説明

スライド型ペンライト

【課題】 導線を使用することなく、簡単な構造で、発光体のオン/オフをスライド部の伸縮により自動で行うスライド型ペンライトの提供にある。
【解決手段】 持ち手部2から延出しているスライド部3と、持ち手部2からスライド部3の内空部に延出した突起部7と、スライド部3から延出している電力供給部4と、電力供給部4の先端に設けられた発光体5とを具備し、電力供給部4は、プラス端子4cと、固定端子41と可動端子42とから構成されたマイナス端子4dを備え、スライド部3が伸びた状態においては、可動端子42は固定端子41と接触状態をなし、スライド部3が縮んだ状態においては、突起部7が可動端子42を固定端子41から引き離すことにより、可動端子42は固定端子41と非接触状態をなすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮んだ状態では発光体は自動的に消灯状態となり、伸ばした状態では自動的に発光状態となるスライド型ペンライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライド型ペンライトとしては、持ち手部側にスイッチを備え、スライド部の内空部に導線が延出し、スライド部の先端に設けられた発光体と接続されているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−176301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のスライド型ペンライトでは、発光体のオン/オフにスイッチ操作が必要であり、利便性に難があった。また、縮んだ状態では、導線が座屈状態となり得るため、繰り返しの使用により、導線が切断(断線)されてしまうなど、耐久性に難があった。
【0005】
一方、このような導線が切断されてしまうという問題を解決するために、スライド部を2重構造とし、導線の代わりに内側に位置するスライド部を導体として利用するものが提案されていた。
【0006】
しかしながら、このようにスライド部を2重構造とすることは、構造が複雑となり、その結果、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決する為になされたものであり、導線を使用することなく、簡単な構造で、発光体のオン/オフをスライド部の伸縮により自動で行うスライド型ペンライトの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、持ち手部と、前記持ち手部から延出している伸縮自在なスライド部と、前記持ち手部から前記スライド部の内空部に所定の長さ延出した突起部と、前記スライド部から更に延出している電力供給部と、前記電力供給部の先端に設けられ、前記電力供給部からの電力により発光する発光体とを具備し、前記電力供給部は、長手方向の両端部にプラス端子とマイナス端子が対向して設けられ、前記持ち手部の側に設けられた前記プラス端子若しくは前記マイナス端子は、長手方向に接離可能な固定端子と可動端子とから構成され、前記スライド部が伸びた状態においては、前記可動端子は前記固定端子と所定の接圧にて接触状態をなして導通し、前記スライド部が縮んだ状態においては、前記突起部が前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に押し上げることにより、前記可動端子は前記固定端子と非接触状態をなし非導通となることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスライド型ペンライトにおいて、前記可動端子はバネ材の反力により前記固定端子に接触なされ、前記突起部が、当該反力に逆らって、前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に押し上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記の構成としたことにより、以下の効果を奏する。
【0011】
請求項1の発明によれば、スライド部の先端から延出した電力供給部及び発光体を備えているため、持ち手部から発光体に向けて、スライド部の内空部に導線を延出させる必要がなく、その結果、耐久性に優れる。
【0012】
また、スライド部が伸びた状態では、固定端子と可動端子が接触(導通)状態となり、縮んだ状態では、突起部が可動端子を押し上げて、固定端子と可動端子が非接触(非導通)状態となるため、スイッチ操作を必要とせず、スライド部の伸縮により、自動的に発光体のオン/オフを行うことができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、可動端子はバネ材の反力により、所定の接圧にて固定端子に接触されているため、スライド部の伸縮に追従して、突起部により当該バネ材の反力に逆らって、可動端子を固定端子から引き離すことができる。よって、簡単な構成でありながらも、スライド部の伸縮により、可動端子と固定端子の接触/非接触を切り換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態.
以下、本発明に係るスライド型ペンライトの一実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態におけるスライド型ペンライトは、発光体の近傍にミラー(必要に応じてプリズムミラー)を設けて構成され、例えば、暗くて狭い場所での下水管の埋設作業、内部検査、汚物(異物)の有無検査などの使用に好適なものとしている。
【0015】
図1は、本発明に係る一実施形態のスライド型ペンライトの伸びた状態を示す側面図である。図2は、図1に示すスライド型ペンライトの部分縦断面図である。図3は、本発明に係る一実施形態のスライド型ペンライトの縮んだ状態を示す側面図である。図4は、図3に示すスライド型ペンライトの部分縦断面図である。
【0016】
図1〜図4において、1はスライド型ペンライトである。以下、スライド型ペンライト1の構成について説明する。
【0017】
2は利用者が手でスライド型ペンライト1を保持して使用するための持ち手部である。
【0018】
3は持ち手部2から伸縮自在に延出したスライド部であり、内部は中空となっている。
【0019】
4はスライド部3から更に延出した電力供給部であり、内部に乾電池などの電力供給源4aが備えられている。
【0020】
5は電力供給部4の先端に設けられた発光体であり、本実施の形態では、電球あるいはLED(Light Emitting Diode)が使用されている。
【0021】
6はスライド型ペンライト1の先端部、すなわち、発光体5の近傍に設置されたミラー(必要に応じてプリズムミラー)である。本実施形態におけるスライド型ペンライト1は上述した通り、下水管の埋設作業、内部検査、汚物(異物)の有無検査などの使用に好適なものであり、スライド型ペンライト1を伸ばし、発光体5からミラー6に光を照射した状態で使用することにより、暗くて狭い場所でも利便性良く作業を行うことができる。
【0022】
7は持ち手部2からスライド部3の内空部に所定の長さ延出した突起部である。
【0023】
以下、電力供給部4の構造について、詳細に説明する。
【0024】
4bは電力供給部4の筐体であり、導電性を有する金属で形成されている。4cはプラス端子である。4dはマイナス端子であり、固定端子41とバネ材(コイルバネ)4eにより固定端子41に圧接なされる可動端子42から構成されている。
【0025】
すなわち、発光体5は、電力供給源4aのプラス極からプラス端子4c、導体として機能する筐体4b、マイナス端子4d(固定端子41及び可動端子42)、バネ材4e、電力供給源4aのマイナス極の順に電流が流れることにより発光する。なお、プラス端子4cとマイナス端子4dが逆になった構成も成り立つことは言うまでもない。
【0026】
図2に示す通り、スライド型ペンライト1が伸びた状態では、バネ材4eの反力により可動端子42が固定端子41に圧接なされ、導通状態となっている。
【0027】
一方、図4に示す通り、スライド型ペンライト1が縮んだ状態では、可動端子42が突起部7により固定端子41から引き離され、非導通状態となっている。
【0028】
すなわち、スライド部3を縮めていくと、やがて突起部7が可動端子42に当接し、その後更に縮めていくと、バネ材4eの反力に逆らいながら、突起部7により可動端子42は押し上げられ、固定端子41から離れる。
【0029】
次に、スライド部3を伸ばしていくと、突起部7が可動端子42から離れていくため、可動端子42はバネ材4eの反力により、固定端子41の側に押し戻され、やがて接触(導通)状態となる。
【0030】
以上に説明した通り、本実施形態に係るスライド型ペンライト1では、スライド部3の先端から延出した電力供給部4及び発光体5を備えているため、持ち手部2から発光体5に向けて、スライド部3の内空部に導線を延出させる必要がなく、その結果、耐久性に優れる。
【0031】
また、スライド部3が伸びた状態では、固定端子41と可動端子42が接触(導通)状態となり、縮んだ状態では、突起部7が可動端子42を押し上げて、固定端子41と可動端子42が非接触(非導通)状態となるため、スイッチ操作を必要とせず、スライド部3の伸縮により、自動的に発光体5のオン/オフを行うことができる。したがって、利便性豊かなスライド型ペンライト1が実現できる。
【0032】
そして、可動端子42はバネ材4eの反力により、所定の接圧にて固定端子41に接触されているため、スライド部3の伸縮に追従して、突起部7によりバネ材4eの反力に逆らって、可動端子42を固定端子41から引き離すことができる。よって、簡単な構成でありながらも、スライド部3の伸縮により、可動端子42と固定端子41の接触/非接触を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る一実施形態のスライド型ペンライトの伸びた状態を示す側面図である。
【図2】図1に示すスライド型ペンライトの部分縦断面図である。
【図3】本発明に係る一実施形態のスライド型ペンライトの縮んだ状態を示す側面図である。
【図4】図3に示すスライド型ペンライトの部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 スライド型ペンライト
2 持ち手部
3 スライド部
4 電力供給部
4c プラス端子
4d マイナス端子
4e バネ材
5 発光体
7 突起部
41 固定端子
42 可動端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち手部と、
前記持ち手部から延出している伸縮自在なスライド部と、
前記持ち手部から前記スライド部の内空部に所定の長さ延出した突起部と、
前記スライド部から更に延出している電力供給部と、
前記電力供給部の先端に設けられ、前記電力供給部からの電力により発光する発光体と
を具備し、
前記電力供給部は、長手方向の両端部にプラス端子とマイナス端子が対向して設けられ、
前記持ち手部の側に設けられた前記プラス端子若しくは前記マイナス端子は、長手方向に接離可能な固定端子と可動端子とから構成され、
前記スライド部が伸びた状態においては、前記可動端子は前記固定端子と所定の接圧にて接触状態をなして導通し、
前記スライド部が縮んだ状態においては、前記突起部が前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に押し上げることにより、前記可動端子は前記固定端子と非接触状態をなし非導通となる
ことを特徴とするスライド型ペンライト。
【請求項2】
前記可動端子はバネ材の反力により前記固定端子に接触なされ、
前記突起部が、当該反力に逆らって、前記可動端子を前記固定端子から離れる方向に押し上げる
ことを特徴とする請求項1に記載のスライド型ペンライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−4224(P2009−4224A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163775(P2007−163775)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(390003779)宣真工業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】