説明

スライドパッド部材

【課題】 多くの機能をもたせることのできる入力デバイスを提供する。
【解決手段】 本発明によれば、内側端部を有する環状リングと、外側端部を有する中央部分と、環状リングの内側端部に接続されている外側の環状リップル及び中央部分の外側端部に接続されている内側の環状リップルとを含む複数の同心状の環状リップルとからなることを特徴とするスライドパッド膜により課題は解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドパッド部材に関し、より詳細には、多くの機能を提供可能な入力デバイスに利用されるスライドパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ内でポインタを移動させるための種々の入力デバイスが存在する。そのようなデバイスの例として、マウス、ジョイスティック、タッチパッドが挙げられる。これらのデバイスは、ユーザからの入力を受容し、ホストと関連して、入力を変換してディスプレイ内でポインタを移動させる。また入力デバイスは、ボタンのような選択機構を有し、ユーザはディスプレイ内で機能を実行できる。
【0003】
入力デバイスの各形式は、ユーザがホスト装置と情報の交換が可能であるように便利な機能をもたらす。携帯電話のようなホストの設計制約によって、特定の入力デバイスは、特定のホスト、又はホストと情報を交換するユーザのタイプに対して適応しないことがある。例えばホストの寸法の制限は、ある種の入力デバイスの利用を妨げる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホストに対してできるだけ多くの機能をもたせることのできる入力デバイスを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、スライドパッド膜を提供する。スライドパッド膜は、内側端部を有する環状リングと、外側端部を有する中央部分と、環状リングの内側端部と接続されている外側環状リップル及び中央部分の外側端部に接続されている内側環状リップルを含む複数の同心状の環状リップルからなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、スライドパッド膜に関する。スライドパッド膜は、内側端部を有する環状リングと、外側端部を有する中央部分と、環状リングの内側端部に接続されている外側の環状リップル及び中央部分の外側端部に接続されている内側の環状リップルとを含む複数の同心状の環状リップルとからなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明において、その部分を形成する添付の図面を参照するが、図面は、本発明を実施する特定の実施形態を例として示す。それに関して、「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、「前方」、「後方」等のような方向を示す専門用語を開示する図面(単数又は複数)の幾何学的な配置に関して使用する。本発明の実施形態の構成要素を多くの異なる幾何学的な配置で位置付けることができるので、方向を示す専門用語は例示を目的として使用され、決して制限するものではない。他の実施形態が利用でき、構造上の又は論理的な変更が本発明の範囲から逸脱することなく可能であることが理解されなければならない。したがって以下の詳細な説明は、限定的な意味でとらえられるべきではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の記載により画定される。
【0008】
本明細書に開示するように、スライドパッド膜を有するスライドパッドシステムを提供する。ユーザはスライドパッド膜の中央部分を2つの方向(例えばx及びy方向)に動かし、ホストの表示装置内でポインタの位置を調節し、スライドパッド膜の中央部分を第3の方向(例えばz方向)で圧力を加え、ひとつ又はそれ以上の機能を生じさせることができる。制御回路は、最初の2つの方向において、スライドパッド膜と接する構成要素の移動に基づく位置情報を判定し、第3の方向において加えられる圧力に基づく指の圧力及びクリックの状態を判定する。制御回路は、位置情報及びクリックの状態をホストにもたらす。
【0009】
図1A〜1Cは、スライドパッド膜10の一実施形態を種々の観点から示す線図である。図1Aは、スライドパッド膜10の斜視図を示す。スライドパッド膜10は、環状リングを形成する部分100と、複数の同心状の環状リップルを形成する部分110と、実質上円形のディスクを形成する中央部分120を含む。
【0010】
図1Bは、x及びy平面におけるスライドパッド膜10の平面図を示す。図1Bに示すように、部分100の環状リングは、部分110の最も外側の環状リップルの外側端部に接続している内側端部を有する。部分110の最も内側の環状リップルの内側端部は、部分120のディスクの外側端部に接続されている。
【0011】
図1Cは、z及びx/y平面におけるスライドパッド膜10の断面図を示す。図1Cに示すように、部分110の同心状の環状リップルは、x/y平面において、部分100の環状リングの中心に向かって部分120のディスクを付勢するように、半径方向で対称なばねを形成する。部分110の同心状の環状リップルによって、部分120のディスクは、x/y平面において、部分100の環状リングに向かう何れの方向へも移動可能となる。また同心状の環状リップルは、z方向における中立位置に向かって部分120のディスクを付勢する。同心状の環状リップルによって、部分120のディスクがz方向で上下に、すなわち部分100の環状リングを含むx/y平面に垂直な方向に移動可能となる。
【0012】
部分100の環状リングは、図3に示すようにケース部分302と整合するように構成されているOリング102を含む。図1Cに示す実施形態では、部分110の同心状の環状リップルのそれぞれが実質上正弦曲線形状である断面を有する。円筒状の部分122が、ディスク部分から延伸し、図3に示すようなボタン308及び図3に示すようなガイドリング306のようなガイド構造と整合するように空洞を形成する。
【0013】
一実施形態では、スライドパッド膜10は、圧縮成形又は射出成形工程を利用して形成される。一実施形態では、スライドパッド膜10は他の工程を利用して形成される。
【0014】
一実施形態では、部分100、110、120を含むスライドパッド膜10は、実質上均一な材料組成(例えば伸縮性ポリマー、シリコン、ゴム)を有し、一体的に形成される。他の実施形態では、部分100、110、120は、組み合わせる前に別個に形成され、及び/又はひとつもしくはそれ以上の様々な材料組成を有する。
【0015】
一実施形態では、スライドパッド膜10の部分100、110、120のひとつ又はそれ以上を透明もしくは半透明とし、それにより選択された光量がスライドパッド膜10を通過可能となる。図2Aは、スライドパッド膜の部分200の一実施形態を示す線図である。部分200は複数の同心状の環状リップルを形成し、各リップル202は実質上三角形状の断面を形成する。一実施形態では、部分200がスライドパッド膜10の部分110を置換し、それによって部分200の最も外側の環状リップル202の外側端部が部分100の環状リングの内側端部に接続され、部分200の最も内側の環状リップル202の内側端部が部分120のディスクの外側端部に接続される。
【0016】
図2Bは、スライドパッド膜の部分210の一実施形態を示す線図である。部分210は複数の同心状の環状リップルを形成し、各リップル212は実質上四角形状の断面を形成する。一実施形態では、部分210がスライドパッド膜10の部分110を置換し、それによって部分210の最も外側の環状リップル212の外側端部が部分100の環状リングの内側端部に接続され、部分210の最も内側の環状リップル212の内側端部が部分120のディスクの外側端部に接続される。
【0017】
他の実施形態では、部分110は、他の又は種々の断面を有する同心状の環状リップルを含む部分と置換され得る。加えて、同心状の環状リップルを、互いに一様に隔置することも、又は互いに対して可変に隔置することもできる。さらに同心状の環状リップルのひとつ又はそれ以上が、環状リップルの他のものに対してz方向で異なる寸法を有していてもよい。さらに同心状の環状リップルのひとつ又はそれ以上が、環状リップルの他のものと比較して異なる材料組成を有していてもよい。
【0018】
図3は、スライドパッド膜10を有するスライドパッドシステム300の一実施形態を示す線図である。スライドパッドシステム300は、ホスト装置(例えば図5に示すホスト600)のケース上部302及びケース底部304と整合する。図3の実施形態では、スライドパッド膜10の部分100の上部表面はケース上部302の底部表面302Aと整合し、部分100のOリング102を含む底部表面は、ケース底部304のV字形溝と整合する。ケース上部302は、ケース底部304の円筒状の表面に沿って延伸する円筒状の部分302Bを含む。円筒状の部分302Bから延伸する環状のノッチ302Cがケース底部304と整合し、ケース上部302の適所にケース底部をスナップ留めし、それによってスライドパッド膜10が固定される。
【0019】
ガイドリング306は、シリンダパッド膜10の円筒状の部分122と整合し、空洞312を形成する円筒状の部分306Aを含む。ガイドリング306のディスク部分306Bは、x/y平面内で円筒状の部分306Aから延伸している。ケース底部304のディスク部分304Bは、x/y平面内で延伸し、ガイドリング306のディスク部分306Bと重なり、z方向の正の向きでのガイドリング306の移動を固定する。x/y平面内におけるスライドパッド膜10のディスク部分120の移動に応答して、ディスク部分306Bが、x/y平面内において、ディスク部分304Bに沿って滑動する。
【0020】
図3に示す実施形態において、ディスク部分304Bは真っ直ぐな断面を有する。他の実施形態において、ディスク部分304Bは、z方向の負の向きでディスク部分306Bに力をもたらすために、曲がりをもって形成され、又は曲がった断面をもって形成される。この力によって、ディスク部分306B及びスライド表面316は、平坦のまま維持され、スライド表面316と印刷回路基板(PCB)320の間の全接触領域上で印刷回路基板(PCB)320と接触する。
【0021】
ドーム型の作動ボタン308は、スライドパッド膜10のディスク部分120の底部表面に取り付けられ、空洞312内でガイドリング306の円筒状の部分306Aと整合する。x/y平面におけるスライドパッド膜10のディスク部分120の移動に応じて、ボタン308は、x/y平面内でガイドリング306とともに移動する。z面におけるスライドパッド膜10のディスク部分120の移動に応じて、ボタン308は、z面で空洞312内を円筒状の部分に沿って滑動する。
【0022】
ドーム型の作動ボタン310は、空洞312内に収容され、スライドパッド膜10のディスク部分120をユーザが利用することによるz方向での押圧に応じて、聴覚的及び感覚的なクリックを発生する。スイッチ310は、ボタン308と整合し、x/y平面内での、スライドパッド膜10のディスク部分120の移動に応じて、x及びy平面で、ガイドリング306及びボタン308とともに移動する。スイッチ310は、z面でのスライドパッド膜10のディスク部分120の下方への移動に応じて、z面でボタン308とともに下方へ移動する。スイッチ310は、ばね/センスプレート314によりもたらされるばね力の結果として、及びその座屈変形の緩和によって上方へ移動する。
【0023】
ばね/センスプレート314は、ガイドリング306(例えばクリップ留め機構、接着、ハンダ付けにより)に取り付けられ、スイッチを持ち上げるばねとしての機能に加えて、x、y、z方向の位置のずれを容量により測定するための容量検出プレートとして機能する。ばね/センスプレート314は、z方向で正の向きにスイッチ310に対して復元力をもたらし、ばね/センスプレート314の導電性部分がPCB 320の容量検出電極322に向かって移動する際、測定静電容量の変化をもたらす。滑らかで低摩擦の誘電体316がばね314に取り付けられ(例えば接着により)、PCB 320の電極322とz方向に移動しないばね/センスプレート314の部分との間で空間が設定される。ばね/センスプレート314はまた、滑らかな滑動感覚が確実であるように機能し、PCB 320の摩耗を低減する比較的やわらかな組成からなる。
【0024】
PCB 320は、ばね/センスプレート314に極めて近接して配置されている。PCB 320は、容量検出電極322及び制御回路324を含む。一実施形態では、制御回路324は、容量検出プレート322とばね/センスプレート314の間の静電容量を検出し、スライドパッドシステム300の位置及びクリック状態の情報を発生する。
【0025】
他の実施形態では、屈曲回路又は細い配線を使用して、ばね/センスプレート314に対する直接的な電気接続を形成し、x、y、z位置の静電容量測定を容易にすることができる。直接的な配線接続によって、雑音が低減され、漂遊容量を容易に排除することができる。一方をセンスプレート314に、他方をドーム型のスイッチ310に複数の配線を連続させることにより、センスプレート314の位置測定から容易に切り離されるボタン308上の指の力の測定が可能となる。
【0026】
他の実施形態では、ばね/センスプレート314の位置を光学的に(例えば光学マウスセンサにより)測定することができる。
【0027】
他の実施形態では、ばね/センスプレート314の位置を磁気的に(例えば永久磁石及びホール効果センサにより)測定することができる。
【0028】
作動中、スライドパッドシステム300は、ユーザからの入力に応じて、ホスト600(図5参照)に情報をもたらす。ユーザは、x及び/又はy方向でスライドパッド膜10のディスク部分120を移動させることにより入力する。x及び/又はy方向でディスク部分120を移動することによって、ユーザはまた、ガイドリング306、ボタン308、スイッチ310、ばね/センスプレート314、誘電体316をx及び/又はy方向で移動する。制御回路324は、x及び/又はy方向での入力を位置情報に変換し、ホスト600に位置情報をもたらし、ホスト600の表示装置内でポインタ(例えばカーソル)が調節される。ユーザはまたz方向でディスク部分120に圧力を適用することによって入力をもたらす。z方向でディスク部分に圧力を適用することにより、ユーザは、ディスク部分120、ボタン308、スイッチ310、ばね/センスプレート314をz方向に移動する。スライドパッドシステム300は、z方向の入力をクリック状態及び指の圧力情報に変換し、ホスト600にクリック状態を提供し、ひとつ又はそれ以上の機能がホスト600により実行される。
【0029】
スライドパッド膜10の部分110の同心状の環状リップルは、x及びy方向で、部分100の環状リングの中心に向かって部分120のディスクを付勢するように作用する。ユーザは、環状リップルの抵抗力に打ち勝つように、x及び/又はy方向でディスクに十分な圧力を適用することにより、部分120のディスクを移動する。環状リップルの抵抗力がユーザによりディスクに適用されるx及び/又はy方向での圧力を上回る場合には(例えばディスク部分120のx及び/又はy方向での圧力をユーザが解放する場合には)、環状リップルはx及び/又はy方向における中心位置へ、又は中心位置に向かってディスクを戻す。
【0030】
ドーム型のスイッチ310及びばね314は、z方向でわずかに持ち上がる位置にディスクを付勢するように機能する。ユーザは、z方向でのディスク上の圧力を適用し及び/又は解放することによって、ドーム型のスイッチ310の作動及び非作動を実施するホストの機能を生じさせる。例えばユーザは、ドーム型のスイッチ310を利用して実施される異なる継続時間のひとつ又はそれ以上のクリックが生じるように、任意の回数ディスクに圧力を加え及び解放することができる。ドーム型のスイッチ310及びばね314の抵抗力がユーザによってディスクに加えられるz方向への圧力を上回る場合(例えばディスクへのz方向の圧力を解放した場合)、ドーム型のスイッチ310及びばね314は、z方向で中心位置へ及び中心位置に向かってディスクを戻す。
【0031】
制御回路324は、容量性回路322を利用して、x、y、z方向でのディスクの移動量を測定する。x及びy方向での測定値から、制御回路324は、位置情報を発生し、ホスト600(図5参照)に位置情報をもたらし、ホストは表示装置602(図5参照)内のポインタの位置を調節する。z方向の測定値から、制御回路324は、クリック状態を発生し、ホストにクリック状態をもたらし、ホストはひとつ又はそれ以上の機能を実行する。
【0032】
図4Aは、スライドパッドシステム300内の容量検出電極322の配置図の一実施形態の平面図を示す線図である。スライドパッドシステム300は、スライドパッド膜10の部分120のディスクを利用して、電極E1、E2、E3、E4に関連してx及びy方向に、ユーザによって移動されるばね/センスプレート314を含む。図4Bは、図4Aに示す軸502に沿った、スライドパッドシステム300の一実施態様の断面図を示す線図である。
【0033】
図4Bの断面図に示すように、電極E2及びE4は、x及びy方向に形成されている第1の面内に設置されている。電極E1及びE3もまた第1の面内に設置されている(図4Bには示さない)。ばね/センスプレート314は、x及びy方向に形成されている第2の面内に設置され、それによって第2の面は、ばね/センスプレート314とE2の間が間隙g2によって示され、電極406とE4の間が間隙g4によって示されるように、第1の面から隔置されている。制御回路324は、電極E1、E2、E3、E4とばね/センスプレート314との間の静電容量を測定することによって、電極E1、E2、E3、E4に関する電極E6の位置に応じた位置情報を発生する。
【0034】
一実施形態では、スライドパッド膜10は、ケース上部302の外側と内側の間で湿気及び/又は微粒子に対するシールを形成する。
【0035】
ケース上部302、ケース底部304、ガイドリング306、ドーム型の作動ボタン308は、それぞれプラスチック又は金属の射出成形工程、あるいは金属のスタンピング工程のような何らかの適する工程により形成される。ドーム型の作動スイッチ310は、金属スタンピング工程のような何らかの適する工程により形成される。ばね314は、金属のエッチング又は金属のスタンピング及び成形工程のような何らかの適する工程により形成される。
【0036】
図5は、ケース302内に収容されているスライドパッド膜10を備えるスライドパッドシステム300を含むホスト600の一実施形態を示す概略的な線図である。図5の実施形態では、ホスト600は、ポインタ604を表示するためのディスプレイ602を含むセルラーホン又は携帯電話からなる。ホスト600のユーザはスライドパッドシステム300のスライドパッド膜10を利用して、ディスプレイ602内でポインタ604を移動する。他の実施形態では、ホスト600は他の機能を実施するように構成されている電子装置からなる。
【0037】
さらにスライドパッドシステム300の種々の変更及び付加的な特徴を他の実施形態を参照して説明する。
【0038】
他の実施形態では、ボタンのキャップ又はカバー(図示せず)が、ディスク部分120の上部表面に取り付けられ、機械的な作動、標識付け及び/又は他の装飾的な機能をもたらす。
【0039】
他の実施形態では、ボタン308及び/又はスイッチ310を、スライドパッド膜10のディスク部分120とともに一体的に形成することができる。
【0040】
他の実施形態では、ボタン308及び/又はスイッチ310を一体的に形成することができる。
【0041】
他の実施形態では、Oリング又は他の密閉要素が、流体をスライドパッドシステム300内でシール可能であるように含まれる。流体は、基板322と密着させて屈曲回路316及びボタン308を保持するように表面張力による力を維持するとともに、潤滑性をもたらすように利用される。
【0042】
他の実施形態では、スライドパッド膜10は、付加的な外側被服層、例えば硬質プラスチックを含む。外側被服層はボタン308を含む。
【0043】
他の実施形態では、スライドパッド膜10を導電性材料から形成することができる。
【0044】
他の実施形態では、スライドパッドシステム300は、スライドパッド膜10を介して光が透過するように構成された、ひとつ又はそれ以上の発光要素、例えばLEDを含む。
【0045】
他の実施形態では、スライドパッド膜10は、付加的なつや消し層を含み、スライドパッド膜10のひとつ又はそれ以上の表面の表面摩擦が増大される。
【0046】
他の実施形態では、スライドパッド膜10は、ホストの他の機能的な膜又はキーパッドの部分として一体的に形成される。
【0047】
他の実施形態では、スライドパッド膜10は、機能的な又は装飾的な要素として、顔料色素、成形された図形やテキストイメージ(例えばロゴや他の情報)、種々の形状及び寸法の着色された又は透明なプラスチックを含む。
【0048】
他の実施形態では、ディスク部分120は、スライドパッド膜10がディスク部分120を取り囲んで適合し、又は係合するように、スライドパッド膜10から別個に形成されている。例えばスライドパッド膜10のディスク部分120の箇所に孔が形成され、硬質のボタンがスライドパッド膜10を介してガイドリング306内にスナップ留めされる。
【0049】
他の実施形態では、スライドパッド膜10の環状リップル部分110又はディスク部分120が、くぼみ、凹部、打ち抜き孔、隆起部、他の組織上の要素を含み、環状リップル部分110のばね定数又は、ディスク部分120の感触及び触覚を変更することができる。
【0050】
他の実施形態では、スライドパッド膜10の環状リング部分100、環状リップル部分110及び/又はディスク部分120は、最適な移動又は機械的な耐久力のために、スライドパッド膜10の異なる半径方向位置において異なる材料組成が出現するように、二重成形工程により形成される。
【0051】
他の実施形態では、スライドパッド膜10は、V字型形状の断面をもって形成され、ディスク部分120は、環状リング部分100よりも下方であり、ユーザの指に張り付くことにより、z方向でプレート306に予荷重を生成し、基板330に対して平らに押圧し、膜10が持ち上がるのに抵抗する。
【0052】
特定の実施形態を本明細書において図解し、説明してきたが、種々の変更及び/又は同等の実施が、本発明の範囲から逸脱することなく、示し、説明した特定の実施形態を置き換え可能であることは、当業者にとって明らかであろう。本出願は、本明細書中で議論した特定の実施形態の何らかの改作又は変形を保護することを意図している。したがって本発明は、特許請求の範囲の記載及びその等価物によってのみ制限されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】スライドパッド膜の一実施形態を示す斜視図を示す線図である。
【図1B】スライドパッド膜の一実施形態を示す斜視図を示す線図である。
【図1C】スライドパッド膜の一実施形態を示す斜視図を示す線図である。
【図2A】スライドパッド膜の部分の実施形態を示す線図である。
【図2B】スライドパッド膜の部分の実施形態を示す線図である。
【図3】スライドパッド膜を有するスライドパッドシステムの一実施形態を示す線図である。
【図4A】容量検出電極の一実施形態を示す線図である。
【図4B】容量検出電極の一実施形態を示す線図である。
【図5】スライドパッド膜を有するスライドパッドシステムを含むホストの一実施形態を示す概略的な線図である。
【符号の説明】
【0054】
10 スライドパッド膜
100 環状リング
102 Oリング
110 環状リップル
112 リップル
120 中央部分
122 円筒状の部分
300 スライドパッドシステム
302 ケース上部
302C ノッチ
304 ケース底部
304A ディスク部分
306 ガイドリング
308 ボタン
310 スイッチ
312 空洞
314 ばね/センスプレート
316 スライド表面
320 印刷回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側端部を有する環状リングと、
外側端部を有する中央部分と、
前記環状リングの内側端部に接続されている外側の環状リップル及び前記中央部分の外側端部に接続されている内側の環状リップルとを含む複数の同心状の環状リップルと
からなるスライドパッド膜。
【請求項2】
前記複数の同心状の環状リップルが、前記環状リングの中心に向かって前記中央部分を付勢するように構成されている請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項3】
前記複数の同心状の環状リップルが、前記中央部分が前記環状リングに向かう方向に移動されるように構成されている請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項4】
前記複数の同心状の環状リップルが、前記中央部分が前記環状リングを含む平面に垂直な方向で移動されるように構成されている請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項5】
前記環状リング、前記中央部分、前記複数の同心状の環状リップルが一体的に形成されている請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項6】
前記環状リング、前記中央部分、前記複数の同心状の環状リップルが、実質上均一な組成を有する請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項7】
前記環状リングが、ケース部分と整合するように構成されているOリングを含む請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項8】
前記中央部分が実質上円形である請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項9】
前記中央部分がボタンと相互作用する空洞を形成している請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項10】
前記中央部分がガイド構造と相互作用する空洞を形成している請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項11】
前記複数の同心状の環状リップルのそれぞれが、実質上正弦曲線形状、実質上三角形状、実質上四角形状のいずれかひとつの断面を有する請求項1に記載のスライドパッド膜。
【請求項12】
印刷回路基板と、
ボタンと、
内側端部を有する環状リング及び、外側端部を有する中央部分及び、前記環状リングの内側端部に接続されている外側の環状リップルと前記中央部分の外側端部に接続されている内側の環状リップルを含む複数の同心状の環状リップルからなるスライドパッド膜とを含み、
前記中央部分が、ボタンを含むとともに、そのボタンが前記印刷回路基板に対して移動可能であるように構成されている第1の空洞を形成するスライドパッドシステム。
【請求項13】
前記ボタンを含む第2の空洞を形成するガイドリングをさらに含み、
前記第1の空洞が前記ガイドリングを含む請求項12に記載のスライドパッドシステム。
【請求項14】
前記ボタンと相互作用するドーム型のスイッチをさらに含む請求項13に記載のスライドパッドシステム。
【請求項15】
前記ガイドリングに取り付けられているばねをさらに含む請求項13に記載のスライドパッドシステム。
【請求項16】
前記印刷回路基板と前記ばねの間の電気的な接続をさらに含む請求項15に記載のスライドパッドシステム。
【請求項17】
前記印刷回路基板が、当該印刷回路基板に対する前記ボタンの動きに応じて、ディスプレイ内でポインタを制御するように構成されている制御回路を含む請求項13に記載のスライドパッドシステム。
【請求項18】
ケースと相互作用するように構成されている内側端部を有する環状リング及び、外側端部を有する中央部分及び、前記環状リングの内側端部に接続されている外側の環状リップルと前記中央部分の外側端部に接続されている内側の環状リップルを含む複数の同心状の環状リップルからなるスライドパッド膜と、
前記スライドパッド膜を収容するように構成されているケースとを含み、
前記ケースが前記環状リングと相互作用するように構成されている装置。
【請求項19】
前記ケース内に収容され、ポインタを表示するように構成されている表示装置と、
前記スライドパッド膜を含み、前記中央部分が前記環状リングに向かう方向に移動することに応じて、前記表示装置内で前記ポインタを移動させるように構成されているスライドパッドシステムとをさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項20】
前記ケースが、前記中央部分が前記環状リングに向かって移動可能であるように前記環状リングに固定されて構成されている請求項18に記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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