説明

スポーツ用循環機能測定装置及び測定方法

【課題】スポーツ選手等の運動前、運動中、運動後に亘る総合的な循環機能の評価が可能なスポーツ用循環機能測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】被験者に運動負荷をかけた状態から運動負荷を取り去る状態において、循環機能を計測するスポーツ用循環機能測定装置であって、被験者に運動負荷をかけた状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数(HR)及び一回拍出量(SV)を計測する計測手段と、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示するHR−SVループ表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓の拍動により駆出される血液量を測定する血液量測定装置の測定値である心拍出量を用いてスポーツ用循環機能を測定する測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設において、その手術室,集中治療室,救急処置室,人工透析室などにいる患者に対して、循環動態の変動に対する監視は、できる限り連続的に行う必要がある。
従来、このような患者の循環動態の変動に対する監視は、主として、直接的な血圧監視をすることによって行われていた。
生体は中枢部の血圧が一定の範囲に収まるように心拍出量、血管抵抗を調節しているものである。
したがって、早期に患者の循環動態の変動を知るためには、直接的な血圧監視のみでは充分でなく、また血圧に変化が見られたときに、その原因を知る必要がある。
そのために、血圧の変化を監視する以外に、心拍出量の変化を監視する必要がある。
患者に対する循環動態の変動を監視するため、心拍出量の変化を測定する方法としては、以下に述べるような、従来行われている方法として、熱希釈法,色素希釈法,超音波法等の方法が挙げられる。
【0003】
まず、熱希釈法について説明する。
熱希釈法は、主に、頸静脈からスワンガンツカテーテルを挿入して、中心静脈または右房から一定量の冷えた生理食塩水または冷えたブドウ糖溶液を注入して、肺動脈にてそれによる温度変化から心拍出量を測定する方法である。
また、最近では、カテーテルを通して血液を暖め、それによる温度変化から心拍出量を測定する熱希釈法もあり、この方法によれば、一定時間毎に自動的に測定ができる。
【0004】
次に、色素希釈法について説明する。
色素希釈法は、一定量の色素を静脈から注入して、色素が一様に希釈してその濃度が一定になった部位で色素濃度を観血的あるいは非観血的に測定して心拍出量を測定する方法である。
【0005】
次に、超音波法について説明する。
超音波法は、経食道的に超音波を用いて、下行大動脈等の動脈血管の内径と,血流速度とを測定して、心拍出量を測定する方法である。
【0006】
また、血液量の測定方法として、患者の循環動態の変動を非侵襲で連続的に常時監視することができる生体信号モニタ装置における心臓の拍動により駆出される血液量を測定する技術が知られている。(特許文献1参照)
【0007】
また、観血的に測定される動脈血圧波形から一回拍出量さらには心拍出量を計算から求める装置の測定精度について、下記の報告がなされている。(非特許文献1参照)
「手術後のICU(集中治療室)に入室した患者において、血管収縮薬フェニレフリンの投与によって血管抵抗が約60%変化したときに先に示した装置の測定値は、スタンダードとして用いられている熱希釈方式の心拍出量計の測定値よりも顕著に高いバイアスが現れたので、そのような時には熱希釈方式の心拍出量計により再校正する必要がある。」
【0008】
上述のような、従来の患者に対する循環動態変動の監視として行われている心拍出量の測定方法は以下に述べるような問題点がある。
熱希釈法は、測定が間欠的であり、連続測定ができないという問題点がある。
また、熱希釈法におけるカテーテルの挿入は、患者にとって、侵襲度が高く、感染の問題等が伴う。
さらに、この熱希釈法は、その測定およびカテーテルの挿入に際して、熟練した医療従事者の技術が要求される方法である。
最近では、熱希釈法においても、連続的に測定する方法も開発されてはいるが、カテーテルの挿入は必要であり、カテーテルの挿入における上記の問題は解決出来ない。
【0009】
色素希釈法もまた、連続測定ができないという問題点がある。
また、その測定には熟練した医療従事者の技術が要求される方法である。
超音波法は、経食道的にトランスジューサを装着するため、患者に対する負担が大きいという問題点がある。
なお、最近、超音波法の一種で、体表面から非侵襲的に行う方法もあるが、連続測定は不可能である。
【0010】
上述のいずれの方法も、高度な医療従事者の技術が要求されること、患者への侵襲度の高さを考えると、到底、手軽に連続して行えることができず、これらの方法により、患者の循環動態の変動を連続的に常時監視することは困難である。
【0011】
上述の問題点を解決するものとして、本出願人は、患者の循環動態の変動を非侵襲で連続的に常時監視することができ、さらに、カテーテルの挿入など、熟練した医療従事者の技術が不要で、患者に対する苦痛が少なく、侵襲しないので感染の恐れがなく、且つ低コストの血液量測定方法、測定装置及び生体信号モニタ装置に関する出願をしている。(特願2005−097616)
【0012】
上記の出願には以下の参考例が記載されている。
参考例において心臓の拍動により駆出される血液量(心拍出量)を測定する原理について以下に説明する。
図10に示すウィンドケッセルモデルを用いると大動脈に収縮期に流入した流量、つまり一回拍出量SVから収縮期に末梢に流れ出た流量Qsを差し引いた流量SV−Qsは、大動脈コンプライアンスCと脈圧(この明細書では、脈圧とは、収縮期血圧値と拡張期血圧値との差を云う。)PPで表される。
SV−Qs=C*PP 式1
【0013】
拡張期に末梢に流れ出る流量Qdは、SV−Qsと等しい。
またQs、Qdはそれぞれ収縮期、および拡張期の動脈圧Vを血管抵抗Rで割って、収縮期時間Ts及び拡張期時間Tdを掛け合わせたものになるが、簡易的にそれぞれ、Ts、Tdに比例すると考えると、
( Qd = )SV−Qs=SV*Td/(Ts+Td) 式2
で表される。
【0014】
式1、式2より
SV*Td/(Ts+Td)=C*PP
∴SV=C*PP*(1+Ts/Td) 式3
【0015】
ここで、測定期間中、CとTs/Tdが変わらないとしてC*(1+Ts/Td)をKとおくと、
SV=K*PP 式4
∴PP=SV*1/K 式5
このようにウィンドケッセルモデルに従うと脈圧はSVに比例することになる。
【0016】
実際には実測される脈圧PP1は式5に基づく脈圧PP2(式5ではPPとおいたが、以下の説明ではPP2とおく)と血管収縮薬を用いたときなどに見られる脈圧の増高分PP3から成り立ち式6のようになる。
PP1=PP2+PP3 式6
【0017】
仮にPP3がないとしたら、式4、式6から
SV=K*PP1 式7
となり、実測した血圧からSVが実測できることになるが、血管収縮薬を用いるときなどはPP1がPP3を含んでしまうので、SVを過大に評価してしまう。
そのことが血圧からSVを算出する場合の問題点となっていた。
【0018】
また、上述の如く、観血的に測定される動脈血圧波形から一回拍出量さらには心拍出量を計算から求める装置の測定精度について、「手術後のICU(集中治療室)に入室した患者において、血管収縮薬フェニレフリンの投与によって血管抵抗が約60%変化したときに先に示した装置の測定値は、スタンダードとして用いられている熱希釈方式の心拍出量計の測定値よりも顕著に高いバイアスが現れたので、そのようなに時には熱希釈方式の心拍出量計により再校正する必要があること。」が報告されている。尚血管収縮薬を用いるときなどは末梢側からの反射波の影響で脈圧が増高することが知られており、PP3はそれらに相当するものである。
【0019】
心電図から末梢のSPO2脈波までの到達時間である脈波伝播時間(以下PWTT)は以下の成分から成り立つ。
PWTT=PEP+PWTT1+PWTT2 式8
【0020】
ここで、図15に示す如く、PEPは心臓の前駆出時間で、心臓が電気的な興奮を開始してから大動脈弁が開くまでの時間である。
また、PWTT1は大動脈弁が開いて大動脈に脈波が発生してから通常観血的に血圧測定等を行っている末梢側の動脈に伝播するまでの時間である。
また、PWTT2は脈波が末梢側の動脈からさらに末梢の光電脈波を計測している血管に伝播するまでの時間である。
【0021】
我々は、成犬10頭でPEP+PWTT1としてECGのR波から大腿動脈脈波の立ち上がりまでの時間を測定して、PEP+PWTT1の時間と血圧の関係を血管収縮薬投与を条件として含んで、血管拡張薬投与や心臓の収縮力増強、心臓の収縮力減弱、脱血の各条件下で測定して、脈圧PP1とPEP+PWTT1の時間の間に良い相関のあることを見出した。
図11は、代表的なPWTTと脈圧(PP)(Pulse-Pressure)の関係を示す図である。
【0022】
したがって、脈圧PP1とPEP+PWTT1の間の関係は式9のように表すことができる。
PEP+PWTT1=a*PP1+b 式9
またPWTT2とPP1の関係を式10のようにおいた。
PWTT2=c*PP1+d+e 式10
【0023】
血管収縮薬を用いること等によりPP3が現れた時にはその他の条件の時に比べてPWTT2は、延長する傾向があることを見出したので、その延長に相当する分をeとおいた。(ここで、eは定数とは限らない。)
【0024】
そこで、式8を式9、式10で書き換えると
PWTT=(a*PP1+b)+(c*PP1+d+e)
∴ PP1=1/(a+c)*(PWTT−b−d−e) 式11
【0025】
式6におけるPP2に式5の右辺を代入すると
PP1=SV*1/K+PP3 式12
式11、式12より
1/(a+c)*PWTT−(b+d)/(a+c)=SV*1/K+PP3+e/(a+c)
∴SV=K*(1/(a+c)*PWTT−(b+d)/(a+c))−K*(PP3+e/(a+c)) 式13
【0026】
上述の如く、血管収縮薬を用いるなどしてPP3が現れる時にはPWTT2が延長傾向になることを実験的に見出したので、その関係を図14に示す。
フェニレフリンを投与すると、図14に示す如く、PP3が現れて、PP1は増大していくが、PWTT2 とPP1の間には脱血時やペントバルビタール投与時のような関係はもはやフェニレフリン投与時には見られなくなり、PWTT2は延長傾向になる。
したがって、図13のようにフェニレフリン投与時でもSVとPWTTの間には他の条件下と同様な負の相関関係が保たれているので、式13の右辺第二項 K*(PP3+e/(a+c))はほぼ無視できることを実験的に見出した。
【0027】
そこで1/(a+c)=α、−(b+d)/(a+c)=β とおくと
SV=K*(α*PWTT+β) 式14
α、βは実験的に求められる患者に固有の係数である。
【0028】
さらに心拍出量を以下の式で計算できる。
esCO= K*(α*PWTT+β)*HR 式15
ここでesCOはL/minで表される心拍出量であり、Kは実験的に求められる患者に固有な定数である。
【0029】
なお、式15は式16のようにも置き換えられる。
esCO=(αK*PWTT+βK)*HR 式16
αK、βKは実験的に求められる患者に固有な係数である。
【0030】
式14,式15及び式16のようにPWTTを用いてSV及びesCOを算出すると、図12に示すように血管収縮薬を用いるなどの脈圧が増高するような時でも、図13に示すようにSVとPWTTの間には他の条件と同様な関係が保たれているので、従来の血圧を用いてSVを算出する場合に見られる問題点が解決できる。
当然COも過大に評価されることはない。
図12、図13は動物実験で血管収縮時、脱血、心抑制時に測定したSVとPP1、及びSVとPWTTの関係である。
なお、フェニレフリン投与時には、60%を超える血管抵抗の増加があった。
【0031】
次に、参考例に係る血液量測定方法を適用した生体信号モニタ装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図16は生体信号モニタ装置の一実施形態の構成を説明するためのブロック図であり、図17は、参考例に係る生体信号モニタ装置による測定形態の一例を説明する模式図である。図15は、測定された各脈波の波形を示す図である。
【0032】
収縮・拡張期血圧測定手段20は、図16に示すように、カフ25、加圧ポンプ27、圧力センサ28、カフ圧検出部29、A/D変換器22等により構成されている。
【0033】
具体的には、図17に示すように、カフ25を患者の上腕部に装着して測定を行う。
このカフ25は、生体信号モニタ装置本体10内に設けられた排気弁26によってその内部が大気に対して開放または閉塞される。
また、カフ25には、生体信号モニタ装置本体10内に設けられた加圧ポンプ27によって空気が供給される。
生体信号モニタ装置本体10内には圧力センサ28(カフ脈波センサ)が取り付けられており、このセンサ出力がカフ圧検出部29によって検出される。
このカフ圧検出部29の出力は、A/D変換器22によってディジタル信号に変換され、心拍出量演算手段40に取り込まれる(図17においては、カフ圧検出部29、A/D変換器22、心拍出量演算手段40は、生体信号モニタ装置本体10内に含まれる)。
【0034】
図15(a)は心電図波形であり、心臓から出た直後の大動脈圧は、図15(b)に示すような波形となる。
また、図15(c)(d)に示すような末梢側動脈波形及び末梢脈波波形が得られる。
【0035】
脈波伝播時間測定手段30は、図16に示すように、時間間隔検出基準点測定手段31、A/D変換器32、光電脈波検出センサ33、脈波検出部34、A/D変換器35、等により構成されている。
【0036】
時間間隔検出基準点測定手段31は、心電図のR波の発生時点を検出するためのものであり、この検出部の出力は、A/D変換器32によりディジタル信号に変換されて、心拍出量演算手段40に取り込まれる。
この時間間隔検出基準点測定手段31は、具体的には、図17に示すような、被験者の胸部に装着される心電図電極31a(心電図測定手段)からなる。
この心電図電極31aと電気的に接続された測定データ送信器50から、測定データが生体信号モニタ装置本体10に無線送信される。
この送信された測定データは、生体信号モニタ装置本体10内のA/D変換器32によりディジタル信号に変換されて、心拍出量演算手段40に取り込まれる。このようにして、図15(a)に示すような心電図波形が得られる。
【0037】
一方、光電脈波検出センサ33は、図17に示すように、指など患者の末梢部に装着し、例えば、SPO2測定等を行い、脈波伝播時間を得るものである。
この光電脈波検出センサ33は、測定データ送信器50と電気的に接続され、測定データ送信器50は、生体信号モニタ装置本体10に測定データを無線送信する。
この測定データが、生体信号モニタ装置本体10内の脈波検出部34に送られることで、患者の装着部位の脈波(光電脈波)が検出される。
脈波検出部34の出力は、A/D変換器35によりディジタル信号に変換されて、心拍出量演算手段40に取り込まれる。
このようにして、図15(d)に示すような光電脈波の波形(末梢部の波形)が得
られる。
【0038】
次に、前記式16、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算処理について図18〜21を用いて説明する。
【0039】
先ず、初期値のαKを用いて、βKを校正で求めて、esCOを演算する手順を図18を用いて説明する。
・αKの初期値を読み込む。(ステップS1)
・PWTT及びHRを取得する。(ステップS2)
・次に、βKはあるか否かの判断をする。(ステップS3)
・ステップS3の判断がNOの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS4)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS5)
・ステップS5の判断でYESの場合には、入力されたCO値と、取得したPWTT及びHRを、CO1,PWTT1及びHR1としてレジスタに格納する。(ステップS6)
・βK=CO1/HR1−αK*PWTT1の式によりβKを求める。(ステップS7)
・求めたβKを用いて、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算する。(ステップS8)
・ステップS3の判断がYESの場合も同様に、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求
める演算する。(ステップS8)
・演算で求めたesCOを表示する。(ステップS9)
上記処理を逐次繰り返す。
【0040】
次に、αK及びβKを校正で求めて、esCOを演算する手順を図19を用いて説明する。
・αKの初期値を読み込む。(ステップS1)
・PWTT及びHRを取得する。(ステップS2)
・次に、βKはあるか否かの判断をする。(ステップS3)
・ステップS3の判断がNOの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS4)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS5)
・ステップS5の判断でYESの場合には、入力されたCO値と、取得したPWTT及びHRを、CO1,PWTT1及びHR1としてレジスタに格納する。(ステップS6)
・βK=CO1/HR1−αK*PWTT1の式によりβKを求める。(ステップS7)
・求めたβKを用いて、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算する。(ステップS8)
・ステップS3の判断がYESの場合αKの再校正を行うか否かの判断をする。(ステップS10)
・ステップS10の判断でNOの場合には、上記と同様に、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算する。(ステップS8)
・ステップS10の判断がYESの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS11)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS12)
・ステップS12の判断でYESの場合には、入力されたCO値と、取得したPWTT及びHRを、CO2,PWTT2及びHR2としてレジスタに格納する。(ステップS13)
・αK及びβKを
CO1=(αK*PWTT1+βK)*HR1
CO2=(αK*PWTT2+βK)*HR2
の2式より算出する。(ステップS14)
・求めたαK及びβKを用いて、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算する。(ステップS8)
・ステップS10の判断でNOの場合には、上記と同様に、esCO=(αK*PWTT+βK)*HRからesCOを求める演算する。(ステップS8)
・演算で求めたesCOを表示する。(ステップS9)
上記処理を逐次繰り返す。
【0041】
また、αが初期値で、β及びKを校正で求めて、esCOを演算する手順を図20を用いて説明する。(βの校正は、血管収縮薬投与等による脈圧の増高がない時に行う。)
・αの初期値を読み込む。(ステップS1)
・PWTT及びHRを取得する。(ステップS2)
・次に、βはあるか否かの判断をする。(ステップS15)
・ステップS15の判断でNOの場合には、校正用血圧測定要求を表示する。(ステップS16)・校正用血圧測定が行われたか否かの判断をする。(ステップS17)
・ステップS17の判断でYESの場合には、測定されたPP値と、取得したPWTT及びHRをPP1,PWTT1,HR1としてレジスタに格納する。(ステップS18)
・β=PP1−α*PWTT1の式によりβを算出する。(ステップS19)
・ステップS15での判断がYESの場合及び、ステップS19でβを算出した後に、Kがあるか否かの判断をする。(ステップS20)
・ステップS20での判断がNOの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS21)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS22)
・ステップ22の判断でYESの場合には、入力されたCO値をCO1としてレジスタに格納する。(ステップS23)
・K=CO1/((α*PWTT1+β)*HR1)の式によりKを求める。(ステップS24)
・ステップS20での判断がYESの場合及び、ステップS24でKを算出した後に、
esCO=K*(α*PWTT+β)*HRの式からesCOを求める演算する。(ステップS25)
・演算で求めたesCOを表示する。(ステップS26)
上記処理を逐次繰り返す。
【0042】
また、α,β及びKを校正で求めて、esCOを演算する手順を図21を用いて説明する。
(α,βの校正は、血管収縮薬投与等による脈圧の増高がない時に行う。)
・αの初期値を読み込む。(ステップS1)
・PWTT及びHRを取得する。(ステップS2)
・次に、βはあるか否かの判断をする。(ステップS15)
・ステップS15の判断でNOの場合には、校正用血圧測定要求を表示する。(ステップS16)・校正用血圧測定が行われたか否かの判断をする。(ステップS17)
・ステップS17の判断でYESの場合には、測定されたPP値と、取得したPWTT及びHRをPP1,PWTT1,HR1としてレジスタに格納する。(ステップS18)
・β=PP1−α*PWTT1の式によりβを算出する。(ステップS19)
・ステップS15の判断でYESの場合には、αを再校正するか否かの判断をする。(ステップS27)
・ステップS27の判断でYESの場合には、校正用血圧の測定要求を表示する。(ステップ
S28)
・校正用血圧測定が行われたか否かの判断をする。(ステップS29)
・ステップS29の判断でYESの場合には、測定されたPP値と、取得したPWTT及びHRをPP2,PWTT2,HR2としてレジスタに格納する。(ステップS30)
・PP1=α*PWTT1+β
PP2=α*PWTT2+β
の2式よりα及びβを算出する。(ステップS31)
・ステップS27の判断がNOの場合及び、ステップS19及びステップS31の処理後、Kはあるか否かの判断をする。(ステップS20)
・ステップS20での判断がNOの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS21)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS22)
・ステップS22の判断でYESの場合には、入力されたCO値をCO1としてレジスタに格納する。(ステップS23)
・K=CO1/((α*PWTT1+β)*HR1)の式によりKを求める。(ステップS24)
・ステップS20での判断がYESの場合及び、ステップS24でKを算出した後に、
esCO=K*(α*PWTT+β)*HRの式からesCOを求める演算する。(ステップS25)
・演算で求めたesCOを表示する。(ステップS26)
上記処理を逐次繰り返す。
【0043】
なお、校正用血圧測定を行わずに、他の血圧計で測定した血圧値をキー入力しても良い。
また、末梢の脈波はSpO2脈波以外にも容積変化を表すものを含む。
【特許文献1】特開2002−253519号公報(請求項1)
【非特許文献1】G Roodig; Continuous cardiac output measurement: pulse contur analysis vs thermodilution technique in cardiac surgical patients British Journal of Anaesthesia 82(4): 525-30(1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
前述の特開2002−253519号あるいは特願2005−097616には、長時間連続的に非侵襲で心拍出量を測定することは記載されているが、スポーツ循環機能を評価することは記載されていない。
【0045】
本発明の課題(目的)は、スポーツ選手等の運動前、運動中、運動後に亘る総合的な循環機能の評価が可能な新規なスポーツ用循環機能測定装置及び測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0046】
前記課題を解決するために、被験者に運動負荷をかけた状態から運動負荷を取り去る状態において、循環機能を計測するスポーツ用循環機能測定装置であって、被験者に運動負荷をかけた状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数(HR)及び一回拍出量(SV)を計測する計測手段と、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示するHR−SVループ表示手段とを備えることを特徴とする。(請求項1)
【0047】
また、前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとによって囲われた面積を求める手段を備えることを特徴とする。(請求項2)
また、前記一回拍出量の計測に脈波伝播時間(PWTT)を使用することを特徴とする。(請求項3)
【0048】
また、被験者に運動負荷をかけた状態から運動負荷を取り去った状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数及び一回拍出量を計測するステップと、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示するステップと、前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとの乖離を求めるステップとを含み前記求められた乖離に応じて被験者のスポーツ用循環機能を判断するスポーツ用循環機能測定方法。(請求項4)
【0049】
また、前記乖離を求めるステップでは、前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとによって囲われた面積を求めるステップとを含み前記求められた面積に応じて被験者のスポーツ用循環機能を判断することを特徴とする。(請求項5)
また、前記被験者に運動負荷をかけた状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数及び一回拍出量を計測するステップでは、被験者に運動負荷をかけ始めた状態で、心拍数(HR)増加キーを押して計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブを測定し、被験者に運動負荷を取り去った状態で、心拍数(HR)減少キーを押して計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブを測定することを特徴とする。(請求項6)
【発明の効果】
【0050】
本発明のスポーツ用循環機能測定装置及び測定方法では、HR−SVループの形状、即ち、HRが増加する時のHR−SVカーブと、HRが減少する時のHR−SVカーブの乖離の程度で循環機能の評価ができるので、厳密な絶対値による評価は不要で個人差がでない評価が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
図1は本発明のスポーツ用循環機能測定装置の構成を説明するためのブロック図である。
図1において、1は光電脈波検出センサであり、脈波検出部2を介してA/D変換器3でデジタル信号に変換されて演算処理手段に入力される。
また、前記光電脈波検出センサと同期して時間間隔検出基準点測定手段4からの信号もA/D変換器3でデジタル信号として、前記演算処理手段7に入力される。
また、前記演算処理手段7には、脈拍周期検出手段5及び入力手段6から入力信号が与えれれると共に、出力として表示手段8に後述のHR−SVループデータが出力されて表示される。
入力手段6で、校正用血圧値や校正用CO値を入力する。入力する校正値は、実測値であっても、年齢、性別、身長、体重等から算出される標準値であってもよい。
【0052】
脈波伝播時間測定手段9は被験者の指や額等に装着されるもので、時間間隔検出基準点測定手段4、A/D変換器3、光電脈波検出センサ1、脈波検出部2等により構成されている。
演算処理手段7は、心拍出量演算手段及びHR−SVループ演算手段を含んでおり、表示手段にHR−SVループを表示するためのデータを出力する。
【0053】
次に本発明のスポーツ用循環機能測定方法の手順を図2のフローチャートを用いて説明する。
この測定は、被験者に被験者に運動負荷をかけた状態から、その後運動負荷を取り去った状態において時間経過共にHR(心拍数)及びSV(一回拍出量)の値を求める。
このSVを求める手順は、先願である特願2005−097616号のαが初期値で、β及びKを校正で求めて、esCO(SV)を演算する手順に相当している。
・αの初期値を読み込む。(ステップS1)
・PWTT及びHRを取得する。(ステップS2)
・次に、βはあるか否かの判断をする。(ステップS15)
・ステップS15の判断でNOの場合には、校正用血圧の入力要求する。(ステップS16)・校正用血圧入力が行われたか否かの判断をする。(ステップS17)
・ステップS17の判断でYESの場合には、測定されたPP値と、取得したPWTT及びHRをPP1,PWTT1,HR1としてレジスタに格納する。(ステップS18)
・β=PP1−α*PWTT1の式によりβを算出する。(ステップS19)
・ステップS15での判断がYESの場合及び、ステップS19でβを算出した後に、Kがあるか否かの判断をする。(ステップS20)
・ステップS20での判断がNOの場合には、校正用のCO値の入力要求を表示する。(ステップS21)
・校正用のCO値が入力されたか否かの判断をする。(ステップS22)
・ステップ22の判断でYESの場合には、入力されたCO値をCO1としてレジスタに格納する。(ステップS23)
・K=CO1/((α*PWTT1+β)*HR1)の式によりKを求める。(ステップS24)
・ステップS20での判断がYESの場合及び、ステップS24でKを算出した後に、
SV=K*(α*PWTT+β)の式からSVを求める演算する。(ステップS25)
・レジスタHRCを読み込む。(ステップS26)
・HR−SVループを表示する。この場合、HRCが1の場合には、心拍数が増加する過程の軌跡カーブとして、例えば実線で表示する。また、HRCが2の場合には、心拍数が減少する過程の軌跡カーブとして、例えば点線で表示する。もちろんそれぞれの軌跡カーブを色分けで表示してもよい。(ステップS27)
上記処理を逐次繰り返す。
【0054】
上記ステップS26で使用されるレジスタHRCはHR変動方向レジスタであって、そのHRの変動方向の設定動作の1例は図3のフローチャートに示す。
・HR上昇キーがONされたか否かの判断をする。(ステップS31)
・ステップS31の判断がYESの場合は、HR変動方向レジスタを1にする。(ステップS32)
・ステップS31の判断が、NOの場合には、次にHR下降キーがONされたか否かの判断をする。(ステップS33)
・ステップS33の判断がYESの場合は、HR変動方向レジスタを2にして終了する。(ステップS34)
・ステップS33の判断が、NOの場合には終了する。
【0055】
なお、被験者のHR及びSVの時間経過に伴う変化の測定は、上述の手順以外に、被験者に運動負荷をかけ、その運動負荷を取り去りながらHR及びSVの計測できる方法であれば他の方法でも適用可能である。
【0056】
次に、被験者に運動負荷をかけた状態から、その後運動負荷を取り去った状態において時間経過と共に計測した場合の、時間経過と共に変化する被験者のHR及びSVの測定データをグラフ化したものを図4及び図5に示す。
【0057】
図4は被験者Aの測定データのグラフ化であって、この被験者Aは、スポーツ経験の豊富な人であって、スポーツ用循環機能が高いと思われる人である。
図5は被験者Bの測定データのグラフ化であって、この被験者Bは、スポーツ経験の少ない人であって、スポーツ用循環機能が低いと思われる人である。
【0058】
図4及び図5のグラフは共に、被験者に運動負荷がかかっている状態では、HR(心拍数)と共にSV(一回拍出量)が共に増加し、運動負荷を取り去った後は、HR(心拍数)と共にSV(一回拍出量)が共に減少して通常値に戻るという傾向では一致している。
【0059】
次に、図4及び図5に示されるHRとSVの関係を、ステップS33のHRレジスタの設定によって、図4及び図5のグラフから、図6及び図7に示す如き、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示する。
【0060】
被験者Aの図6では、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとがほぼ一致している。
これに対して、被験者Bの図7では、計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブに差がでていることが分かる。
【0061】
本出願人は、図6及び図7のHR−SVループにおいて、HR(心拍数)の増加する過程におけるSV(一回拍出量)を示す軌跡カーブと、HRの減少する過程におけるSVを示す軌跡カーブとによって囲われた面積(即ち、両者の乖離の程度)が被験者の運動能力(スポーツ用循環機能)に相関関係があることを発見した。
【0062】
次に、図6及び図7のHR−SVループの囲われた面積の差を求める手法の1例を図8及び図9を用いて説明する。
図8では、被験者Aの(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)−(X軸、直線とHR上昇時のカーブで囲まれた面積)/(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)×100=−2.1(%)である。
図9では、被験者Bの(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)−(X軸、直線とHR上昇時のカーブで囲まれた面積)/(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)×100=25.7(%)である。
このように、被験者Aと被験者Bとでは、スポーツ用循環機能に大きな差があることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のスポーツ用循環機能測定装置及び測定方法では、
HR−SVループの形状、即ち、HRが増加する時のHR−SVカーブと、HRが減少する時のHR−SVカーブの乖離の程度で、循環機能の評価を行うことができるので、産業上の利用可能性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のスポーツ用循環機能測定装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明のスポーツ用循環機能測定方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明で用いるHR変動方向レジスタのHRの変動方向の設定動作の1例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の測定による被験者Aの測定データのグラフ化であって、この被験者Aは、スポーツ経験の豊富な人であって、スポーツ用循環機能が高いと思われる人である。
【図5】本発明の測定による被験者Bの測定データのグラフ化であって、この被験者Bは、スポーツ経験の少ない人であって、スポーツ用循環機能が低いと思われる人である。
【図6】被験者Aの心拍数の増加する過程の一回拍出量の軌跡カーブと、心拍数の減少する過程の一回拍出量の軌跡カーブとがほぼ一致している状態を示す図である。
【図7】被験者Bの心拍数の増加する過程の一回拍出量の軌跡カーブと、心拍数の減少する過程の一回拍出量の軌跡カーブとが乖離している状態を示す図である。
【図8】被験者Aの(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)−(X軸、直線とHR上昇時のカーブで囲まれた面積)/(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)×100=−2.1(%)であることを示す図である。
【図9】被験者Bの(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)−(X軸、直線とHR上昇時のカーブで囲まれた面積)/(X軸、直線とHR下降時のカーブで囲まれた面積)×100=25.7(%)であることを示す図である。
【図10】本発明に適用されるウィンドケッセルモデルを示す図である。
【図11】代表的なPWTTと脈圧(PP)(Pulse-Pressure)の関係を示す図である。
【図12】動物実験で血管収縮時、脱血、心抑制時に測定したSVとPP1の関係を示す図である。
【図13】動物実験で血管収縮時、脱血、心抑制時に測定したSVとPWTTの関係を示す図である。
【図14】動物実験で血管収縮時、脱血、心抑制時に測定したPP1とPWTT2の関係を示す図である。
【図15】PEP,PWTT1,PWTT2,PWTTの関係を示す図である。
【図16】生体信号モニタ装置の一実施形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図17】心電図計測手段及び末梢脈波検出手段の患者への装着状態の1例を示す図である。
【図18】初期値のαKを用いて、βKを校正して、esCOを演算する手順を示すフローチャートである。
【図19】αK,βKを校正して、esCOを演算する手順を示すフローチャートである。
【図20】初期値のαを用いて、β,Kを校正して、esCOを演算する手順を示すフローチャートである。
【図21】K,α,βを校正して、esCOを演算する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 光電脈波検出センサ
2 脈波検出部
3 A/D変換器
4 時間間隔検出基準点測定手段
5 脈拍周期検出手段
6 入力手段
7 演算処理手段
8 表示手段
9 脈波伝播時間測定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に運動負荷をかけた状態から運動負荷を取り去る状態において、循環機能を計測するスポーツ用循環機能測定装置であって、
被験者に運動負荷をかけた状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数(HR)及び一回拍出量(SV)を計測する計測手段と、
計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示するHR−SVループ表示手段と、
を備えることを特徴とするスポーツ用循環機能測定装置。
【請求項2】
前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとによって囲われた面積を求める手段、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のスポーツ用循環機能測定装置。
【請求項3】
前記一回拍出量の計測に脈波伝播時間(PWTT)を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載のスポーツ用循環機能測定装置。
【請求項4】
被験者に運動負荷をかけた状態から運動負荷を取り去った状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数及び一回拍出量を計測するステップと、
計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブと、計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブとを同一表示手段上にHR−SVループとして表示するステップと、
前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとの乖離を求めるステップと、
を含み前記求められた乖離に応じて被験者のスポーツ用循環機能を判断することを特徴とするスポーツ用循環機能測定方法。
【請求項5】
前記乖離を求めるステップでは、
前記HR−SVループ表示手段によって表示された心拍数の増加する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブと、心拍数の減少する過程における一回拍出量を示す軌跡カーブとによって囲われた面積を求めるステップと、
を含み前記求められた面積に応じて被験者のスポーツ用循環機能を判断することを特徴とする請求項4に記載のスポーツ用循環機能測定方法。
【請求項6】
前記被験者に運動負荷をかけた状態における時間経過と共に変化する当該被検者の心拍数及び一回拍出量を計測するステップでは、
被験者に運動負荷をかけ始めた状態で、心拍数(HR)増加キーを押して計測された心拍数の増加する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブを測定し、
被験者に運動負荷を取り去った状態で、心拍数(HR)減少キーを押して計測された心拍数の減少する過程における計測された一回拍出量の軌跡カーブを測定する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のスポーツ用循環機能測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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