説明

スライド型電気部品

【課題】スライド部材のスライド方向と直交する方向の寸法を小型化すること。
【解決手段】収納部を有するケース2と、ケース2内をスライド移動可能に設けられたスライド部材5と、スライド部材5のスライド移動を検出するスライド移動検出手段と、スライド部材5のスライド移動に伴って当該スライド部材5に設けた係合片53aと係脱する係合突部41を備えた板ばね4と、スライド部材5のスライド移動に伴って弾性変形してスライド部材5を操作前の状態に復帰させるコイルばね3とを備え、板面が収納部の内底面と交差するように板ばね4を配置すると共に、コイルばね3の圧縮方向における延長線上に板ばね4の係合突部41の一部を突出させたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド型電気部品に関し、特に、携帯ゲーム機などの電源のオン/オフを切り替えるためのスライドスイッチ等に好適なスライド型電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケース本体とケースカバーとで画成された収容室内に、スライド部材の前後移動に応じて伸縮してスライド部材を中立位置に自動復帰させるコイルばねを設けると共に、スライド部材のスライド切り換え操作にクリック感を与える凹部及び凸部からなるクリック機構における凸部をケースカバーに設ける一方、凹部をスライド部材に設けたスライドスイッチが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このスライドスイッチにおいては、コイルばねをスライド部材の一方の側面近傍の下方側領域でスライド方向に延出するように配置する一方、クリック機構における凹部をスライド部材の上面の中央近傍にスライド方向に沿って並べて設けている。
【特許文献1】特開2007−323942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のスライドスイッチにおいては、コイルばねと、クリック機構とがスライド部材のスライド方向と直交する方向に並べて配置されることから、当該方向におけるスライドスイッチの寸法が大きくなるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みて為されたものであり、スライド部材のスライド方向と直交する方向の寸法を小型化することができるスライド型電気部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスライド型電気部品は、収納部を有するケースと、このケース内をスライド移動可能に設けられたスライド部材と、このスライド部材のスライド移動を検出するスライド移動検出手段と、前記スライド部材のスライド移動に伴って当該スライド部材に設けた係合部と係脱する係合突部を備えた板ばねと、前記スライド部材のスライド移動に伴って弾性変形して当該スライド部材を操作前の状態に復帰させるコイルばねとを具備し、板面が前記収納部の内底面と交差するように前記板ばねを配置すると共に、前記コイルばねの圧縮方向における延長線上に前記板ばねの前記係合突部の少なくとも一部を突出させたことを特徴とする。
【0006】
上記スライド型電気部品によれば、板ばねがケースの収納部の内底面と交差するように配置されると共に、コイルばねと板ばねの係合突部とがオーバーラップするように配設されることから、スライド部材の自動復帰機能とスライド操作に伴うクリック機構とを有するスライド型電気部品においても、スライド部材のスライド方向と直交する方向のケースの寸法を低減することができるので、当該方向の寸法を小型化したスライド型電気部品を提供することが可能となる。
【0007】
本発明のスライド型電気部品においては、前記スライド部材に埋設した第1の金属板の一部で前記係合部を構成すると共に、一部に前記係合突部が形成された第2の金属板で前記板ばねを構成することが好ましい。この場合には、クリック機構を構成するスライド部材の係合部及び板ばねの係合突部の双方を金属材で構成することができるので、長期間に亘って良好なクリック感触を確保することが可能となる。
【0008】
特に、本発明のスライド型電気部品においては、前記第1の金属板の一部を折り曲げた係合片で前記係合部を構成し、当該係合片の一側端部で金属線材からなる前記コイルばねを圧縮するように駆動することが好ましい。この場合には、クリック機構の一部として機能する第1の金属板の係合片の一側端部でコイルばねを圧縮駆動することができるので、スライド部材のスライド方向と直交する方向に必要となるケースの寸法をより低減でき、当該方向のスライド型電気部品の寸法をより小型化することが可能となる。また、第1の金属板の一部である係合片で金属線材からなるコイルばねを圧縮駆動するので、長期間に亘って精度良くスライド部材を自動復帰させることが可能となる。
【0009】
また、本発明のスライド型電気部品において、前記スライド部材は、前記係合部が前記コイルばねの一端と前記板ばねの前記係合突部との間に配置された第1状態を基準として、一方向へスライド移動すると前記コイルばねが圧縮される第2状態となる一方、他方向へスライド移動すると前記係合部が前記係合突部と係脱して第3状態となり、前記係合部の側端部が前記係合突部と当接可能に対向して前記第3状態に保持されることが好ましい。この場合には、一方向へスライド移動させた場合にスライド部材を自動復帰させる一方、他方向へスライド移動させた場合にクリック感触を生起させながら、スライド部材をロック(ホールド)状態に保持することができるスライド型電気部品を提供することが可能となる。例えば、未使用状態の場合に第3状態(ロック(ホールド)状態)に保持することにより、不所望な操作を防止することができるスライド型電気部品を提供することが可能となる。より具体的には、本スライド型電気部品を電源スイッチに適用する場合に、誤って電源スイッチがオン状態とされる事態を防止でき、バッテリ等の消耗を回避することが可能となる。
【0010】
さらに、本発明のスライド型電気部品において、前記収納部は、前記内底面に立設された隔壁により区画される第1収納部と第2収納部とを有し、前記第1収納部に前記スライド移動検出手段を収納する一方、前記第2収納部に前記コイルばね及び板ばねを収納することが好ましい。この場合には、スライド移動検出手段とコイルばね及び板ばねとが、それぞれ隔壁により仕切られた第1収納部と第2収納部とに収納されることから、スライド部材のスライド移動に伴ってスライド部材の係合部又は板ばねの係合突部等から摩耗粉が発生した場合においても、当該摩耗粉がスライド移動検出手段側に侵入する事態を低減できるので、信頼性に優れたスライド型電気部品を提供することが可能となる。
【0011】
例えば、本発明のスライド型電気部品において、前記スライド移動検出手段は、前記第1収納部の内底面から露出する固定接点又は導電パターンと、前記スライド部材に設けられ、前記固定接点又は導電パターンと摺接する可動接点とから構成される。このように接触式のスライド移動検出手段を採用する場合においても、スライド部材のスライド移動に伴って発生した摩耗粉が固定接点等に対する可動接点の摺接部分に侵入する事態を防止でき、信頼性を高めることが可能となる。
【0012】
さらに、本発明のスライド型電気部品において、前記第1の金属板は、前記スライド部材のスライド移動方向に沿って当該スライド部材の一端から他端に亘って延設されることが好ましい。この場合には、第1の金属板がスライド部材の一端から他端に亘って延設されているので、スライド部材が樹脂材料で形成され、小型化される場合においても、その強度を確保することが可能となる。
【0013】
特に、本発明のスライド型電気部品においては、前記第1の金属板の一部を、前記収納部を蓋閉するカバー部材と前記隔壁の端面との間に配置し、当該第1の金属板の一部で前記スライド部材がスライド移動可能に案内されることが好ましい。この場合には、スライド部材のスライド移動の案内に利用される第1の金属板の一部で隔壁とカバー部材との隙間を小さくすることができるので、スライド部材のスライド移動に伴って発生した摩耗粉をスライド移動検出手段側に侵入し難くすることができ、より信頼性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、板ばねがケースの収納部の内底面と交差するように配置されると共に、コイルばねと板ばねの係合突部とがオーバーラップするように配設されることから、スライド部材の自動復帰機能とスライド操作に伴うクリック機構とを有するスライド型電気部品においても、スライド部材のスライド方向と直交する方向のケースの寸法を低減することができるので、当該方向の寸法を小型化したスライド型電気部品を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本発明に係るスライド型電気部品は、例えば、携帯ゲーム機などの電源のオン/オフを切り替えるためのスライドスイッチに好適に利用される。以下においては、本実施の形態に係るスライド型電気部品をスライドスイッチに適用する場合について説明するが、本実施の形態に係るスライド型電気部品が適用される対象についてはこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係るスライド型電気部品としてのスライドスイッチ1の分解斜視図である。図2及び図3は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1の外観を示す斜視図である。図4は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1が有するケース2の上面図(平面図)である。なお、図2においては、後述するスライド部材5の操作部52の反対側から見た斜視図を示し、図3においては、スライド部材5の操作部52側から見た斜視図を示している。また、以下においては、説明の便宜上、図1に示す右下方側をスライドスイッチ1の右方側と呼び、同図に示す左上方側をスライドスイッチ1の左方側と呼ぶものとする。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係るスライドスイッチ1は、スイッチ本体の底面及び側面を構成するケース2と、このケース2の所定位置に収納されるコイルばね3、板ばね4及びスライド部材5と、これらの部材を収納した状態のケース2に被せられ、スイッチ本体の上面を構成するカバー部材6とを備えて構成されている。
【0018】
ケース2は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、概して扁平な直方体形状を有している。ケース2には、上方側に開口した収納部が設けられている。この収納部は、特に図4に示すように、ケース2の内底面にケース2の長手方向に沿って立設された隔壁21により区画された第1収納部22及び第2収納部23で構成されている。また、第2収納部23は、ケース2の内底面にケース2の長手方向に沿って立設された仕切り壁24により仕切られた第1ばね収納部25及び第2ばね収納部26で構成されている。第1収納部22には、その一部を側方側に突出した状態でスライド部材5が収納される。第2収納部23の第1ばね収納部25には、コイルばね3が収納され、第2ばね収納部26には、板ばね4が収納される。
【0019】
上述した仕切り壁24の中央には切欠き部24aが形成されており、仕切り壁24は、ケース2の長手方向に沿って2つに分割されている。なお、この切欠き部24aは、後述する板ばね4の係合突部41の一部を、第1ばね収納部25に収納されたコイルばね3の圧縮方向の延長線上の位置へ突出させるために設けられている。第1ばね収納部25は、このように分割されている仕切り壁24に対応して、スライド部材5のスライド方向(ケース2の長手方向)に沿って設けられた一対のばね収納部で構成されている。以下においては、スライドスイッチ1の右方側の第1ばね収納部25にのみコイルばね3を収納する場合について説明するが、スライドスイッチ1の仕様に応じて左方側の第1ばね収納部25にのみコイルばね3を収納するようにしても良い。
【0020】
第1収納部22の内底面には、スライド移動検出手段の一部を構成する複数の固定接点27がその一部を露出するように埋設されている(図4参照)。これらの固定接点27は、スライド部材5のスライド方向に沿って所定間隔を有して配置されており、後述するスライド部材5に設けられた可動接点7と摺接することでスライド部材5のスライド移動を検出可能に構成されている。
【0021】
ここで、ケース2に埋設される固定接点27の構成について説明する。図5は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1が有するケース2に埋設される固定接点27の上面図である。図5に示すように、固定接点27は、同図に示す中央近傍に配置された共通固定接点27aと、この共通固定接点27aの右方側に配置される中央固定接点27bと、この中央固定接点27bの右方側に配置される右方側固定接点27cと、共通固定接点27aの左方側に配置される左方側固定接点27dとを有している。これらの固定接点27は、ケース2の内底面の内部を引き回されると共に、その一端がケース2の長辺を構成する側壁2a(図1に示す手前側の側壁)の中央近傍から導出され、スライド部材5のスライド移動状態に応じた信号を外部出力できるように構成されている。
【0022】
第1収納部22は、このように固定接点27が埋設された内底面と、隔壁21の一面と、内底面の側端部から上方側に立設された側壁2b(図1に示す奥側の側壁)の内壁面と、ケース2の短辺を構成する一対の側壁2c、2dの内壁面とで形成される空間で構成されている。側壁2bの中央近傍には、後述するスライド部材5の操作部52をスライド移動可能に露出させる開口部2eが設けられている。また、一対の側壁2c、2dにおける第1収納部22に対応する外壁面には、後述するカバー部材6の脚部62を収容する溝部2f、2gが設けられている。
【0023】
第2収納部23の一対の第1ばね収納部25は、隔壁21を挟んで第1収納部22の反対側の位置に設けられ、それぞれケース2の内底面と、隔壁21の一面と、側壁2c、2dの内壁面と、仕切り壁24の一面とで形成される空間で構成されている。仕切り壁24における切欠き部24a側の端部には、僅かに隔壁21側に屈曲した屈曲部24b、24cが設けられ、これらに対応する隔壁21の位置に設けられた突出片21a、21bと共にコイルばね3の内側一端を係止するように構成されている。なお、これらの屈曲部24b、24cと、突出片21a、21bとの間には、後述するスライド部材5の係合片53aが通過できる隙間24d、24eが設けられている。
【0024】
第2収納部23の第2ばね収納部26は、仕切り壁24を挟んで第1ばね収納部25の反対側の位置に設けられ、ケース2の内底面と、内底面の側端部から上方側に立設された側壁2aの内壁面と、側壁2c、2dの内壁面と、仕切り壁24の一面とで形成される空間で構成されている。側壁2aの中央には、上方側に開口し、後述するカバー部材6の突出壁64を収容する開口部2hが設けられている。また、この開口部2hの外側に配置された側壁2aの外壁面には、後述するカバー部材6の係合腕部63と係合する一対の係合片2i、2jが設けられている。これらの係合片2i、2jは、側壁2bにも設けられている(図1に不図示、図3参照)。なお、これらの係合片2i、2jの表面には、テーパが設けられており、簡単にケース2に対してカバー部材6を取り付けられるように構成されている。また、側壁2aの内壁面には、スライド部材5のスライド移動に伴って板ばね4が変形する領域を確保するために開口部2hに向かって傾斜面2kが設けられている。
【0025】
コイルばね3は、金属線材から構成され、スライドスイッチ1の右方側の第1ばね収納部25に収納される。コイルばね3は、第1ばね収納部25内において、上述のように内側の一端が屈曲部24c及び突出片21bで係止される一方、他端が側壁2dの内壁面で係止された状態となっている。詳細について後述するように、コイルばね3は、スライド部材5のスライド移動に伴って弾性変形してスライド部材5をスライド操作前の状態に自動復帰させる役割を果たす。
【0026】
板ばね4は、長尺形状を有する金属製の板状部材(第2の金属板)を折り曲げることで形成されている。板ばね4の中央には、第2ばね収納部26に収納された状態で隔壁21側に突出するように係合突部41が設けられている。この係合突部41は、後述するスライド部材5の係合片53aと係脱してクリック感触(節度感触)を生起させるクリック機構の一部として機能する。板ばね4は、その板面がケース2の内底面と略直交状態で交差するように第2ばね収納部26に収納されており、特に、係合突部41が仕切り壁24の切欠き部24aからコイルばね3の圧縮方向の延長線上の位置へ突出するように配置されている。このため、ケース2においては、コイルばね3と係合突部41とがオーバーラップして配設できるものとなっている。
【0027】
スライド部材5は、例えば、絶縁性の樹脂材料で成形され、ケース2の長手方向に延在する本体部51と、この本体部51の中央部からスライド部材5のスライド方向と直交する方向に突出する操作部52とを有している。本体部51の上面には、金属製の板状部材53(第1の金属板)が埋め込まれている。この板状部材53には、その中央よりも僅かに右方側の位置に、板ばね4の係合突部41と係合する係合部として機能する係合片53aが設けられている。係合片53aは、スライド部材5が第1収納部22に収納された状態において、コイルばね3側に突出すると共に、その先端部を下方側に折り曲げて構成されている。この係合片53aは、スライド部材5のスライド移動に伴ってコイルばね3を圧縮するばね駆動部として機能する一方、板ばね4の係合突部41と係脱してクリック感触(節度感触)を生起させるクリック機構の一部として機能する。
【0028】
このように本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、クリック機構を構成するスライド部材5の係合片53a及び板ばね4の係合突部41を金属材料で構成している。これにより、スライド部材5のスライド移動に伴ってこれらの部材が摩耗し難くすることができるので、長期間に亘って良好なクリック感触を確保することが可能となっている。
【0029】
特に、本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、クリック機構の一部として機能する係合片53aの一側端部でコイルばね3を圧縮駆動することができるので、スライド部材5のスライド方向と直交する方向に必要となるケース2の寸法を低減でき、当該方向のスライドスイッチ1の寸法の小型化に寄与するものとなっている。また、係合片53aで金属線材からなるコイルばね3を圧縮駆動するようにしているので、長期間に亘って精度良くスライド部材5を自動復帰させることができるものとなっている。
【0030】
また、スライド部材5の本体部51の下面には、導電性を有する板状の金属材料で形成された可動接点7が取り付けられる。したがって、可動接点7は、本体部51を介して板状部材53と対向配置されるものとなる。可動接点7は、スライド移動検出手段の一部を構成するものであり、スライド部材5に固定される固定部71と、この固定部71からスライド部材5のスライド方向に延出する一対の腕部72a、72bとを有している。これらの腕部72a、72bは、弾性を有する摺動子を構成し、その先端部が僅かに下方側に延出するように設けられている。可動接点7は、固定部71でスライド部材5に固定され、スライド部材5と一体的にスライド移動可能に構成されている。そして、スライド部材5がスライド移動すると、腕部72a、72bの先端がケース2の固定接点27に摺接するように構成されている。
【0031】
ここで、スライド部材5の構成について説明する。図6及び図7は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1が有するスライド部材5の構成を説明するための斜視図である。図6においては、スライド部材5を上方側から見た斜視図を示し、説明の便宜上、板状部材53が埋め込まれる前の状態について示している。図7においては、スライド部材5を下方側から見た斜視図を示し、説明の便宜上、可動接点7を取り付ける前の状態について示している。
【0032】
図6に示すように、スライド部材5に埋め込まれる板状部材53は、スライド部材5の本体部51の一端から他端に亘って延在する固定部53bと、この固定部53bから操作部52側に突出する突出部53cとから構成されている。固定部53b及び突出部53cの所定位置には、スライド部材5への確実な埋設を確保するための複数の固定片53dが下方側に延出して設けられている。板状部材53は、その上面と操作部52の上面とが同一平面上に配置されるように、スライド部材5の成形時に本体部51の上面に重ねるようにして埋め込まれる。
【0033】
このように本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、板状部材53をスライド部材5のスライド移動方向に沿ってその一端から他端に亘って延設することにより、樹脂材料で構成されるスライド部材5の強度を確保している。特に、このように板状部材53を埋め込むことにより、スライド部材5が小型化される場合においても、その強度を確保でき、その動作の信頼性を高めることが可能となっている。
【0034】
スライド部材5の本体部51に埋め込まれた状態において、固定部53bは、図7に示すように、スライド部材5の本体部51よりも僅かに操作部52の反対側に延出する延出部53eを有している。この延出部53eの下面には、スライドスイッチ1が組み立てられた状態において、隔壁21の上端面が当接可能に対向するものとなっている。また、板状部材53の固定部53bの端部近傍、すなわち、延出部53eの上面には、突起からなる一対の突出片53fが設けられている。これらの突出片53fは、スライドスイッチ1が組み立てられた状態において、隔壁21の上端面の上方に位置して配設されると共に、カバー部材6の下面と当接可能に対向するものとなっている。
【0035】
また、スライド部材5の下面には、可動接点7が収容される凹部54がスライド部材5のスライド方向に沿って設けられている。この凹部54の中央には、可動接点7の固定部71が固定される円柱形状の突起からなる突出片54aが設けられている。そして、固定部71に形成された孔に突出片54aが挿通された状態で、この突出片54aの先端をかしめることにより、可動接点7がスライド部材5に取り付けられる。凹部54を構成する一方の側壁54b(操作部52側の側壁)は、突出片54aよりも下方側まで延出し、スライド部材5が第1収納部22に収納された状態において、その内底面に当接可能に対向するように構成されている。
【0036】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1が組み立てられた状態において、スライド部材5は、側壁54bの下端部で第1収納部22の内底面に接触すると共に、板状部材53の延出部53eの下面で隔壁21の上端部と接触し、板状部材53の一対の突出片53fでカバー部材6の下面に接触するように構成されている。スライド操作が行われると、スライド部材5は、これらの3つの接触点で案内されながらスライド移動するように構成されている。
【0037】
特に、本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、隔壁21の上端部と、カバー部材6の下面との間に板状部材53の延出部53eが配置されるように構成されている。これにより、延出部53eで隔壁21とカバー部材6との間に形成される案内部としての隙間を小さくすることができるので、スライド部材5のスライド移動に伴って発生した摩耗粉を第1収納部22に侵入し難くすることができ、信頼性に優れたスライドスイッチ1の動作を実現している。また、延出部53eが隔壁21の上端面と当接可能となっていることで、可動接点7の腕部72a、72bが過度に変形するのを防止して、適切な接点荷重が得られるようになっている。なお、スライド部材5の側壁54bも同様の機能を果たすものとなっている。
【0038】
ところで、上述したようなスライド部材5は、一対の係合片53aを有する板状部材53を埋め込んでおき、スライドスイッチ1の仕様に応じて一方の係合片53aを切断することで製造される。図8は、一方の係合片53aを切断する前の板状部材53が埋め込まれたスライド部材5の斜視図である。図8に示すように、一方の係合片53aが切断される前においては、スライド方向に沿って所定の間隔を空けて、板状部材53の固定部53bに一対の係合片53aが設けられている。本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、右方側の第1ばね収納部25にコイルばね3を収納し、右方側へスライド移動させたスライド部材5を操作前の状態に復帰させる構成を採るため、図8に示す左方側の係合片53aが切断されている。仮に、左方側の第1ばね収納部25にコイルばね3を収納し、左方側へスライド移動させたスライド部材5を操作前の状態に復帰させる構成を採る場合には、右方側の係合片53aを切断することでこのようなスライドスイッチ1に対応することができるものとなっている。
【0039】
カバー部材6は、金属製の板状部材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことで形成され、概して長方形状を有している。カバー部材6は、平板形状を有する上面部61と、カバー部材6の短辺を構成する上面部61の側面から下方側に垂下して設けられた一対の脚部62と、カバー部材6の長辺を構成する上面部61の側面から下方側に垂下して設けられた二対の係合腕部63とを有している。脚部62は、ケース2の溝部2f、2gに収容される位置に設けられており、その下端部近傍で外側に折り曲げられている。係合腕部63は、下端部近傍でそれぞれ内側に屈曲し、概してL字形状(逆L字形状)を有している。また、カバー部材6の一方の長辺を構成する上面部61の側面には、その中央部近傍から下方側に垂下する突出壁64が設けられている。この突出壁64は、ケース2の側壁2aに設けられた開口部2hに収容され、側壁2aから埃などが侵入するのを防止する役割を果たす。
【0040】
このような構成を有するスライドスイッチ1を組み立てると、図2及び図3に示すように、操作部52を外部に突出させた状態でスライド部材5がケース2内に収納され、その上方側からカバー部材6がケース2に取り付けられる。この場合において、カバー部材6は、図2及び図3に示すように、脚部62がケース2の溝部2f、2gに収容されると共に、突出壁64がケース2の開口部2hに収容された状態で、係合腕部63がケース2の係合片2i、2jの下方側に入り込むことでケース2に固定される。なお、ケース2の側壁2a、2bに設けられた係合片2i、2jの表面にはテーパが設けられているので、上方側からカバー部材6を押し込むだけで簡単に係合腕部63を係合片2i、2jの下方側に入り込ませることができるものとなっている。脚部62の下端部は、ケース2の側面から外側に突出した状態となっており、スライドスイッチ1が取り付けられる対象装置に半田付け等が可能となっている。
【0041】
ここで、このように組み立てられたスライドスイッチ1の内部の構成について説明する。図9及び図10は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1の斜視図及び上面図である。なお、図9及び図10においては、説明の便宜上、スライドスイッチ1からカバー部材6を取り外した状態について示している。また、図9及び図10においては、スライド部材5の初期状態、すなわち、スライド操作が行われていない状態について示している。
【0042】
図9及び図10に示すように、スライド部材5は、ケース2の側壁2bに設けられた開口部2eから操作部52を突出させた状態で本体部51がケース2の第1収納部22に収納されている。この場合、板状部材53の延出部53eが隔壁21の上端部に載置されて状態となっており、係合片53aが第2収納部23側に突出した状態となっている。ここで、上述したように、隔壁21の上端部とカバー部材6の上面部61の下面との間には、延出部53eを構成する金属板を通すだけの僅かな隙間が形成されている。そして、この隙間によって、板状部材53の延出部53eが案内されることで、スライド部材5がスライド移動するものとなっている。なお、スライド部材5のスライド移動をより円滑にするために、延出部53eには、隔壁21の上端部に対応する位置に複数の突出片53fが形成されたものとなっている。コイルばね3は、第2収納部23の右方側の第1ばね収納部25に収納され、板ばね4は、第2収納部23の第2ばね収納部26に収納されている。この場合、板ばね4は、係合突部41を仕切り壁24の切欠き部24aを介して隔壁21側に突出した状態で収納されており、係合突部41の一部がコイルばね3の圧縮方向の延長線上の位置に配置されている。図9及び図10に示すスライド部材5の初期状態においては、係合片53aは、係合突部41及びコイルばね3によって挟持され、仕切り壁24の屈曲部24cと隔壁21の突出片21bとの間の隙間24eに配置された状態となっている。このように係合片53aを係合突部41及びコイルばね3によって挟持していることから、初期状態においてスライド部材5がガタつくことが防止されている。なお、初期状態において、スライド部材5に固定された可動接点7の腕部72a、72bは、それぞれ共通固定接点27a、中央固定接点27bに接触した状態となっている。
【0043】
本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、第1収納部22にスライド移動検出手段を構成する固定接点27及び可動接点7を収納する一方、第2収納部23にコイルばね3及び板ばね4を収納している。これにより、スライド移動検出手段とコイルばね3及び板ばね4とが、それぞれ隔壁21により仕切られた第1収納部22と第2収納部23とに収納されることから、スライド部材5のスライド移動に伴ってスライド部材5の係合片53a又は板ばね4の係合突部41等から摩耗粉が発生した場合においても、当該摩耗粉がスライド移動検出手段側に侵入する事態を防止できるので、信頼性に優れたスライドスイッチ1を実現することが可能となっている。
【0044】
特に、本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、固定接点27及び可動接点7で構成される接触式のスライド移動検出手段を備える場合について説明しているが、このような接触式のスライド移動検出手段を採用する場合においては特に、スライド部材5のスライド移動に伴って発生した摩耗粉が固定接点27と可動接点7との摺接部分に侵入して接触不良が生じる事態を防止でき、信頼性を高めることが可能となっている。なお、スライド移動検出手段の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、第1収納部22の内底面に設けられた抵抗体等からなる導電パターンと、スライド部材5に設けられ、この導電パターン上を摺動する可動接点としての摺動子とでスライド移動検出手段を構成するようにしても良い。
【0045】
このように組み立てられた状態において、スライド部材5は、初期状態への自動復帰を可能としつつ、スライドスイッチ1の右方側にスライド移動可能に構成されている。また、スライド部材5は、クリック感触(節度感触)を付与しながらスライドスイッチ1の左方側にスライド移動可能に構成されると共に、左方側にスライド移動させた状態で係止可能に構成されている。このため、例えば、初期状態を基準として、スライド部材5をスライドスイッチ1の右方側にスライド移動させた状態で電源のオン/オフを切り替えると共に、スライドスイッチ1の左方側にスライド移動させた状態で電源状態の切り替えをロック(ホールド)状態とするような電源スイッチに好適に利用することができる。
【0046】
以下、本実施の形態に係るスライドスイッチ1の動作について説明する。図11及び図12は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1が有するスライド部材5を初期状態から右方側にスライド操作した場合の斜視図及び上面図である。また、図13及び図14は、本実施の形態に係るスライドスイッチ1が有するスライド部材5を初期状態から左方側にスライド操作した場合の斜視図及び上面図である。なお、図11〜図14においては、説明の便宜上、スライドスイッチ1からカバー部材6を取り外した状態について示している。
【0047】
図9及び図10に示す初期状態から右方側にスライド部材5がスライド操作されると、スライド部材5の係合片53aは、コイルばね3の付勢力に抗してコイルばね3を圧縮しながら右方側に移動する。そして、スライド部材5をスライド移動可能な限界位置までスライド移動させると、スライド部材5が図11及び図12に示すように、スライド部材5が第1収納部22の最右方側の位置まで移動し、操作部52が開口部2eの右方側端部近傍の側壁2bに当接した状態となる。この場合、スライド部材5に固定された可動接点7の腕部72a、72bは、それぞれ共通固定接点27a、右方側固定接点27cに接触した状態となっている。すなわち、初期状態から可動接点7の腕部72a、72bが接触する固定接点27が切り替わるので、スライド部材5の右方側への移動を検出できるものとなっている。
【0048】
なお、図11及び図12に示す状態から、操作者がスライド操作を行う手を解放すると、コイルばね3の付勢力に応じて係合片53aが左方側に押し戻され、スライド部材5が左方側にスライド移動する。そして、係合片53aの左方側端部が板ばね4の係合突部41に到達すると、係合突部41とコイルばね3との間で挟持された状態とされ、初期状態(図9及び図10に示す状態)に復帰(自動復帰)することとなる。
【0049】
一方、図9及び図10に示す初期状態から左方側にスライド部材5がスライド操作されると、スライド部材5の係合片53aは、板ばね4の係合突部41に当接し、板ばね4の付勢力に抗して係合突部41を側壁2a側に退避させながら左方側に移動する。そして、係合片53aが係合突部41の頂部を乗り越えると、板ばね4の付勢力に応じて係合突部41が初期状態の位置まで復帰してスライド部材5が図13及び図14に示す状態となる。スライドスイッチ1においては、スライド部材5の左方側へのスライド動作に伴う板ばね4の復帰動作の際にクリック感触(節度感触)が生起されるものとなっている。この場合、スライド部材5は、開口部2eの左方側端部近傍の側壁2bにより左方側への移動が規制された状態となっている。すなわち、スライド部材5は、板ばね4の付勢力により開口部2eの左方側端部近傍の側壁2bに押し付けられた状態において位置決めされている。より具体的には、係合片53aの側端部が板ばね4の係合突部41に弾接状態で当接することにより、スライド部材5が第1収納部22の左方側に保持されるものとする。このとき、スライド部材5に固定された可動接点7の腕部72a、72bは、それぞれ左方側固定接点27d、共通固定接点27aに接触した状態となっている。すなわち、初期状態から可動接点7の腕部72a、72bが接触する固定接点27が切り替わるので、スライド部材5の左方側への移動及び係止状態を検出できるものとなっている。
【0050】
同様に、図13及び図14に示す状態から右方側にスライド部材5がスライド操作される場合には、スライド部材5の係合片53aは、板ばね4の付勢力に抗して係合突部41を側壁2a側に退避させながら右方側に移動する。そして、係合片53aが係合突部41の頂部を乗り越えると、板ばね4の付勢力に応じて係合突部41が初期状態の位置まで復帰してスライド部材5が図9及び図10に示す初期状態となる。この板ばね4の初期状態の位置への復帰動作の際にも、クリック感触(節度感触)が生起されるものとなっている。この場合、スライド部材5の係合片53aは、係合突部41とコイルばね3との間で挟持された状態とされ、スライド部材5が初期状態に復帰することとなる。このとき、スライド部材5に固定された可動接点7の腕部72a、72bは、それぞれ共通固定接点27a、中央固定接点27bに接触した状態となっている。すなわち、左方側に移動した状態から可動接点7の腕部72a、72bが接触する固定接点27が切り替わるので、スライド部材5の初期状態への復帰を検出できるものとなっている。
【0051】
このように本実施の形態に係るスライドスイッチ1においては、ケース2の第2収納部23の第2ばね収納部26に板面が当該第2ばね収納部26の内底面と交差するように板ばね4を配置すると共に、コイルばね3の圧縮方向における延長線上に板ばね4の係合突部41の一部を突出させるようにしている。このため、板ばね4を収納するスペースが縮小されると共に、コイルばね3と板ばね4の係合突部41とをオーバーラップするように配置されることから、スライド部材5の自動復帰機能とスライド操作に伴うクリック機構とを有するスライドスイッチ1においても、スライド部材5のスライド方向と直交する方向のケース2の寸法を低減することができるので、当該方向の寸法を小型化したスライドスイッチ1を提供することが可能となる。
【0052】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスライド型電気部品としてのスライドスイッチの分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係るスライドスイッチの外観を示す斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係るスライドスイッチの外観を示す斜視図である。
【図4】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するケースの上面図である。
【図5】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するケースに埋設される固定接点の上面図である。
【図6】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材の構成を説明するための斜視図である。
【図7】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材の構成を説明するための斜視図である。
【図8】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有する、係合片を切断する前の板状部材が埋め込まれたスライド部材の斜視図である。
【図9】上記実施の形態に係るスライドスイッチの斜視図である。
【図10】上記実施の形態に係るスライドスイッチの上面図である。
【図11】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材を初期状態から右方側にスライド操作した場合の斜視図である。
【図12】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材を初期状態から右方側にスライド操作した場合の上面図である。
【図13】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材を初期状態から左方側にスライド操作した場合の斜視図である。
【図14】上記実施の形態に係るスライドスイッチが有するスライド部材を初期状態から左方側にスライド操作した場合の上面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 スライドスイッチ
2 ケース
2a〜2d 側壁
2e 開口部
2f、2g 溝部
2h 開口部
2i、2j 係合片
2k 傾斜面
21 隔壁
22 第1収納部
23 第2収納部
24 仕切り壁
24a 切欠き部
24b、24c 屈曲部
24d、24e 隙間
25 第1ばね収納部
26 第2ばね収納部
27 固定接点
27a 共通固定接点
27b 中央固定接点
27c 右方側固定接点
27d 左方側固定接点
3 コイルばね
4 板ばね
41 係合突部
5 スライド部材
51 本体部
52 操作部
53 板状部材
53a 係合片
53b 固定部
53c 突出部
53d 固定片
53e 延出部
54 凹部
54a 突出片
6 カバー部材
61 上面部
62 脚部
63 係合腕部
7 可動接点
71 固定部
72a、72b 腕部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部を有するケースと、このケース内をスライド移動可能に設けられたスライド部材と、このスライド部材のスライド移動を検出するスライド移動検出手段と、前記スライド部材のスライド移動に伴って当該スライド部材に設けた係合部と係脱する係合突部を備えた板ばねと、前記スライド部材のスライド移動に伴って弾性変形して当該スライド部材を操作前の状態に復帰させるコイルばねとを具備し、板面が前記収納部の内底面と交差するように前記板ばねを配置すると共に、前記コイルばねの圧縮方向における延長線上に前記板ばねの前記係合突部の少なくとも一部を突出させたことを特徴とするスライド型電気部品。
【請求項2】
前記スライド部材に埋設した第1の金属板の一部で前記係合部を構成すると共に、一部に前記係合突部が形成された第2の金属板で前記板ばねを構成したことを特徴とする請求項1記載のスライド型電気部品。
【請求項3】
前記第1の金属板の一部を折り曲げた係合片で前記係合部を構成し、当該係合片の一側端部で金属線材からなる前記コイルばねを圧縮するように駆動することを特徴とする請求項2記載のスライド型電気部品。
【請求項4】
前記スライド部材は、前記係合部が前記コイルばねの一端と前記板ばねの前記係合突部との間に配置された第1状態を基準として、一方向へスライド移動すると前記コイルばねが圧縮される第2状態となる一方、他方向へスライド移動すると前記係合部が前記係合突部と係脱して第3状態となり、前記係合部の側端部が前記係合突部と当接可能に対向して前記第3状態に保持されることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のスライド型電気部品。
【請求項5】
前記収納部は、前記内底面に立設された隔壁により区画される第1収納部と第2収納部とを有し、前記第1収納部に前記スライド移動検出手段を収納する一方、前記第2収納部に前記コイルばね及び板ばねを収納したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のスライド型電気部品。
【請求項6】
前記スライド移動検出手段は、前記第1収納部の内底面から露出する固定接点又は導電パターンと、前記スライド部材に設けられ、前記固定接点又は導電パターンと摺接する可動接点とから構成されることを特徴とする請求項5記載のスライド型電気部品。
【請求項7】
前記第1の金属板は、前記スライド部材のスライド移動方向に沿って当該スライド部材の一端から他端に亘って延設されることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載のスライド型電気部品。
【請求項8】
前記第1の金属板の一部を、前記収納部を蓋閉するカバー部材と前記隔壁の端面との間に配置し、当該前記第1の金属板の一部で前記スライド部材がスライド移動可能に案内されることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のスライド型電気部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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