説明

スライドパレットユニット及び貨物車

【課題】脚部を起立姿勢に確実に保持できて信頼性が高く、且つ、設置が容易で作業効率が良いスライドパレットユニット及びこれを備えた貨物車を提供する。
【解決手段】スライドパレットユニットの仮設架台部の脚部ロック機構30は、上部構造部側摺動部38Bが所定の位置に保持されることにより脚部26を起立した姿勢に固定可能である斜材部38と、上部構造部側摺動部38Bを係止可能である起立用係止部40Bを備える斜材部用ガイド部40と、上部構造部側摺動部38Bを起立用係止部40Bに保持可能、且つ、起立用係止部40Bに向かって摺動する上部構造部側摺動部38Bに当接されることにより起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間可能であるように進退動可能である起立用ロック部材42と、起立用ロック部材42を起立用係止部40Bの開口部を覆う位置の方向に付勢する起立用ばね部材44と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貨物車の荷台に設置されるスライドパレットユニット及びこれを備えた貨物車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨物車への荷積みや貨物車からの荷降ろしのためにフォークリフトやクレーン等が用いられている。ところで、貨物車の車体には屋根がない平ボディー型や屋根がある箱型のような様々なタイプがあり、屋根がある車体の場合にはクレーン等で荷物を上方から荷台に荷積みしたりクレーン等で荷台から荷物を吊り上げて荷降ろしすることは困難である。尚、箱型の車体の中にはウィング型と称される側壁部が開閉できるようになっているものも存在するが、側壁部を開放した状態でも側壁部であった部分が荷台の上方に移動しているために、クレーンで荷積みや荷降ろしをすることは困難である。
【0003】
これに対し、荷台に設置された複数の第1のレールと、第1のレールに案内されて荷台の外側に突出可能である複数の第2のレールと、これら第2のレールと地面との間に装架されて第2のレールを支持する脚部と、第1のレール及び第2のレールの間で荷物を移動させるパレットローダーと、を備える積み降ろし装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。脚部は格納可能であるように第2のレールに回転自在に取り付けられている。
【0004】
脚部と第2のレールとの間には、折りたたむことができる斜材が装架されており、この斜材により脚部を起立姿勢に保持するようになっている。斜材は一対のリンクからなり、一方のリンクは脚部に回転自在に連結され、他方のリンクは第2のレールに回転自在に連結され、更に2つのリンク同士が先端において回転自在に連結されている。脚部が格納される際にはこれらリンクも折りたたまれて格納されるようになっている。又、脚部は基部に先端部が螺合する構造となっており、地面の高さ等に応じて脚部の長さを調整できるようになっている。
【0005】
この積み降ろし装置が設置された貨物車は、荷台の外側に突出した複数の第2のレールの上のパレットローダーにクレーン等で荷物を上方から荷積みしたりクレーン等で第2のレールの上のパレットローダーから荷物を吊り上げて荷降ろしすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−315108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の積み降ろし装置は、脚部を起立姿勢に保持するためのリンクが脚部の格納に伴って折りたたまれる構造であるため、脚部が起立姿勢よりも格納姿勢から遠ざかる側に回転することは防止できても脚部が起立姿勢よりも格納姿勢に近づく側に回転することは防止できなかった。尚、例えば、1本の棒状の部材を脚部とレールとの間にボルト等で着脱するようにすれば、脚部が起立姿勢よりも格納姿勢から遠ざかる側に回転することも脚部が起立姿勢よりも格納姿勢に近づく側に回転することも防止できるが着脱の作業に時間がかかり作業効率という点で問題がある。
【0008】
又、上記の積み降ろし装置は、脚部の基部に先端部が螺合する構造となっているので脚部の長さの調整にも時間がかかるという問題もある。特に、地面の起伏が大きい場所で作業する場合、必要とされる脚部の長さの調整量が大きく、作業時間が大幅に増加するという問題がある。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、脚部を起立姿勢に確実に保持できて信頼性が高く、且つ、設置が容易で作業効率が良いスライドパレットユニット及びこれを備えた貨物車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、貨物車の荷台に設置される荷台上ガイド部と、前記荷台に隣接して設置可能であると共に前記荷台に収容可能である仮設架台部と、前記荷台の上及び前記仮設架台部の上を移動可能である可動パレットと、を備え、前記仮設架台部は、前記可動パレットを案内するための架台上ガイド部を備える上部構造部と、起立して前記上部構造部を下方から支持可能であると共に前記上部構造部に格納可能であるように前記上部構造部に回転可能に連結された脚部と、前記脚部を起立した姿勢に固定/解放自在である脚部ロック機構と、を有し、前記脚部ロック機構は、前記脚部に回転可能に連結された脚部側回転部及び水平方向に沿う所定の摺動軌道で摺動可能であるように前記上部構造部に連結された上部構造部側摺動部を備え前記上部構造部側摺動部が前記上部構造部における所定の位置に保持されることにより前記脚部及び前記上部構造部の間に斜めに装架されて前記脚部を前記起立した姿勢に固定可能である斜材部と、前記斜材部の前記上部構造部側摺動部を前記摺動軌道に沿って案内するために前記所定の位置まで延在された摺動面部及び前記摺動面部に隣接して前記所定の位置に設けられ前記上部構造部側摺動部が嵌合可能であるように前記摺動面部よりも上下方向に凹み前記上部構造部側摺動部の摺動方向の移動を規制して前記所定の位置に前記上部構造部側摺動部を係止可能である起立用係止部を備える斜材部用ガイド部と、前記起立用係止部の開口部を覆うことにより前記上部構造部側摺動部を前記起立用係止部に保持可能、且つ、前記起立用係止部に向かって摺動する前記上部構造部側摺動部に当接されることにより前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間可能であるように前記摺動方向に進退動可能である起立用ロック部材と、前記起立用ロック部材を前記起立用係止部の開口部を覆う位置の方向に付勢する起立用ばね部材と、前記起立用ばね部材の付勢力に抗して前記起立用ロック部材を前記起立用係止部の開口部を覆う位置に係止するための起立用ストッパ要素と、を有するスライドパレットユニットにより上記課題を解決したものである。
【0011】
尚、前記仮設架台部は、前記脚部に連結され前記脚部を前記上部構造部に格納された姿勢に保持するための格納用被係止部を更に備え、前記脚部ロック機構は、前記格納用被係止部を下方から支持して前記脚部を前記上部構造部に格納された姿勢に保持可能、且つ、下方から接近する前記格納用被係止部に当接されることにより前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間可能であるように進退動可能である格納用ロック部材と、前記格納用被係止部を下方から支持する位置の方向に前記格納用ロック部材を付勢する格納用ばね部材と、前記格納用ロック部材を前記格納用ばね部材の付勢力に抗して前記格納用被係止部を下方から支持する位置に係止するための格納用ストッパ要素と、を更に有するとよい。
【0012】
又、前記格納用ロック部材は、前記起立用ロック部材が前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間する方向と同じ方向に移動することにより前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間するように構成され、前記脚部ロック機構は、前記起立用ロック部材及び前記格納用ロック部材に連結されこれらの部材を前記起立用ばね部材及び前記格納用ばね部材の付勢力に抗して前記起立用ロック部材が前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間し前記格納用ロック部材が前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間する方向に付勢するためのリンク機構を更に備え、前記リンク機構は、前記摺動方向に長い長孔及び前記長孔に係合するピン部材を介して前記起立用ロック部材及び前記格納用ロック部材に係合された構成とするとよい。
【0013】
又、前記脚部を少なくとも一対備え、対をなす2本の前記脚部が共通の前記格納用被係止部で連結され、前記斜材部は、U字形状又はコ字形状で開口側の2つの端部が前記脚部側回転部であり該脚部側回転部において前記格納用被係止部を介して対をなす2本の前記脚部に回転可能に連結され、前記開口側の2つの端部とは反対側の端部が前記上部構造部側摺動部である構成とするとよい。
【0014】
又、前記脚部は、前記上部構造部に回転可能に連結された上脚部と、前記上脚部に摺動自在に嵌合する下脚部と、前記下脚部を前記上脚部に固定/解放自在の長さロック機構と、を備え、前記脚部の長さが調整可能である構成とするとよい。
【0015】
又、本発明は、上記のいずれかに記載のスライドパレットユニットを備える貨物車により上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、脚部を起立姿勢に確実に保持できて信頼性が高く、且つ、設置が容易で作業効率が良いスライドパレットユニット及びこれを備えた貨物車を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る貨物車及びスライドパレットユニットの概略構造を模式的に示す後面図
【図2】同スライドパレットユニットの可動パレット及び荷台上ガイド部の概略構造を模式的に示す平面図
【図3】同スライドパレットユニットの仮設架台部の概略構造を模式的に示す平面図
【図4】同後面図
【図5】同側面図
【図6】同仮設架台部の脚部の概略構造を拡大して模式的に示す側面図
【図7】同仮設架台部の脚部ロック機構の概略構造を拡大して模式的に示す平面図
【図8】同後面図
【図9】同脚部ロック機構の要部の構造を更に拡大して示す後面図
【図10】前記脚部の起立時における同脚部ロック機構の作用を示す後面図
【図11】前記脚部の格納時における同脚部ロック機構の作用を示す後面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0019】
図1に示されるように、本実施形態に係る貨物車10は、荷台12の上と荷台12から水平方向に突出した位置との間で荷物14を移載できるスライドパレットユニット16を備え、このスライドパレットユニット16の構造に特徴を有している。
【0020】
貨物車10は、例えばウィング型と称される箱型の車体を備えており、車体は側壁部が開閉できるようになっている。
【0021】
スライドパレットユニット16は、貨物車10の荷台に設置される荷台上ガイド部18と、荷台12に隣接して設置可能であると共に荷台12に収容可能である仮設架台部20と、荷台12の上及び仮設架台部20の上を移動可能である可動パレット22と、を備えている。
【0022】
図2に示されるように、荷台上ガイド部18は、可動パレット22を案内する方向(本実施形態では貨物車10の車幅方向)に沿って平行に配置された一対の棒状部材で荷台12に載置されている。これら荷台上ガイド部18は、断面がコ字形状でコ字の開口する側が内側(一対の荷台上ガイド部18が対向する側)を向くように配置されている。又、これら一対の荷台上ガイド部18は2対の連結部材19A、19Bで連結されている。一対の連結部材19Aは、荷台上ガイド部18の両端の下面において一対の荷台上ガイド部18を連結している。一方、他の一対の連結部材19Bは、荷台上ガイド部18を長手方向に3等分するような位置に配置され荷台上ガイド部18の下面において一対の荷台上ガイド部18を連結している。
【0023】
図3〜5に示されるように、仮設架台部20は、上部構造部24と、起立して上部構造部24を下方から支持可能であると共に上部構造部24に格納可能であるように上部構造部24に回転可能に連結された脚部26と、脚部26に連結され脚部26を上部構造部24に格納された姿勢に保持するための格納用被係止部28と、脚部26を起立した姿勢に固定/解放自在である脚部ロック機構30と、を有している。尚、仮設架台部20は、脚部26を起立した姿勢に固定するためのターンバックル式の補助サポート31A、31Bも備えている。
【0024】
上部構造部24は、可動パレット22を案内するための架台上ガイド部32と、これら架台上ガイド部32を連結する3対のビーム部材34A、34B、34Cと、を備えている。架台上ガイド部32は、荷台上ガイド部18と同様に断面がコ字形状の棒状部材で可動パレット22を案内する方向に沿って平行に一対配置されている。これら架台上ガイド部32は、コ字の開口する側が外側(一対の架台上ガイド部32が対向する側と反対側)を向くように配置されている。又、これら一対の架台上ガイド部32は、一対の荷台上ガイド部18の間隔よりも狭い間隔を有して配置されている。ビーム部材34A、34B、34Cは、この順で架台上ガイド部32の長手方向の中間位置側から両端側に向かって適宜な間隔で並んで配置されており、それぞれ架台上ガイド部32の長手方向の中間位置に対して対称的に設置されている。尚、一対の荷台上ガイド部18を連結する各連結部材19A、19Bの上面側には、一対の架台上ガイド部32を下方から支持するための小ローラ33が2個ずつ設置されている(図2参照)。仮設架台部20は、脚部26が上部構造部24に格納された状態で転動する小ローラ33に下方から支持されつつ荷台12の上及び荷台12から水平方向に突出した位置の間で滑らかに移動できるようになっている。又、仮設架台部20は、荷台上ガイド部18の両側(荷台12の車幅方向両側)に突出できるようになっている。又、架台上ガイド部32の両端の上面側には小ローラ35が設置されている。
【0025】
脚部26は架台上ガイド部32の長手方向の中間位置に対して対称的に2対(4本)備えられている。図6に示されるように、各脚部26は、上部構造部24に回転可能に連結された上脚部26Aと、上脚部26Aに摺動自在に嵌合する下脚部26Bと、下脚部26Bを上脚部26Aに固定/解放自在の長さロック機構36と、を備えており、脚部26の長さが調整可能である。一対の架台上ガイド部32を連結するビーム部材34Bは脚部26の回転軸を兼ねており、対をなす2本の脚部26が共通のビーム部材34Bを介して上部構造部24に回転自在に取付けられている。長さロック機構36は、下脚部26B側に取付けられた脚部26の長手方向に長いラック部材36Aと、上脚部26A側に取付けられラック部材36Aに係合するピニオン(図示省略)及びレバーを有しレバー操作によってピニオンの回転を規制/解放自在であるロック機構36Bと、を備えている。
【0026】
格納用被係止部28は丸棒状の部材で、2対の脚部26に対応して2本備えられている。対をなす2本の脚部26は共通の格納用被係止部28で連結されている。
【0027】
脚部ロック機構30も2対の脚部26に対応して2セット備えられ、架台上ガイド部32の長手方向の中間位置に対して対称的に設置されている。尚、補助サポート31Aは、2本備えられており、例えば外側(荷台12から離れる側)の一対(2本)の脚部26と上部構造部24との間に装架される。又、必要に応じて内側(荷台12に近い側)の一対(2本)の脚部26と上部構造部24との間に補助サポート31Aを装架することも可能である。一方、補助サポート31Bは、各脚部26毎に1本ずつ合計4本備えられている。
【0028】
図7〜9に示されるように、各脚部ロック機構30は、脚部26に回転可能に連結された脚部側回転部38A及び水平方向に沿う所定の摺動軌道で摺動可能であるように上部構造部24に連結された上部構造部側摺動部38Bを備え上部構造部側摺動部38Bが上部構造部24における所定の位置に保持されることにより脚部26及び上部構造部24の間に斜めに装架されて脚部26を起立した姿勢に固定可能である斜材部38と、斜材部38の上部構造部側摺動部38Bを前記摺動軌道に沿って案内するために前記所定の位置まで延在された摺動面部40A及び摺動面部40Aに隣接して前記所定の位置に設けられ上部構造部側摺動部38Bが嵌合可能であるように摺動面部40Aよりも上下方向に凹み上部構造部側摺動部38Bの摺動方向の移動を規制して前記所定の位置に上部構造部側摺動部38Bを係止可能である起立用係止部40Bを備える斜材部用ガイド部40と、起立用係止部40Bの開口部を覆うことにより上部構造部側摺動部38Bを起立用係止部40Bに保持可能、且つ、起立用係止部40Bに向かって摺動する上部構造部側摺動部38Bに当接されることにより起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間可能であるように前記摺動方向に進退動可能である起立用ロック部材42と、起立用ロック部材42を起立用係止部40Bの開口部を覆う位置の方向に付勢する起立用ばね部材44と、起立用ばね部材44の付勢力に抗して起立用ロック部材42を起立用係止部40Bの開口部を覆う位置に係止するための起立用ストッパ要素46と、を有している。
【0029】
又、各脚部ロック機構30は、格納用被係止部28を下方から支持して脚部26を上部構造部24に格納された姿勢に保持可能、且つ、下方から接近する格納用被係止部28に当接されることにより格納用被係止部28を下方から支持するための位置から離間可能であるように進退動可能である格納用ロック部材48と、格納用被係止部28を下方から支持する位置の方向に格納用ロック部材48を付勢する格納用ばね部材50と、格納用ロック部材48を格納用ばね部材50の付勢力に抗して格納用被係止部28を下方から支持する位置に係止するための格納用ストッパ要素52と、を更に有している。格納用ロック部材48は、起立用ロック部材42が起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間する方向と同じ方向に移動することにより格納用被係止部28を下方から支持する位置から離間するように構成されている。
【0030】
又、各脚部ロック機構30は、起立用ロック部材42及び格納用ロック部材48に連結されこれらの部材を起立用ばね部材44及び格納用ばね部材50の付勢力に抗して起立用ロック部材42が起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間し格納用ロック部材48が格納用被係止部28を下方から支持する位置から離間する方向に付勢するためのリンク機構54を更に備えている。
【0031】
斜材部38は、U字形状又はコ字形状で開口側の2つの端部が脚部側回転部38Aであり脚部側回転部38Aにおいて格納用被係止部28を介して一対(2本)の脚部26に回転可能に連結されている。上部構造部側摺動部38Bは斜材部38における開口側の2つの端部とは反対側の端部である。
【0032】
斜材部用ガイド部40は、略長方形の板状体でビーム部材34Aの(架台上ガイド部32の長手方向に対して垂直な方向の)中央部近傍から架台上ガイド部32の長手方向の中間位置近傍まで延在されビーム部材34A側の端部が上方に曲折された基部材40Cと、基部材40Cにおける上方に曲折された端部の近傍に設置されたスロープ部40Dと、を備えている。基部材40Cは、ビーム部材34Aに直接又は間接的に結合されている。スロープ部40Dは、略直角三角形の2枚の板状部材からなり、これら板状部材は斜辺部が上方を向き、且つ、架台上ガイド部32の長手方向の中間位置から離れる方向に上り傾斜する姿勢で設置されている。又、これら略直角三角形の板状部材は上部構造部側摺動部38Bの摺動方向と直角の方向に一定の隙間を有して平行に設置されている。尚、スロープ部40Dの上端部近傍(基部材40Cにおける上方に曲折された端部に対向する側の端部の上面部)は水平面となっている。摺動面部40Aは、スロープ部40Dの上面部及び基部材40Cの上面部におけるスロープ部40Dよりも架台上ガイド部32の長手方向の中間位置の側の部分である。起立用係止部40Bは、基部材40Cにおける上方に曲折された端部とこの端部に対向するスロープ部40Dの端部とで構成されている。
【0033】
起立用ロック部材42は、起立用係止部40Bの開口部を覆うための被覆部42Aと、被覆部42Aから架台上ガイド部32の長手方向、且つ、架台上ガイド部32の中間位置の側と反対側に突出する丸棒状の軸部42Bと、軸部42Bにおける被覆部42Aと反対側の端部に結合された起立用ブラケット42Cと、を有し、軸部42Bにおいて起立用ばねホルダ56に摺動自在に支持されている。起立用ばねホルダ56は、板状体がコ字状に曲折された部材の開口部を他の板材で閉塞した略長方形の中空構造体でビーム部材34Aの長手方向(架台上ガイド部32の長手方向と直角な方向)の中央部を構成している。起立用ロック部材42の軸部42Bは、起立用ばねホルダ56における架台上ガイド部32の長手方向の両側の側壁部に形成された貫通孔に嵌合している。
【0034】
起立用ばね部材44は圧縮コイルばねであり、起立用ばねホルダ56における架台上ガイド部32の長手方向両側の側壁部の間に起立用ロック部材42の軸部42Bを取巻くように装架されている。
【0035】
起立用ストッパ要素46は起立用ロック部材42の軸部42Bの外周に固着されたリング状の部材で、起立用ばねホルダ56における架台上ガイド部32の長手方向の片側(被覆部42Aの側)の側壁部と起立用ばね部材44との間に設置されている。常態(起立用ストッパ要素46が起立用ばねホルダ56の側壁部に接触した状態)で起立用ロック部材42の被覆部42Aが起立用係止部40Bの開口部を覆うように位置決めされて、起立用ストッパ要素46は起立用ロック部材42の軸部42Bの外周に固着されている。
【0036】
格納用ロック部材48は、格納用被係止部28を下方から支持して脚部26を上部構造部24に格納された姿勢に保持するための保持部48Aと、保持部48Aから架台上ガイド部32の長手方向、且つ、架台上ガイド部32の中間位置の側と反対側に突出する丸棒状の軸部48Bと、軸部48Bにおける保持部48Aと反対側の端部に結合された格納用ブラケット48Cと、を有し、軸部48Bにおいて格納用ばねホルダ58に摺動自在に支持されている。保持部48Aは、下面部の少なくとも一部が架台上ガイド部32の長手方向の中間位置から離れる方向に下り傾斜する斜面部となっており、下方から接近する格納用被係止部28がこの斜面部に当接することにより格納用ロック部材48は格納用被係止部28を下方から支持する位置から離間する方向に付勢されるようになっている。格納用ばねホルダ58は、板状体がコ字状に曲折された部材で張出し部材59を介してビーム部材34Aに結合されている。格納用ロック部材48の軸部48Bは、格納用ばねホルダ58の対向する2つの側壁部に形成された貫通孔に嵌合している。
【0037】
格納用ばね部材50は起立用ばね部材44と同様に圧縮コイルばねであり、格納用ばねホルダ58の対向する2つの側壁部の間に格納用ロック部材48の軸部48Bを取巻くように装架されている。
【0038】
格納用ストッパ要素52は起立用ストッパ要素46と同様に格納用ロック部材48の軸部48Bの外周に固着されたリング状の部材で、格納用ばねホルダ58における保持部48Aの側の側壁部と格納用ばね部材50との間に設置されている。常態(格納用ストッパ要素52が格納用ばねホルダ58における保持部48Aの側の側壁部に接触した状態)で格納用ロック部材48の保持部48Aが格納用被係止部28を下方から支持する位置に保持されるように位置決めされて、格納用ストッパ要素52は格納用ロック部材48の軸部48Bの外周に固着されている。
【0039】
リンク機構54は、ハンドル60と、ベルクランク機構62と、起立用ロック部材42の起立用ブラケット42C及び格納用ロック部材48の格納用ブラケット48Cを連結する連結部材64と、を備えている。ハンドル60は、架台上ガイド部32の長手方向(起立用ロック部材42及び格納用ロック部材48の摺動方向)と直角な方向に摺動可能であるように上部構造部24に設置されている。ベルクランク機構62は、架台上ガイド部32の長手方向(起立用ロック部材42及び格納用ロック部材48の摺動方向)と直角な方向のハンドル60の動きを起立用ロック部材42及び格納用ロック部材48の摺動方向に変換し、且つ、ハンドル60に作用する力を増幅して連結部材64に伝達するように構成されている。連結部材64は、コ字状に曲折された部材で対向する2つの壁部が上下方向に並ぶように配置され上側壁部においてピン部材66を介して起立用ブラケット42Cに係合され、下側壁部においてピン部材68を介して格納用ブラケット48Cに係合されている。起立用ブラケット42Cには起立用ロック部材42の摺動方向に長い長孔70が形成されており、起立用ブラケット42Cは長孔70においてピン部材66を介して連結部材64に係合されている。又、格納用ブラケット48Cにも格納用ロック部材48の摺動方向に長い長孔71が形成されており、格納用ブラケット48Cもこの長孔71においてピン部材68を介して連結部材64に係合されている。
【0040】
可動パレット22は、略長方形の枠部72と、枠部72に支持された上面部74と、枠部72の4つの角部近傍に回転自在に取付けられた4つの外側ローラ76と、同様に枠部72の4つの角部近傍に回転自在に取付けられた4つの内側ローラ78と、を備えている。可動パレット22は、外側ローラ76において荷台上ガイド部18に係合し、内側ローラ78において架台上ガイド部32に係合している。又、可動パレット22には、可動パレット22の移動方向に長い一対のフォークポケット80と、同様に可動パレット22の移動方向に長い一対のローラスケート用レール82と、が設けられている。
【0041】
次に、スライドパレットユニット16の使用方法について説明する。
【0042】
まず、貨物車10の荷台12に荷物14を荷積みする場合の使用方法について説明する。始めに作業者は、車体の側壁部を開放し、仮設架台部20が一対の荷台上ガイド部18の内側に格納され更にこれらの上に可動パレット22が配置された状態のスライドパレットユニット16を貨物車10の荷台12に積み込む。尚、スライドパレットユニット16は予め貨物車10の荷台12に積み込んでおいてもよい。スライドパレットユニット16の積み込みにフォークリフト等を用いる場合には、フォークポケット80を利用することができる。荷台上ガイド部18は荷台12の上に載置されていればよい。又、必要に応じて所定の治具やボルト等で荷台上ガイド部18を荷台12の上に固定してもよい。
【0043】
次に作業者は、脚部26が上部構造部24に格納された状態の仮設架台部20を荷台上ガイド部18に沿って移動させ仮設架台部20を荷台12の上から水平方向に突出させる。尚、この際、仮設架台部20は転動する小ローラ33により下方から支持される。
【0044】
次に、作業者は、ハンドル60を引っ張り、起立用ばね部材44及び格納用ばね部材50の付勢力に抗して格納用ロック部材48が格納用被係止部28を下方から支持する位置から離間する方向に格納用ロック部材48を摺動させる。これにより、格納用被係止部28及びこれに連結された脚部26は格納用ロック部材48から解放され、脚部26は下方に回転する。尚、この際、起立用ロック部材42も起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間する。脚部26が下方に回転し始めたら作業者はハンドル60から手を離す。これにより、起立用ばね部材44及び格納用ばね部材50の付勢力によって格納用ロック部材48は格納用被係止部28を下方から支持していた位置に戻り、起立用ロック部材42も起立用係止部40Bの開口部を覆う位置に戻る。
【0045】
図10に示されるように、脚部26が下方に回転する際、斜材部38の上部構造部側摺動部38Bは、斜材部用ガイド部40の摺動面部40Aを摺動して起立用係止部40Bの方向に向かい、起立用係止部40Bの開口部を覆う起立用ロック部材42に当接する。これにより、起立用ロック部材42は、起立用ばね部材44の付勢力に抗して起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から再度離間し、斜材部38の上部構造部側摺動部38Bは起立用係止部40Bに嵌合する。これにより、脚部26は起立した姿勢となる。起立用ロック部材42はベルクランク機構62を介してハンドル60に連結されているのでハンドル60を操作する力が増幅されて起立用ロック部材42に伝達される反面、起立用ロック部材42側に作用する力は小さくなってハンドル60に伝達される。従って、ハンドル60は起立用ロック部材42が摺動するための抵抗になりうるが、起立用ブラケット42Cには起立用ロック部材42の摺動方向に長い長孔70が形成されており、起立用ブラケット42Cは長孔70においてピン部材66を介して連結部材64に係合されているので、ベルクランク機構62やハンドル60を動かすことなく、起立用ロック部材42は起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間する方向に滑らかに摺動する。
【0046】
斜材部38の上部構造部側摺動部38Bが起立用係止部40Bに嵌合すると、起立用ロック部材42は上部構造部側摺動部38Bから解放され、起立用ばね部材44の付勢力によって起立用ロック部材42は起立用係止部40Bの開口部を覆う位置に戻る。これにより上部構造部側摺動部38Bは起立用係止部40Bに保持され、脚部26が起立した姿勢に保持される。
【0047】
尚、必要に応じて、ターンバックル式の補助サポート31A、31Bを脚部26と上部構造部24との間に装架する。又、必要に応じて脚部26の長さが地面のレベルに合うように長さロック機構36を操作して脚部26の長さを調整する。長さロック機構36は、ラックとピニオンを備える構成であるので、例えば地面の段差が大きく脚部の長さの調整量が大きい場合であっても、脚部の長さの調整作業を迅速に完了することができる。2対の脚部26に対して以上の作業を行うことにより、仮設架台部20の設置が完了する。
【0048】
次に作業者は、人力により可動パレット22を荷台12の上から仮設架台部20の上に移動させる。可動パレット22は、荷台上ガイド部18及び架台上ガイド部32に案内されて仮設架台部20の上に滑らかに移動する。
【0049】
この状態で、クレーン等で荷物14を吊り上げて可動パレット22の上に上方から荷物14を載置する。貨物車10はウィング型と称される箱型の車体を備え、側壁部を開放した状態でも荷台12の上に車体の側壁部を構成していた部分が存在するが、荷台12の車幅方向の側方に突出して設置されている仮設架台部20の上に可動パレット22があるので、クレーン等で荷物14を可動パレット22の上に上方から容易に積み込むことができる。
【0050】
次に、作業者は、人力により可動パレット22を荷台12の方に移動させて可動パレット22と共に荷物14を荷台12の上に収容する。これにより、貨物車10の荷台12への荷物14の荷積み作業が完了する。
【0051】
次に、作業者は、上記と逆の手順で仮設架台部20を荷台12の上に格納する。具体的には、まず作業者は、長さロック機構36を操作して脚部26の下脚部26Bを上脚部26Aに引き込ませ脚部26を縮んだ状態とする。次に、作業者はハンドル60を引っ張り、起立用ばね部材44及び格納用ばね部材50の付勢力に抗して起立用ロック部材42が起立用係止部40Bの開口部を覆う位置から離間する方向に起立用ロック部材42を摺動させる。尚、この際、格納用ロック部材48も格納用被係止部28を下方から支持していた位置から離間する。この状態で、人力により脚部26を上方(格納する方向)に少し回転させると斜材部38の上部構造部側摺動部38Bが起立用係止部40Bから離脱する。これにより脚部26を更に上方(格納する方向)に回転させることが可能になる。尚、上部構造部側摺動部38Bが起立用係止部40Bから離脱する位置まで脚部26を回転させたらハンドル60から手を離す。これにより、起立用ばね部材44及び格納用ばね部材50の付勢力によって起立用ロック部材42は起立用係止部40Bの開口部を覆う位置に戻る。又、格納用ロック部材48も格納用被係止部28を下方から支持していた位置に戻る。人力により脚部26を更に上方(格納する方向)に回転させて格納用被係止部28が格納用ロック部材48の保持部48Aの下面の斜面部に当接すると、格納用ロック部材48は格納用ばね部材50の付勢力に抗して格納用被係止部28を下方から支持していた位置から離間する。格納用ブラケット48Cには格納用ロック部材48の摺動方向に長い長孔71が形成されており、格納用ブラケット48Cは長孔71においてピン部材68を介して連結部材64に係合されているので、ベルクランク機構62やハンドル60を動かすことなく、格納用ロック部材48は格納用被係止部28を下方から支持していた位置から離間する方向に滑らかに摺動する。脚部26を更に上方に回転させて格納用被係止部28が格納用ロック部材48の保持部48Aよりも上側まで上昇すると、格納用ロック部材48は格納用被係止部28から解放され、格納用ばね部材50の付勢力によって格納用ロック部材48は格納用被係止部28を下方から支持する位置に戻る。これにより、脚部26は上部構造部24に格納された姿勢に保持される。2対の脚部26に対して以上の作業を行うことにより、上部構造部24への脚部26の格納が完了する。
【0052】
次に作業者は、脚部26が上部構造部24に格納された状態の仮設架台部20を荷台12の上へ移動させる。仮設架台部20は、一対の荷台上ガイド部18の内側に格納される。更に、車体の側壁部を閉じることにより格納作業が完了する。
【0053】
尚、貨物車10の荷台12から荷物14を荷降ろしする場合は、上記の荷積み作業と同様の要領で仮設架台部20を荷台12の外側に設置し、図1に示されるように人力により可動パレット22と共に荷物14を荷台12の上から仮設架台部20の上に移動させ、クレーン等で荷物14を吊り上げて可動パレット22の上から荷物14を降ろせばよい。
【0054】
このように、斜材部38の上部構造部側摺動部38Bが起立用係止部40Bに嵌合すると共に起立用ロック部材42が起立用係止部40Bの開口部を覆うことで脚部26は起立姿勢に確実に保持されるので、スライドパレットユニット16は信頼性が高い。
【0055】
又、一対の架台上ガイド部32はいずれも仮設架台部20の上部構造部24に備えられているので、仮設架台部20を設置する際に一対の架台上ガイド部32を別々に荷台12の上から引き出す必要はなく、(脚部26が格納された)上部構造部24を1回だけ荷台12の上から引き出せばよいので、スライドパレットユニット16は荷台12への荷積み作業、荷台12からの荷降ろし作業の効率向上に寄与する。
【0056】
又、仮設架台部20の脚部26を起立させる作業、又は格納する作業においてリンク機構54のハンドル60の操作を作業開始時に1回だけ行えばよく、脚部26の起立姿勢の保持又は格納姿勢の保持は脚部ロック機構30により自動的に行われるので、スライドパレットユニット16はこの点でも荷台12への荷積み作業、荷台12からの荷降ろし作業の効率向上に寄与する。
【0057】
又、脚部26の長さロック機構36は、ラックとピニオンを備える構成であり、例えば地面の段差が大きく脚部の長さの調整量が大きい場合であっても、脚部の長さの調整作業を迅速に完了することができるので、スライドパレットユニット16はこの点でも荷台12への荷積み作業、荷台12からの荷降ろし作業の効率向上に寄与する。
【0058】
又、スライドパレットユニット16は、貨物車10の荷台12の上に容易に設置できるので、汎用性が高い。
【0059】
尚、本実施形態において、仮設架台部20は、脚部26を2対(4本)備えているが、例えば想定される荷物の重量が比較的軽いというような場合は、脚部26を1対(2本)だけ備える構成としてもよい。例えば、仮設架台部20における荷台12から離れる側にだけ1対(2本)の脚部を備える構成としてもよい。
【0060】
又、本実施形態において、仮設架台部20を荷台12における車幅方向の側方に設置し、可動パレット22が貨物車10の車幅方向に移動するようになっているが、仮設架台部20を荷台12の後方に設置し、可動パレット22が貨物車10の前後方向に移動するようにしてもよい。
【0061】
又、本実施形態において、可動パレット22は荷台上ガイド部18の両側に突出可能であるが、例えば可動パレット22が貨物車10の車幅方向の一方の側方だけ、又は後方だけに突出すれば足りる場合には、可動パレットが荷台上ガイド部の片側だけに突出可能である構成としてもよい。
【0062】
又、本実施形態において、貨物車10はウィング型と称される箱型の車体を備えているが、他のタイプの箱型の車体や平ボディを供える貨物車にも本発明は適用可能である。又、貨物車はトラックに限定されず、例えばトレーラーや貨物列車にも本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、貨物車等に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10…貨物車
12…荷台
16…スライドパレットユニット
18…荷台上ガイド部
20…仮設架台部
22…可動パレット
24…上部構造部
26…脚部
26A…上脚部
26B…下脚部
28…格納用被係止部
30…脚部ロック機構
32…架台上ガイド部
36…長さロック機構
38…斜材部
38A…脚部側回転部
38B…上部構造部側摺動部
40…斜材部用ガイド部
40A…摺動面部
40B…起立用係止部
42…起立用ロック部材
44…起立用ばね部材
46…起立用ストッパ要素
48…格納用ロック部材
50…格納用ばね部材
52…格納用ストッパ要素
54…リンク機構
66、68…ピン部材
70、71…長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物車の荷台に設置される荷台上ガイド部と、前記荷台に隣接して設置可能であると共に前記荷台に収容可能である仮設架台部と、前記荷台の上及び前記仮設架台部の上を移動可能である可動パレットと、を備え、
前記仮設架台部は、前記可動パレットを案内するための架台上ガイド部を備える上部構造部と、起立して前記上部構造部を下方から支持可能であると共に前記上部構造部に格納可能であるように前記上部構造部に回転可能に連結された脚部と、前記脚部を起立した姿勢に固定/解放自在である脚部ロック機構と、を有し、
前記脚部ロック機構は、前記脚部に回転可能に連結された脚部側回転部及び水平方向に沿う所定の摺動軌道で摺動可能であるように前記上部構造部に連結された上部構造部側摺動部を備え前記上部構造部側摺動部が前記上部構造部における所定の位置に保持されることにより前記脚部及び前記上部構造部の間に斜めに装架されて前記脚部を前記起立した姿勢に固定可能である斜材部と、前記斜材部の前記上部構造部側摺動部を前記摺動軌道に沿って案内するために前記所定の位置まで延在された摺動面部及び前記摺動面部に隣接して前記所定の位置に設けられ前記上部構造部側摺動部が嵌合可能であるように前記摺動面部よりも上下方向に凹み前記上部構造部側摺動部の摺動方向の移動を規制して前記所定の位置に前記上部構造部側摺動部を係止可能である起立用係止部を備える斜材部用ガイド部と、前記起立用係止部の開口部を覆うことにより前記上部構造部側摺動部を前記起立用係止部に保持可能、且つ、前記起立用係止部に向かって摺動する前記上部構造部側摺動部に当接されることにより前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間可能であるように前記摺動方向に進退動可能である起立用ロック部材と、前記起立用ロック部材を前記起立用係止部の開口部を覆う位置の方向に付勢する起立用ばね部材と、前記起立用ばね部材の付勢力に抗して前記起立用ロック部材を前記起立用係止部の開口部を覆う位置に係止するための起立用ストッパ要素と、を有する
ことを特徴とするスライドパレットユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記仮設架台部は、前記脚部に連結され前記脚部を前記上部構造部に格納された姿勢に保持するための格納用被係止部を更に備え、
前記脚部ロック機構は、前記格納用被係止部を下方から支持して前記脚部を前記上部構造部に格納された姿勢に保持可能、且つ、下方から接近する前記格納用被係止部に当接されることにより前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間可能であるように進退動可能である格納用ロック部材と、前記格納用被係止部を下方から支持する位置の方向に前記格納用ロック部材を付勢する格納用ばね部材と、前記格納用ロック部材を前記格納用ばね部材の付勢力に抗して前記格納用被係止部を下方から支持する位置に係止するための格納用ストッパ要素と、を更に有する
ことを特徴とするスライドパレットユニット。
【請求項3】
請求項2において、
前記格納用ロック部材は、前記起立用ロック部材が前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間する方向と同じ方向に移動することにより前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間するように構成され、
前記脚部ロック機構は、前記起立用ロック部材及び前記格納用ロック部材に連結されこれらの部材を前記起立用ばね部材及び前記格納用ばね部材の付勢力に抗して前記起立用ロック部材が前記起立用係止部の開口部を覆う位置から離間し前記格納用ロック部材が前記格納用被係止部を下方から支持する位置から離間する方向に付勢するためのリンク機構を更に備え、
前記リンク機構は、前記摺動方向に長い長孔及び前記長孔に係合するピン部材を介して前記起立用ロック部材及び前記格納用ロック部材に係合された
ことを特徴とするスライドパレットユニット。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記脚部を少なくとも一対備え、
対をなす2本の前記脚部が共通の前記格納用被係止部で連結され、
前記斜材部は、U字形状又はコ字形状で開口側の2つの端部が前記脚部側回転部であり該脚部側回転部において前記格納用被係止部を介して対をなす2本の前記脚部に回転可能に連結され、前記開口側の2つの端部とは反対側の端部が前記上部構造部側摺動部である
ことを特徴とするスライドパレットユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記脚部は、前記上部構造部に回転可能に連結された上脚部と、前記上脚部に摺動自在に嵌合する下脚部と、前記下脚部を前記上脚部に固定/解放自在の長さロック機構と、を備え、前記脚部の長さが調整可能である
ことを特徴とするスライドパレットユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のスライドパレットユニットを備えることを特徴とする貨物車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−11952(P2012−11952A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152295(P2010−152295)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000236551)株式会社浜名ワークス (11)