スペーサ
【課題】一つの形状で、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品についても、水平方向に並べたコンクリート製品についても使用できるようにする。
【解決手段】棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を設け、該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、その一方の斜面部に凸部を、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部を形成し、蝶番部を折り曲げて双方の斜面部を接触させたときに凸部が凹部に嵌合し、折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されるようにすることで、前記課題を解決する。
【解決手段】棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を設け、該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、その一方の斜面部に凸部を、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部を形成し、蝶番部を折り曲げて双方の斜面部を接触させたときに凸部が凹部に嵌合し、折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されるようにすることで、前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製品をストックし、又は運搬するときなどにおいて、コンクリート製品の間に介装してコンクリート製品どうしの間隔を保持するスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスペーサは、例えば、下記特許文献1に開示されるように、板状をなし、両端は複数本のスペーサを連結できるように連結部となっている。一方の連結部は薄い板状体で、他方は該板状体が軸方向に挿入される中空部となっている。板状体の板面には係合凸部が、中空部には係合孔が形成され、板体を中空部に挿入すると係合凸部が係合孔に係合して連結部が抜け難くなる。
【0003】
垂直方向に積み重ねたコンクリート製品の間に介装して使用する場合、スペーサは単なる板状でよいが、水平方向に並べたコンクリート製品の間に介装して使用する場合、スペーサの一端に軸線方向と直角方向に延びる係合部を設け、係合部をコンクリート製品の上面に引っ掛けてスペーサをコンクリート製品の間に介装することで、スペーサが落下するのが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3007028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のスペーサは、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品の間に介装して使用する場合は単なる板状のものを用い、水平方向に並べたコンクリート製品の間に介装して使用する場合は一端に係合部を有するものを用いるから、コンクリート製品の並べ方によって異なる2種類のものを用意しなければならなかった。
【0006】
また、前記特許文献の連結部は、板状体を中空部内に軸方向に挿入するものであるから、係合凸部が係合孔に係合するとはいえ、引張力が作用すると連結部が抜けてしまうことがあった。
【0007】
本発明は、一種類の形状で、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品についても、水平方向に並べたコンクリート製品についても使用できるようにすること、また、連結部が抜け難いようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔請求項1〕
本発明は、コンクリート製品間に介装されて該製品間隔を保持するスペーサであって、
棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、
中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を有し、
該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、
その一方の斜面部に凸部が、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部が形成され、
前記蝶番部を折り曲げて双方の前記斜面部を接触させたときに前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されることを特徴とするスペーサである。
【0009】
本発明のスペーサは、折曲部を有するので、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品については、折曲部を折り曲げない状態で使用でき、水平方向に並べたコンクリート製品については折曲部を直角に折り曲げて使用できる。したがって、コンクリート製品の並べ方にかかわらず、1種類で対応することができる。
【0010】
また、後述するように、複数本を折り曲げた状態や折り曲げない状態で連結することで、種々の大きさの四辺形等に形成でき、大型のコンクリート製品のスペーサとして用いるのに便利である。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、前記A連結端が、スペーサの軸線と直角方向に突出する突起部と、該突起部の先端に形成され突起部の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部を有し、
前記B連結端が、前記係止部が挿通可能な細長い係止孔を有し、
前記係止部を前記係止孔に挿通した後、A連結端とB連結端を相対的に回転させることで、前記係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結される請求項1に記載のスペーサである。
【0012】
AB連結端をこのように構成すると、連結部は、軸方向に差し込むものではないので、連結部に軸方向の引張力が作用しても、連結端が抜けることがない。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、スペーサ本体が断面多角形又は円形の棒状をなし、本体よりも径が大きくなっている膨出部が本体に間隔をあけて設けられ、スペーサをコンクリート製品間に介装したときに該膨出部がコンクリート製品の面に接触する請求項1又は2に記載のスペーサである。
【0014】
本発明において、多角形とは3以上の角を保つ形状(三角形以上)で、好ましくは正多角形である。
従来の薄い板状のスペーサ本体に比べて、棒状で膨出部を間隔をあけて設けることでスペーサの原料を大幅に節約できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスペーサは、一種類の形状で、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品についても、水平方向に並べたコンクリート製品についても使用することができる。
また、複数本を折り曲げた状態や折り曲げない状態で連結することで、種々の形状・大きさに組み合わせることができ、大型のコンクリート製品のスペーサとして用いるのに便利である。
【0016】
また、A連結端とB連結端を相対的に回転させ、係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結されるようにすると、連結部は、軸方向に差し込むものではないので、連結部に引張力が作用しても、連結端が抜けることがない。
【0017】
さらに、本発明のスペーサ本体は棒状で、間隔をあけて膨出部を形成することで、従来の薄い板状のスペーサ本体に比べて、スペーサの原料を大幅に節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】スペーサ1の略全体図である。
【図2】スペーサ1の中間部を省略して示す側面図である。
【図3】スペーサ1の中間部を省略して示す正面図である。
【図4】折曲部1の説明図である。
【図5】折曲部1の折り曲げ状態の説明図である。
【図6】A連結端の説明図である。
【図7】B連結端の説明図である。
【図8】AB連結端の連結状態の説明図である。
【図9】膨出部5の説明図である。
【図10】膨出部6の説明図である。
【図11】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図12】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図13】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図14】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例を表した図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
実施例のスペーサ1はプラスチック製で、図1に示すように、棒状の本体1aの一端側にA連結端3aが、他端側にB連結端3bを有し、中間部に2カ所折曲部2を有する。また、スペーサの本体1aには、間隔をあけて複数の膨出部5,6が設けられている。図9,10に示すように、本体1aの断面形状は正方形である。
【0020】
折曲部2は、図4に示すように、板状をなし、中央部に、スペーサの軸線と直角方向に延びる蝶番部21が形成されている。蝶番部21は、肉厚が薄いため折り曲げ自在となっている。蝶番部21を挟んだ両側に、相互に90°の角度で対向して形成された斜面部22,23を有する。斜面部22には凸部24が突出形成され、斜面部23には凸部24が嵌合可能な凹部25が形成されている。
【0021】
図5に示すように、蝶番部21を90°折り曲げて双方の斜面部22,23を接触させたときに、凸部24が凹部25に嵌合し、折曲部2が直角に折り曲げられた状態で保持される。
【0022】
A連結端3aは、板状部31がスペーサの軸線と偏芯した状態で形成され、その板面からスペーサの軸線と直角方向(板面と直角方向)に突起部32が突出形成されている。突起部32の先端には、突起部32の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部33が形成されている。穴34,35は、プラスチック材料の節約と成形の便宜上設けられているものである。
【0023】
B連結端3bは、板状部36を有し、該板状部36には前記係止部33が挿通可能な細長い係止孔37が形成されている。また、該板状部の係止孔37を挟んだ両側に突起38が2個ずつ、合計4個設けられている。突起38は、図8の下段に示すようにAB連結端を連結したときに、突起38の間に係止部33が位置決めされるようにするためのものである。
【0024】
次に、AB連結端3a,3bを連結する手順を説明する。
先ず、図8の上段に示すように、A連結端3aの係止部33とB連結端3bの係止孔37の方向を合わせた状態(各連結端の軸線が直角の状態)でAB連結端3a,3bを重ね合わせる。次に、図8の中段に示すように、B連結端3bを図紙面の裏面方向に押し下げて係止部33を係止孔37の表側に通過させる。次に、B連結端3bを90°回転させてAB連結端3a,3bの軸線を合わせると、図8の下段に示すように連結が完了する。連結部を分離するのは、この逆の手順を実行すればよい。
【0025】
スペーサの本体1aには、本体よりも径が大きくなっている膨出部5,6が間隔をあけて設けられている。膨出部5,6は、スペーサ1をコンクリート製品の間に介装したときにコンクリート製品の面に接触するものである。
図9に示すように、膨出部5は、円形の中央部を切り込んだ形状になっている。図10に示すように、膨出部6は、正方形の中央を切り込んだ形状になっている。なお、このような切り込みは必ずしも必要ではない。膨出部5は円形であるため、コンクリート製品との接触面積がきわめて小さく、したがって製品面の変色面積もきわめて小さくなる。膨出部6は正方形であるので、強度が膨出部5よりも大きい。本実施例では、膨出部5,6を組み合わせて、製品面の変色防止とスペーサ強度のバランスをとっている。
【0026】
図11は、スペーサ1を、水平方向に並べたコンクリート製品について使用した場合の例で、スペーサ1は1カ所の折曲部2で折り曲げてL形にし、その短辺をコンクリート製品7の上面に引っ掛けて使用している。
【0027】
図12,13は、スペーサ1を、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品7について、折曲部2を折り曲げない状態で使用する例である。図12に示すように、コンクリート製品7の上にスペーサ1を2本平行に並べ、図13に示すように、順次コンクリート製品7を積み重ねていく。
【0028】
図14は、やや大型のコンクリート製品7を垂直方向に積み重ねる場合の例である。スペーサ1は、1カ所の折曲部2で折り曲げてL形にし、それを4本連結して正方形に組み立てている。正方形に組み立てたスペーサをコンクリート製品7の上に置き、順次コンクリート製品7を積み重ねていく。
連結するスペーサの数を増やすことで、さらに大きな正方形や長方形に組み立てることもできる。
【符号の説明】
【0029】
1 スペーサ
1a 本体
2 折曲部
21 蝶番部
22 斜面部
23 斜面部
24 凸部
25 凹部
3 連結部
3a A連結端
3b B連結端
31 板状部
32 突起部
33 係止部
34 穴
35 穴
36 板状部
37 係止孔
38 突起
4 本体
5 膨出部
6 膨出部
7 コンクリート製品
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製品をストックし、又は運搬するときなどにおいて、コンクリート製品の間に介装してコンクリート製品どうしの間隔を保持するスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスペーサは、例えば、下記特許文献1に開示されるように、板状をなし、両端は複数本のスペーサを連結できるように連結部となっている。一方の連結部は薄い板状体で、他方は該板状体が軸方向に挿入される中空部となっている。板状体の板面には係合凸部が、中空部には係合孔が形成され、板体を中空部に挿入すると係合凸部が係合孔に係合して連結部が抜け難くなる。
【0003】
垂直方向に積み重ねたコンクリート製品の間に介装して使用する場合、スペーサは単なる板状でよいが、水平方向に並べたコンクリート製品の間に介装して使用する場合、スペーサの一端に軸線方向と直角方向に延びる係合部を設け、係合部をコンクリート製品の上面に引っ掛けてスペーサをコンクリート製品の間に介装することで、スペーサが落下するのが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3007028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のスペーサは、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品の間に介装して使用する場合は単なる板状のものを用い、水平方向に並べたコンクリート製品の間に介装して使用する場合は一端に係合部を有するものを用いるから、コンクリート製品の並べ方によって異なる2種類のものを用意しなければならなかった。
【0006】
また、前記特許文献の連結部は、板状体を中空部内に軸方向に挿入するものであるから、係合凸部が係合孔に係合するとはいえ、引張力が作用すると連結部が抜けてしまうことがあった。
【0007】
本発明は、一種類の形状で、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品についても、水平方向に並べたコンクリート製品についても使用できるようにすること、また、連結部が抜け難いようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔請求項1〕
本発明は、コンクリート製品間に介装されて該製品間隔を保持するスペーサであって、
棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、
中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を有し、
該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、
その一方の斜面部に凸部が、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部が形成され、
前記蝶番部を折り曲げて双方の前記斜面部を接触させたときに前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されることを特徴とするスペーサである。
【0009】
本発明のスペーサは、折曲部を有するので、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品については、折曲部を折り曲げない状態で使用でき、水平方向に並べたコンクリート製品については折曲部を直角に折り曲げて使用できる。したがって、コンクリート製品の並べ方にかかわらず、1種類で対応することができる。
【0010】
また、後述するように、複数本を折り曲げた状態や折り曲げない状態で連結することで、種々の大きさの四辺形等に形成でき、大型のコンクリート製品のスペーサとして用いるのに便利である。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、前記A連結端が、スペーサの軸線と直角方向に突出する突起部と、該突起部の先端に形成され突起部の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部を有し、
前記B連結端が、前記係止部が挿通可能な細長い係止孔を有し、
前記係止部を前記係止孔に挿通した後、A連結端とB連結端を相対的に回転させることで、前記係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結される請求項1に記載のスペーサである。
【0012】
AB連結端をこのように構成すると、連結部は、軸方向に差し込むものではないので、連結部に軸方向の引張力が作用しても、連結端が抜けることがない。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、スペーサ本体が断面多角形又は円形の棒状をなし、本体よりも径が大きくなっている膨出部が本体に間隔をあけて設けられ、スペーサをコンクリート製品間に介装したときに該膨出部がコンクリート製品の面に接触する請求項1又は2に記載のスペーサである。
【0014】
本発明において、多角形とは3以上の角を保つ形状(三角形以上)で、好ましくは正多角形である。
従来の薄い板状のスペーサ本体に比べて、棒状で膨出部を間隔をあけて設けることでスペーサの原料を大幅に節約できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスペーサは、一種類の形状で、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品についても、水平方向に並べたコンクリート製品についても使用することができる。
また、複数本を折り曲げた状態や折り曲げない状態で連結することで、種々の形状・大きさに組み合わせることができ、大型のコンクリート製品のスペーサとして用いるのに便利である。
【0016】
また、A連結端とB連結端を相対的に回転させ、係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結されるようにすると、連結部は、軸方向に差し込むものではないので、連結部に引張力が作用しても、連結端が抜けることがない。
【0017】
さらに、本発明のスペーサ本体は棒状で、間隔をあけて膨出部を形成することで、従来の薄い板状のスペーサ本体に比べて、スペーサの原料を大幅に節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】スペーサ1の略全体図である。
【図2】スペーサ1の中間部を省略して示す側面図である。
【図3】スペーサ1の中間部を省略して示す正面図である。
【図4】折曲部1の説明図である。
【図5】折曲部1の折り曲げ状態の説明図である。
【図6】A連結端の説明図である。
【図7】B連結端の説明図である。
【図8】AB連結端の連結状態の説明図である。
【図9】膨出部5の説明図である。
【図10】膨出部6の説明図である。
【図11】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図12】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図13】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【図14】スペーサ1の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例を表した図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
実施例のスペーサ1はプラスチック製で、図1に示すように、棒状の本体1aの一端側にA連結端3aが、他端側にB連結端3bを有し、中間部に2カ所折曲部2を有する。また、スペーサの本体1aには、間隔をあけて複数の膨出部5,6が設けられている。図9,10に示すように、本体1aの断面形状は正方形である。
【0020】
折曲部2は、図4に示すように、板状をなし、中央部に、スペーサの軸線と直角方向に延びる蝶番部21が形成されている。蝶番部21は、肉厚が薄いため折り曲げ自在となっている。蝶番部21を挟んだ両側に、相互に90°の角度で対向して形成された斜面部22,23を有する。斜面部22には凸部24が突出形成され、斜面部23には凸部24が嵌合可能な凹部25が形成されている。
【0021】
図5に示すように、蝶番部21を90°折り曲げて双方の斜面部22,23を接触させたときに、凸部24が凹部25に嵌合し、折曲部2が直角に折り曲げられた状態で保持される。
【0022】
A連結端3aは、板状部31がスペーサの軸線と偏芯した状態で形成され、その板面からスペーサの軸線と直角方向(板面と直角方向)に突起部32が突出形成されている。突起部32の先端には、突起部32の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部33が形成されている。穴34,35は、プラスチック材料の節約と成形の便宜上設けられているものである。
【0023】
B連結端3bは、板状部36を有し、該板状部36には前記係止部33が挿通可能な細長い係止孔37が形成されている。また、該板状部の係止孔37を挟んだ両側に突起38が2個ずつ、合計4個設けられている。突起38は、図8の下段に示すようにAB連結端を連結したときに、突起38の間に係止部33が位置決めされるようにするためのものである。
【0024】
次に、AB連結端3a,3bを連結する手順を説明する。
先ず、図8の上段に示すように、A連結端3aの係止部33とB連結端3bの係止孔37の方向を合わせた状態(各連結端の軸線が直角の状態)でAB連結端3a,3bを重ね合わせる。次に、図8の中段に示すように、B連結端3bを図紙面の裏面方向に押し下げて係止部33を係止孔37の表側に通過させる。次に、B連結端3bを90°回転させてAB連結端3a,3bの軸線を合わせると、図8の下段に示すように連結が完了する。連結部を分離するのは、この逆の手順を実行すればよい。
【0025】
スペーサの本体1aには、本体よりも径が大きくなっている膨出部5,6が間隔をあけて設けられている。膨出部5,6は、スペーサ1をコンクリート製品の間に介装したときにコンクリート製品の面に接触するものである。
図9に示すように、膨出部5は、円形の中央部を切り込んだ形状になっている。図10に示すように、膨出部6は、正方形の中央を切り込んだ形状になっている。なお、このような切り込みは必ずしも必要ではない。膨出部5は円形であるため、コンクリート製品との接触面積がきわめて小さく、したがって製品面の変色面積もきわめて小さくなる。膨出部6は正方形であるので、強度が膨出部5よりも大きい。本実施例では、膨出部5,6を組み合わせて、製品面の変色防止とスペーサ強度のバランスをとっている。
【0026】
図11は、スペーサ1を、水平方向に並べたコンクリート製品について使用した場合の例で、スペーサ1は1カ所の折曲部2で折り曲げてL形にし、その短辺をコンクリート製品7の上面に引っ掛けて使用している。
【0027】
図12,13は、スペーサ1を、垂直方向に積み重ねたコンクリート製品7について、折曲部2を折り曲げない状態で使用する例である。図12に示すように、コンクリート製品7の上にスペーサ1を2本平行に並べ、図13に示すように、順次コンクリート製品7を積み重ねていく。
【0028】
図14は、やや大型のコンクリート製品7を垂直方向に積み重ねる場合の例である。スペーサ1は、1カ所の折曲部2で折り曲げてL形にし、それを4本連結して正方形に組み立てている。正方形に組み立てたスペーサをコンクリート製品7の上に置き、順次コンクリート製品7を積み重ねていく。
連結するスペーサの数を増やすことで、さらに大きな正方形や長方形に組み立てることもできる。
【符号の説明】
【0029】
1 スペーサ
1a 本体
2 折曲部
21 蝶番部
22 斜面部
23 斜面部
24 凸部
25 凹部
3 連結部
3a A連結端
3b B連結端
31 板状部
32 突起部
33 係止部
34 穴
35 穴
36 板状部
37 係止孔
38 突起
4 本体
5 膨出部
6 膨出部
7 コンクリート製品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製品間に介装されて該製品間隔を保持するスペーサであって、
棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、
中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を有し、
該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、
その一方の斜面部に凸部が、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部が形成され、
前記蝶番部を折り曲げて双方の前記斜面部を接触させたときに前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されることを特徴とするスペーサ。
【請求項2】
前記A連結端が、スペーサの軸線と直角方向に突出する突起部と、該突起部の先端に形成され突起部の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部を有し、
前記B連結端が、前記係止部が挿通可能な細長い係止孔を有し、
前記係止部を前記係止孔に挿通した後、A連結端とB連結端を相対的に回転させることで、前記係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結される請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
スペーサ本体が断面多角形又は円形の棒状をなし、本体よりも径が大きくなっている膨出部が本体に間隔をあけて設けられ、スペーサをコンクリート製品間に介装したときに該膨出部がコンクリート製品の面に接触する請求項1又は2に記載のスペーサ。
【請求項1】
コンクリート製品間に介装されて該製品間隔を保持するスペーサであって、
棒状本体の一端側のA連結端と、他端側のB連結端が相互に連結・分離自在であり、
中間部に、直角に折り曲げ、折り曲げ状態を保持可能な折曲部を有し、
該折曲部が、肉厚が薄く形成されて折り曲げ可能な蝶番部と、該蝶番部を挟んだ両側に相互に90°の角度で対向して形成された斜面部を有し、
その一方の斜面部に凸部が、他方の斜面部に該凸部が嵌合可能な凹部が形成され、
前記蝶番部を折り曲げて双方の前記斜面部を接触させたときに前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記折曲部が直角に折り曲げられた状態で保持されることを特徴とするスペーサ。
【請求項2】
前記A連結端が、スペーサの軸線と直角方向に突出する突起部と、該突起部の先端に形成され突起部の突出方向と直角方向に延びる細長い係止部を有し、
前記B連結端が、前記係止部が挿通可能な細長い係止孔を有し、
前記係止部を前記係止孔に挿通した後、A連結端とB連結端を相対的に回転させることで、前記係止部と係止孔の角度がずれてA連結端とB連結端が連結される請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
スペーサ本体が断面多角形又は円形の棒状をなし、本体よりも径が大きくなっている膨出部が本体に間隔をあけて設けられ、スペーサをコンクリート製品間に介装したときに該膨出部がコンクリート製品の面に接触する請求項1又は2に記載のスペーサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−106752(P2012−106752A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255798(P2010−255798)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(390028082)株式会社未来樹脂 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(390028082)株式会社未来樹脂 (12)
【Fターム(参考)】
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