説明

スポーツ用品

【課題】高級な光沢を有するより意匠性の高いスポーツ用品が求められていた。
【解決手段】(1)部材本体と、この部材本体の外側に鏡面層を有し、鏡面層の外側にカラークリア層と透明クリア層を有し、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されていることを特徴とするスポーツ用品。
(2)部材本体と鏡面層の間にベース塗装層を有し、鏡面層の外側に透明クリア層、カラークリア層、透明クリア層の順に層が形成されていることを特徴とする上記(1)のスポーツ用品。
(3)カラークリア層及び/又は透明クリア層中の光輝性無機顔料の含有量が、1重量%〜10重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)のスポーツ用品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、釣竿、ゴルフクラブ、テニスラケット、スキー板及びスキーストック等のスポーツ用品に関する。特に好ましくはゴルフクラブである。
【背景技術】
【0002】
上述したような各種のスポーツ用品は、直接日光が当たる自然界において使用されている。また、従来、このスポーツ用品の外面には、塗装処理時に例えば金属粒子を混入した塗料によって塗装処理が施され、光輝性外観を呈示させる塗膜が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願平11−98937号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高級な光沢を有するより意匠性の高いスポーツ用品が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は鋭意検討した結果、光輝性無機顔料をある特殊な形態で使用すればより意匠性が上がることを見出し、本発明を完成するに到った。具体的には、以下の発明により本願発明の課題を解決できる。
【0006】
(1)部材本体と、この部材本体の外側に鏡面層を有し、鏡面層の外側にカラークリア層と透明クリア層を有し、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されていることを特徴とするスポーツ用品。
【0007】
(2)部材本体と鏡面層の間にベース塗装層を有し、鏡面層の外側に透明クリア層、カラークリア層、透明クリア層の順に層が形成されていることを特徴とする上記(1)のスポーツ用品。
【0008】
(3)カラークリア層及び/又は透明クリア層中の光輝性無機顔料の含有量が、1重量%〜10重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)のスポーツ用品。
【0009】
(4)鏡面層が金属蒸着層であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかのスポーツ用品。
【0010】
(5)前記部材本体が、繊維強化プラスチックで形成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかのスポーツ用品。
【発明の効果】
【0011】
高級な光沢を有しより意匠性の高いスポーツ用品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のスポーツ用品と本発明のスポーツ用品を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のスポーツ用品について説明する。
【0014】
本発明のスポーツ用品としては、例えば、釣竿、ゴルフクラブ、テニスラケット、スキー板及びスキーストック等が挙げられ、特に好ましくはゴルフクラブである。
【0015】
本発明における部材本体とは、スポーツ用品本体を意味する。部材本体は、各スポーツ用品の素材として用いられている素材で形成されていればよい。強度と軽さの観点からすると、部材本体が繊維強化プラスチックで形成されていることが好ましい。繊維強化プラスチックとしては、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸して成るプリプレグが挙げられ、これを成型して熱硬化させればよい。最も好ましくは炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを成型し、熱硬化させた部材本体である。
【0016】
スポーツ用品がゴルフクラブである場合を例にとると、例えば、特許第3315338号公報に記載の通り、芯金に対してプリプレグシートを重合するように巻回し、その上にラッピングテープを巻回して安定させた後、これを加熱炉において合成樹脂を熱硬化し、その後冷却して、脱芯、ラッピングテープの剥離、研磨、塗装の工程を経ればゴルフシャフトを成型することができ、これに公知の方法によってゴルフヘッドやグリップを装着すればゴルフクラブが作成できる。
【0017】
本発明のスポーツ用品は、この部材本体の外側に鏡面層を有している。鏡面層を有することにより光が反射し、意匠性を上げている。鏡面層としては、金属蒸着層、光輝系メタリック顔料スプレー層、蒸着アルミ顔料スプレー層等が挙げられ、意匠性の観点から、特に好ましくは金属蒸着層である。これら鏡面層は、通常の方法で形成することができる。例えは、金属蒸着層の形成であれば特開平11−98937号公報に記載の通り、イオンプレーティング、スパッタリング、蒸着等のPVD法、CVD法、湿式メッキ法、銀鏡反応を利用したダブルガンスプレーによる金属膜形成法等により実施すればよい。
【0018】
金属蒸着層の金属成分としては、Al、Sn、Ni、Ag、Cr等が挙げられ、意匠性の観点から、特に好ましくはCrである。
【0019】
鏡面層の接着強度の観点からすると、部材本体と鏡面層の間にベース塗装層を設けることが好ましい。ベース塗装層の素材としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等が挙げられ、部材本体との接着強度と鏡面層との接着強度とを考慮して選択すればよく、両方との接着強度のバランスがよいものを選択すればよい。複数のベース塗装層を設けることにより部材本体と鏡面層との接着強度を上げることもできるが、コストの面からすると1種1層のベース塗装層が好ましい。
【0020】
部材本体が炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを成型し熱硬化させたものであり、鏡面層がCrである場合は、接着強度の観点から、ベース塗装層としてはエポキシ樹脂からなることが好ましい。
【0021】
上記のベース塗装層の形成は、各素材を用いて層を形成する際の通常の方法を用いればよい。例えば、エポキシ樹脂からなるベース層であれば、特開2003−284795号公報に記載の通りしごき塗装またはスプレー塗装すればよい。
【0022】
本発明のスポーツ用品は、鏡面層の外側にカラークリア層と透明クリア層を有し、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されている。
【0023】
本発明における透明クリア層は、透明性を有し、かつ顔料等の着色料を有していない層であれば特に限定はないが、具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられ、透明クリア層と隣接する層との接着性を考慮し、任意に選択することができる。透明性に優れていて意匠性によりよい影響を与えるという観点から、ウレタン樹脂が好ましい。
【0024】
本発明におけるカラークリア層とは、透明性を有し且つ色を有している層であれば特に限定されないが、具体的にはウレタン樹脂等のベース樹脂にニッケルアゾイエロー、フラバンスロンイエロー等、樹脂の染色に通常使用できる着色料を添加したもので成形された層が挙げられる。カラーリング層のベース樹脂は、カラークリア層と隣接する層との接着性を考慮し、任意に選択することができる。また意匠性の観点からすると、ウレタン樹脂が好ましい。着色料の添加量は、着色料の着色度、実現したいカラークリア層の透明度により任意に任意に決定することができる。透明度が高いと鏡面層の意匠性を大きくすることができ、透明度が低いと着色料の色を鮮やかに表現することができる。
【0025】
接着強度の観点からすると、透明クリア層とカラークリア層とは同じ素材であることが好ましく、鏡面層がCrである場合は、接着強度の観点からウレタン樹脂が好ましい。
【0026】
鏡面層の外側の層構成としては、例えば鏡面層側から
(1)透明クリア層、カラークリア層 の順に層が形成されているもの、
(2)カラークリア層、透明クリア層 の順に層が形成されているもの、
(3)透明クリア層、カラークリア層、透明クリア層 の順に層が形成されているもの、
が挙げられる。意匠性の観点からすると、カラークリア層の外側に透明クリア層を備えていることが好ましい。また接着強度の観点からすると、鏡面層とカラークリア層の間に透明クリア層を設けることが好ましい。なお、意匠性に悪影響を与えない範囲で、上記の各層の間及び/又は最外装部に必要な機能に応じて別の層を設けてもよい。
【0027】
本発明における透明クリア層及びカラークリア層の形成も、各層の各素材を用いて層を形成する際の通常の方法を用いればよい。例えば、ウレタン樹脂からなる透明クリア層及びカラークリア層であれば、特開2003−284795号公報に記載の通り、しごき塗装またはスプレー塗装すればよい。
【0028】
本発明においては、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されている。最外装部に透明クリア層又はカラークリア層が設けられている場合は、意匠性の観点から、最外装部の透明クリア層又はカラークリア層には光輝性無機顔料が含有されていない方がよく、最外装部以外のカラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されているのが好ましい。
【0029】
光輝性無機顔料の層への含有につき具体的に層構成との関係で好ましい形態を示すと、鏡面層の外側の層構成としては鏡面層側から
(1)光輝性無機顔料含有の透明クリア層、カラークリア層 の順に層が形成されているもの、
(2)光輝性無機顔料含有のカラークリア層、透明クリア層層 の順に層が形成されているもの、
(3)透明クリア層、光輝性無機顔料含有のカラークリア層、透明クリア層層 の順に層が形成されているもの、
(4)光輝性無機顔料含有の透明クリア層、カラークリア層、透明クリア層層 の順に層が形成されているもの、
(5)光輝性無機顔料含有の透明クリア層、光輝性無機顔料含有のカラークリア層、透明クリア層層 の順に層が形成されているもの、
が挙げられる(上記(1)〜(5)において、「光輝性無機顔料含有の」との説明がない層は、光輝性無機顔料を含有していない)。鏡面層との接着強度の観点からすと上記(1)及び(3)〜(5)がより好ましく、更により優れた意匠性の観点も考慮すると上記(3)〜(5)がより好ましく、この中でコスト面を考慮すると(3)又は(4)が特に好ましい。
【0030】
本発明における「光輝性無機顔料」とは、水、油、アルコール等の溶剤に不溶で、色彩を持ちかつ輝きを有する無機粉末である。当該粉末は分散状態で物を着色する。具体的には、人工的に作られたフレーク(酸化アルミニウムフレーク、シリカフレーク、ガラスフレーク等)を基体とし金属酸化物を被覆したエフェクト顔料、マイカ顔料、アルミニューム顔料、アルミニュームペースト・パール顔料、天然の雲母フレークを基体とし金属酸化物を被覆したパール顔料等が挙げられる。透明感や粒子感のある輝きの観点から、特に好ましくは金属酸化物を被覆したガラスフレークである。
【0031】
用いる光輝性無機顔料は、通常平均粒径10〜100μmのものが使用でき、好ましくは20〜80μmである。粒径が小さすぎると粒子感のある煌き感が得られず、大きすぎると積層塗膜外に粒子がはみ出し塗膜表面に凹凸が発生してしまう。
【0032】
光輝性無機顔料は、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に0.2重量%〜13重量%含有していればよく、好ましくは0.3重量%〜10重量%含有、より好ましくは重量0.5%〜5重量%含有である。光輝性無機顔料の含有量が少なすぎると意匠性が発現せず、含有量が多すぎると積層塗膜の内部破壊を引き起こしてしまう。
【0033】
カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料を含有させる方法としては、カラークリア層及び/又は透明クリア層を形成する際の原料中に光輝性無機顔料を含有させ、カラークリア層及び/又は透明クリア層を形成する方法が挙げられる。透明クリア層に光輝性無機顔料を含有させる場合を例に挙げると、例えばクリア層を形成する樹脂原料と光輝性無機顔料を溶媒中に混合し、光輝性無機顔料を含有する塗布液を作り、対象物に塗布し乾燥させることにより光輝性無機顔料を含有する透明クリア層を形成することができる。光輝性無機顔料を含有するカラークリア層も同様の方法で形成することができる。
【0034】
カラークリア層及び/又は透明クリア層中の光輝性無機顔料の含有量のコントロールは、カラークリア層及び/又は透明クリア層を形成する際の原料に対する光輝性無機顔料の含有量をコントロールすることにより実施できる。例えば、前述の透明クリア層に光輝性無機顔料を含有させる場合の例で説明すると、溶媒は透明クリア層形成時に揮発して層中には残らないため、クリア層を形成する樹脂原料と光輝性無機顔料の混合物(溶媒は含まない)における光輝性無機顔料の含有量が透明クリア層中の光輝性無機顔料含有量となる。カラークリア層の場合は、原料樹脂と着色料と光輝性無機顔料の混合物(溶媒は含まない)における光輝性無機顔料の含有量がカラークリア層中の光輝性無機顔料含有量となる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明する。
【0036】
[実施例1]
1.ゴルフシャフトの製造
下記に示す三菱レイヨン株式会社製の市販のプリプレグA〜Dをそれぞれ裁断し、マンドレルの上に細径先端部〜該細径先端部より80mmの位置迄、及び太径先端部〜該太径先端部より230mmの位置迄を除いた全領域に、下記の工程(1)〜(3)に説明する手順により、強化繊維の配向角が0°の先端補強層用の巻き付け層、アングル層用の巻き付け層、及びストレート層用の巻き付け層を形成した。
【0037】
<プリプレグ>
プリプレグB: HSX350C100S
プリプレグC: MRX350C075R
プリプレグD: TR350E125S
<マンドレルの形状>
細径先端部外径4.15mm、太径先端部外径13.80mm、長さ1500mmを有しており、かつ太径先端部〜該太径先端部から500mmの部分が外径13.80mmの平行部をなしており、太径先端部から500mmの位置〜細径先端側にテーパー度8.79/1000のテーパー部を有する。
【0038】
<工程1>
プリプレグBを、繊維方法がマンドレルの径方向中心線に対して、+45°となるようにして、細径側端部において4.65層、太径側端部において2.63層となって巻き付かるように裁断し、又同じくプリプレグBを、繊維方向がマンドレルの径方向中心線に対して−45°となるようにして、同じく細径側端部において4.65層、太径側端部において2.63層となって巻き付かるように裁断し、これらの2枚のプリプレグをその繊維方向が互いに直交するようにして貼り合わせた後、この貼り合わせプリプレグをマンドレルに巻き付け、アングル層用の巻き付けを行なった。
【0039】
<工程2>
プリプレグC及びDを、繊維方向がマンドレルの径方向中心線に対して0°となるようにして、工程1にて形成したアングル層用の巻き付け層の上に巻き付けたときに、プリプレグCは細径側端部〜太径側端部に亙って1層、プリプレグDは細径側端部〜太径側端部に亙って2層となって巻き付かるような略台形に裁断し、これらの2枚のプリプレグをプリプレグC、プリプレグDの順に、工程1にて形成したアングル層用の巻き付け層の上に巻き付け、ストレート層用の巻き付けを行なった。
【0040】
<工程3>
プリプレグDを、繊維方向が直角を挟む2辺のうちの1辺と同方向であって、かつ直角を挟む辺の長さが120mm×115mmの直角三角形に裁断し、これを繊維方向がマンドレルの径方向中心線に対して0°となるようにして、細径側端部において最も多重になって巻き付き、その後は徐々に巻き付けが無くなるようにして、工程2にて形成したプリプレグCの巻き付け層の上に巻き付け、補強層用の巻き付けを行なった。
【0041】
しかる後に、ポリプロピレン製のラッピングテープの巻き付けを行なった後、硬化炉での加熱硬化、マンドレルからの脱抜、ラッピングテープの除去、外周面の研磨を順次行ない、更に細径側端部から10mm及び太径側端部から10mmをトリミングカット、コーティング処理し、ドライバー用ゴルフクラブシャフト1を得た。
【0042】
2.コーティング
<ベース塗装層用塗料A>
ウレタン樹脂塗料(ミクニペイントポリデュールCS 9−7902)200gを、硬化剤(D05−025)50gと混合し、ベース塗装層用塗料Aを得た。(ポリデュールはミクニペイント(株)の登録商標です。)
<透明クリア層用塗料B>
ウレタン樹脂塗料(ミクニペイントポリデュールNYクリヤ 9−1620)200gを、硬化剤(D08−251)50gと混合し・、透明クリア層用塗料Bを得た。
【0043】
<光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料C>
調色済みウレタン樹脂カラークリヤ塗料(ミクニペイントスプラZ95(カラークリヤブラウン))200gと、スプラ専用硬化剤50gとを混合し、カラークリヤ塗料Cを得た。
【0044】
得られたカラークリア層用塗料Cに、光輝性無機顔料として日本板硝子(株)のメタシャイン(メタシャインは日本板硝子(株)の登録商標)MC1030RS(ホワイト色、平均粒径30μm、基材厚み1μm)2g(カラークリア層用塗料Cの原料であるミクニペイントスプラZ95(カラークリヤブラウン)とスプラ専用硬化剤の合計量に対して0.8重量%相当:塗料には溶剤が50%含有されているので、硬化すると層中の含有量は1.6重量%相当になる)を添加し、攪拌することにより光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料Cを得た。
【0045】
<層の形成>
上記1で製造したゴルフシャフト1に上記ベース塗装層用塗料Aをしごき塗装(シャフトを引く速度:0.5m/sec)した。塗布後乾燥させベース塗装層を形成した後、ベース塗装層上にCrを蒸着させ、金属蒸着層を形成した。次いで、上記透明クリア層用塗料Bを金属蒸着層の上にしごき塗装(シャフトを引く速度:0.5m/sec)し、乾燥させて透明クリア層を形成した。続いて、上記光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料Cを透明クリア層の上にスプレー塗布し、乾燥させて光輝性無機顔料を含有するカラークリア層を形成した。最後に、上記透明クリア層用塗料Bを光輝性無機顔料含有のカラークリア層の上にしごき塗装(シャフトを引く速度:0.5m/sec)し、乾燥させて最外部に透明クリア層を形成した。得られたゴルフシャフトを図1の2に示す。
【0046】
[実施例2]
光輝性無機顔料である日本板硝子(株)のメタシャインMC1030RS(ホワイト色、平均粒径30μm、基材厚み1μm)を干渉アルミ顔料である東洋アルミ(株)のクロマシャイン(クロマシャインは東洋アルミ(株)の登録商標)GD−20R(ゴールド色、平均粒径20μm)に変更し、実施例1と同様に光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料Cを得た。調色済みウレタン樹脂カラークリヤ塗料(ミクニペイントスプラZ95(カラークリヤブラウン))200gと、スプラ専用硬化剤50gとを混合し、さらにGD−20R(ゴールド色、平均粒径20μm)を0.8g(カラークリア層用塗料Cの原料であるミクニペイントスプラZ95(カラークリヤブラウン)とスプラ専用硬化剤の合計量に対して0.3重量%相当:塗料には溶剤が50%含有されているので、硬化すると層中の含有量は0.6重量%相当になる)を添加し、攪拌することにより光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料Cを得た。これを実施例1と同様にしてゴルフシャフトに各層を形成した。得られたゴルフシャフトを図1の3に示す。
【0047】
[比較例1]
「光輝性無機顔料含有のカラークリア層用塗料C」を「光輝性無機顔料を含有していないカラークリア層用塗料C」に変えて、「光輝性無機顔料を含有するカラークリア層」の代わりに「光輝性無機顔料を含有しないカラークリア層」を形成した以外は実施例1と同様にしてゴルフシャフトに各層を形成した。得られたゴルフシャフトを図1の1に示す。
【0048】
[外観の比較]
図1に示す通り、実施例1及び2は、比較例1に比べ、すぐれた意匠性を発現している。
【符号の説明】
【0049】
1 比較例1で得たゴルフシャフト
2 実施例1で得たゴルフシャフト
3 実施例2で得たゴルフシャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材本体と、この部材本体の外側に鏡面層を有し、鏡面層の外側にカラークリア層と透明クリア層を有し、カラークリア層及び/又は透明クリア層中に光輝性無機顔料が含有されていることを特徴とするスポーツ用品。
【請求項2】
部材本体と鏡面層の間にベース塗装層を有し、鏡面層の外側に透明クリア層、カラークリア層、透明クリア層の順に層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスポーツ用品。
【請求項3】
カラークリア層及び/又は透明クリア層中の光輝性無機顔料の含有量が、0.3重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポーツ用品。
【請求項4】
鏡面層が金属蒸着層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスポーツ用品。
【請求項5】
前記部材本体が、繊維強化プラスチックで形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスポーツ用品。

【図1】
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