127】
次に、ステップS28で、ステップS22の場合と同様に、補償された走査データが、隣接するブロックに細分される。次に、ステップS29で、これらのブロックが、格納されたシグネチャからのデータのそれぞれのブロックと個々に相互相関させられて、相互相関係数が得られる。今回は、相互相関ピークの大きさが、解析されて、ステップS29において一意性ファクタが算出される。このため、走査された物品が、格納されたシグネチャが作成された際に走査された物品と同一であるかどうかが判定されることが可能である。
【0128】
したがって、以上、走査される物品の物理的変形、およびスキャナに対する物品の動きの非線形性を補償するための方法の実施例を説明してきた。この方法を使用すると、走査される物品は、その物品の、より早期の走査から得られた、その物品に関する格納されたシグネチャと照らして検査されて、高い確度レベルで、その後の走査において同一の物品が存在するか否かが判定されることが可能である。その結果、容易に歪められる材料で作られた物品が、確実に認識されることが可能である。また、物品に対するスキャナの動きが非線形であることが可能なスキャナが、使用されて、その結果、動き制御要素を有さない低価格のスキャナが使用可能にされることも可能である。
【0129】
また、一部のスキャナ装置において、走査される領域がどこで始まり、どこで終わるかを特定することが困難である可能性があることも可能である。前述した実施例のうち、このことは、走査されるべき物品が、スロットの中を通過し、したがって、スキャンヘッドが、意図される走査領域よりも多く、物品を「見る」ことが可能な図8Bの実施例に関して、最も問題である。この困難に対処する1つのアプローチは、走査領域を、物品の端部で始まるものとして定義することである。スキャンヘッドにおいて受け取られるデータは、物品が、それまで自由空間であったところを通過させられると、明確なステップ変化を受けるので、スキャンヘッドにおいて取得されたデータを使用して、スキャンがどこで始まるかが特定されることが可能である。
【0130】
この実施例では、スキャンヘッドは、スキャナへの物品の適用に先立って機能可能である。このため、最初に、スキャンヘッドは、スキャンヘッドの前方の占有されていない空間に対応するデータを受け取る。物品が、スキャンヘッドの前方を通過させられるにつれ、スキャンヘッドによって受け取られるデータは、物品を記述するデータに即時に変化する。このため、このデータを監視して、物品がどこで始まるかが特定されることが可能であり、それに先立つすべてのデータは、破棄されることが可能である。物品最先端を基準とする走査領域の位置および長さが、いくつかの仕方で特定されることが可能である。最も簡単なのは、物品の全長を走査領域として、スキャンヘッドが、自由空間に対応するデータを再び拾い上げることにより、終端が検出されることが可能であるようにすることである。別の方法は、最先端から所定の回数の走査読み取り値で、記録されるデータを開始すること、および/または停止することである。物品が、常に、ほぼ同一の速度でスキャンヘッドを通り過ぎるものと想定すると、これにより、一貫した走査領域がもたらされる。別の代替は、物品上の実際のマークを使用して、走査領域を開始し、停止することであるが、そうすることは、キャプチャされたいずれのデータが、走査領域に対応し、いずれのデータが、破棄されることが可能であるかを特定する、さらなる作業を、データ処理の点で、要求する可能性がある。
【0131】
このように、以上、アイテムを走査して、その物品の本質的な特性に基づくデータを収集するため、必要な場合、その物品の損傷、または走査プロセスにおける非線形性を補償するため、およびその物品を、物品の以前の走査に基づく格納されたシグネチャと比較して、両方の走査に関して同一の物品が存在するかどうかを判定するための、いくつかの技術を説明してきた。
【0132】
また、一部のスキャナ装置において、走査される領域がどこで始まり、どこで終わるかを特定することが困難である可能性があることも可能である。前述した実施例のうち、このことは、走査されるべき物品が、スロットの中を通過し、したがって、スキャンヘッドが、意図される走査領域よりも多く、物品を「見る」ことが可能な図8Bの実施例に関して、最も問題である。この困難に対処する1つのアプローチは、走査領域を、物品の端部で始まるものとして定義することである。スキャンヘッドにおいて受け取られるデータは、物品が、それまで自由空間であったところを通過させられると、明確なステップ変化を受けるので、スキャンヘッドにおいて取得されたデータを使用して、スキャンがどこで始まるかが特定されることが可能である。
【0133】
この実施例では、スキャンヘッドは、スキャナへの物品の適用に先立って機能可能である。このため、最初に、スキャンヘッドは、スキャンヘッドの前方の占有されていない空間に対応するデータを受け取る。物品が、スキャンヘッドの前方を通過させられるにつれ、スキャンヘッドによって受け取られるデータは、物品を記述するデータに即時に変化する。このため、このデータを監視して、物品がどこで始まるかが特定されることが可能であり、それに先立つすべてのデータは、破棄されることが可能である。物品最先端を基準とする走査領域の位置および長さが、いくつかの仕方で特定されることが可能である。最も簡単なのは、物品の全長を走査領域として、スキャンヘッドが、自由空間に対応するデータを再び拾い上げることにより、終端が検出されることが可能であるようにすることである。別の方法は、最先端から所定の回数の走査読み取り値で、記録されるデータを開始すること、および/または停止することである。物品が、常に、ほぼ同一の速度でスキャンヘッドを通り過ぎるものと想定すると、これにより、一貫した走査領域がもたらされる。別の代替は、物品上の実際のマークを使用して、走査領域を開始し、停止することであるが、そうすることは、キャプチャされたいずれのデータが、走査領域に対応し、いずれのデータが、破棄されることが可能であるかを特定する、さらなる作業を、データ処理の点で、要求する可能性がある。
【0134】
このように、以上、アイテムを走査して、その物品の本質的な特性に基づくデータを収集するため、必要な場合、その物品の損傷、または走査プロセスにおける非線形性を補償するため、およびその物品を、物品の以前の走査に基づく格納されたシグネチャと比較して、両方の走査に関して同一の物品が存在するかどうかを判定するための、いくつかの技術を説明してきた。
【0135】
物品の本質的な特性に基づいて生成されたシグネチャのブロックに関する解析を使用して検出されることが可能な物品の別の特徴が、物品の局所的損傷の特徴である。例えば、そのような技術は、最初の記録走査の後に物品に行われた変更を検出するのに使用されることが可能である。
【0136】
例えば、パスポート、IDカード、および運転免許証などの多くの文書が、保持者の写真を含む。そのような物品の真正性走査が、その写真の一部分を含む場合、その写真に行われた改変は、検出される。シグネチャを10のブロックに分割する恣意的な例をとると、それらのブロックの3つが、文書上の写真を範囲に含み、残りの7つが、背景材料などの、その文書の別の部分を範囲に含むことが可能である。写真が置き換えられた場合、その文書の後の再走査は、変更がまったく生じていない7つのブロックに関して良好な合致をもたらすものと予期されることが可能であるが、置き換えられた写真は、非常に不良な合致をもたらす。それら3つのブロックが、写真に対応することを知っていることにより、3つすべてが非常に不良な合致をもたらすという事実は、シグネチャ全体にわたる平均スコアにかかわらず、その文書の検証を自動的に不合格にするのに使用されることが可能である。
【0137】
また、多くの文書は、1名または複数名の個人の書かれた指示、例えば、パスポート、運転免許証、またはIDカードによって身元確認される個人の名前、または銀行口座保持者の名前を含む。また、多くの文書は、保持者または証明者の書かれた署名が加えられる箇所も含む。検証のために、そこから得られたシグネチャのブロックに関する解析を使用することにより、文書上に印刷された、または書かれた名前、または他の重要な語もしくは番号を改変する変更が、検出されることが可能である。改変された印刷または書き込みの位置に対応するブロックは、変更がまったく生じていないブロックよりも、はるかに低い品質の合致をもたらすものと予期されることが可能である。このため、変更された名前もしくは書かれた署名が、検出されることが可能であり、その文書の全体的な合致が、合格結果を得るだけ十分に高い場合でも、その文書が、検証試験において不合格にされることが可能である。
【0138】
IDカード300の例が、図17に示される。IDカード300は、印刷された保持者名302、保持者の写真304、保持者の署名306(この署名は、カード上に書かれても、書かれた署名の走査から印刷されても、あるいは電子的にキャプチャされた署名であってもよい)、および印刷されたカード番号308を含む。IDカードの詐欺的な改変から保護するため、カードの本質的な特性に基づいてシグネチャを生成するための走査領域は、それらの要素の1つまたは複数を含むことが可能である。様々な例示的な走査領域に、図15においてマークが付けられて、それらの可能性を例示している。例示的な走査領域321は、印刷された名前302の一部、および写真304の一部を含む。例示的な走査領域322は、印刷された名前の一部を含む。例示的な走査領域323は、署名306の一部を含む。例示的な走査領域324は、カード番号308の一部を含む。
【0139】
走査領域のために選択される領域および要素は、詐欺師が改変しようと試みる可能性が最も高い文書の要素を含め、いくつかの要因に依存することが可能である。例えば、写真を含むいずれの文書に関しても、最も可能性の高い改変標的は、その写真が、保持者を視覚的に特定するので、通常、その写真である。このため、そのような文書に関する走査領域は、有利には、その写真の一部分を含むように選択されることが可能である。詐欺的な変更を受ける可能性がある別の要素は、ある個人が、自身の名前以外の名前を有するふりをすることは容易であるが、別の個人の署名を複製することは、より難しいので、保持者の署名である。したがって、署名された文書に関して、特に、写真を含まない、そのような文書に関して、走査領域は、有利には、文書上の署名の一部分を含むことが可能である。
【0140】
したがって、一般的なケースにおいて、物品の真正性に関する試験は、シグネチャの全体に関する、検証シグネチャとレコードシグネチャとの間の十分に高い品質の合致、およびシグネチャの少なくとも選択されたブロックにわたる十分に高い一致を含むことが可能であることを見て取ることができる。このため、物品の真正性を評価することに重要な領域が、決定的な真正性結果に達するのにクリティカルなものとして選択されることが可能である。
【0141】
一部の実施例では、クリティカルなブロックとして選択されたブロック以外のブロックが、不良な合致結果を示すことが許されてもよい。このため、文書は、クリティカルなブロックが、良好な合致をもたらし、シグネチャが全体として、良好な合致をもたらす限り、いくつかの部分で破れている、またはそれ以外で損傷を受けているにもかかわらず、真性であるとして受け入れられてもよい。
【0142】
このように、以上、物品の局所的損傷を識別するための、および物品の所定の領域に局所的損傷または改変を有する物品を真性ではないとして棄却するためのシステム、方法、および装置の、いくつかの実施例を説明してきた。他の領域における損傷または改変は、無視されて、文書が真性として認識されることを可能にしてもよい。
【0143】
物品の真正性または素性の検証のために、前述の図1から図17までを参照して説明した識別技術などのバイオメトリック技術を使用する際、バイオメトリック特性に基づくシグネチャの再現性に関して、困難が生じる可能性がある。詳細には、物品が、異なるシグネチャ生成装置、および異なる時刻においてシグネチャ生成プロセスを受ける場合、バイオメトリックシグネチャ生成システムが、物品から生成される各シグネチャにおいて、わずかに異なる結果を戻す持ち前の傾向と並んで、物品のわずかに異なる部分が、各回に提示されて、確実な検証をより困難にする可能性が、存在する。
【0144】
次に、これらの困難に対処するためのシステム、方法、および装置の実施例を説明する。最初に、図18を参照して、データベース作成のためのマルチスキャンヘッドシグネチャ生成装置について説明する。
【0145】
図18に示されるとおり、リーダユニット400が、リーダユニットの読み取りボリューム402内に提示される物品に関するシグネチャを作成するようにそれぞれ動作可能な、2つの光学サブアセンブリ20を含むことが可能である。このため、アイテムが、後に照合されて検証されることが可能なアイテムデータベースの中で、アイテムの記録のためのシグネチャを作成するように、走査のために提示されるアイテムは、2回、走査されて、もっともらしい位置合わせ誤差の量だけ互いに空間的にオフセットされた、2つのシグネチャが作成されることが可能である。このため、識別または真正性検証のためのアイテムの後の走査は、格納された両方のシグネチャと照合されることが可能である。一部の実施例では、その格納された2つシグネチャのいずれかとの合致が、合致の成功と考えられることが可能である。
【0146】
一部の実施例では、さらなる読み取りヘッドが、使用されることが可能であり、したがって、3つ、4つ、またはそれより多くのシグネチャが、各アイテムに関して作成される。各スキャンヘッドは、意図される走査ロケーションに隣接する位置からのシグネチャをもたらすために、その他のスキャンヘッドからオフセットされていることが可能である。このため、検証走査上の物品位置合わせ不良に対するより高い堅牢性が、提供されることが可能である。
【0147】
スキャンヘッド間のオフセットは、物品の走査される部分の幅、物品全体サイズに対する、走査される領域のサイズ、検証走査中のもっともらしい位置合わせ不良の量、および物品材料などの要因に依存して、選択されることが可能である。
【0148】
このように、以上、物品が照合されて調べられて、その物品の素性および/または真正性が検証されることが可能なシグネチャデータベースを作成するように、物品を走査するためのシステムを説明してきた。
【0149】
次に、物品データベースの中の複数のシグネチャを提供するための別のシステムの実施例を、図19を参照して説明する。
【0150】
図16に示されるとおり、リーダユニット400'が、単一の光学サブアセンブリ20と、位置合わせ調整ユニット404とを有することができる。使用の際、位置合わせ調整ユニット404は、リーダユニットの読み取りボリューム402に対する光学サブアセンブリ20の位置合わせを変更することができる。このため、読み取りボリュームの中に入れられた物品は、物品に関する複数のシグネチャを作成するように、異なる位置において光学サブアセンブリ20によって複数回、走査されることが可能である。この実施例では、位置合わせ調整ユニット404は、2つの異なるロケーションから読み取るように光学サブアセンブリを調整することができる。このため、識別または真正性検証のためのアイテムの後の走査は、格納された両方のシグネチャと照合されることが可能である。一部の実施例では、一部の実施例では、その格納された2つシグネチャのいずれかとの合致が、合致の成功と考えられることが可能である。
【0151】
一部の実施例では、さらなる読み取りヘッド位置が、使用されることが可能であり、したがって、3つ、4つ、またはそれより多くのシグネチャが、各アイテムに関して作成される。各走査ヘッド位置は、意図される走査ロケーションに隣接する位置からのシグネチャを提供するために、その他の位置からオフセットされることが可能である。このため、検証走査上の物品位置合わせ不良に対する、より高い堅牢性が、提供されることが可能である。
【0152】
走査ヘッド位置間のオフセットは、物品の走査される部分の幅、物品全体サイズに対する、走査される領域のサイズ、検証走査中のもっともらしい位置合わせ不良の量、および物品材料などの要因に依存して、選択されることが可能である。
【0153】
このように、以上、物品が照合されて調べられて、その物品の素性および/または真正性が検証されることが可能なシグネチャデータベースを作成するように、物品を走査するためのシステムの別の実施例を説明してきた。
【0154】
記録走査(すなわち、物品が後に照合されて、検証されることが可能な参照シグネチャを作成する物品の走査)のために使用されるスキャナが、複数のスキャンヘッドおよび/または複数のスキャンヘッド位置を使用して、物品に関する複数のシグネチャを作成することができることを説明してきたが、後の検証走査のために同様のシステムを使用することも可能である。
【0155】
例えば、検証において使用するためのスキャナは、複数の検証走査シグネチャが生成されることを可能にする複数の読み取りヘッドを有することが可能である。これらの複数のシグネチャのそれぞれが、記録されたシグネチャのデータベースと比較されることが可能であり、このデータベース自体、記録された各アイテムに関して複数のシグネチャを含むことが可能である。各アイテムに関する、これらの異なるシグネチャは、様々である可能性があるが、これらのシグネチャはすべて、それでも、他のいずれのアイテムに関するいずれのシグネチャとも極めて異なるという事実のため、任意の1つの記録走査シグネチャと任意の1つの検証走査シグネチャとの間の合致は、アイテムの素性および/または真正性に対する十分な信頼度をもたらすはずである。
【0156】
複数の読み取りヘッド検証スキャナは、前述の図18に関連して説明したのとほぼ同様に構成されることが可能である。同様に、複数の読み取りヘッド位置検証スキャナは、前述の図18に関連して説明したのとほぼ同様に構成されることが可能である。また、記録スキャナと検証スキャナの両方に関して、複合の複数スキャンヘッドのシステムと、スキャンヘッド当たり複数のスキャンヘッド位置を組み合わせて、単一のデバイスにすることができる。
【0157】
本発明は、様々な変形形態および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が、例として、図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、図面、および対応する詳細な説明は、本発明を、開示される特定の形態に限定することを意図しておらず、それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に含まれるすべての変形形態、均等形態、および代替形態を含むものとされることを理解されたい。
【0158】
例えば、システムによって実行される、または本明細書で説明される方法によって実施される様々な動作は、ハードウェア要素、ファームウェア要素、またはソフトウェア要素の1つまたは複数によって提供されることも可能であることが、当業者には認められよう。例えば、従来のコンピュータシステムが、検証プロセッサ、システムサーバ、およびトークンプロバイダ端末装置を実施するためにプログラミングされることも可能である。
【0159】
また、トークンプロバイダ端末装置は、トークンプロバイダ端末装置自体が、トークンを作成するのに使用されることなしに、シグネチャを提供するために、医者によって手書きされた処方箋などの、トークンを走査するのに使用されることが可能であることも、当業者には認められよう。例えば、トークンプロバイダ端末装置は、シグネチャ走査モードだけで動作することも可能である。
【0160】
また、様々な異なるロケーションにおける多くのトークンプロバイダ端末装置が、ネットワークに接続されることが可能であることも理解されよう。例えば、多くの薬局がそれぞれ、トークンプロバイダ端末装置を備えることが可能である。そのようなトークンプロバイダ端末装置は、本発明によるシステムの一環として動作するように必要な機能を追加するソフトウェアによって構成された既存のコンピュータシステムであることも可能である。
【0161】
さらに、さらなるセキュリティのため、シグネチャは、トークンのある領域から、その領域に処方が行われた後に、獲得されてもよいことが、当業者には明確であろう。例えば、シグネチャは、処方箋のある領域から、その領域に情報が印刷された後に、または医者が、その領域に手書きの署名を行った後に、獲得されてもよい。
【0162】
別の態様から見ると、本発明は、処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するためのシステムを提供し、システムは、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合された処方箋発行端末装置を含み、処方箋発行端末装置は、第1ロケーションで書かれた、印刷された、またはそれ以外で処方された処方箋から、処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように、第1ロケーションにおいて動作可能であり、ネットワークに動作上、結合された認証サーバを含み、認証サーバは、1つまたは複数の処方箋発行端末装置から、ネットワークを介して伝送された複数の処方箋シグネチャを格納するように動作可能であり、認証サーバは、ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能であり、ネットワークに動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供される調剤端末装置を含み、調剤端末装置は、提示された処方箋から第2シグネチャを生成すること、第2シグネチャを、ネットワークを介して認証サーバに伝送すること、ネットワークを介して応答メッセージを受信すること、および第2シグネチャと合致するシグネチャが、認証サーバにおいて存在する場合、提示された処方箋を真性であると識別することにより、第2ロケーションにおいて提示された処方箋の真正性を検証するように動作可能である。
【0163】
さらなる態様から見て、本発明は、処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するための方法を提供し、前記方法は、第1ロケーションにおいて処方箋を処方することと、その処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成することと、そのシグネチャを認証サーバに伝送することと、そのシグネチャを認証サーバにおいて格納することと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された処方箋から、提示された処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成することと、第2シグネチャを認証サーバに伝送することと、第2シグネチャが、認証サーバによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別することと、および認証サーバにおいて合致するシグネチャが存在する場合、提示された処方箋が、真性であると検証することとを含む。
【0164】
別の態様から見ると、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、ネットワーク手段に動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するためのネットワーク手段と、第1ロケーションにおいて提供され、ネットワーク手段に動作上、結合された、第1ロケーションにおいて処方された医薬品権利トークンから、医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能なトークンプロバイダ手段と、ネットワーク手段に動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ手段から、ネットワーク手段を介して伝送された複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、ネットワーク手段を介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能なシステムサーバ手段と、ネットワーク手段に動作上、結合され、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、提示された医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成すること、第2シグネチャを、ネットワーク手段を介してシステムサーバ手段に伝送すること、ネットワーク手段を介して応答メッセージを受信すること、および応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することにより、第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証手段とを含むシステムを提供する。
【0165】
さらなる態様から見ると、本発明は、医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法を提供し、前記方法は、第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、医薬品権利トークンをコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、システムサーバにおいてシグネチャを格納するステップと、第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから第2シグネチャを生成するステップと、第2シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、第2シグネチャが、サーバシステムによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、応答メッセージを第2ロケーションに伝送するステップと、応答メッセージが、第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、第2ロケーションにおいて、提示されたトークンが真性であることを検証するステップとを含む。
【0166】
さらに別の態様から見ると、本発明は、薬剤処方箋から、薬剤処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、シグネチャを生成し、そのシグネチャを、薬剤処方箋が、処方薬剤を得るために提示された際、その薬剤処方箋を後に識別するのに使用するように格納するために、遠隔サーバに伝送するように動作可能なトークンプロバイダ端末装置を提供する。
【0167】
(参考文献)
1. JP-2003162581
2. GB-A-2 360 977
3. JP-2004212504
4. AU-AI-2004203532
5. US-A1-0232219
6. GB-A-2 398 270
7. GB 0420524.1
8. US 60/610,075
9. GB 0405641.2
10. US 60/601,463
11. GB 0418138.4
12. GB 0509635.9
13. GB 0418178.0
14. GB 0418173.1
許される場合、前述した参考文献の内容も、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の実施形態による処方箋の真正性を検証するためのシステムを示す図である。
【図2】本発明による処方箋の真正性を検証するための方法を示す図である。
【図3】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置を示す図である。
【図4】図3のリーダ装置の読み取りボリュームが、どのようにサンプリングされるかを示す概略透視図である。
【図5】図3のリーダ装置の機能構成要素の概略ブロック図である。
【図6】図3のリーダ装置の外形を示す透視図である。
【図7】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置の代替の物理的構成を示す図である。
【図8】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置のさらなる代替の物理的構成を示す図である。
【図9】本発明の様々な実施形態において使用するための印刷デバイスに組み込まれたリーダ装置を示す概略図である。
【図10A】本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置に関する代替のイメージング配置を概略で示す側面図である。
【図10B】方向性検出器が、細長い光線による局所的照明と組み合わせて使用される、本発明の様々な実施形態において使用するためのリーダ装置に関するさらなる代替のイメージング配置の光学フットプリントを概略で示す平面図である。
【図11】約0.5×0.2mmの面積を覆うイメージを有する紙表面の顕微鏡イメージを示す図である。
【図12A】光検出器信号および符号器信号からなる図3のリーダ装置の単一の光検出器からの生のデータを示す図である。
【図12B】符号器信号で線形化し、振幅を平均した後の図12Aの光検出器データを示す図である。
【図12C】シグネチャを獲得するのに使用されることが可能なデータを提供する平均信号レベルによるデジタル化の後の、図12Bのデータを示す図である。
【図13】本発明の様々な実施形態による、処方箋をコヒーレントな放射で照射することによって生成されたスペックルパターンから、シグネチャが、どのように生成されるかを示す流れ図である。
【図14】本発明の様々な実施形態による、提示された処方箋から獲得されたシグネチャが、どのようにシグネチャデータベースに照らして検証されて、提示された処方箋が真性であるかどうかが判定されることが可能であるかを示す流れ図である。
【図15】図14の検証プロセスが、どのように改変されて、走査における理想的でない性質を見込むことが可能かを示す流れ図である。
【図16A】走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図16B】走査される物品が歪んでいる走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図16C】走査される物品が、非線形の速度で走査される走査から収集された相互相関データの例を示す図である。
【図17】真正性検証のための物品の概略図である。
【図18】マルチスキャンヘッドスキャナを概略で示す破断透視図である。
【図19】マルチスキャンヘッド位置スキャナを概略で示す破断透視図である。
【符号の説明】
【0169】
100 システム
102 処方箋
104 ネットワーク
106 トークンプロバイダ端末装置
120 サーバシステム
130 検証端末装置
300 IDカード
302 保持者名
304 保持者の写真
308 カード番号
322、323、324 走査領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
ネットワークに動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するための該ネットワークと、
第1ロケーションにおいて提供され、前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションで処方された医薬品権利トークンから、前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能であるトークンプロバイダ端末装置と、
前記ネットワークに動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置から前記ネットワークを介して伝送される複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納されたいずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能であるシステムサーバと、
前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワークを介して前記システムサーバに伝送することと、前記ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証端末装置とを含むシステム。
【請求項2】
前記トークンプロバイダ端末装置は、リーダ装置をさらに含み、前記リーダ装置は、
前記医薬品権利トークンを受けるための読み取りボリュームと、
前記読み取りボリューム内でコヒーレント放射を生成するためのソースと、
前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するように配置された検出器構成と、を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リーダ装置は、印刷デバイスに組み込まれ、前記印刷デバイスは、
前記医薬品権利トークンを印刷するための印刷ヘッドと、
前記医薬品権利トークンを、前記印刷ヘッドおよび前記リーダ装置を通り過ぎて移送するように動作可能な供給機構とをさらに含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記トークンプロバイダ端末装置は、前記データポイントセットから前記第1シグネチャを特定するように動作可能なプロセッサを含む請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記トークンプロバイダ端末装置は、医薬品権利トークンを処方するためのユーザインターフェースを、前記第1ロケーションにおいて提供するようにさらに動作可能である請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記トークンプロバイダ端末装置は、前記医薬品権利トークンと関係する追加情報を、前記ネットワークを介して前記サーバシステムに提供するようにさらに動作可能である請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記トークンプロバイダ端末装置は、識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成し、前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するようにさらに動作可能である請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記検証端末装置は、前記第2ロケーションにおいて提示された際、前記識別トークンから前記保持者識別シグネチャを読み取るようにさらに動作可能である請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記検証端末装置は、1つまたは複数の処方品目が調剤されると、前記サーバシステムに示して、前記サーバシステムが前記処方箋に対応する格納されたシグネチャを、削除するか、無効にするか、または部分的に無効にすることができるようにさらに動作可能である請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記検証端末装置は、前記第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するようにさらに動作可能である請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記検証端末装置は、前記インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、補充在庫のために前記ネットワークを介して、納入業者に自動的に発注を行うようにさらに動作可能である請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記医薬品権利トークンは、紙の上に印刷された処方箋を含む請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のトークンプロバイダ端末装置を構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の検証端末装置を構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムサーバを構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証する請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項17】
医薬品権利トークンが不正操作されているかどうかを確かめる請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項18】
医薬品権利トークンの保持者が、その医薬品権利トークンを使用することを許可されるかどうかを判定する請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項19】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、
前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、
前記シグネチャを前記システムサーバにおいて格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記システムサーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記サーバシステムによって格納されているいずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、
前記応答メッセージを前記第2ロケーションに伝送するステップと、
前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記第2ロケーションにおいて、前記提示されたトークンが真性であると検証するステップとを含む方法。
【請求項20】
第1シグネチャまたは第2シグネチャを生成するステップは、トークンを受け取るための前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記医薬品権利トークンは、印刷によって作成される請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するように動作可能なユーザインターフェースを提供するステップをさらに含む請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬品権利トークンと関係する追加情報を前記第1ロケーションから前記システムサーバに伝送するステップをさらに含む請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく保持者識別シグネチャを、前記第1ロケーションにおいて生成するステップと、
前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するステップとをさらに含む請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2ロケーションにおいて提示された際、提示された識別トークンから保持者識別シグネチャを読み取るステップと、
読み取られた前記保持者識別シグネチャを、前記サーバシステムによって格納されている保持者識別シグネチャと比較することにより、前記提示された識別トークンの真正性を検証するステップとをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
1つまたは複数の処方品目が調剤されると、前記サーバシステムに通知して、前記サーバシステムが前記処方箋に対応する格納されたシグネチャを、削除するか、無効にするか、または部分的に無効にすることができるようにするステップをさらに含む請求項19から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するステップをさらに含む請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、補充在庫のために納入業者に自動的に発注を行うステップをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬品権利トークンは、紙上に印刷された処方箋を含む請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
請求項19から29のいずれか一項に記載の方法を実施するように動作可能なコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションで処方された処方箋から、前記処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように、前記第1ロケーションにおいて動作可能である処方箋発行端末装置と、
前記ネットワークに動作上、結合され、1つまたは複数の処方箋発行端末装置から、前記ネットワークを介して伝送された複数の処方箋シグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能である認証サーバと、
前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された処方箋から第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワークを介して前記認証サーバに伝送することと、前記ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、前記第2シグネチャと合致するシグネチャが、前記認証サーバにおいて存在する場合、前記提示された処方箋を真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された該処方箋の真正性を検証するように動作可能である調剤端末装置とを含むシステム。
【請求項32】
処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて処方箋を処方するステップと、
前記処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記シグネチャを認証サーバに伝送するステップと、
前記シグネチャを前記認証サーバにおいて格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された処方箋から、前記提示された処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記認証サーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記認証サーバによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記認証サーバにおいて合致するシグネチャが存在する場合、前記提示された処方箋が、真性であると検証するステップとを含む方法。
【請求項33】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
ネットワーク手段に動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するための該ネットワーク手段と、
前記第1ロケーションにおいて提供され、前記ネットワーク手段に動作上、結合された、前記第1ロケーションにおいて処方された医薬品権利トークンから、前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能なトークンプロバイダ手段と、
前記ネットワーク手段に動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ手段から、前記ネットワーク手段を介して伝送された複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワーク手段を介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納されたいずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能なシステムサーバ手段と、
前記ネットワーク手段に動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワーク手段を介して前記システムサーバ手段に伝送することと、前記ネットワーク手段を介して応答メッセージを受信することと、前記応答メッセージが前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証手段とを含むシステム。
【請求項34】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、
前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、
前記システムサーバにおいて前記シグネチャを格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記システムサーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記サーバシステムによって格納されているいずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、
前記応答メッセージを前記第2ロケーションに伝送するステップと、
前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記第2ロケーションにおいて、前記提示されたトークンが真性であることを検証するステップとを含む方法。
【請求項35】
薬剤処方箋から、前記薬剤処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、シグネチャを生成し、
前記シグネチャを、該薬剤処方箋が、処方薬剤を得るために提示された際、前記薬剤処方箋を後に識別するのに使用するように格納するために、遠隔サーバに伝送するように動作可能なトークンプロバイダ端末装置。
【請求項36】
前記リーダ装置は、
前記薬剤処方箋を受けるための読み取りボリュームと、
前記読み取りボリューム内でコヒーレント放射を生成するためのソースと、
前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するように配置された検出器構成とを含む請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項37】
前記リーダ装置は、印刷デバイスに組み込まれ、
前記印刷デバイスは、
前記薬剤処方箋を印刷するための印刷ヘッドと、
前記薬剤処方箋を、前記印刷ヘッドおよび前記リーダ装置を通り過ぎて移送するように動作可能な供給機構とをさらに含む請求項36に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項38】
前記データポイントセットから前記シグネチャを特定するように動作可能なプロセッサを含む請求項36に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項39】
薬剤処方箋を生成するためのユーザインターフェースを提供するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項40】
前記薬剤処方箋と関係する追加情報を、前記ネットワークを介して前記サーバシステムに提供するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項41】
識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成し、前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項42】
処方薬剤を得るために前記処方箋が提示された際、前記処方箋を後に識別するのに使用するためのシグネチャを生成する請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置の用法。
【請求項43】
実質的に添付の図面に関連して本明細書で説明したとおりの医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステム。
【請求項44】
実質的に添付の図面に関連して本明細書で説明したとおりの医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法。
【請求項1】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
ネットワークに動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するための該ネットワークと、
第1ロケーションにおいて提供され、前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションで処方された医薬品権利トークンから、前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能であるトークンプロバイダ端末装置と、
前記ネットワークに動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ端末装置から前記ネットワークを介して伝送される複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納されたいずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能であるシステムサーバと、
前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワークを介して前記システムサーバに伝送することと、前記ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証端末装置とを含むシステム。
【請求項2】
前記トークンプロバイダ端末装置は、リーダ装置をさらに含み、前記リーダ装置は、
前記医薬品権利トークンを受けるための読み取りボリュームと、
前記読み取りボリューム内でコヒーレント放射を生成するためのソースと、
前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するように配置された検出器構成と、を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リーダ装置は、印刷デバイスに組み込まれ、前記印刷デバイスは、
前記医薬品権利トークンを印刷するための印刷ヘッドと、
前記医薬品権利トークンを、前記印刷ヘッドおよび前記リーダ装置を通り過ぎて移送するように動作可能な供給機構とをさらに含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記トークンプロバイダ端末装置は、前記データポイントセットから前記第1シグネチャを特定するように動作可能なプロセッサを含む請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記トークンプロバイダ端末装置は、医薬品権利トークンを処方するためのユーザインターフェースを、前記第1ロケーションにおいて提供するようにさらに動作可能である請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記トークンプロバイダ端末装置は、前記医薬品権利トークンと関係する追加情報を、前記ネットワークを介して前記サーバシステムに提供するようにさらに動作可能である請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記トークンプロバイダ端末装置は、識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成し、前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するようにさらに動作可能である請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記検証端末装置は、前記第2ロケーションにおいて提示された際、前記識別トークンから前記保持者識別シグネチャを読み取るようにさらに動作可能である請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記検証端末装置は、1つまたは複数の処方品目が調剤されると、前記サーバシステムに示して、前記サーバシステムが前記処方箋に対応する格納されたシグネチャを、削除するか、無効にするか、または部分的に無効にすることができるようにさらに動作可能である請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記検証端末装置は、前記第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するようにさらに動作可能である請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記検証端末装置は、前記インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、補充在庫のために前記ネットワークを介して、納入業者に自動的に発注を行うようにさらに動作可能である請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記医薬品権利トークンは、紙の上に印刷された処方箋を含む請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のトークンプロバイダ端末装置を構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の検証端末装置を構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムサーバを構成するためのコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証する請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項17】
医薬品権利トークンが不正操作されているかどうかを確かめる請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項18】
医薬品権利トークンの保持者が、その医薬品権利トークンを使用することを許可されるかどうかを判定する請求項1から12のいずれか一項に記載のシステムの用法。
【請求項19】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、
前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、
前記シグネチャを前記システムサーバにおいて格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記システムサーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記サーバシステムによって格納されているいずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、
前記応答メッセージを前記第2ロケーションに伝送するステップと、
前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記第2ロケーションにおいて、前記提示されたトークンが真性であると検証するステップとを含む方法。
【請求項20】
第1シグネチャまたは第2シグネチャを生成するステップは、トークンを受け取るための前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記医薬品権利トークンは、印刷によって作成される請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するように動作可能なユーザインターフェースを提供するステップをさらに含む請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬品権利トークンと関係する追加情報を前記第1ロケーションから前記システムサーバに伝送するステップをさらに含む請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく保持者識別シグネチャを、前記第1ロケーションにおいて生成するステップと、
前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するステップとをさらに含む請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2ロケーションにおいて提示された際、提示された識別トークンから保持者識別シグネチャを読み取るステップと、
読み取られた前記保持者識別シグネチャを、前記サーバシステムによって格納されている保持者識別シグネチャと比較することにより、前記提示された識別トークンの真正性を検証するステップとをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
1つまたは複数の処方品目が調剤されると、前記サーバシステムに通知して、前記サーバシステムが前記処方箋に対応する格納されたシグネチャを、削除するか、無効にするか、または部分的に無効にすることができるようにするステップをさらに含む請求項19から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2ロケーションにおいてインベントリを自動的に追跡するステップをさらに含む請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記インベントリの中の1つまたは複数の品目の在庫が、所定の量まで、または所定の量を下回って低下すると、補充在庫のために納入業者に自動的に発注を行うステップをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬品権利トークンは、紙上に印刷された処方箋を含む請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
請求項19から29のいずれか一項に記載の方法を実施するように動作可能なコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
第1ロケーションにおいて提供され、ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションで処方された処方箋から、前記処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように、前記第1ロケーションにおいて動作可能である処方箋発行端末装置と、
前記ネットワークに動作上、結合され、1つまたは複数の処方箋発行端末装置から、前記ネットワークを介して伝送された複数の処方箋シグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワークを介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納された、いずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能である認証サーバと、
前記ネットワークに動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された処方箋から第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワークを介して前記認証サーバに伝送することと、前記ネットワークを介して応答メッセージを受信することと、前記第2シグネチャと合致するシグネチャが、前記認証サーバにおいて存在する場合、前記提示された処方箋を真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された該処方箋の真正性を検証するように動作可能である調剤端末装置とを含むシステム。
【請求項32】
処方薬剤へのアクセスを制御するために処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて処方箋を処方するステップと、
前記処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記シグネチャを認証サーバに伝送するステップと、
前記シグネチャを前記認証サーバにおいて格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された処方箋から、前記提示された処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づく第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記認証サーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記認証サーバによって格納されている、いずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記認証サーバにおいて合致するシグネチャが存在する場合、前記提示された処方箋が、真性であると検証するステップとを含む方法。
【請求項33】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステムであって、
ネットワーク手段に動作上、結合されたデバイス間の1つまたは複数の通信チャネルを提供するための該ネットワーク手段と、
前記第1ロケーションにおいて提供され、前記ネットワーク手段に動作上、結合された、前記第1ロケーションにおいて処方された医薬品権利トークンから、前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第1シグネチャを生成するように動作可能なトークンプロバイダ手段と、
前記ネットワーク手段に動作上、結合され、1つまたは複数のトークンプロバイダ手段から、前記ネットワーク手段を介して伝送された複数のシグネチャを格納するように動作可能であり、前記ネットワーク手段を介して伝送されたシグネチャを、格納されたシグネチャと比較し、前記伝送されたシグネチャが、格納されたいずれかのシグネチャと合致すると考えられるか否かを示す応答メッセージを伝送するようにさらに動作可能なシステムサーバ手段と、
前記ネットワーク手段に動作上、結合され、前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて提供され、提示された医薬品権利トークンから、前記提示された医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、第2シグネチャを生成することと、前記第2シグネチャを、前記ネットワーク手段を介して前記システムサーバ手段に伝送することと、前記ネットワーク手段を介して応答メッセージを受信することと、前記応答メッセージが前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記提示された医薬品権利トークンを真性であると識別することとにより、前記第2ロケーションにおいて提示された医薬品権利トークンの真正性を検証するように動作可能である検証手段とを含むシステム。
【請求項34】
医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法であって、
第1ロケーションにおいて医薬品権利トークンを処方するステップと、
前記医薬品権利トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、前記第1ロケーションにおいて第1シグネチャを生成するステップと、
前記第1シグネチャをシステムサーバに伝送するステップと、
前記システムサーバにおいて前記シグネチャを格納するステップと、
前記第1ロケーションから遠隔の第2ロケーションにおいて、提示された医薬品権利トークンから第2シグネチャを生成するステップと、
前記第2シグネチャを前記システムサーバに伝送するステップと、
前記第2シグネチャが、前記サーバシステムによって格納されているいずれかのシグネチャと合致するかどうかを識別するステップと、
前記第2シグネチャが、格納されたシグネチャと合致するか否かを識別する応答メッセージを生成するステップと、
前記応答メッセージを前記第2ロケーションに伝送するステップと、
前記応答メッセージが、前記第2シグネチャと格納されたシグネチャとの間に合致が存在することを示す場合、前記第2ロケーションにおいて、前記提示されたトークンが真性であることを検証するステップとを含む方法。
【請求項35】
薬剤処方箋から、前記薬剤処方箋の複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、シグネチャを生成し、
前記シグネチャを、該薬剤処方箋が、処方薬剤を得るために提示された際、前記薬剤処方箋を後に識別するのに使用するように格納するために、遠隔サーバに伝送するように動作可能なトークンプロバイダ端末装置。
【請求項36】
前記リーダ装置は、
前記薬剤処方箋を受けるための読み取りボリュームと、
前記読み取りボリューム内でコヒーレント放射を生成するためのソースと、
前記読み取りボリュームからコヒーレント放射が散乱する際に得られる信号から、異なるデータポイントが、前記読み取りボリュームの異なる部分からの散乱と関係するデータポイントセットを収集するように配置された検出器構成とを含む請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項37】
前記リーダ装置は、印刷デバイスに組み込まれ、
前記印刷デバイスは、
前記薬剤処方箋を印刷するための印刷ヘッドと、
前記薬剤処方箋を、前記印刷ヘッドおよび前記リーダ装置を通り過ぎて移送するように動作可能な供給機構とをさらに含む請求項36に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項38】
前記データポイントセットから前記シグネチャを特定するように動作可能なプロセッサを含む請求項36に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項39】
薬剤処方箋を生成するためのユーザインターフェースを提供するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項40】
前記薬剤処方箋と関係する追加情報を、前記ネットワークを介して前記サーバシステムに提供するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項41】
識別トークンの複数の領域をコヒーレント放射で順次照射することによって生成されたスペックルパターンに基づき、保持者識別シグネチャを生成し、前記保持者識別シグネチャを前記サーバシステムに伝送するようにさらに動作可能である請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置。
【請求項42】
処方薬剤を得るために前記処方箋が提示された際、前記処方箋を後に識別するのに使用するためのシグネチャを生成する請求項35に記載のトークンプロバイダ端末装置の用法。
【請求項43】
実質的に添付の図面に関連して本明細書で説明したとおりの医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するためのシステム。
【請求項44】
実質的に添付の図面に関連して本明細書で説明したとおりの医薬品の調剤を制御するのに使用される処方箋の真正性を検証するための方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−503672(P2009−503672A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523437(P2008−523437)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002708
【国際公開番号】WO2007/012820
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(505086679)インゲニア・テクノロジー・リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002708
【国際公開番号】WO2007/012820
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(505086679)インゲニア・テクノロジー・リミテッド (16)
【Fターム(参考)】
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