説明

スライドガラス搬送構造

【課題】スライドガラス収納部の収納枚数を最大限に確保しながら、同時に、装置全体を最大限にコンパクト化可能なスライドガラス搬送構造の提供。
【解決手段】スライドガラス収納部1、顕微鏡のスライドガラス載置台2、スライドガラス把持部3、Zステージ4、Zステージ4を所定の軸を中心として回動可能な回動手段5、Xステージ6、Zステージ4、回動手段5及びXステージ6の夫々の動作を制御する動作制御部7を備え、動作制御部7は、スライドガラスの少なくとも先端部がスライドガラス収納部1から離れる所定位置に到達するまで、Xステージ6を介してスライドガラス把持部3を移動させる制御、回動手段5を介してスライドガラス把持部3を左右いずれかの所定方向へ所定角度回転させる制御、Xステージ6を介してスライドガラス把持部3をスライドガラス収納部1へ近づく方向に移動させる制御を少なくとも行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のスライドガラスを積層した状態で収容するスライドガラス収納部からスライドガラスを一枚ずつ顕微鏡のスライドガラス載置台に搬送するスライドガラス搬送構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスライドガラス搬送構造としては、例えば、次の特許文献1〜3に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2006/098442号公報
【特許文献2】特開2003−215459号公報
【0004】
特許文献1に記載のスライドガラス搬送構造は、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下・左右に積層・配列した状態で収納可能なスライドガラス収納部と、スライドガラス収納部の手前側に配置されていて、左右方向に延びるY軸ステージと、Y軸ステージから上方に延びるZ軸ステージと、Z軸ステージから前後に延びるX軸ステージと、X軸ステージに取り付けられていて、スライドガラス収納部に収納されたスライドガラスを一枚ずつ取り出す引出しハンドを有している。また、顕微鏡のスライドガラス載置台が、スライドガラス収納部の側方且つスライドガラス収納部よりも手前において、スライドガラスがスライドガラスの収納部と長手方向が同じ向きなるように配置されている。
【0005】
そして、特許文献1に記載のスライドガラス搬送構造では、Y軸ステージを介してZ軸ステージを左右方向に沿って所定量移動させるとともに、Z軸ステージを介してX軸ステージを上下方向に所定量移動させて、引き出しハンドをスライドガラス収納部に収納された引出し対象のスライドガラスに位置合わせする。次いで、X軸ステージを介して、引き出しハンドを所定量前進させ、その後、所定量後退させることで、スライドガラス収納部からスライドガラスを引き出す。次いで、Y軸ステージ及びZ軸ステージを介して、顕微鏡のスライドガラス載置台の位置までX軸ステージを移動させる。次いで、X軸ステージを介して、引き出しハンドを顕微鏡のスライドガラス載置台の真上に位置するように前進させる。次いで、Y軸ステージを介して、引き出しハンドを若干降下させて、顕微鏡のスライドガラス載置台にスライドガラスが載置されるように構成されている。
【0006】
また、特許文献2に記載のスライドガラス搬送構造は、複数枚のスライドガラスを積層した状態に収納するスライドガラス収納部から、選択手段を介して選択されたスライドガラスを取り出すように、軸方向に上下動可能で且つ軸を中心として回転可能な2つのスライドガラス載置台と、スライドガラス載置台に載置されたスライドガラスを吸着保持し上下動且つ直線移動可能な2つの吸着部を有している。
【0007】
そして、特許文献2に記載のスライドガラス搬送構造では、第一の搬送側中間点に位置する第一のスライドガラス載置台が、搬出するスライドガラスの高さ位置に合うように上下動し、その後、180度回転してスライドガラス収納部内に挿入してスライドガラスを受け取る。次いで、再度180度回転してから上下動して第一の搬送中間点まで搬送する。次に、第一の搬送中間点に位置する第一の吸着部が上昇してスライドガラスを吸着保持し、第二の搬送中間点まで搬送し、その後、降下して、第二のスライドガラス載置台にスライドガラスを受け渡す。次に、第二のスライドガラス載置台が上昇し、その後、180度回転して、スライドガラスを受け渡し点に搬送する。次に、受け渡し点に位置する第二の吸着部が上昇してスライドガラスを吸着保持し、顕微鏡のステージまで搬送した後、降下することで、スライドガラスが顕微鏡のステージ上に載置されるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載のスライドガラス搬送構造では、顕微鏡のスライドガラス載置台を、スライドガラス収納部よりも手前に、スライドガラスの長手方向がスライドガラス収納部と同じ向きになるように配置されている。従って、スライドガラス収納部に収納されたスライドガラスをスライドガラス載置台に載置する場合には、引き出しハンドを介して引き出したスライドガラスを、スライドガラス収納部よりも手前に位置する顕微鏡のスライドガラス載置台に対し、Y軸ステージ及びZ軸ステージを介して顕微鏡のスライドガラス載置台の位置までX軸ステージを移動させ、次いで、X軸ステージを介して、引き出しハンドを顕微鏡のスライドガラス載置台の真上に位置するように前進させる必要がある。この為、スライドガラスの移動空間として、少なくとも前後方向にスライドガラスの先端から引き出しハンドの手前側端部までの長さの2倍以上の長さが必要となり、前後方向に装置が大型化してしまう。
【0009】
また、特許文献2に記載のスライドガラス搬送構造では、スライドガラス収納部と顕微鏡のステージとの間でスライドガラスを搬送するための2つのスライドガラス載置台を180度回転させるので、3台分以上のスライドガラス載置台の距離を離さざるを得ず装置全体が大型化してしまう。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、スライドガラス収納部の収納枚数を最大限に確保しながら、同時に、装置全体を最大限にコンパクト化することの可能なスライドガラス搬送構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明によるスライドガラス搬送構造は、複数枚のスライドガラスを上下に積層した状態で収納可能なスライドガラス収納部と、前記スライドガラスを載置可能なスライドガラス載置台と、前記スライドガラスを把持可能なスライドガラス把持部と、前記スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、前記Zステージ及び前記回動手段を移動可能なXステージと、前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、を備え、前記動作制御部により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記スライドガラス載置台に載置するまでの間に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの少なくとも先端部が前記スライドガラス収納部から離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を移動させる、第一のXステージ移動制御と、前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を前記Xステージの移動方向に対して左右いずれかの所定方向へ所定角度回転させる、第一の回動手段回動制御と、前記第一の回動手段回動制御の後に、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を該スライドガラス収納部へ近づく方向に移動させる、第二のXステージ移動制御と、前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部をスライドガラスの先端部がスライドガラス載置台の方向へ向かうように回転させる、第二の回動手段回動制御と、を少なくとも行うように構成されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明によるスライドガラス搬送構造は、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ少なくとも上下に積層した状態で収納可能なスライドガラス収納部と、前記スライドガラス収納部とは反対側に配置されていて、スライドガラスを、その長手方向が前後を向いた状態で載置可能な顕微鏡のスライドガラス載置台と、一枚のスライドガラスを、その長手方向に沿って把持可能なスライドガラス把持部と、前記スライドガラス把持部を支持し、且つ該スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、前記Zステージ及び前記回動手段を前後に移動可能なXステージと、少なくとも前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、を少なくとも備え、前記動作制御部による前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージに対する動作制御により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを一枚ずつ、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台とは、一枚の前記スライドガラスを把持した前記スライドガラス把持部における、該スライドガラスの前記先端部から前記所定の軸までの長さの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置され、前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するまでの間に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの前記先端部が前記スライドガラス収納部から前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第一のXステージ移動制御と、前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させる、第一の回動手段回動制御と、前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該顕微鏡のスライドガラス載置台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該顕微鏡のスライドガラス載置台から前記スライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス収納部の方向へ移動させる、第二のXステージ移動制御と、前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させる、第二の回動手段回動制御と、を少なくとも行うように構成されていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明によるスライドガラス搬送構造は、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下に積層するとともに積層したスライドガラスの群を左右に並列させた状態で収納可能なスライドガラス収納部と、前記スライドガラス収納部とは反対側に配置されていて、スライドガラスを、その長手方向が前後に向いた状態で載置可能な顕微鏡のスライドガラス載置台と、一枚のスライドガラスを、その長手方向に沿って把持可能なスライドガラス把持部と、前記スライドガラス把持部を支持し、且つ該スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、前記Zステージ及び前記回動手段を前後に移動可能なXステージと、前記軸部材を左右に移動可能なYステージと、前記Zステージ、前記回動手段、前記Xステージ及び前記Yステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、を少なくとも備え、前記動作制御部による前記Zステージ、前記回動手段、前記Xステージ及び前記Yステージに対する動作制御により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを一枚ずつ、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台とは、一枚の前記スライドガラスを把持した前記スライドガラス把持部における、該スライドガラスの前記先端部から前記所定の軸までの長さの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置され、前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置部に載置するまでの間に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの前記先端部が前記スライドガラス収納部から前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第一のXステージ移動制御と、前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させる、第一の回動手段回動制御と、前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該顕微鏡のスライドガラス載置台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該顕微鏡のスライドガラス載置台から前記スライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス収納部の方向へ移動させる、第二のXステージ移動制御と、前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させる、第二の回動手段回動制御と、を少なくとも行うように構成されていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のスライドガラス搬送構造においては、前記動作制御部は、前記第一のXステージ移動制御と前記第一の回動手段回動制御との間に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が前記スライドガラス収納部と対向する領域を外れるとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの全部が該スライドガラス収納部と対向する領域内にとどまる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を左右方向へ移動させる、第一のYステージ移動制御を行うように構成されているのが好ましい。
【0015】
また、本発明のスライドガラス搬送構造においては、さらに、前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台との間であって該スライドガラス収納部と対向する領域を外れる位置に配置されていて、スライドガラスを載置することによって該スライドガラスを所定位置に位置決めする溝部を備えたスライドガラス位置決め台を有し、前記動作制御部は、前記第一のXステージ移動制御と前記第二のXステージ移動制御との間に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該スライドガラス位置決め台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該スライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台とは反対側の方向へ移動させる、前記第一のYステージ移動制御と、前記第一のYステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させる、前記第一の回動手段回動制御と、前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの短手方向が前記スライドガラス位置決め台の前記溝部の短手方向と一致する位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を前記スライドガラス収納部又は前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第三のXステージ移動制御と、前記第三のXステージ移動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスを前記スライドガラス位置決め台の前記溝部に挿入させることのできる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台の方向に移動させる、第二のYステージ移動制御と、前記第二のYステージ移動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスが前記スライドガラス位置決め台の前記溝部に挿入可能な所定の高さ位置に到達するまで、前記Zステージを介して、該スライドガラス把持部を上下動させる、第一のZステージ上下動制御と、前記第一のZステージ上下動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスが前記スライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台とは反対側の方向へ移動させる、第三のYステージ移動制御と、を少なくとも行うように構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スライドガラス収納部の収納枚数を最大限に確保しながら、同時に、装置全体を最大限にコンパクト化することの可能なスライドガラス搬送構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一構成例にかかるスライドガラス搬送構造の外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス位置決め台の部分拡大図である。
【図3】図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス収納部におけるカセットホルダの構成を示す説明図である。
【図4】図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス収納部におけるカセットホルダに全てのスライドガラスカセットを装着した状態及びカセットホルダの回動による傾斜状態の変化を示す説明図である。
【図5】図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス把持部の構成を示す説明図で、(a)は左側面からみた拡大図、(b)は左上後方からみた斜視図である。
【図6】図1に示すスライドガラス搬送構造におけるZステージの構成を示す説明図で、(a)は部分斜視図、(b)は(a)に示すZステージを180度回転させた状態を示す部分説明図である。
【図7】図1に示すスライドガラス搬送構造を上面から見た図である。
【図8】本発明のスライドガラス搬送構造における要部の配置を上面から簡略的に示す説明図である。
【図9】本発明の第一実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。
【図10】図9の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第二実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。
【図12】図11の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第二実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の他の例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラス把持部を90度回転させることの可能な所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。
【図14】図13の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち途中までの処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図13の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図14で示した処理に続く最後までの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第三実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラスがスライドガラス位置決め台と干渉することなく90度回転可能な位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスがスライドガラス位置決め台に載置する位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(h)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。
【図17】図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち途中までの処理手順を示すフローチャートである。
【図18】図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図17で示した処理に続く途中までの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図18で示した処理に続く最後までの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の一構成例にかかるスライドガラス搬送構造の外観を概略的に示す斜視図である。図1のスライドガラス搬送構造は、後述する各実施形態のスライドガラス搬送構造の構成を全て備えている。図2は図1のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス位置決め台の部分拡大図である。図3は図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス収納部の構成におけるカセットホルダの構成を示す説明図である。図4は図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス収納部の構成におけるカセットホルダに全てのスライドガラスカセットを装着した状態及びカセットホルダの回動による傾斜状態の変化を示す説明図である。図5は図1に示すスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス把持部の構成を示す説明図で、(a)は左側面からみた拡大図、(b)は左上後方からみた斜視図である。図6は図1に示すスライドガラス搬送構造におけるZステージの構成を示す説明図で、(a)は部分斜視図、(b)は(a)に示すZステージを180度回転させた状態を示す部分説明図である。図7は図1に示すスライドガラス搬送構造を上面から見た図である。図8は本発明のスライドガラス搬送構造における要部の配置を上面から簡略的に示す説明図である。
【0019】
図1のスライドガラス搬送構造は、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2と、スライドガラス把持部3と、Zステージ4と、回動手段5と、Xステージ6と、動作制御部7と、Yステージ8と、スライドガラス位置決め台9と、スライドガラス回収台10を備えている。
【0020】
スライドガラス収納部1は、複数枚のスライドガラス1eを、その長手方向が前後を向き、且つ少なくとも上下に積層した状態で収納可能に構成されている。
より詳しくは、スライドガラス収納部1は、図3に示すように、カセットホルダ1枠aと、スライドガラスカセット1bを有している。
【0021】
カセットホルダ枠1aは、スライドガラスカセット1bを側方から着脱可能となるように上下と左右のうちの一方(図3、図4においては向かって右側)とを囲むように構成されたホルダ部1a1を備えている。また、カセットホルダ枠1aは、図4に示すように、その下端部1a2が、水平方向に延びる軸1cを中心に矢印A方向に回動可能にスライドガラス搬送構造本体の基部1dに支持されている。なお、図3、図4の例では、カセットホルダ枠1aは、複数個(3個)のホルダ部1a1を備えている。
【0022】
スライドガラスカセット1bは、図3、図4に示すカセットホルダ枠aのホルダ部1a1に装着された状態において、複数枚のスライドガラス1eを長手方向が前後を向いた状態で間隔をあけて少なくとも上下に積層した状態で収納可能な溝を備えた箱体で構成されている。また、図3、図4のスライドガラスカセット1bは、さらに、そのような上下に積層するスライドガラスの群1fを左右方向に複数列収納可能に溝を備えている。また、スライドガラスカセット1bの一側部(図3、図4の例では、正面から見て左側)には、取っ手1b1が設けられている。また、スライドガラスカセット1bは、カバー1b2を着脱可能に備えている。
【0023】
そして、図1の例のスライドガラス収納部1においては、スライドガラスカセット1bをカセットホルダ1aのホルダ部1a1に装着時には、カセットホルダ1aを後方に回転させて所定量傾斜させ、取っ手1b1を把持しながらカバー1b2の着いたスライドガラスカセット1bをカセットホルダ枠1aの側方から所定のホルダ部1a1を装着する。次いで、カセットホルダ枠1aを前方に回転させて、スライドガラス1eの面が水平となるようにする。その後、カバー1b2を取り外す。ホルダ部1a1から取り外し時には、これと反対の手順を経てスライドガラスカセット1bをカセットホルダ枠1aから取り出す。
なお、スライドガラス収納部1は、複数枚のスライドガラス1eを、その長手方向が前後を向き、且つ少なくとも上下に積層した状態で収納可能な構成であれば、図1、図3、図4に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
また、カセットホルダ枠1aからスライドガラスカセット1bを取り出す時には、スライドガラスカセット1bに対してカバー1b2が取り付けられた状態でのみカセットホルダ枠1aからのスライドガラスカセット1bの取り出しを許容するように、スライドガラスカセット1bがホルダ部1a1に図示しない着脱手段、例えば電磁式のロック手段等で固定されていることが望ましい。このようにすれば、カセットホルダ枠1aからスライドガラスカセット1bを取り出す時にスライドガラスがスライドガラスカセット1bから落下するのを防止することが可能となる。
【0024】
顕微鏡のスライドガラス載置台2は、Zステージ4、回動手段5及びXステージ6等を挟む、スライドガラス収納部1とは反対側に配置されている。そして、顕微鏡のスライドガラス載置台2は、スライドガラス1eを、その長手方向が前後を向いた状態で載置可能に構成されている。
【0025】
スライドガラス把持部3は、一枚のスライドガラス1eを、その長手方向に沿って把持可能に構成されている。
より詳しくは、スライドガラス把持部3は、図5(a)に示すように、スライドガラス支持板3aと、スライドガラス押さえ板3bと、これらを支持する基部3cを有している。スライドガラス支持板3aは、一枚のスライドガラス1eの下面を支持する。また、スライドガラス支持板3aの先端部にはゴムパッド3a1が設けられており、スライドガラスが確実に把持できるようになっている。また、スライドガラス押さえ板3bの上部には、スライドガラス支持板3aとスライドガラス押さえ板3bとの間に把持されるスライドガラスの有無により変化するスライドガラス押さえ板3bの上下方向の位置を検出するスライドガラス検出センサ3dが設けられている。このスライドガラス検出センサ3dによりスライドガラス把持部3をライドガラス収納部1に挿入したときにおいて、スライドガラスの有無を検出することができるようになっている。スライドガラス押さえ板3bは、板バネからなり、スライドガラス支持板3aよりも短い長さの押さえ部3b1で、一枚のスライドガラス1eの手前側端部の上面を押さえる。スライドガラス支持板3aとスライドガラス押さえ板3bの押さえ部3b1は、基部3cの先端から飛び出している。また、スライドガラス支持板3aと、スライドガラス押さえ板3bとの間は、スライドガラス収納部1に収納されている一枚のスライドガラス1eを把持可能な間隔があけられている。基部3cは、図5(b)に示すように、Zステージ4の移動台4aに固定されている。
なお、スライドガラス把持部3は、一枚のスライドガラス1eを、その長手方向に沿って把持可能な構成であれば、図1、図5に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
【0026】
Zステージ4は、スライドガラス把持部3を支持し、且つスライドガラス把持部3を上下に移動可能に構成されると共に、Zステージ4を、上下方向に延びた所定の軸を中心として、回動手段5により回動可能に構成されている。
より詳しくは、Zステージ4は、図6(a)、図6(b)に示すように、移動台4aと、本体軸部4bと、移動台保持ベルト4cと、モータ部4dと、プーリ4e,4fと、固定部搬送ベルト4gと、連結部材4hを有して構成されている。
また、回動手段5は、図6(a)に示すように、本体軸部4bを軸として回動させることができるように構成されており、連結部材4hを介して本体軸部4bと連結された、移動台保持ベルト4cと、モータ部4dと、プーリ4e,4fとともにZステージ4全体を回動させる。
【0027】
移動台4aは、水平方向を向いた板状部4a1と、板状部4a1の突出方向とは逆方向を向いたマッピングセンサ4a2を有している。板状部4a1は、その一端でスライドガラス把持部3の基部3cを固定している。また、板状部4a1の中央部には、移動台保持ベルト4cが取り付けられている。板状部4a1の他端には、固定部搬送ベルト4gの一部が取り付けられている。マッピングセンサ4a2は、所定間隔をもって水平に伸びる2本のアームと各アームの先端に配置される投光部及び受光部で構成される光センサ部を有し、各アーム間にスライドガラス1eの先端が通過する際に、この光センサ部の光を遮ることによりスライドガラス1eの存在を検出する。マッピングセンサ4a2は、スライドガラスカセット1bに上下方向に積層された複数のスライドガラスの突出端を上下方向から走査することにより、スライドガラスカセット1bへのスライドガラスの収納状況を検出する。マッピングセンサ4a2によるスライドガラスの走査に際しては、まず、スライドガラス把持部3の先端がスライドガラスカセット1b側に向いている場合には、回動手段5によりZステージ4全体を回動させて、マッピングセンサ4a2の先端をスライドガラスカセット1b側に対向させる。次いで、マッピングセンサ4a2によりスライドガラスを走査して、スライドガラスカセット1bへのスライドガラスの収納状況を検出する。そして、検出されたスライドガラスの収納状況は、図示しない操作画面上にスライドガラスカセット1bに対する各スライドガラスの有無をマップ状に図示して表示可能になっている。
【0028】
本体軸部4bは、上下方向に伸びた軸部材からなり、スライドガラス把持部3の基部3cの後端近傍に配置されている。移動台保持ベルト4cは、その一端4c1を移動台4aに、他端4c2を連結部材4hに、夫々固定されていて、移動台の4aの高さ位置の変動に伴って、逆向きのUの字状態を保ちながら変形可能に構成されている。モータ部4dは、回転軸を水平方向に向けて、連結部材4hに固定されている。プーリ4eは、モータ部4dの回転軸に取り付けられている。プーリ4fは、プーリ4eの上方で連結部材4hに回転可能に取り付けられている。固定部搬送ベルト4gはプーリ4e,4fに掛け渡されている。また、固定部搬送ベルト4gの一部は、上述のように、移動台4aの板状部4a1に取り付けられている。連結部材4hは、複雑な形状に折れ曲がった板状部材からなり、本体軸部4bに、移動台保持ベルト4c、モータ部4d及びプーリ4fを連結している。
【0029】
そして、Zステージ4は、モータ部4dの回転により、プーリ4e,4f,固定部搬送ベルト4gを介して、移動台4aが上下方向に移動し、移動台4aに支持されたスライドガラス把持部3を上下方向に移動させることができるようになっている。
なお、Zステージ4は、スライドガラス把持部3を支持し、且つスライドガラス把持部3を上下に移動可能な構成であれば、図1、図6に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。また、回動手段5は、Zステージ4を、上下方向に延びた所定の軸を中心として、回動可能な構成であれば、図1、図6に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
【0030】
Xステージ6は、X方向ガイドレール6aと、移動台6bを有している。X方向ガイドレール6aは前後(図1、図7からみた前後方向、図8においてはX方向)に延びている。移動台6bは回動手段5を保持している。また、移動台6bは、下側面にX方向ガイドレール6aにガイドされるガイド溝(図示省略)を備えている。その他、Xステージは図示省略したモータ等からなる公知の搬送手段を備えている。そして、Xステージ6は、Zステージ4及び回動手段5を前後(図1、図7における前後方向、図8においてはX方向)に移動可能となっている。
なお、Xステージ6は、Zステージ4及び回動手段5を前後に移動可能な構成であれば、図1に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
【0031】
動作制御部7は、少なくともZステージ4、回動手段5及びXステージ6の動作(動作量、動作のタイミング等)を制御するように構成されている。図1の例では、動作制御部7は、さらに、Yステージ8の動作(動作量、動作のタイミング等)も制御するように構成されている。
【0032】
Yステージ8は、Y方向ガイドレール8aと、移動台8bを有している。(Y方向ガイドレール8aは左右(図1、図7からみた左右方向、図8においてはY方向)に延びている。移動台8bはXステージ6を備えている。また、移動台8bは、下側面にY方向ガイドレール8aにガイドされるガイド溝(図示省略)を備えている。その他、Yステージは図示省略したモータ等からなる公知の搬送手段を備えている。そして、Yステージ8は、Zステージ4及び回動手段5を左右に移動可能に構成されている。
なお、Yステージ8は、Zステージ4及び回動手段5を左右に移動可能な構成であれば、図1に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
【0033】
スライドガラス位置決め台9は、図2に示すように、スライドガラス位置決め溝9aと、溝案内部9bと、スライドガラス支持板通過用切欠き部9cと、スライドガラス位置ずれ防止用ストッパ9dを備えてなり、スライドガラス収納部1と顕微鏡のスライドガラス載置台2との間であってスライドガラス収納部1と対向する領域を外れる位置に配置されている。
なお、スライドガラス位置決め台9は、スライドガラス収納部1と顕微鏡のスライドガラス載置台2との間であってスライドガラス収納部1と対向する領域を外れる位置に配置されていて、スライドガラス1eを載置することによってスライドガラス1eを所定位置に位置決めする溝部(図2の構成例では、スライドガラス位置決め溝9a)を備えた構成であれば、図2に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよく、例えば、スライドガラスを位置決めするアーム部材を電動で駆動して、所定の位置にスライドガラスを移動及び位置決めさせるようにしてもよい。
【0034】
そして、図1のスライドガラス搬送構造は、動作制御部7によるZステージ4、回動手段5及びXステージ6に対する動作制御(さらにはYステージ8に対する動作制御)により、スライドガラス収納部1から、スライドガラスを一枚ずつ、スライドガラス把持部3で把持しながら取り出し、取り出したスライドガラスを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置可能に構成されている。
【0035】
ここで、図1に示す本発明のスライドガラス搬送構造は、その特徴的な構成として、図8に示すように、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、一枚のスライドガラス1eを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラス1eの先端から上述した所定の軸(本体軸部4b)までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔Mをあけて配置されている。
【0036】
また、動作制御部7は、スライドガラス把持部3がスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、所定のスライドガラス1eを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでの間に、次の制御S1〜制御S4を少なくとも行うように構成されている。
【0037】
制御S1(第一のXステージ移動制御)
制御S1では、動作制御部7は、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス収納部1から顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向に離れる所定位置に到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる。
【0038】
制御S2(第一の回動手段回動制御)
制御S2では、動作制御部7は、第一のXステージ移動制御S1の後に、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させる。
【0039】
制御S3(第二のXステージ移動制御)
制御S3では、動作制御部7は、第一の回動手段回動制御S2の後に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部が顕微鏡のスライドガラス載置台2と干渉するとき、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台2からスライドガラス収納部1の方向に離れる所定位置に到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1の方向へ移動させる。
【0040】
制御S4(第二の回動手段回動制御)
制御4では、動作制御部7は、第二のXステージ移動制御S3の後に、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させる。
【0041】
第一実施形態
図9は本発明の第一実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態、夫々上方から見た図として示している。図8は図7の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
第一実施形態のスライドガラス搬送構造は、図1に示した構成のうち、スライドガラス収納部1と、スライドガラス載置台2と、スライドガラス把持部3と、Zステージ4と、回動手段5と、Xステージ6と、動作制御部7を備えている。
スライドガラス収納部1は、図1に示した構成例のスライドガラス収納部1とは異なり、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下に積層した状態で一列に収納可能に構成されている。
また、動作制御部7は、Zステージ4、回動手段5及びXステージ6の動作を制御する。
その他の構成は、図1に示したスライドガラス搬送構造と略同じである。
【0043】
このように構成された第一実施形態のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7が、図9(a)に示す初期状態において、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、初期位置1Aにおいて、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS11)。
【0044】
次いで、動作制御部7が、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、初期位置1Aからスライドガラス収納部1の方向に移動させる。そして、スライドガラス把持部3(より詳しくは、図1の構成例におけるスライドガラス支持板3aと押さえ板3b)にスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持させる(ステップS12)。
なお、図1の構成例におけるスライドガラス支持板3aの先端部に設けられたセンサ3a1が、スライドガラス把持部3をライドガラス収納部1に挿入したときに、スライドガラスが収納されていない状態を検出したときは、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、初期位置1Aの方向に移動させ、次のスライドガラス1eを対象としてステップS11からの処理からやり直す。
【0045】
次いで、動作制御部7は、図9(b)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス収納部1から顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向に離れる所定位置1Cに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる(ステップS13:制御S1)。
【0046】
次いで、動作制御部7は、制御S1の後に、図9(c)に示すように、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させる(ステップS14:制御S2)。
【0047】
ここで、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、上述したように、一枚のスライドガラス1eを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラス1eの先端部から上述した所定の軸(図1の構成例における本体軸部4b)までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置されている。
このため、制御S2の状態から、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合には、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部が顕微鏡のスライドガラス載置台2と干渉することになる。
【0048】
そこで、動作制御部7は、制御S2の後に、図9(d)に示すように、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台2からスライドガラス収納部1の方向に離れる所定位置1Dに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1の方向へ移動させる(ステップS15:制御S3)。
【0049】
次いで、動作制御部7は、制御S3の後に、図9(e)に示すように、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させる(ステップS16:制御S4)。
【0050】
次いで、動作制御部7は、制御S4の後に、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、スライドガラスがスライドガラス載置台2に載置可能な所定の高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS17)。
【0051】
次いで、動作制御部7は、図9(f)に示すように、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を、所定位置1Dからスライドガラス載置台2の方向に移動させる。そして、スライドガラス載置台2に所定のスライドガラス1eを載置させる(ステップS18)。
これにより、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの顕微鏡のスライドガラス載置台2への載置が完了する。
【0052】
第一実施形態のスライドガラス搬送構造によれば、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、一枚のスライドガラスを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラスの先端部から上述した所定の軸までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置されているとともに、動作制御部7は、スライドガラス把持部3がスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持した後、所定のスライドガラス1eを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでの間に、上述の制御S1〜制御S4を行うように構成されているため、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2との間をコンパクト化することができる。
【0053】
このため、第一実施形態のスライドガラス搬送構造によれば、装置全体のコンパクト化と、スライドガラス収納部の収納枚数の最大限の確保とを同時に達成することが可能となる。
【0054】
なお、顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置されたスライドガラス1eを観察後は、動作制御部7は、上記と逆の手順で、Zステージ4、Xステージ6、回動手段5の動作を制御するようにすれば、スライドガラス1eをスライドガラス収納部1内のもとの位置に戻すことが可能である。
【0055】
第二実施形態
図11は第二実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。図12は図11の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順を示すフローチャートである。図13は本発明の第二実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の他の例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラス把持部を90度回転させることの可能な所定位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。図14は図13の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち途中までの処理手順を示すフローチャートである。図15は図13の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図14で示した処理に続く最後までの処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
まず、図11の例のスライドガラス搬送構造の構成及び作用効果について説明する。
図11の例のスライドガラス搬送構造は、図1に示した構成のうち、スライドガラス収納部1と、スライドガラス載置台2と、スライドガラス把持部3と、Zステージ4と、回動手段5と、Xステージ6と、動作制御部7と、Yステージ8を備えている。
スライドガラス収納部1は、図1、図3、図4に示した構成例のスライドガラス収納部1と同様、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下に積層するとともに積層したスライドガラスの群を左右に並列させた状態で収納可能に構成されている。
Yステージ8は、Zステージ4及び回動手段5を左右に移動可能に構成されている。
動作制御部7は、Zステージ4、回動手段5、Xステージ6及びYステージ8の動作を制御するように構成されている。
【0057】
そして、図11の例のスライドガラス搬送構造は、動作制御部7によるZステージ4、回動手段5、Xステージ6及びYステージ8に対する動作制御により、スライドガラス収納部1から、スライドガラスを一枚ずつ、スライドガラス把持部3で把持しながら取り出し、取り出したスライドガラスを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置可能に構成されている。
【0058】
また、図11の例のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7は、スライドガラス把持部3がスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持した後、所定のスライドガラス1eを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでの間に、第一実施形態のスライドガラス搬送構造と同様に制御S1〜制御S4を少なくとも行うように構成されている。
その他の構成は、図1に示したスライドガラス搬送構造と略同じである。
【0059】
このように構成された図11の例のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7が、図11(a)に示す初期状態において、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、初期位置2Aからスライドガラス収納部1に収納されている所定の列のスライドガラス1eの群1fの前の所定位置2Bに位置するように左右方向に移動させる(ステップS21)。
【0060】
次いで、動作制御部7が、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、所定位置2Bにおいて、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS22)。
【0061】
次いで、動作制御部7が、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、所定位置2Bからスライドガラス収納部1の方向に移動させる。そして、スライドガラス把持部3にスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持させる(ステップS23)。
【0062】
次いで、動作制御部7は、図11(b)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス収納部1から顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向に離れる所定位置2Dに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる(ステップS24:制御S1)。
【0063】
次いで、動作制御部7は、制御S1の後に、図11(c)に示すように、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させる(ステップS25:制御S2)。
【0064】
ここで、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、上述したように、一枚のスライドガラスを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラス1eの先端部から上述した所定の軸(図1の構成例における本体軸部4b)までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置されている。
このため、制御S2の状態から、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合には、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部が顕微鏡のスライドガラス載置台2と干渉する位置に到達することになる。
【0065】
そこで、動作制御部7は、制御S2の後に、図11(d)に示すように、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台2からスライドガラス収納部1の方向に離れる所定位置2Eに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1の方向へ移動させる(ステップS26:制御S3)。
【0066】
次いで、動作制御部7は、制御S3の後に、図11(e)に示すように、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させる(ステップS27:制御S4)。
【0067】
次いで、動作制御部7は、制御S4の後に、図11(f)に示すように、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動部材5を、所定位置2Eからスライドガラス載置台2の前の所定位置2Fに位置するように左右方向に移動させる(ステップS28)。
【0068】
次いで、動作制御部7は、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、スライドガラス1eがスライドガラス載置台2に載置可能な所定の高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS29)。
【0069】
次いで、動作制御部7は、図11(g)に示すように、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を、所定位置2Fからスライドガラス載置台2の方向に移動させる。そして、スライドガラス載置台2に所定のスライドガラス1eを載置させる(ステップS30)。
これにより、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの顕微鏡のスライドガラス載置台2への載置が完了する。
【0070】
図11の例のスライドガラス搬送構造によれば、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、一枚のスライドガラスを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラス1eの先端部から上述した所定の軸(図1の構成例における本体軸部4b)までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔Mをあけて配置されているとともに、動作制御部7は、スライドガラス把持部3がスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持した後、所定のスライドガラス1eを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでの間に、上述の制御S1〜制御S4を行うように構成されているため、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2との間をコンパクト化することができる。
【0071】
次に、図13の例のスライドガラス搬送構造の構成及び作用効果について説明する。
図13の例のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7は、第一のXステージ移動制御S1と第一の回動手段回動制御S2との間に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス収納部1と対向する領域を外れるとき、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの全部がスライドガラス収納部1と対向する領域内にとどまる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右方向へ移動させる、第一のYステージ移動制御S1.5を行うように構成されている。
その他の構成は図9の例のスライドガラス搬送構造と略同じである。
【0072】
このように構成された図13の例のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7が、図13(a)に示す初期状態において、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、初期位置2A’からスライドガラス収納部1に収納されている所定の列のスライドガラスの群の前の所定位置2B’に位置するように左右方向に移動させる(ステップS41)。
【0073】
次いで、動作制御部7が、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、所定位置2B’において、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS42)。
【0074】
次いで、動作制御部7が、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、所定位置2B’からスライドガラス収納部1の方向に移動させる。そして、スライドガラス把持部3にスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持させる(ステップS43)。
【0075】
次いで、動作制御部7は、図13(b)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス収納部1から顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向に離れる所定位置2D’に到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる(ステップS44:制御S1)。
【0076】
次いで、動作制御部7は、第一のXステージ移動制御S1と第一の回動手段回動制御S2との間に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス収納部1と対向する領域を外れるときには、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの全部がスライドガラス収納部1と対向する領域内にとどまる所定位置2E’に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右方向へ移動させる(ステップS45,S46:制御1.5)。
【0077】
次いで、動作制御部7は、図13(c)に示すように、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させる(ステップS47:制御S2)。
制御S2以降の動作は、図11の例のスライドガラス搬送構造と略同じである(ステップS48〜ステップS52)。
【0078】
図13の例のスライドガラス搬送構造によれば、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2とは、一枚のスライドガラスを把持したスライドガラス把持部3における、スライドガラス1eの先端部から上述した所定の軸(図1の構成例における本体軸部4b)までの長さLの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置されているとともに、動作制御部7は、スライドガラス把持部3がスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持した後、所定のスライドガラス1eを顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでの間に、上述の制御S1〜制御S4を行うように構成されているため、スライドガラス収納部1と、顕微鏡のスライドガラス載置台2との間をコンパクト化することができる。
【0079】
また、図13の例のスライドガラス搬送構造によれば、動作制御部7は、第一のXステージ移動制御S1と第一の回動手段回動制御S2との間に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス収納部1と対向する領域を外れるとき、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの全部がスライドガラス収納部1と対向する領域内にとどまる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を左右方向へ移動させる(制御1.5)ので、スライドガラス収納部の幅以上に装置の左右方向の幅を大きくさせずに済み、スライドガラス収納部の収納枚数を最大限に確保することが可能となる。
【0080】
第三実施形態
図16は本発明の第三実施形態にかかるスライドガラス搬送構造における要部の動作状態の一例を概念的に示す説明図で、(a)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、初期位置からスライドガラス収納部に収納されているスライドガラスの取り出し位置へ移動させた状態、(b)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス収納部から顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラスがスライドガラス位置決め台と干渉することなく90度回転可能な位置に移動させた状態、(c)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、90度回転させた状態、(d)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスがスライドガラス位置決め台に載置する位置に移動させた状態、(e)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスの先端部がスライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に移動させ、次いで、スライドガラス把持部を支持するZステージを顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部に把持された所定のスライドガラスの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台からスライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に移動させた状態、(f)はスライドガラス把持部を支持するZステージを、顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させた状態、(g)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置可能な所定位置に移動させた状態、(h)はスライドガラス把持部を支持するZステージ及び回動手段を、スライドガラスが顕微鏡のスライドガラス載置台に載置する位置に移動させた状態を、夫々上方から見た図として示している。図17は図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち途中までの処理手順を示すフローチャートである。図18は図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図17で示した処理に続く途中までの処理手順を示すフローチャートである。図19は図16の例のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラスの搬送処理手順のうち図18で示した処理に続く最後までの処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
第三実施形態のスライドガラス搬送構造は、図1に示した構成のうち、スライドガラス収納部1と、スライドガラス載置台2と、スライドガラス把持部3と、Zステージ4と、回動手段5と、Xステージ6と、動作制御部7と、Yステージ8と、スライドガラス位置決め台9を備えている。
スライドガラス位置決め台9は、図2に示したように、スライドガラス位置決め溝9aと、溝案内部9bと、スライドガラス支持板通過用切欠き部9cと、スライドガラス位置ずれ防止用ストッパ9dを備えてなり、スライドガラス収納部1と顕微鏡のスライドガラス載置台2との間であってスライドガラス収納部1と対向する領域を外れる位置に配置されている。スライドガラス位置決め溝9aは、スライドガラス1eの輪郭に沿って3方から囲む壁面部9a1と、スライドガラス1eをその長手方向に沿って両側から支持する支持部9a2とで構成されている。溝案内部9bは、壁面部9a1の上方に設けられた壁面部9a1向かって傾斜するテーパ面で構成されている。スライドガラス支持板通過用切欠き部9cは、支持部9a2の内側に設けられたスライドガラス支持板3aを通過可能な大きさの切欠きで構成されている。スライドガラス位置ずれ防止用ストッパ9dは、支持部9a2の端部近傍に設けられており、スライドガラス把持部3に把持されたスライドガラス1eをスライドガラス位置決め溝9aに挿入後、スライドガラス把持3を長手方向に沿って移動させたときに、スライドガラス1eの長手方向への移動を阻止して位置決め状態を保持する。
なお、上述したように、スライドガラス位置決め台9は、スライドガラス収納部1と顕微鏡のスライドガラス載置台2との間であってスライドガラス収納部1と対向する領域を外れる位置に配置されていて、スライドガラス1eを載置することによってスライドガラス1eを所定位置に位置決めする溝部(図2の構成例におけるスライドガラス位置決め溝9a)を備えた構成であれば、図2に示した構成例に限定されるものではなく、どのような構成でもよい。
【0082】
動作制御部7は、第一のXステージ移動制御S1と第二のXステージ移動制御S3との間に、次の制御S1.5’、制御S2’、制御S2.5’、制御S2.6’、制御S2.7’、制御S2.8’を少なくとも行うように構成されている。
【0083】
制御S1.5’(第一のYステージ移動制御)
制御S1.5’では、動作制御部7は、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス位置決め台9と干渉するとき、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス位置決め台9からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス位置決め台9とは反対側の方向へ移動させる。
【0084】
制御S2’(第一の回動手段回動制御)
制御S2’は制御S2に相当する制御である。制御S2’では、動作制御部7は、第一のYステージ移動制御S1.5’の後に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させる。
【0085】
制御S2.5’(第三のXステージ移動制御)
制御S2.5’では、動作制御部7は、第一の軸部材回転制御S2’の後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの短手方向がスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aの短手方向と一致する位置に到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1又は顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる。
【0086】
制御S2.6’(第二のYステージ移動制御)
制御S2.6’では、動作制御部7は、第三のXステージ移動制御S2.5’及び第一のZステージ上下動制御S2.6’の後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eをスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aに挿入させることのできる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス位置決め台9の方向に移動させる。
【0087】
制御S2.7’(第一のZステージ上下動制御)
制御S2.7’では、動作制御部7は、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aに挿入可能な所定の高さ位置に到達するまで、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を上下動させる。
【0088】
制御S2.8’(第三のYステージ移動制御)
制御S2.8’では、動作制御部7は、第一のZステージ上下動制御S2.7’の後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス位置決め台9からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス位置決め台9とは反対側の方向へ移動させる。
【0089】
このように構成された第三実施形態のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7が、図16(a)に示す初期状態において、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、初期位置3Aからスライドガラス収納部1に収納されている所定の列のスライドガラス1eの群1fの前の所定位置3Bに位置するように左右方向に移動させる(ステップS61)。
【0090】
次いで、動作制御部7が、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、所定位置3Bにおいて、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS62)。
【0091】
次いで、動作制御部7が、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段を、所定位置3Bからスライドガラス収納部1の方向に移動させる。そして、スライドガラス把持部3にスライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eを把持させる(ステップS63)。
【0092】
次いで、動作制御部7は、図16(b)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス収納部1から顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向に離れる所定位置3Dに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる(ステップS64:制御S1)。
【0093】
次いで、動作制御部7は、制御S1の後に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス位置決め台9と干渉するときには、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス位置決め台9からその反対側の方向に離れる所定位置3Eに到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス位置決め台9とは反対側の方向へ移動させる(ステップS65,S66:第一のYステージ移動制御S1.5’)。
【0094】
次いで、動作制御部7は、制御S1.5’の後に、図16(c)に示すように、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させる(ステップS67:第一の回動手段回動制御S2’)。
【0095】
次いで、動作制御部7は、制御S2’の後に、図16(d)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの短手方向がスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aの短手方向と一致する位置3Fに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1又は顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ移動させる(ステップS68:第三のXステージ移動制御S2.5’)。
【0096】
次いで、動作制御部7は、制御S2.5’の後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eをスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aに挿入させることのできる所定位置3Gに到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向に移動させる(ステップS69:第二のYステージ移動制御S2.6’)。
【0097】
次いで、動作制御部7は、制御S2.6’の後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス位置決め台9のスライドガラス位置決め溝9aに挿入可能な所定の高さ位置に到達するまで、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を上下動させる(ステップS70:第一のZステージ上下動制御S2.7’)。
【0098】
次いで、動作制御部7は、制御S2.7’の後に、図16(e)に示すように、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス位置決め台9からその反対側の方向に離れる所定位置3Fに到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9とは反対側の方向へ移動させる(ステップS71:第三のYステージ移動制御S2.8’)。
【0099】
次いで、動作制御部7は、制御S2.8’の後に、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部が顕微鏡のスライドガラス載置台2からスライドガラス収納部1の方向に離れる所定位置3Hに到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1の方向へ移動させる(ステップS72:制御S3)。
【0100】
次いで、動作制御部7は、制御S3の後に、図16(f)に示すように、回動手段5を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を顕微鏡のスライドガラス載置台2の方向へ90度回転させる(ステップS73:制御S4)。
【0101】
次いで、動作制御部7は、制御S4の後に、図16(g)に示すように、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5を、所定位置3Hからスライドガラス載置台2の前の所定位置3Iに位置するように左右方向に移動させる(ステップS74)。
【0102】
次いで、動作制御部7は、図16(h)に示すように、Zステージ4を介して、スライドガラス把持部3を、スライドガラスがスライドガラス載置台2に載置可能な所定の高さ位置に位置するように上下方向に移動させる(ステップS75)。
【0103】
次いで、動作制御部7は、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を、所定位置3Iからスライドガラス載置台2の方向に移動させる。そして、スライドガラス載置台2に所定のスライドガラス1eを載置させる(ステップS76)。
これにより、スライドガラス収納部1に収納されている所定のスライドガラス1eの顕微鏡のスライドガラス載置台2への載置が完了する。
【0104】
第三実施形態のスライドガラス搬送構造によれば、スライドガラス位置決め台9の溝部9aにスライドガラスを載置することによってスライドガラスを所定位置に位置決めすることができる。ここで、スライドガラス位置決め台9にスライドガラスを載置した後から顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置するまでにおける、動作制御部7が制御するZステージ4、回動手段5、Xステージ6及びYステージ8の夫々の動作量及び方向は、スライドガラス収納部1に収納されるスライドガラス1eの位置にかかわらず一定である。このため、第三実施形態のスライドガラス搬送構造によれば、スライドガラス収納部1に収納されている状態のスライドガラス1eに位置ずれが生じていても、顕微鏡のスライドガラス載置台2には位置ずれがない状態でスライドガラス1eを載置することができる。
【0105】
なお、第三実施形態のスライドガラス搬送構造では、スライドガラス位置決め台9を、スライドガラス収納部1と顕微鏡のスライドガラス載置台2との間であってスライドガラス収納部1と対向する領域を外れる位置に配置しているため、スライドガラス収納部1を設けた分、装置全体がスライドガラス収納部1の側方に大型化することになる。
しかし、特許文献2に記載のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス収納部の側方且つスライドガラス収納部よりも手前において、スライドガラスがスライドガラス収納部と長手方向が同じ向きなるように配置される顕微鏡のスライドガラス載置台に比べて、第三実施形態のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス位置決め台9は、構成が簡素であり、顕微鏡を構成するための光学部材が不要であるので、大型化の程度を最小限に抑えることができる。
【0106】
しかも、第三実施形態のスライドガラス搬送構造では、動作制御部7は、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合にスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの少なくとも一部がスライドガラス位置決め台9と干渉するとき、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス位置決め台9の方向へ90度回転させたと仮定した場合におけるスライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの先端部がスライドガラス位置決め台9からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス位置決め台9とは反対側の方向へ移動させる(制御7)ので、スライドガラス収納部の幅以上に装置の左右方向の幅を大きくさせずに済み、スライドガラス収納部1の収納枚数を最大限に確保することが可能となる。
【0107】
その他の作用効果は、図13の例のスライドガラス搬送構造と略同じである。
【0108】
なお、第三実施形態のスライドガラス搬送構造におけるスライドガラス位置決め台9の代わりに、スライドガラス把持部3にスライドガラスの位置を固定する固定手段を備えても良い。このようにすれば、装置全体をコンパクト化し且つスライドガラス1eを位置ずれのない状態で顕微鏡のスライドガラス載置台2に搬送することができる。
【0109】
また、顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置されたスライドガラス1eを観察後は、動作制御部7は、スライドガラス位置決め部9への上記と逆の手順で、Zステージ4、Xステージ6、Yステージ8、回動手段5の動作を制御するようにすれば、スライドガラス1eをスライドガラス収納部1内のもとの位置に戻すことが可能である。
【0110】
あるいは、第三実施形態のスライドガラス搬送構造においては、図1のスライドガラス回収台10を備えた構成とし、顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置されたスライドガラス1eを観察後は、動作制御部7は、ステップS76〜ステップS73まで逆の手順でZステージ4、Xステージ6、Yステージ8、回動手段5の動作を制御し、次いで、以下の手順で制御を行うことで、スライドガラス1eをスライドガラス回収台10に回収させるようにしてもよい。
【0111】
即ち、第三実施形態のスライドガラス搬送構造においては、動作制御部7は、ステップS73を逆の手順で動作制御後に、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eの短手方向がスライドガラス回収台10の挿入位置と一致する所定位置に到達するまで、Xステージ6を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4及び回動手段5をスライドガラス収納部1又は顕微鏡のスライドガラス載置第2の方向へ移動させ、次いで、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eをスライドガラス回収台10に載置することのできる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス回収台10の方向に移動させ、次いで、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス回収台10に載置することのできる所定の高さ位置に到達するまで、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4を上下動させ、次いで、スライドガラス把持部3に把持された所定のスライドガラス1eがスライドガラス回収台10からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、Yステージ8を介して、スライドガラス把持部3を支持するZステージ4をスライドガラス回収台9とは反対側の方向へ移動させるようにしてもよい。
【0112】
さらに、本発明のスライドガラス搬送構造は、第二実施形態の変形例として、図1に示す構成におけるスライドガラス位置決め台9の位置に、複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下に積層したスライドガラスの群を収納可能な第二のスライドガラス収納部(図示省略)を着脱可能に備えるとともに、動作制御部7を、第二のスライドガラス収納部から所定のスライドガラス1eをスライドガラス把持部3で把持して取り出し、顕微鏡のスライドガラス載置台2に載置することができるように動作を制御する機能を備えるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明のスライドガラス搬送構造は、大量のスライドガラスを顕微鏡のスライドガラス載置台に搬送して検査する分野に有用である。
【符号の説明】
【0114】
1 スライドガラス収納部
1a カセットホルダ枠
1a1 ホルダ部
1a2 下端部
1b スライドガラスカセット
1b1 取っ手
1b2 カバー
1c 軸
1d スライドガラス搬送構造本体の基部
1e スライドガラス
1f 上下に積層するスライドガラスの群
2 顕微鏡のスライドガラス載置台
3 スライドガラス把持部
3a スライドガラス支持板
3a1 ゴムパッド
3b スライドガラス押さえ板
3b1 押さえ部
3c 基部
3d スライドガラス検出センサ
4 Zステージ
4a 移動台
4a1 板状部
4a2 マッピングセンサ
4b 本体軸部
4c 移動台保持ベルト
4c1 一端
4c2 他端
4d モータ部
4e,4f プーリ
4g 固定部搬送ベルト
4h 連結部材
5 回動手段
6 Xステージ
7 動作制御部
8 Yステージ
9 スライドガラス位置決め台
9a スライドガラス位置決め溝
9a1 壁面部
9a2 支持部
9b 溝案内部
9c スライドガラス支持板通過用切欠き部
9d スライドガラス位置ずれ防止用ストッパ
10 スライドガラス回収台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のスライドガラスを上下に積層した状態で収納可能なスライドガラス収納部と、
前記スライドガラスを載置可能なスライドガラス載置台と、
前記スライドガラスを把持可能なスライドガラス把持部と、
前記スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、
前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、
前記Zステージ及び前記回動手段を移動可能なXステージと、
前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、
を備え、前記動作制御部により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、
前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記スライドガラス載置台に載置するまでの間に、
前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの少なくとも先端部が前記スライドガラス収納部から離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を移動させる、第一のXステージ移動制御と、
前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を前記Xステージの移動方向に対して左右いずれかの所定方向へ所定角度回転させる、第一の回動手段回動制御と、
前記第一の回動手段回動制御の後に、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を該スライドガラス収納部へ近づく方向に移動させる、第二のXステージ移動制御と、
前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部をスライドガラスの先端部がスライドガラス載置台の方向へ向かうように回転させる、第二の回動手段回動制御と、
を少なくとも行うように構成されていることを特徴とするスライドガラス搬送構造。
【請求項2】
複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ少なくとも上下に積層した状態で収納可能なスライドガラス収納部と、
前記スライドガラス収納部とは反対側に配置されていて、スライドガラスを、その長手方向が前後を向いた状態で載置可能な顕微鏡のスライドガラス載置台と、
一枚のスライドガラスを、その長手方向に沿って把持可能なスライドガラス把持部と、
前記スライドガラス把持部を支持し、且つ該スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、
前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、
前記Zステージ及び前記回動手段を前後に移動可能なXステージと、
少なくとも前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、
を少なくとも備え、前記動作制御部による前記Zステージ、前記回動手段及び前記Xステージに対する動作制御により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを一枚ずつ、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、
前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台とは、一枚の前記スライドガラスを把持した前記スライドガラス把持部における、該スライドガラスの前記先端部から前記所定の軸までの長さの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置され、
前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するまでの間に、
前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの前記先端部が前記スライドガラス収納部から前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第一のXステージ移動制御と、
前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させる、第一の回動手段回動制御と、
前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該顕微鏡のスライドガラス載置台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該顕微鏡のスライドガラス載置台から前記スライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス収納部の方向へ移動させる、第二のXステージ移動制御と、
前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させる、第二の回動手段回動制御と、
を少なくとも行うように構成されていることを特徴とするスライドガラス搬送構造。
【請求項3】
複数枚のスライドガラスを、その長手方向が前後を向き、且つ上下に積層するとともに積層したスライドガラスの群を左右に並列させた状態で収納可能なスライドガラス収納部と、
前記スライドガラス収納部とは反対側に配置されていて、スライドガラスを、その長手方向が前後に向いた状態で載置可能な顕微鏡のスライドガラス載置台と、
一枚のスライドガラスを、その長手方向に沿って把持可能なスライドガラス把持部と、
前記スライドガラス把持部を支持し、且つ該スライドガラス把持部を上下に移動可能なZステージと、
前記Zステージを上下方向に延びた所定の軸を中心として回動可能な回動手段と、
前記Zステージ及び前記回動手段を前後に移動可能なXステージと、
前記軸部材を左右に移動可能なYステージと、
前記Zステージ、前記回動手段、前記Xステージ及び前記Yステージの夫々の動作を制御する動作制御部と、
を少なくとも備え、前記動作制御部による前記Zステージ、前記回動手段、前記Xステージ及び前記Yステージに対する動作制御により、前記スライドガラス収納部から、スライドガラスを一枚ずつ、前記スライドガラス把持部で把持しながら取り出し、該取り出したスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置台に載置するスライドガラス搬送構造であって、
前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台とは、一枚の前記スライドガラスを把持した前記スライドガラス把持部における、該スライドガラスの前記先端部から前記所定の軸までの長さの1倍を上回り2倍を下回る長さの間隔をあけて配置され、
前記動作制御部は、前記スライドガラス把持部が前記スライドガラス収納部に収納されている所定のスライドガラスを把持した後、該所定のスライドガラスを前記顕微鏡のスライドガラス載置部に載置するまでの間に、
前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの前記先端部が前記スライドガラス収納部から前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第一のXステージ移動制御と、
前記第一のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させる、第一の回動手段回動制御と、
前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該顕微鏡のスライドガラス載置台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該顕微鏡のスライドガラス載置台から前記スライドガラス収納部の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス収納部の方向へ移動させる、第二のXステージ移動制御と、
前記第二のXステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ90度回転させる、第二の回動手段回動制御と、
を少なくとも行うように構成されていることを特徴とするスライドガラス搬送構造。
【請求項4】
前記動作制御部は、前記第一のXステージ移動制御と前記第一の回動手段回動制御との間に、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が前記スライドガラス収納部と対向する領域を外れるとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを左右いずれかの所定方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの全部が該スライドガラス収納部と対向する領域内にとどまる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を左右方向へ移動させる、第一のYステージ移動制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のスライドガラス搬送構造。
【請求項5】
さらに、前記スライドガラス収納部と前記顕微鏡のスライドガラス載置台との間であって該スライドガラス収納部と対向する領域を外れる位置に配置されていて、スライドガラスを載置することによって該スライドガラスを所定位置に位置決めする溝部を備えたスライドガラス位置決め台を有し、
前記動作制御部は、前記第一のXステージ移動制御と前記第二のXステージ移動制御との間に、
前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させたと仮定した場合に該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの少なくとも一部が該スライドガラス位置決め台と干渉するとき、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージを該スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させたと仮定した場合における該スライドガラス把持部に把持された該所定のスライドガラスの前記先端部が該スライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する該Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台とは反対側の方向へ移動させる、前記第一のYステージ移動制御と、
前記第一のYステージ移動制御の後に、前記回動手段を介して、前記スライドガラス把持部を支持する前記Zステージを前記スライドガラス位置決め台の方向へ90度回転させる、前記第一の回動手段回動制御と、
前記第一の回動手段回動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスの短手方向が前記スライドガラス位置決め台の前記溝部の短手方向と一致する位置に到達するまで、前記Xステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を前記スライドガラス収納部又は前記顕微鏡のスライドガラス載置台の方向へ移動させる、第三のXステージ移動制御と、
前記第三のXステージ移動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスを前記スライドガラス位置決め台の前記溝部に挿入させることのできる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台の方向に移動させる、第二のYステージ移動制御と、
前記第二のYステージ移動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスが前記スライドガラス位置決め台の前記溝部に挿入可能な所定の高さ位置に到達するまで、前記Zステージを介して、該スライドガラス把持部を上下動させる、第一のZステージ上下動制御と、
前記第一のZステージ上下動制御の後に、前記スライドガラス把持部に把持された前記所定のスライドガラスが前記スライドガラス位置決め台からその反対側の方向に離れる所定位置に到達するまで、前記Yステージを介して、該スライドガラス把持部を支持する前記Zステージ及び前記回動手段を該スライドガラス位置決め台とは反対側の方向へ移動させる、第三のYステージ移動制御と、
を少なくとも行うように構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のスライドガラス搬送構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−221461(P2011−221461A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93377(P2010−93377)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】